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メルケル首相、突然のザンゲ…ついに難民政策の「失敗」を認める EUの不協和音は高まる一方(現代ビジネス)
http://www.asyura2.com/16/kokusai15/msg/369.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 9 月 23 日 08:33:20: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 


メルケル首相、突然のザンゲ…ついに難民政策の「失敗」を認める EUの不協和音は高まる一方
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49787
2016.9.23 川口 マーン 惠美 現代ビジネス



欧州議会で講演したジャン=クロード・ユンケル氏 〔PHOTO〕gettyimages


■EU加盟国に深まる溝

9月14日、欧州委員会の委員長ユンケル氏が、欧州議会において、EUの現状をテーマに基調講演を行った。EUは、その翌々日16日に、首脳会合を控えていたため、いわばその地ならしである。

居並ぶEU議員を前に、「EUの溝はかつてないほど大きく、存続が危ぶまれるほどの危機状態である」とぶったユンケル氏。しかし、聞いている議員たちは、「だったら皆で頑張ろう」とはならず、「そうそう、その通り」と言わんばかりに白けていた。

欧州委員会というのは、EUの政策を実行する機関、いわば「EUの政府」だ。その長であるユンケル氏は、もちろん強大な権力を握っているが、彼自身の巷の評判はあまり良くない。結局、議員たちの士気は鼓舞されず、拍手パラパラ。

しかも同日すぐ、大手経済誌 WirtschaftsWoche のオンライン版に、この講演についての辛辣な批判が載った。タイトルは「もはやユンケルはふさわしい人間ではない」。

●“Juncker ist nicht mehr der Richtige” WirtschaftsWoche, 14. September 2016

世の中はこの20年間で大きく変わり、以前は想像さえ付かなかったような問題がEUを襲っている。なのに、「この男はますます前時代の化石の様相を強めている」。「重病患者を前にしたとき、二つの方法がある。治療を変えるか、あるいは、いままでの薬の量を増やすかだ」。

ユンケル氏の思考は、ヨーロッパがどんどん大きくなっていくと信じられていた時代に留まっている。つまり、時代に沿った改革などできず、誤った薬を増やすだけ。90年代、ルクセンブルク首相として、コール独首相、シラク仏大統領などとともにEUを作り上げた立役者を、ここまで批判する記事は珍しい。

「ヨーロッパは一つ」は確かに美しい理念ではあるが、各国はいま、それどころではない。そもそもEUの利益というのが曖昧すぎる。自由? 民主主義? 豊かで平和な暮らし?

EU各国が団結するには、実質的な共通の利害が必要だ。そうすれば、それが足し算されて、EUの利益になる。しかし、どこも自国は火の車で、難民がどんどんやってくる。そんなときに、このような理想のために奮励する政治家はいない。

そもそも、団結したいなら、ここまで加盟国を増やしたのは間違いではなかったか。28ヵ国の共通の利害はついに見つからず、EUはいま、1国抜けて27ヵ国になってしまった。


■ドイツが招いた各国の右傾化

現在、EUには二つの大きな亀裂があり、どちらも原因を作ったのはドイツだ(と、少なくともEUの多くの国々は思っている)。

亀裂@は債務危機。

ギリシャ、イタリア、ポルトガル、スペイン、そしてフランスが、地獄のような不景気に陥ってすでに久しい。これらの国々では、今や4人に1人が失業しており、若年層の失業率が50%近い国もある。

ところが、“借金はまかりならぬ”と一貫して彼らに厳しい金融引き締め政策を強いてきたのがドイツだった。市場に出回っているお金を増やさずに、どうやって景気を回復すればよいのか?

そのドイツの失業率は4.2%で、記録的な低さ。しかも2014年以来、プライマリーバランス(歳入と歳出のバランス)ゼロを達成している。こんな状態で、ドイツに対する不満が出ない方がおかしい。

亀裂Aは難民。

難民問題は以前よりあったが、2015年秋、メルケル首相がダブリン協定(EUにおける難民政策についての協定)を無視して、突然「難民ようこそ政策」を敷いたことで、深刻な局面を迎えた。

現在の危急の問題は、ドイツへ行こうとギリシャやイタリアまではたどり着いたものの、その先の国々が国境を閉じているため、行き場を失ってしまった難民だ(少なく見積もっても16万人)。ギリシャもイタリアもすでにお手上げ状態。

そこでドイツが、EUの連帯を盾に、それらの難民を皆で手分けして引き受けようと言い出したので、EU東部で反乱が起こった。「ドイツが勝手に呼び込んだ難民だ。自分たちで引き取れ」と。

一人勝ちドイツが「EUの連帯」を持ち出すことが不快でしようがない国は、今、EUにはたくさんある。

これらEUの不協和音は、各国に右派を台頭させた。すでにEU議会でも、先日Brexitを達成した「イギリス独立党」や、フランスのマリーヌ・ル・ペン氏の「国民戦線」が議席を持っている。彼らの目標はユンケル氏と反対で、EUをなるべく小さく留め、各国の独立と主権を取り戻すことだ。

矛盾するようだが、この不満は、一人勝ちしているはずのドイツでも急激にふくれあがってきている。主原因はやはりメルケル氏の難民政策。その勢いで、AfD(ドイツの選択肢)という右派の政党が急伸している。右傾化はEU全体の傾向だ。

ドイツの既成政党とメディアは、AfDを反民主主義の大衆扇動政党のように扱うが、立ち位置はフランスの「国民戦線」と変わりない。

州議会での躍進は華々しく、そろそろAfDの評価を変えないと、支持している国民に失礼だ。ベルリンの市議会選挙の後、「AfDの支持者は労働者層と失業者」というニュースが流されたのには、メディアの悪意を感じた。


■EU首脳会議での冷遇(?)

さて16日、スロバキアの首都、ブラティスラヴァで行われたEU首脳会議はどうであったか? イギリスのEU離脱が決まってから初めての首脳会議だ。

その夜のニュースは開口一番、「EU首脳が同じボートに乗りました!」

“同じボートに乗る”という表現は、ドイツ語でも“呉越同舟”の意味になるため、予想外の進展があったのかと思えば、何のことはない、首脳たちがドナウ川下りの船の中で会議をしていただけだった。ドイツ人得意の辛口ユーモアだ。


 EU首脳が乗り込んだボート〔PHOTO〕gettyimages

映像を見る限り、沈鬱な空気は濃く、同じ船には乗っているものの、利害を共にしそうには見えない。運命共同体となるにはドナウ川では無理だろう。難民のように小舟で地中海まで出なくては。

結局、この会議で決まったのは、EU国境の防衛の強化と、経済破綻国への失業対策援助など。失業対策は南欧の国々をなだめるためだろう。その他、EUの軍隊を統合して総司令部を作るなどという話も入っていたが、こちらの真意は不明。NATOの弱体化? 英米へのあてつけ?

いずれにしても、不協和音の元であった難民分配は綺麗に抜け落ちている。喧嘩をしないためには、その元を断てばよいということか。

しかし会議後、レンツィ伊首相は共同記者会見を拒絶、「我々の意見が一致したかのように見せかけるな」と取材陣に欲求不満をぶちまけた。

驚くべくは発表された記念写真。普段なら必ず前列の真ん中あたりにいるはずのメルケル首相が2列目にいて、その前には東欧組の背の高い政治家が壁のように立ちはだかっている。しかも、平地での撮影のため、メルケル首相は完全に隠れてしまって見えない。信じられない写真だ。



外交上のしきたりから言えば、首相歴の長い彼女には特等席が与えられて当然なので、これはメルケル首相冷遇を世に示すための異例の計らいか? 反メルケル包囲網は、EUでもドイツ国内でも、だんだん狭まってきている。


■ベルリン市議会選でも惨敗

その2日後の9月18日は、ベルリンの市議会選挙だった(ベルリンは特別市なので州扱い)。

9月4日のメクレンブルク−フォーポマーンの州議会選挙でAfDが躍進し、メルケル氏のCDUが大敗したことはすでに書いたが(https://post.gendai.ismedia.jp/articles/-/49678)、この日、ベルリンでもCDUは歴史的な惨敗を喫した。SPD(社民党)は第1党を保ったものの、こちらもかなりの墜落。伸びたのは、やはりAfDだった。

翌19日のメルケル首相の記者会見は衝撃的だった。2週間前は、自分の難民政策は間違っていなかったと言い張っていた彼女が、ついに失敗を認めた。2015年に起こったことは二度と繰り返してはならない。「我々はできる!」は“空虚な言葉”であったと。



国民としては、「突然、そう言われても……」という感じであるが、豹変の真意はいずこに? ひょっとすると、この“懺悔”でまき直し、来年の総選挙に突入するつもり?

いずれにしても、EUもドイツも大混乱。まさに“欧州の天地は複雑怪奇なり”である。

それはそうと、EUサミットの集合写真は、見れば見るほど哀れで、図らずも私の脳裏には、ここにいないイギリスの政治家たちが高笑いしている姿が浮かんでしまった。



 

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コメント
 
1. 2016年9月23日 19:58:45 : zh79FPneLo : wEs_gZAt8lE[2]
川口なんとかは信用できない

2. 佐藤鴻全[3] jbKToY2DkVM 2016年9月24日 04:00:59 : LcjUt88vB7 : Sp@5S6c@3Wg[2]
しかし、その「間抜けぶり」が「ドイツ第四帝国」への周辺諸国の警戒を解く。

3. 佐藤鴻全[4] jbKToY2DkVM 2016年9月24日 06:55:14 : LcjUt88vB7 : Sp@5S6c@3Wg[3]
英国EU離脱 −英vs独vsヘッジファンド三巴戦とEUの帰趨−

●英国離脱可決により、主に関税ゼロ等を維持したい英国と、離脱国続出を防ぐため、引き換えに移民受け入れ継続を飲ませたいEUとの駆け引きが始まった。
●ジョージ・ソロスを筆頭としたヘッジファンドは、EUの歪みをついてユーロ、南欧国債、フランクフルト市場等の売り浴びせを仕掛ける。その時期は、恐らく9月新英国首相選出の前後だろう。
●EUの目指す統合国家創出は、理論的にはともかく、実質的にはドイツ第四帝国の出現となる。第四帝国内の半植民地、二等国民となる事に多くの国は耐えられない。東欧諸国等とプライドを捨ててドイツにタカりたい国だけが残る。
●統合国家の夢を捨て、自由貿易等のみに絞って仕切り直す事が事態安定化と「EU」存続の道であり、そこへ至るシナリオが必要となる。

◆離脱交渉とヘッジファンド◆
先月23日に行われた国民投票での英国EU離脱可決を受け、世界中に余波が続いている。
キャメロン後任の次期英首相選出は9月に行われ、英・EU間の離脱交渉は最速で9月以降、新首相次第だが恐らく来年以降に行われる模様だ。

前哨戦としてアナウンスレベルでは、主に関税ゼロを維持したい英国と、離脱国続出を防ぐため、引き換えに移民受け入れ継続を飲ませたいEUとの駆け引きが始まった。

ユーロに参加していない英国であっても、移民自由化は英国民の雇用維持、テロ対策の等の面で耐えがたいものだった。
加えて、ユーロに参加している加盟国は、更に通貨政策、財政政策で縛られて不満が鬱積しており、英国に続いて離脱の動きが出て来きている。

ジョージ・ソロスを筆頭としたヘッジファンドは、そうしたEUの歪みをついてユーロ、南欧国債、フランクフルト市場等の売り浴びせを仕掛ける可能性が高い。
その時期は、恐らく9月新英国首相選出の前後だろう。
その前触れとして、現に投票日翌日(6月24日)、ジョージ・ソロスが、所有する700万のドイツ銀行株の空売りに入っていたことが、複数のメディアの報道から明らかになった。

こうした中で英国としては、関税ゼロの維持と移民受け入れ拒否を勝ち取る一方、域内金融共通免許を停止準備期間あり等の条件付きで諦める辺りが及第点だろう。
金融共通免許を失っても、ヘッジファンドの「歪み」攻撃でEUが地盤沈下する事も考慮に入れれば、金融の中枢機能をシティーからフランクフルトへ奪われる可能性は低くなる。

この様に、英国とEU(実質ドイツ)との離脱交渉は、心理戦を含めたヘッジファンドを絡めた三巴戦の様相の中で、多くの変数を伴いながら混沌を経て方向付けられると思われる。

◆EU国家統合の正体◆
EUの目指す統合国家創出は、理論的にはともかく、実質的にはドイツ第四帝国の出現となる。
ユーロの共通通貨政策によるユーロ安により、ドイツは輸出ドライブのもたらす経済的繁栄を謳歌している。
半面、多くの国はユーロ維持のために緊縮財政を強いられて、実際に失業率増加等の実害を被っており、第四帝国内の半植民地、二等国民となる事に耐えられない。

EUには、低賃金工業により利益に預かっている東欧諸国等と、ギリシャのようにプライドを捨ててドイツにタカりたい国だけが残る。
そのギリシャ等も、数年前の危機でドイツを騙してやりくりしていた事が明らかになった。

移民の自由化と通貨統合は、国家統合への必須条件であるのだろう。

筆者は、これに対し統合国家の夢を捨て、自由貿易等のみに絞って仕切り直す事が事態安定化と「EU」存続の道であると考える。
あるいは、ドイツと東欧諸国等のみで統合国家を作り、そのコアを関税ゼロ等の域内諸国が囲む姿である。
理屈で考えれば、筆者にはその道が関係各国にとって何の不都合もなく、ゴールであるように見える。

それを拒むものは、第四帝国を作りたいドイツの野望か、統合国家の理想に燃えるEU原理主義者か、グローバル化で利益を得たい国際資本なのか。 

欧州安定化のためには、その正体を明らかにし、障害を排して落ち着くべき所へ至るシナリオが必要となるだろう。


4. 2016年9月24日 17:08:56 : Q82AFi3rQM : Taieh4XiAN4[383]
EUを作ったそもそものNWOの目的がここにきて破たんし始めているのだから当然こういうことになるのだと思われます。

 こういう問題について、特にあれこれ細かい分析が必要だとは思われない。
イギリスはNWOの(影の)トップであるから結果を見通して一抜けたわけで、残った者たちが右往左往しているだけだ。
ヨーロッパ各国(政治)首脳はNWO企画者のコマであることがよくわかる。

 自分が生きる土地の国民の生活を考える者が各国(政治)首脳になればこういうばかばかしい成り行きは消失するだろう。
まったく今まで「政治」は我々とは一切縁のない「支配手順」だったのだとよくわかる。
 
 メルケルがどうなろうが関心はない。
 パシリは気の毒と思うだけだ。



5. 2016年9月24日 18:38:06 : 60zrsP9i5I : gDIlEHw40xw[251]
できるけど必死に妨害する奴らがいる。何かを変えるということは、今の仕組みを作った既得権益者にとっては死活問題だから。メルケルなどはただの奴隷商人にすぎない。

労働者と失業者、結構じゃないか。
それは国の主人だ。
あたかも主人公然として振る舞っている多国籍企業国際金融資本は、いずれの国においても主役たりえない。
そして労働者が反対しているということは、その政策は実行できないのである。


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