<■775行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可> 戦力不保持とか交戦権放棄とかそんなものは役に立たない。 今の憲法9条2項では国家・国民・領土・領海・領空を守れない。 今の憲法9条2項では国際貢献も不十分だ。憲法施行78年 産読は平和守るため改憲訴え 護憲の覚悟など求める朝毎東 社説検証 2025/5/21 13:00 https://www.sankei.com/article/20250521-G6CU63USZBJ7JFP46225VIQPDI/ 日本国憲法が施行されてから78年を迎えた。 ロシアによるウクライナ侵略や台湾有事への懸念、中国や北朝鮮の軍拡など厳しい安全保障環境を踏まえて、憲法を論じる社説が目立った。 産経は9条の限界と欠陥から目を逸らすべきではないと主張した。 読売も平和を守るために、憲法の見直しは不可避との考えを示した。 朝日、毎日、東京は憲法を守る覚悟を改めて訴えた。 産経は 「戦後の平和を憲法第9条は守ってこなかった」 「左派勢力は9条を奉じ防衛力整備を妨げてきた」 と批判し、9条の欠陥は自衛隊と日米安全保障体制が補ってきたと指摘した。 戦争放棄や戦力の不保持を定める9条の解釈により、日本は全面的な集団的自衛権の行使が禁じられている、このため 「フルスペックの集団的自衛権行使を約束できない」 とし、 「中国の脅威が増していても、米国以外の国とも同盟を結ぶことはかなわない」 と論じた。 「平和憲法というより、一部に反国民的性格を帯びている」 とも説き 「いつまで9条の欠陥、限界から目を逸らすつもりか」 と訴えた。 読売は 「政治、経済、社会が正常に機能していくよう、最高法規を不断に見直していく必要がある」 と説き、 「ウクライナの例を見ても、侵略を躊躇させるための防衛力が必要なことは明白だ」 との認識を示した。 その上で 「敵のミサイル発射拠点を日本だけで攻撃するのは難しく、米国の協力が必要だ」 「そのためにも、日本自身が平和を守るために努力し続けることは欠かせない」 とし、 「憲法を見直すことは避けて通れまい」 と力説した。 朝日は 「普遍の原理を掲げた憲法を改めて選び取る時である」 と強調した。 「戦争回避には日頃の大小各国との外交はじめ、あらゆる知恵が要る」 「現憲法の求めるところであり、それを貫く覚悟こそ持ちたい」 とも記した。 また 「中国や北朝鮮の不穏な動向、そして頼みとしてきた米国の変容に、平和憲法では立ち行かないのではないかと思う人は多いだろう」 としながらも、日本の防衛費を 「既に十分な巨額」 だとし 「『備え』に際限がないことは軍拡の世界史に明らか」 だとした。 毎日は 「大国の専横を前に『法と正義』をどう守り抜くか」 「人類の英知が試されている」 と提起した。 プーチン体制のロシアのような権威主義国が増え、米国が主導してきた 「自由で開かれた国際秩序」 が崩壊することを懸念し、 「視界不良の現況は、平和主義と国際協調主義を掲げる憲法を持つ日本にとっても試練だ」 と説いた。 東京は 「戦後、平和を維持し、国際社会の評価と尊敬を得たのは、憲法9条の下で専守防衛に徹し、他国に脅威を与える軍事大国にならず、非核三原則を守る『平和国家としての道』を歩んできたから」 との見方を示した。 衆参の憲法審査会について産経は 「憲法改正への歩みは蝸牛のようで、自衛隊の明記すら合意形成していない」 「極めて残念だ」 とした。 さらに 「自衛隊明記だけでは9条の欠陥は正せない」 とも指摘し、最終的には9条2項を削除し、 「軍」 の保持を認める必要があると強調した。 緊急事態条項の創設も急務だが、憲法審が選挙困難事態への対応ばかりを論じていることを 「呆れる他ない」 と非難した。 そして、改憲に前向きな政党に対し 「改正条文案起草に進んでもらいたい」 と求めた。 読売も憲法審について 「各党が自らの主張を表明するだけに終わっている」 と論難し、与野党に 「具体的な条文案を提示し、それを叩き台として議論を進めていくべきだ」 と促した。 日経は、憲法改正には 「有権者の納得」 が必要だとし、 「具体的な条文案を提示し、議論を深めるよう望む」 と審査会に注文した。 昨年2024年の衆院選で改憲に前向きな勢力が、改憲発議に必要な全体の3分の2を下回った。 国会では改憲の機運が低下し、深刻な事態となっている。 激動の時代に直面しているからこそ、石破茂首相は指導力を発揮し、改憲に向けた動きを加速させなければならない。 ◇ 憲法記念日をめぐる主な社説 【産経】 ・「9条」の限界を直視せよ/改正条文案の起草に着手を 【朝日】 ・この規範を改めて選び取る 【毎日】 ・「法と正義」を市民の力で 【読売】 ・時代の変化と課題の直視から/デジタル化やAIへの対応急務 【日経】 ・改憲めぐり国会で熟議深めよ 【東京】 ・「永遠の戦後」目指して (いずれも3日付) ウクライナ学者の警告「日本国憲法は世界の均衡を崩す」 斎藤勉の眼 2025/5/13 14:00 https://www.sankei.com/article/20250513-DMB56CQEDNJB3BD7YSJIYTT23U/ プーチン露大統領は2021年12月頃からウクライナ国境周辺に約20万人もの兵力を集結させた。 同国侵攻の2カ月前のことだ。 「あの時、もし日本と米国が北海道で自衛隊と在日米軍の合同軍事演習を行っていたらどうなったか」 「プーチンは(侵攻を)考え直したかもしれない」 「やはり東も危険だからと」 「でも実際にはそれはなかった」 日本在住のウクライナ人政治・外交評論家、ナザレンコ・アンドリー氏(30)が侵攻後まもなく、都内で行った講演での指摘だ。 「集結した兵力はどこから来たか」 「主にシベリアやウラジオストク、樺太といった東の部隊を西に移動させたのだ」 「東の防衛が手薄になっても、日本には憲法第9条があって(ロシアが不法占領している)北方領土を取り返しには来ないことが分かっていたからだ」 その上でこう喝破した。 「今の日本国憲法を平和憲法と呼ぶ人もいるが、その呼び方は間違っている」 「平和憲法に見えて、実は世界のパワーバランス(力の均衡)を崩してしまっている」 「それによって、独裁国家は日本から離れたところにも影響を及ぼして、国際情勢全体が悪化しているのではないかと考える」 憲法9条は戦争放棄と戦力不保持、交戦権否認を定める。 これを根拠に、相手から攻撃を受けた時以外には自衛力を行使しない専守防衛を基本方針とする。 80年前の終戦直後、ソ連の独裁者スターリンによって今のウクライナと同様、一方的に侵略、不法占領された北方四島は日本固有の領土だ。 それでも露が実効支配する四島に自衛隊が乗り込んで武力で奪還することはできないでいる。 北朝鮮に拉致された日本人被害者も自衛隊による救出作戦はできない。 戦後80年、日本は連合国軍総司令部(GHQ)に押し付けられた憲法を、現実との乖離が明白になったにもかかわらず、一字も変えていない。 一方で、ロシアは2014年にウクライナ南部・クリミア半島を、2022年に東・南部4州を一方的に併合すると、すかさず憲法を改正して自国領土と明記した。 憲法が独裁者の暴挙を 「手柄」 として誇示する文書と化したかのようだ。 盗人猛々しいとはこのことだ。 2020年の改正では北方領土とウクライナを意識してか 「領土割譲」 を禁じた。 同時に 「大祖国戦争(第二次大戦の独ソ戦)の勝利」 を意味する 「国民の偉業」 を 「過小評価はしてはならない」 と定めた。 大戦はヒトラーとスターリンがポーランドを分割する侵攻で始まったのに、その開戦責任を隠しての 「偉業」 だ。 中国の習近平国家主席らを招いて2025年5月9日、モスクワで行われた 「対独戦勝利80年」 を祝う侵攻以来最大の軍事パレードがその欺瞞性を象徴している。 もう1人の在日ウクライナ人国際政治学者、グレンコ・アンドリー氏(37)は 「ロシア人の本当の宗教はキリスト教ではなく『勝利教』だ」 と揶揄している。 金縛り状態の日本国憲法と攻撃的な露憲法だが、共通項は 「世界の力の均衡を崩し」 「国際情勢を悪化させている」 点だろう。 ナザレンコ氏は講演でこうも強調している。 「日本の憲法は他国にどう映っているか」 「日本人という民族は1回でも武力で倒してしまえば、ずっと自分たちが押し付けたルールを守ってくれるという感じだ」 「これは非常に危険だ」 「中国も我々もできるだろうと武力行使するかもしれない」 「日本国憲法は日本だけの話ではない」 「それによって迷惑がかかる国がある」 憲法改正はとうに待ったなしなのだ。 (論説委員) <産経抄>反対していた自衛隊9条明記を最優先という石破首相のなぜ? 2025/5/10 5:00 https://www.sankei.com/article/20250510-FY2CD5F3RZPN3J4MXBQKJJC34I/?356252 政治は生き物だから、その時々の社会情勢や必要性によって政治家が前言を翻すことは珍しくない。 それは理解しているつもりだったが、石破茂首相の憲法記念日の2025年5月3日に寄せた次の言葉には強い違和感を覚えた。 「緊急事態対応、(9条への)自衛隊の明記を最優先に取り組んでいきたい」 ▼はて首相はいつから、考えを変えたのか。 9条の現行条文は残しつつ、自衛隊を明記するという安倍晋三元首相が提唱した案に、あれほど強く反対して足を引っ張ったのは誰だったか。 戦力の不保持を定めた9条2項を削除しないと意味がなく、自衛隊明記には 「緊要性がない」 と否定していたではないか。 ▼首相は、安倍氏と一騎打ちになった平成30年の自民党総裁選では、こう訴えていた。 「総裁が幹事長時代に言っていたことと、私どもは全く一緒だった」 「それがなぜ変わったのか」。 当時、安倍氏は抄子に 「分かりきった話だ」 と語った。 「何で考えが変わったかって、(連立を組む)公明党が飲まないからに決まっているじゃない」 ▼確かに、自衛隊を 「戦力」 と認めないまま憲法に明記しても、2項がある限りは憲法上認められる 「自衛のための必要最小限度の実力」 とは何かといった抽象的な議論は残る。 安倍氏にしても2項を削除した方が望ましいのは百も承知の上で、平和の党を標榜する公明党が受け入れられる案を模索したのだった。 ▼そんな事情は誰の目にも明らかだったのに、首相は自衛隊明記案に反対論を唱え続けてきた。 それが、今では最優先というのだから、ただの反対のための反対だったのか前非を認める気になったのか。 ▼首相には、長年の持論が 「なぜ変わったのか」 を国民に説明する責任と義務があろう。 「世界の常識」から乖離した憲法 緊急事態条項なし 国会議論は思考停止 戦間期の終焉 第2部・日本国憲法の限界(上) 2025/5/3 7:00 https://www.sankei.com/article/20250503-KVS2G4GCRRM5HFRIRKMPLEMEXQ/ 2002年冬の東京。 元自衛官が企てたテロの警戒のため、新宿や渋谷に武装した自衛隊員や戦車が展開する。 一般の警察力では治安維持できないと認められる場合に首相が自衛隊の出動を命じる 「治安出動」 が発令されたためだ。 しかし、テロ組織の攻撃ヘリコプターで日本橋や勝鬨(かちどき)橋が次々と破壊された…。 劇場用長編アニメーション 「機動警察パトレイバー2 the Movie」 では、東京が戦場と化したリアルな様子が描写される。 公開は1993年。 戦争の映像がテレビに映し出され、 「テレビゲーム戦争」 と称された湾岸戦争(1991年)から間もない時期だった。 監督は押井守氏。 戦後日本の欺瞞を問うようなセリフが多く、ある陸上自衛官には、こう語らせている。 「この国はもう1度、戦後からやり直すことになるのさ」 戦後の日本は一見すると平和に見える。 一方で世界のどこかでは絶えず戦争が起きているのに、日本は見たくないものに目を閉ざしているのでは−とのメッセージに映る。 このような光景は荒唐無稽ではない。 ウクライナで 「まさか」 は起きた。 「ウクライナでは憲法などの規定に基づき、大統領や国会議員の選挙が延期され、任期も延長されている」。 日本維新の会の馬場伸幸前代表は2025年3月13日の衆院憲法審査会でこう訴えた。 日本国憲法には大規模災害や有事の対応を定めた緊急事態条項がない。 緊急時に国会議員の任期が満了した際の対応も明記していない。 改憲での任期延長を求める馬場氏に対し、立憲民主党は大規模災害時でも選挙は可能であり、 「立法事実がない」(山花郁夫氏) と必要に迫られていないとの立場だ。 ましてや有事は想定せず、全く噛み合っていない。 ウクライナ情勢に詳しい神戸学院大の岡部芳彦教授は 「ウクライナの憲法には戒厳令の規定があり、戒厳令下の国会議員選挙を禁じている」 「国会が戒厳令を承認した結果、ゼレンスキー大統領は任期を延長されている」 と説明する。 駒沢大の西修名誉教授によれば、成文憲法を持つ189カ国中、184カ国が緊急事態条項を有する。 明記していない5カ国の1つが日本で、 「世界の常識」 からかけ離れている。 1院制のウクライナでは国会の権限が強く、緊急時の戒厳令発出などを決めるのは国会だ。 その国会の議員任期延長は憲法に明記されている。 ウクライナでこの対応を疑問視する声は限定的という。 神戸学院大の岡部芳彦教授は 「多くの人が集まる投票所はロシアの格好の標的となる」 「最前線に身を置く兵士や海外に避難した国民の1票を反映できない選挙は民主的ではないとの見方もある」 と解説する。 2院制の日本の憲法には、衆院解散後などに生じた緊急事態に参院が国会の権能を代行する 「参院の緊急集会」(54条2項) が明記されている。 ただ、国難は参院議員だけを見逃すわけではない。 緊急集会が確実に機能する保証もない。 衆参両院で多数派が異なる 「捻じれ」 だった場合、緊急集会での議論が国家の意思を適正に反映するのかとの疑念もある。 ■有事の備え 明治憲法は明記 衆院憲法審査会では改憲による緊急事態条項新設の是非が長く議論されてきた。 その中で議員任期の延長とともに中核となるのが、緊急時に政府の権限を一時的に強める 「緊急政令」 の発令だ。 令和6年4月25日の衆院憲法審で、山下貴司元法相(自民党)は 「日本には緊急事態に憲法に基づいて対応した経験がある」 と強調した。 この憲法は大日本帝国憲法(明治憲法)で、8条に基づく天皇の 「緊急勅令」 で対応した例が多い。 山下氏が取り上げたのは大正12年9月1日に発生した関東大震災だ。 発生時に帝国議会は閉会中で、政府は緊急勅令で東京などを戒厳下に置き、軍幹部がトップの戒厳司令部が行政事務や私権の制約などを担った。 現行憲法下で内閣(行政)に権限を一時的に集中する緊急事態条項は、あくまで民主的に非常事態に対応するものだが、現状は心許ない。 制定されている緊急時の法律は、緊急事態の布告(警察法)、治安出動・防衛出動(自衛隊法)、災害緊急事態の布告(災害対策基本法)などがある。 しかし、いずれも1度も適用されたことがない。 災害緊急事態の布告は平成23年の東日本大震災でも実施されなかった。 被災地・宮城県の首長はかつて 「東日本大震災でも適用しない法律に意味があるのか」 と語っていた。 憲法に緊急事態条項がない故に、 「伝家の宝刀」 を抜くべき時に抜かないのではないかという疑念だ。 ■ミサイル飛び交う中、投票? 「政治の空白」 を生まない制度により、ウクライナは甚大な被害を受けながらも国家の機能を維持している。 岡部氏は 「戦争への備えは平時に決めておかなければならない」 「ウクライナは曲がりなりにも整備されていた」 と語る。 別世界のような日本の国会の議論について尋ねると、岡部氏は 「呑気だ」 と苦笑いを浮かべ、こう続けた。 「日本の国会議員は命がけでウクライナを視察すればいい」 「ドローン(無人機)や巡航ミサイルが飛んでくる最中、投票や街頭演説ができないことは火を見るよりも明らかだ」 ◇ 日本国憲法が施行されて2025年5月3日で78年。 国際情勢が大きく変化しているにもかかわらず一言一句変わっていない憲法の限界を探る。 事態認定遅れれば被害拡大も 欠陥放置の政府・国会 極めて厳しい要件 致命的な結果も 戦間期の終焉第2部 日本国憲法の限界(中) 2025/5/4 7:00 https://www.sankei.com/article/20250504-EYM7IZZJCJPXHKL6RIKN25A4TU/ 昨年2024年9月の自民党総裁選で注目を集めた発言があった。 候補者の1人で現職の官房長官である林芳正氏が、台湾有事の際の邦人救出について民放番組で問われ、こう断言した。 「私が首相になった時は法律を少し超えるところがあってもやりたい」 「その後、責任を取って辞任する」 総裁候補者としての 「決意」 を示した発言ではあろう。 しかし日本は法治国家で、非常時を想定した事前の法整備は政府や国会の重要な責務だ。 端から超法規的措置に言及するのは法の欠陥と、政治の 「不作為」 を認めたに等しい。 林氏は総裁選敗北後も続投したが、何か積極的に動いた形跡はない。 ■制約だらけの自衛権行使 戦後80年の不作為の最たるものは憲法9条だ。 政府は長く、歪な憲法解釈の下で、自衛隊の正統性を曖昧なまま放置し、国連憲章があらゆる加盟国に認める集団的自衛権行使の権利も自ら制約し手足を縛ってきた。 安倍晋三政権が平成26年に憲法解釈を変更し、翌年平成27年の安全保障関連法の制定で集団的自衛権の一部行使に道を開いたのは画期的な成果だった。 これにより米国などとの連携は格段に強化され、法的な備えは 「完成した」(防衛相経験者) との見方はある。 それでも、自衛権行使の条件を自ら厳しく制約する姿が、世界標準から遠い状況は変わらない。 防衛大学校の山中倫太郎教授は 「憲法9条によって、国際的に認められている自衛権よりも日本はより狭い範囲でしか自衛権を行使できない状況にある」 と説明する。 ◇ 自衛権の行使には 「急迫不正の侵害」 「他の適当な手段がない」 「必要最小限」 と極めて厳しい要件が課されたままだ。 加えて、自衛権を発動し自衛隊を動かすには、数段階に及ぶ政治的な手続きが必須とされる。 首相が防衛出動を命じるには、まず政府が 「武力攻撃事態」 などの認定に関する対処基本方針案を策定し、国家安全保障会議の諮問・答申を経て閣議決定しなければならない。 閣議決定には閣僚が物理的に参集する時間が必要で、連立政権ならば閣内から 「党に持ち帰り相談したい」 との異論が出る可能性もある。 ■迅速な防衛出動も多くの壁 緊迫した状況で政治的手続きに時間を要すれば致命的な結果を招きかねない。 元防衛事務次官の高橋憲一氏は 「事態認定の遅延で回復し難い損害が生じる状況が予測される場合、法律の範囲内で首相が閣議決定を経ずに事態認定できるようにする規定を 『行政権は、内閣に属する』 とする憲法65条に追加するのも一案では」 と語る。 有事に政府の対応が遅れれば、前線で展開する自衛隊も後手に回る。 令和4年、都内の大学に超党派の中堅国会議員らが集まり、台湾有事を想定した机上シミュレーションを行った際のことだ。 参加した議員に対し、1枚の書類が差し出された。 「令和X年〇月〇日、○○1等陸曹は△△における戦闘で戦死しましたので通知いたします」 隊員の死亡を遺族に通知する書類にサインを求められた政治家たちは顔色を変え、会場の空気は一気に張り詰めたという。 シナリオを描いた元陸上自衛隊中部方面総監の山下裕貴氏は 「政治家の決断が隊員の生命を左右する重みを感じてほしかった」 と振り返る。 平時の法整備と有事の対応で、共に政治の責任は重大だ。 日本国憲法の限界国防よりも慣例重視 平和ボケの国会 改憲党是の自民も動かず 戦間期の終焉 第2部・日本国憲法の限界(下) 2025/5/5 7:00 https://www.sankei.com/article/20250505-CBXY5BPKGBKD7LGNSPS52GTUOA/ 日本国憲法を盾に現実的な国防論を忌避する空気は国会の隅々まで蔓延している。 2025年2月5日の衆院予算委員会。安住淳委員長(立憲民主党)が怒気を含んだ声で発言した。 「文民統制(シビリアンコントロール)の重みをわきまえて国会はやってきた」 「戦後、長いルールの中で重く積み上げてきたものだ」 矛先を向けた相手は国民民主党の橋本幹彦氏だった。 「真の国防とは何かを議論したい」 と訴え、陸上自衛隊教育訓練研究本部長ら制服組幹部の出席を求めた。 安住氏の注意を受けた後も橋本氏は食い下がったが、拒否された。 国会では防衛相や防衛省官僚(背広組)が答弁する慣例がある。 ただ、軍事の専門家である制服組の答弁に法的制限はなく、過去に答弁例はあった。 それも昭和34年12月11日の衆院内閣委員会での源田実航空幕僚長を最後に行われていない。 この間、日本を取り巻く安全保障環境は格段に厳しさを増した。 「どう国民を守るか」 との本質的な議論よりも慣例を重視する姿勢は、80年続く戦後の 「平和ボケ」 を象徴しているかのようだ。 ■自民内の不一致を白日の下に 制服組の答弁すらタブー視する国会では憲法改正論議も進まない。 改憲を掲げて70年前に誕生した自民党内でさえ、衆院と参院の間で溝がある。 2025年3月31日、党本部7階の一室。 憲法改正実現本部の古屋圭司本部長や新藤義孝事務総長ら幹部4人と、衆院憲法審査会の与党筆頭幹事を務める船田元氏らが集まった。 「少なくとも緊急事態下で国会議員の任期延長を可能にする改憲は実現しなければならない」 古屋氏がこうハッパをかけた。 憲法には、大規模災害や有事に衆参両議員の任期が満了した場合の対応を明記していないからだ。 しかし、出席者の表情は暗かった。 脳裏に 「身内」 の存在が浮かんだからだ。 参院自民だ。 参院自民は現行憲法の 「参院の緊急集会」 を重く見る。 解散で衆院議員の不在時に緊急事態が発生しても、自らが国会機能を暫定的に代行できるという自負があるからだ。 一方、衆院自民は改憲による議員任期の延長で衆院を含めて機能を果たすべきだと考えており、緊急集会の活動期間や権限は抑制的であるべきだとの立場だ。 2025年4月2日の参院憲法審で、与党筆頭幹事の佐藤正久氏は緊急集会の活動期間や権限について 「厳格に限定するものではない」 などと衆院自民の見解に難色を示した。 自民内の不一致を白日の下に晒し、立民議員は佐藤氏の発言を絶賛した。 ■牽引する気迫感じられず 自民からは憲法改正を牽引する気迫が感じられない。 昨年2024年の衆院選で少数与党となった結果、立民に衆院憲法審の会長ポストを自ら譲った。 2025年4月23日の党首討論で日本維新の会の前原誠司共同代表は 「憲法改正に取り組むべきだ」 と覚悟を質した。 自民総裁の石破茂首相は 「そうだ」 と応じたが、 「強い信念を持って推進しているとは見受けられない」 (ジャーナリストの櫻井よしこ氏) のが首相と自民の実態だ。 「政治は戦争をさせないためにある」 (立民の辻元清美氏) との意見もある。 だが、2025年5月3日で施行から78年が過ぎた憲法を国際情勢が激変しても一言一句改正しなかったため、戦争を起こさせない抑止と備えができていないのが今の日本だ。 何かが起きてからでは遅い。 ◇ 第2部は、内藤慎二、竹之内秀介、末崎慎太郎が担当しました。 <産経抄>議論進まない国会憲法審は給料泥棒か 2025/5/3 5:00 https://www.sankei.com/article/20250503-KO7NGTQ4XJJ6JHSMSBHYFX63QY/ 小紙は毎年の憲法記念日に当たり、「主張」欄で繰り返し訴えてきた。 「自衛隊の存在を法的に認めたらどうか」(昭和56年)、 「憲法改正が政治日程にのぼるのも、そう遠くない日のように思う」(57年)、 「日本国民が憲法改正について、その決断を迫られるときは、そう遠い将来のことではない」(58年)…。 ▼だが、それから40年以上が過ぎた今、とっくに実現していていいはずの改憲はむしろ、遠のいて見える。 国会で議論はされているものの、肝心の憲法9条への自衛隊明記についてはテーマになっていない。 2025年1月の衆院代表質問で、石破茂首相が 「前に進める」 と答弁したのは何だったのか。 ▼30年以上前の平成5年の今日は、憲法前文の言葉の不可解さを指摘した。「『人間相互の関係を支配する理想』とは何を意味しているのか理解できるだろうか」 「『政治道徳の法則』とある。ここでいう政治道徳とは何であり、どんな法則なのだろうか」。 抄子もさっぱり分からない。 ▼6年には、北朝鮮の核という一触即発の危険が迫っていることに警鐘を鳴らした。 「平和と経済的繁栄をむさぼってきた我が国にとって、北朝鮮問題はまさに頭上に吊るされたダモクレスの剣≠ナある」。 にもかかわらず国会は座して動かず、ただ腕をこまぬいている。 ▼2025年5月2日の小紙正論欄では、西修・駒沢大名誉教授が活動開始から13年半になる衆参両院の憲法審査会の無為無策を皮肉っていた。 「これまで一体どんな議論が展開されてきたのか、不思議であると思わない国民はいないであろう」。 憲法改正の是非について一票を投じる国民の権利は、放置されてきた。 ▼失礼ながら、給料泥棒という言葉が脳裏に浮かんで離れない。 <主張>憲法施行78年 「9条」の限界を直視せよ 改正条文案の起草に着手を 社説 2025/5/3 5:00 https://www.sankei.com/article/20250503-23CJFHNU4JOBPHGHTQOH2BDKNQ/ 日本国憲法が施行されて78年を迎えた。 日本は厳しい安全保障環境下にある。 日本有事へ容易に転化する台湾有事の懸念は消えない。 ウクライナを侵略する共犯者であるロシアと北朝鮮は反日的な隣国だ。 中国と北朝鮮は軍拡に余念がない。 中露の海空軍は合同パトロールと称する対日威嚇を躊躇わない。 そこへ、従来の常識が通用しないトランプ米大統領が再登板し、世界の安保、経済環境を揺さぶっている。 ■外交防衛を妨げてきた 戦後の平和を憲法第9条は守ってこなかった。 左派勢力は9条を奉じ防衛力整備を妨げてきた。 9条の欠陥を自衛隊と日米安全保障体制が補ってきた。 トランプ氏は2025年3月、日米安保条約への不満を表明し、波紋を呼んだ。 「我々は日本を守らねばならないが、日本は我々を守る必要がない」 と条約の片務性を問題視した。 相互防衛の代わりに日本は基地を提供し、これは米国の世界戦略にも寄与してきた。 更に、集団的自衛権の限定行使を認めた安保関連法の制定で、日本の存立が脅かされる場合には日米は集団的自衛権の行使で守り合える関係になった。 中国の脅威を前に、トランプ政権と言えども日米安保を投げ捨てる蓋然性は低いだろう。 そうだとしても、外交安保の基軸を日米同盟に置く日本は、米軍最高司令官の大統領が同盟の在り方に疑念を持つことに不安を覚えざるを得ない。 防衛問題と切り離しているとはいえ、関税などの経済交渉での対米姿勢にも影響しかねない。 北大西洋条約機構(NATO)諸国やフィリピンなど米国と同盟を結ぶ日本以外の国々は、フルスペックの集団的自衛権行使を前提に相互防衛を約束している。 国力差があっても法的には対等に守り合う関係なのが世界の同盟の常識だ。 トランプ氏の方が世界の常識を踏まえている。 日本が非常識なのは、戦争放棄や戦力の不保持を定める9条の解釈で、全面的な集団的自衛権の行使が禁じられているためだ。 どのような米大統領が今後現れるかは分からない。 米世論も同様だ。 9条のために唯一の同盟は不安定性を拭えない。 フルスペックの集団的自衛権行使を約束できない日本は、中国の脅威が増していても、米国以外の国とも同盟を結ぶことは叶わない。 「日本はあなたの国を守らないが、あなたの国は日本を守ってほしい」 と言えないからだ。 米国が基地提供で同盟を結んだのは、たまたま国益が合致したためである。 9条は、条約上の同盟国を増やすという、国民の命を守るダイナミックな外交の展開も許さない。 日本は準同盟の構築しかできないのだ。 反撃能力保有に進む日本だが9条が海外での武力行使を禁じているため、北朝鮮に拉致された日本人被害者の居場所が分かっても、自衛隊の特殊部隊は救出作戦を認められない。 ■緊急条項の議論足りぬ 9条を持つ現憲法は平和憲法というより、一部に反国民的性格を帯びているということだ。 いつまで9条の欠陥、限界から目をそらすつもりか。 衆参の憲法審査会の憲法改正への歩みは蝸牛のようで、自衛隊の明記すら合意形成していない。 極めて残念だ。 実は、自衛隊明記だけでは9条の欠陥は正せない。 9条2項を削除し、世界の民主主義国と同様に、国家国民と国際秩序を守る 「軍」 の保持を認める必要がある。 ただし、その前段として、自衛隊を明記する改憲に意義がないわけではない。 憲法学者に多い無意味な自衛隊違憲論は解消できる。 改正を機に、義務教育などで抑止といった防衛力の役割を伝えることで、国民の安保常識の底上げを図れる。 南海トラフの巨大地震や首都直下地震、富士山噴火、有事などに備える緊急事態条項創設も急務だ。 だが、憲法審が選挙困難事態への対応ばかりを論じているのには呆れる他ない。 緊急事態の本質的課題は行政府(内閣)に一時的に権限を集め、緊急政令などで国民と憲法秩序を守らせる備えを取ることだ。 この緊急権は国連が採択した国際人権規約(B規約)も認める世界の常識である。 改正に前向きな政党は、国民のために憲法があると自覚し、憲法審などで改正条文案起草に進んでもらいたい。 <正論>機能不全の憲法審査会を憂う 駒沢大学名誉教授・西修 2025/5/2 8:00 https://www.sankei.com/article/20250502-PAAWTAC4SBPLZEITLE5AOJPH6Y/ ■国民の期待に応えていない この通常国会における衆参両院憲法審査会の議事録を通読した。 まず非常に驚いたのは、2025年4月2日の今国会1回目の参議院憲法審査会での冒頭、中曽根弘文会長(自民)の発言である。 「本日は、憲法に対する考え方について意見交換を行います」 この発言に基づいて、各委員からは、参議院の緊急集会、自衛隊明記、合区、同性婚、選択的夫婦別姓、国民投票法改正へのフェイクニュース対策、政党条項、貧困問題、法の支配、審査会開催の中止など、議論が多岐に分散している。 両院の憲法審査会が活動を開始したのは、平成23(2011)年10月21日のことである。 それから13年半が経とうというのに、未だ単なる 「意見交換」 とは? これまで一体どんな議論が展開されてきたのか、不思議であると思わない国民はいないであろう。 この長い年月で、意見の集約に向けた議論がなされてきていると思われているのではなかろうか。 その期待に全く応えていない。 同審査会の議事録で頭の中に残ったのは、日本維新の会・片山大介委員の発言である。 「9カ月ぶりの今回のテーマは、再び憲法に対する考え方。通常国会ごとに振り出しに戻るようなテーマ設定をしていては、その先の議論へなかなか進めないと危惧しています(中略)開催頻度が少ない上、開催しても各党各派がそれぞれの意見を述べるだけでなく、参議院の憲法審査会として意見を集約する、1つの考え方をまとめていくことを今通常国会において実現していきたいと思います(中略)国民主権を掲げる日本国憲法が一度も国民の審判を仰いでいないのは大きな矛盾です」 「国民の命と暮らしを守るための基本法たる憲法に不断に向き合い、時代に即したものに作り上げていくことは国会議員に課せられた重大な責務です」 至極真っ当な見解である。 参議院憲法審査会には、開催の頻度を高め、意見を集約し、主権者たる国民の判断を仰ぐという重大な責務を一刻も早く全うしてほしい。 これが筆者の心からの願いである。 ■壊れたテープレコーダーか 衆議院憲法審査会では、国家緊急事態との関連で、2025年3月13日(「選挙困難事態」の立法事実について)と2025年3月27日(「参議院の緊急集会」の射程について)に討議がなされた。 それぞれの委員がそれぞれの意見を述べており、まさに 「放談」 会である。 日本維新の会の馬場伸幸委員が2025年3月13日、いみじくも述べている。 「本審査会での実質討議はこの3年間で計49回行われましたが、議論の大半が緊急事態条項に費やされました」 「論点は出尽くしており(中略)壊れたテープレコーダーの如く議論を繰り返す意義は見出せません」 枝野幸男・衆院憲法審会長(立憲民主)は、中山方式を取ることに意義を見い出している。 中山方式とは、国会に憲法調査会を設けた生みの親というべき中山太郎氏が議席数に関係なく、等分に時間を割り当てる式をいう。 しかし、中山氏は憲法改正国民投票法の採決において、強行採決に踏み切った。 同氏著『実録 憲法改正国民投票への道』によれば、社民党(当時)の辻元清美氏が何度も詰め寄り、野党議員らがマイクを床に放り投げるという騒然とした中で、中山氏は 「委員長職権」 を持ち出し、起立を求めた。 枝野氏が中山氏から真に学ぶべき教訓は、審議をだらだらと引き延ばさないことである。 ■時代と国民に背向けるな 衆議院憲法審査会は、活動を開始した平成23年度から令和5年度までの13年間に21億1308万7000円を費消している。 一方、参議院憲法審査会の同期間における費消額は15億2204万3000円である。 合計36億3513万円に上る。 令和6年度の経費を加えれば、40億円近くに及ぶだろう。 多額の国費が投じられてきている。 まさに機能不全に陥っている憲法審査会に対する壮大な無駄遣い以外のなにものでもない。 一体憲法審査会の委員、ひいては国会議員は責任を感じていないのだろうか。 恥ずかしいと思っていないのだろうか。 いわゆる護憲政党は、国民主権を憲法の最大の基本原理にあげる。 国民主権を国民が行使できる唯一の場面は、国民投票に参加して自らの意思を表明することである。 現行憲法が施行されてから78年間、国民は、1度もその権利を行使できないでいる。 当該権利の行使を阻んできた政党は、本当に護憲政党と言えるのか。 その矛盾にどこまで気付いているのか。 今後も、違憲行為を繰り返すつもりなのか。 現行憲法は、典型的な20世紀型憲法である。 21世紀になって4半世紀を迎えている。 狭い護憲、改憲論に捉われている時代ではない。 「もう後戻りできない」百地章氏が憲法改正へ「2点突破」強調、緊急事態条項と自衛隊明記 2025/4/27 16:46 https://www.sankei.com/article/20250427-KRGZZZRPD5PQPFKNCIQ5UNJO64/ 憲法記念日を控えた27日、前橋市で 「群馬憲法フォーラム」(主催・美しい日本の憲法をつくる群馬県民の会) が開催され、日本大学名誉教授の百地章氏が 「憲法改正の実現に向けて」 と題し講演した。 ■緊急時の根拠規定なし 百地氏は緊急事態条項と自衛隊の明記の2点に絞って論じた。 前者について百地氏は道路交通法を例に挙げて緊急時、緊急車両が信号を無視してよいと平時とは異なる規定があるにもかかわらず、憲法は平時のみで国家の緊急時に対応できていない点を指摘した。 緊急時には政令などを作って対応してきたが、憲法に根拠規定がないために官庁が対処できない事態が現実に生じたとして、東日本大震災の巨大津波による大量のガレキ処分の際、財産権の不可侵を規定した憲法29条が立ち塞がり、家具などのガレキを自治体などが緊急処理できなかった事例を挙げた。 「国家レベルでは緊急時の規定が抜け落ちた、真に不思議な国になっている」 と指摘した。 ■自衛隊明記だけでも大きな効果 百地氏は、自衛隊について実態は軍隊でありながら 「戦力不保持」 を定めた憲法9条2項の下では法制度上、軍隊ではなく警察組織になると指摘。 その結果、 「軍隊の権限」 とされる 「ネガティブ・リスト」方式 (捕虜虐待禁止など国際法などで禁じたこと以外の権限行使は原則自由) ではなく、 「警察の権限」 である 「ポジティブ・リスト」方式 (法で規定したことしかできない) を強いられていると指摘した。 ただ、9条2項の改正は極めてハードルが高く、次善の策として、故安倍晋三元首相が 「自衛隊保持の明記」 を提起したとした。 明記の意義として、 @自衛隊違憲論を解消できる A自衛隊の法的安定性を高める の2点を挙げた上で、自衛隊員の社会的地位や待遇の改善、 「自分の国は自分で守る」 との国民の決意表明は 「対外的な抑止力になる」 とした。 更に、国民投票まで進めば、 「2カ月以上に及ぶ運動期間を通じ、国民の国防意識や国歌意識が必ず高まり、これ自体が活力を生む」 と効果を強調した。 ■国民共同体としての国家観を 百地氏は改憲への国会発議を改めて求め令和5年11月以降、与野党幹部に陳情を続けた経緯を説明。 岸田文雄前首相にも再三要請し昨年2024年9月、ようやく 「改憲の論点整理」 として、自衛隊明記と緊急事態条項について盛り込むことをまとめた。 「これはもう後戻りはできない」 「石破茂首相も引き継ぎ、やらざるを得ない状況だ」 と指摘した。 これに先立つ冒頭挨拶で美しい日本の憲法をつくる群馬県民の会代表で、憲法審査会参院会長の中曽根弘文参院議員は、国会での審議が進まない現状を陳謝。 衆参両院の3分の2以上の賛成で初めて国民投票に至るが、改正案自体を国会がまとめられない状況を 「真に申し訳なく思っている」 とした。 百地氏は現憲法の問題点として、個人を絶対視して 「国家観、家族観が見えてこない」 点を指摘。 特に 「国家=権力体としての政府」 とのみ捉え、国民共同体としての国家の視点が 「抜け落ちている」。 憲法には不可欠な日本の国柄も入れ込んだ憲法へと改めるよう強く求めた。 「改憲論議の停滞は政治家の怠慢」櫻井よしこ氏、立法府の責任を強調 5月3日に改憲集会 2025/4/24 17:18 https://www.sankei.com/article/20250421-XK6TLCU44BI4VARHMSZTUDVCH4/ 憲法改正を目指す 「『21世紀の日本と憲法』有識者懇談会」 (民間憲法臨調) の櫻井よしこ代表らは2025年4月24日、憲法記念日の2025年5月3日を前に国会内で記者会見を開いた。 先の衆院選の結果、衆院では改憲勢力が改正の発議に必要な3分の2の議席を下回った。 櫻井氏は停滞する改憲論議の現状に対し、 「政治家の怠慢だ」 「立法府の責任を果たしてほしい」 と述べた。 民間憲法臨調などは2025年5月3日午後2時から、砂防会館別館(東京都千代田区)で 「公開憲法フォーラム」 を開催する。 集会には、自民の古屋圭司・憲法改正実現本部長の他、公明党や日本維新の会、国民民主党の各党幹部が出席を予定している。 当日は全国19会場で同時中継され、オンラインでも配信される。 憲法改正「賛成」59%で過半数 「反対」の29・9%を大きく上回る 世論調査 2025/4/21 18:32 https://www.sankei.com/article/20250421-XK6TLCU44BI4VARHMSZTUDVCH4/ 産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が2025年4月19、20両日に実施した合同世論調査で、2025年5月3日の憲法記念日を前に、憲法改正への賛否を尋ねたところ、 「賛成」が59・0% で過半数となり、 「反対」の29・9% を大きく上回った。 主要政党の支持層ごとにみると、 自民党は賛成67・3%、反対23・4%。 立憲民主党は賛成34・2%、反対61・7%で、 国民民主党は賛成73・1%、反対22・7% だった。 「支持政党はない」とする 無党派層は賛成56・1%、反対29・2% だった。 アメリカによる日本改造 昭和20年8月、アメリカ軍を主力とする連合国軍が日本の占領を開始します。 GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)の最大の目的は、日本を2度とアメリカに歯向かえない国に改造することでした。 日本に散々煮え湯を飲まされたアメリカは、 「この憎たらしい有色人種の日本人、黄色いサルが白人に歯向かえないような国にしてやる」 と誓います。 そこで、憲法を作り替えることにしたのです。 実は、欧米が血を血で洗う大戦争を繰り返し、 「戦争にもルールが必要だ」 と1899年に採択され、1907年にアメリカを含む世界44カ国が調印しているハーグ陸戦条約には、 「戦勝国は敗戦国の法律を尊重する」 と書かれています。 即ち、日本国憲法はハーグ陸戦条約違反なのです。 ところが、GHQは日本政府に対して 「大日本帝国憲法を改正して新憲法を作れ!」 と指示します。 この時、日本は占領下で主権がありませんでした。 昭和27年(1952)にサンフランシスコ講和条約が発効するまでの7年間、日本は独立国ではなかったのです。 これは非常に重要なポイントです。 時の幣原喜重郎内閣は改正の草案を作るのですが、発表前に毎日新聞に内容をすっぱ抜かれてしまいます。 その内容を見たGHQ最高司令官のマッカーサーが、 「何やこの憲法、こんなん絶対に許さへんで!」 「こうなったら自分たちで作ったるわ!」 と激怒し、GHQの民生部に 「お前たち、日本国憲法を作らんかい!」 と指示したのです。 しかも、期間は僅か1週間。 そんな短期間で一国の憲法が作れますか? 民生局のメンバー25人も、 「そ、そ、そんなん無茶やで」 とびっくりします。 メンバーの中には弁護士が数人いるだけで、しかも弁護士と言っても国際法や憲法の専門家は1人もいない。 後は法律の素人でした。 民生局のメンバーは 「どうやって作ったらええか分からへん・・・」 となってどうしたかー。 25人が都内の図書館でアメリカの独立宣言文やドイツのワイマール憲法、ソ連のスターリン憲法などを必死に調べて、そこから 「この文章もらい」 「この文章ももらい」 「あ、こっちも」 と都合のいい文章をコピー&ペーストして草案を作ったのです。 しかも、僅か1週間です(9日という説もある)。 アメリカの独立宣言文と日本国憲法の前文を読み比べて下さい。 「ここまでそっくりなのはあかんやろ。盗作ちゃうんかい!」 というぐらい酷似しています。 世界各国の憲法の寄せ集めで、日本の主体性、個性、文化、独特の考え方といったものが一切盛り込まれていません。 日本国憲法の正体 更に問題は9条です。 いわゆる 「戦争放棄」 として知られるデタラメな条項を盛り込んだ。 これにはさすがの民生局のメンバーからも、 「こんなことをしたら、他国に攻められた時、この国はどうやって守るんや」 「自衛の手段がないやないか」 「これは流石にあかんやろ」 と反対の声が上がったと言われています。 ところが、マッカーサーの 「ええから入れろや」 という強い意向で盛り込まれてしまった。 そして民政局長のホイットニー准将が麻布の外務大臣官邸で、吉田茂と憲法担当国務大臣の松本烝治に 「これが我々が作った日本国憲法の草案や」 「これを翻訳してしっかりやらんかい!」 と手渡します。 草案を見た日本政府関係者は一様に、 「え!! こんな憲法を自分たちが受け入れないとあかんのか・・・」 と愕然としたとされています。 この時、ホイットニーは 「よく検討しろや」 「もし我々の案を呑まなければ天皇を軍事裁判にかけるで」 「我々は原子力の日光浴をしてるわ」 などと言います。 太陽の光とは言わず、わざと原子力と言った。 太陽エネルギーは原子核反応によるものですが、普通の人は太陽のことをそんな言い方はしません。 当然、原爆を想起させる言葉です。 更にこの時、アメリカは同時刻に東京上空にB25を飛行させてもいるのです。 つまり、 「我々の作った草案を受け入れなかったら、もう1発原爆落としたるからな」 「分かってんのか!」 という言外の脅しでした。 先程申し上げたように、当時日本は主権を喪失しています。 GHQに睨まれたら何をされるか分からない。 そのため、GHQによる日本国憲法草案を呑まざるを得なかったのです。 これが、今私たちが押し頂いている日本国憲法です。 こんな憲法を1度も何1つとして変えていないのです。 これが如何に異常なことかは、世界の憲法を見ても分かります。 世界中の国は、戦後においても何度も憲法を変えています。 例えばアメリカは6回、フランスは27回、カナダは19回、韓国は9回、メキシコに至っては400回も変えている。 400回変えるって、元々の憲法がどんな酷いものだったのかと思いますが(笑)。 ちなみに、日本と同じく占領軍に憲法を押し付けられたドイツは65回も改正しています。 私の尊敬する憲法学者の西修駒沢大学名誉教授が、日本国憲法が施行されてから37年後の1984年にアメリカに渡り、日本国憲法の草案を作った元民生局のメンバーの何人かに会って当時のことを訊ね、非常に重大な証言を得ています。 この時、会った全員が一様に 「え! 君ら、まさかまだあれを使っているのか」 と言ったといいます。 彼らは、日本が40年近く経っても、自分たちが作った憲法を使っているとは夢にも思っていなかったのです。 憲法の専門家でもない自分たちが、たったの1週間でまとめあげたものなのですから当然です。 作った本人たちがあくまで占領下の暫定憲法だと考えており、サンフランシスコ講和条約を締結して日本が主権を回復させた時に、自分たちの憲法を作るであろうことを想定していた。 ところが、40年近く経ってもまだあれを使っていた。 それは 「何でや!」 と驚きますよ。 それどころか、それから更に40年経っても、一字一句変えていない。 誰がどう考えても異常です! 安倍元総理が2017年5月3日に 「9条の1項、2項を残し、自衛隊を明文で書き込む」 という案を提示されました。 これは妥協的な改正です。 しかし自衛隊を明記するという、たったこれだけのことさえ出来ないとは、何という体たらくでしょう。 一体、この国はどうなっているのかと思います。 総理はじめ自民党の議員は口では 「憲法改正をやります」 とは言いますが、完全に口だけです。 野党も論外。 たとえ朝日新聞をはじめ日本の全左翼メディアから袋叩きにあっても、 「憲法改正を進めなければダメだ」 「国民投票を早くやるべきだ」 と主張し、実行する侍はいないのでしょうか! 遺書を書いた自衛隊員 自衛隊が憲法で認められておらず、また交戦権がないためどれだけ酷い状況が起きているのか、ほとんどの日本人が知りません。 例えば、1993年、自衛隊が初めてPKO(国連平和維持活動)に派遣されたカンボジアでの出来事です。 民主化の選挙を行うために、自衛隊がPKO派遣されました。 この時、ポル・ポト派のゲリラによる選挙妨害が相次ぎ、日本人ボランティアと文民警察官が殺害される事件が起きました。 「ボランティアの選挙監視人の命をどうやって守ればいいのか」 ということが論議された時、国会でどんな話が行われていたか。 驚くべきことに、 「あ、その時は現地の自衛隊員にしっかり守ってもらったらええやん」 との意見が大勢を占めたのです。 呆れ果てます。 ゲリラが襲撃してきても、自衛隊員たちは武器を使用して彼らと交戦できません。 憲法上出来ないからです。 法律上も武器使用に厳しい制約が課せられていました。 「どうやって守ったらいいのか・・・」 と、現地の自衛隊員たちは青ざめます。 守る術がない。 しかし、選挙監視人たちを守らなければ民主選挙が行われない。 自分たちが守らなければ、多くのボランティアが命を失う危険性が高い。 そこで自衛隊員たちが考えに考えた末辿り着いたのが、 「人間の盾になる」 という苦肉の作戦でした。 ゲリラが投票場を襲撃した際、自衛隊員たちが真っ先にゲリラの前に飛び出して標的となる。 そして、ゲリラが発砲すれば、自らを防衛するための正当防衛として、初めて武器使用が可能になる。 先に撃たれて何人かは死ぬかもしれない。 でも、それしか守る方法がなかったのです。 この作戦のために、現地の部隊では精鋭のレンジャー隊員ら34名がリストアップされ、その隊員たちは妻や子供に遺書を書き残しました。 現地はこのような状況だったのです。 「9条があっても自衛隊は日本を防衛できる」 と主張する国会議員や評論家連中は、このような現実を知っているのか。 自衛隊員の身になって考えたことがあるのか。 「髭の隊長」 で知られる佐藤正久衆議院議員が、第1次イラク復興業務支援隊の1佐としてイラク派遣の出発前、こう誓っています。 「1人も殺させない。必ず全員生きて連れて帰る」 大変な決意です。 この言葉の重みを国会議員にはもっと考えてもらいたい。 国民の皆さんにも知って頂きたいのです。 憲法9条がなければ救えた命 9条に縛られた自衛隊の限界を象徴する事件として、能登半島沖不審船事件が挙げられます。 1999年3月23日の朝に、自衛隊の哨戒機が佐渡沖と能登半島沖の日本海領海で、相次いで2隻の不審船を発見しました。 海上保安庁と自衛隊は巡視船15隻と航空機12機を動員して、不審船を追跡。 海上保安庁は何度も 「止まりなさい」 と停船命令を出しますが、不審船は応じることなく、延々10時間以上に渡って海上保安庁を挑発するように逃走を続けました。 不審船発見から12時間後の18時過ぎに、首相官邸別館にある危機管理センターに官邸対策室が設置されます。 海上保安庁はようやく威嚇射撃をしますが、法律上の制約から船に銃撃することはできません。 不審船は、日本政府が威嚇射撃しかできないことを知っているので、全く停船しません。 しかも、実はこの威嚇射撃すら憲法違反なのです。 憲法9条にはこう書かれています。 「武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」 つまり自衛隊の威嚇射撃は、 「武力による威嚇の行使」 に当たります。 憲法9条の下では自衛隊は本来、不審船に対して威嚇射撃すらできないのです。 話を不審船に戻します。 夜間に入り、不審船が速度を上げ、海上保安庁の巡視船が引き離されました。 また2隻のうち1隻は取り逃がしたため、自衛隊の護衛艦が残りの1隻を追跡することになりました。 この時、官邸対策室では戦後初めての 「海上警備行動」 の発令が検討されます。 ところが、時の官房長官で親北朝鮮とも言われていた野中広務が発令しないように圧力を掛けました。 国賊と言っても過言ではありません。 そして、23時過ぎ、不審船が突然、停船します。 恐らく、エンジントラブルではないかと見られています。 その1時間後に、ようやく戦後初めてとなる海上警備行動が発令されました。 追跡開始から15時間が経過、 「官邸は何をしとったのか」 と呆れます。 そこで、日本の護衛艦は不審船に接近して臨検を行うことを決めます。 ところが、相手は不審船です。 銃で武装していてもおかしくない。 乗り込んだら撃たれる可能性が極めて高い状況にありました。 しかし、護衛艦には防弾チョッキが1着もなかった。 それでも、護衛艦に乗船していた自衛官24人全員が 「私が行きます」 「私に行かせてください」 と志願しました。 選ばれた自衛官たちは、艦内にあった分厚い漫画本や雑誌をガムテープでぐるぐる巻きにして、防弾チョッキ代わりにしたのです。 まさに決死隊でした。 ところが、いざ不審船に乗り込もうとしたその時、不審船はエンジンが直ったのか、再び逃走を開始します。 護衛艦も追跡を続けたのですが、不審船が防空識別圏外の海域に出たため、それ以上の追跡を断念せざるを得ませんでした。 この時の不審船は、99.9%北朝鮮の工作船でした。 そして、不審船の中には拉致された日本人がいた可能性があったと言われています。 もし憲法9条がなければ、船のエンジンを狙って撃つなどして彼らを捕まえ、拉致されていた日本人を助けることができたはずなのです。 私は法律の専門家に訊きました。 「もしこの時、不審船の甲板に拉致された日本人がいて、護衛艦や哨戒機に、助けてくれ、というサインを送っていた場合、自衛隊は不審船を撃つことができるのか?」 答えは、何と 「NO」 でした。 これが 「平和憲法」 と言われる9条の実態なのです。 日本人を守るどころか、むしろ危険に晒し、敵国を利する条文なのです。 もし今、仮に北朝鮮や中国が日本の領土に攻撃を仕掛けてきたらどうなるのか。 「9条があっても自衛隊は国を守れる」 などと言っている連中は、 「ほら自衛隊、頑張れや」 と無責任に言うでしょう。 でも今の憲法下では、自衛隊はほとんど何もできないのです。 両手両足を縛られて戦えと言われているようなものです。 そしてもし仮に、日本の自衛隊員が日本の民間人を守るために敵国の兵士を撃ち殺したとしたら、その自衛隊員は日本の人権派弁護士たちから殺人罪で告訴され、有罪になる可能性が極めて高いのです。 何故なら自衛隊は憲法上では軍隊ではないので、戦闘状態になっても国内法に準拠して行動しなければならないからです。 こんなデタラメな憲法を未だに一字一句変えていない。 異常と言う他ありません。 このままでは、私たちの先祖が築き上げてきた 「奇跡の国・日本」 は危機的状況に陥ります。 日本を守るために1日も早く憲法改正をしなければならないのです。
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