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米国と中国と欧州、一斉に「自国利益優先主義」鮮明…世界、想定外の事態突入の兆候(Business Journal)
http://www.asyura2.com/16/hasan114/msg/726.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 10 月 25 日 00:41:15: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

               2016年米大統領選挙・ラスベガスでの最後の討論会(ロイター/アフロ)


米国と中国と欧州、一斉に「自国利益優先主義」鮮明…世界、想定外の事態突入の兆候
http://biz-journal.jp/2016/10/post_16990.html
2016.10.25 文=真壁昭夫/信州大学経法学部教授 Business Journal


 日本時間の10月7日午前8時過ぎ、金融市場に緊張が走った。英ポンドが米ドルに対し6%程度急落したのである。まだ東京市場での取引が始まっていない時間帯であっただけに、多くの投資家にとってポンドの急落は寝耳に水ともいえる動きだった。

 ポンド急落の背景には、英国のEU離脱=ブレグジットへの懸念がある。この時、海外の通信社が「欧州首脳が英国の離脱交渉において一切の譲歩をしないと強硬な姿勢を示した」と報道した。これが、英国がEU単一市場へのアクセスを喪失し、経済の混乱につながるとの不安心理を高めた。ポンド急落は政治のリスクに影響された。

 世界全体に目を向けると、欧州の政治動向に加え、米国の大統領選挙が近づき、投資家は討論会の動向などに神経をとがらせている。1回目の討論会の結果、世論は民主党のヒラリー候補が優勢と評価したが、まだ予断を許さない。歯に衣着せぬ物言い、国際社会の常識や人権をも無視した過激発言を繰り広げてきた共和党のトランプ氏が、同党の最終候補に残った事実は軽視できない。

 6月23日のEU離脱が選択された英国国民投票のように、政治が想定外の方向に進む可能性は排除できない。これからの政治情勢の変化は、世界経済の行方に大きな影響を与えることは間違いない。“政治の季節”が本格的に始まった。

■世界に広まる自国優先の政治

 現在、主要国の政治は、長引く景気低迷に対する国民の不満を抑えるため、自国優先の姿勢を強めている。その結果、各国の政治は目先の支持確保を優先し、本来必要な構造改革など、中長期的な観点での経済再生への取り組みは二の次という状況になりつつある。

 端的な例が中国だ。中国では需要が低迷し、過剰な生産能力の解消が不可欠だ。需要を喚起するためには構造改革を進めて生産性の落ちた業界の再編を進め、成長産業に労働力を移していく必要がある。問題は、こうした取り組みが失業などの痛みを生むことだ。ときとしてそれは、社会情勢の不安定化につながる恐れもある。

 そこで中国は、規制緩和などを通した住宅市場の高騰で景気を支えつつ、国威発揚のために海洋進出を重視している。来年には共産党の党大会も控える。習近平国家主席は執行部メンバーの交代を機に、自身の支配力を引き上げたいと考えているはずだ。そのため、共産党指導部は改革を重視しながらも、本心では覇権強化に腐心している。

 欧米でも、経済低迷への不満が自国第一の政治につながっている。米共和党の大統領候補であるトランプ氏は、米国は自国のことだけを考えればよいと主張し、世界の安全保障や貿易協定を真っ向から批判している。国際社会の常識を無視した歯に衣着せぬ発言が、「これまでの政治家とは違う」という漠然とした注目や期待を集め、支持につながっているのではないか。

 一方、欧州では、英国の国民投票以降、伊、西、独、仏、蘭などで右派の台頭が顕著だ。それはEUから自国の決定権を取り戻し、移民や難民ではなく自国民の利益を重視すべきとの世論に推されている。

 こうした欧米の政治に共通するのが“ポピュリズム”だ。それは大衆の利益を主張し、支持を得ようとする政治をいう。ポピュリズムが台頭すると、政治は中長期的な社会・経済の安定よりも、目先の民衆の不満解決に向かう。政治は中長期的に必要な判断を下せなくなり、先行き不透明感が高まりやすくなっている。

■ブレグジットが高めるEU分裂のリスク

 米国の大統領選挙への警戒感が高まるなか、ブレグジットへの懸念も高まっている。それは、英国経済への懸念、そして欧州全体の政治混乱への懸念だ。

 10月2日、英国のメイ首相は2017年3月末までにEU離脱の意思を通告すると表明した。この期限は、多くの投資家が想定したタイミングよりも早かったようだ。市場では通告後2年間の交渉期間の中で、英国とEUの意見がまとまらず、強制的に英国が単一市場から閉め出されるとの不安が出ている。

 また、英国の離脱交渉次第では、他の国でもEUからの離脱を求める声が高まりやすい。相対的に経済が良好なドイツでさえ、難民の受け入れがテロの温床になったことへの批判が高まり、自国の命運はEUではなくドイツ国民自らが決めるべきだとの考えが強くなっている。そして、地方選挙の結果、率先して難民受け入れを表明したメルケル首相率いるキリスト教民主同盟は右派政党に敗れている。

 17年、ドイツでは総選挙が予定されている。財政危機が進むなかでもEU・ユーロ圏が団結してこられたのは、ドイツの影響力があったからだ。メルケル政権への支持が低下し、ドイツのEU離れが進むとの見方が高まった場合、EU各国にも同様の動きが広がるだろう。
 
 すでにドイツ以外のEU加盟国でも、移民の流入が自国民の社会福祉を圧迫し、雇用機会を奪っているとの反感は強い。17年には、フランス大統領選挙やオランダ総選挙も予定されている。ドイツの動向次第では、これまで以上に大衆迎合的な右派政党への支持が拡大する可能性がある。

 ポピュリズムの流れを止めるためには、英国が移民を排除しても単一市場にアクセスする特権を受けられるという前例は、なんとしても防がなければならない。もし、EU各国が英国に譲歩すれば、他の国も英国に続けとEU離脱を問う国民投票を実施するだろう。そうなると、EUは分裂に向かい、経済だけでなく社会情勢までもが混乱しかねない。そのリスクを抑えるために、独仏は英国への譲歩を否定し、強硬な交渉姿勢を強調している。

■軽視できない政治が経済に与えるリスク
 
 米国の大統領選挙の結果、そして欧州各国での選挙や英国のEU離脱交渉の動向次第では、今まで以上に主要国の自国優先姿勢が強くなるだろう。その場合、世界経済には無視できない影響がおよび、金融市場が不安定に推移する可能性がある。

 具体的に懸念されるのは、保護主義の台頭だ。保護主義とは、自由貿易とは逆に自国の産業保護・育成を重視して関税の引き上げなどを進めることをいう。これは主要国の経済協定や市場統合への努力に支えられてきたグローバル経済の流れに逆行する。

 28カ国からなるEUが、加盟国間の貿易にかかる関税や数量制限を撤廃し、市場を統合してきたのはその一例だ。そして、アジア・太平洋地域では、日米を中心に世界全体のGDPの36%を占める国が環太平洋パートナーシップ(TPP)協定に参加し、関税の撤廃だけでなく貿易や投資のルール統一を進めてきた。

 リーマンショック後、新興国の景気回復や米国の経済の成長に支えられて世界経済が持ち直したのは、各国企業が積極的に海外に進出し、自国外の需要を手にできたからだ。そのなかで保護主義の台頭が抑えられたのは、米国や欧州が国際的な貿易協定の意義を尊重し、グローバル化の重要性を理解してきたからだ。

 もし米国でトランプ大統領が誕生したり、EU各国で大衆迎合的な政党が政権の座に就くのであれば、この状況は大きく変わる可能性がある。トランプ氏が従来の主張の通りにふるまうなら、米国は米国のことしか考えず、各国の足並みが乱れ、多極化が進むだろう。欧州では経済統合の意義が弱まり、各国の利害対立が鮮明になるだろう。

 それは、自国優先の政治の最たるものであり、保護主義の台頭を通して、世界経済、金融市場の不安定感を高めるはずだ。そうした懸念材料に対応するために、日本をはじめ、各国の政府は潜在成長率を引き上げる努力を重ねるしかない。新しいものを生み出すイノベーションを進め、時に痛みを伴う構造改革を進めなければ、状況はさらに苦しくなる。それができない場合、政治がポピュリズムに向かい、経済だけでなく社会全体の活力が低下してしまう恐れがある。

(文=真壁昭夫/信州大学経法学部教授)
 

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