http://www.asyura2.com/24/kokusai35/msg/791.html
Tweet |

アメリカはもはや崩壊寸前、拡大する政治的暴力とどう向き合うべきか?【論評】/Sean Woods
https://www.msn.com/ja-jp/entertainment/music/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%81%AF%E3%82%82%E3%81%AF%E3%82%84%E5%B4%A9%E5%A3%8A%E5%AF%B8%E5%89%8D-%E6%8B%A1%E5%A4%A7%E3%81%99%E3%82%8B%E6%94%BF%E6%B2%BB%E7%9A%84%E6%9A%B4%E5%8A%9B%E3%81%A8%E3%81%A9%E3%81%86%E5%90%91%E3%81%8D%E5%90%88%E3%81%86%E3%81%B9%E3%81%8D%E3%81%8B-%E8%AB%96%E8%A9%95/ar-AA1MpEJ5?ocid=hpmsn&cvid=b8e117f0c879417d9f7d9e67db349952&ei=11
9月10日、トランプ大統領に近い保守系の政治活動家、チャーリー・カーク氏が銃撃され死亡した。これはアメリカ社会を覆う政治的暴力の新たな連鎖の象徴であり、国全体が「奈落の縁」にあることを改めて突きつけている。
アメリカにおける政治的暴力は決して新しいものではない。リンカーン、ガーフィールド、マッキンリー、ケネディ大統領の暗殺は、国の歩みを大きく変えた。セオドア・ルーズベルトとロナルド・レーガンもまた、頭の中の声に突き動かされた狂気の銃撃犯から命を狙われた。より最近では、ドナルド・トランプ暗殺未遂事件、ミネソタ州下院議長メリッサ・ホートマンとその家族の標的型殺害、ユナイテッドヘルスケアCEOブライアン・トンプソンがルイジ・マンジョーネにより殺害されたとされる事件、そしてカトリック教会で祈っていた子ども2人が殺害され、さらに18人が負傷した事件などが相次いでいる。これらは1960年代以降見られなかった、政治的動機に基づく暴力の新たな暗黒のサイクルの幕開けを示すものだ。そして、同世代で最も影響力のある若き共和党員であったチャーリー・カークの惨たらしい殺害は、この恐るべき時代の最新の出来事となった。
我々は、この悲劇的な分岐点に、暗鬱な一歩一歩を経て到達したのである。あまりに多くの市民が極端に傾倒していった理由は数多い。1990年代に始まった過激な党派性の時代は、協調や統治における共通の使命感をすべて蝕んだ。2000年の大統領選挙をめぐる争いは、二大政党間の信頼を完全に破壊した。終わりのないテロとの戦い、2008年の金融危機、オピオイド禍は国のあまりに多くを空洞化させ、無数の人生を破壊した。新型コロナウイルスのパンデミックは癒えることのない亀裂を生んだ。政治家たちは、立法や妥協といった困難な統治の仕事よりも、ニュース番組に出演するためのパフォーマーになることに重きを置くようになった。
ソーシャルメディアは、かつて残っていたモノカルチャーを粉々にし、私たちをさらに分断し、趣味嗜好の細分化と部族主義の強まりを招いた。Twitter上で慎重さが評価されることは一度もなかった。ニュアンスや思慮深さは、このプラットフォームにおいては強みではなく、むしろ足かせである。極端さこそが商品化されているのだ。
「誰も勝ってない、ゆっくり負けているだけ」
カークは聡明で野心的な党派的戦士だった。彼は右派における巨大な存在であり、オバマ時代の左派思想やアイデンティティ・ポリティクスに反発し、保守的なキリスト教的価値観を受け入れた若いアメリカ人、主に男性たちの大規模な支持を獲得していた。彼の台頭はトランプ時代と重なり、彼はMAGA(Make America Great Again)若者運動の象徴となった。暗殺の時点で、彼の影響力はこれまでになく高まっており、今後数十年にわたって文化に大きな力を持つ存在になっていたはずだ。彼の殺害は卑劣で臆病で怪物的な行為である。
事件直後のオンライン空間では、右派から内戦や報復を求める声が上がり、左派からはグロテスクな嘲笑が広がった。X(旧Twitter)で暗殺映像が繰り返し流される様は、まるで実際にスナッフフィルムをリアルタイムで見せられているようだった。さらに、長い犯罪歴を持つ精神的に不安定な男がウクライナの列車内で女性を血まみれで無意味に殺害する恐ろしい映像と重なり、このプラットフォームが世界中の不安と緊張を増幅する大きな要因となっている。
最終的に、1960年代の暴力は燃え尽き、ウォーターゲート事件の余波が1970年代の倦怠感を生んだ。その時代を象徴するネオ・ノワール映画の傑作『ナイト・ムーブス』は、この精神をよく捉えている。ジーン・ハックマン演じるシニカルな私立探偵がフットボールの試合を見ていて、妻から「どっちが勝っているの?」と聞かれたとき、彼はこう答える。「誰も勝ってないさ。一方がもう一方より少しゆっくり負けているだけだ。」
今、私たちの社会のあらゆる場所で目にしている暴力や不寛容と比べれば、「少しゆっくり負ける」ほうがまだましだろう。
この国はいま奈落の縁を回っている。そこから抜け出せるかどうかは、私たち次第だ。
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ

すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。