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年金財源24兆円が1カ月余りで溶けて消えた…ブラックマンデー超えと世界同時株安が直撃!
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/358779
2024/08/08 日刊ゲンダイ
過去最大の暴落の翌日は過去最大の上げ幅(C)日刊ゲンダイ
ブラックマンデーをしのぐ過去最大4451円安の歴史的大暴落の翌日に、過去最大3217円高の大幅回復。ジェットコースターのような株価の乱高下に「持たざる者」はアキれるほかないが、年金への余波は誰も逃れられない。
「年金積立金管理運用独立行政法人」(GPIF)が先月、昨年度の運用益は45兆4153億円だったと発表。バブル期超えの株高を背景に過去最高の運用益となった。今月2日発表の今年4〜6月期も好調を持続させ、運用益は約9兆円。運用資産額は約255兆円と過去最大に膨らんだ。
ところが、7月に日銀の追加利上げ観測の浮上後は一変。日経平均は先月11日の史上最高値4万2000円台から今月5日までの3週間余りに1万円以上も急落した。
GPIFはリスク抑制のため、運用資産を国内外の株式・債券に分散。うち約25%を国内株式で運用し、6月末の運用残高は62兆8664億円だった。ベンチマーク(運用成果の目安)のTOPIX指数は6月末時点の2809.63から8月5日には2227.15と、20.7%も下落。運用残高は銘柄の買い増しや新規買い付けを考慮しなければ、TOPIXに準じた単純計算で50兆円台を割り込み、13兆円ほど目減りしたことになる。
さらにGPIFは同じ比率で外国株式も運用し、やはり減り幅はハンパない。6月末の運用残高は65兆3768億円。主なベンチマークは全世界株式インデックスファンドの「MSCIーACWI」(円ベース)で、米国の景気減速懸念に端を発した世界同時株安により、6月末の4912円から8月5日には4115円に悪化。下げ幅は16.2%に達し、外国株式の運用残高はザッと10.6兆円ほど目減りした計算だ。
昨年度の運用益の半分強を吐き出す
世界同時株安により、24兆円近くもの年金財源があっさり溶けて消えた格好で、わずか1カ月余りに昨年度1年間の運用益の半分以上を吐き出したことになる。
「残る国内債券も日銀の追加利上げで赤字必至。海外債券は急激な円高で、米国の利下げによる外貨建ての上昇分が相殺されます。いとも簡単に全てのポートフォリオが下落してしまうのです。年金財源が高リスクにさらされているのは安倍政権の弊害です。2014年に株式の運用比率を国内外計24%から計50%にアップ。アベノミクスの成果強調のため、株価維持策を進めたせいです。今後も株安が続けば、むしろ相場に逆行して年金財源の日本株大量買いが発生しかねません」(株式評論家・斎藤満氏)
年金財源もアベノミクスの「足かせ」から、いまだ抜け出せずにいる。
◇ ◇ ◇
過去最大の下落幅を記録した5日の日経平均株価。パニックになっている人もいるが、長い目で見れば落ち着いてよさそうと専門家が説く根拠とは?
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