★阿修羅♪ > 戦争b18 > 126.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
愚かなギリシャ、今度はNATOガス戦争に参戦(マスコミに載らない海外記事)
http://www.asyura2.com/16/warb18/msg/126.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 6 月 24 日 11:21:40: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

愚かなギリシャ、今度はNATOガス戦争に参戦
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/06/nato-fe17.html
2016年6月24日 マスコミに載らない海外記事


2016年6月10日
F. William Engdahl
New Eastern Outlook

わずか18カ月前には、ロシア・ガス田から、黒海を横切って、トルコに入り、更にギリシャ-トルコ国境へと向かう大規模南ヨーロッパ天然ガス・パイプラインの可能性が、ロシアのプーチン大統領と、トルコのエルドアン大統領との間で交渉されていた。EUの経済的妨害で、ブルガリアに入り、更に東南、南ヨーロッパに向けるサウス・ストリーム・パイプライン計画キャンセルをロシアに強いた後、トルコ・ストリームと呼ばれるものが、2014年12月、アンカラでのプーチンと、レジェップ・タイイップ・エルドアンとの会談中に提案されていた。今やギリシャは、ガスを、バクーのシャー・デニスII海洋ガス田からギリシャを横切り、アルバニアを通り、アドリア海の海底を通り、イタリアへ輸送するいわゆるトランス-アドリア海パイプラインを建設するという遥かに経費のかかる協定に調印し、愚かにも、NATOの対ロシア“ガス戦争”に参加するという決断をした。ヨーロッパのガス地政学は、石油地政学同様、急速にリスクの高いものになりつつある。

5月17日、ギリシャの最高日和見主義者、兼首相のアレクシス・ツィプラスは、テサロニキで、ギリシャを通る550 kmのトランス-アドリア海パイプライン(TAP)建設開始に着手する協定に署名した。ツィプラスは、推計15億ドルのプロジェクトを“ギリシャ国内で実行される最大の外国投資プロジェクトの一つ”だと、マスコミに売り込んだ。式典出席者は、欧州連合官僚と、ギリシャ、トルコ、アルバニア、イタリアとブルガリアの高官だ。

実に奇妙なことに、EU内のエネルギー協定の直接当事者ではないにもかかわらず、アメリカ国務省も出席していた。ところがIndirectly、1990年代始めのソ連解体以来、あらゆる機会に、ロシアのガスプロムを妨害しようと、アメリカは、EUエネルギー戦略の真っ只中にいた。EU“ガス戦争”の本質は、直接的には、アメリカの圧力やNATOの圧力、そして間接的には、欧州委員会の“お友達”を通した、ロシア・ガスプロムのEU市場への輸出を弱体化させるか、露骨な妨害工作をするアメリカの取り組みなのだ。

EUの“温室化ガス”規制や、ドイツにおける原子力段階的廃止のため、欧州連合の諸国において、石炭や他の燃料に置き換わる天然ガスへの需要は劇的に増え、輸入の必要性も増えている。今後四年間で、ガス輸入は、EU全ガス消費のうち、現在の45%から、2020年には、約65%へと増加する予定だ。

ばかげたTAP

トランス・アドリア海パイプラインは、ロシア・ガスという選択肢を回避し、アゼルバイジャンのシャー・デニス II海洋ガス田を、EUと結びつける遥かに高価で長距離のパイプライン・チェーンの一部だ。TAPは、アゼルバイジャン・ガスを、シャー・デニス-2から、ギリシャとアルバニア経由で、EU市場に送ることになっている。TAPの株主は、アゼルバイジャンの国営エネルギー集団、Socar (20%)、BP (20%)、イタリアのSnam (20%)、Fluxys (19%)、Enagas (16%)と、Axpo (5%)だ。TAP全長878kmのうち、550 kmがギリシャ北部を、215 kmは、アルバニア、105 kmは、アドリア海、そして、8 kmがイタリアを通る。負債で身動きのとれない、経済的に落ち込んだギリシャ政府は、ガス会社、TAP AGに、25年間の税控除を与えることを強いられた。

TAPは、トランス・アナトリア・パイプライン (Tanap)と呼ばれる遥かに長いパイプラインで、アゼルバイジャン・ガスを輸送する。Tanapの1,850-km パイプラインは、100億ドルという途方もない推定費用で、BPが運営するカスピ海のシャー・デニス IIガス田から、年間160億立方メートルを輸送することになっている。ジョージア-トルコ国境から、トルコのギリシャ国境に向かう予定だ。そこでTAPとつながり、ギリシャとアルバニアを横切り、アドリア海の海底を通って、南イタリアのガス・ハブに到る。

ギリシャ部分を建設するTAP AGコンソーシアムによれば、TAPとTanapは、これまで世界で建設された中では最も複雑なガス・バリュー・チェーンで、欧州委員会のいわゆる南ガス回廊の一部だ。長さは3,500キロにおよび、7か国を横切り、一ダース以上の大手エネルギー企業が関与している。2020年までに完成した暁には、年間約100億立方メートルのアゼルバイジャン・ガスをEUに送ることになっている.

ガスプロムのポセイドン

2016年の2月、同じアレクシス・ツィプラスは、全く別の調印式の当事者だった。ヨーロッパへのロシア・ガス供給用の南部ルート実現を可能にする、ギリシャとイタリア間のガス・パイプライン・プロジェクト開発“覚書”は、2月24日に調印された。協定は、ガスプロムCEOのアレクセイ・ミラー、イタリアのEdison CEO、マルク・ベナヨウンと、ギリシャの公営ガス供給会社DEPAのCEO、テオドロス・キツァコスが署名した。

2014年12月、ワシントンが、ブリュッセルの欧州委員会に圧力をかけ、サウス・ストリームという名前のプロジェクトのパイプライン経路で、TAP-Tanap-南ガス回廊よりずっと安い経費で、ロシア・ガス経路を通す計画をブルガリアに放棄させた後、南部のEU諸国にロシア・ガスを送る代替案として、ガスプロムのギリシャ-イタリア経路のポセイドンがが設計された。

サウス・ストリーム・パイプラインは、年間630億立方メートルのロシア・ガスを、黒海を渡って、ブルガリア、また、セルビア、ハンガリーと、スロベニア経由で、イタリアへ送るよう設計されていた。対照的に、TAPというEUの代案は、年間僅か100億立方メートルしかおくれず、それすらも疑わしいのだ。深刻な経済危機のさなかにあるEUにとっては、奇妙な経済計算だ。提案されているロシアの代替案は、経費155億ユーロで、年間約630億立方メートル輸送できるが、アメリカが支援するTAP-南ガス回廊は、450億ドルもの建設費で、年間わずか100億立方メートルしか輸送できない。

2014年12月、ロシアがサウス・ストリーム中止を発表した同じ月、プーチンとエルドアンは:東南ヨーロッパとイタリアのガス需要問題を解消する別のガスプロム代替案を話し合うことに合意した。それはトルコ・ストリームと呼ばれ、ロシア・ガスを、黒海海底のパイプラインから、トルコ内を短距離通って、ギリシャ国境へと輸送するはずだった。2015年11月、シリア領空でのトルコ空軍によるロシア戦闘機撃墜で、ロシアとトルコとの関係が凍結され、少なくとも、当面、サウス・ストリームの話も終わった。

アメリカが妨害したロシア提案のサウス・ストリームと、その代替案トルコ・ストリームの推定費用は、いずれも、約155億ユーロで、TAP-南ガス回廊で予想されている経費、膨大な450億ドルの三分の一だ。国務省の駐在ネオコン、ビクトリア・ヌーランドを含むアメリカの経済戦争戦略家にとって、EU諸国が支払う限りはコストは不問なのだ。

2016年2月、ガスプロムは、ギリシャと南ヨーロッパに、ロシア・ガスを輸送する新たな選択肢となる構想ポセイドン・プロジェクトを発表した。ロシア・マスコミ報道によれば、ポセイドンは、ブルガリア経由でガスプロム・ガスを輸送するためブルガリアとの新協定も結ぶ可能性がある。

ロシア国家エネルギー研究所所長のセルゲイ・プラボスードフは、ブルガリア・ルートは、ロシア・ガス輸送のための最も先進的な選択肢だったと語っている。

ポセイドンを阻止するための新たなギリシャ‘緊急支援’

アメリカは、ガス戦争での新たなロシア・ガス輸入の脅威に素早く反応した。大半の交渉がおこなわれるヨーロッパ政治の舞台裏で、メルケル政権や他のEU諸国に、アメリカが大変な圧力をかけ、ギリシャ向けの緊急支援金をかき集めさせたのだ。

5月25日、ドイツと他のEU諸国政府は、ギリシャに、新たな103億ユーロの緊急支援を与える決定を発表した。ツィプラス政権のもと、ギリシャ国民は、更なる緊縮策にあい、生活水準が下げられるばかりで、一銭たりとも目にするわけではない。金はすべて、欧州中央銀行や他の外国債権者へのギリシャ借金返済に使われる。ドイツ・マスコミの報道によれば、ロシア・ポセイドン・ガス・プロジェクトで、ギリシャがモスクワとより親密になるのを防ぐため、緊急援助をするようアメリカがEUに圧力をかけたのだという。

どうやら、それが効いたようだ。アメリカが支援するTAP協定に調印した翌日、ツィプラスは、ポセイドン代替案に関するロシアとの交渉は凍結すると発表した。アメリカは満足なようだ。アメリカ国務長官ジョン・ケリーは、ツィプラス首相を慶賀して、TAPを“ヨーロッパのエネルギー安全保障を強化するインフラの最高の見本”と呼んだ。この発言で、彼は、ロシア・ガスからの安全保障のことを言ったのだ。アゼルバイジャン海洋ガス田からのガスの唯一問題は、それがないことだ。アゼルバイジャン海洋ガス田のガス供給の深刻な不足から、アゼルバイジャン政府と国営石油・ガス企業Socarは、 ガス輸入の可能性…ロシアのガスプロムからのを検討せざるを得なくなっている。BPが運営するシャー・デニスの巨大な海洋ガス田輸出の主要なアゼルバイジャンのガス田は、既にトルコとジョージア向けに契約されている。ガス生産は、今後数年間は停滞したままだろうと、BPは言っている。ギリシャとイタリア向けガスはない。

F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師で、プリンストン大学の学位を持っており、石油と地政学に関するベストセラー本の著書で、オンライン誌“New Eastern Outlook”に独占的に寄稿している。

記事原文のurl:http://journal-neo.org/2016/06/10/foolish-greece-now-joins-nato-gas-war/

----------  

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
1. 2016年6月24日 13:35:08 : nJF6kGWndY : n7GottskVWw[1708]

EUから見てロシアが信頼できないから、こういうムダなことになる

自業自得ということだ


2. 2016年6月28日 12:38:04 : RTWWw8j8P6 : 0[80]

EUが分解するはずだ(笑)



3. 2016年6月29日 14:43:11 : calhBT429k : aB9SLk_BJ7c[5]
ギリシャは金がないので貴重な施設や財産を中国に売ってしのいでいる。

  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法

▲上へ      ★阿修羅♪ > 戦争b18掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
戦争b18掲示板  
次へ