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※2025年5月15日 日刊ゲンダイ12面 紙面クリック拡大
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日本学術会議の法人化は“戦争への第一歩”だ…軍事目的の研究を否定した設立趣旨前文を全削除の愚行 ラサール石井 東憤西笑
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/371844
2025/05/16 日刊ゲンダイ
日本学術会議(C)日刊ゲンダイ
「国の特別の機関」とされている現在の日本学術会議法を廃止し、国から独立した法人格を有する特殊法人として新たに設置する日本学術会議法案が衆院を通過した。
政府は「学術会議の機能強化のために、独立性・自律性を抜本的に高めることが目的だ」といかにも科学が政治から独立して物が言えるようになるみたいに言っているが、これが実は全然逆の話なのだ。実際には政府が任命するいくつもの委員会や、財源を提供する第三者に縛られて「学問の自由」は極端に抑えられてしまう仕組みになっている。
そもそも学術会議は、戦前の日本が学術を政治に従属させ、学術の側も戦争遂行に加担する役割を果たしたとの反省のうえに、「学問の自由」を保障する日本国憲法を具体化するという目的で始まった。これまでの日本学術会議法は、その前文で「科学が文化国家の基礎であるという確信に立つて、科学者の総意の下に、わが国の平和的復興、人類社会の福祉に貢献し、世界の学界と提携して学術の進歩に寄与することを使命」とするという設立趣旨をうたっている。ところが新法案ではこの前文はまるごと削除されているのだ。つまり戦争に踏み込みそうになる政府に歯止めをかける役割も担ってきたものを、骨抜きにされてしまうのだ。
Xには「国から金をもらっているくせに、国に文句を言うな」「公金チューチューしたいだけだろ」というような批判がいっぱいだが、国の行政機関の中には、人事院や会計検査院のように、政府から独立した立場で機能することが想定された機関が存在する。学術会議のように、国の機関でありながら、政府から独立した学術的立場から、ときには政府に批判的な見解を表明する機関が存在するのは、むしろ民主主義国家としての健全な姿である。だいたい税金は「国の金」ではない。「国民の金」だ。国民は政府を監視しなければならない。その目となり口となるのが学術会議なのだから、税金で賄われていてなんら不思議はない。
政府にとって目の上のタンコブ
もちろん学術会議ができるのは「勧告」だけであって強制力はない。だが、2015年、防衛装備庁が全国の大学に軍事研究を公募・委託する制度を発足させた。
これに対し、学術会議は自律研究の方向性や秘密性の保持をめぐって政府による研究者への介入が強まる懸念があると示した。結果的に、声明をきっかけに多くの大学が公募に応じない方針を決定することになった。
「軍事研究」に踏み込みたい現政府にとって学術会議は目の上のタンコブなのだろう。そもそも菅政権時に、安倍氏の時代から政府に批判的な文系6人の学者を任命拒否したあたりからこの動きは始まった。この6人はいまだに欠員のままだ。中には「文系サヨクなんていらない。科学者が必要なんだ」と言うヤカラもいるが、学術会議では文系の学者も科学者と呼ぶのだ。
今回なぜ少数与党なのにすんなり衆院を通ったか。それは野党から維新が寝返ったからだ。いやそもそも与党の補完勢力なのだから想定内だが、「政治的中立性を確保する」と言いながら共産党を名指しで批判した。要は政府を批判する意見は偏っている、中立ではない、と言っているに過ぎない。大臣の答弁にも「特定のイデオロギーや党派的主張を繰り返す会員は今度の法案では解任できる」とあった。結局これが本音なのだ。
ある人がXで、祖父の言葉を紹介していた。「学者の口を黙らせることに成功したら、その先にあるのは戦争や」。まさにそれだ。
ラサール石井 タレント
1955年、大阪市出身。本名・石井章雄(いしい・あきお)。鹿児島ラ・サール高校から早大に進学。在学中に劇団テアトル・エコー養成所で一期下だった渡辺正行、小宮孝泰と共にコント赤信号を結成し、数多くのバラエティー番組に出演。またアニメの声優や舞台・演劇活動にも力を入れ、俳優としての出演に留まらず、脚本・演出も数多く手がけている。石井光三オフィス所属。
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