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※2025年6月5日 日刊ゲンダイ3面 紙面クリック拡大
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「備蓄米販売」では購入格差は埋まらない…手に入るのは都市部ばかり、地方は置き去り
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/372834
2025/06/05 日刊ゲンダイ
メディアが騒げば騒ぐほど“やってる感”演出に(C)日刊ゲンダイ
いつになれば並ばずに全国どこでも買える日が来るのか。随意契約による備蓄米を販売する大型スーパーはどこも開店前から大行列。安いコメを求めて常に1000人近くが押し寄せ、開店と同時に瞬く間に売り切れ。その様子を連日、TVニュースは伝えている。
すでに2022年産の「古古米」20万トンは随時、申し込んだ大手小売店に引き渡されている。今年度(25年7月〜26年6月)のコメの年間需要見通しは663.4万トン。1カ月あたり約55万トンで放出量はその3割を補える計算だ。決して「足りない」わけではない。
最大のネックは精米作業だ。備蓄米は玄米の状態で引き渡し、精米は購入した業者任せ。大手とはいえ自前の設備を持つ小売店は少なく、コメ卸の精米工場に頼らざるを得ない。備蓄米優先でフル稼働させ、急ピッチで精米しても納入できる量には限界がある。
精米・袋詰めが済んだ分から店頭に並ぶが、大手は需要が見込める都市部の店舗を優先しがちだ。古古米2万トンを調達したイオングループは全国約2200店舗のスーパーを擁するが、先行販売中は東京・千葉・大阪・愛知の計4店舗のみ。まだ販売体制が整っておらず、全国販売には至らない。
同じく2万トンを調達したドラッグストアのコスモス薬品(本社・福岡市)も4日、備蓄米の販売を始めたが、購入できるのは九州全域に展開する651店舗のうち福岡県内の202店舗が中心。すでに販売に踏み切った地方の大手スーパーでも、店頭に備蓄米が並ぶのは現状1〜2店舗だけである。
安いコメが必要な困窮世帯に届かない不公平
安いコメを求めて常に大行列(C)日刊ゲンダイ
随意契約第2弾で古古古米を調達した大手コンビニのファミリーマートとローソンは、5日から店頭販売を開始。しかしファミマは東京・大阪の各10店舗、ローソンも東京・大阪の各5店舗と、やはり大都市に偏る。
「第2弾の放出は申し込み時に『1000トン以下』の上限を課し、4日18時段階でファミマは上限いっぱいの1000トン、ローソンとローソンストア100は計600トンを調達。1キロの小分けで売るとファミマは100万袋分、ローソンは60万袋分となる計算です」(農水省関係者)
順次全国に販売を拡大するが、ファミマの店舗数は国内1万6295店、ローソン(100を含む)は同1万4694店。単純計算で1店につき、ファミマは約61袋、ローソンは約41袋を置けるが、ファミマは関東・東海だけで全店舗数の約5割を占め、ローソンも関東・近畿で約5割と出店エリアに地域差がある。このままだと、地方に備蓄米が十分に行き渡らず、購入機会の格差は解消できない恐れがある。
「随意契約による備蓄米放出はハナから石破政権の選挙目当て。メディアが騒げば“やってる感”を演出できるという考えでしょう。都市と地方の分断を招き、行列に並ぶ暇のない人々は置き去り。困窮する一人親家庭など、本当に安いコメが必要な世帯に備蓄米が届かないのは不公平です」(立正大名誉教授・金子勝氏=憲法)
つくづく小泉農相は弱者に容赦ない。
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備蓄米をめぐる一連の騒動は、さながら“踊る進次郎コメ劇場”だ。関連記事【もっと読む】【さらに読む】で詳しく報じている。
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みそや日本酒も原料不足で加工用にも備蓄米放出…4〜5年前のコメにニーズはあるのか
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/372846
2025/06/06 日刊ゲンダイ
酒造業界は「平成の米騒動」(1993年)時を反芻し不安を口にするも…(コメを使った日本酒の仕込み作業=写真)/(C)共同通信社
「令和の米騒動」の影響は、主食用にとどまらない。小泉農相は4日、政府備蓄米を日本酒造りやみそなどへの加工用として放出することを検討していると明らかにした。
酒造メーカーなどからはコメ価格の高騰や原料米不足を懸念する声が出ており、農水省は来週にも業界団体への聞き取りを実施した上で、具体的な数量や放出時期を決める。昨年も政府はせんべいなどの原料が不足したことを受け、加工用として備蓄米を約1万トン放出していた。
しかし、品質を不安視する声は少なくない。残る備蓄米は約30万トン。これらは2021年産の古古古米と、20年産の古古古古米だ。コメの質の低下が予想される。本当にニーズがあるのだろうか。
業界の反応は対照的
一方、みそ業界は…
全国の酒造組合で組織される日本酒造組合中央会の担当者は、やはり品質への懸念を口にする。
「日本酒は、酒造りに適した『酒造好適米』だけでなく、一般的なお米も材料に用いられます。備蓄米には一定のニーズはありそうです。ただ、記録的な冷夏でコメが不足した『平成の米騒動』(1993年)の時に、いくつかの酒蔵が古いコメで酒を造ったところ、古米の臭いがしてあまり出来が良くなかったそうです。日本酒は何より香りが大切。現在はコメの保存技術も進化しているようなので使ってみなければわかりませんが、4〜5年前のコメでは少々不安は残ります」
ちなみに、米焼酎は原料が古くても日本酒ほど影響を受けないようで、昨年放出した備蓄米で製造された焼酎が、すでに販売されているという。
一方、みそメーカーで組織される全国味噌工業協同組合連合会の担当者からは、歓迎の声が聞かれた。
「みそにはさまざまな種類がありますが、全体の9割がコメを材料に用いるため、コメ不足は大きな問題です。国産の加工用米が高騰する中、備蓄米放出は本当にありがたい。みそはコメを蒸してから煮るなどの製造工程があるため、古いコメでも用いることができます。昨年の1万トン程度の放出では原料不足がそこまで改善されなかったので、政府にはぜひ十分な量を放出してもらいたいです」
とはいえ、備蓄米の量は限られる。進次郎は今後、ミニマムアクセス(最低輸入量)米の活用も示唆したが、みそも日本酒も、国産米にこだわる業界の声は根強い。
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地方に備蓄米が十分に行き渡らい可能性も……。●関連記事【もっと読む】『「備蓄米販売」では購入格差は埋まらない…手に入るのは都市部ばかり、地方は置き去り』で詳報している。
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