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‘偽ニュース’に対して、何をすべきか
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2016年11月23日 マスコミに載らない海外記事
2016年11月18日
Consortiumnews.com
Robert Parry
独占記事: 世界に、多様な意見や、政府見解に反対する情報を得られるようにしたインターネットの成功に、反撃がおこなわれつつある。政治家、主流マスコミや、巨大ハイテク企業は、彼等が“偽ニュース”報道と呼ぶものを標的にしている。
ロバート・パリー
ドナルド・トランプ勝利の後、オバマ大統領が提起し、木曜、ニューヨーク・タイムズの一面で、金曜日に、国際的舞台での新たなホットな話題として喧伝されたのは、インターネットで広められている“偽ニュース”問題だ。
GoogleやFacebookなどの主要インターネット企業は、そのような記事を検閲し、違反者とされる連中を罰するよう促されている。また、この問題とされるものを管理して、何が本当で、何が本当でないか決めるよう、“信頼できる”ニュース提供者だとされる連中や巨大ハイテク企業のチームが招集されている。
しかし、ここにはより深刻な問題がある。一体誰が、何か本当で、何が本当ではないと決めることになるのだろうか? そして - あらゆる側がプロパガンダを広める時代に、主流の“真実”を支持する体制順応は、一体いつ、筋の通った懐疑論に対する検閲になるのだろう?
40年間以上、ジャーナリストをしてきた私は、情報を 発表前に、出来るだけ検証するという、この職業の責任を重く受け止めており - Consortiumnews.comの編集者として、私は、書き手(そして、できる限り、外部コメンターも)言い分の裏付けをするよう主張している。
私は、個人的に、特定の話題について、本当の証拠無しに、実際の証拠を無視することが多いのだが、人々が憶測する“陰謀論”が嫌いだ。データを照合確認し、常識を働かせる伝統的なジャーナリズムの標準を私は信じている。
だから、私はインターネットのでっちあげや、根拠のない非難のファンでは決してない。だが、私は、アメリカの主流マスコミも、イラクが核兵器計画を復活させた(ニューヨーク・タイムズ)やら、大量破壊兵器の備蓄を隠している(多くのTVや、ワシントン・ポストを含む印刷メディア)といった2002年-03の報道のような、恐るべき、見境のない事実の間違いをしてきたことも知っている。
しかも主流マスコミが、そうした生死にかかわる記事で間違えたのは、イラク侵略を巡る一度限りのものというわけではない。少なくとも1980年以来、ニューヨーク・タイムズは、アメリカ合州国とその同盟諸国に悪いイメージを与える多くの国際問題で、虚報をするか、言い繕うかしてきた。
たとえば、タイムズは、ニカラグア・コントラ・コカイン・スキャンダルを見落としたのみならず、1980年代中と、1990年代の大半、悪行におけるレーガン政権の役割を積極的に隠蔽したのだ。
タイムズは、イラン-コントラ事件として知られるようになった秘密作戦の調査でも大きく出遅れた。政府の否定を前にしたタイムズのだまされやすさは、この憲法上の危機や、レーガン政権による他の違反を調べていた我々にとって障害だった。[この話題の詳細は、Consortiumnews.comの“ニューヨーク・タイムズ: 権力の言いわけ役”を参照]
同じ頃のワシントン・ポストとて、ましだったわけではない。コントラ-コカイン・スキャンダル当時の編集長レオナルド・ダウニーは、1998年の、CIA監査委員長フレデリック・ヒッツによる、実際、多くのコントラ連中は、コカイン取り引きに首までつかっているという所見にもかかわらず、レーガン政権は、彼らの犯罪を、地政学的理由で隠蔽した、ロナルド・レーガンの大好きなコントラがコカイン密輸をしている現実を拒否し続けた。
より最近では、2002年-03年のイラク侵略猛ダッシュの際、ポストの論説員フレッド・ハイアットは、イラクが大量破壊兵器を隠しているのは自明の事実だと、繰り返して書き、“集団思考”に異議を唱えるわずかな意見をあざけった。
ところがハイアットは、ついたウソの責任をとるのを免れ、依然ポスト論説員で、いまだに、ワシントンの一般通念なる、うさんくさい例を言いふらしている。
真実省
すると、世界の人々が見たり、聞いたりすることを規制すべく選ばれる“信頼できる”ジャーナリストとは一体誰なのだろう? このオーウェル風な課題のため、タイムズやポストを含む、30の主要ニュース、およびハイテク企業の集団が“偽ニュース”に取り組み、どの記事が信用がおけないもので、どの記事が信用がおけるかを判断するプラットフォームを生み出すと謳ったFirst Draft Coalitionと呼ばれる一種の真実省が、Googleによって作られた。
オーストラリアの“60 Minutes”記者マイケル・アッシャーは2014年7月17日のマレーシア航空17便撃墜後、 BUKミサイル発射機のビデオに、広告板が映っているのを見つけたと
主張している。(オーストラリアの“60 Minutes”のスクリーン・ショット)
2015年6月に創設された、Google News Labが資金提供するFirst Draft Coalitionの創設メンバーには、注目を浴びた記事の多くが間違っていた、今やNATOお気に入りのシンクタンク、北大西洋理事会ともつながっている、オンライン“市民ジャーナリズム”サイトのBellingcatも入っている。
Bellingcatの波乱に富んだ実績と、北大西洋理事会を通じた利益相反にもかかわらず、タイムズや、ポストを含む欧米主要マスコミは、Bellingcatを持ち上げている。その記事が、シリアとウクライナに関する、アメリカとヨーロッパのプロパガンダと、常にぴったり一致するというのが、その理由だ。
Bellingcatの(あるいは創設者エリオット・ヒギンズの)の二つの最大の間違いは、2013年8月21日、サリン・ガスを搭載したシリア・ロケットではと疑われるものの発射地点を間違えたことと、2014年7月17日、マレーシア航空17便撃墜の後の、逃走するBukのビデオの間違った現場に、オーストラリア取材班を案内したことだ。
014年7月17日、BUKミサイル部隊と疑われるものが、マレーシア航空17便撃墜後に通過したとされる道路のスクリーン・ショット。(写真はオーストラリア“60 Minutes””番組)
ところが、支配体制側の“集団思考”を支持する多くのマスコミ同様、Bellingcatは、幅広い支持を得て、ウクライナの好ましからぬ諜報機関SBUにほとんど支配され、ロシアを非難するBellingcatの疑わしいMH-17の証拠を受け入れた国際MH-17調査団などからの公的な支持も得ている。
もし、このような真実省が、1980年代中期に存在していれば、当初は真実ではないとされたので、コントラ-コカイン・スキャンダル調査報道を罵倒していた可能性が高い。そして、もし“真実省”が、2002年-03年に存在していれば、イラクの大量破壊兵器に関する“集団思考”に対して警告していたわずかな人々を非難していただろうことは確実だ。
権力と現実
政治運動で興奮した時や戦時には、多少の、偽あるいは疑わしい記事が流されることがあることは否定しようがなく - ジャーナリストには、事実確認に、できる限り最善を尽くすという役割があるが、完全に間違いでないにせよ、疑わしいということになった記事を報道してきた連中自身の実績を考えれば、マスコミ・インサイダーが、受け入れられないとして、反証をはねつける権限が自分たちにあると勝手に決めれば、より大きな危険になりうる可能性がある。
こうした、自称真実の審判者が、強力なインターネット・サーチ・エンジンと、ソーシャル・メディア企業の力を結合して、反対意見や、正反対の事実を大衆が見つけるのを極めて困難にして、実質的に沈黙させるという、より大きな危険がある。
政治家、次期大統領ドナルド・トランプなり、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領なり、オバマ大統領なりが、何が真実で、何が間違いかを判断する事業を始めたら、一層酷いことになるのは間違いない。
木曜日、ベルリンでの、ドイツのアンゲラ・メルケル首相との共同記者会見で、熱烈なオバマ大統領は“偽ニュース”に対するいらだちに二度も触れた。“非常にうまく作られた積極的な虚報が非常に多くある時代には、Facebookページや、テレビを見ると、皆同じように見える。 … もし、あらゆることが同じように見えて、区別ができなくなれば、我々は何を守るべきかわからなくなる。”
この言葉を、まずじっくり考えよう。“我々は何を守るべきかわからなくなる”? オバマ大統領は、特定な情報を“守る”のはアメリカ政府の役割だと示唆し、暗に、反対の情報は “守られない”ものにし、つまり、検閲の対象にしようというのだろうか?
金曜日、ニューヨーク・タイムズ一面記事は、特にFacebookに責任を問うて、こう書いている。“長年、ソーシャル・ネットワークは偽ニュース取り締まりではほとんど何もしてこなかった。”
タイムズは更に、称賛してこう書いた。“今やFacebook、Googleなどが、この傾向を規制する措置をとり始めたが、アメリカ合州国以外の国々の人々には、動きは遅過ぎたというむきもある。”
情報戦争
シリアとウクライナの紛争に関するロシアに対するアメリカ政府による“情報戦争”のさなかのこの“偽ニュース”に関する新たな警戒だ。オバマ国務省は、これらの紛争に関する真実を提示しており、ロシアのRT局は偽情報の源泉だと主張している。ところが、国務省プロパガンダ担当者連中自身、偽の主張や裏付けがない主張をすることが良くある。
水曜日、ジョン・カービー国務省報道官が、RTに所属するロシア人ジャーナリストの筋の通った質問に答えるのを拒否する見苦しい場面があった。
RTのジャーナリストが、カービーに、ロシアとシリアの空爆によって攻撃されたと彼が主張しているシリアの病院と診療所を明らかにするよう要求した。本当のことを言っている人物なら、後でチエックし、検証できる、詳細情報を提供する機会が得られたことを喜ぶはずだろうと思う。
ところが、カービーは、RTジャーナリストを叱りつけ、それ以外の国務省記者団を、彼女に対立させようとしたのだ。
質問: あなたがロシアが攻撃したと非難している病院の具体的なリストを提供するのは重要とは思われませんか? これは由々しい非難ですから。
カービー: 私がそういう非難をしているわけではありません。信用に足る援助団体の報告書で、5つの病院と診療所、というのを見たと言っているのです。
質問: どの病院
カービー: 少なくとも、一つの診療所
質問: せめて、どこの都市でしょうか?
カービー: シリア救援機関が公開している多くのものが見られます。我々も情報を彼らから得ています。こうした報告書は
質問: でも、あなたは何も具体的なことをいわずに、こうした報告書を引用しています。
カービー: 我々は、こうした報道のいくつかで見たものを裏付ける他の情報源があるので、こうした機関は信頼に足ると信じている。あなたは何をご存じですか? なぜ質問しないのですか … これは良い質問です。お国の国防省になぜ質問しないのですか … 彼らが何をしているのか、そして情報を貰えるかためして…”
質問: 具体的なリストをくだされば
カービー: だめ、だめ、だめ、だめ、だめ、だめ、だめ。
質問: 病院の具体的なリストをくだされば
カービー: だめ、だめ、だめ。
質問: 私の同僚が、ロシア当局者の所に行って、ロシアが攻撃したと非難している病院の具体的リストについて質問できるでしょう …”
カービー: あなたはロシア・トゥディで働いているのですか? それがあなたの会社ですか?
質問: その通りです。はい。
カービー: あなたはなぜ、あなたがここにいて、私にしているのと同じ質問をお国の政府にしないのですか? 彼等に、彼らの軍事活動について聞いてください。彼等がしていることを話させるか - 彼等に、やっていることを否定されるか。
質問: 私は、具体的情報を要求しているのに、あなたの対応は、一体何でここにいるのかということのようですね? あなたは、私を非難しているのですね。
カービー: いいえ、あなた。
質問: あなたが具体的情報をくだされば、私の同僚がロシア当局者に質問できるでしょう。
カービーが、RTジャーナリストを叱りつけ、彼女の具体的情報要求をはぐらかし続けていると、アメリカ人記者が割って入り、カービーの“‘お国の国防省’などの言い回しに反対した。彼女は、我々と同じジャーナリストです。それで - 彼女は鋭い質問をしているのですが、彼等は …”
カービーは、RTは“国営”メディアなので、その社のジャーナリストは“独立したマスコミ企業の代表である他の皆さんと同じレベル”に置くわけにはゆかないと主張した(だが、ボイス・オブ・アメリカ、BBCや、他の多くの欧米マスコミは、政府に資金提供されていたり、イデオロギー上の後援者がいたりするのが現実だ)。
広報外交
アメリカや、アメリカの同盟諸国の主張に関する正当な疑問を呈することに対するカービーの敵意は、連中が現実として提示するものに対するいかなる異議申し立ても嫌っているように見える、オバマ国務省の典型となっている。
013年12月13日、ヌーランドの左後ろに同社ロゴがあるシェブロンが後援した催しで、アメリカとウクライナの財界首脳に講演するヨーロッパ担当、アメリカミ国務次官補ビクトリア・”ヌーランドのスクリーン・ショット。
たとえば、2014年、ウクライナ危機の初期段階で、ジョン・ケリー国務長官、RTを“プロパガンダ拡声器”と呼び、リチャード・ステンゲル広報担当国務次官は、RTは、偽情報の情報源として、村八分にすべきだという“外交文書”を発行した。
だがステンゲルの苦情は、選挙で選ばれたヴィクトル・ヤヌコーヴィチ・ウクライナ大統領を打倒した2014年2月のクーデターを巡る状況に関する驚くべき無知をさらけ出した。
たとえば、ステンゲルは、ウクライナにおける“政権転覆”を推進するためアメリカが、50億ドル投資したことに関するRTの“ばかばかしい主張”をあげている。ステンゲルは、2013年12月13日、アメリカとウクライナの財界首脳に対する公の講演で、ヨーロッパ担当、国務次官補のビクトリア・ヌーランドが、ウクライナの“ヨーロッパへの熱望”を支持として、50億ドルという数値をあげたことを知らなかったもののようだ。
当時、ヌーランドは、ウクライナ“政権転覆”の主要提唱者で、個人的にマイダンの抗議行動参加者を激励し、クッキーを手渡しさえした。盗聴された、下品さを帯びたアメリカ駐ウクライナ大使ジェフリー・パイアットとの電話会話で、ヌーランドは、ウクライナを率いる人として選ぶのは、アルセニー“ヤッツこそ、その人物”だと言った。ヤツェニュクは、クーデター後、結局、首相になった。
すると、偽ニュースを広めているとRTを非難していた際、ステンゲルは“偽ニュース”提供者だったのだろうか、それとも、部下のために、騙されやすい欧米報道機関に繰り返すためのいくつかのプロパガンダ論点を集めていただけなのだろうか? それとも彼が情報不足だっただけなのだろうか?
民主主義も、ジャーナリズムも厄介な仕事だ。そして、威信は、時間をかけ、信頼性の定評を確立して築きあげるものだ。支配体制が下賜して信頼性を保証してくれる“葵のご紋章”など存在しない。
アメリカ人と世界の人々に、できる限り正確に情報を伝えるよう最善を尽くすことが重要なのだ。一体何が本当で、何が偽かに関する、究極の裁判官たるべき個々の読者に、信任を与える作業をゆだねるのが最善だ。
記事原文のurl:https://consortiumnews.com/2016/11/18/what-to-do-about-fake-news/
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