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ウクライナの‘オクトーバー・サプライズ’は、9月に起きるのかも(マスコミに載らない海外記事)
http://www.asyura2.com/16/kokusai14/msg/867.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 8 月 14 日 23:48:40: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

ウクライナの‘オクトーバー・サプライズ’は、9月に起きるのかも
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/08/9-482b.html
2016年8月14日  マスコミに載らない海外記事


Justin Raimondo

2016年8月12日
"Antiwar"

ロシアのFSB職員と、ロシア人兵士が、ウクライナ破壊工作員チームに殺害され、逮捕されたウクライナ人の一人の手錠姿がロシア・マスコミに掲載されると、駐ウクライナ・アメリカ大使ジェフリー・パイアットは、こうツイートした。

“アメリカ政府は、これまでの所、‘クリミア侵入’というロシアの主張の確証となるものは何もみておらず、ウクライナは強く反論している。”

亡くなった二人のロシア人は、パイアット大使にとって、さほど重要ではないようだ。おそらく、プーチンが自ら二人を殺害したもので、全てがでっち上げあのだ。

ウクライナは、この非難に、一体どれほど“強く反論した”のだろう? ウクライナ当局によれば、拘留された破壊工作員エフゲニー・パノフは、約320キロ離れたザポリージャの自宅から、ロシア人によって“拉致”され、クリミアに移送されたのだ。ウクライナ警察は、"この犯罪のあらゆる状況を、迅速に、全面的に、公平に捜査するため、我々は必要な全ての手段を講じている”とおごそかに発表した。実に驚くべき馬鹿げたことを、中古車ディーラー並みの完璧な冷静さで言えるウクライナ当局の能力には敬服せざるを得ないが、もちろん、彼らの能力とて、パイアット大使の手法にはとうてい及ばない。パイアット大使は、彼のツイートを、別ツイートでフォローして、こう書いた。

“ロシアには、自らの違法行為から目をそらすため、ウクライナに頻繁にぬれぎぬを着せてきた実績がある。”

目をそらせるということで言えば、NATOのロビー集団、北大西洋理事会の、ここにある長大な事件説明は、激しく意図的に難解だ。ところが、破壊工作員は、ロシア人脱走兵かも知れないという憶測やら、彼らは“実際には全く存在していない”と言うものまでを含む様々な混乱する“説明”を延々した後で、客観性装う上で、北大西洋同盟主義者は、知ったかぶりの段落をいくつか書いてから、事実を認めることを強いられている。

“パノフが逮捕されたため、説明されている詳細を検証するのは困難だが、アルミャンスクの事件が、多くの人々がオンラインで主張しているようなFSBによるでっちあげではないことが明らかになった。”

現実を認めたのは、ともあれ進歩には違いない。ロシアが数人の破壊工作員を逮捕したことには触れず、パノフにも触れず、一体なぜ、ロシアは事件を報じるのに“三日間おいた”のかと疑問を投じているこのNPR記事同様、欧米“ニュース”報道は、ひどく歪曲されているので、もちろん詳細を検証するのは困難だ。このブルームバーグ記事には、事件に関する詳細は皆無だ。その代わり、ウクライナのペトロ・ポロシェンコ大統領による、あらゆる起きたことに対する否定と、“誰も信じていない”“専門家”連中による“分析”で、ウクライナ通貨の下落予想、オリンピック大会のさなかに、軍事作戦を行うプーチンの性癖とされるものに関する警告を、我々は聞かされる。ニューヨーク・タイムズに掲載された、このAP通信記事は、同様に詳細が欠如しており、ロシア人死者の数を間違えている。ロシア人が一人死亡したと主張している。残りは、すべてが目くらましだと主張する様々な“専門家”による“分析”で、自身に対するプーチンの反応は“威嚇的”だという書き込みを追加している、パイアット大使が広めているものと、奇妙にも全く同じ説なのだ。BBCはご親切にも、パノフは“志願”兵であったかも知れないが、彼は“より最近では”“慈善団体”に関係していたと報じている。

厳重に警備されている国境を、真夜中こっそり越えるのに、一体いつから“慈善”団体メンバーが迷彩服を着るようになったのだろう?

だから、東西間における戦場の暗い片隅からの信頼できるニュースは、事実上報道管制状態にある。それでも、もし、ばらばらな情報源から、事実を寄せ集めれば、事件がどのような展開したのか、概要を描きだすことが可能だ。CNNは、四、五段落、ぐずぐずした後 - reporting ポロシェンコの否定や、長らく喧伝されてきた、全く架空のロシア“侵略”に対抗するためのウクライナ軍の措置を報じた後、最後に、Tassを引用して、いくつかの事実に触れている。

“ロシア軍が‘破壊工作員’を発見し、彼らを拘束しようとした際、‘TNT換算で40キロ以上の、20発の簡易仕掛け爆弾、弾薬、導火線、対人爆弾や電磁波爆弾、手榴弾やウクライナ国軍の標準特殊兵器’を発見したと報じている。二人のロシア兵が続いて起きた衝突で死亡したという。”

ロシア日刊紙コメルサントによると、ウクライナ人による侵入は、8月7日に起き、ロシア諜報機関が、ウクライナから、7人の武装した男が、ゴムボートで、ペレコプ地峡を通り、アルミャンスク町近くのクリミア領に侵入したことを探知した。男たちは“ソ連風”迷彩服を着て、ロシア軍兵士かのような印象を与えようとしているように見えた。連中は迎撃され、銃撃戦となり、双方の数人が負傷し、ロシアFSB職員が一人死亡した。二度目の対決は、翌日、ロシア軍が破壊工作員の一人を発見し、尾行して、奇襲して起きた。国境のウクライナ軍が発砲し、FSB職員が獲物を追跡する中、二つ目の集団が国境を越えた。結果として起きた、交戦で、ロシア兵士が一人死亡した。

少なくとも二人の侵入者が死亡し、最初の集団の5人は逮捕された。パノフを含め、合計10人が拘束されている。ロシア・パスポートを所有している者もあり、大半がクリミアの住民だ。コメルサントは、逮捕された連中は、ウクライナ諜報機関の命令で破壊活動をしていたことを認めたことも報じている。彼らの狙いは、殺人をする意図はなかったと言ってはいるが、観光地に爆弾を仕掛け、パニックを引き起こし、実入りの良いクリミアの旅行業界を、実質的に破壊することだった。

そう、もちろん、そうではない!

パノフが、ウクライナ諜報機関の指示で、作戦が行われたことを自白しているのみならず、機関の連中何人かの名前まであかしたとタス通信は報じている。彼の自白録音はロシア24の局で放送された。

ニューズウィーク“報道”は、この失敗した侵入に対する、ウクライナによる非常識な“歪曲”を伝えている。実際は“クリミア国境における、ロシア連邦保安庁(FSB)職員とロシア軍兵士が関わった銃撃戦だったのだ”! そう、ロシア人はお互いに銃撃したのだ。ウクライナ・プロパガンダは概して空想的傾向があるが、これは彼らにとってすら新段階の粗野さだ。

ウクライナという柵の中でのこの対決など、我々が気にする必要などあるだろうか?

ウクライナ国民は、他の国々の人々同様、アメリカ大統領選挙を見つめており、その現実が気に入らないがゆえに、重要なのだ。ドナルド・トランプは、ウクライナのクレムリンとの争いに関与することを拒絶しながら、“ロシアとうまく付き合えたら素晴らしいではないか?”と問うている。これが、ウクライナ人に、口角泡を飛ばすようなヒステリー発作をひき起こした。一方、ヒラリー・クリントンは、ドナルド・トランプはロシアの工作員だとあからさまに非難している。元CIA副長官マイケル・モレルは、ヒラリー支持の発言で、トランプは、FSBの“無意識の工作員”だと言った。そして、クリントンのために、あつかましく宣伝している“主流”マスコミは「トランプは、ロシアの傀儡」という切り札をフル回転させている。

要するに、トランプを憎悪しているウクライナ指導部は、絶えず彼を非難し、11月のクリントン勝利を露骨に応援している。クリミアに、テロ攻撃をしかけ、先には、東ウクライナの反抗的なルハンスク共和国の大統領を暗殺しようとした。プーチンを挑発して、軍事行動をさせようと狙って、連中は、彼の自動車の下に、爆弾を仕掛け、重傷を負わせたのだ。御覧じろ! ヒラリーが反ロシア強硬派姿勢をとり、トランプは、ロシア“侵略”を擁護するかのような姿勢をとって、“オクトーバー・サプライズ”だ。

オバマ大統領が致死的兵器の供与を拒否したことにいらだっているウクライナ人と、1950年代以来目にしたことのない類の冷戦恐怖大会のあらゆる装飾品を纏ったトランプに対するマッカーシー風選挙宣伝をするヒラリーの双方にとって、これは完璧な設定だ。

これは、世界帝国として、事実上ありとあらゆる国の内政に首をつっこんでいることに対する我々の代償だ。わが国の属国諸国も、選挙を含むわが国の内政に介入しようとして、絶えず策謀を企んでいる。介入は双方向の関係なのだ。

ロシアは二人の要員を失った。プーチンは決してこのままではおくまい。選挙で選ばれた大統領を打倒して権力の座についた、権力掌握が極めて脆弱なウクライナ・クーデター指導部もそうだろう。痛ましい経済的窮状や、政権による抑圧の増大から、国民の目を逸らし続けておくためには、連中には永久戦争の恐怖が必要なのだ。また、ヒラリー・クリントンは、ホワイト・ハウスへ何としても入り込むために迫りつつあるウクライナ“危機”を利用する用意があり、その気があり、利用することができるのは確実だ - たとえロシアとの核対決の危険をおかす必要があろうとも。結局、初めての女性大統領を大統領執務室に据えるという至高の重要性に比べれば、第三次世界大戦の可能性など、些細なことなのだろうか?

ジャスティン・ライモンドは、Antiwar.com論説員で、ランドルフ・ボーン研究所上級研究員。彼はThe American Conservativeの寄稿編集者で、Chroniclesに月例コラムを書いている。Reclaiming the American Right: The Lost Legacy of the Conservative Movement、[Center for Libertarian Studies、1993年; Intercollegiate Studies Institute、2000]と、An Enemy of the State: The Life of Murray N. Rothbard [Prometeus Books、2000]の著者。

記事原文のurl:http://original.antiwar.com/justin/2016/08/11/ukraines-october-surprise/
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