http://www.asyura2.com/25/senkyo297/msg/579.html
Tweet |
進まぬ日米関税交渉で日本が迫られる「悪魔のディール」…防衛費大幅増が膠着打開の取引材料に?
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/374029
2025/07/01 日刊ゲンダイ
異例の7回目詣で、薄口な感想と何ら変わり映えナシ(C)共同通信社
五里霧中の日米関税交渉の霧は一体、いつ晴れるのか。米国による「相互関税」の上乗せ分(14%)の猶予期限が7月9日に迫る中、担当の赤沢経済再生相は7回目の協議のため26日から訪米中。交渉が始まった4月16日から約10週間で7回にわたる異例の“ワシントン詣で”を重ねているが、落としどころは見えない。膠着状態を打開するため、「悪夢のディール」が浮上しはしないか。
赤沢大臣は現地時間27日、ラトニック商務長官と約1時間ほど会談。この日、トランプ大統領肝いりの減税・歳出法案の成立に向けて多忙を極めるベッセント財務長官とは会えなかった。同28日(日本時間29日)に帰国予定だったが、ベッセント氏とも協議するため滞在延長を決めた。
ラトニック氏との会談後、日本政府は「実りある議論を行った」「引き続き日米で精力的に調整を続けていく」とのコメントを発表。これまで赤沢大臣が日米協議後に繰り返してきた「非常に突っ込んだやりとりができた」「大変有意義だった」という薄口な感想と何ら代わり映えナシ。具体的な議論の進展には触れずじまいだ。
相互関税の上乗せ分を再発動する7月9日の期限が迫る中、米側は9月1日まで延期する考えを示唆している。ただ、日本が対象になるかは見通せない。特に日米交渉の最大の焦点である自動車関税の見直しを巡って、両者の溝は深いままだ。
トランプ大統領は29日、日本との自動車貿易に関して「不公平だ」と改めて不満を表明し、25%の追加関税を譲らない姿勢を示した。
赤沢大臣は5月の2回目の協議の際、自動車関税を念頭に「日本の自動車メーカーは1時間ずつ損が出ている状況であり、そういう意味で『ゆっくり急ぐ』」などと意気込んでいたが、ダラダラと停滞が長引きそうな雰囲気が漂う。
米国側の負担軽減、これ抜きにして交渉はあり得ない(C)ロイター
進展の見えない関税交渉に加え、心配なのがトランプ政権からの防衛費大幅増の圧力だ。
北大西洋条約機構(NATO)加盟国は防衛負担を求めるトランプの要求をのんで、防衛費をGDP比5%に引き上げる新たな目標で合意。トランプ大統領が日本にも同水準の引き上げを迫る中、石破首相は7月1日で調整していた外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)の開催を見送った。
参院選前に防衛費増を争点化したくないホンネが透ける一方、国会閉会後の23日の総理会見で石破首相は「金額ありきでは決してない」としつつ、「必要なものをきちんと積み上げていくことが重要」と増額の可能性を否定しなかった。
五里霧中の関税交渉に防衛費の引き上げ要求──。トランプ大統領は「軍事は別途話し合うテーマだ」として関税交渉とは切り離す意向を示しているが、「ちゃぶ台返し」が常套手段。アテにはできない。
元外交官で平和外交研究所代表の美根慶樹氏が言う。
「中国やロシアと日本の関係、日米同盟を考えた場合、米国からの防衛費増の要求を簡単にのむわけにもいかないし、かといって無視することもできない。では、何がディールの材料として考えられるか。トランプ大統領が重視するのは、米側の負担軽減。これを抜きに交渉は成り立たない。いくら通商と防衛を切り離すという前提でも、米側の負担軽減を念頭に交渉のパッケージを考えた場合、その2つは現実的に絡んでくる。日本側が将来の防衛費を積み上げる姿勢を見せつつ、関税という目先の実を取りにいくことも交渉手段としてあり得ると考えています」
2022年、岸田政権が当時の米バイデン政権に「説得」され、防衛費を23年から5年間で総額43兆円まで増やすことを決めたばかり。通商と防衛を天秤にかける「悪夢のディール」だけは願い下げだ。
◇ ◇ ◇
トランプ関税に翻弄される石破政権については、関連記事【もっと読む】などで詳しく報じている。
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK297掲示板 次へ 前へ
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK297掲示板 次へ 前へ

すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。