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中東安定のためにイスラエルがイランを空爆(田中宇)イランの核と軍事力を抑え込む作戦が続く
http://www.asyura2.com/25/warb26/msg/196.html
投稿者 てんさい(い) 日時 2025 年 6 月 14 日 11:49:17: KqrEdYmDwf7cM gsSC8YKzgqKBaYKigWo
 

田中宇の国際ニュース解説 無料版 2025年6月13日 https://tanakanews.com/

■要約 Perplexity AI

イスラエルは2025年6月、中東安定化の名目のもとイランの軍事施設や軍幹部・専門家の居宅などを空爆し始めた。この攻撃は今後も続き、イランの軍事力削減を狙うものだが、イランの核施設は民生用であり、核兵器開発の証拠はない。イスラエルの空爆は、イランが米国の制裁解除後に強くなり過ぎないよう抑え込む意図もある。

昨年、イスラエルはレバノンのヒズボラを壊滅させており、今回も同様の目的でイランを標的とする。しかし、イランを完全に壊滅させる意図はなく、米国のトランプ政権はイランとの核合意と和解を模索している。イスラエルはその流れを邪魔するための攻撃ではなく、イランが強くなってもイスラエルに立ち向かえないよう弱体化させるのが狙いだ。

両国は報復合戦を繰り返すが、大規模な戦争には発展しにくく、「冷たい和平」状態が続く。イランはイスラエルの攻撃をある程度黙認し、最低限の反撃にとどめる傾向。こうした動きは、米国覇権の衰退と中東の多極化を背景に、イスラエルやサウジ、トルコ、イランが地域覇権を分け合う新秩序の構築に向かっている。イスラエルの行動は人権や国際法上問題視されるが、現実の中東では力による安定化が優先されている。


■全文

6月13日、イスラエルがイランを空爆し始めた。原子力と軍事の施設のほか、イランの軍幹部や原子力・軍事の専門家の居宅などを空爆したようだ。
イスラエルは、これから空爆を何日も続けると言っている。軍事関係の人材や施設を爆殺・破壊する空爆を繰り返し、イランの軍事力を削ぐ作戦だろう。

イランは核兵器開発しておらず、米欧イスラエルに濡れ衣をかけられているだけだ。イランの核施設は医療用アイソトープ製造など民生用だ。だから核施設でなく原子力施設。イスラエルの空爆の主な標的はイランの軍事資産であり、原子力施設への空爆は象徴だけの濡れ衣劇の一環だ。

https://tanakanews.com/090927iran.php
歪曲続くイラン核問題

イスラエルは昨年11-12月に、レバノンをピンポイント空爆し続け、強い力を持っていたイラン傘下のシーア派民兵団ヒズボラの幹部の大半を殺し、兵器庫の多くを破壊した。ヒズボラは壊滅し、レバノンは反イスラエルから中立(親米)な国に転換した。今回のイスラエルのイラン攻撃は、あのヒズボラ攻撃と同じ趣旨と思われる。

https://tanakanews.com/250412iran.htm
イランと和解するトランプ

イスラエルは、昨年ヒズボラを壊滅させたが、今回イランを壊滅させるところまではやらないだろう。トランプの米国は、イランと核合意を結んで和解しようとしている。
イスラエルは、トランプとイランの和解を邪魔するために空爆したのでない。イランがこれから米国から許され、制裁を解かれて強い国に戻っていく前に、イスラエルがイランの軍事資産を空爆で破壊して弱体化させ、イランが強くなってもイスラエルに立ち向かってこないようにする。それが今回の空爆の趣旨だ。

https://www.zerohedge.com/geopolitical/iran-expected-reject-what-us-calls-acceptable-nuke-deal-proposal
Trump Will Allow Iran To Enrich Uranium In 'Acceptable' Nuke Deal Proposal

イランは数日内にイスラエルを報復攻撃しそうだ。イランとイスラエルが相互に報復攻撃を繰り返し、中東が大戦争になっていく・・・。そのようなシナリオが語られがちだが、それは多分違う。
イランとイスラエルは昨年から何度も相互に報復攻撃し合ってきたが、毎回、相互の攻撃は、大戦争とか潰し合いとは逆方向の、尻すぼみになっている。

https://tanakanews.com/240420israel.htm
イランとイスラエルの冷たい和平

イスラエルは、トランプの再選が事実上内定した2023年夏以来、米国の諜報力を自由に借用して中東での覇権と軍事力を急速に強めた。イスラエルは、そのちからを使ってパレスチナ抹消のガザ戦争や、イランとその傘下勢力(レバノンのヒズボラ、シリアのアサド)の破壊へと動き出した。

https://tanakanews.com/241217israel.php
シリア新政権はイスラエルの傀儡

イスラエルはイランを何度も空爆したが、イランはある程度やられるがままになっている。イスラエルの台頭は多極化(米覇権解体)の一環であり、ロシアも中国も米国もサウジも、それを認めている。イランだけが拒否・抵抗してもうまくいかない。
だからイランは昨年来、イスラエルに攻撃されても、最低限の国家の尊厳・面子を維持するための反撃をするだけで、イスラエルの横暴をかなり黙認している。

https://tanakanews.com/241002iran.htm
ヒズボラやイランの負け

昨年末、イランの傘下にいたシリアのアサド政権が、イスラエル傀儡のアルカイダ系勢力HTSによって政権転覆されたが、イランはイスラエルに復讐するどころか、イスラエル傀儡のHTS(シャラア)のシリア新政権にヘラヘラ接近している。イランは、イスラエルの中東覇権拡大を黙認している。
その延長で考えると、イランは今回も、おざなりの反撃しかしないと予測される(すごい反撃だと誇張して報道されるかもしれないが)。

https://responsiblestatecraft.org/syria-iran-2672224562/
Iran struggling for relevance in post-Assad Syria

イランが本気でイスラエルに対抗するなら、傘下のヒズボラやアサドが潰される前にテコ入れし、中東大戦争になったはずだ(そしてイランの政体は潰れていた)。イランは、その道を選ばず、イスラエルの覇権が拡大し、その代わり米欧の覇権が低下する新しい中東体制の中で生きていくことにした。

https://korybko.substack.com/p/the-taliban-is-back-in-the-international
The Taliban Is Back In The International Spotlight

イランがイスラエルの中東覇権拡大を認めて「いい子」にしていると、トランプがイラン制裁を解除してくれる。イランは国際社会での自由行動を認められ、多極化した世界の中で再台頭していける。イスラエルとの関係も、冷たい和平で安定していく。
最近、アフガニスタンのタリバン政権が中露印との親密度を増しているが、その動きにはイランも入っている。これはイランの台頭を象徴している。
イランは、イスラエル、トルコ、サウジと並ぶ、中東の地域覇権国の一つになりつつある。その前段階として、イスラエルがイランを空爆してイスラエルにとって「強すぎない」ように弱め、トランプがイラン制裁を解除していく。

https://responsiblestatecraft.org/morgan-ortagus-fired/
Another one bites the dust: Iran hawks disappearing from admin

トランプはイラン空爆に反対したが、ネタニヤフが反対を押し切って勝手に空爆を挙行した。米イスラエルの関係は悪化した、などと言われがちだが、これらも間違いだ。
トランプは多極派なので中東を支配しようとせず、イスラエルの中東覇権拡大を純粋に(米国のためでなくイスラエルのために)支援している。
もう中東は米国(や英仏)のものでなく、イスラエルやサウジやトルコ(やイラン)のものだ。イスラエルは、勝手にやって良い。トランプは多極派(覇権放棄屋)なので、そう考えている。

https://original.antiwar.com/James-Carden/2025/05/29/the-vance-doctrine/
The Vance Doctrine

米軍は、今後もシリアに駐留し続ける。それはトランプが中東覇権に固執している証拠じゃないか、と言う人がいそうだ。しかし、それも違う。
トランプは(イスラエル傀儡の)シリアのHTSシャラア政権に頼まれたので、米軍をシリアに置き続ける(兵力数は半減して千人に)。トランプ自身はシリアから撤兵したいが、ほかでもないイスラエルの希望なので、駐留し続ける。何年かしてシリアが安定したら撤兵を許される。トランプは、多極派であるがゆえに、中東の覇権国の一つになったイスラエルの希望をかなえてやる。

https://news.antiwar.com/2025/05/30/saudi-arabia-urges-iran-to-reach-nuclear-deal-with-us-or-risk-israeli-attack/
Saudi Arabia Urges Iran to Reach Nuclear Deal With US or Risk Israeli Attack

イスラエルは、自国流の中東安定化のために、イランを空爆し、ガザで何十万人も虐殺・餓死させ、アサドとヒズボラを潰した。
イスラエルがやる気なら、イランやサウジやトルコの政権も転覆できるが、そこまではやらないことにした(今のところ)。サウジの独裁皇太子MbSなどは、アサドみたいに転覆されたくないので、口でパレスチナ支持を言うだけで、イスラエルのガザ虐殺を黙認している。

https://www.timesofisrael.com/huckabee-slams-french-push-for-palestinian-state-carve-it-out-of-the-riviera/
Huckabee slams French push for Palestinian state: ‘Carve it out of the French Riviera’

敵性勢力を好き放題に転覆・虐殺すれば、事態は「安定化」する。そんなの間違ってるぞ、と欧米日の「市民」たち(うっかり何とか)は言う。確かに(リベラル英覇権の従来価値観からすると)人権無視で「間違って」いる。しかし、それが今後の世界だ。
「市民」たちは、船でガザに行こうとしてイスラエルに阻止されて強制送還されて「むくれる」(英諜報傘下の)グレタ・トゥーンベリのように、むくれることしかできない。
人為説のインチキも認めないまま、温暖化問題を静かに離れ、虐殺犯イスラエルけしからんと叫び、うまくいかなくてむくれている。



この記事はウェブサイトにも載せました。
https://tanakanews.com/250613iran.htm
 

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コメント
1. воробей[1263] hHKEgISChICEcYR1hHo 2025年6月14日 12:56:21 : Ip0uVvnnrI : bk5SazYwbnlQZm8=[740] 報告
<■175行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
Strikes on Iran: Will Israel push the Middle East into the abyss?
(イランへの攻撃:イスラエルは中東を奈落の底に突き落とすのか?)
The escalation aimed at crippling more than infrastructure – it undermines the very concept of diplomatic resolution
(このエスカレーションはインフラの破壊を狙ったものではなく、外交的解決という概念そのものを揺るがすものだ。)

ムラド・サディグザーデ、中東研究センター所長、HSE大学(モスクワ)客員講師。
https://www.rt.com/news/619154-israel-iran-war-abyss/


中東上空に暗雲が急速に立ち込めており、その最新のエスカレーションの震源地は、イスラエルとイランの対立の激化にある。数十年にわたり暗雲の中でくすぶっていた紛争が、今や公然の、そして一見不可逆的な局面へと突入した。6月13日未明、イスラエルは大規模な軍事作戦を開始し、200機以上の戦闘機を投入した前例のない空爆作戦を遂行した。イラン領内の100以上の標的をほぼ同時に波状攻撃した。

攻撃は首都テヘランと聖地コムから、ケルマーンシャーとハマダンの工業地帯に至るまで、重要地域に及んだ。イスラエル国防軍(IDF)によると、攻撃は戦略目標のみを狙ったものだった。すなわち、イランの核開発計画に関連する部品やインフラ、弾道ミサイル製造施設、兵站拠点、そしてイスラム革命防衛隊(IRGC)の司令部である。イスラエルはこの作戦を、自国の技術的優位性を示すだけでなく、イランがもたらすと認識される脅威に対峙し、封じ込めようとする揺るぎない政治的意思を示すものと位置付けている。

この被害は、1980年代のイラン・イラク戦争以来、イランが被った最悪の事態とみられる。確認された犠牲者の中には、イランの軍・科学エリート層の高官が複数名含まれている。IRGC司令官のホセイン・サラミ氏、軍参謀総長のモハンマド・バゲリ氏、そして主要な軍事インフラプロジェクトを監督したゴラム=アリ・ラシード将軍などだ。テヘランでは、これらの損失は戦略的ショックと表現されている。さらに、イラン原子力機構の元長官フェレイドゥーン・アバシ=ダヴァニ氏を含む著名な核科学者に加え、イランの核開発計画に関与していた少なくとも6人の主要人物が殺害されたとの報道もある。

イラン領土の奥深くまで到達したイスラエルの大規模空爆を受け、最高指導者アヤトラ・アリー・ハメネイ師はイラン軍司令部の最高レベルで緊急人事異動を開始した。イラン情報機関に近いメディア「ヌール・ニュース」によると、ハビボッラー・サヤリ少将が軍参謀総長代行に任命され、アフマド・ヴァヒディ将軍がIRGCの新司令官に任命された。

一方、イラン赤新月社は、イスラエルの攻撃が主要8州にまたがる60か所以上に被害を与えたと報告した。現在、134の救助隊と669名の隊員が現地で活動し、テヘラン、東アゼルバイジャン、西アゼルバイジャン、エスファハーン、イラム、ケルマーンシャー、マルカズィー、ハマダーン、フーゼスターン、クルディスタンなどの州で支援活動を行っている。被害の全容と人道的影響は現在も調査中である。

国民に向けたテレビ演説で、アヤトラ・ハメネイ師はイスラエルの行動を最も強い言葉で非難し、今回の攻撃を戦争犯罪と断じた。彼はイスラエルが「苦く恐ろしい運命」に直面していると警告し、イランの対応が強硬なものとなり、長期化する可能性もあることを明確に示唆した。

政治的な余波はすでに現れ始めている。イラン議会の国家安全保障・外交政策委員会の委員であるアラエディン・ボロジェルディ氏は、イランと米国の間で予定されていた第6回核交渉が中止されたと発表した。同氏によると、イスラエルの侵略を受けて、従来の枠組みの下での更なる対話は不可能になったという。

イスラエルは作戦の規模を隠そうとはせず、逆にそれを歴史的に重要な象徴的な行為として位置づけた。

ベンヤミン・ネタニヤフ首相はテレビ演説で、今回の出来事を「新たな時代の幕開け」と呼び、イスラエルはもはや恐怖に囚われることはないと強調した。首相はこの作戦を「光と闇の戦い」と表現し、地域紛争の域を超え、存亡をかけた闘争へと高めた。

このキャンペーンには「アム・ケ・ラヴィ(獅子のような国家)」というコードネームが付けられました。これは、聖書の民数記にある「雌獅子のように立ち上がり、獅子のように立ち上がる」という一節に由来しています。このイメージの選択は偶然ではありません。これは国内動員の手段として、そして国際社会への明確なメッセージとして機能したのです。イスラエルは外交的期待や国際世論に左右されることなく、断固とした行動をとる用意があるのです。

ヘルツィ・ハレヴィ参謀総長は、この作戦はイスラエル国防機関の主要部門全てを巻き込んだ綿密かつ多層的な計画の成果であると明言した。ハレヴィ氏によれば、これは衝動的な反応ではなく、イランがいかなる形態であれ核能力を獲得することを阻止するための戦略ドクトリンの意図的な実行だったという。

この劇的で広範囲に及ぶエスカレーションを受けて、根本的な疑問が浮かび上がる。これは大国を巻き込んだ世界規模の紛争の幕開けとなるのか、それとも中東でよくあるように、攻撃、声明、そして一時的な小休止というお馴染みのパターンに逆戻りしてしまうのか。答えは依然として不透明だ。しかし、この地域が近代史における新たな、そしてはるかに危険な一章に入りつつあることは明らかだ。

これは突然の爆発でも、単一の挑発に対する反応でもなかった。むしろ、政治的駆け引き、脅迫、そして外交上の決裂によって先鋭化した、数ヶ月にわたる緊張の高まりを、綿密に計画された形で頂点へと押し上げたものだった。アナリストたちは6月という早い段階で、イスラエル軍司令部内での軍事活動の活発化に既に気づいていた。軍の移動、情報漏洩、そしてイランによるIAEAへの継続的な反抗は、大規模な作戦が差し迫っているという印象を与えていた。同時に、ガザでの失敗、国内の抗議活動、司法改革をめぐる混乱といったイスラエル国内の不満の高まりが、ネタニヤフ首相を決断へと駆り立てた。彼は厳しい選択を迫られた。防御的に撤退するか、主導権を握るかだ。

熟練した政治戦略家であるネタニヤフ首相は、脅威を機会に変える能力を長年発揮してきた。彼の行動は衝動的になることは稀で、時に必死になることはあっても、計算されたものだ。イランへの攻撃は単なる軍事行動以上のものだった。それは国家のナラティブをリセットし、外部からの脅威というレンズを通して主導権を再び確立しようとする試みだった。多くのイスラエル国民の目に、ネタニヤフ首相は再び国家の守護者、人気取りではなく生き残りをかけて行動する戦略的指導者へと変貌した。これは外交政策上の策略にとどまらず、国内情勢の不安定化から人々の目を逸らし、国民の結束を再構築するための国内政策上の策略でもあった。

しかし、利害関係は国内政治をはるかに超えている。イスラエルは単にイランの核インフラの一部を無力化しようとしているのではない。外交的解決という概念そのものを揺るがそうとしているのだ。米イラン関係の融和は、たとえ理論的なものであっても、ワシントンにとって不可欠な中東同盟国としてのイスラエルの立場を弱めることになるだろう。こうした文脈において、今回の攻撃はテヘランへの打撃であるだけでなく、新たな核合意の復活に対する打撃でもあった。論理は明快だ。交渉を無意味にするためには、敵を無力化する必要がある。弱体化し、動揺し、内部的に麻痺したイランこそ、ネタニヤフ首相がまさに望む敵対者なのだ。安全保障を確保するだけでなく、イスラエルの地域における戦略的優位性を維持するためにも。

しかし、この戦略には危険な裏側が伴う。イランの対応は非対称的で、時間を要するものになる可能性が高い。テヘランにとって全面戦争はすぐには選択できないかもしれないが、沈黙という選択肢もない。ドローンはすでに配備されているが、これはほんの始まりに過ぎない。真の脅威は直接ではなく、イランの広範な地域同盟国ネットワークを通じてもたらされるかもしれない。レバノンのヒズボラ、イラクのシーア派民兵、イエメンのフーシ派など、これらの勢力は既に深刻な被害を与える能力を証明しており、特にイスラエルの防衛体制が複数の戦線によって同時に脆弱になっている状況ではなおさらだ。

国際的な反応は依然として極めて重要だ。イスラエルの攻撃によってイラン国内で多数の民間人が犠牲になった場合、国際社会の感情は急速に変化する可能性がある。世界は急いでテヘランを支持することはないかもしれないが、特に欧州において、イスラエルへの同情は急速に薄れていく可能性がある。イスラエルの最も近い同盟国である米国でさえ、イスラエルへの長年のコミットメントと、紛争の拡大を警戒する自国国民からの高まる圧力の間で板挟みになり、不安定な立場に立たされる可能性がある。イランが自国の対応を侵略ではなく正当な自衛と位置付けることができれば、国際社会の同情の均衡は崩れ始める可能性がある。

計算された抑止力としての攻撃だったかもしれないものが、今や新たな予測不可能な現実の引き金となっている。世界は崖っぷちに立たされており、次の一手の一つ一つが取り返しのつかない結果を招く可能性がある。長らく慢性的な不安定さを特徴としてきた地域は、今や公然たる組織的紛争に陥る危機に瀕している。イスラエルは武力による支配維持を目指すかもしれないが、イランはより長期的で戦略的な戦略を選択するかもしれない。それは、地域同盟、経済の回復力、そしてイスラエルの外交的地位の緩やかな低下に依拠する戦略である。

米国はますます困難な立場に立たされている。一方では、イスラエルとの同盟は依然として米国の中東政策の要である。他方では、中国との緊張の高まり、ウクライナへの継続的な支援、そして国内の政情不安といった状況下で、新たな地域的紛争への関与は、米国にとってまさに避けたい事態である。トランプ政権は今、微妙な綱渡りを強いられている。それは、地域における戦略的影響力を維持しながら、より深く関与することによる物質的および評判上のコストを回避するという、極めて微妙な綱渡りの課題に直面しているのだ。

同時に、イスラエルの攻撃はドナルド・トランプ氏に予期せぬ政治的打撃を与えた。かつてトランプ氏の最も声高な国際的同盟者の一人であったネタニヤフ首相は、ここ数ヶ月、より独自の行動を取り始めており、時にはトランプ氏の意向と真っ向から対立する行動も見せている。ガザでの緊張緩和を求める声を無視し、紛争をイランに拡大させたことで、テヘランとワシントン間の核交渉再開の見通しは事実上、完全に打ち砕かれた。こうした動きは、両首脳間の冷え込みが顕著になる中で展開されている。ネタニヤフ首相は紛争を激化させることで、米国中間選挙を前にトランプ氏から外交政策上の重要な影響力を奪い、平和推進者であり熟練した交渉者というトランプ氏のイメージを損なっている。

密室では、これは計算高い「善玉警官、悪玉警官」の駆け引きではないかと推測する声もある。イスラエルが強硬な攻撃を仕掛ける一方、米国は表面上は不介入を貫き、イランに妥協を迫る圧力をかけることを期待しているのだ。しかし、より妥当で、かつ懸念すべき解釈が広まりつつある。それは、トランプ大統領とネタニヤフ首相の信頼関係が崩れつつあり、米国は真に攻撃に反対していたというものだ。これはイランにとって有利に働くだろう。5000年の歴史を持つ国家の伝統に根ざしたイランは、長期的な戦略と忍耐強い計算には慣れている。

何よりも、世界は今、戦略的絶望のスパイラルに陥っている。イスラエルは包囲された要塞のような意識から行動し、イランは存亡の危機と深まる孤立感から行動している。理性は抑制を要求するが、歴史が示すように、恐怖、プライド、そして野心が支配すると、理性はしばしばその力を失う。これはもはや単なるロケット弾とレトリックの戦いではない。シンボル、アイデンティティ、そして地政学的な不安の衝突なのだ。そして、それこそが、これまでのどの章よりも危険な状況を生み出しているのだ。

中東の安定の未来は一糸乱れぬ危機に瀕している。今重要なのは、イランやイスラエルが次に何をするかだけでなく、世界の主要国が、広がる火を鎮めるために行動を起こすかどうかだ。もしこの火が地域の境界線を越えれば、「予期せぬ事態だ」と言える者は誰もいないだろう。

2. カミー[2092] g0qDfoFb 2025年6月14日 17:49:10 : VD4ii5VLrc : LkNtNWhSVENTRS4=[2817] 報告
悠長な投稿に驚いています、これまさか日本政府の発言ではないでしょうね(笑)。日本は逆噴射しており、イスラエルと共にあり、ウクライナと共にあるのです、そんな事を国民が許したでしょうか、つまり国会承認を得ての行動でしょうか。ネタニアフもゼレンスキーも今戦争を止めたら自分の身に危険が及ぶので戦争をやめられないのです。逆に言えば二人を始末すれば戦争は終わると想像します。犠牲をする無くするにはそれが今一番の選択肢ではないでしょうか。
3. 新共産主義クラブ[-10398] kFaLpI5ZjuWLYINOg4mDdQ 2025年6月14日 18:37:46 : 9trJjK4XQg :TOR UGcwckVHVjFpM1U=[12] 報告
>>2 「カミー」さん
>日本は逆噴射しており、イスラエルと共にあり、
 

 ご参考まで。
 

◆ 【速報】岩屋外相、イスラエルのイラン攻撃強く非難
(2025年06月13日 14時04分 共同通信)

 岩屋毅外相は13日の記者会見で、イスラエルによるイランへの攻撃に関し「軍事的手段が用いられたことは極めて遺憾だ。事態をエスカレートする行動を強く非難する」と述べた。

https://www.47news.jp/12716715.html
 


4. 岩宿[594] iuKPaA 2025年6月14日 23:08:58 : hG1WHy76UM : RVJZTDE0UEpnMC4=[4] 報告
イスラエルがイランと戦うなら、今しかない。今のイスラエルなら、イラクの核施設や軍事施設をたたくことができる。イランはそのようなイスラエルの覚悟を理解してして全面戦争をすることになるだろう。

この戦争は長期化する。少なくとも、今までとは違う。

5. バカは所詮バカ[29] g2@DSoLNj4qRRoNvg0o 2025年6月15日 03:16:21 : b1mwxDih6Q : ZWtmWXNrNTVCcC4=[1] 報告
奥さんのヒモで悠長に暮らしている田中宇は相変わらず能天気。働かなくてもいいので自分の頭の中で世界を解説しようとする。
6. 岩宿[595] iuKPaA 2025年6月15日 08:18:26 : hG1WHy76UM : RVJZTDE0UEpnMC4=[5] 報告
真相は?


イスラエルがイランを攻撃・いま言えること

https://www.youtube.com/watch?v=V4xqwh65H6o&t=2s

7. 楽老[5936] inmYVg 2025年6月15日 09:02:59 : BOk6mbQWFk : M0VzdzM0ajlEbjY=[392] 報告
>>3.

イスラエル大使を呼びつけて抗議したのなら別だが、通り一遍の声明にどんな意義があるのだろうか❓
精々がイスラエル支持の隠れ蓑に過ぎない。

>>5.

わたしは田中宇の見立ては妥当だと思う。
欧州はEUに、東欧はロシアに、中東はイスラエルに任せるのがトランプの戦略であり、21世紀のモンロー足らんとしているようだ。

世の中は勝てば官軍。これは変わらない。

    

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