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参院選では減税ポピュリズム、外国人排斥を訴える政党が伸長 金子勝の「天下の逆襲」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/375076
2025/07/22 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し
有権者の選択は本当に賢明だったか?(C)共同通信社
先日の参院選の結果は、予想通り自公・与党が過半数を割った。一方でSNSを通じたフェイクファシズムとも言うべき潮流の中で、参政党や国民民主党が議席を増やした。この結果がもたらすのは、今後の政局の波乱、いや混乱だろう。
石破首相が辞任するのか、あるいは国民民主や参政、維新も巻き込んで新たな連立政権を樹立するのか。いずれにせよ、政局はしばらく右往左往するだろう。しかし、はっきりしているのは、どんな組み合わせでも日本が直面する課題からの出口はどんどん遠のいていくことだ。
減税ポピュリズムと外国人排斥の参政党や国民民主党を増やすという今回の有権者の選択は、賢明な判断だったのか極めて疑わしい。なぜなら、その選択はフェイクファシズムとも呼べる虚偽情報に基づいたものであり、結果として日本の景気はさらに悪化し、インフレも加速する可能性が高いからだ。8月から25%の関税が発動されれば、その悪影響は計り知れない。関税戦争は自動車にとどまらず、医薬品や半導体にも及び、日本の貿易赤字は壊滅的に膨らむだろう。
さらに、もし国民民主党や参政党が政権に加わるようなことがあれば、赤字国債に依存する消費減税といった政策を巡って交渉が行われる可能性がある。そうなれば円安が進行し、国債価格は下落し、長期金利は上昇する。これは、景気後退と物価上昇が同時に進む「スタグフレーション」に他ならない。このような状態で、トランプ氏との厳しい関税交渉を乗り切ることなど、到底不可能だろう。
我々が今、真剣に考えなければならないのは、この「トランプ関税戦争の時代」をどう生き抜くか、という明確なアジェンダである。
何よりも重要なのは、エネルギー政策とデジタル政策の根本的な転換だ。政府が掲げるGX(グリーントランスフォーメーション)は安全性を無視しコストが高い原発を推進しているが、本来は再生可能エネルギーと蓄電池、スマートグリッドを組み合わせた地域分散型のエネルギーシステムを構築しなければならない。
デジタル分野では、マイナカードのような失敗を根本から改め、クラウドと生成AIを基盤に新たな日本の新興企業を支援する体制を整えるべきだ。貿易赤字を減らすには、地域を基盤にエネルギーと食料の自給率を高めることが必須だ。
今後、日本の未来は、こうした産業戦略の根本的な転換を実行できるかどうかにかかっている。目先の政局に一喜一憂している時間はない。3年後を見据え、本質的な意味での政権交代を実現できるのかどうか、我々は今、その岐路に立たされているのである。
金子勝 慶大名誉教授
1952年6月、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。法政大学経済学部教授、慶應義塾大学経済学部教授などを経て現職。慶応義塾大学名誉教授。文化放送「大竹まことゴールデンラジオ」などにレギュラー出演中。近著「平成経済 衰退の本質」など著書多数。新聞、雑誌、ネットメディアにも多数寄稿している。
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