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※2025年9月27日 日刊ゲンダイ2面
※紙面抜粋
進次郎コケて、さあどうなる? まだまだ終わらない“お笑い総裁選”波乱の攻防
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/378128
2025/09/27 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し
ステマを陳謝(C)共同通信社
本命進次郎が馬脚を現し、かといって、世論調査でトップの高市も怪しい数字だ。決選投票なら岸田、麻生の意向次第、意外に林が強いなど、いよいよ混沌の後半情勢。恐らく、自民党はさらに有権者に見放され、首相公選制の議論も出てくる予感。
◇ ◇ ◇
自民党総裁選(10月4日投開票)でトップを走る小泉進次郎農相(44)がコケた。総裁選をめぐって、陣営内で「ステマ(ステルスマーケティング)」の要請が行われていることを暴いた文春報道を、進次郎本人が26日認めたのだ。ステマは広告であることを隠してひそかに商品などを宣伝する手法で、問題視されている。
25日発売の週刊文春によれば、進次郎陣営で広報を担当する牧島かれん元デジタル相の事務所が、動画配信サイト「ニコニコ動画(ニコ動)」に「ポジティブなコメントを書いてほしい」と求めるメールを陣営関係者に送信。進次郎をヨイショするような「これは本命候補でしょ!」「泥臭い仕事もこなして一皮むけたのね」といった24種類の投稿例を挙げ、中には「ビジネスエセ保守に負けるな」と他候補への誹謗中傷と取れる文面もあった。
進次郎は会見で自身の関与は否定しながらも、「参考例の中に一部行き過ぎた表現があり、申し訳ない。責任は私にある」と陳謝。総裁選で「挙党体制」を訴えながら、ライバルをディスる上っ面だけの融和ムードの実態もバレた。
文春報道は既にネット界隈でトレンドとなり、炎上していたが、進次郎の謝罪会見を民放だけでなくNHKニュースまでが報じ、騒動はネットを見ない層にも波及した。これで進次郎は失速か。
「影響はあるでしょう。昨年もそうでしたが、進次郎さんは今年の総裁選でも大本命。それだけに、すでに目いっぱい票はあるわけで、この先は票を減らすかどうかの戦い。今回のステマは票を減らす一因にはなる。それにしても、あの『投稿例』。私はニコ動の番組で何度も司会をしていますが、書き込まれるコメントはもっと短くシンプルでインパクトがある。あんな長文じゃヤラセにもなっていなくて、笑ってしまいました」(ジャーナリスト・鈴木哲夫氏)
進次郎、高市、林のうち上位2人の決選投票
進次郎は、昨年の総裁選のような失敗を繰り返さないため「安全運転」に徹しているのに、身内に足を引っ張られた。「チーム小泉」とか言って、神輿に乗っているだけのツケだ。
もっとも、安全運転の討論会でも馬脚を現すのが進次郎だ。どんな質問にも準備した“予定稿”通りにしか答えない。だから、話に広がりと深みがない。例えば、日米関係について問われても「早期にトランプ米大統領との会談を実現し、トップ同士で信頼関係を構築する」などと誰でも言えることしか出てこない。政治家としての薄っぺらさが際立つばかりで、ステマ騒ぎがなかろうが、失速は既定路線だっただろう。
後半戦に向けていよいよ情勢は混沌としてきた
「鹿ショック」続く(C)JMPA
さて、これで2番手とされる高市早苗前経済安保相(64)が優勢となるのかだが、世論調査で高市がトップだというのも怪しい。日本テレビが2回目の党員・党友電話調査を実施。高市が34%で1位となり、前回トップの進次郎(28%)を逆転したというのだ。ただ、調査は「党員・党友と答えた人」を対象にしたもので、言ってみれば“自称党員”。どこまで信用できるのかどうか。
高市はアノ「奈良の鹿が外国人観光客に蹴られている」発言でミソをつけた。奈良公園担当者が否定する根拠レスだ。一方で、昨年は威勢のよかった「首相になっても靖国神社参拝」は明言せず、支持層を落胆させている。
そんな中で、茂木敏充前幹事長(69)、小林鷹之元経済安保相(50)、林芳正官房長官(64)の残る3人のうち、意外に林が強いとの見方もあるが、安定感の林も石破首相の進退や現金2万円給付をめぐり失言。撤回に追い込まれるポカをやっている。後半戦に向けていよいよ情勢は混沌としてきた。前出の鈴木哲夫氏はこう話す。
「メディアの世論調査や議員の動向から現状を見ると、下馬評通り進次郎さんが本命、高市さんが対抗ですが、議員票で林さんが伸びてきている。やはり、進次郎さんや高市さんでは不安だという人は林さんへ流れる。連立を組む公明党が林さんを推していることも大きい。終盤に向け、進次郎さんが停滞したり、高市さんが議員票で苦戦するかもしれません。しかしながら、5候補ともロクな議論を戦わせず、この国をどうするのか、といった主張もない。日本維新の会や国民民主党など他党の顔色をうかがっていて、一体、何の選挙をやっているのかとも思います。いずれにしても、進次郎、高市、林のうちの上位2人の決選投票となる可能性が高い。『進次郎VS高市』ならば勝者は進次郎、『高市VS林』ならば林か。『進次郎VS林』の場合はどちらになるのかわからない。最後は世論の空気や連立拡大の相手など、議員それぞれが思惑含みで動くことになるのでしょう」
■変わらぬ古くさい光景と低次元のバカバカしさ
議員票について、時事通信の調査では、進次郎が2割超を固めてリードし、林が2割弱、高市は1割強だった。JNNでは、進次郎が全体の3割弱にあたる約80人、林と高市はそれぞれ約50人の支持を得ているという。
「議員心理では、やっぱり選挙の顔になる総裁がいい」(中堅議員)
「『神輿は軽くてパーがいい』はある意味、真理。周囲をガッチリ固めればやれる」(閣僚経験者)
自民党内からはそんな声も聞こえてくる。
決選投票となれば、旧態依然の「派閥の論理」が顔を出す。党内で唯一、派閥を存続させている麻生党最高顧問と旧派閥のまとまりを維持している岸田前首相の意向次第ともいわれている。
「麻生派は43人。林さんを除く4陣営に推薦人がいるので、麻生派の票は1回目は分散するだろうが、決選投票では麻生さんが『勝ち馬』に乗るべく号令をかけるだろう。旧岸田派は大部分が林陣営で、一部が進次郎陣営です。決選投票が『進次郎VS高市』なら丸ごと進次郎さんでしょう。しかし、『進次郎VS林』ならどうするのか。岸田さんは悩ましい。林さんが総裁になれば、事実上、派閥は代替わりですから」(自民党関係者)
相も変わらぬ古くさい光景……。「解党的出直し」だとか、「#変われ自民党」が総裁選のテーマってアホか、という話だ。
5候補揃って「国民の声を聞く」と訴えるが、狂乱物価高にあえぐ国民にすれば、何を今さら、だ。だから、街頭演説会をやっても盛り上がらない。党員も冷ややかな“お笑い総裁選”なのだ。
とはいえ、立憲民主党が「首相指名での野党結集は困難」と白旗を揚げ、維新と国民民主が与党の補完勢力である以上、自民党の新総裁が首相になるのだろう。総裁選の投票権がある党員・党友91万人は、日本の有権者の1%にも満たない。「それだったら直接、国民に選ばせて」と、首相公選制論がまた浮上してくるんじゃないか。政治評論家の野上忠興氏が言う。
「総裁選の候補者たちは『国民のために』と口では言うけれど、自民党は国民のための政治なんてやっていないじゃないか。進次郎氏のステマ騒動に高市氏の鹿問題と、どれもバカバカしくて低次元の争い。他候補もテレビカメラを引き連れて工場見学したりと、毎日つまらないことばかりやっている。少数与党に転落しているとはいえ、1億2000万人の頂点に立つべく人を選んでいるという緊張感もない。国民の意識と政治に乖離があるとよく言われますが、肝心の『政治とカネ』について議論しないことこそがその象徴です。内輪の論理で進む今回の総裁選で、恐らく自民党はさらに有権者に見放される。首相公選制をやるべきだとは言いませんが、望む声が湧き上がってきても不思議じゃありません」
政治も経済も明るい光が見えない中で、政権政党が国民不在のお祭りに興じるこの国は間違いなく不幸だ。
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