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※紙面抜粋

※2026年1月5日 日刊ゲンダイ2面
米国の蛮行に沈黙でいいのか 「法の支配」を要求しない高市政権のダブルスタンダード
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/382412
2026/01/05 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し

国際法を無視して電撃侵攻(右は、移送されるベネズエラのマドゥロ大統)/(C)ロイター=共同
国際法を無視した米国のベネズエラへの武力行使、政権転覆に沈黙の西側諸国の情けなさ。中でも、高市政権は今後もトランプ隷従を続けるのか。都合のいいときだけ国際法を持ち出す身勝手と場当たりに外交理念が果たしてあるのか。
◇ ◇ ◇
2026年、世界はどうなってしまうのか。年明け早々、国際社会に激震が走っている。
1月3日、アメリカが南米ベネズエラに電撃侵攻し、マドゥロ大統領を拘束してしまった。ベネズエラへの軍事侵攻は大規模で綿密なものだった。
作戦名は「絶対的決意」。米軍と情報機関が数カ月前から、マドゥロの滞在場所や移動手段、食事内容、服装、ペットにいたるまで個人情報を入念に調べ上げた。
わざわざ、マドゥロの邸宅とほぼ同じ模型まで建設し、突入訓練を繰り返したという。
当日は、戦闘機や爆撃機など150機以上の米軍機が参戦し、ベネズエラの空軍基地などを次々に空爆。深夜だったベネズエラは停電し、真っ暗になったという。
暗闇のなか、米陸軍の特殊部隊デルタフォースがヘリコプターで大統領邸に乗り込み、就寝中だった大統領と夫人を拘束。
拘束された大統領は、そのままニューヨークに移送され、ブルックリンの拘置所に収容された。この拘置所は、老朽化が著しく、不衛生で安全性に欠けると悪名が高いという。マドゥロは、裁判にかけられ、終身刑が下される可能性が高いとみられている。
しかし、たとえマドゥロが独裁者だとしても、主権国家に軍事侵攻し、一国のトップを連れ去るなんて、こんな乱暴なことが許されるのだろうか。
しかも、トランプ米大統領は「安全かつ賢明な政権移行が実現するまで、アメリカがベネズエラを運営する」「ベネズエラが我々に協力しない場合は再攻撃する」と会見で語っているのだから、ムチャクチャもいいところだ。ほとんど属国扱いである。
なぜ、アメリカはこんな乱暴なことをやったのか。表向きは「麻薬対策」となっている。アメリカは、麻薬密輸などの罪でマドゥロを起訴し、5000万ドル(約78億円)の懸賞金もかけていた。
しかし、本当の狙いが、世界最大の埋蔵量を誇るベネズエラの原油にあったのは間違いない。その証拠に、トランプ大統領はマドゥロ拘束後、テレビインタビューで「私たちはベネズエラの石油産業に強く関与していくつもりだ」と答えている。
もはや、ベネズエラへの軍事攻撃が、国際法に抵触するのは明らかなのではないか。元外務省国際情報局長の孫崎享氏がこう言う。
「基本的に他国への武力行使は国際法で禁じられています。そのうえで国連憲章は、武力行使を認める場合も厳しい条件をつけている。安保理の決議を伴う軍事措置か、自衛権の行使のみを認めている。今回のアメリカの武力行使は、当てはまらないでしょう」
19世紀の帝国主義の時代に逆戻り
他国に侵攻して資源を奪うなど、アメリカのやっていることは、ほとんど19世紀の帝国主義、植民地支配と変わらない。いますぐブレーキをかけないと、国際社会は大変なことになる。
ベネズエラへの武力行使は、思いつきではないからだ。
昨年12月、トランプ政権は「国家安全保障戦略」を発表し、中南米を含む「西半球」への対応を重視する外交方針を打ち出した。西半球での権益確保を「中核的国益」の筆頭に掲げている。
アメリカは世界に介入せず、南北アメリカの縄張りを守るという19世紀の「モンロー主義」への回帰を唱え、アメリカは西半球で「卓越した地位」を保たなければならないと宣言している。
今回のベネズエラ攻撃は「国家安全保障戦略」を有言実行した形だ。
トランプは、3日の会見でも「西半球におけるアメリカの優位性が再び疑問視されることは決してない」と強調している。
それだけに、このままベネズエラ侵攻を国際社会が黙認したら、トランプ政権は「成功体験」として、味を占め、次の軍事行動にでかねない。
そうなったら、1945年以降、国際社会が築いてきた「法の支配」や、ルールに基づく「国際秩序」は崩壊してしまうのではないか。「国際法」より、「軍事力」が幅をきかせる時代に突入する恐れがある。
最悪なのは、ロシアや中国といった強権国家が、アメリカのあとにつづく可能性があることだ。
米共和党のドン・ベーコン下院議員も「ロシアと中国が、ウクライナに対する軍事行動や台湾侵攻を正当化するために利用するのではないか」と懸念している。
実際、アメリカが西半球を縄張りと考えるなら、ロシアが欧州を、中国がアジアを、それぞれ勢力圏と考えてもおかしくない。
「これまでのアメリカは、イラクやアフガニスタンに武力行使した時も、国連で審議するなど、国際社会の理解を得ようとしていました。ところが、ベネズエラ攻撃では、国際的なコンセンサスを無視している。石油資源を確保するという、自分たちの経済的利益も隠さない。もはや、武力行使する時の大義名分は、どうでもいいという感じです。このままでは、最悪、国際社会は19世紀の帝国主義時代に逆戻りしてしまいます」(孫崎享氏=前出)
なぜ、アメリカに「法の支配」を突きつけないのか

「法の支配」も二重基準(C)日刊ゲンダイ
信じがたいのは、目の前でアメリカが国際法を無視した武力行使をしているのに、西側諸国が沈黙していることだ。
国連のグテレス事務総長が「国際法の規範が尊重されていないことを深く懸念する」と表明し、メキシコや南アフリカといったサウス諸国が「一方的な軍事行動を強く非難する」「国連憲章に違反している」とアメリカを批判しているのに、英、独、仏の首脳は、アメリカの武力行使が正当なのか、評価を避けているのだから、どうしようもない。
情けないのは、日本の高市首相も同じだ。二言目には「法の支配」を口にしているくせに、アメリカが国際法を破っても、批判しようとしない。
まさか、アメリカの軍事侵攻を“正当”だと思っているのか。中国に対しては「法の支配」を突きつけていたのに、アメリカに「法の支配」を要求しないのは、ダブルスタンダードもいいところなのではないか。
法の支配を踏みにじったアメリカを批判しないのなら、二度と「法の支配」や「力による現状変更を許さない」などと口にしないことだ。
都合のいい時だけ「法の支配」を持ち出す高市に、外交理念があるのだろうか。
立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)がこう言う。
「そもそも、国家主義者の高市首相には、トランプ大統領と同じく『法の支配』を大事にするという発想がないのではないか。高市首相がアメリカを批判しないのは、トランプ大統領に逆らったら、どんな逆襲を受けるか分からないと恐れているからでしょう。アメリカに従っていれば、日本は安泰という気持ちなのだと思う。しかし、アメリカに従属していれば安泰という時代が、この先もつづくのかどうか。国力が落ち、モンロー主義に回帰しようとしているアメリカは、ディールが成り立つなら、いつ、世界を米中の2カ国で分け合ったり、米中ロといった大国で支配するという路線に舵を切っても不思議はない。アメリカだけを見ていたら、日本はハシゴを外される恐れがありますよ」
このまま、アメリカのベネズエラ侵攻を黙認していていいのか。「法の支配」は音を立てて崩れていきかねない。
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