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介護保険制度は負担増とサービス縮減に向かう?(ダイヤモンド・オンライン)
http://www.asyura2.com/16/hasan114/msg/777.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 10 月 26 日 09:57:06: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 


介護保険制度は負担増とサービス縮減に向かう?
http://diamond.jp/articles/-/105817
2016年10月26日 浅川澄一 [福祉ジャーナリスト(前・日本経済新聞社編集委員)] ダイヤモンド・オンライン


■財源確保と人手不足問題をどうするか?

 3年に一度の改訂期を再来年に迎える介護保険制度。厚労省の社会保障審議会・介護保険部会がほぼ隔週ごとに開かれ、急ピッチで委員の意見表明が成されている。2000年4月に制度が始まって以来の大幅な見直しとなると言われるが、どのような雲行きなのか。現状を点検した。

 団塊世代が70歳代後半になる7〜8年後には要介護者の増大が見込まれる中、財源と介護者の絶対的な不足は明らか。危機的状況を迎えるという。

 そこで、厚労省が打ち出したのが、新たな負担増と介護サービスの縮減による財源確保策である。加えて、国として着手し始めたのが外国人を呼び込む人員確保策である。

 介護保険部会には様々な厚労省案が次々提案され、医療や介護、医療保険団体、自治体、経済団体、大学教授など多くの業界団体などを代表する35人の委員が厚労省案に諾否を述べている。一般的には、賛成論者が多ければ、改定案に盛り込まれることになる。

 介護サービスの縮減などによる財源確保策は、(1)要支援者の訪問介護と通所介護(デイサービス)の自治体への移行(既に実施中)、(2)要介護1、2の軽度者向け訪問介護のうちの生活援助サービスの自治体への移行、(3)ケアプラン作成費の利用者負担、(4)保険料の2割負担の拡大、(5)高額介護サービス費の基準引き上げ、(6)2号被保険者の負担法に総報酬割りを導入――などがある。

 人手不足の解消策としては、A外国人技能実習生の導入、B外国人の訪問介護を解禁、C要支援者向けの訪問介護と通所介護の自治体への移行による地域住民への依存――などが挙げられている。

 これらの新提案のうち、最も注目されたのが(2)の要介護1と要介護2の高齢者向けの生活援助サービスであった。ヘルパーが自宅などに訪問して、掃除や洗濯、買い物、調理など日常生活を手助けする。資格を持つ専門職が全国一律に行っている現行制度を市町村の自治体に移し、ボランティアなど地域住民主体のサービスに転換させようというものだ。これにより、人件費が大幅に削減できるという。

 介護保険部会では対立する激しい議論が続いた。日本経済団体連合会や日本商工会議所の委員からは「専門職はもっと技能を有する排泄介助や入浴介助、看取りなどに特化していくべきで、日常生活を援助するのは自治体事業としてもいいのではないか」とする賛成論が出た。

 なかには「このサービスが家事代行的に使われているのは問題。自分で動くことができるのにヘルパーに肩代わりさせていると、身体機能の悪化につながりかねない」と、サービスそのものを否定しかねない意見も出された。

 これに対して利用者側からは「軽度者の生活をきちんと専門職が支えることは重要。生活が継続できることですぐに重度にならず、在宅生活を維持できる。早く重度になれば施設が必要で、長期的に見れば介護保険の費用が増えていく」と反論した。

 さらに「特別養護老人ホームには要介護3以上でないと入所できなくなった。要介護1、2の軽度者向けには在宅サービスの充実が図られねばならないが、地域によっては十分に行き渡っているとは言えない。家族の負担が増えてしまう」「話し相手がいたり、見守ってくれる人がいるのは生活の基本。生活援助のヘルパーはその重要な担い手なので欠かせない」という考え方も出された。

 実はこの問題は、介護保険の発足時から議論されてきた。厚労省は、要介護者よりもっと軽度の要支援1と要支援2の人については、家事援助だけでなく訪問介護全体と通所介護を既に昨年4月から自治体事業への移行を進めている。(1)である。「新総合事業」と言われる、この自治体への移行事業が順調に進んでいるとは言い難いのが実態だ。

 介護保険部会では「この移行内容を精査し、見極めてからにしては」という意見が大勢を占めた。そこで、厚労省は今月に入って、要介護1、2の介護サービスを継続する方針を固めた。

 その代わりに、自己負担率を引き上げる案を示した。これには多数の委員が反発した。「介護サービスを活用して要介護度が下がったのに、負担率が高まってしまうのはおかしい」「逆に、負担率を下げるために要介護度を上げてくれと言う利用者や家族が現れかねず、モラルにかかわる」。

 なんとしても生活援助に手を付けたい厚労省は、次の手段として事業者への報酬切り下げを目論んでいる。併せてサービス提供の人員・資格などの基準を緩和し、事業者が低コストでサービスできるようにするようだ。

 こうした変質は、すでに要支援者の訪問介護と通所介護で進行中だ。自治体が主導する「新総合事業」である。その中で、本命視されているのが「サービスB」。無資格のボランティアや地域住民が担う方式である。

 つまり、大きな流れは明らかだ。介護保険対象者は中重度者に絞り込み、軽度者向けサービスは次々と切り離して自治体の地域事業に移行させる。そのスピードと基準緩和のレベルが問われるだけかもしれない。


■「応能負担」の考え方

 次に(3)のケアプランの費用問題である。介護保険サービスを利用する際には、利用者はその費用の1割を保険料とは別に支払うことで制度はスタートした。どの介護サービスを使うか、その頻度はどれぐらいにするかを決めてケアプランを事前に作らねばならないが、利用者負担がない。ケアマネジャーが本人や家族と相談して作成する。

 利用者に自己負担を課すと、介護サービスの利用を躊躇する恐れが出て来ることや制度の普及を目指すことから利用者負担をなしにしてきた。

 財源難の波がここにも押し寄せ、1割か2割の利用者負担という議論が俎上に上っている。だが、多くの委員は異論を唱えていることから、今回は見送られるだろう。

 また、(3)の高所得の利用者に対して、利用時の1割負担を2割負担とする措置は既に昨春から実施されており、この範囲を拡大する案も検討課題となっている。

 毎月の利用料が高額になった時に、一定額以上が戻ってくる「高額介護サービス介護費」の見直しも議論されている。対象者は、課税所得が年145万円未満で市区町村民税が課税されている世帯。自己負担の合計が3万7200円を超えた分が戻ってくる。この限度額を4万4400円に引き上げようという案だ。

 4万4400円は、医療保険の同様の制度「高額療養費」と同じ金額である。つまり、医療保険に揃えることになる。

「介護は医療と違って、長期にわたるので、同じ発想で考えてはならない」とする利用者側委員からの反論があったが、大方の委員は賛意を表明しており、実現する可能性が高い。

「介護保険制度を持続させるためには、所得に応じた負担を求めていく」という「応能負担」の考え方が今回の制度改定に貫かれている。そのため、医療保険との横並び論も受け入れられつつある。

 同じように、40歳以上64歳以下の第2号被保険者が納める介護納付金についても、複数の医療保険の構成者の所得を勘案していこうとする案が浮上した。中小企業の被用者が加入する協会けんぽと大企業社員が加入する健康保険組合、それに公務員の共済組合の負担能力の差が開いているので、所得に応じた負担制度に変えようというものだ。(6)の総報酬割りの導入である。

 65歳以上が支払う保険料は、当初から所得に応じて5〜6段階で始まり、その後十数段階に細分化している。応能負担をきめ細かく実施してきた。利用者の2割負担の導入も、全く同じ応能負担の考え方によるものだった。

 現行の2号被保険者の納付制度では加入者の人数で割り振っているが、これを所得で振り分ける。所得に違いによる支払う保険料の差をなくして、同じ所得であれば同じ保険料になる。

 総報酬割りを導入すると、保険組合の違いでどのように変わるか。

 今はすべて一人当たり月額負担(労使含む)が5125円だが、健康保険組合では、727円増えて5852円となり、共済組合も1972円増えて7097円となる。これに対して協会けんぽは、241円減って4043円になる。

 これに対して増額となる健康保険組合の委員は当然ながら反対論をぶつ。だが、利用者に応能負担を求めていながら、納付者になると異を唱えるのは聞き手の多くが納得しないだろう。


■深刻な人手不足は外国人頼みに

 財源論と並んで大きな課題は人手不足である。厚労省の試算では、2025年には約38万人の介護者が足りなくなる。少子化が進むなか国内ではとても充足できそうもないため、外国人が頼りとならざるを得ない。

 だが、日本は単純労働者の移民を認めていない。総人口に対する移民の比率は、アメリカ、ドイツは15%に達しており、英国が13%、フランスも12%。白豪主義から一転して推進に転換したオーストラリアでは28%にも上っている。




 欧州諸国の高齢者施設を視察していると、東欧や北アフリカからやってきた人たちと介護の現場でよく出会う。介護だけでなく、サービス労働では移民がその大きな担い手になっているのが現実である。


介護施設で働く移民が多いロンドン。10年前にカメルーンから来た女性

 これに対して、日本の移民比率はわずか1.6%。先進諸国の中で際立って少ない。国民の間で未だに移民への抵抗が強いとみている安倍政権は、「移民ではない」と公言しつつ、実質的に移民に近い施策をひねり出して、なんとか外国人を呼び込む作戦に出ている。

 技能実習制度適正化法案が10月21日に衆院法務委員会で可決され、今国会で成立することになった。74の対象職種に介護を新しく加え、実習期間を3年から5年に延ばす。対人サービスは初めて。

 同制度は途上国からの実習生が日本の優れた技術を習得して自国に持ち帰り、社会経済の発展に寄与する人材育成、即ち国際貢献が本来の趣旨だ。1993年に始まった。

 出身国の半数近くは中国。次いで3割のベトナム、そしてフィリピン、インドネシアと続く。アジア諸国からがほとんど。5年前の15万人から、この6月末には過去最多の約21万人に増えている。これまで介護は、「海外から学ぶだけの技術があるか疑問」と見なし、外してきた。手のひらを返すような方針転換だ。

 だが、同制度は以前から大きな問題を抱えている。趣旨に反して実際は、実習生の大半が農漁業や建設、中小企業での人手不足を補う「低賃金の労働力」になっていると指摘されてきた。違法な時間外労働による長時間労働や賃金不払いなどの労働基準法違反、それに安全基準違反による労災事故も多い。

 2014年には、米国の国務省の人身取引報告書で強制労働等と指摘し、人権侵害行為まで疑われている。改正法では、違法行為を防ぎ実態を監督する「外国人技能実習機構」を新設することになった。

 同日の衆院法務委員会は入管法も改正し、外国人が就労できる在留資格に介護を加えた。留学生資格で入国した外国人が、養成施設で2年以上学び、介護福祉士の資格を場合である。


■外国人を受け入れている施設の評判はいい

 もう一つ、外国人への扉が開く。訪問介護サービスに2017年度から就労できる。経済連携協定(EPA)で来日し、日本の国家試験に合格した外国人の介護福祉士の働く場を広げることに厚労省が踏み切った。

 今は、特別養護老人ホームや老人保健施設など介護師施設に限られている。個人の家庭などで1対1で対応するため、厚労省の有識者検討会はガイドラインをまとめた。介護事業者に対して、日本の生活慣習を教える研修の実施や災害発生時や容態急変時の対応マニュアルの整備、それに訪問記録の簡略化、責任者の一定期間の同行などを求めている。日本語の能力試験を新たに課すことはなく、事業所の判断に委ねる。

 EPAによって、2008年度にインドネシアからの受け入れが始まり、その後フィリピン、ベトナムに広がり、これまでに2777人が来日している。4年間施設で就労しながら介護福祉士の資格取得を目指す。資格を得れば日本で無期限に働き続けられる。この4月までに約440人が資格を得て、約310人が施設で就労中だ。

 日本語の微妙なニュアンスや食生活や生活様式の地域差などを習得するのが難しいため、個人の家庭で十分な介護サービスが届けられるか疑問という声が聞かれる。

 だが現在、外国人を受け入れている各地の施設での評判はとてもいい。入居者にも人気があるという。真面目で真摯な姿勢が、生活習慣の違いを克服しているようだ。

 とはいえ、絶対数があまりにも少ないことと、EPAの趣旨からして介護人材の不足解消策としてはほとんど期待できない。厚労省は当初から「EPAは介護人材不足とは関係ない」と断言している。

 そもそもEPAは関税を含む2国間の経済協定。国内農産物の関税を下げたくない日本政府が、やむなく相手国の言い分を受け入れて看護師を迎えたに過ぎない。人員不足の観点からとらえるのは間違いと言っていいだろう。

 こうして、EPAだけだった扉が改正法の施行で2つ増える。なかで多人数が期待できるのは実習制度。在日期間が最長5年という限界はあるが、無資格者への門戸開放なので今後の行方が注目される。



 

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コメント
 
1. 2016年10月26日 10:28:04 : nJF6kGWndY : n7GottskVWw[3022]

要介護者は増え続け、介護労働者の賃金の上昇圧力も高まれば

当然、さらに税金を投入したり、保険料負担や実費負担を増やし、サービスを低下させるしかない

いずれにせよ全体の負担は高まる

よほど規制緩和して、生産性を上げたり、コストを削減しない限り、当たり前の話だ



2. 2016年10月26日 13:54:11 : MBdP4SuIHA : Lhmt9rixWGc[13]
>よほど規制緩和して、生産性を上げたり、コストを削減しない限り、当たり前の話だ

業界のことも知らずに規制緩和、生産性の向上、コスト削減 
バカの一つ覚え。
規制緩和やコスト削減はいいことしかないかのように思い込む。
社会保障に使うカネはうるさく言うのに東電、リニア、原発処理に何十兆もばらまくことには何一つ批判できない。


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