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※2025年10月31日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大

※紙面抜粋

※2025年10月31日 日刊ゲンダイ2面
何が主体的に積み上げだ? 何を買うのか、口約束の国防費
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/379743
2025/10/31 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し

ここでもイェーイ(代表撮影)
日本中がのけぞった高市の媚態と、国防費前倒し積み上げの口約束。主体的とか言いながら、朝貢なのは明らかだが、一体、何をどう増やすのか。財源はどうするのか。トランプだけでなく、一緒の閣僚も言いたい放題、日本側はただへつらうだけ。臨時国会での追及が絶対必要。
◇ ◇ ◇
これでもかの朝貢外交だったのだから、気に入られるのは当然だろう。27日から2泊3日で訪日したトランプ米大統領に高市首相は「ノーベル平和賞の推薦」まで進呈。上機嫌のトランプに米海軍の空母の演台で肩を抱かれ、「この女性こそ勝者だ」と持ち上げられると、親指を上げるしぐさで「イェーイ」とやって跳びはねた。この高市の媚態には日本中がのけぞったことだろう。
「新たな黄金時代を共につくる」として、日本が防衛力強化に取り組んでいることをトランプにアピールしてみせた高市。先の所信表明で宣言した通り、防衛費の国内総生産(GDP)比2%への増額を、2年前倒しして今年度中に達成する方針を首脳会談の場で米側に伝えたという。
だが、政権が繰り返し主張する「日本が主体的に」増額を積み上げたというのは本当か。高市は「(米側から)防衛費の規模感についての話はなかった。数字を念頭にしたやりとりはなかった」と断言した。
だとしても、すでに今年6月に米国防総省が、「日本を含むアジアの同盟国が国防費をGDP比5%まで増額する必要がある」と表明していたし、水面下ではコルビー米国防次官が日本に対し、「国防費のGDP比3.5%への引き上げ」を要求してきていた。自衛隊と米軍が連携強化で軍事一体化する中、日本の防衛費増額は日米間で“既定路線”だったと言える。
「米側が首脳会談で数値目標を出してこなかったのは、『日本に対しては言うまでもない』ということだからでしょう。コルビー次官の『3.5%』は伝わっているわけですし、2%を前倒しして今年度中に達成するというのだから、今後は2%以上になるのが確実。だから、『特別に数値目標を言わなくても、分かっているよね』という話です」(防衛ジャーナリスト・半田滋氏)
オスプレイ後継機に原子力潜水艦
高市は首相に就任してまだ10日。国会では所信表明をやっただけで、代表質問もやらず議論をスッ飛ばして、米国に対し防衛費増額を口約束したわけだ。
一体、何をどう増やすのか。29日には、小泉防衛相がヘグセス国防長官と防衛省で会談。そこでも、防衛費増額に取り組むことや安全保障関連3文書の前倒し改定の方針が伝えられた。
ヘグセスは共同記者会見で、日本の増額方針について「速やかに実行されることを期待している」と歓迎しながらも、具体的な目標規模について「日本に何かを要求したことは一切ない」と言明。これも、「日本が主体的に」という文脈の一環だろう。発言はデキレースかと思えるほどだ。
会談では、自衛隊と米軍の指揮・統制枠組みを向上させることや、日米共同で行うミサイル生産や米艦艇・航空機の維持・整備の推進を確認したという。
大増額で何を買うのか、買わされるのか。前出の半田滋氏はこう話す。
「候補に挙がるのはオスプレイ後継機の『V280バロー』。米国でさえ捨てることを決めているオスプレイは世界中で日本しか買っていない。後継機として安全なバローに、という話は当然、最初に出てくるでしょう。もっとも、実はもう他に米国から買うものがないんです。5種類のミサイルを三菱重工などに既に発注済みですしね。あとは、米艦艇の修理をすることが今回、明確になった。そこで、米国の艦船を日本が造って、タダで渡すみたいな話が出てくるかもしれない。米国の造船業は破綻状態のため原子力潜水艦なども造れないほどで、修理を日本や韓国、インドに頼んでいる状況です。だから、日本で新造艦して米国に渡す。“白紙手形”になっている80兆円の対米投資の枠内で造ってあげるとかね。自民と維新の連立合意で政策協定を結んだ際に、原子力潜水艦の話が出ていた。その辺りも浮上してくる可能性があると思います」
赤字国債をドンドン発行、無責任な積極財政

会談前に握手する小泉防衛相(右)とヘグセス米国防長官(代表撮影)
第1次政権時のトランプは口を開けば、安倍元首相に「武器を買え」と押し売りしてきた。それを受け入れ、安倍が米国の武器輸出制度である「対外有償軍事援助(FMS)」の支払額を7000億円まで膨らませたことを思い出す。
安倍はトランプに要求されるがまま武器を“爆買い”した。ステルス戦闘機F35を大量購入し、トランプを喜ばせもした。陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」を購入する契約をしたはいいが、地上に配備できず、仕方なく艦船に載せるという“負の遺産”まで残した。
岸田元首相もバイデン米大統領に「国防費の相当な増額」を公約し、2022年に安保関連3文書に「GDP比2%」への拡大を盛り込んだ。岸田政権当時、FMSは1兆4000億円にまで膨張。安倍時の兵器ローンに加え、敵基地攻撃の手段として米国製長距離巡航ミサイル「トマホーク」400発の購入費用もかさんだ。
28日の日米首脳会談の際、トランプが高市に「米国からの戦闘機、ミサイルなどの調達に感謝する」と言ったのは、長年の米国からの兵器爆買いに、「日本はいいカモ」だと満足しているからだろう。
しかし、だ。「日本の防衛力を抜本的に強化する」と高市は言うが、どこにそんなカネがあるのか。今年度に前倒し達成するというGDP比2%だって、財源は未確定のままだ。たばこ税の引き上げと防衛特別法人税は来年4月から実施されるが、所得税増税は宙に浮いている。
この先、ドンドン国防予算を増やし、GDP比3.5%まで引き上げれば年間21兆円必要だし、NATO(北大西洋条約機構)基準の5%なら年30兆円規模まで膨らむことになる。今年度の一般会計歳出総額である115兆円の実に4分の1。そんな金額をどこから持ってくるのか。
喜々として「戦争長官」
「赤字国債をドンドン発行することになるのでしょう。そして福祉を切り捨てる。大増税ができるならやるけれど、国民の反発が大きいから、やはり国債。そのために財務相に片山氏を起用した。中長期の財政規律は守るけれど、目先の国債は問題にしない。『責任ある』ではなく『無責任な積極財政』ですよ。集団的自衛権の行使を容認した戦争法から10年。日米の軍事が完全に一体化しました」(法大名誉教授の五十嵐仁氏=政治学)
だから属国よろしく、米国は日本に対し、ますます言いたい放題。それはトランプやヘグセスだけじゃない。ベッセント財務長官は日本の金融政策に口をはさむ。28日もSNSで、日銀の利上げ容認を政府に求める投稿をしていた。もちろん、物価高抑制を考えれば日銀は早く利上げすべきなのだが、それを米国から促されるのは筋違いだ。中央銀行の独立性を無視して口を出すのはおかしい。
ところが、高市も片山も、ただただ米国にへつらうだけ。小泉に至っては、ヘグセスにスカジャンをプレゼントし、「戦争長官」と呼んで喜々としている。こんなフザケた政権が許されるのか。
「臨時国会で野党が真正面から追及する必要がある。ここで野党は存在価値を示さなければいけない。戦争準備、軍事大国化、財政規律違反、米国追随、国家主権の是非が問われる問題です。野党は正々堂々と論戦を挑んで、憲法を守るのか踏みにじるのか、与野党の違いを明確にしてもらいたい」(五十嵐仁氏=前出)
安倍や岸田の頃のように1強や過半数を持つ政権じゃないのだ。少数与党であり、法案も予算案も簡単に通らない。財源なき大軍拡を絶対に認めてはいけない。
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