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歴史を変える?「反グローバル化のうねり」「トランプショック」は終わらない トランプの為替政策は、日本に多大な影響を及ぼす
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投稿者 軽毛 日時 2016 年 11 月 15 日 00:42:49: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 

歴史を変える?「反グローバル化のうねり」「トランプショック」は終わらない

上野泰也のエコノミック・ソナー


2016年11月15日(火)
上野 泰也
英国のEU離脱決定の時と共通すること

 11月8日に投票が行われた米国の大統領選挙で、共和党のトランプ候補が逆転勝利した。同時に行われた議会選挙では、まず下院で共和党が過半数を確保。上院は民主・共和両党の大接戦になったが、こちらでも共和党が過半数を僅差で維持した。これにより、ホワイトハウス・上院・下院がいずれも共和党の支配下に置かれるという「ねじれ」のない状況が、トランプ氏の大統領就任式が行われる来年(2017年)1月20日に現出することになる。


9日未明(日本時間同日午後)、勝利宣言をしたトランプ氏。「反グローバリズム」「自国第一主義」「反エスタブリッシュメント」などの影響を大きく受けた点で、英国のEU離脱と同じ構図だ。(写真:ロイター/アフロ)
 英国が国民投票でEU(欧州連合)からの離脱を決める直前、残留派のコックス下院議員が殺害されるという痛ましい事件があった。また、米国の大統領選では投票日の直前に、クリントン民主党候補がメール事件の再捜査で訴追されないことが明らかになった。ともに、世論調査でその時に有利だった方(EU残留派および民主党)に勝利ムードが漂い、陣営のタガが緩む方向で作用したと考えられる。投票率にも微妙に影響して、最終結果のサプライズにつながったのではないか。歴史のアヤと言えるのかもしれない。

予想外の登板、“球”を見極める時間が必要

 予想外の「トランプショック」から、金融市場は上下双方向に大揺れとなった。まず大幅な株安・ドル安という「リスクオフ」(リスク回避)の方向で反応。しかし、その後程なく、今度はトランプ氏が公約している景気刺激策などを前向きに評価しながら株高・ドル高の方向へ急速に揺り戻した。次期政権の経済政策の具体的内容(たとえば大型減税やインフラ整備の財源をどうするか)や、財務長官の人選などに、市場は今後目を凝らすことになる。アウトサイダーが予想外に登板するわけで、じっくり見定めるべき点は数多い。

 外交・安全保障面では、ロシア・中国・EU・日本などと米国の関係がどのような方向に向かうのかという、経済政策よりもはるかに次元の高いテーマがある。国際関係の大きな変化(秩序の再構築)は、先行き不透明感の増大を通じて、市場を「リスクオフ」に傾けて不安定化させる要因である。

女性蔑視発言をしても、白人女性の多くが支持

 「アメリカをもう一度偉大にする」というトランプ氏が選挙戦で掲げたスローガンや、「これまでとは違う人物にこの状況を大きく変えてほしい」という米国内に漂う願望は、西部劇俳優出身のレーガン氏が1980年の大統領選挙に共和党から出馬して当選した時と、実によく似ていると筆者は感じている。「敵」を設定する手法(レーガン大統領の場合はソ連)、大型減税中心の景気刺激、国防の強化を唱えるあたりも、よく似ている。

 女性蔑視発言の数々にもかかわらず白人女性の半数以上が支持したと報じられている「トランプ人気」の原動力の1つは、オバマ政権下で図らずも露呈した国際社会における米国の威信の低下に対する不満だろう。要するに「強いアメリカ」復活願望である。

レーガン当選時と同様、「強いアメリカ」への願望を反映

 筆者が大学生だった頃、レーガン政権の1期目前半にヨーロッパを旅行していた際、米国の女子学生と語り合ったことがあった。詳しい内容は忘れてしまったが、前大統領のカーター氏を徹底的にけなしつつ、レーガン大統領の話になると彼女が目を輝かせて「強いアメリカに絶対に必要な人物だ」と熱弁していたことを、今でも記憶している。

 トランプ氏はテレビの人気番組「アプレンティス」で、課題をこなせなかった脱落者に対して発する「おまえはクビだ!(You are fired!)」という決めゼリフで人気が出た人である。銃を手にして西部劇映画で活躍した俳優出身のレーガン氏に対する米国民の36年前の心情と同じようなものが、今回はトランプ氏に寄せられたのではないか。

 だが、レーガン政権の時代と異なり、世界経済は「低成長・低インフレ・低金利」の時代へとすでに移行している。そして、企業活動が国境を越えることは、もはや当たり前になっている。各国でいくら保護主義的なムードが強まっても、すでに起こったグローバル化はそう簡単に解消できるものではない。この環境下では、通貨(ドル)の上昇は米国の景気・企業業績・物価にとって、かなり大きな下押し圧力になる。

 レーガン政権の経済政策(レーガノミクス)は、1981年から大型減税や規制緩和などを軸に展開されたが、「双子の赤字」(貿易収支と財政収支の赤字)の膨張に直面して失敗した。そして、高止まるドル相場の下落を促すための1985年9月の「プラザ合意」・ドル売り協調介入へとつながっていった。

トランプの為替政策は、日本に多大な影響を及ぼす

 トランプ次期大統領の経済政策がそれと全く同じコースをたどるとはさすがに考えにくいものの、彼の政権の為替政策がドル安容認色をどこまで強めるのか(仮に積極的なドル安誘導を行う場合には通貨安競争が激化しかねない)、為替相場の形成に大きな影響力がある米国の長期金利が来年以降どのように推移するかといった点は、ドル円相場の動きを通じて日本の景気・物価に多大な影響を及ぼすため、重要なポイントになる。

 また、トランプ氏の選挙公約と伝統的な議会共和党の考え方は、かみ合わせが良くない。このこともまた、米国の今後の政策を見ていく上で重要な着眼点になる。「小さな政府」「自由貿易」志向が強いのが、今回の選挙で上下両院の過半数を確保した共和党の伝統的な考え方である。異端児であるトランプ氏が掲げる政策は、それらと食い違う面が少なくない。

 むろん、選挙で掲げた大胆な公約と、大統領就任後に実際に行う政策とが異なるケースは、過去にもあった。議会共和党と良好な関係を維持しながら、あるいは上院で議事妨害(フィリバスター)が可能な議席数を引き続き有している民主党と必要に応じ妥協しながら、トランプ次期大統領がどこまで現実主義的になれるかも問われてくる。

「反グローバル化のうねり」はどこまで強まる?

 このように、型破りの、しかも政策ブレーンに厚みのない人物がホワイトハウスの主になるだけに、「どうなるかわからないこと」が現時点ではあまりにも多すぎる。

 来年1月20日に新政権が発足する頃には、そうした不透明感は、半分くらいは晴れているかもしれない。だが、残り半分はまだ見えにくいままだろう。そうした不確実性の高さは、市場では場面場面で「リスクオフ」状況につながりやすい。

 歴史的な文脈からも、今回の米大統領選の結果を解釈しておきたい。筆者が痛感するのは、「反グローバル化のうねり」がいかに強まっているかという、重い事実である。

見抜けなかった「隠れトランプ」「ミクロの不満」

 マスコミ各社の世論調査が把握できなかった、いわゆる「隠れトランプ支持派」。接戦の中で選挙結果を左右した彼らの中には、既成秩序の代弁者であるとみなしてマスコミを信頼していない人々も少なくないようである。

 そして、そうした人々の多くがおそらく抱いているのが、グローバル化によるマクロのメリット(経済全体の成長)が政策的に優先される中で置き去りされたという「ミクロの不満」である。そして、そうした不満が今、グローバルに観察される「大きなうねり」となっている。今年の2大サプライズである英国の国民投票におけるEUからの離脱決定と、米国の大統領選挙におけるトランプ候補勝利は、そうしたうねりの大きさをシンボリックに示した。欧州各国で近年見られている反移民や通貨統合離脱を唱える右派政党の伸長もまた、そうしたうねりの一環と言える。

 「グローバル化」を大きな原動力にして成長率を高めてきた世界経済は、それがもたらした「負の部分」に対する不満の蓄積が各国の政治を動かす中で、大きなカベに突きあたった感が強い。停滞がこのまま長引く、あるいは混迷を続ける道筋に、世界経済は足を踏み入れつつある。

来年、欧州で相次ぐ選挙へのトランプの影響は

 来年は、欧州でドイツの総選挙、フランスの大統領選挙、英国のEUに対する離脱通告と条件交渉開始など、上記の「うねり」と密接な関わりがある政治マターが数多く控えている。今年の延長線上の展開を警戒して市場がリスク回避に動く場面が、何度も見られることだろう。

 なお、当コラムで今年7月5日に配信された「英国のEU離脱は、『赤』が理性を狂わせたから?」で筆者は、6月23日の英国民投票でシンボルカラーが赤の離脱派(“VOTE LEAVE”)が、シンボルカラーが青の残留派(“VOTE REMAIN”)に勝利するなど、今年は「赤」が優勢になっていることを取り上げた。

2016年は“理性を狂わせる”赤の年になった

 その後、サッカー欧州選手権で赤いユニフォームのポルトガルが初優勝。日本のプロ野球セントラルリーグでは「赤ヘル軍団」広島カープが25年ぶりに優勝した。広島カープは日本シリーズで敗退したものの、サッカーJリーグでは浦和レッズが通年の首位を獲得した。

 そして、NHK大河ドラマ「真田丸」に赤備えの鎧兜がいよいよ登場し、真田信繁(幸村)が大阪冬の陣を前にして城の外側に築いた砦を真田丸と自ら命名した数日後に、米国で大統領選挙が行われて、赤がシンボルカラーである共和党のトランプ候補が逆転勝利を果たした。2016年が最終的に「赤の年」になり、理性・冷静と密接な色である「青」が負けたことは、もはや疑いようがない。


このコラムについて

上野泰也のエコノミック・ソナー
景気の流れが今後、どう変わっていくのか?先行きを占うのはなかなか難しい。だが、予兆はどこかに必ず現れてくるもの。その小さな変化を見逃さず、確かな情報をキャッチし、いかに分析して将来に備えるか?著名エコノミストの上野泰也氏が独自の視点と勘所を披露しながら、経済の行く末を読み解いていく。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/248790/111000068/?  

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コメント
 
1. 2016年11月15日 03:52:42 : 9QewkUGcqk : 4QXc8C8kgnU[258]
女性蔑視発言とされるものは全て実にただの軽口だ。
だから女性蔑視発言とあげつらう奴は絶対にその発言内容を引用しない。
女性蔑視発言と言えばさも重大な人権侵害に聞こえるが、ミスコンテストに出場したあとに豚のように太って見る影もなくなった女性の話と言えば、実にばかばかしく聞こえるからな。

2. 佐助[4009] jbKPlQ 2016年11月15日 08:52:03 : EPbzpPtFcg : JZu5dAhutnk[148]
どこまでも阿呆やネ
為替を安定させるか,産業革命を加速させるしかない

日本と世界の政治と経済の指導者は、堤防の決壊個所の修復に追われても、水位を下げないために、水漏れ箇所が増え、新しい箇所が決壊します。自然は雨がやめば水位が下がりますが、世界信用恐慌の水位は、膨張した通貨をキンに吸収縮小させなければ下がりません。

平時の経済は、中央銀行が公定歩合を下げる、政府が公共投資を前倒しにして臨時予算を計上すると発表しただけで、景気は上昇を開始しました。そして、一歩早く投資を開始した企業は、確実に成功しました。でも信用恐慌はそうはいきません。

地方銀行の取り付け騒ぎや倒産が避けられなくなる。そして、予告どおり全国の銀行のモラトリアムが世界中で発生する。私のいっていることが証明されます。


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