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イランの攻撃に圧倒されているトランプ大統領は現実と向き合えない状態になった
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202604030000/
2026.04.03 櫻井ジャーナル
ドナルド・トランプ米大統領は4月1日夜、イランとの戦争に関して演説した。何か重要な発表があるのではないかと考える人も少なくなかったが、中身はTruth Socialで彼が投稿してきた主張と同じ。イランの海軍や空軍を壊滅させ、核開発できないように破壊、ミサイルやドローンは枯渇していると主張していたが、その瞬間にもイランはイスラエルや中東のアメリカ軍基地などを攻撃している。
アメリカ軍は泥沼から抜け出そうともがいているが、トランプ大統領はそうした状況を気にしていないようだ。演説するトランプについて映画『レインマン』でダスティン・ホフマンが演じたキャラクターを連想させるという人もいるが、大統領は『裸の銃を持つ男』の世界へ入り込んでいるようにも見える。
バラク・オバマ政権は2014年2月にキエフでクーデターを成功させたものの、クーデターを拒否する国民が多く、欧米諸国はクーデター体制の戦力を増強させなければならなかった。そこでドイツやフランスが仲介する形で停戦合意が成立。2014年の「ミンスク1」と15年の「ミンスク2」だ。この停戦がクーデター政権の戦力を増強する時間稼ぎにすぎなかったことは、後にアンゲラ・メルケル元独首相やフランソワ・オランド元仏大統領が認めている。
NATOはウクライナ人とロシア人を戦わせ、ロシアを疲弊、あわよくば倒そうとしたのだが、ロシアの軍事力と生産力は欧米を圧倒、ロシアの勝利は確定的だ。
アメリカ、イギリス、フランスなどは情報機関員や特殊部隊員だけでなく正規軍も送り込まざるをえなくなり、死傷者数が膨らんでいる。欧米諸国はロシアとの戦争に勝利し、ウクライナやロシアにおける利権を奪うという妄想で戦争を始めた。「損切り」できるアメリカとは違い、ヨーロッパ諸国は手を引けずにもがいている。ヨーロッパ諸国はロシアとの戦争でアメリカに見捨てられる形になった。そのアメリカがイランとの戦争ではヨーロッパ諸国に助けを求め、拒否されている。
トランプ大統領は勝利を演出して逃げようとしているが、イスラエルやペルシャ湾岸諸国は許さない。イランを破壊しようと長年計画してきたイスラエルは勿論、イランの勝利を恐れる湾岸諸国もアメリカに戦争の継続を望んでいるのだ。
オマーンのバドル・ビン・ハマド・アル・ブサイディ外相によると、9カ月の間に2度、アメリカとイランはイランの核開発計画について協議し、合意まであと一歩のところまで迫っていたという。
ところが、大詰めの協議から数時間後、最高指導者だったアヤトラ・アリ・ハメネイ師を含むイランの要人イランをアメリカとイスラエルは奇襲攻撃して殺害してしまう。核開発計画に関する協議はアメリカがイランを油断させ、要人を一箇所に集めるるための罠だったと見られている。イランは2度と交渉に応じないだろう。
この攻撃ではハメネイ師のほかアブドルラヒム・ムサビ参謀総長、アジズ・ナシルザデ国防相、イラン革命防衛隊(IRGC)のモハメド・パクプール司令官、そして最高安全保障委員会(SNSC)事務局長でハメネイ師の顧問を務めていたアリ・シャムハニが殺されているが、マスード・ペゼシュキヤン大統領やイラン革命防衛隊(IRGC)のクッズ部隊を指揮していたイスマイル・カーニは犠牲者の中に含まれていない。
カーニの前任者であるガーセム・ソレイマーニーは2020年1月、イラクで活動している人民動員軍(PMU)のアブ・マフディ・アル・ムハンディス副議長と共にバグダッド国際空港で暗殺された。イラクの首相を務めていたアディル・アブドゥル-マフディによると、その日にソレイマーニーはサウジアラビアからのメッセージに対するイランの返書を携えていた。
ペゼシュキヤン大統領の前任者であるエブラヒム・ライシーは2024年5月19日、アゼルバイジャンからアメリカ製のベル212ヘリコプターで帰国する際、そのヘリコプターが墜落、同乗していたホセイン・アミール-アブドラヒヤン外相らと一緒に死亡した。
ペゼシュキアンの大統領就任式が同年7月28日に実施され、ハマスの政治指導者イスマイル・ハニヤも出席したのだが、7月31日にイランの首都テヘランにあるゲスト・ハウスでイスラエルの攻撃を受けて護衛と共に暗殺された。この事件に絡み、情報機関や軍の高官、ゲストハウスの職員など20名以上が逮捕されたとされている。
2024年7月30日にはベイルートでヒズボラのフアド・シュクルが殺され、9月17日と18日にはレバノンやシリアでトランシーバーやポケベル(ページャー)が遠隔操作で爆破されるテロ攻撃があった。9月27日にはベイルートでヒズボラ幹部による秘密会議が地下施設で開かれたのだが、その場所がイスラエル軍によって空爆され、ハッサン・ナスララ書記長も殺害されている。
ヒズボラの秘密会議にはカーニも出席していたのだが、予定より早く席を立ち、助かった。2025年6月にはIRGCの本部がイスラエル軍に攻撃され、数名のイラン人将校が死亡しているが、カーニは直前にその場から立ち去っていた。今年2月28日にイランの最高指導者アリー・ハメネイ師の邸宅が攻撃された際に、カーニは攻撃の5分ほど前に退席していたという。
そのカーニは2024年当時からスパイ容疑がかけられていたが、失脚はしていなかったが、今回、モサドのスパイだということが判明、処分されたと言われている。彼がスパイだということは中国軍の情報機関によるCIA高官とイスラエル参謀本部幹部との通信傍受で判明したという。
今年2月の奇襲攻撃後、生き残ったペゼシュキアン大統領とカーニがイランを率いることになっても不思議ではなかったが、そうした展開にはならなかった。現在、ペゼシュキアン大統領は政策決定に関与できていないようだ。
戦況はイランが優勢で、アメリカやイスラエルの内部で核兵器の使用が議論されても不思議ではない。イスラエルは1973年10月に勃発した第4次中東戦争で戦況が悪化、ゴルダ・メイア首相の執務室で核兵器の使用が議論されている。その際、モシェ・ダヤン国防相は核兵器を選択肢として見せる準備をするべきだと発言したというが、この時はソ連が動いて核兵器の使用は回避された。
また、1953年から大統領を務めたドワイト・アイゼンハワーは大統領に就任して間もない時期に朝鮮戦争を休戦に持ち込もうと考え、中国に対して休戦に応じなければ核兵器を使うと脅したとされている。休戦は1953年7月に実現した。アイゼンハワー政権で副大統領を務めていたリチャード・ニクソンはベトナム戦争から抜け出すため、アイゼンハワーを真似している。カンボジアに対する秘密爆撃を実行しながら核兵器で北ベトナムを恫喝したのだ。(Daniel Ellsberg, “The Doomsday Machine,” Bloomsbury, 2017)
トランプ大統領やベンヤミン・ネタニヤフ首相が核兵器でイランを脅す可能性はある。
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【櫻井ジャーナル(note)】
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