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※2025年10月25日 日刊ゲンダイ2面 紙面クリック拡大

※紙面抜粋
本当は何がやりたいのか? 鎧を隠した高市新首相の所信表明演説に野次と怒号
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/379397
2025/10/25 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し

正体は見えた(C)日刊ゲンダイ
高市新首相が所信を表明したが、物価高対策、経済政策に新味なし。肝は日米軍事同盟の強化だろう。トランプに媚びるために防衛費を前倒しで拡大し、安保3文書も改定。触れなかったが日本版CIAの確立、スパイ防止法準備など、着々だ。見えてきたタカ派女性首相の正体。
◇ ◇ ◇
「野次は国会の華」と言われてきたが、時代が変わったのか。SNSで「ヤジ議員」がトレンドワードになるほど批判されている。高市早苗新首相の24日の所信表明演説でのことだ。
冒頭から野次と怒号。それに対し、高市が声を張り上げたり、演説を止める場面もあった。
タカ派全開の新内閣への野党の警戒は強い。新政権は「政治とカネ」問題にも後ろ向きだ。演説で高市が「国家国民のためであるならば、決してあきらめない」と言うと、すかさず「あきらめずに裏金問題を解決しましょう」と野次が飛んだ。
ただ、これ、正論じゃないか。なぜ批判されるのか。派閥裏金事件はいまだ真相が解明されていない。しかし高市は、旧安倍派の裏金議員を党幹事長代行や副大臣・政務官に起用し、裏金事件を終わったことにしようとしている。演説で触れたのも「政治への信頼を回復するための改革にも全力で取り組む」という漠然とした一節だけだった。野党が追及を続けるのは当然だ。
「野次に文句を言うのは、これまで国会中継をまともに見たことのない人たちじゃないか。高市内閣の支持率が39歳以下で80%に跳ね上がった。『野次は国会の華』が通用しない“新規参入者”は『裏金問題の解決』など至極まっとうな野次でも『行儀が悪い』と思ってしまう。そうした新規参入者が右派ポピュリズムに群がっているんじゃないでしょうか。それにしても、高市首相の所信表明演説は平板でまったく特徴がなかったですね」(高千穂大教授・五野井郁夫氏=政治学)
いつの間にか既定路線
「強い経済」「世界の真ん中で咲き誇る日本外交を取り戻す」など、安倍元首相が好んで使ったフレーズを多用し、安倍継承を強調していたが、演説全体のほぼ3分の1を割いた経済政策は、確かにありきたりの“短冊政策”ばかりで新味ゼロだった。
即効性が必要な物価高対策に具体策はなく、「ガソリン税の暫定税率廃止」「年収の壁見直し」「給付付き税額控除」など、少数与党下で野党との本格協議はこれからだ。「やります」「やります」のオンパレードのうえ、「戦略的に財政出動を行う」とも掲げていたが、財源はどこから持ってくるのか。赤字国債をバンバン発行するつもりか。
もっとも、肝は日米軍事同盟の強化だろう。所信表明では、後半の「外交・安全保障」の中で短く触れただけで、サラリとしたものだったが、この国の形が大きく変わるほどの軍拡・防衛費拡大がいつの間にか既定路線で進んでいる。
高市政権は、防衛費を2027年度に国内総生産(GDP)比2%とする目標の達成を「今年度中」に前倒しするとともに、安保関連3文書を来年中に改定する方針だ。今年度当初予算の約9.9兆円(GDP比1.8%)を2%にあたる約11兆円まで引き上げるには、補正予算で1兆円程度積み増す必要がある。そのうえ、2%達成後はさらなる増額が必要だということで、来年中に3文書を前倒し改定するのだという。
軍拡アクセルの連立パートナー、日本維新の会の後押しも得て、「防衛力の抜本強化」に前のめりなのだ。鎧を隠したありきたりの所信表明に安心していてはマズい。
3.5%は21兆円 米国からケタ違いの無理難題

ヘグセス国防長官(右)も来日して小泉防衛相と会談予定(C)ロイター
3カ月もの政治空白を経て、ようやく召集された国会なのに、新首相の所信表明に対する各党の代表質問は再来週の11月4日からだ。物価高対策が喫緊としながら国会論戦先送りのフザケた話なのだが、国会が事実上、中断されるのは、来週は高市の外交デビュー日程が詰まっているからだ。
25日から東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議のためマレーシアへ。帰国日の27日には、来日する米国のトランプ大統領を迎え、28日に日米首脳会談を行う。その後、トランプを追う形で30日に韓国に行き、アジア太平洋経済協力会議(APEC)に出席する予定だ。
高市はトランプと何を話すのか。「個人的な関係の構築」を目指すというが、そこでさらなる防衛費増額要求をのまされる恐れがある。
日本の防衛費に対する米国の圧力──。22年の安保3文書に書き込まれた「GDP比2%」への拡大は、実は、当時の岸田文雄首相がバイデン大統領に“約束”したものだったと、24日の産経新聞が報じていた。かつてバイデンが支持者向け集会で「私が岸田を説得した」と漏らし、政府が「我が国自身の判断だ」と否定していたが、アレはやっぱり事実だったのだろう。同じことが、高市-トランプ会談であからさまに再現される可能性があるわけだ。
防衛ジャーナリストの半田滋氏はこう言う。
「国防総省ナンバー3のコルビー国防次官は水面下で『3.5%』への引き上げを要求してきています。高市首相はトランプ大統領との首脳会談で、3.5%の文言を文書に盛り込まされるのではないか。現在のGDP600兆円で換算すると年間21兆円ですよ。そんな金額、どこに財源があるんですか。社会保障費をゼロにでもしなきゃ達成できないような数字。日本の財政が破綻するのは確実です。もともと、岸田政権時の『5年で防衛費43兆円』はでっち上げの金額で、それでは足りないからと、防衛省は今年9月、有識者会議に『防衛費増額が必要』という報告書を出してもらった経緯がある。つまり、ただでさえ増額路線だったところへ、米国からケタ違いの無理難題を押し付けられるわけです。安全保障について実はそんなに詳しくない高市首相ですから、トランプ大統領にいい顔をしてしまいかねない。小泉進次郎防衛相だって、カウンターパートのヘグセス国防長官に『ちょっと待って』とストップをかけられるわけがないですしね。本当にヤバイ」
3年前に決めた「43兆円」ですら、財源は未確定のままだ。たばこ税の引き上げと防衛特別法人税は26年4月から実施されるが、所得税増税は宙に浮いている。積極財政の高市がやすやすと増税路線を取れるわけはなく、いったいどうするつもりなのか。
特高警察をつくるのか
所信表明では触れなかったが、高市は「日本版CIA」と呼ばれる「国家情報局」の創設で木原稔官房長官に検討の指示を出した。
国民を監視する現代の治安維持法だとされる「スパイ防止法」の準備も着々と進めようとしている。
「国家情報局は、思想や言論を取り締まった戦前の特高警察になるんじゃないか。既に特定秘密保護法があるから国民とマスコミの口封じはできている。加えて、セキュリティークリアランスという機密情報を取り扱う民間人らの身辺を調査する制度もあるので、事実上、スパイ防止法は出来上がっているんです。そこに屋上屋を架す理由は何か。『政府に批判的な記事を書くマスコミの背後には外国勢力がいる』などとして、政権批判を許さない国にしようとしているとしか考えられない。それをやるのが特高警察。だから日本版CIAが必要だということでしょう。とんでもない政権です」(半田滋氏=前出)
安倍が願ってもできなかった憲法改正についても、高市は自身の在任中の国会発議に期待を表明。どこまでもアベ、アベ、アベだ。
「結局、支持層向けの右派的な主張ばかりのうえ、トランプ大統領を喜ばせるような米国言いなりの首相にしかならないのではないか。威勢はいいけれど、高市政権ができる政策の幅は限られているように思います」(五野井郁夫氏=前出)
こんな危うい政権、早々に行き詰まらなければおかしい。
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