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八方美人経済政策の死角
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2025年10月 6日 植草一秀の『知られざる真実』
高市体制発足予想が金融市場の大きな反応を生んでいる。
市場の反応は株高・円安である。
高市氏が財政支出拡大・金融緩和継続の方針を示すと予想されているためだ。
米国でトランプ大統領が大型減税と金融緩和政策を強硬に要請して米国株価が上昇していることと類似する。
株価上昇を経済界は歓迎する。
沸き立つ宴を揶揄する者は邪魔者と捉えられるだろう。
しかし、この動きには死角があると思われる。
金融緩和の行き過ぎはインフレを引き起こす。
インフレはとりわけ労働者と預金者に打撃を与える。
逆に企業と債務者には利得を与える。
財務省出身の黒田東彦氏は執拗にインフレを追い求めた。
「異次元金融緩和政策」などを打ち出したが成功はしなかった。
しかし、コロナ騒動に連動して日本でも過剰流動性が供給されて4%インフレが発生した。
このインフレで日本の一般市民はどのような影響を受けたのか。
賃上げが騒がれたが賃上げの恩恵に預かることができたのは大企業の正規労働者だけだ。
中小企業では賃上げの余裕はなくインフレは労働者の実質賃金を大幅に押し下げた。
庶民のなけなしの預金の実質価値はインフレ分だけ目減りする。
他方、日本最大の債務者は日本政府。
日本政府はインフレが進行すればするほど実質債務減少の恩恵を受ける。
昨年来、政府の経済政策対応が強く求められてきた。
その背景が何であったのか。
インフレである。
インフレで市民の生活が困窮した。
「物価高対策」が求められてきた。
そもそもは、安倍内閣が推進した「インフレ誘導政策」が間違いのもとだった。
私は2013年6月に
『アベノミクス』(講談社)
を上梓してインフレ誘導政策の誤りを指摘した。
インフレ誘導は政府と企業に利益を供与し、一般市民に不利益を供与する間違った経済政策である。
2022年から25年にかけて、ようやくこのことが広く理解されるようになった。
ところが、いま、高市氏が再び金融緩和政策を日銀に強要する可能性が浮上している。
高市氏は金融政策についても政府がコントロールする方針を示唆している。
これは大きな誤りだ。
日銀の最大の使命は通貨価値の維持。
日銀がインフレを推進することは邪道中の邪道。
米国でも利下げ期待が強まり、株価上昇の反応が見られている。
しかしながら、金融緩和政策が妥当でない局面で利下げを強行すると弊害が顕在化することになる。
その現象が垣間見られたのが2018年1−3月の米国金融市場。
パウエル氏がFRB議長に就任する際、金融市場はパウエル新議長が必要な利上げを行えないのではないかと危惧した。
パウエル氏をFRB議長に引き上げたトランプ大統領が利上げを妨害することが懸念された。
このとき、米国の金融市場では長期金利が上昇し、株価が下落した。
米ドルは米国長期金利上昇にもかかわらず下落した。
債券、株式、通貨がすべて売られるトリプル安が生じた。
ドルの信任が低下して資本がドルから逃避する動きが顕在化した。
行き過ぎた金融緩和はインフレ心理を拡大し、長期金利上昇、株価下落の反応をやがて生み出すことになる。
宴の後に混乱が控えることを忘れてはならない。
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