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子宮頸がんワクチン論争 はっきり示された専門家の総意(Wedge)
http://www.asyura2.com/16/iryo5/msg/118.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 5 月 18 日 14:02:50: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

子宮頸がんワクチン論争 はっきり示された専門家の総意
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160518-00010001-wedge-soci
Wedge 5月18日(水)11時10分配信


 5月14日、札幌で行われていた日本小児科学会学術集会。「日本におけるヒトパピローマウイルスワクチンの現状と課題」というシンポジウムが行われた第7会場は、外まで立ち見の出る人だかりだった。撮影録音はおろか質疑も禁止という異例の厳戒態勢の中、会場を訪れた多くの医師たちが注目したのは、シンポジストの1人、横田俊平氏だ。

■前学会長のプレゼンテーション

 横田氏は日本小児科学会の前会長。学会長を務めていたころの横田氏は、ヒブワクチンの早期導入を求めるなど、ワクチンに積極的な小児科医だった。しかし、退官間際の2014年初め、子宮頸がんワクチンが重篤な副反応を引き起こし、「子宮頸がんワクチン関連神経免疫異常症候群(HANS(ハンス)=HPV Vaccine Associated Neuropathic Syndrome)」という新しい症候群が生まれていると主張するグループに加わった。思春期の少女たちに起きている、慢性疼痛、歩けない、けいれんする、暗記が出来ないなどの症状は、子宮頸がんワクチンのアジュバントが引き起こした、自己免疫性の神経障害によるとするものである。

 横浜市立大学の発生成育小児医療学講座の教授であった横田氏は、教授職を退官後も同大学で通称「HANS外来」を担当し、子宮頸がんワクチン後に不調を訴えている少女たちを一人で診ていたという。しかし、この3月末、横田氏は同大学での外来診察を完全に辞め、4月からは、診ていた患者も引き連れて、霞が関アーバンクリニックに籍を移した。それに合わせ、横浜市立大学の子宮頸がんワクチン外来も、多くの診療科が連携して診察する一般的な体制へと変わった。霞が関アーバンクリニックとはHANSの名付け親であり提唱者でもある、かの西岡久寿樹氏(東京医科大学医学総合研究所所長)のクリニックである。

 横田氏のスライドのタイトルは「HANS患者との出会い」。学会にしたらやや情緒的に過ぎるタイトルにも思えるが、自らが臨床医であることを強調する横田氏らしい。

 真っ黒な月経血、異常な乳汁分泌、右だけがけいれんする、暗算できない、漢字がかけない、幻聴・幻視、むずむず足症候群、年齢不相応な母への異常な愛着――筆者はこれまでにも、HANSを提唱する医師たちがプラットフォームとしている線維筋痛症学会などで何度か横田氏のプレゼンテーションを聞いているが(参考記事:「子宮頸がんワクチン薬害説にサイエンスはあるか」)、「心の問題でこんなことが起きますか?」「心の問題じゃないです」「私は臨床医ですから」といった言葉を頻繁に差し挟みながら、症状とワクチンとの因果関係を印象付ける話し方にはさらに磨きがかかっていた。

 5人のシンポジストのうち、いわゆる小児科医は横田氏だけだ。横田氏以外の論者は、痛みを専門とする麻酔科医(東京大学、住谷昌彦氏)、感染症疫学を専門とする日本在住の外国人研究者(北海道大学、シャロン・ハンリー氏)、産婦人科医(東京大学、川名敬氏)、保健行政の専門家(川崎市、岡部信彦氏)である。ここは日本小児科学会の学術集会、つまり横田氏だけがホームで、他のシンポジストはアウェイとなるコミュニティでのシンポジウムということになる。

 横田氏は、予定された15分の持ち時間を大幅に超過する25分の間、「外国に副反応がないというのはウソです」「これはスモン病と同じです」と自信のある口調で話し続け、「我が国は子宮頸がん大国になってしまう、これはウソです、大ウソです」「HANSの子は全国で少なくとも1万人はいるはずです」と語気を強めた。しかし、肝心のHANSの診断基準は示さず、長らく争点となってきた「身体表現性障害」を鑑別疾患に挙げない発表では、会場に詰めかけた同僚の小児科医たちを納得させることはできなかったようだ。(筆者注:鑑別とは、他の似た疾患と区別すること)。

 住谷氏は、子宮頸がんワクチン接種後の症状に苦しむ多くの少女たちを実際に診てきた立場から、心の問題を軽視した治療を行うことが、症状を固定化させ、治療を長引かせる可能性について語った。

 ハンリー氏は、母国スコットランドでも子宮頸がんワクチンの副反応がたくさん報告されているが「政府は全然気にしていません」と語り、どんなワクチンでも導入直後の数年は副反応報告が増え、その後、減っていくという「ウェーバー効果」について触れた。

 川名氏は、横田氏が投げかけた「(後で講演する)川名先生は子宮頸がん治療ワクチンを開発している。子宮頸がんワクチンではなくこの素晴らしいワクチンを用いるべき」というパスを、「治験の段階に過ぎません」としてスルー。検診では感染は防げないことや、初期で見つけて円錐手術でがんを取り除くことができたとしても多くの問題が残ることを明らかにし、予防ワクチンを用いることの必要性を訴えた。

 プレゼンの後に設けられた討議の時間で、不機嫌な表情を浮かべていた横田氏は、「ちょっと不公平かなと思った。でも、僕は証明したつもりで帰る」とコメントしてフロアの笑いを誘ったが、その後、ハンリー氏が「非科学的な情報が流れたときに専門家の小児科医の先生方がきちんと否定しないと……」と言いかけたところで、「おい、ちょっと失礼なんじゃないか!」と声を荒らげてさえぎり、会場が騒然とする場面もあった。

■小児科医たちの総意

 座長を務めた齋藤昭彦氏 (新潟大学大学院医歯学総合研究科小児科学教室)は、シンポジウムの開始時点と終了間際の2回、子宮頸がんワクチンの接種再開に対して支持するかしないか会場に挙手を求めた。フロアからは「支持する」の方に無数の手が上がった。フロアにいた筆者は手に取り囲まれて全体を見ることはできなかったが、壇上にいた座長は、開始時点に比べ、「わからない」に挙手する人が減り、9割くらいがワクチン接種再開を支持しているようだとまとめた。

 もちろん、これは多数決で決めることではない。

 しかしこれは、一向に仮説の域を出ないHANSという概念と、その蔓延に対する、アカデミアの確固たる意志を感じ取ることができた瞬間だった。

 横田氏は、昨年、一昨年の線維筋痛症学会の際にも、今回とまったくと言っていいほど同じ話をしている。この時は、フロアの参加者の中心は医師ではなく、メディア関係者や被害者連絡会関係の人だった。フロアは固唾を呑んで見守る雰囲気に包まれ、すすり泣く人までいた。(参考記事:「子宮頸がんワクチン薬害説にサイエンスはあるか」)

 しかし、小児科学会で挙がった無数の手は、心も体も成長過程にある子供たちの複雑な病気と日々向き合い、研究にあたっている同僚の小児科医たちは、全く別の受け取り方をすることを示していた。

 シンポジウム終了後、かつてはこの学会の長であった横田氏に声をかける人は2、3人で、「他のシンポジストは患者を診ていない!」と怒りながら立ち去ったそうだ。

■アカデミアの役割

 もう一人の座長である岡田賢司氏 (福岡歯科大学総合医学講座小児科学分野)は、4月21日に出された「子宮頸がんワクチン接種推進に向けた学術学会の見解」と題する、日本小児科学会をはじめとする17の学術団体が集まってつくった「予防接種推進専門協議会」の共同声明を紹介し、シンポジウムを締めくくった。声明では、国内外の疫学データをもとに、ワクチンの安全性を確認し、専門的見地から子宮頸がんワクチンの積極的な接種を推奨するとしている。

 3月16日には池田修一氏(信州大学医学部長)率いる厚生労働省研究班が、ワクチン薬害が証明されたかのようなミスリーディングな発表を行い(参考記事:「子宮頸がんワクチンと遺伝子 池田班のミスリード」)、3月30日には子宮頸がんワクチン被害者が、国と製薬会社を相手取って集団提訴を起こす予定という記者会見を開き、いずれも大きなニュースとなった。それらに比べれば、17学術団体による声明のニュースは扱いが小さかった。しかし、筆者の一連の記事を読んでいる賢明な読者は、子宮頸がんワクチン問題をめぐる、相反するふたつの流れに違和感を持ったことだろう。

 前会長を学会に呼び出し、フロアの挙手をもって現在の学会参加者の総意を示す――何でもないことのように思われるかもしれないが、徒弟制の根強い医学界でこれを行うのは並大抵の決意ではない。小児科学会に続き、アカデミアには、今後も具体的なアクションを続けていくことが求められている。

村中璃子 (医師・ジャーナリスト)

 

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