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米政権はキューバへの石油供給を断とうとしているが、イランでは窮地に陥った
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202602020000/
2026.02.02 櫻井ジャーナル
ドナルド・トランプ米大統領はキューバに石油を供給する国に対して一律に関税を課すと宣言、ベネズエラからの石油供給が途絶えたキューバでは燃料不足が深刻化しているようだが、その一方でアメリカも窮地に陥っている。
1991年12月にソ連が消滅した直後からアメリカの軍事や外交をコントロールしてきたネオコンは世界征服プロジェクトを作成、2001年9月11日に引き起こされたニューヨークの世界貿易センターやバージニア州アーリントンの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)への攻撃を切っ掛けにしてプロジェクトは始動したのだが、2003年3月のイラクへの先制攻撃以来、計算間違いの連続。アメリカが衰退する速度ははやまっている。
その後、例えばジョージアのミヘイル・サーカシビリ政権は2008年8月、北京で夏季オリンピックが開催されるタイミングで南オセチアを奇襲攻撃、ロシア軍の反撃でジョージア軍は完敗した。そのジージア軍に兵器を供与、兵士を訓練していたのはイスラエルとアメリカであり、事実上、この両国の戦争だった。ネオコンの対ロシア戦争はここから始まるとも言える。
ところで、ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領は今年1月3日、アメリカ陸軍の特殊部隊デルタ・フォースによって拉致され、デルシー・ロドリゲス副大統領が大統領代行に就任した。
トランプ政権はロドリゲス大統領代行に対し、中国、ロシア、イラン、キューバとの経済関係を断絶し、ベネズエラの石油はアメリカが独占的に扱うと宣言したというが、ロドリゲスはアメリカの指示に従うつもりはないと発言している。その発言が事実かどうかはキューバへ石油を供給するかどうかでわかるだろう。
デルタ・フォースがベネズエラでマドゥロを誘拐する前からトランプ政権のマルコ・ルビオ国務長官はキューバの体制転覆を望んでいると言われていた。その望みをトランプ大統領は実現しようとしている。
トランプ政権はマドゥロ大統領を誘拐する際、ベネズエラの麻薬取引を理由に挙げたが、これが作り話だということは本ブログでも書いてきた。
CIAや巨大金融機関のパートナーでもある麻薬業者に対し、アメリカの歴代政権は寛容な姿勢を示してきた。トランプ政権の場合、フアン・オルランド・エルナンデス元ホンジュラス大統領(2014年1月から22年1月)。
エルナンデスは兄のトニー・エルナンデスやポルフィリオ・ロボ・ソサ元大統領(2010年1月から14年1月)を含む人びとと共謀して麻薬を取り引きし、政治権力を維持、強化したとされている。エルナンデスは2021年1月に終身刑を宣告され、22年4月21日にアメリカへ引き渡された。
エルナンデスのアメリカにおける裁判は2024年2月にニューヨーク市で始まり、3月に有罪判決が出て、6月に懲役45年が言い渡されたのだが、25年11月、ホンジュラスにおける大統領選挙の直前にトランプ大統領はエルナンデスに連邦恩赦を与えると発表。選挙ではトランプが支援していたナスリ・アスフラが当選している。
また、トランプ政権で国務長官を務めるルビオの姉が結婚した相手のオーランド・セシリアは1987年に麻薬取引の容疑で逮捕されている。セシリアは1983年にペット・ショップで働き始め、マルコもそこで雑用を任されていた。ルビオも働いていたそのペット・ショップは麻薬業者のフロント企業で、セシリアは1989年に懲役35年の判決を受けているが、ルビオは問題にされていない。
アメリカの支配層が麻薬取引に手を出したのは、おそらくイギリスが中国に対して仕掛けたアヘン戦争。その後、ベトナム戦争では東南アジアで生産されるヘロイン、ラテン・アメリカにおいてアメリカの巨大資本の利益に反する勢力を軍隊や情報機関を使って潰す工作を展開した際にはコカイン、アフガン戦争ではヘロインというように続く。その中心にいるのはCIAにほかならない。
要するに、トランプ政権がベネズエラの大統領を誘拐した理由を麻薬取引に求めることはできない。ラテン・アメリカを含む西半球の支配を確かなものにし、石油をはじめとするエネルギー資源を独占することが目的だろう。
バラク・オバマ政権が2013年11月から14年2月にかけてウクライナでクーデターを実行した理由のひとつは、ロシアからヨーロッパへ安価な天然ガスを運んでいたパイプラインがウクライナを通過していたからだ。このパイプラインをアメリカが抑えることでロシアからマーケットを奪い、ヨーロッパから安価なエネルギーの供給を止めることができ、ロシアとヨーロッパを弱体化させることができる。
ロシアとドイツはこうしたことも想定していたようで、ロシアからドイツへ天然ガスをバルト海経由で輸送するパイプラインの「ノードストリーム(NS1)」と「ノードストリーム2(NS2)」を建設していたのだが、2022年9月26日から27日にかけての間に爆破された。ウクライナの情報機関が実行したとされているが、実際はアメリカとイギリスの情報機関が主犯だと考えられている。
この当時、すでにロシアがウクライナに対する攻撃を始めていたが、NATO諸国はロシアの収入源を奪い、ウクライナに西側の兵器を供与すれば簡単にロシアを潰せると考えていたようだ。兵器の性能は西側が優れているはずで、生産力も西側が圧倒していると思い込んでいたようだが、それが間違っていることはすぐに判明する。兵器の性能はロシアがNATO諸国より数十年先行、ロシアの生産力は西側諸国の数倍だ。こうしたことは戦場で証明されたが、それは西側世界が弱体化していることを世界に知らせることになった。
トランプ大統領は「強いアメリカ」というイメージを復活させようとしているが、成功していない。現実がイメージを破壊している。
見えないところでもアメリカは劣勢にある。例えば、マドゥロ大統領が誘拐された直後の1月4日、中国の人民銀行はアメリカの防衛部門と関係のある企業との米ドルでの取引を一時停止すると発表した。アメリカの兵器企業は中国とのすべての取引が凍結されたのである。
同じ日に国家電網公司はアメリカの電気機器供給業者とのすべての契約における技術的な見直しを、中国石油天然気公司は世界的な供給ルートの戦略的再編をそれぞれ発表した。これはアメリカの精油所との石油供給契約が解除されることを意味、また中国の貨物船がアメリカの港を使用しなくなり始め、ロングビーチ、ロサンゼルス、ニューヨーク、マイアミでは通常のコンテナ輸送の35パーセントが突然失われたと言われている。
中国の王毅外相は1月4日、ブラジル、インド、南アフリカ、イラン、トルコ、インドネシアを含む23カ国に対し、アメリカによって政権を握る可能性のあるベネズエラ政府を承認しないと公に誓約した国に対し、即時に優遇貿易条件を提供すると提案した。
1月5日には中国の銀行間決済システム(CIPS)はSWIFTシステムが回避しようとしているあらゆる世界的な取り引きを含めるため、運用能力を拡大すると発表した。試運転が始まってから48時間で890億ドル相当の取り引きが決済されたとされている。
ウクライナでのクーデターもロシア征服を念頭においてのことだろうが、ウクライナ人、特に東部や南部の人びとはロシア語を話し、ロシアの文化の中で生活していた。行政区画は「ウクライナ」でも自分たちをロシア人だと考えていた人たちだ。つまり、キエフが送り込んだ親衛隊は占領軍であり、2022年2月に攻撃を始めたロシア軍は「ホーム」で戦うことになる。この要素に兵器の高い性能や生産力の高さが加わる。
そうした現実を西側諸国は理解できないままロシアとの戦争を開始して敗北、イランの体制転覆にも失敗、そしてベネズエラの大統領を拉致したのだが、アメリカやその属国が置かれた状況は悪くなる一方だ。
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【櫻井ジャーナル(note)</a​】 </a>
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