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※紙面抜粋
※2025年8月27日 日刊ゲンダイ2面
前代未聞、凪の政争…気も狂わんばりの旧安倍派の今後
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/376738
2025/08/27 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し
政争の真っただ中、凧の政局(C)日刊ゲンダイ
政治日程、世論で優位に立つ石破執行部だが、裏金議員、旧派閥のボスたちはここで干されたらオシマイだけに、右往左往だろう。内ゲバが批判され動くに動けないメンメンを石破が切り捨てれば大したもんだが、挙党一致でごまかすのか。凪の政局の今後の見立て。
◇ ◇ ◇
26日も東北から九州北部にかけて猛烈な暑さとなった日本列島。東京都心では35.1度を観測し、猛暑日(最高気温が35度以上)は9日連続。年間日数は22日で、それぞれ2022年の統計史上最長記録、23年の同最多記録に並んだ。都内のオフィス街などではサラリーマンや観光客らが顔を紅潮させ、グッタリした様子で額に浮かんだ汗をハンカチで懸命にぬぐったり、うちわであおいだりする姿が見られた。
東・西日本では9月初めまで続くとみられる“灼熱地獄”。「熱中症対策の徹底を」「不要不急の外出を避けて」「クーラーを適切に使用して体を冷やすべき」……。テレビや新聞で報じられるニュースは連日、猛暑関連の話題ばかりだ。一見すると、世間では何も起こっていないようにも思えるが、実際はそうではなく政争の真っただ中。自民党の「石破おろし」だ。
「参院選の結果分析と課題の洗い出しも進んできた」
森山幹事長は26日の会見で、大敗した参院選の総括報告書について、29日の総括委員会で議論することを公表。さらに9月2日にも開く両院議員総会に示す方針を明らかにしたが、注目されるのは、報告書の取りまとめ後、党総裁選挙管理委員会が党所属国会議員と都道府県連の意思確認の作業に入る総裁選前倒しの是非だ。
とりあえず首相を続けてほしいという消極的支持
総裁選の前倒しは石破に対する「事実上の退陣勧告」「クビ切り」を意味する。それだけに賛否や進め方を巡って現在、執行部と反石破議員らが激しい攻防を繰り広げているとみられている。
昨秋の衆院選に続き、今夏の東京都議選、参院選でも惨敗した自民党。7月末に開かれた両院議員懇談会では、出席者から党総裁である石破の責任を問う声が続出。「即刻退陣すべし」「組織の長としてけじめをつけてほしい」などと迫った。
さらに読売新聞が「石破首相退陣へ」と題した号外を発行したこともあり、石破辞任は一時、既定路線のような雰囲気にもなったのだが、石破がこれを否定した頃から風向きが一転した。
党則6条4項は党所属国会議員と47都道府県連代表の過半数から要求があった場合、臨時総裁選を行うと定めている。
党所属議員は現在295人。つまり、172人の要求で総裁選は前倒しされることになる。そして時事通信が47都道府県連幹部にアンケート調査を行ったところ、21道府県連が「臨時総裁選を実施すべきだ」とし、2県連は「実施すべきではない」と回答。過半数に届かなかったとはいえ、地方では前倒しを支持する声が少なくないようだ。
高まる前倒しの動きに「待った」をかけたのが世論だ。新聞各社が25日報じた世論調査では内閣支持率が軒並み上昇。「退陣」の号外を打った読売の調査でも7月の緊急調査から17ポイント増の39%となったほか、産経新聞とFNNによる合同世論調査では、自民支持層の76.5%が「(石破は)辞任しなくてよい」と回答したのだ。
自民党支持者の多数が「石破おろし」に最も強く反発しているとなれば、反石破の連中もこれまでのように表立って声を上げるのは難しい。これが前代未聞の「凪の政争」の理由だ。
元参院議員の平野貞夫氏はこう言う。
「政治の常道として、理由はともあれ衆参両院の重大な国政選挙で敗れたのだから責任者が辞めるのは当然。時期はともかくとして、石破首相はリーダーとして『退陣表明』はするべきでしょう。ただ、世論が続投を求めるのも理解できる。それは『石破おろし』を仕掛けている連中が政治を良くしたいという純粋な気持ちで退陣を求めているのではなく、政治闘争している姿が透けて見えること。さらに野党側にまとまりが見られず、政権交代を本気で仕掛ける気概が見られないことがある。そこでロクでもない政治家、やる気のない政治家に首相を任せるぐらいなら石破首相にとりあえず続けてほしいという消極的支持の表れなのでしょう。日本政治が抱えるさまざまな問題が今、出ていると言っていい」
石破をおろしても自民党の支持が回復するのは難しい
悪党たち…(C)日刊ゲンダイ
「石破おろし」の機運が盛り上がらない背景には、政治日程もあるだろう。
先週22日まで開催されていた第9回アフリカ開発会議(TICAD9)に加え、23日には韓国の李在明大統領が初来日。そして29日にはインドのモディ首相の来日も予定されるなど外交日程が続く。政治日程、世論で優位に立つ石破執行部だが、衆院選で非公認扱いされた裏金議員や旧派閥のボスたちはここで干されたらオシマイだけに、右往左往だろう。
とりわけ今の硬直状態に対して、気も狂わんばかりなのが旧安倍派の議員ではないか。
元同派議員は総裁選前倒しの議論が進まない現状に苛立ちを募らせ、臨時国会が秋に想定されていることを踏まえ「時間切れで総裁選を回避するのが執行部の狙いだ」と猛批判。総裁選管が記名による意思確認を軸に検討していることについても、「中間派に二の足を踏ませる工作だ」と不満をあらわにしているという。
このほか、岩盤支持層と言われた保守票が参院選で離反した事態を問題視し、党執行部に「保守的な政策を前面に打ち出すべきだ」と求め、選択的夫婦別姓制度の導入に前向きな考えを示した石破は「岩盤支持層を裏切り続けている」と映っているらしい。
こうなると「石破おろし」というよりも「石破憎し」に近いが、とはいえ、同派は自民惨敗の要因となった裏金事件の震源地。幹部だった萩生田元政調会長の元政策秘書も政治資金規正法違反(虚偽記載)罪で略式起訴されたばかりだ。
「凪」が「時化」に変わる日はそう遠くない
「政治とカネ」問題に頬かむりした裏金議員が「石破おろし」の中核に見え隠れしているようでは世論が支持しないのも当たり前だろう。拳を振り上げるほど、批判の矛先は自分たちにブーメランのように跳ね返ってくるに違いない。
「昨日の友は今日の敵」「狡兎良狗」は政界の常識として、総理総裁を辞めても辞めなくても、石破がこの先、国民生活のために裏金議員と手を携える可能性はゼロだろう。
この際、「辞めろ」「辞めない」の内ゲバが批判され動くに動けないメンメンを石破が切り捨てれば大したもんだが、例によって挙党一致とか言って、仲直りのフリをしてごまかすのか。「凪の政局」の今後はどうなるのか。
政治アナリストの伊藤惇夫氏は「石破首相がこのまま続投してもしなくても、政治情勢はかなり不透明になってきた」と言い、こう続ける。
「まず、総裁選管が記名を求めていることについて反対している議員が見られますが、その理由が全く分かりません。自分たちが選んだリーダーのクビを切るのか、切らないのか。公党であり、しかも政権与党であれば記名は当然でしょう。それができないのであれば総裁のクビ切りうんぬんの前に自身が政治家を辞めた方がいい。さらに言えば、今の自民党は世論の声にどれだけ鈍感なのか。もはや国民と乖離していると言ってもよく、たとえ石破首相を引きずりおろすことに成功したとしても党の支持が回復するのは難しいと言わざるを得ません」
自民党内では今、これまで非主流派だった少数のベテラン議員から「政党政治のあるべき論」を説く声が上がり始めていると報じられている。石破がこうした声に応え、党内野党と呼ばれた時代を思い出し、「今だけ」「カネだけ」「自分だけ」の醜悪政治屋を一掃する道筋をつけることができるのか。それとも「ルール無用の悪党」が反転攻勢に出るのか。
いずれにしても「凪」が「時化」に変わる日はそう遠くない。
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