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※紙面抜粋

※2025年11月7日 日刊ゲンダイ2面
その正体は安倍亡霊政権…この物価高で「アベノミクス再び」の狂気
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/380007
2025/11/07 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し

ノスタルジーにどっぷり(C)日刊ゲンダイ
経済財政諮問会議のメンバーに戦犯のリフレ派が入る驚愕。こうして日銀内の利上げ派を牽制し、バブルを膨らませるつもりだろうが、インフレで実質賃金が下がり続ける中、狂気の沙汰だ。円安を加速させ、バラマキ・手取り増でごまかす支離滅裂。
◇ ◇ ◇
「あの頃は良かった」と懐かしむには、まだ早過ぎやしないか。高市政権の発足から20日ほど。所信表明演説の随所に安倍元首相の好んだフレーズをちりばめたのをはじめ、高市首相のやることなすこと全てに安倍政権への郷愁が色濃くにじむ。
高市は言わずと知れた安倍の信奉者だ。憲政史上最長政権を築いた「安倍1強」時代は、輝かしい記憶に違いない。安倍路線の正統な継承者を印象づけることで、旧来の岩盤支持層に「あの栄光よ、もう一度」と“黄金時代”の再来を想起させたいのだろう。
そんなノスタルジーに浸れるのは安倍シンパのみだ。度が過ぎる同調圧力は混乱を招くだけである。その一例が「裏金官房副長官」への固執だ。
高市が党内の懸念を押し切り、旧安倍派の裏金参院議員・佐藤啓を官房副長官に起用した人事に、野党は猛反発。参院の議事に出席を認めないという異例の事態が長期化している。
6日の参院本会議での代表質問は前日に続き、佐藤の代理で衆院議員の尾崎正直官房副長官が陪席。高市は「国会運営に混乱を来すことになったことについて真摯におわび申し上げる」と再び陳謝に追われた。
高市と同じ奈良選出の佐藤はまだ46歳。高市の厳しい意見にも耐えられる「精神的安定剤」の役割を期待されているようだが、計306万円の裏金づくりが判明し、今夏の参院選は非改選で有権者の審判を受けていない。野党の反発も無理はなく、「みそぎ」なき裏金議員の重用はあり得ないのに、高市の肩入れは尋常ではないのだ。
心酔した者しか分かり合えない贖罪の意識
5日の参院代表質問では「若くて優秀な将来の日本を担うべき参院議員だ」「こうした有為の人材には、ぜひ再起の機会を与えていただき、与野党の先生方に育てていただきたい」とまで言ってのけ、とことん擁護。6日も「参院議員は非改選の期間が3年あることから、選挙を経なければ政務三役や党の役員に起用できないとなると、有為な人材の活躍の場を奪うことにもなりかねない」と強弁した。
問われているのは、佐藤の年齢や能力ではない。「政治とカネ」の問題に向き合う高市の姿勢だ。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。
「裏金づくりの『過去』と民意の洗礼を受けずに要職に抜擢した『現在』を棚上げし、将来を担う若手の『未来』の問題にスリ替える。『政治とカネ』の対応が不十分だからこそ公明党の連立離脱を招いたのに、異様な論点ずらしは反省ゼロです。襟を正す意識はみじんも感じられず、『政治とカネ』の感覚がマヒしているとしか思えません」
高市の見苦しいまでのえこひいきは、単に佐藤が若くて優秀な人材だからなのか。そこまで「精神安定剤」を欲しているのか。ひょっとすると佐藤と安倍との浅からぬ因縁が、高市を突き動かしているのかもしれない。
実は佐藤こそ、安倍の横死現場に居合わせた国会議員なのだ。2022年夏の参院選に出馬した佐藤の応援演説中、安倍は凶弾に倒れた。応援のための奈良入りは異例の2度目で、前日に急きょ決まったという。
佐藤は先月29日、安倍殺害犯である山上徹也被告の裁判員裁判の第2回公判に証人出廷。自身の応援演説中に銃撃されたことに「私のせいで安倍先生の命を失ってしまった。自責の念に堪えない」と悔やみ、「大変申し訳ない」と謝罪した。
高市自身、安倍の葬儀後に銃撃事件以来初めてツイッター(現X)を更新した際〈事件発生以来、殆ど眠れず、食事も吐いてしまい、両親を亡くした時にも経験しなかった心身衰弱状態でした〉とつづったほど、心酔した安倍の突然過ぎる死にさいなまれていた。佐藤とは安倍の信奉者同士にしか分かり合えない絆のようなもので共感しているのだろうか。
前出の五十嵐仁氏は「佐藤氏の続投に固執するのは安倍元首相への贖罪を果たそうという意識があるのではないか」と指摘した。そうなると高市の安倍回顧路線もガ然、オカルトじみてくる。
庶民生活を苦しめるオカルト積極財政

浅からぬ因縁(佐藤啓官房副長官)/(C)日刊ゲンダイ
そうでなくても佐藤は、21年に安倍を最高顧問、高市を顧問に据え、自民党内の積極財政派が発足させた「財政政策検討本部」のメンバーだ。他の参加者も片山さつき財務相、城内実経済財政相、古屋圭司選対委員長、萩生田光一幹事長代行とことごとく高市の人事によって官邸・閣内・党執行部の重職に起用された。
安倍の常套句「強い経済」を繰り返す高市の下、現政権の経済財政政策もアベノミクスの積極財政路線を踏襲。安倍亡霊政権という正体を隠そうともしない。その極め付きの驚愕人事が6日、「新聞辞令」で判明した。経済財政諮問会議の民間議員に積極財政論者で知られる早大教授の若田部昌澄氏を起用する方向で調整に入ったのだ。
経済学者の若田部氏は、大胆な金融緩和を提唱する「リフレ派」の代表的な論客である。18年から23年まで日銀の副総裁を務め、アベノミクスを推進。23年当時、円安進行への懸念を背景に浮上した2%物価目標の見直しに、日銀副総裁の立場で反対を表明していた。
「アベノミクスの手じまいを遅らせ、今に至る円安・物価高をもたらした“戦犯”とも言うべき人物です」と指摘するのは、経済評論家の斎藤満氏だ。こう続ける。
「高市政権は積極財政のリフレ派を結集させている印象です。こうして日銀内部の利上げ派を牽制し、金融緩和の円安政策を維持。日経平均株価5万円超に沸く高市トレードの株バブルを膨らませ、うわべだけの好景気を演出したいのでしょう。しかし、6日に公表された9月の毎月勤労統計でも実質賃金は前年同月比1.4%減と、実に9カ月連続のマイナス。円安がもたらす物価上昇のインフレに賃金の伸びが追いつかない状況が続いています。これだけ庶民がデフレ不況の“特効薬”と称されたアベノミクスの後遺症に悩まされる中、その“ジェネリック薬品”を処方するとは、正気の沙汰とは思えません」
国民に負担を求めるならまだマトモ
高市政権は円安抑制のインフレ退治に乗り出さず、亡霊に取りつかれたように「アベノミクスの夢よ、再び」。円安加速のインフレ促進に邁進するとは支離滅裂のオカルト積極財政だ。イカれた政権の物価高対策にダマされてはいけない。
すでにガソリン税の暫定税率は12月末の廃止で与野党が合意し、所得税の非課税枠160万円の「年収の壁」についても、高市は「物価に連動した形でさらに引き上げる」と意欲を見せている。円安放置をバラマキ・手取り増でごまかす魂胆で、いずれも代替財源の確保は先送りだ。
前出の斎藤満氏はこう言った。
「加えて防衛費のGDP比2%への増額を今年度中に前倒しし、先日の日米首脳会談ではさらなる増額を口約束しました。これでは積極財政というよりも、無軌道な大盤振る舞い。その財源は赤字国債に頼らざるを得ず、近い将来の増税で穴埋めする気なら、まだマトモです。少数与党下の高市政権は右派ポピュリズムに活路を見いだし、国民に負担を求めるのは避けたがる。恐らく安倍政権と同じように、日銀に国債の買い入れ枠を再び強化するよう圧力をかけるつもりでしょう。事実上の財政ファイナンスという“禁じ手”に踏み込めば、もう歯止めが利かず、財政破綻リスクは増すばかりです」
今こそメディアは亡霊退散を呼びかけるべきなのに、その背後にも安倍への郷愁がチラつく。日米首脳会談でハシャぎ回った高市の姿に「ドナルド」「シンゾー」の蜜月を重ね合わせ、「大成功」と礼賛する始末だ。
オカルティズムに染まった国の未来は絶望的だ。それでも高市は「信じる者は救われる」とでも言うのだろうか。
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