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※紙面抜粋

※2026年2月24日 日刊ゲンダイ
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媚びる高市はいいカモだ アホみたいな日米交渉、リスクだらけの日米同盟
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/384494
2026/02/24 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し

訪米で何をのまされるのか(C)日刊ゲンダイ
二転三転、いよいよトチ狂ってきたトランプ関税だが、日本はすり寄り、貢ぎ、媚びるのか。デタラメ対米投資などは白紙撤回が当たり前。日米同盟機軸も見直しが急務。高市と官邸官僚の媚態外交は亡国の道。
◇ ◇ ◇
どこまで正気なのか。いよいよトチ狂ってきた米国のトランプ大統領に世界が翻弄されている。
米国の連邦最高裁が20日、トランプが国際緊急経済権限法(IEEPA)を根拠に発動した相互関税、いわゆる「トランプ関税」について違法と判断。するとトランプは、すぐさま別の法律を根拠にした新たな関税を導入すると発表した。
通商法122条に基づき、全世界に一律10%の関税を課すというのだ。さらに翌日には、これを15%にすると言い出した。
世界一律の新たな10%関税は24日午前0時1分(日本時間の午後2時1分)に発効するが、15%への引き上げ時期は不明。また、この新たな一律関税には議会の追加承認が必要で、とりあえずは150日間の暫定措置だ。その間に、通商法301条に基づく別の関税を導入するとトランプは吠えている。
自慢のトランプ関税に違憲判決が下された焦りなのか、何としても自分の力を誇示しないと気が済まないのか知らないが、この二転三転では、マトモに相手をしているのがアホらしくなるレベルだ。
大統領が発表したことが翌日にはどうなっているか分からないのだから、対応のしようがない。各国が当面の様子見を決め込むなか、相変わらず米国に追従するのが日本なのである。
22日のフジテレビの番組に出演した自民党の小野寺税調会長は、トランプの新たな関税の発表について「ムチャクチャだ」「混乱だけが残る」と、珍しく米国のやり方に異議を唱えていた。「同盟国として、ますます米国離れが進むのではないかと心配している」とも言っていたが、関税を巡る日米合意を見直すべきかどうかについては、「慎重に議論するべきだ」とトーンダウン。高市首相の訪米を来月に控え、トランプの機嫌を損ねたくないのだ。
米国ではなく国内に投資しろ
「昨年の日米関税交渉で合意した5500億ドル(約85兆円)の対米投資は、トランプ政権の相互関税を引き下げてもらうための取引でした。その前提が違憲と判断されたのだから、白紙撤回は当然です。それなのに、日本政府は予定通りに対米投資を実行していくという。高市首相は『成長のスイッチを押しまくる』と言い、国内投資を増やすと宣言しているのだから、その85兆円を国内投資に回せばいいじゃないですか。高市首相や周囲の官邸官僚は、安倍元首相の手法をなぞれば政権は安泰だと考え、来月の訪米で日米蜜月を演出できれば長期政権の足がかりになると考えているのでしょうが、当時とは国際環境が違う。ヨーロッパ諸国は米国抜きで成り立つ経済圏の構築に動き出しています。日本が相変わらず米国一辺倒では取り残されるし、高市首相が国賓待遇の訪米ではしゃぐ姿を見せれば、世界の笑いものになりかねません」(国際ジャーナリスト・春名幹男氏)
すでに対米投資の第1弾として、オハイオ州でのガス火力発電所開発やメキシコ湾で原油積み出し港の整備など総額約360億ドルの出資が決まっている。どう見ても、投資というより、日本のカネを使った米国のインフラ整備だ。来月19日の訪米では、第2弾を手土産に持っていくことになる。
スイスに拠点を置く貿易研究機関のグローバル・トレード・アラート(GTA)によれば、トランプの新たな一律関税で、ブラジルや中国、カナダなど集中的に通商圧力を加えられてきた国は関税率が低下する一方、欧州や日本、韓国などは追加的な負担を抱える可能性があるという。
追加負担を抱えてもなお貢ぎ続けるなんて、トランプから見たら高市はホント、いいカモだろう。高市が言う「積極財政」は、米国に対して際限なくカネを出すという意味なのかもしれない。
欧州はトランプの米国から距離を置き始めている

世界の厄介者(C)ロイター
高市の米国への媚び具合は、先般の衆院選でも目に余るものがあった。
トランプが選挙期間中の2月6日に、自身のSNSで高市を称賛。自民と日本維新の会の与党を「完全かつ全面的に支持する」と表明する異例の事態に対し、さすがに大メディアからも「内政干渉」の声が上がったものだが、高市は圧勝を遂げた直後の9日未明にXを更新し、物議を醸したトランプの投稿を引用する形で「ドナルド・J・トランプ大統領の温かいお言葉に心から感謝いたします。今春にホワイトハウスを訪問し、日米同盟の更なる強化に向けて、共に更なる取組を進めることができることを心待ちにしています」と投稿したのだ。
有権者や党員、スタッフより先に、喜々としてトランプに礼を言うなんて、主権国家のトップとしてどうなのか。
トランプに媚びることが最優先の首相に国民は高支持率を与えているのか?
「圧倒的多数の議席を得た高市首相が意欲を燃やす安保3文書の改定や非核三原則の見直し、武器輸出の要件緩和などは、いずれも米国のための路線変更であり、日本にメリットはない。国内の支持率が低下しているトランプ大統領は、秋の中間選挙に向けて実績をつくりたいはずです。そういうタイミングで訪米する高市首相は、何をのまされるか分かったものではない。防衛費のさらなる増額は現実的にあり得る話です。しかし、今のトランプは米国の民主主義と世界秩序を破壊しようとしている暴君なのです。先進国が距離を置きつつあるトランプに唯々諾々と従う日本では情けないし、それはトランプの暴政を支援することにもなってしまいます」(春名幹男氏=前出)
イラン情勢も緊迫している
世界が注視するご乱心は、関税問題だけではない。トランプが数日以内にイラン革命防衛隊の本部やミサイル施設などに攻撃を行う可能性も高まっている。
米国はいま中東に2隻の空母や最先端ステルス戦闘機、空中給油機、指揮統制機などの戦力を集結させている。2003年のイラク侵攻と同等レベルの最大規模だ。
26日に予定されているイランの核開発をめぐる3回目の協議が決裂した場合、何が起きてもおかしくない緊迫した状況だ。
高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)が言う。
「関税問題やエプスタイン問題などから米国民の関心をそらしたいのでしょうが、トランプ大統領が『力による支配』を前面に出すほどに、ヨーロッパ諸国は距離を置く。ドイツのメルツ首相やフランスのマクロン大統領ら各国の首脳が北京詣でをしているのも顕著な兆候ですし、先日のダボス会議ではカナダのカーニー首相が“反トランプ”ともいえる演説をして拍手喝采を浴びました。こうした世界の潮流に背を向けるように、対米従属一辺倒でトランプ大統領にすり寄っているのは、いまや日本だけと言っていい。時代の変化を読み取れずに媚態外交を続けていれば、それが亡国の道になりかねません。日米同盟のあり方も見直しが必要です」
トランプべったりで支え続け、世界から孤立しても満面の笑みでピョンピョン跳びはねていられるのならいいが、もはや「強固な日米同盟」はリスクだらけだ。
関税と武力をカサにきて傍若無人なふるまいを続けるトランプ米国の行く末を世界は生温かく見守っている。
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