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※紙面抜粋
※2025年9月12日 日刊ゲンダイ2面
民意は置き去りの政局屋報道 総裁選前から勝手に連立話が飛び交う不見識
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/377501
2025/09/12 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し
1年前は、9人候補中5位だった小林元経済安保相(左)、派閥領袖だった茂木前幹事長は6位で…(C)日刊ゲンダイ
選挙でノーを突きつけられた自民党の総裁選で、候補者たちが口にする連立話、大メディアの政局屋がしたり顔で解説する連立見通し。それを黙認、容認するかのような野党のメンメン。だったら、選挙は何だったのか。権力亡者の権力私物化にはもう唖然。
◇ ◇ ◇
テレビも新聞も自民党総裁選(22日告示、10月4日投開票)の話題でもちきりだ。小紙も多分に漏れない。少なくとも3週間あまり、場合によっては1カ月超にわたってこの調子が続くだろう。
総裁選レースの本番突入まで10日。党員投票を含むフルスペックで実施されるため、12日間の長丁場だ。石破首相が退陣表明に追い込まれた翌日の8日、真っ先に名乗りを上げたのは茂木敏充前幹事長だった。10日には会見を開き、正式に出馬宣言。11日は小林鷹之元経済安保相が立候補を表明し、週明けの16日に会見する予定だ。
1年前、決選投票で敗れた高市早苗前経済安保相も動きを表面化させた。11日は岸田前首相と国会内で面会し、出馬する意向を伝えたという。宏池会の座長だった林芳正官房長官も8日に「岸田詣で」を済ませた。両者とも来週、会見を開く見通しだ。一方、高市と並んで本命視される小泉進次郎農相は煮え切らないが、この5人を主軸に「ポスト石破」争奪戦は展開するとみられている。
それにしても締まらないトップ争いだ。自民は惨敗した参院選の総括で、有権者の「自民党離れ」の要因として物価高対策の不発や裏金事件など9項目を挙げ、「解党的出直し」に臨むと結論づけた。にもかかわらず、顔ぶれは前回とほぼ同じ。石破に負けた面々だ。この1年で誰の何がどう変化したのか。要するに、敗者復活戦をやろうってことなのか。石破は前座に過ぎなかったと満天下に知らしめる冷笑レースなのか。
野党は野党で推し活
それでいて、相変わらず前提は「自民党総裁=首相」だ。完全なる少数与党に転落した以上、新総裁が首相指名選挙を突破できる保証はない。それで、茂木は会見で連立の枠組み拡大を主張。「個別政策ごとに野党に協力を求めるのでは、政治は前に進まない」と石破の国会運営を真っ向批判し、「日本維新の会、国民民主党とはしっかり話をしたいと思う」と秋波を送る。林は9日夜、維新の藤田執行部の後ろ盾でもある馬場前代表と会食。復権した遠藤国対委員長とも近く、関係深化が目的だ。
野党も野党で推し活に力が入る。先月、大阪・関西万博を視察した進次郎に2時間半も同行した維新代表の吉村大阪府知事が「本当に必要だと思うことを実行し、改革を進める稀有な政治家の一人だ。仲が良く、信頼している」と大絶賛。それが再び話題になっているからなのか。国民民主の榛葉幹事長はお膝元の静岡県を直撃した竜巻被害をめぐり、10日に進次郎と面会して対策を要望。「総裁選に出ないんですか」と振ったところ、「ふふふっ」と笑顔で応じたと明かし、距離の近さをにおわせた。「みんなの進次郎」の様相である。
「数合わせ」ではなく「政策合わせ」が筋
立憲民主党は新執行部発足(C)共同通信社
選挙でノーを突きつけられた自民の新総裁候補が権力維持を目的に連立拡大を口にし、大手メディアの政治部記者やコメンテーターもしたり顔で見通しを解説している。これぞ、民意置き去りの政局屋報道ではないのか。野党のしぐさもそれを黙認、容認しているように見える。
法大大学院教授の白鳥浩氏(現代政治分析)はこう指摘する。
「総裁選候補者が連立拡大に前のめりなのは、野党を抱き込んで衆参両院で過半数を確保し、首相指名選挙を危なげなく乗り切るためです。1年前は冷や汗ものでしたから。就任前の石破首相が衆院解散を予告して臨んだ10月の首相指名選挙は、難なくクリアできた。ところが、総選挙後の11月は衆院で少数与党に転落したため、30年ぶりの決選投票にもつれ込んだ。野党がまとまれば下野に追い込まれる局面でした。総裁選候補者をめぐって、例えば進次郎氏は維新と近いだとか、〈誰ならどこと組める〉という切り口が浮上するのは初めてのケースです。本来は総裁選にしろ首相指名選挙にしろ、『どんな政策を推し進めたいのか』がジャッジのポイントでなければおかしい。『数合わせ』ではなく『政策合わせ』の合従連衡でなければ、国民の納得は得られないでしょう。永田町の人間関係で日本の総理大臣を決めるなんていうやり方は言語道断です」
政治記事は伝言板化
このままいけば衆院選、東京都議選、参院選で下された有権者の審判はなかったことにされかねない。権力亡者の権力私物化には唖然だが、野党第1党がへなちょこだから、そんなデタラメがまかり通る。きのう、新執行部を立ち上げた立憲民主党の野田代表は「政権を取りに行く執行部だ」と強調していたが、旧執行部と活動したこの1年は何だったのか。野党を仕切れず、敵に塩を送りまくった野田にガラガラポンする熱量があるようには見えない。もはや国会は究極の互助会だ。
政治ジャーナリストの角谷浩一氏はこう言った。
「新聞各紙の政治面を開けば分かるように、独自ダネが非常に少なくなった。媒体は異なるのに、同じような記事が満遍なく掲載されている。意地の悪い言い方かもしれませんが、政治記事は伝言板に成り下がった印象すらあります。会見の内容ばかり報じればそうなるし、永田町の盛り上がりへの貢献を競っているようにも見える。物価高放置に世間は怒り狂っているのに、参院選から3カ月も政治空白が続く。自民党は茶番でしかない総裁選でメディアジャックに成功し、党勢回復が見込めるとなれば、解散総選挙になだれ込もうとするでしょう。そうなれば政治空白はさらに延びる」
国民不在で飛び交う連立話。一体いつまで続くのだろうか。不見識にもほどがある。
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