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東大など、メタンで生きる深海底微生物の代謝機構を発見 (かいけつニュース速報)
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/593.html
投稿者 怪傑 日時 2018 年 9 月 26 日 17:25:30: QV2XFHL13RGcs ifaMhg
 

東大など、メタンで生きる深海底微生物の代謝機構を発見
https://gansokaiketu-jp.com/kaiketukeijiban/IT-kagaku-shizen/light.cgi?

東大など、メタンで生きる深海底微生物の代謝機構を発見
https://www.zaikei.co.jp/article/20180926/467857.html

 深海には生物活動によってメタンが大量に蓄積されている。だが、大気中の放出量から割り出すと、そのメタンは何処かへ消えてしまっている計算になる。

恐らくメタンを分解する生物などが存在するのだろうと推論されていたのだが、このたび、メタンを代謝して生命活動を行う深海底の始原的生命の代謝機構が、東京大学、北海道大学、海洋研究開発機構(JAMSTEC)などの共同研究グループによって発見された。

メタンはとてつもない威力を持った温室効果ガスである。二酸化炭素の25倍の影響がある。もしも海底で生成されているはずのメタンがそのまま海上・大気中に浮き上がってきたと仮定すると、人間の文明活動によるそれなどは問題にならないレベルの地球温暖化がとてつもないスケールで進展するはずである、と考えられる。

 だが現実にはそのようなことは起きてはいない。そこで、海底に何らかの形でメタンを代謝する生物が存在しているのではないかと古くから考えられてはいた。暗黒の海底下で暮らすこの生物を、嫌気的メタン酸化アーキア(ANME)という。

 ごくかいつまんで説明すると、彼らはメタンを消費するにあたって、炭素12と炭素13のうち炭素12の方を選択的に濃縮して、地球上でもっとも軽いアミノ酸を形成して生きているのだという。

 さて、今回の発見から、大きく三つの可能性が展望される。

 まず、アミノ酸の炭素濃縮というものが栄養学的に大きな意味を持つのではないかということ。ふたつめは、分子レベル・細胞レベルでの有機分析技術が示されたこと。そしてみっつめ。酸素の存在しない惑星において、メタンを代謝して生きる地球外生命体が存在する可能性が(あくまで可能性ではあるが)示唆される、ということである。

 なお、今回の研究の詳細は、英国の科学誌「Scientific Reports」に掲載されている。(藤沢文太)  

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コメント
1. 2018年9月26日 19:02:53 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1550] 報告

こうした生命の存在自体は、かなり前から知られていたが、その代謝メカニズムの解明が進んだことが成果ということになる

膨大なメタンハイドレートが温暖化ガスとしてだけでなく資源としても期待されていたが、

こうした生物によって代謝されてしまうのであれば、あまり期待はできない可能性もある

また大気中のメタンガスなどを代謝するバクテリアを雲の中に散布するような手法も可能になるかもしれない

https://www.jstage.jst.go.jp/article/japt/77/5/77_374/_pdf
メタン循環に関わる海底下生命圏 - J-Stage

http://emira-t.jp/ace/413/

http://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/20180924/

深海底のメタンを消費する始原的な生命の代謝機構を発見
〜 炭素12の同位体濃縮効果による地球上で最も軽いアミノ酸の形成 〜
1. 概要
国立研究開発法人海洋研究開発機構(理事長 平 朝彦、以下「JAMSTEC」という)生物地球化学研究分野の高野 淑識(よしのり)主任研究員らは、国立大学法人北海道大学、国立大学法人東京大学、国立研究開発法人産業技術総合研究所及びドイツ・連邦地質調査所と共同で、黒海の深海底に棲息し、温室効果ガスである「メタン(CH4)」を高効率で消費(分解)する微生物(※1)から、アミノ酸中央代謝に関する生化学反応及び炭素12を選択的に濃縮したアミノ酸分子の炭素同位体組成(※2)を明らかにしました。

海底下では、生物活動によるメタンが大量に生成されているにもかかわらず、大気中へのメタン放出量は、その想定と釣り合っていません。その理由として、暗黒の海底下でメタンを消費する嫌気的メタン酸化アーキア(以下「ANME(ANaerobic MEthanotroph archaea)」という)呼ばれる始原菌の関与が、これまでの研究から部分的に分かっています。ところが、ANMEの生態学的な素顔や細胞内で起きている生化学反応の詳細は、明らかになっていませんでした。

そこで本研究では、分子レベル同位体比質量分析や放射性炭素同位体の細胞レベル加速器質量分析といった精密な化学分析を行い、ANMEの詳細な代謝機構を明らかにしました。メタンを消費する際には、炭素12と炭素13のうち炭素12を選択的に濃縮し、その結果、地球上で最も「軽い」アミノ酸を形成することが判明しました。

メタンの温室効果(※3)は二酸化炭素の25倍であり、メタンを消費してくれるANMEは地球温暖化を防ぐための「縁の下の力持ち」と表現することができます。本研究により明らかとなったメタンの消費(分解)プロセスは、地球の気候システムの安定化に重要な役割を果たしていると考えられています。

今後、炭素12の同位体濃縮効果(最も軽いアミノ酸の形成)は、これまで培養不可能だった微生物の栄養性や新しい培地条件開発、生化学的なトレース標準物質としての産業応用等が期待されます。

本研究は、独立行政法人日本学術振興会(JSPS)による科学研究費助成事業JP16H04083、JP15H05332の一環として行われたものです。 本成果は、英科学誌「Scientific Reports」に9月24日付け(日本時間)、オープンアクセスで掲載される予定です(https://www.nature.com/srep/)。

タイトル:Insight into anaerobic methanotrophy from 13C/12C- amino acids and 14C/12C-ANME cells in seafloor microbial ecology

著者:
高野 淑識1, 2、力石 嘉人1, 3、井町 寛之2, 4、宮入 陽介5 、小川 奈々子1, 2、
金子 雅紀1, 6、横山 祐典1, 5、Martin Krüger 7、大河内 直彦1, 2

所属:
1. JAMSTEC生物地球化学研究分野、2. JAMSTEC海底資源研究開発センター、
3. 北海道大学低温科学研究所、4. JAMSTEC深海・地殻内生物圏研究分野、
5. 東京大学大気海洋研究所、6. 産業技術総合研究所、7. ドイツ・連邦地質調査所

2.背景
なぜ、海底下でメタンは大量に生成されているにもかかわらず、大気中へ放出されないのでしょうか。仮に、海底からメタンが無尽蔵に大気中に放出されてしまうと、地球全体の温室効果にブレーキが効かず、気候システムの暴走を引き起こしかねません。太陽光が届かない暗黒の海底下で、メタンを消費(分解)するキープレイヤーとなっているのが、ANMEです。

ANMEは、地球の炭素循環を考えるうえで極めて重要な役割を担っていますが、実験室内での培養は現状困難です。そこで本研究では、メタンを消費するというANMEのメタン酸化プロセスを解明するため、東ヨーロッパに位置する「黒海」に着目しました。

黒海の海底では溶存酸素が存在せず、永年的な嫌気水塊が存在しています。また、海底のメタン湧水サイトが2700箇所以上存在しています。この地質学的特徴から黒海は、ANMEの菌数密度が1cm3あたり1010 cell以上であり、菌体純度も極めて高く(>98%)、メタンに関わる始原的な微生物の生態や生物地球化学サイクルを読み解く上で、好条件が備わった天然の貴重な実験室になっています。

本研究では、黒海から採取したANME-1およびANME-2をターゲットに、多角的な手法を用いて精密な化学分析を行いました。その結果、次に述べるような謎に包まれたANMEの極限的な生態、メタンを起点として細胞内で起きている特異な生化学プロセスを明らかにしました。

3.成果
本成果のポイントは、以下の3つに集約されます。

(1)
海底下から湧き出るメタンは、ANMEに摂取・消費された後、主要な合成経路(図2)を通して、細胞を構成する炭素源になっていることが分かりました。また、アミノ酸を構成する炭素数が増えるに連れて、炭素12の濃縮作用が系統的に進行していることを示しました。
(2)
アミノ酸分子の炭素12の濃縮効果が最も顕著であった分岐鎖アミノ酸の一種であるロイシンは、アミノ酸中央代謝の最終産物として細胞内の炭素12の濃縮作用に寄与するだけでなく、膜組織のイソプレノイド脂質合成系の前駆体の一つと考えられています。そのような分岐鎖構造を持つ代謝物が、細胞全体の炭素12の濃縮効果に大きな影響を与えていることを示しました。
(3)
ANME細胞レベルの放射性炭素同位体組成の分析結果から、ANMEは炭素14を含まないメタンを炭素源にして、細胞組織を構成していることを示しました。この結果は、ANMEが大気中の炭素源(二酸化炭素)に依存する光合成系とは完全に独立して、海底下のメタンに依存し極限環境に生きる独自の生態系であることを示しています(図3)。
4.今後の展望
温室効果ガスを消失させる「素過程」を明らかにすること、そして「原理や原則」を探求することは、地球気候システムの基礎研究として重要な取組と考えています。

今回の発見の波及効果として、以下の展望が挙げられます。

(1)アミノ酸科学の展開

ANMEは、酸素が存在しない嫌気環境でしか成育しない未培養微生物です。今回の成果では、栄養学的にも極めて重要なアミノ酸(例えば、バリン、ロイシン、イソロイシン等)にハイライトが当てられています。今回明らかになった分岐鎖アミノ酸の炭素濃縮効果は、微生物の栄養学的特性の理解や実験室での単離培養方法の技術改良につながるものと期待されます。

(2)惑星科学としての炭素循環の解明

メタンが存在する惑星は、地球だけに限りません。今回明らかになった炭素12の同位体濃縮効果の発見は、メタンを起点とした地球の炭素循環の理解を深めるだけではなく、地球惑星科学的な観点から、将来、様々な探査ミッションでのレファレンスデータになると期待されます。

(3)先鋭的な分析技術の社会への還元

本成果のポイントの一つは、分子レベル、そして、細胞レベルで高精度に解析評価するという先鋭的な有機分析技術です。この技術基盤は、学術的研究への波及効果に限らず、例えば、品質検定等の産業的な要請、アンチドーピング等の社会的な要請等に対する社会還元に貢献できます。

【用語解説】

※1 嫌気的メタン酸化アーキア(ANME):メタン(CH4)は、酸素、硝酸、硫酸等の酸化剤と微生物学的な酸化反応を起こす。酸素存在下の場合、そのプロセスを好気的メタン酸化と呼ぶ。一方、酸素が存在しない場合、嫌気的メタン酸化と呼ぶ。本研究は、後者に該当する。例えば、メタンと硫酸の組み合わせの場合、以下のような嫌気的メタン酸化反応が起きる。

CH4 + SO42- → HCO3- + HS- + H2O

嫌気的メタン酸化アーキア(ANME)は、この反応の主役となる。(微)生物とそれをとりまく環境の相互関係を調査研究する分野を生態学と呼ぶ。

※2 炭素同位体組成:炭素には、質量数12(陽子6個、中性子6個)と質量数13(陽子6個、中性子7個)の安定同位体がある。その他、質量数14(陽子6個、中性子8個:半減期5730年)の放射性同位体がある。

※3 メタンの温室効果:二酸化炭素の地球温暖化係数を「1」とすると、メタンは「25」になる。一般的に、海洋底では、海底面にまで上方拡散するまでにメタンは、嫌気的メタン酸化反応で消失してしまうので、黒海の深海底のようなメタンが湧き出す現象は、観られない。これまで発表者らは、海底下の深部で微生物学的なメタン生成が、起きている直接的な証拠を明らかにしている。
詳しい解説はこちら。(http://www.jamstec.go.jp/biogeochem/pdf/Takano_JGL2018.pdf

図1
図1.(a) 黒海の深海底に見られる「メタン」の冷湧水の概要、
(b) チムニー内部に高密度で棲息する嫌気的メタン酸化アーキア(ANME)。

図2
図2.黒海のメタンおよび嫌気的メタン酸化によって代謝されたアミノ酸および脂質の炭素同位体組成。● ANME-1試料、● ANME-2試料、○ 炭酸塩の内部のANME-2試料。
アミノ酸および脂質分子の略記:Gly:グリシン、Ala:アラニン、Phe:フェニルアラニン、Tyr:チロシン、Glu:グルタミン酸、Val:バリン、Asp:アスパラギン酸、Thr:トレオニン、Ile:イソロイシン、Leu:ロイシン、Ph./Cr.:フィタン/クロセタン、BP:ビフィタン。
アミノ酸の生合成経路の略記:アスパラギン酸ファミリー、α-ケトグルタル酸ファミリー、ホスホエノールピルビン酸ファミリー、3-ホスホグリセリン酸ファミリー、ピルビン酸ファミリーの主要経路から構成。

図3
図3. 黒海の嫌気的メタン酸化アーキア(ANME:本研究)と光合成系のシグナル(cf. Kusch et al., Biogeosci., 7, 4105-4118)による安定炭素同位体組成(13C/12C)と放射性炭素同位体組成(14C/12C)の二次元プロット。ANMEは、光合成系と完全に独立しており、海底下のメタンに依存する独立の生態系であることが明瞭に示された。

図4
図4. 深海底から採取されたANME-1およびANME-2の例。スケールバーは3 cm。

(本研究について)
国立研究開発法人海洋研究開発機構 生物地球化学研究分野 主任研究員 高野 淑識
国立大学法人北海道大学 低温科学研究所 水・物質循環部門 教授 力石 嘉人
国立大学法人東京大学大気海洋研究所 高解像度環境解析研究センター 教授 横山 祐典
(報道担当)
国立研究開発法人海洋研究開発機構 広報部 報道課長 野口 剛
国立大学法人北海道大学 総務企画部 広報課
国立大学法人東京大学大気海洋研究所 広報室 小川 容子

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