http://www.asyura2.com/25/senkyo297/msg/811.html
Tweet |
※紙面抜粋
米大統領の支離滅裂いよいよ拍車…相手がトランプじゃ、赤沢が何度訪米しても無駄なだけ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/375974
2025/08/09 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し
米閣僚との協議内容を説明する赤沢経済再生相(C)共同通信社
ピストン赤沢と揶揄されているが、そのたびに閣僚から言質をとったところで、ひっくり返すのがトランプだ。文書がなければなさおさらだし、最近の言動には専門家からも「自己崩壊」との指摘がある。したたかな対米包囲網外交が必要なのだが、この政権では絶望。
◇ ◇ ◇
日本に突きつけられた「トランプ関税」は、一体どうなるのか。どう決着するのか。
7月22日に「日米合意」し、最終決着したはずなのに、実際にトランプ関税が発動されると、日本側が「話が違う」と慌てふためく前代未聞の事態になっている。
日本時間の7日午後1時、世界各国に発動されたトランプ関税。日本に課せられた「相互関税」は、予定通り15%だった。
これまで日本政府は、もともと関税が15%未満だった輸出品の税率は一律15%となり、15%を超える関税が課せられていた品目については、従来の税率がそのまま維持されると説明していた。
他国は、既存の税率に「相互関税」が上乗せされるが、日本とEUだけは「特例措置」が適用され、上乗せされないと胸を張っていた。交渉担当の赤沢経済再生相も、合意直後の記者会見で「ノースタッキング(上乗せなし)」と成果を強調していた。
ところが、蓋を開けてみれば「特例措置」の対象になっていたのは、EUだけだった。トランプ関税の根拠となる大統領令では、日本は他国と同じように「スタッキング」されることになっていた。
15%が上乗せされるのか、されないのかでは、大違いだ。たとえば、6.4%の関税が課せられているマヨネーズの関税率は、15%ではなく、21.4%になってしまう。牛肉は26.4%のはずが、41.4%にハネ上がる。
すでに現地に飛んでいた赤沢が、慌てて、カウンターパートのベッセント米財務長官と、ラトニック米商務長官に掛け合うと、アメリカ側は「大統領令を修正する」と応じたという。
しかし、本当に修正されるのかどうか。閣僚から言質をとったところで、最終決定者は、平気でちゃぶ台返しをするトランプ大統領だからだ。
高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)はこう言う。
「そもそも“特例措置”の対象となったEUは、アメリカにとって特別な存在です。NATOのメンバーであり、ウクライナ支援で貢献もしている。その一方、トランプ大統領は日本や韓国を一段低く見ているフシがあります。はたして、EUと日本を同列に扱うつもりがあるのかどうか。やはり、文書をつくって話を詰めなかったのは致命的だった。EUは文書をつくっていますからね。赤沢大臣は『大統領令は修正される』と自信を持っているようですが、すべてはトランプ大統領の腹ひとつで決まるだけに、実際に大統領令が修正されるまで、安心できないと思います」
自分の間違いを認めないトランプが、一度、発令した大統領令をそう簡単に修正するのだろうか。
アメリカ経済を痛める大矛盾
自動車関税の行方も不透明(C)ロイター
トランプが厄介なのは「タリフマン」を自称しているように、「関税」は最大の「武器」になると信じ込んでいることだ。
一方的に他国に高い関税をかけると脅し、言うことを聞かせるというむちゃくちゃなやり方を繰り返している。とうとう、半導体に100%の関税をかけ、医薬品の関税は250%に引き上げるとブチ上げる始末だ。
トランプは、関税には2つのメリットがあると考えているという。
1つは莫大な税収だ。各国に高い関税を課したことで、アメリカにとって関税は大きな税収源になりはじめている。7月だけで関税収入は296億ドル(約4兆3000億円)に達している。
もう1つは、製造業の復活である。半導体への100%関税について「アメリカ国内に工場を建設した場合や、建設を約束した企業には関税は適用しない」と、国内誘致を働きかけている。
しかし、高関税政策が成功する可能性はほとんどないのではないか。むしろ、アメリカ経済にとってマイナスになる可能性が高い。
経済評論家の斎藤満氏はこう言う。
「製造業の国内回帰は、オバマ政権にとっても、バイデン政権にとっても課題だったが、うまくいかなかった。もはやアメリカ国内には、安くて技術力のある労働者がいないからです。しかも、トランプ大統領は、低賃金の労働力である移民を排除しているのだからなおさらです。高い関税は、いずれアメリカの物価上昇を加速させ、トランプ支持者の生活を苦しくさせるでしょう。関税にしても、払っているのは輸入しているアメリカ企業です。トランプ大統領がやっていることは、どう考えてもつじつまが合わない。矛盾だらけです」
もともと、理屈も合理性もない身勝手な男だが、最近は拍車がかかっている。
労働統計局が雇用悪化のデータを発表しただけで、〈雇用統計は不正に操作されている〉と根拠もなくSNSに投稿し、局長をクビにしてしまった。
日本ではあまり報じられていないが、「エプスタイン事件」と呼ばれるスキャンダルが大きくなり、トランプは窮地に立たされているという。突然、ロシアのプーチン大統領と会談すると打ち出したのも、国民の目を「エプスタイン事件」からそらすためだと臆測されている。
それだけに、国民の支持をつなぎとめるために、この先、さらに無理難題を世界各国に突きつけてくる恐れがある。
日本にも戦う武器はある
日米交渉がスタートした4月以降、9回も訪米している赤沢は、「ピストン赤沢」などと揶揄されているそうだが、相手がトランプでは、何回、訪米しても、無駄なのではないか。
なにしろ、日本だけでなく、世界中が予測不能なトランプの常軌を逸した言動に振り回されている状況である。
石破首相までが「普通の人ではない」と、国会で認定しているほどだ。
関税を武器にして、チンピラの「かつあげ」のような乱暴なディールをしかけてくるトランプに対し、日本はどう対峙すればいいのか。
「日本国内の輸出企業は、トランプ関税に従って、負担増分をしっかり価格転嫁してアメリカ国内の価格に反映させるべきです。本当は、世界中の企業とタッグを組んで価格転嫁した方がいい。アメリカの物価が急速に上昇し、トランプの支持者は悲鳴を上げるはずです。そうなれば、TACO(トランプはいつもビビってやめる)と揶揄されるトランプ大統領は、大慌てで関税政策を見直さざるを得なくなるはずです」(斎藤満氏=前出)
前出の五野井郁夫氏はこう言う。
「日本は猛獣使いになることです。猛獣をおとなしくさせるためには、武器が必要です。日本にとって大きな武器は、日本が保有している1兆1350億ドルのアメリカ国債です。日本は世界一、米国債を保有している。日本は15%の相互関税を課せられただけでなく、5500億ドル(約80兆円)の対米投資を約束させられたとされています。もし、アメリカが『早く投資しろ』と迫ってきたら、『資金は米国債を売って捻出することも考えている』と伝えたらいい。アメリカはビビるはずです」
これまで通り、へりくだっているだけでは、日本はトランプにむしり取られるだけだ。トランプ政権は、これから4年近くもつづく。日本に必要なのはしたたかな対米包囲網外交だ。しかし、米国追随の自民党政権に期待できるのだろうか。
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK297掲示板 次へ 前へ
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK297掲示板 次へ 前へ

すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。