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電通新入社員自殺に見る、過労死事件頻発の理由とは(ダイヤモンド・オンライン)
http://www.asyura2.com/16/hasan114/msg/494.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 10 月 18 日 08:31:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

企業理念が現場で曲解され、「長時間労働をするのが当たり前」という風潮にすり替えられてしまっている企業は、よく見受けられる。社員一人ひとりの状況を見極めず、一律に価値観をゴリ押しすれば、追いつめられる社員が出てくるのは、当然のことだ(写真と本文は関係ありません)


電通新入社員自殺に見る、過労死事件頻発の理由とは
http://diamond.jp/articles/-/104897
2016年10月18日 山口 博 ダイヤモンド・オンライン


電通新入社員の自殺が労災認定されるなど、労災事故は後を絶たない。私はその原因は、間違った価値観の押し付けにあると思えてならない。なおかつ、画一主義こそチームワークであるという誤認識が悲劇を生み続けるのではないか。異なるモチベーションエリアの個々の特性を生かしてこそ、強い組織はつくれるのだ。

■高い企業理念も歪んで伝われば
長時間労働是認に

 東京大学文学部を卒業し電通に入社した1年目の女性社員、高橋まつりさん(当時24)が昨年12月に自殺、このほど三田労働基準監督署が労働災害と認定した。母親の幸美さん(53)が厚生労働省で記者会見し「労災認定されても娘は戻ってこない。いのちより大切な仕事はありません。過労死を繰り返さないで」と訴えた。本人、そして遺族の無念さを思うに余りある。

「君の残業時間は会社にとって無駄」「目が充血したまま出勤するな」「女子力がない」などとパワーハラスメント、セクシャルハラスメントを受けていたとみられ、「誰もが朝の4時退勤とか徹夜とかしている中で新入社員が眠いとか疲れたとか言えない雰囲気」(本人のTwitterより)という状況の中で、深夜勤務が常態化、時間外労働時間は月100時間を超えていたという。

 過労死事件が、こうも後を絶たたないのはなぜなのだろうか。

 私は、その原因は、間違った価値観の押し付けによる、チームワークのはき違えにあると思えてならない。企業にはそれぞれ価値観がある。電通は企業理念として、「Good Innovation.」を掲げ、「『その手があったか』と言われるアイデアがある。『そこまでやるか』と言われる技術がある。『そんなことまで』と言われる企業家精神がある。私たちは3つの力でイノベーションをつくる。人へ、社会へ、新たな変化をもたらすイノベーションをつくってゆく」と説いている。

 企業理念は、その組織の誰もがコミットするべき、核となる価値観だ。言い換えれば、その価値観に違和感を覚えたり、自分には合わないと感じたりしたのならば、その組織からは去って、自分に合う価値観の組織に従事した方がよいというくらいに、重要な要素だ。

 問題は、その価値観が伝言ゲームの如く独り歩きすることだ。「アイデアが出るまで、顧客ニーズに応えるまでやれ」、「深夜勤務(そこまで)してでもやり遂げろ」、「徹夜(そんなこと)は当たり前」という脈絡になってしまうことが問題だ。長時間労働が企業理念ではないはず。労働時間とは全く関係なく、アイデア、技術、企業家精神の必要性を説いているだけなのに、それを現場が勝手に矮小化して、労働時間の長さを求めてしまう。かくして間違った価値観が蔓延する。

 このように申し上げると、必ずと言っていいほど受けるリアクションが、「それができないから、長時間労働になってしまうのではないか」というものだ。私は言いたい。疲弊したマインドと体力と人間関係で、よいアイデアが生まれるか、高い技術をもたらせるか、企業家精神を発揮できるのか?

■「長時間労働は是か否か」以前に
個々人のモチベーションを尊重すべき

 これに輪をかけて道を踏み誤らせるのが、価値観の押し付けである。私は、価値観は押し付けるものではないし、決して押し付けてはならないものだと思う。自らの内なる声に従って、合うか合わないかを本人が判断して、その価値観に与するかどうかを決めさせることが大切ではないか。

 アイデア創出に価値を置く人もいれば、他の人のアイデアを具現化することが大事だと思う人もいるだろう。新技術の開発に価値を置く人もいれば、既存技術の運用を重視する人もいるだろう。企業家精神に価値を置く人もいれば、組織の一員としてこそ能力を発揮する人もいるだろう。

 入社前は、企業の価値観に合致すると思っていても、入社してみたら、その会社の価値観には合わないというケースも当然ある。その場合でも、周囲に感化されて、企業の価値観に染まっていくことはあり得る。しかし、それは時間を要することなのだ。ましてや、長時間労働といった、間違った価値観に感化させてはならない。

 もちろん、長時間労働に価値を置く人がいることは事実だ。深夜になると俄然、パフォーマンスが高まるタイプは確かにいる。抜きん出た体力で、長時間労働と粘りの領域でこそ勝負したいという人も、まれにはいるだろう。私は、そうしたいと本人自らが思う人は、心身になんら懸念が発生しない限りにおいて、ルールに従ってある程度は許容すべきだと思う。

 逆に、公私のバランスを取りたい気持ちになった人には、決して無理強いしてはならない。良い悪いではなく、人にはそれぞれモチベーションを高めやすいエリアがある。それを私は「モチベーションエリア」と名付けている。このモチベーションエリアを可能な限り尊重してあげることが、ストレスを溜めさせず、パフォーマンスを上げさせることにつながる。

 企業向けに能力開発プログラムを実施していると、わが国のビジネスパーソンは、自分の価値観の押し付けの度合いが高すぎると思えてならない。

 私はビジネスパーソンのモチベーションエリアを、「目標達成」「自律裁量」「地位権限」「他社協力」「安定保障」「公私調和」の6つに区分している。

 目標達成することにモチベーションエリアのある上司が、安定保障や公私調和のモチベーションが高くなっている部下に対して、「徹夜三連荘は当たり前だ、やれ」と命令した実例がある。逆に、最近の若者には手取り足取り懇切に助言しなければならないとマイクロマネジメントしようとして、ある程度経験を積み、任せてほしいと思っている、自律裁量のモチベーションエリアを高めている部下から疎まれるという事例もある。

 部下のモチベーションエリアを知ろうとしない上司も問題だが、自分と同じに違いないと単純に勘違いしていたり、この会社に入社したのだから、特定のモチベーションエリアでなければならないという間違った思い込みをするなどの上司がいかに多いことか。私がモチベーションエリアに応じたマネジメント手法を普及させるために全国を行脚しているのは、この状況をなんとか解決しなければ、わが国の労働問題は解決しないと確信しているからだ。

■価値観押し付けの画一主義を
チームワークとはき違えるな

 価値観の押し付けは、チームワークのはき違えを生む。「誰もが朝の4時退勤とか徹夜とかしている中で新入社員が眠いとか疲れたとか言えない雰囲気」という高橋まつりさんの記述にみるように、周りに合わせなければならないというマインドが生まれる組織は、チームワークを体現しておらず、単なる画一主義を体現しているに過ぎないのだ。

 私が考えるチームワークは、それぞれが自分のモチベーションエリアで能力を発揮するというものだ。

 目標達成のモチベーションエリアの人は、その領域で能力を発揮するし、公私調和の人は、そのモチベーションエリアに従って行動する。朝方の人もいれば、夜型の人もいる。早帰りする日もあれば、遅くなる日もある。企画が得意な人もいれば、他の人の企画を運用することで能力発揮する人もいる。そういうメンバーそれぞれの得意分野を組み合わせて、総合力を高めることこそ、チームワークではないのか。

 企業理念となるコアな価値観は、しっかりと共有しつつも、メンバーそれぞれのモチベーションエリアは尊重してこそ、強い組織となる。偏ったモチベーションエリアの人だけが集まった組織が脆弱なことは自明だろう。ましてや、他の人も長時間労働しているのだから、おまえもそうしろと、モチベーションエリアが異なるにもかかわらず、暗黙のうちにそれを押し付けて、その掟に従わないと組織からはじくようでは、チーム力が高いはずがない。

 従って私は、健康被害の恐れのある長時間勤務にはもちろん反対であり、かつ、明示的か非明示的かによらず、一律に長時間勤務を強要することにも当然反対だ。そして、一律に強いることに内在する、メンバー一人ひとりのモチベーションエリアを尊重しないことに、最も強い危惧を感ずる。

 その意味で、一律の早帰り運動、一律の残業禁止にも反対だ。残業禁止の一番の目的は、社員の健康被害の未然防止であるはずだが、これは一律の勤務時間コントロールでは解決しない。早帰りしている人にも健康懸念がある人はいるし、自らのモチベーションに則って健康懸念なく、一時的に長時間労働している人もいる。要は、個別のケアが不可欠なのだ。

■人事ビジネスパートナーが
労災事故を未然に防ぐ

 個別のケアをするために、人事部の役割は重要だ。人事部が人事事務機能ではなく、社員の健康維持やパフォーマンス向上のための個別ケアができる体制の構築が不可欠なのだ。

 そのために、10年以上も前から、「人事ビジネスパートナー」制が注目されている。人事スタッフが一定人員のビジネス部門を担当し、その部門の採用、育成、業績管理、マネジメントから個別社員のケアまで、部門マネジメントの一元的なサポートをする。つまり、人事部がビジネス部門の「パートナー」としての役割を果たす、という考え方だ。しかしこれは、実現できているとは言い難い。

 もし、電通で、人事ビジネスパートナーの役割が機能していたのであれば、誤った価値観を押し付けたりハラスメントを発生させたりする上司は激減するだろうし、なによりも健康被害の兆候が見られた段階で、人事ビジネスパートナーが察知して、適切なアクションができたに違いにない。

 二十数年前、私が新卒社員として入社した直後の所属部門長の第一声は、「決して無理するな。体を壊したら元も子もない。部としても計算が立たなくなるからな」というものだった。当時の私は後段のフレーズに反応して、自分を見くびらないでほしいと憤慨したものだが、案の定、入社1ヵ月で高熱を出して数日会社を休むはめになった。

 以来、その言葉を肝に銘じ、人事業務に従事したり、あるべき人事部の実現に微力を尽くしている。モチベーションエリアを見極めたコミュニケーションを浸透させていかなければならない。そして、人事ビジネスパートナー機能の十全な発揮を実現させていかなければならない。

※本稿は、個人の見解であり、特定の企業や団体、政党の見解ではありません。画像はイメージです。
 

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コメント
 
1. 2016年10月18日 11:14:57 : aLq7TnShtE : NJgel2uQHoI[2]
全員アルバイトなら、少なくともサビ残の問題は減る。時給だし。

2. 2016年10月18日 13:29:03 : nJF6kGWndY : n7GottskVWw[2936]

>電通新入社員自殺に見る、過労死事件

過労死と過労自殺は違う

前者は肉体の健康管理の問題が主因だが

後者は、うつ病によるメンタルの悪化が主因であり、

抗鬱剤の副作用の可能性も指摘されている

同じ労災認定でも注意が必要だろう


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