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トランプ相場はまだ序章、大減税の衝撃 英13億$インフラ整備法人税率引下 TOPIX8連騰 BS中国へ日本不動産売
http://www.asyura2.com/16/hasan115/msg/873.html
投稿者 軽毛 日時 2016 年 11 月 21 日 18:51:59: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 

コラム:
トランプ相場はまだ序章、大減税の衝撃

竹中正治龍谷大学経済学部教授
[東京 21日] - ドナルド・トランプ氏は市場の一般的な予想を2度ひっくり返した。言うまでもなく、1度目は共和党候補として臨んだ米大統領選での勝利自体が大半の政治アナリストの予想に反するものだったことだ。

2度目は、その過激な保護主義的発言のためにトランプ氏勝利の場合は、円高、日本株下落になると大半の市場エコノミストが予想していたが、円買い・日本株売りの動きは選挙明けの1日で終わり、2日目からは急速な円安・ドル高と日本株買いの動きに転じたことだ。米国の株価は選挙明け後も目立った下げはなく、じり高の展開となった。とりわけ銀行株の上げが目立つ。

本稿では2度目の「予想外な円安・ドル高と日本株買い」の動きについて読み解いてみよう。結論から言うと最大の要因は、トランプ氏の大統領選勝利までほとんどの市場参加者が本気で考えていなかった「トランプ大減税」が来年度に現実のものとなる可能性が急速に高まったことだ。

この大減税が本当に実施されると、来年以降のドル相場、米国インフレ率、金利動向、景気動向にわたって私を含むエコノミストが選挙前まで想定していたことをかなり修正するインパクトが生じる。変化の方向は、インフレ率アップ、金利高、ドル高、短期・中期の景気の上振れである。その点を説明しよう。

<トランプ大減税、平時では空前の規模か>

実は私は11月9日に米ワシントンDCに出張し、空港に着いてトランプ氏の勝利を知った。私の出張目的は毎年この時期に開催され、過去12年間参加している全米のエコノミスト会合に出席するためであり、選挙結果の取材ではない。しかし、当然ながら10日に開催されたエコノミスト会合では「トランプ勝利で来年の米国経済は一体どうなるか」でもちきりとなった。

私の目を引いたのはトランプ減税の規模を推計した報告だった。減税案は大きく分けて、1)法人税減税(税率を35%から15%に引き下げ)、2)個人所得税の減税(現行の7段階の累進税率を12%、25%、33%に引き下げ、最高税率は現行の39.6%から33%に引き下げ)、3)キャピタルゲイン並びに配当に対する減税延長(現行の0%、15%、20%の税率を維持)、4)相続税の撤廃などからなる。

現時点では減税案の詳細まで提示されているわけではないので、幅をとって考える必要はあるが、あるエコノミストはその減税規模を10年間で4兆ドルから5.5兆ドルと見積もっていた。他のエコノミストらもおおむねこの前後の推計だろう。税制改革案が増税と歳出拡大でほぼ均衡していた民主党ヒラリー・クリントン候補の案と比べてその大盤振る舞いが際立っている。

仮に10年間の減税規模を5兆ドル、毎年均等に実施されると想定しよう。2015年の米国の名目国内総生産(GDP)は約18兆ドルなので、この減税案の年間規模はGDPの2.8%にも及ぶ。金融危機でも不況でもない経済的平時において実施される減税規模としては空前のものとなるだろう。

<米経済成長の上振れシナリオが浮上>

トランプ陣営は選挙期間中の様々な過激発言を、勝利後には急速に修正しつつあるので、この大減税案が原案に近い形と規模で本当に実施されるかどうかは不確実である。しかし、1980年代前半のレーガン大統領の減税、2000年代のブッシュ大統領の減税など、減税は「小さな政府」を標榜する共和党にとって代々の看板政策であり、相当の規模で実施される可能性が高いと、とりあえず思って良いだろう。

この大減税が実施されると、連邦財政赤字の拡大、国債発行増、長期金利上昇、日米金利格差拡大、ドル高というシナリオがすでに語られている。内外金利格差拡大がドル相場上昇をもたらすというのは国際金融論のテキストも語る基本命題なので、いかにももっともらしい。

しかし、日米の長期名目金利格差とドル円相場の変化の関係性は実はとても不安定だ。実際に2010年以降の期間で検証すると、名目金利格差拡大がドル高(逆は逆)という相関関係は弱い程度でしか検出できない。期間によっては関係性がほぼゼロか、逆の場合すらある。

ところが、この関係性がほんの2―3カ月前から非常に強く復活したのだ。なぜ金利格差とドル円相場の関係性が非常に強い度合いで突如復活したのか、これを語らないことには説明として意味がない。つまり同じ金利格差の変化でも、選挙投票日の迫った今年の夏以降と以前とでは、金利格差拡大がドル高に強くつながる違いが何か生じているはずだ。

それはトランプ大減税がもたらす米国景気動向の上振れシナリオの浮上だ。

リーマンショック後の米国景気回復過程で平均の実質GDP成長は2.1%(2011―15年)であり、2000年代前半までの同平均成長率3.0%(1990―2006年)と比べると低い。ところが、実質GDP成長率における各項目の寄与度を見ると、2011年―15年の時期は政府部門の寄与度が約0.3%ポイントとマイナスになっている。これは金融危機と不況の2008―09年に政府部門の寄与度が0.6%ポイントのプラスになった(財政赤字の拡大)ことの修正(財政赤字の縮小)が行われた結果である。

さらに米連邦議会予算局(CBO)の推計(The Budget and Economic Outlook:2014-24)によると団塊世代の引退など労働力伸び率の低下で0.7%ほど成長率は下押しされている(対象期間:2014―17年)。つまり長期停滞論(secular stagnation)など持ち出すまでもなく、この2つの要因だけで成長率の下方シフトは説明できるのだ。

すでに完全失業率は4.9%(10月)となり、雇用面では事実上の完全雇用状態に近づいている現状で毎年GDPの2.8%にも及ぶ大減税を実施すると、どういうことになるだろうか。減税が経済成長率に与える影響は、米連邦準備理事会(FRB)などは動学的確率的一般均衡モデル(DSGE)やその修正版で推計しているが、私のような一大学教授エコノミストにはそうした大モデルは利用できないので、とりあえず大ざっぱに考えてみよう。

仮にGDPの2.8%に及ぶ減税の3分の1が消費や設備投資の支出増に充てられ、他の条件は変わらないとすると、それだけでGDPの約0.9%分の内需となってGDPを押し上げる。先ほど述べた危機後の平均実質GDP成長率(2.1%)は、財政赤字の縮小を止めて前年比フラットにするだけで0.3%ポイント押し上げられる。これにさらに0.9%ポイントの内需拡大が加われば成長率は3%を超えるだろう。

これは減税による内需拡大の乗数効果を考慮していない極めて控えめな推測である。しかもトランプ氏は減税に加え民間資金を利用した大規模なインフラ投資も主張しているのだ。

もっとも、連邦政府の財政赤字拡大、政府債の発行増加による長期金利の上昇、内外金利差拡大によるドル高、物価の上昇など各種の経済金融変数の中には実質成長率押し上げを相殺する要因もある。したがって、先に述べたように大規模な経済モデルによるシミュレーションが必要で、そうした推計は今後減税案が具体化するにつれて出てくるだろう。とりあえず現状では減税実施以降の来年度(2017年10月以降)の米国GDPは短期的、中期的に3.0%を超える可能性が高いと考えられる。

<ドル売り・日本株売りが当初起きた訳>

ドル金利の上昇を伴った米国経済の潜在成長率からの上振れは、典型的には1980年代前半(レーガン政権第1期の大減税、1983―84年平均実質GDP成長率5.9%)、1990年代後半(クリントン政権第2期のITブーム、1996―2000年同4.3%)、2004―07年(ブッシュ政権第2期の住宅バブル、2004―05年同3.6%)と過去何度か繰り返されてきた。

いずれの時期も米国の内需拡大で経常収支赤字は拡大したものの、金利の上昇と強い景況に引かれて海外から米国への資金流入が強まり、程度の違いはあるがドル高となった。市場参加者の一部はそうしたシナリオの可能性を今年の夏以降予想し始めたのだ。

それではなぜ選挙明けの11月9日の東京市場でドル売り、日本株売りが起こったのか。上記のようなシナリオを予想し始めた投資家の一部とは別に、トランプ氏の露骨に保護主義的な発言から、日本たたきで円高・日本株安というもう1つのシナリオを抱く市場参加者も多かった。日本ではむしろこちらのシナリオが主流だった。

これも根拠のないことではなく、実際、同種の出来事は過去にもあった。例えば1994年、日米貿易不均衡をめぐる協議を米国が日本に仕掛けていた時期には、当時のビル・クリントン大統領が「日本が妥協しないなら円高・ドル安も仕方あるまい」という趣旨の円高誘導発言を行い、一気に110円台から100円台前半まで円高・ドル安が進んだこともあった。

大統領選の結果発表直後の東京市場を動かしたのはそうしたシナリオを信じた人々だった。ところが、トランプ氏の勝利演説を聞いてみると、それまでの過激発言は一切姿を消していた。トランプ氏の勝利と大減税の可能性を真面目に考えていなかった投資家層も、大減税実施のインパクトを考えて相場観を修正し始めたのだろう。その結果がドル買い円売りであり、以前のコラム(「株安・円高の呪縛が解ける日」2016年8月23日掲載)で述べた円相場との強い相関性(円安・株高)のゆえに日本株も急速に買い戻されたのだ。

また、米国では銀行株が急騰している。これは金融危機後に導入された厳しい金融規制改革法(ドッド・フランク法)がトランプ政権の下で緩和されるという思惑が働いているとされる。しかし、それ以上にドルの長期金利上昇による長短金利格差の拡大が、基本的に短期調達・長期運用の構造を持つ銀行の収益を押し上げる要因の方が大きいと思う。米国や海外でドル建てのローンビジネスを広げている日本のメガバンクの株も一緒に急騰している理由である。

<インフレ率アップ、長期金利上昇、ドル高へ>

最後に米国の実質GDP成長率が中期的に3%を超えるようになった場合の物価と長期金利のシナリオを考えてみよう。前回のコラム(「ドル長期金利はどこまで上がるか」2016年9月28日掲載)では米国のGDPギャップと長短金利格差の間には高い相関関係があることを指摘した。実はGDPギャップは消費者物価指数との関係性も高い。

米国の消費者物価指数(除く食料とエネルギー)はすでに前年同期比で2%台前半になっているが、FRBがより重視しているというコア個人消費支出(PCE)価格指数(除く食料とエネルギー)では前年同月比で1.7%(9月時点)であり、目標とする2.0%のめどに達していない。

コアPCE物価指数とGDPギャップの2000年以降の相関関係を示したのが掲載図である。両者の間には正の相関関係があり、相関係数は0.72、決定係数は0.52である。これはコアPCE物価指数の前年同月比の変化の52%をGDPギャップで説明できることを意味する。

http://static.reuters.com/resources/media/editorial/20161121/fxforum-chart.gif

この関係性に基づく限り、現在まだマイナスのGDPギャップが0を超えるとPCE物価指数も前年同月比で2.0%を超える。そしてGDPギャップのゼロ・ポイントは、今年第4四半期以降の実質GDP成長率が平均3.0%であれば2018年第1四半期に到来する。もし成長率が3.5%であれば、ゼロ・ポイントは17年第4四半期に到来する。

すなわち前回9月のコラム「ドル長期金利はどこまで上がるか」で述べた「上振れシナリオ」の10年物ドル金利水準2.50―2.75%(中心水準)が来年実現する高い可能性が、トランプ大減税によって浮上したと言える。その場合、2018年の長期金利はさらに3%超えとなるだろう。

もっとも、最終的にどのような形態で、どれほどの規模の減税が実現するか現時点では不確実である。また、その実施も米国財政の次年度から実施されるならば、それは2017年10月からである。したがって現時点での見通しには限界があるが、少なくともマクロ経済的な先読みに機敏な投資家層は、以上のシナリオを脳裏に描きながら債券から株式へ、ドルショートからドルロングへのシフトを開始した可能性が高く、そのシフトはまだ初期段階であろうか。

今後、トランプ減税がオリジナルに近い形で具体化が進む限り、中期的に米国景況の上振れ、物価上昇率と長期金利の上振れ、対途上国通貨を含む全般的なドル高(ただし私はドル円では再度120円超えの円安になるとは考えていない)が進行すると考えておいた方が良いだろう。それが長期的に米国経済にとって良いかどうかは、また別の問題であるのだが。

*竹中正治氏は龍谷大学経済学部教授。1979年東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行、為替資金部次長、調査部次長、ワシントンDC駐在員事務所長、国際通貨研究所チーフエコノミストを経て、2009年4月より現職。経済学博士(京都大学)。最新著作「稼ぐ経済学〜黄金の波に乗る知の技法」(光文社、2013年5月)

*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。

(編集:麻生祐司)
http://jp.reuters.com/article/column-masaharu-takenaka-idJPKBN13G0LS?sp=true


コラム:市場期待先行のトランプノミクス=加藤隆俊氏
加藤隆俊
加藤隆俊国際金融情報センター理事長/元財務官
[東京 21日] - 今回の米大統領選・議会選で完敗したヒラリー・クリントン民主党陣営と、6月の英国民投票で欧州連合(EU)離脱選択を招いたデービッド・キャメロン前英政権には、「共通する敗因」の存在を指摘できよう。

やや抽象的な言い回しになるが、それはグローバル化や自由貿易促進の便益を感じられない人々に有効な打開策を示せなかったということだろう。特に民主党は、伝統的には貧困層をターゲットにした福祉政策を説いてきたこともあり、本来ならばそうした層こそ支持層の重要な一角だったはずだ。

ところが、今回の選挙ではむしろ実業家のドナルド・トランプ氏を大統領候補に掲げた共和党陣営に、「労働者の味方」というお株を奪われる格好となり、ペンシルバニア、ミシガン、ウィスコンシンなど民主党が伝統的に強かった工業地帯の州で軒並み敗北を喫することになった(また、工業州ではあるものの、毎回最後までもつれたオハイオ州でも、比較的早くトランプ氏の勝利が確定した)。

伝統に頼らない戦い方をするならば、2008年選挙のバラク・オバマ現大統領のように、変化を求める層に効果的に訴えることができれば良かったが、それも不十分だった。ハンディのある境遇からハーバード大学に進学し、若くして上院議員となり国を変えようとしたオバマ氏に比べて、元ファーストレディーで元国務長官のクリントン氏は安定感こそあれ変化とは逆方向の存在だった。

一方、トランプ氏は安心感とは程遠い存在だが、1人でワシントンに乗り込んで政治を変えてみせるという一匹狼的な姿勢が、「この人に賭けてみよう」という気持ちに少なからぬ数の米国人をさせたのかもしれない。

いずれにせよ、報道によれば、有権者数は4年前に比べ1000万人以上増加したにもかかわらず、クリントン氏の得票数は前回2012年選挙のオバマ氏に比べ300万票程度下回ったようだ。もっとも、トランプ氏の得票数も前回の共和党候補ミット・ロムニー氏とほぼ同じだった。要するに、今回の選挙はどちらかと言えば、トランプ氏の勝利というよりも、クリントン氏の敗北なのだろう。

<市場は楽観方向に先走り過ぎ>

さて、予想外のトランプ氏の勝利を受け、大統領選開票中の9日の東京市場ではドル安(円高)・株安・債券高(金利安)となったものの、欧米市場に移ってからはドル高(円安)・株高・債券安(金利高)のリスクオン相場に転じた。

選挙戦以前はトランプ氏勝利でリスクオフになるとの見立てが主流だった(私もそう見ていた)が、視界不良のトランプリスクをとりあえず脇に置いて、同氏が選挙公約に掲げた拡張的な財政政策に着目すれば、こうした相場の値動きも正当化されるのだろう。

確かに、一部の識者が指摘しているように、トランプ氏の経済政策案は、当初ドル高を招いた1980年代のレーガン政権の政策(レーガノミクス)を彷彿させるものが多い。最適な税率設定で最大の税収が得られるとする「ラッファー曲線」などを根拠に、当時のレーガン政権は大規模な減税を伴う財政緩和を実行した。結局、ラッファー曲線の正当性は実証されず、レーガノミクスは「双子の赤字(財政赤字と経常赤字)」拡大を招いたが、1980年代に雇用や経済成長率が大きく回復したのは事実である。

そして、双子の赤字拡大は米金利上昇とドル資産需要の高まりを通じて、当初は急速なドル高をもたらした。やがてドル高の負担に耐えられなくなった米国の主唱で、1985年にドル相場押し下げを狙ったプラザ合意に至ったことはよく知られている経緯である。

では、この教訓は何かと言えば、「減税と歳出増の組合せによる景気刺激」は成長の押し上げには寄与するものの、その結果としてのドル高持続はいずれ保護主義の高まりをもたらすということだ。しかも、為替市場が当時よりはるかに大きくなっていることを考えれば、今回は主要国当局が特定の目標水準を設定し、協調介入してドルを押し下げるというプラザ合意的な方向は難しいだろう。できることは恐らく口先介入などに限られている。それが効果を発揮するかはそのときの当局の信認度合いにかかっていると言えよう。

目先においても、トランプ氏が財政出動を含めて本当に公約を実行するか分からない状況下で、市場は先走っているわけであり、次期政権関係者から少しでも逆方向のシグナルが発せられれば、大きな巻き戻しが発生する可能性もある。

とどのつまり、現局面で重要なことは、トランプ次期政権が公約通りに財政拡張路線を取るのか見極めることだ。その意味で、財務長官に誰を据えるのかは大きな判断材料となろう。大統領直属の国家経済会議(NEC)も存続するならば、その委員長が誰になるかも重要だ。

併せて、市場のリスクテークに大きな影響を与える金融規制改革法(ドッド・フランク法)について、トランプ氏は廃止ないしは見直しの意向を示しているが、ドッド・フランク法は、リーマンショックに至る金融機関の過度なリスクテークが世界的な金融危機と不況を招いた猛省から生まれたものだ。そう簡単に、金融機関に対する政治的な風当りがなお強い中で議会が金融規制の大幅な巻き戻しに応じるだろうか。

<適度な米財政拡張は現下の世界経済に好都合>

ただし、米国の拡張的な財政政策は程度の問題こそあれ、短期的には必ずしも世界経済にとって悪くない話かもしれない。

世界経済が現在直面している最大の問題は、需要不足であるとみられている。中国経済が鈍化する中で、米国経済の単発エンジンが支えている状況だ。その米国は、リーマンショック後の長期にわたる景気拡大で財政赤字が縮小しており、主要国の中では、財政拡張余力が一番大きいと言えよう。公約通りトランプ政権がインフラ投資を拡大させるならば、長期の投資計画を用意し、毎年の景気状況に合わせてファインチューニングしていくような手法が望ましい。

ちなみに、米財政緩和がドル高を招けば、巨額のドル建て債務を抱える新興国経済が、急激な資金流出や外貨借り入れ返済負担増を通じ、大きな打撃を受けるリスクがある。その一方で米国の財政刺激により米景気が良くなることで時間差はあるものの米国向けの輸出が増える可能性もある。

<トランプ次期政権の貿易政策>

最後に、環太平洋連携協定(TPP)について言い添えれば、仮にトランプ氏が公約通り撤退を表明することになれば、日本はそれに代わるものを築いていく必要がある。その場合には例えば、中国・韓国・オセアニア諸国・東南アジア諸国・インドを含めた東アジア地域包括的経済連携(RCEP)は、TPPに比べて内容面では低位の自由化要件で構成されるとしても、参加国の経済圏の大きさで言えばTPPに勝るとも劣らない。

もちろん、日本にとって最善のシナリオは、相互依存関係の強い米国を含む自由貿易協定の推進である。アジア太平洋地域への米国の経済的関わりの度合い次第で、地域の安全保障も大きく変わってしまうからだ。差し当たっては粘り強く米国を含むアジア太平洋地域の自由貿易圏を目指すことを米国をはじめ関係国に働き掛けることではないか。日本はこれまで以上に、アジアと米国の接着剤としての役割を果たしていく必要がある。

*加藤隆俊氏は、元財務官(1995─97年)。米プリンストン大学客員教授などを経て、2004─09年国際通貨基金(IMF)副専務理事。10年から公益財団法人国際金融情報センター理事長。

*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。

*本稿は、加藤隆俊氏へのインタビューをもとに、同氏の個人的見解に基づいて書かれています。

(聞き手:麻生祐司)
http://jp.reuters.com/article/column-takatoshi-kato-idJPKBN13G08U?sp=true

 

英秋季財政報告、景気支援へ13億ドルのインフラ計画発表へ

[エディンバラ 20日 ロイター] - ハモンド英財務相は23日に予定される秋季財政報告で、景気支援策の一環として13億ポンド(16億ドル)規模のインフラ整備計画を発表する。財務省が20日、明らかにした。

財政赤字縮小の意向を表明する一方、景気の急速な減速にも対応できるよう一定の柔軟性を確保する。

財務省によると、ハモンド財務相の計画はインフラを強化し、低迷する生産性の伸びを加速させることを柱としており、英国の欧州連合(EU)離脱に備え、長期的に景気を下支えする狙いがある。

財務省は短期間で実行できるインフラプロジェクトや渋滞緩和につながる既存ネットワーク改修などの具体案があるとし、こうしたプロジェクト通じて通勤環境を改善し、生産性を向上させる。

財政報告では低所得者支援の具体的な案も示す見通しだ。メイ首相はEU離脱に賛成した国民の多くが抱える経済面での不満に対処する意向を示していた。
http://jp.reuters.com/article/britain-eu-budget-idJPKBN13G02D

 


英首相、法人税率を引き下げる意向=現地紙

[ロンドン 21日 ロイター] - 英紙デイリー・テレグラフによると、メイ英首相は21日、財界幹部らに、法人税率を主要20カ国・地域(G20)の中で最も低い水準に引き下げたいとの意向を示す。

次期米大統領に選出されたドナルド・トランプ氏は大統領選前に15%までの法人税率引き下げを約束していたが、メイ首相はこれよりも低い水準に引き下げる可能性があるという。

英国が現行の20%から税率を引き下げれば、欧州連合(EU)諸国からの企業取り込みにつながる可能性があるほか、法人税率が低いアイルランドの優位性を脅かす存在になる可能性もある。
http://jp.reuters.com/article/theresa-may-idJPKBN13G0NM


 
TOPIX1年超ぶり8連騰、米金利高や円安好感−金融主導広く上げ
関根裕之
2016年11月21日 08:01 JST 更新日時 2016年11月21日 15:34 JST

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トランプ次期米大統領はウォール街の重鎮起用か、候補者と相次ぎ会談

日経平均は終値で1万8000円台回復、1月6日以来
米10年債利回りは1年ぶり高水準、円は半年ぶり111円台

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/i.bHiTHLhuDw/v2/-1x-1.png

21日の東京株式市場ではTOPIXが1年3カ月ぶりに8日続伸。トランプ次期米大統領の景気刺激策への期待から米長期金利の上昇や円安・ドル高が継続し、収益環境好転が期待される保険や銀行など金融株、電機株中心に上昇をけん引した。不動産や情報・通信なども高く、東証33業種中31業種が上げた。
  TOPIXの終値は前週末比14.47ポイント(1%)高の1442.93、日経平均株価は138円61銭(0.8%)高の1万8106円2銭。TOPIXは8連騰で2015年8月(9連騰)以来の連続上昇、日経平均は4日続伸し終値ベースで1月6日以来の1万8000円を回復した。
  SMBC信託銀行の山口真弘シニアマーケットアナリストは、「米大統領選前の見方を変えられない投資家は買われ過ぎを警戒するだろうが、歴史的転換点とみる投資家は買い姿勢を強めている状況だろう」と説明。足元の上昇相場の主因である金利がしっかりしている限り日本株は売りづらいため、 警戒感の強い投資家は徐々に見方の修正を迫られ、「これが下げそうで下げない相場につながっている可能性がある」と語った。
東証内
東証内 Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg
  インフレによる米国の利上げペース加速が見込まれる中、18日の米10年債利回りは2.35%と、15年11月以来の高水準に達した。週明けの外国為替市場ではドル・円は半年ぶりに1ドル=111円台まで円安が進展した。
  週明けの日本株は、米金利高や好決算を手掛かりに保険株、国際原油市況の上昇を好感して鉱業や石油など原油関連株に買いが先行。午後に入り為替の円安が進むとともに上げ幅を拡大。午前にマイナス場面もあった銀行指数がその後切り返したほか、不動産や情報・通信、海運、食品なども午後一段高となり、株価指数を押し上げた。
   
  東海東京調査センターの平川昇二チーフグローバルストラテジストは、「相変わらずトランプ氏への期待がマーケットの根底にある。金利高・円安基調は変わらず、そこに急ピッチの上昇で買い遅れた需給が付いてくるだろう」とみる。大和証券投資戦略部の野間口毅株式ストラテジストは、「日本株は足元のドル高・円安を十分に織り込んでおらず、先物主導の上昇が期待できる。今週に年初来高値の可能性もある」と予想する。東証1部の売買高は20億7074万株、売買代金は2兆2868億円。値上がり銘柄数は1405、値下がりは463。
  トランプ次期米大統領への期待が持続する中、市場は次期政権の人事などに注目している。トランプ氏は20日、資産家ウィルバー・ロス氏やブラックストーン・グループの不動産部門グローバル責任者のジョナサン・グレイ氏ら、財務長官候補とされる米ウォール街の重鎮と相次ぎ会談を行った。

東証33業種では、国際原油市況の上昇を好感した鉱業、保険、不動産、海運、銀行、食料品、情報・通信、その他製品、繊維製品など31業種が上昇。下落は非鉄金属、鉄鋼の2業種
売買代金上位では、三菱UFJフィナンシャルグループ、任天堂、KDDI、JT、日立製作所、NTTドコモ、東京海上ホールディングスが上昇、伊藤忠商事が出資比率を引き上げると報じられたユニー・ファミリーマートホールディングスは大幅反発。半面、大和証券が投資判断を引き下げた小野薬品工業が下落。コナミホールディングス、日本電産、良品計画、ナブテスコも安い
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-11-20/OGVEWJ6K50Y101


 

米ブラックストーン、日本の不動産売却へ中国・安邦と交渉=関係筋
[東京 21日 ロイター] - 米プライベートエクイティのブラックストーン・グループ(BX.N) が日本のマンションなど住宅向け資産を中国の安邦保険集団 [ANBANG.UL]に売却する交渉を行っている。複数の関係者がロイターに述べた。金額は約2600億円で、実現すればANAホールディングス(9202.T)が2007年に米モルガン・スタンレー(MS.N)系のファンドにホテル資産を2813億円で売却して以来の大型案件となる。 

安邦保険集団は、欧米での不動産投資を拡大しており、これまでにニューヨークの高級ホテル、ウォルドルフ・アストリアを約19億5000万ドルで取得したほか、3月には米高級ホテルを所有するストラテジック・ホテルズ・アンド・リゾーツを約65億ドルで買収した。

一方、日本で安邦は2015年、不動産運用会社のシンプレクス・インベストメント・アドバイザーズ(東京都千代田区)の買収の入札に参加したものの、ヒューリック(3003.T)に競り負けた。今回の資産取得が実現すれば、安邦は、日本における不動産投資の大きな布石を築くことになる。

ブラックストーンの担当者はコメントを控えた。安邦の広報担当者からは回答を得られなかった。

安邦は、米スターウッド・ホテル&リゾート・ワールドワイドに対して128億4000万ドルでの買収案を提示し、両社は合意していたが、その後、競合の米ホテルチェーン大手、マリオット・インターナショナル(MAR.O)が対抗する案を提示。安邦は今年3月に最初の買収提案を取り下げていた。

(藤田淳子 翻訳編集:江本恵美)
http://jp.reuters.com/article/blackstone-group-idJPKBN13G0M2  

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コメント
 
1. 2016年11月21日 18:55:32 : nJF6kGWndY : n7GottskVWw[3320]

>それが長期的に米国経済にとって良いかどうかは、また別の問題

バラマキと富裕層減税に、保護主義が加わればどうなるか

歴史を見れば明らかだが

あとは共和党保守派が、どこまで頑張れるか次第だ



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