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タカタのエアバッグ事故が提起する2つの問題(ダイヤモンド・オンライン)
http://www.asyura2.com/16/hasan115/msg/296.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 11 月 04 日 09:44:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

タカタのエアバッグ事故が提起する2つの問題
http://diamond.jp/articles/-/106722
2016年11月4日 佃 義夫 [佃モビリティ総研代表] ダイヤモンド・オンライン


■エアバッグ部品のリコール問題で
経営危機に直面しているタカタ

 タカタというと、業界内ではエアバッグのメーカーとして、一気に知られるようになった。皮肉なことに、そのタカタの社名を世間に広く有名にさせたのもエアバッグであった。タカタが製造し、自動車メーカーに供給する安全装置、エアバッグ部品のインフレータ(膨張装置)による大量のリコール(回収・無償修理)問題である。

 元々、シートベルトやチャイルドシートで大手の部品製造業だったタカタは、エアバッグ分野には早くから進出していた。タカタからは日本の自動車メーカーだけでなく、欧米の自動車メーカーの多くも供給を受けてきた。それだけに「エアバッグ破裂事故」によるリコールが広がるにつれ、自動車メーカーの品質保証対応コスト引き当ても高まった。その一方、この問題でタカタの経営体質に対して、非難が続出したのは周知の通りだ。

 結果、タカタは大きな経営危機に直面している。経営支援を求めた「身売り」も時間の問題とされる。折しもタカタは4日、9月中間決算発表を行う。年内にも企業としての方向も定まることになりそうだ。

 ところで、、この「タカタ問題」は、いち部品メーカーの存亡の問題として決着するだけでなく、クルマの宿命的課題である「安全対応」の問題として考えるべきであり、ここで抜本的な解決の道をしっかりと探るべきであろう。

 すでに自動車産業は部品共用化・プラットフォーム共用化が進み、かつ電動化に自動運転、コネクティッド(つながる)にIT(情報通信)・AI(人工知能)と、クルマはよりブラックボックス化している。「安全対応」において、予防安全の重視からリコール制度の本質を改めて確認しつつ、完成車メーカーと部品サプライヤーの社会責任のあり方等を、ここでしっかり見直しておかねばならないはずだ。

 米国における欠陥エアバッグの最初のリコールからおよそ8年が経過した。事の発端は、米国内で起きたエアバッグの破裂事故で、タカタ製のインフレータが原因とされたことだ。

 しかし、この間、不具合の原因究明には時間がかかった。それが昨年2015年11月に米運輸省道路交通安全局(NHTSA)がタカタのエアバッグの欠陥を「企業の不祥事」と位置づけ、同社が適切なリコールや情報開示を行わなかったため米国内で被害が拡大したと、最大2億ドル(約240億円)の民事制裁金を課すと発表。同時にタカタと自動車メーカーに対し、2019年までにリコールを完了するよう命じた。

■そもそもリコール制度は
完成車メーカーが対応するもの

 これにより、タカタは制裁金に加え、世界に広がったリコール費用、訴訟費用が巨額に膨らむ可能性があり、会社存亡の危機と指摘されたのである。

 さらに今年の5月には米ハワイ州政府がエアバッグ問題をめぐりタカタとホンダに7億ドルもの民事制裁金の支払い等を求める訴訟を起こして、ダメージを受けたタカタに追い打ちをかけるような不当な動きも示している。

 ここまでの過程で、指摘したい点がいくつかある。

 まずは、リコール制度はそもそも完成車メーカーが市場供給責任で対応するものであること。リコール制度において、(1)危険責任の原則、(2)信頼責任の原則、(3)報償責任の原則、といった「製造物責任三原則」から考えてみれば、本来、向き合うべきは、自動車を完成車として製造して販売する自動車メーカーであるはすだ。

 もちろん、タカタの責任は免れない。タカタ製エアバッグの不具合について「タカタの製造プロセスに問題あり」と原因が特定され、すでにリコール済みのものがある。また、その後の調査で、「高温多湿環境下でタカタのインフレータのガス発生剤として使う硝酸アンモニウムが原因である」と結論づけられつつあるからだ。

 責任という観点では、タカタという企業がエアバッグだけでなく、シートベルトやチャイルドシートなど安全関連製品メーカーであり、交通安全など社会貢献を目的とする「タカタ財団」も有していながら、オーナー系の企業体質と危機管理対応のまずさを指摘されてきたのは、やむを得ない状況もある。

 それでも米国のエアバッグ・リコールの動きは、日本の部品企業、タカタを矢面に立たせるという、米国大統領選への政治的な背景もちらつく。つまり、米自動車大手のロビー活動が突き上げたことでのバッシングでもある。かつての日本車バッシング、最近ではトヨタバッシング、昨年秋のVWバッシングにも相通じるものがある(VWディーゼル不正問題はいささか異なるが…)。

 加えて、米NHTSAは「自動車部品が共通化しているのだから、部品メーカーに責任を求めたほうが合理的である」との見方を強め、タカタに直接対応を求めた。だが、そもそも不具合が不明な段階で、完成車メーカーを差し置いて部品メーカーがリコールを決定できるはずがない。あえて米当局はこの部品メーカーを矢面に立たせるよう動いたのだ。

 一方で、このエアバッグ・リコール問題は、自動車メーカー側もタカタ製の供給を多く受けていただけに、リコール費用の引き当て対策、特別損失を前期決算までと今期でも計上し、業績に少なからず影響することになった。また、日本自動車工業会の会長会見でも、毎回のようにタカタ製エアバッグ問題について記者側から質問された。

■議論が進んでいない
エアバッグの定期交換

 筆者もこの自工会会長会見にはいつも出席しているが、一昨年12月頃の会見で当時の池史彦会長(ホンダ会長)が「経年劣化に起因している可能性が強く、古くなったエアバッグを車検などで定期的に交換する仕組みづくりの検討も必要だ」との考えを示したのを覚えている。しかし、なぜかこの議論は進んでいないようだ。

 いずれにしても、最近の調査で「高温多湿下において長期間使用されると、エアバッグ・インフレータのガス発生剤である火薬の経年劣化が生ずること」が結論づけられていることからも、定期交換を義務づければいいのではないか。

 かつて1987年にホンダがレジェンドに日本初の運転席エアバッグを搭載して発表した際、現役記者だった筆者は取材してエアバッグ実験で強烈な火薬の爆発音にびっくりした記憶がいまだに強い。それでもエアバッグは事故の際に人命を救う安全装置だと納得した(ちなみにホンダがタカタに日本初のエアバッグの製造を依頼し供給を受けた)。

 いまや、クルマの安全装置としてエアバッグは常識化され、最近の新型車には歩行者保護のエアバッグまで搭載されるようになっている。

 現在の法律ではエアバッグを搭載する義務はないが、型式指定をとるための保安基準を満たす必要がある。この保安基準を満たすために、エアバッグを搭載することが最もコストに見合うとされ、型式指定からエアバッグはクルマに不可欠なものとなっている。

 クルマで火薬を使用しているものには発煙筒があり、これはJIS規格で有効期限が4年と規定されている。火薬学会自動車安全部品専門部会長であるJAXAの堀恵一教授によると「経年劣化により、異常爆発することは火薬の専門家でも予見しえなかったこと」であり、有効な解決策は、エアバッグの有効期限を設けた上での「定期的な交換に他ならない」としている。

 このように、エアバッグが乗員の人名を保護する重要な機能を持つことからすれば、エアバッグは保安部品に指定され、車検などで定期交換すべきなのである。

■タカタを強く非難したホンダ
ますます窮地に陥ったタカタ

 昨年11月の米NHTSAの発表後に、当時のホンダの岩村副社長は「タカタの提出データに不適切な報告の形跡がある。今後の新型車にタカタ製インフレータを使わない」とタカタを強く非難した。

 かつてエアバッグ開発以来、タカタと関係が深かったホンダは、世界販売で最もタカタ製エアバッグの供給を受けてきただけに、リコール費用が嵩み業績に多大な影響を受けての焦燥感もあったのか。これを受けてトヨタ、スバル、マツダ他各社も相次いでタカタ製エアバッグの使用を止めることを表明した。ますますタカタは窮地に陥っていった。

 タカタは、すでに2016年3月期連結決算の最終利益が2年連続の赤字となり16年3月末時点での現預金は約460億円と1年前に比べ200億円目減りした。総額1兆円を超えるリコール費用と言われるが、まだ最終的な世界のりコールの規模や費用の総額を見通せていない。

 リコール費用の日本自動車メーカーの大半と米国、欧州の自動車メーカーとの分担割合も未定。現在、創業家が保有する約6割の株式のスポンサー探しに入っている。つまり、タカタ再建に投資ファンドや同業大手(オートリブ、ZF、TRW、ダイセル)等が絡んで年内に選定される。そこには、リコール費用を肩代わりしている自動車メーカー各社の思惑も入り込んでいるようだ。

■エアバッグ問題に見られる
二つの問題提起とは

 先述したとおり、タカタは4日、9月中間決算を発表する。今期の通期見通しでタカタがこの方向性についてどこまで結論づけるのか注目されている。

 今回のタカタ製エアバッグのリコールでは、二つの問題提起があった。

 一つは、リコール制度における完成車メーカーとサプライヤーである部品メーカーの関係である。

 リコールは完成車メーカーが届け出するものだからエアバッグの経年劣化を予見できなかった責任は本来、完成車メーカーにあるはずだ。かつてフォードがリコールでタイヤのファイアストーンと訴訟問題を起こしたことがあるが、これは異例なことだった。今回も異例なことが続いた。まさしくタカタ問題は、サプライヤーの部品企業にとって他人事ではない事例だ。「いつ矢面に立たされるか」ということを想定し、対応を考えることも求められている。

 二つ目は、電子部品からIT関連の半導体、センサー等さらにAI(人工知能)へ、とシステム障害への対応等、クルマのブラックボックス化が進む中で、安全を完成車メーカーとそのサプライヤーがどう忖度していくのか。まさに、改めて予防安全を含む取り組みとリコール制度の中身も見直していく重要性が増しているのだ。

 

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