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「ダガー賞」翻訳部門に王谷晶さん「ババヤガの夜」日本人初/nhk
http://www.asyura2.com/24/gaikokujin3/msg/439.html
投稿者 仁王像 日時 2025 年 7 月 05 日 05:07:50: jdZgmZ21Prm8E kG2JpJGc
 

「ダガー賞」翻訳部門に王谷晶さん「ババヤガの夜」日本人初/nhk
2025年7月4日 6時19分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250704/k10014853431000.html

世界でも権威があるとされる推理小説の賞、英国推理作家協会賞=「ダガー賞」の翻訳部門に、日本人作家の作品としては初めて王谷晶さんの「ババヤガの夜」が選ばれました。
英国推理作家協会賞=「ダガー賞」は1955年に創設され、アメリカの「エドガー賞」と並び世界でも権威がある推理小説の賞とされていて、ロンドンで3日、ことしの受賞作が発表されました。

このうち「翻訳部門」の受賞作に王谷晶さんの長編小説で、サム・ベットさんが翻訳した「ババヤガの夜」が選ばれました。
「ババヤガの夜」
この作品は、恐ろしいほどけんかに強い主人公の女性が護衛を任された暴力団の会長の一人娘と信頼関係を深めながら、裏社会の闇に迫る物語です。

迫力あるアクションや過激なせりふなど生々しい暴力的な描写が特徴で、2人の女性が生きる希望を追い求める姿がテンポよく描かれます。
5年前に国内で発表されたあと、イギリスやアメリカ、韓国でも刊行され、海外では「洗練された手法で女性をエンパワメントする物語だ」などと評価されていました。

王谷さんは東京生まれの44歳で、ゲームのシナリオライターを経て作家として活動するようになり、恋愛や家族など幅広いジャンルの小説やエッセーを手がけています。
翻訳部門は2006年に創設され、今回は柚木麻子さんの「BUTTER」も最終候補に残っていましたが、「ババヤガの夜」が受賞しました。

日本人作家の受賞は今回が初めてで、アジアの作家としては韓国のユン・ゴウンさんに続いて2人目の受賞だということです。
王谷晶さんは「今はとにかく驚いています。私はミステリー専門の作家ではありません。さまざまな種類の作品を書きます。日本では作品と作家は細かくジャンル分けされているので、私はあいまいな作家と思われています。あいまいであることは私の作家としてのテーマそのものです。自分のあいまいさを受け入れ、他人のあいまいさを認めることが世の中をよりよくすると信じています。この作品の主人公たちも、はっきりとラベリングできない関係と人生を手に入れます。同時にこれはバイオレンス満載の物語でもあります。リアルの暴力があふれている世界では、フィクションの暴力は生きていけません。今回いただいた栄誉を、世界の平和のために少しでも役立てたいと思います」などとコメントしています。

また、翻訳を担当したサム・ベットさんは、「任侠映画やロードムービーというジャンルを採用しながら、それらのルールをひっくり返して未知の世界へたどりつき、何度読んでも生命力が感じられます。エンターテインメント的に暴力や暗い内容をどんどん取り入れながら、文章と物語は精度が高く、映画のような活力を紙面の活字だけでつくった物語だという点が評価されているのだと思います」とコメントしています。

王谷さん「もう一度この舞台に来られたら」
授賞式のあと、王谷晶さんは翻訳を担当したサム・ベットさんと報道陣の取材に応じました。
贈られた「短剣」を意味する「ダガー」を見せると、「だいぶ重たくて、凶器になりそうです。飛行機で持って帰れるかちょっと不安です」と話し、報道陣の笑いを誘っていました。

そして、「このようなことになるとは予想していなくて、まだ混乱しています。亡くなった祖父が海外ミステリーが好きで、子どもの頃から『ダガー賞』のことは知っていました。もし伝えることができたら一番先に祖父に伝えたかったと今は思います」と話していました。
その上で、「英語圏では全く無名の人間の作品をたくさんの方が読んでくださって、たどたどしいスピーチにもうけていただいて、すごくうれしく思っています。こんな栄誉は一生に一度だと思いますが、これからの作家生活を頑張ってもう一度この舞台に来られたらうれしいです」と話していました。

また、サム・ベットさんは、「苦労しながら英語に翻訳したので、うれしいです。感動していて、光栄です。これからも王谷さんの作品でご一緒したいですし、日本文学にはいろいろな作品があるのでいろいろな作家さんに活躍してもらいたいと思っています」と話していました。
「ダガー賞」とは
英国推理作家協会賞=「ダガー賞」は1955年に創設され、スリラーやサスペンス、スパイ小説などを含むすぐれた推理小説に贈られる賞です。

アメリカの「エドガー賞」と並んで世界でも権威がある推理小説の賞とされていて、長編や短編、それにノンフィクションなどの部門に分かれています。
翻訳部門は2006年に創設され、日本人作家の作品としては、2016年に横山秀夫さんの「64」、2019年に東野圭吾さんの「新参者」、2022年に伊坂幸太郎さんの「マリアビートル」が最終候補に選ばれましたが、いずれも受賞を逃していました。

ことしは王谷晶さんの「ババヤガの夜」と、男たちの財産を奪って殺害した容疑で収監されている女と面会を重ねる週刊誌の女性記者を描いた、柚木麻子さんの「BUTTER」の2作品が最終候補に残り、受賞の行方が注目されていました。
そして、王谷さんの「ババヤガの夜」が日本人作家として初めて翻訳部門を受賞し、王谷さんと翻訳者のサム・ベットさんに、「ダガー」を意味する短剣が記念に贈られました。

受賞理由「独創的かつ奇妙も見事」
受賞理由について英国推理作家協会は「まるで漫画のように日本のヤクザを描いたこの作品は、登場人物たちの深い人間性を際立たせるために、容赦のない暴力描写に満ちている。むだのない展開で、独創的かつ、奇妙ではあるものの見事なラブストーリーを紡ぎ出している」などとしています。

日本の女性作家 世界で高評価
今回の受賞について翻訳家で文芸評論家の鴻巣友季子さんは、「『ババヤガの夜』は女性のバディものでヤクザワールドが描かれています。映画を見ているような迫力で映像喚起力も強く、これまでの『ダガー賞』のラインナップにはないもので本当にうれしい快挙です」と話していました。

その上で、「世界的なフェミニズムの大きな波が背景にあると思います。女性どうしがひかれ合い困難に立ち向かうのが自然に受け入れられるように書かれています。バイオレンスやアクションもありますが、根幹には愛情や信頼が普遍的だと思わせてくれる作品です。受賞でますます注目され、ファンが増えることも期待されます」と指摘していました。
そして、近年、海外の文学賞で日本の女性作家の作品が高い評価を受けていることにふれたうえで、王谷さんの受賞はこうした流れの中に位置づけられるのではないかと分析します。

例えば、アメリカで最も権威のある文学賞、「全米図書賞」の翻訳文学部門に2018年、多和田葉子さんの「献灯使」が、2020年には柳美里さんの「JR上野駅公園口」が選ばれました。
また、イギリスで最も権威のある文学賞、「ブッカー賞」の翻訳部門では、2020年に小川洋子さんの「密やかな結晶」が、2022年に川上未映子さんの「ヘヴン」が、ことし、川上弘美さんの「大きな鳥にさらわれないよう」が、それぞれ最終候補に残りました。

鴻巣さんは、「今、日本文学がすごく人気があると言われていますが、女性の生き方や男性優位の社会の中でどう抑圧と戦ったり立ち向かったりしていくかを書いています。リアリズムや神話的なモチーフもあり、世界の今の文学の流れとも合致しています」と話していました。

こうした作品が英米で受け入れられる要因として、「近年の世界的な政治の保守化や右傾化、ナショナリズムの高まりへの一種の反動だと感じます。アメリカの保守政権やイギリスのEU離脱を契機に、外の世界とつながりたい、知らない言語で書かれた知らない世界のことを読みたいと思う若者の存在が背景にあるのではないか」と指摘していました。
 

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