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東京五輪招致不正疑惑の調査結果公表(全文1)契約内容や締結過程に違反ない(なぜ紙会社に?)
http://www.asyura2.com/16/senkyo212/msg/232.html
投稿者 戦争とはこういう物 日時 2016 年 9 月 02 日 09:48:46: N0qgFY7SzZrIQ kO2RiILGgs2CsYKkgqKCpJWo
 

(回答先: 東京五輪招致不正送金疑惑 違法性なしの結論も渦中の3人に聞き取りできず(これで終了?) 投稿者 戦争とはこういう物 日時 2016 年 9 月 02 日 09:38:05)

 国内法に触れない、で乗り切ろうとしているかのごとき会見。一体何に巨額の「コンサルタント料」を支払い、なぜその相手を選んだのだろう?

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https://thepage.jp/detail/20160901-00000006-wordleaf?utm_expid=90592221-74.Dk1ZSt26T-ydxJqrKi8Pzw.0&utm_referrer=https%3A%2F%2Fwww.google.co.jp%2F
東京五輪招致不正疑惑の調査結果公表(全文1)契約内容や締結過程に違反ない

2016.09.01 17:23

 2020年東京五輪の招致をめぐる資金不正疑惑で日本オリンピック委員会(JOC)が立ち上げた調査チームは1日、調査結果を公表した。

 調査チームは、外部の識者として早川吉尚・立教大学教授が座長を務め、宍戸一樹・弁護士、久保恵一・会計士の3人で今年5月に構成された。

【中継録画】東京五輪招致・不正疑惑の調査結果を公表
調査報告の概要について

・東京五輪招致・不正疑惑の調査結果を公表(撮影:具志堅浩二)
*画像略

司会:皆さま、本日はお忙しいところ記者会見にお集まりいただきましてどうもありがとうございます。それでは、ただ今より東京2020年オリンピック招致委員会に関わるJOC調査チームの記者会見を行わさせていただきたいと思います。それでは、出席者をご紹介させていただきます。JOC調査チームの座長です。早川吉尚先生。

早川:早川でございます。

司会:同じくJOC調査チームのオブザーバー、松丸喜一郎でございます。

松丸:松丸でございます。よろしくお願いします。

司会:本日はJOC専務理事の平岡専務理事のほうにも立ち会っていただきます。よろしくお願いします。

平岡:平岡です。

司会:それでは早速、早川座長にお渡ししたいと思います。よろしくお願いします。

早川:立教大学教授で弁護士の早川でございます。今回、調査チームの座長を務めさせていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。座って、以降、ご説明させていただきたいと思います。

 昨日付でわれわれ調査チームは、こちらの調査報告書と題する報告書を1つ、そして、あくまでご説明のための便宜でございますけれども、要約版というものも用意いたしました。それからこの問題は世界的に関心が強いことから、英文のインベスティゲーションレポートという形で報告書の英訳というものも作成して、海外からの問い合わせにもお答えできるように準備をした次第でございます。皆さま、お手元にあるようでしたらば、そちらを確認いただければと思います。

 で、これから調査報告書の内容を、時間の関係もありますので、主に要約版を中心にご説明させていただきまして、それから皆さまからのご質問についてお答えしていきたいと思います。しかし、こちらの報告書を作成するにあたりまして、われわれ調査チームがどういった態度でこの調査に臨んだのかということだけははっきりさせていただきたいと思っております。

 この調査チームが5月末に設立されたわけですが、その際にもこのような機会を与えていただきました。その際に、私たちがどうしてこの調査チームのメンバーに選ばれたのかについてご質問を受けたときに、私の認識としましては、あとからも確認できましたが、私、アンチドーピングの問題に専門家として長らく携わらせていただいております。同じスポーツ法、あるいはスポーツ界の問題でも特にアンチドーピングの問題が私の専門の分野でございまして、この領域においては例えばJOCですとか、その関連団体が当事者の1人として登場することが少なからずあります。

 従いまして、ドーピングの陽性反応が出たときにそれが果たして白か黒かを決し、また制裁機関としてどのようなものがふさわしいのかを決定する、裁判官役的なパネリストというものを私ずっと務めてるわけですが、その立場から見るとJOCの方から、普段から距離を置いて独立の立場でいるということが非常に重要だと考えておりまして、その独立性というものを評価していただいて、私が今回の調査チームの座長として選ばれた。また、もう1人メンバーをつかさどりました宍戸弁護士に関しても同じくアンチドーピングに関しての規律パネルの副委員長をやっておりますので、その関係で選ばれたんじゃないかというふうに考えております。

 で、アンチドーピングの目から見ると、どのような人気の選手であったとしても、また、どのような重要なイベントの重要な役割をする人だとしても、ドーピングに関するルールに違反すればその人は必ず罰せられ、ときにはメダルを剥奪され、あるいは記録も抹消され、そして資格も停止されるということは、その人がどんな人であったとしても等しく適用されるルールになっております。で、私個人としましては、その同じ態度がIOC憲章との関係でも等しく適用されるべきだと考えておりますので、もしも、今回の招致委員会にIOC憲章に違反するようなことがあれば、場合によっては東京での招致の中止もやむなしというようなことは当然のこととして今回の調査に臨ませていただきました。その意味ではニュートラルな立場で今回の調査に臨ませていただいたつもりでございます。

 同時にアンチドーピングの観点から見ますと、なんの根拠もなくその人を資格停止にしたり、メダルを剥奪するわけにはいきません。きちんとしたヒアリングですとか、あるいは証拠の収集を経た上で、エビデンスがあるかないかを確認し、エビデンスがある場合に初めてその人を罰することができるというふうに考えております。で、その意味においてわれわれは、さまざまなこの問題に関してはうわさですとか、いろいろなストーリーが飛び交っておりましたけれども、その1つ1つについて果たしてどういうふうなエビデンスがあるのかということを極力、心掛けて調査に当たりました。従いまして、最終的にまとまった調査報告書は、そういった形で全部で34人の関係者の方々。で、その中には2回聞かれてる方もいらっしゃいますので、延べですと37回、37人の方々のヒアリングの結果として導かれた報告書ということになります。

 個々の方々についてはわれわれの調査チームと、それからヒアリング対象者の、それ以外の方が介入しない形で1つ1つの記録が取られまして、その証言の記録というものを全て並べていって、全体像がどういうふうになるのかということを明らかにしていくという作業を取ったわけであります。時に記憶違いですとか曖昧な部分があって、そこが不整合だというところもありますので、そのときにはもう一度呼び出してお話を聞くということで、全体像がさらにクリアになるように努めたということもやらせていただきました。

 また、関係者で現存してる、例えばパソコンですとかモバイルといったものの中に残っている記録というものも、デジタルフォレンジックという手法を用いまして、何かこの事件に関して関係するようなものはなかったのかということの調査も行わせていただきました。

 それから、海外の調査というものも行わせていただいたわけであります。具体的にはこの事件に関与している、あるいは関与しているということが疑われていた人物としましては、タン氏というシンガポールのコンサルタントの方、それから、セネガルに今、在住していると思われますパパマッサタ・ディアック氏という方、そして、もう1人、IAAFの会長でいらっしゃったラミーヌ・ディアック氏という方。この3人にヒアリングに応じていただけるように接触を試みました。

 で、パパマッサタ・ディアック氏に関しましては、途中まで彼の弁護士を通じてコンタクトを続けまして、インタビューに答えていただけると、ヒアリングに答えていただけるというところまでいったんですが、どういう形で答えていただけるかの条件を詰めていく過程で向こうからの連絡が途絶えまして、今現在、お話ができない状況になっております。またラミーヌ・ディアック氏に関しましては、フランスのほうでロシアのアンチドーピングの問題に絡んで一度逮捕されまして、その後、保釈はされてるということなんですが、そして、またフランスの国内から出れない状態にあるということですけれども、弁護士を通じてもコンタクトを取ることはできませんでした。

 で、タン氏に関しましては今、やはりこのドーピングの問題で行方をくらませているようでございますけれども、その代わりにシンガポールにおける現地調査を行いまして、タン氏と関係のあった方々に具体的にさまざまなインタビューを行って、いったいこのシンガポールのコンサルタント会社、あるいはタン氏というものがどういう人物であるかとか、ということの調査も行ったということでございます。

 その結果として出来上がったのが、今回の調査報告書でございますので以下、要約版のほうをかいつまんで中身について説明させていただき、それから皆さま方からのご質問にお答えしたいと思います。要約版の1ページ目の本件調査に関わる認定事実というところからかいつまんで読ませていただきます。招致委員会というものはかつて2016年のオリンピック・パラリンピックを東京に招致するために活動を行っていた法人が、名称変更しまして、で、また新たに2020年のオリンピック・パラリンピックを東京に招致しようと組織された東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会という名称の任意団体、都に権限を有する組織体でありまして、この人たちが合体して生まれたもので、国ですとか、招致都市である東京都、およびJOCをはじめとするさまざまな民間団体の出身者等で構成され、東京都の関係部局等と一緒になって東京招致を目指していたということでございます。

・招致委員会におけるロビイング活動の契約等について

 で、招致委員会におきましては、その組織化の過程の中で他の組織体にならって稟議、決済の仕組みが整理されていきましたが、招致活動という短期的な目的のために各所から人材が集められたという特殊事情もあって、招致委員会を取り仕切る事務局においては、事務局の裁量によって臨機応変な判断を要する側面もあったというふうに確認が取れております。なお、招致委員会は2014年3月31日に解散をしております。

 招致活動に当たって国内の支持はもちろん、国外の支持を得ることが極めて重要でありまして、そのために欠かせない活動の1つとして開催都市の決定に投票権を有するIOC委員、およびIOCに影響力のある関係者等に対するロビイング活動というものがございました。で、招致委員会におけるロビイング活動の担い手は、自らもIOC委員である理事長のほか専務理事、理事と複数存在して、自らが長年築いてきた信頼関係や交友関係等を通じて、あらゆる関係機関の協力も得て、IOC委員に対して、東京がオリンピック・パラリンピック開催地に最もふさわしいことを説明するということになります。

 そしてコンサルタントはロビイング活動を円滑に行わせるための情報収集を担うとともに、自らもロビイング活動を行うことがその役割でありました。かかるコンサルタントは、原則として招致委員会内における国際部を中心に選定等がなされましたが、必要に応じて国際部の主導ではない形でコンサルタントの活用がなされることもあり、柔軟かつ多様になされていたようであります。

 ロビイングを担当するコンサルタントの多くは個人で活動しておりまして、自己のコネクション等に基づいて自宅等を拠点に電話等の通信手段を用いて情報収集を行うほか、国際競技連盟主催の国際大会の行事に頻繁に出向き、IOC委員、およびIOC委員に影響力のある関係者等と直接会ってロビイング活動を行っているということでございます。

 招致活動に関わるコンサルタントは、オリンピック・パラリンピック招致という限定された分野におけるある種、貴重な存在であることから、その報酬については相場間や市場感を非常にに形成される、他の招致都市に争奪されることを防ぐという意味でも報酬額が億単位になるケースもあり、またその金額がコンサルタント側主導、つまり言い値で決定されるということも少なくないと。コンサルタントの側からしても、例えば夏季のオリンピック・パラリンピック招致に特化したものについては、4年分の生活を賄うという側面もあるようでございます。

 で、本件契約に関してでございますが、2013年7月付の95万米ドルの契約、これを第1契約と申しますが、と同年10月付の137万5000米ドルの契約、本件、第2契約といいます。この2通からなるものですが、その締結手当については以下のように認定されております。すなわち関係者によりますと2013年5月下旬ごろBT社から自己をコンサルタントとして推薦するレターとともに、同封されたパンフレットが招致委員会宛に送付されました。それを見た招致委員会の事務次長が、特にBT社が2015年に北京で実施される世界陸上の招致に実績があったことを示す記載があったことに着目し、招致委員会の事務局長と共に株式会社電通、以下電通と言いますが、の役職者に相談の上、タン氏と電話会議を行っております。

 第1契約が締結される直前においてはいずれの立候補都市も確実な決定打を欠く混沌とした状況でありまして、2013年9月のIOC総会直前の8月10日開幕のモスクワでの世界陸上というのが招致活動、あるいはロビイング活動の最大の山場になると予想されておりました。そうした時期にタン氏が代表を務めるBT社からの売り込みがあり、また電通の役職者から2015年の北京での世界陸上の招致実績があり、世界陸上を主催する国際陸上競技連盟、先ほどからIAAFと申しておりますが、このIAAFの関係者等とのコネクションがあると考えられるタン氏の実力についての情報提供がありました。

 そこで、アジア、中東およびIAAFに関係するIOC委員の動向の情報収集を行い、かつ日本への投票行動につながるような働き掛けを含めたロビイング活動を行わしめるべく、本件契約の締結に向けてタン氏との電話会議が設定されたということであります。

 もっとも、タン氏からは当初は契約金230万米ドルという形で提示されまして、それは想定予算を大きく超えるものでありました。この点、2020年の東京招致におきましては、2016年招致の際の教訓から予算の制約が徹底されており、上記契約金額のままでは契約締結が困難であった一方で、招致成功のためには早期に契約をすることが不可欠であると考えられました。そのため、本件においては契約内容を実質的、または事実上の成功報酬的なものとすることで決着したということであります。

 すなわち具体的には契約を2つに分け、まず第1契約には成功報酬については記載しないことで1通目の契約金額を当初の想定予算の範囲内に抑えつつ、招致に成功した場合には、その段階で実質的な成功報酬の性質を有する契約をもう1通、締結することを予定しているものでございますけれども。で、成功報酬を求められた際に予算枠がなかった際に、減額等の交渉する余地を残すという方法でありました。その後、実際に招致に成功し、また予算の見通しもたったことから第2契約は締結されるということになったわけであります。

 第1契約の締結の前後は招致活動のピーク時でありまして、招致委員会内においてロビイング活動を主として担当した理事長も、そして専務理事も日本をほとんど不在にしておりました。そのため現実の契約交渉や実質的な締結作業は事務局長らによって行われ、実質的に理事長や専務理事が事後に了承する形となりました。なお本件契約の決裁手続きとしましては、招致委員会における通常の運用に従い、必要な決裁の押印を得ております。しかし第1契約の締結に際して、事務局長らからは、BT社との間で成功報酬的な合意をしているということは、その時点では理事長に伝えられていなかったということが分かりました。

 以下、この契約をどのように評価するかでございますけれども、まず契約金額という点ですが、コンサルタントへの支払額の平均額というものがだいたい、われわれが調べたところでは、今回は11億数千万円がコンサルタントに支払われております。本数は何件かというと11人、11件ということでございます。そうすると1件当たり約1億ということでございますので、本件契約の額を合計すると、平均値の倍以上である232万5000ドルとなり、相対的に高額ということにならざるを得ないということになります。

 このようにコンサルタントの報酬は言い値により契約されることも少なくはないわけでありますけれども、特に本件、第1契約が締結された2013年7月ごろはイスタンブール、マドリードも含め、いずれの立候補都市も確実な決定打を欠いているという状況にありまして、翌8月の世界陸上でのロビイング活動が非常に重要視されておりました。

 そのような状況の下で、2015年の北京での世界陸上の招致実績があるとされ、また世界陸上に長年深く関わっている電通の役職者からその実力についての情報があった以上、事務局長らがBT社を他の立候補都市に争奪させることを防止し、かつ、できるだけ速やかにロビイング活動を開始してもらうべく、BT社と早期に契約を締結しようと考えて行動したということは理解できる選択だというふうに判断いたしました。

 また事務局長らはタン氏との交渉を経て全額を初めから契約書に盛り込むのではなく、まずは95万米ドルを基本的な契約金額とする契約書を作成するにとどめ、東京招致が成功した場合に限って、その時点の予算の範囲で137万5000米ドルを上限に成功報酬を支払う条件まで押し戻しているわけですので、そのことから考えますと、合計額が相対的に高額であるという事実だけから本件契約の金額が不当とまではいえないというふうに考えました。

 じゃあ本件契約にどれだけの成果があったのかということでございますが、ロビイング活動によって得られる情報は極めて秘匿性の高いセンシティブな情報でありまして、かかる情報は口頭によって報告されることも多く、実際(※判別できず)またIOCの投票先は確実にも分からないことから、ロビイング活動の具体的な成果は客観的に計測しにくい側面を有しております。

 もっとも、BT社は本件第2契約の下で詳細な報告書というのを提出しております。その中でIOC委員の具体的な投票行動等に詳細に言及しておりまして、そのことから見て、タン氏が極めて秘匿性の高い情報を入手できる立場にあったことは事実のようであります。IOC委員等に関して、これだけの情報を持つこと自体、ロビイングコンサルタントとしての相当の評価に値するのではないかと。これに加え、2015年の北京での世界陸上招致に実績があるとされていることを勘案すると、タン氏がこれらの情報に基づいて、相応のロビイング活動を行っていたことが推認されます。

 ただ、本件契約の締結に当たっては招致委員会の運用に従った稟議、決裁は行われているものの、相対的に高額な契約であるにもかかわらず、第1契約の決済の際に理事長に対して、本件契約金額が実は全体として成功報酬込みの、約230万米ドルであることまで説明をしなかったということについては事実でありまして、これは手続きとして不十分であると言わざるを得ないと思います。

・契約の内容や締結過程が日本の法律に違反はしていない

 総括としましては、招致委員会の関係者はタン氏について、2015年の北京での世界陸上の招致実績はIAAFの関係者とのコネクションといった事実のみしか知り得なかったわけでありますので、タン氏がラミーヌ・ディアック氏の息子であるパパマッサタ・ディアック氏と、報道されたような事実関係、すなわちタン氏とパパマッサタ・ディアック氏の間に親交があるとか、ましてや2013年の7月16日、25日に購入されたとされている高級腕時計の代金が招致委員会による本件契約代金の振込先である、BT社名義の口座から支払われたという事実についてまで招致委員会側が認識し、または認識することができたとは認められない。

 当調査チームは招致委員会関係者がオリンピック関係者等への贈与の禁止も含むIOCの規定を十分に認識し、また本件契約の際にもオリンピック関係者等への贈与の認識をなんら有していなかったと考えております。そうである以上、こうした本件契約の内容や締結過程が、なんらかのわが国の法律に違反するということはないと結論づけることができます。そもそも贈賄罪につきましては日本の刑法上、民間人に対しては成立する余地がないわけでありますが、またフランス法上もそのような(※判別できず)がない以上は刑法犯を構成するものではなく、さらにそのような贈賄の意思がない以上はIOC倫理規定への違反を見いだすことはできないと結論づけざるを得ないということになります。

 また、実際、先ほど述べました詳細な報告書が提出されていることから鑑みて、タン氏は極めて秘匿性の高い情報を入手できる立場にあり、これに基づいて相応のロビー活動を行っていたことは推認されるということについては前に述べたとおりであります。しかし、本件契約の金額が海外コンサルタントの契約金額の平均値である約1億円に比して、相対的に高額な合計232万5000米ドルであるにも関わらず、本件第1契約の実態が成功報酬を別途支払うものである、この説明が事前に行われない。つまり理事長の最終的な決裁の際になされなかったことは手続きの透明性という観点から一定の問題があります。

 そしてその背景としては、招致委員会が東京へのオリンピック・パラリンピックの招致目的という点では明確な目標が構成員によって共有されてはいるものの、組織という点ではいわば寄り合い所帯的な雰囲気を呈していたということは否めなかった。通常の組織であればなされてしかるべき相互の意思疎通が十分になされていなかったということを指摘することができると思います。

 その結果、本件契約に関してはその内容や締結過程につき、内外からさまざまな疑念や疑惑を持たれることになってしまいました。そのような疑惑や疑念の遠因が手続きの透明性の不足、組織内における相互の意思疎通の不足という点であるとすれば、招致委員会にとって反省すべき点があるということは否定できないかと思われます。

・選考過程の透明性の確保を制度化が必要

 で、そのような観点から今後に向けまして、当調査チームとしましてはコンサルタント契約の締結においては以下のような体制を取るべきだと考えております。すなわち招致活動等におけるコンサルタント契約というものが性質上、高額なものになりがちであると同時に、その成果や結果が客観的に計測可能なものでない以上、後において無用の疑念や疑惑を抱かれないように、その選考過程の透明性の確保を制度化するということであります。

 具体的にはコンサルタントの成功のための内部的組織を構築し、その時点においては戦略上秘密とせざるを得ないことがあるにしても、招致活動終了後のしかるべきときに説明を求められたときはしっかりとした根拠を持って説明が可能なような体制を整えるということであります。こうした体制は最近IOCが、IOC倫理規定のImplementing Provisionsの1つとしてRules of Conduct for the Candidature Process. Olympic Games 2024. というのがあるんですが、これを発表しまして、2024のオリンピックゲームあるいはパラリンピックゲームの立候補、あるいは招致活動に当たっては、その5条において各都市が契約しようとする全てのコンサルタントについて、IOCへの事前登録を義務付け、しかもかかる登録情報を全て公表するという新たな方針を打ち出したこととも整合的といえます。

 また同条は2024年オリンピック・パラリンピック招致活動から登録されるコンサルタントに贈収賄禁止規定をも含む、規定の遵守等の宣言を義務付けております。これは実質的にはコンサルタント契約の中に贈収賄防止条項を置くのと同義であると言えまして、屋上屋を重ねるようでありますが、当調査チームとしましては今後はコンサルタント契約の中に、贈収賄防止条項が置かれることも考慮されるべきだと考えます。

 このことは2013年当時は別にしましても、現在におきましては当然視されている国際法務におけるコンプライアンスのための実務慣行であるといえます。わが国においては今度もさまざまな形で国際的なスポーツイベント等の招致活動が行われることが予想されますが、コンサルタントと契約する際にかかる選定体制や契約内容を採用すべきことは、本招致委員会に対してのみならず、将来そうした招致活動においても考慮されるべきであると考えられます。

 特に国民的期待・関心が高いオリンピック・パラリンピックの招致活動におきましては、こういった点に十分な配慮がなされるべきだったと当調査チームは結論付けました。以上が要約でございまして、あと報告書の中に盛り込まれておりますが、今の要約の中に盛り込んでなかった点につきまして、何点か補足しまして終わりたいと思います。

 まず時計の購入というものが、招致委員会がコンサルタントフィーとして支払った銀行口座からIOC委員であるラミーヌ・ディアック氏と息子のパパマッサタ・ディアック氏が時計を購入した、その口座が同じ口座だったというところなんですけれども、報告書のほうでは23ページの注の7というところにその事実関係についての調査結果が出ております。

 パパマッサタ・ディアック氏は時計を購入したのは、現時点で判明してる限りでは7月16日と25日であるということが確認されておりますけれども、そのため招致委員会が振り込んだ資金が高級腕時計等の購入に使われたのではないかという報道が見られておりました。で、しかし招致委員会がBT社の口座に実際にお金を支払ったのは、95万米ドルを支払ったのは7月の29日でありまして、振り込まれたお金がパパマッサタ・ディアック氏の時計購入に使われたというのは時系列から言ってあり得ないというのが、われわれの事実関係調査の結果でございます。

 それからWADAレポートについても若干補足したいと思います。というのは今回のこの疑惑というのは、WADAの、ロシアのドーピング違反の問題に関するレポートの中にWADAがインタビューをしたトルコの関係者のほうで、イスタンブールと日本を並べて何か言及してるところがあり、そこについての記述があったというところでございます。38ページ、報告書の中では注の25というところでそれについて事実関係について解説してあります。

 で、まずWADAレポートの内容というのはどういうものだったのかといいますと、まず伝聞報道であるということですね。つまり誰々さんが日本がこういうふうにお金を払ったけれども、お金を払わなかったイスタンブールは負けたというようなことを言ってるわけですが、そういうことを言ったっていうことが書かれているわけでありまして、その真偽自体についてはWADAは検証をしていないということでございます。

 で、それのため、われわれとしてはこれが本当に事実関係としてあったのかということを確認しようと調査をいたしました。で、多くの関係者によりますと当該レポートに記載されてる内容というのは、ダイヤモンドリーグやIAAFそれ自体ってことなんですが、実は日本企業はスポンサーとしてIAAFに多数のスポンサー費を払っておりまして、そのこと自身はしかしIOC憲章その他との関係ではなんら違反を構成しないわけでございます。

 で、また関係者によりますとIAAFのスポンサー料はこのレポートに載ってるような金額、400万米ドルから500万米ドルといった金額よりもはるかに多額でありまして、そのことについてこの人物が言ってるとは思えないと。

 しかし他方でダイヤモンドリーグのスポンサー料ってのがだいたいこのぐらいの金額なので、しかし事実として調べてみるとダイヤモンドリーグのスポンサーとなっている日本企業は少なくとも確認できる範囲ではいないということです。

【連載】東京五輪招致・不正疑惑の調査結果を公表 全文2へ続く
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コメント
 
1. 2016年9月02日 10:46:37 : LY52bYZiZQ : i3tnm@WgHAM[-8464]
Domestic | 2016年 09月 2日 10:17 JST
IOC「報告書を精査中」

 〖ロンドン共同〗国際オリンピック委員会(IOC)は1日、2020年東京五輪招致の不正疑惑で日本オリンピック委員会(JOC)の外部調査チームが違法性なしと結論付ける報告書を公表したことについて「倫理・コンプライアンス担当責任者が報告書を精査している」との声明を発表し、引き続きフランス検察当局の捜査に全面協力する姿勢を示した。

 報告書は東京の招致委員会がシンガポールのコンサルタント会社と結んだ総額2億円超の契約に違法性はなく、IOCの倫理規定違反にも当たらないとした。IOCはこの点には触れず「引き続き関係者から情報を集めて倫理委員会に報告する」とした。

⁅共同通信⁆

http://jp.reuters.com/article/idJP2016090201001253


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