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IS崩壊後のイラクはどうなるのか?(WEDGE)
http://www.asyura2.com/16/warb19/msg/151.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 11 月 10 日 14:44:51: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

IS崩壊後のイラクはどうなるのか?
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/8132
2016年11月10日 岡崎研究所 WEDGE Infinity


■苦難の道

 西欧列強はオスマン帝国から肥沃な三角地帯を奪い、現在のイスラエル、レバノン、シリア、イラク、ヨルダンに分割したが、ヨルダンを除きその他は全て非スンニ派の支配下にある。スンニ派はイスラム世界の中心部において未だ多数派ではあるが多くの地域において支配される側の地位に追いやられている。中東における国外、国内避難民2600万人の約85%はスンニである。
スンニの敗北が最も鮮明なのはイラクである。16世紀以来、スンニはイラクをイランの西方進出を阻む砦として頼りにしてきたが、2003年の米国による侵攻は既存の秩序を崩壊させ、多数派であるシーア派の支配を実現させた。

 特にこの10年間はテロとの戦いの名の下にクルド、シーアの民兵によりスンニ派住民の迫害が強化され、イラクにおけるスンニ派住民700万の内250万が国内避難民となってクルド地域に避難、150万人が難民となってイラク国外に去っている。あるスンニの政治家は「アメリカはクルドを育て、イランはシーアを育てたが、我々はイラクの孤児である」と述べている。

 これに対するスンニの反応は激烈なものであった。アルカイダからISに至る主義主張の下に、失った力を取り戻すべく戦い、クルドやシーアに奪われた領土を奪回するのに成功した。モスルは現代カリフ国家の中心になるはずであった。然し、ジハーディストによる苛烈な支配は、スンニ派住民が先ず最初の被害者であるとの非情な認識をもたらした。ISがモスルを失った後、全てを失ったスンニ派は何処にいくのであろうか?

 一部はシーアやヤジディ系の報復を恐れてISへの支持に固執するかもしれない。ISは既にモスル陥落後の世界に備えて戦術の転換を企図している。より現実的なジハーディストはシリアの例に倣い穏健化の方向を取ろうとするかもしれない。しかし、幸いなことに大多数のスンニはジハードそのものの有効性に疑問を投げかけている。

 イラク国会議長のジュブリ氏によれば、スンニ派は過激なジハーディズムのコストを苦難のうちに学び、現実主義の必要性を訴えている。最近のイラクにおける変化や、アバディ首相の前任者達よりも宗派中立的な対応もスンニと中央政府との歩み寄りを促すことになるかも知れない。

IS後への期待を反映して、スンニ社会では再生のためのいくつもの提案が行われている。その殆どは何らかの自治地域創設の考え方を取り入れている。これに対して、イラク分裂への道である、経済的に不可能である、スンニ内での集団指導体制が貧弱等の批判がある。

 また、保健や電力等の民生分野での権限移譲はシーア派指導者にも受け入れやすいが、スンニ地域が独自の民兵組織を持つことには強い抵抗がある。

■中央政府への信頼が不可欠

 スンニを主体とする周辺地域が機能するには、中央政府への信頼が必要不可欠であり、アンマンにあるイラク系研究所のクベイシ氏は、レバノン式の政府重要ポストの各宗派への配分制度を提唱している。このようなスンニ・シーアの和解実現のためには、サウジ始め湾岸諸国がイラクをアラブの同胞として扱うことが必要であるが、決定的に重要なのは米国の継続的なプレゼンスである。

 和解への道は苦難の道ではあるが、最近のイラク議会において、今までは離れて議論していたスンニとシーア派系議員が同じテーブルで議論する光景が見られるようになってきたように、各宗派は少なくとも話し合いを始めている。

出 典:Economist ‘The day after’(October 8, 2016)
http://www.economist.com/news/middle-east-and-africa/21708263-once-islamic-state-defeated-what-will-iraqs-angry-sunnis-do-next-day

 イラクでは今年前半内閣改造を巡る政治危機により、一時はアバディ内閣の崩壊も危惧されましたが、夏前に漸く各政党間の妥協が成立し、現下のイラクにとっての最大の課題であるISからのモスル奪還および原油価格低下による財政危機に取り組む態勢が出来上がりました。

■スンニ派の将来

 本件論説はモスル奪還後を見据えてのスンニ派の将来を論じたものです。勿論、モスル奪回の軍事作戦自体も極めて困難なものになることが予想され、周到な準備とイラク国内諸派(クルド、シーア派民兵、スンニ派部族)間の協力、米国等有志連合、イランとの連携など複雑な作戦の企画、実施が必要であり、容易なものではありません。

 しかし、イラクの安定とジハーディストの弱体化にとって、軍事的な勝利は第1歩に過ぎず、モスル奪回後のスンニ地域のガバナンス再建こそが最も重要な課題であり、この論説が指摘するようにスンニ派指導層、住民の中に和解への機運が出てきているとすればポジティブな要因として評価されるでしょう。

 ただし、スンニ派住民の帰還、シーア派系民兵組織の動向、クルド系軍事組織ペシュメルガが占拠している係争地域の取扱い等、IS戦後の問題処理は政治的、軍事的に極めて複雑かつ、取り扱いを間違えれば一触即発的な危険を有しており、論説が述べるように米国の仲介者的役割は極めて重要です。米国新政権が対中東政策を立案するに当たり、バランスのとれた賢明な関与政策により、イラクに対する建設的な影響力を行使することを期待します。

 

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コメント
 
1. 2016年11月10日 19:50:29 : 9epTdcq0eM : 52ZczmtM4tY[4]
ゴリアホ右翼、岡崎研究所の記事。彼らが理想とするのはアメリカの傀儡王朝が富を独占するパーレビがイランを支配したときのような国家。ゴ・ジンジェムが支配した南ベトナム。今は南スーダンか。

なぜ民衆の力で政権がひっくり返されたのかまだわかっていないようだ。


2. 2016年11月10日 19:53:03 : 1hFwhl5XF6 : A44FqszPm3Y[50]
産経新聞みたいなことしか言わなくなった岡崎研究所を持ち出すWEDGEは、読者を舐めている。
いや、読者を馬鹿にしている。

3. 2016年11月13日 10:17:09 : kZ7Lxb4Joc : aslz3rukUmU[1]
イラクのシーア派はイラクナショナリズムを失っていない。

サダムがシーア派を差別していたというのはたんなるデマである。

バアス党、軍、政府、ここにシーア派がパージされていたという事実はない。

そもそもシーア派の大元(発祥地)はイラクであり、イランのシーア派は暖簾分けの支店に過ぎない。

イランのゴム(シーア派の神学の聖地)は、イラクのナジャフのカルバラーに比べれば重みの差は歴然、イランが逆立ちしたところでシーア派の聖地はカルバラーであることはいうまでもない。

つまり、イラクのシーア派がイランのシーア派の言うことを聞くということはありえないのだ。

では現イラクのシーア派政権(ダワ党)がなぜイランの傀儡かといえば、そもそもイラクにおける政権争い(軍事クーデターで王政が転覆した後の政変)をするうえで同じシーア派のイランから支援をしてもらっていた関係が深いことと、アメリカによるイラク攻撃と政権崩壊に乗じ、イラクの内務省にイランの革命防衛隊の影響下にある親イラン派のシーア派が入り込んで内政を牛耳っているからである。

そもそもイラクのシーア派がスンニ派嫌いなら、イライラ戦争のときイランの側についてサダム政権に対して叛旗を翻したはずだ。

ところがイライラ戦争でもっとも勇敢にイランの革命防衛隊と戦ったのはイラクのシーア派であり、シーア派住民がもっとも多いイラク南部のバスラでの激戦は今でも語り草になっている。

彼らはサダムに忠誠を誓うためにたち上がったわけではない。

イランにイラクを取られたくないから立ち上がったわけで、これはイラクナショナリズムの発露であり、同じシーア派だからという親近感だけでイランに与したりしなかった。

もちろんイランに阿るシーア派諸派はいる。
だがサダム政権はそれを厳しく監視、対処していた。
その政権を排除し、国を上手く回していたバアス党を追いやってしまったらイラクは回らない。

IS崩壊後もイラクの融和は進まない。
親イラン派の政権と、内務省を牛耳る親イランのシーア派集団を取り除かないかぎり、イラクナショナリズムを持つイラクのシーア派によるスンニ派との融和政権は望めない。

ISの出現はスンニ派の怨嗟の体現でもあり(ISを支持しているとかそういうこととは別に)、スンニ派によるイラクナショナリズム崩壊に対する抗議の体現でもある。


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