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都市銀行、野村証券、ゆうちょ銀行とも競合 地銀が潰れていく理由〈週刊朝日〉
http://www.asyura2.com/16/hasan114/msg/610.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 10 月 21 日 13:55:55: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

「めぶきFG」の新しい看板を前に握手する、同グループの寺門一義社長(左)と松下正直副社長 (c)朝日新聞社


都市銀行、野村証券、ゆうちょ銀行とも競合 地銀が潰れていく理由〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20161019-00000219-sasahi-bus_all
週刊朝日  2016年10月28日号より抜粋


 全国で地方銀行の再編が進んでいる。このままでは5年後に20行まで減少すると見る専門家もいるほどだ。従来、地域の企業や住民にきめ細かいサービスを提供し、強固な顧客基盤を持っていたはずの地銀だが、そこまで追い込まれた要因は何か──。

 日本の銀行はバブル崩壊後の1990年代、過剰融資による不良債権問題を抱えた。97年に拓銀、98年には長銀、日債銀が破綻。政府が都市銀行に大なたを振るい、再編が加速した。統合による規模の拡大、コスト削減効果などが見込まれ、三菱東京UFJ銀行や三井住友銀行といったメガバンクが生まれた。

 政府は全国各地の地銀・第二地銀の再編にも着手しようとしたが、不動産ミニバブルなどの資金特需もあって銀行業界は息を吹き返し、このときは「笛吹けど踊らず」だった。

 ところが、潮目が変わった。2月に始まった「マイナス金利」だ。地銀の主な収入源は、預金金利と貸出金利の差などの「利ザヤ」と、送金や為替、投信販売などの手数料だが、日本銀行の当座預金に預けた金額に応じ、世間より有利な利子ももらってきた。ここが、マイナス金利のせいで危うくなったのだ。

 さらに深刻なのは、預かったお金を運用するという本業の一角、債券運用への悪影響だ。

 S&Pレーティング・ジャパンの吉澤亮二・主席アナリストによると、地銀が運用する債券の平均的な運用期間は3.5年。満期が来れば、マイナス金利の影響で利回りが低下した別の債券に入れ替えるため、将来得られる金利収入は現在より少なくなる。

 吉澤氏の試算では、地銀がマイナス金利によって減らす利益幅は実施1年目に「対前年比15%程度」。都市銀行の倍だ。

 都市銀行の貸し出し事業では、海外比率が3割近くに達するが、地銀の貸し出しはほぼ国内限定。マイナス金利で被る負のインパクトが都市銀行より大きいのだ。債券入れ替えが進む3年後には、対前年比20%超の減益となる見通しというから驚きである。

 追い込まれた地銀の領地に“巨人”も進撃を始めている。

 もともと銀行業界には棲み分けがあった。都市銀行が大都市と大企業を相手にし、地銀は地方都市と中小企業を領地としてきた。ところが今、都市銀行という名の巨人が、地方に進出し始めているというのだ。

『地方銀行消滅』(朝日新書)の著者、津田倫男氏によると、目立つのは東北。東日本大震災で被災し、建て替えなどの復興が進む仙台などだ。東北にわく資金需要に直接的、間接的に巨人が食いつき、地元の地銀は気が気でない状況だ。

 さらに別の大きな影も迫る。金融業界のガリバーと呼ばれる野村証券、さらには政府系金融機関も現れた。ある業界通は言う。

「めぶきFGの筆頭株主は野村。野村はきっと次の一手を仕掛けてくる。足利を使ってどうするかだ」

 野村は2006年に銀行業へ本格進出。経営破綻して一時国有化された足利銀にも出資している。“銀行の巨人”にでもなるのか。吉澤氏はこう読む。

「足利に出資したとはいえ、銀行業自体に興味はないと思う。安く買い、付加価値を高めて高く売るという戦略ではないか。合理化を進めるか、規模を拡大させるか……今後、他の地銀にも手を広げるなら『規模の経済』で価値を高めようという狙いでしょう」

 政府系金融機関が繰り出す低金利の貸し出しも脅威だ。各地に店舗があるゆうちょ銀行も預金で競合。民業圧迫さながらだ。また、名古屋や東京では力のある信用金庫が台頭。とりわけ低い「名古屋金利」などを武器に、下から地銀を突き上げている。

 金融庁は9月、地銀の25年3月期の経営状況などの見通しを公表。貸し出しや投信販売などの本業で地銀全体のおよそ6割が「赤字転落」という衝撃的な試算を明らかにした。

 わずかに残る“水場”を求めてさまよう地銀は、背に腹は代えられず、自ら壁を乗り越えて大都市圏にも進出。企業への貸し出しなども狙っている。「今や融資残高が地元の地方より都市部のほうが高い地銀も多い。もはや『名ばかり地銀』の状況」(吉澤氏)だ。例えば、京都市を拠点とする京都銀行でさえ、昨年末に東京の支店を営業部に格上げした。大阪や名古屋の支店も強化しているような状況だ。

 マネックス証券の大槻奈那チーフ・アナリストが指摘するように、窮地を脱するための再編にしても、メリットは極薄だ。例えば、「九州フィナンシャルグループ(FG)」が算出した今後3年の統合シナジー(金額)は貸出残高の約0.1%に過ぎない。これでは貸し出しで得られる利ザヤが少し減るだけで吹き飛んでしまう。統合の規模が大きくないと、マイナス金利の損失1年分をカバーする程度の効果しか期待できない。

 再編後も「領地」の外側でライバルと競うことになるため、既存店舗などのコスト構造を軽くする必要に迫られる。
 

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