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※紙面抜粋

※2026年3月4日 日刊ゲンダイ2面
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恐るべきトランプの場当たりと浅はか 戦争長期化、スタグフレーションの最悪シナリオ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/384857
2026/03/04 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し

「ならず者」/(C)ロイター
2、3日で決着などと豪語していたくせに、4、5週間と軌道修正。最終的な目標も核施設の破壊なのか、体制転覆なのか、二転三転の場当たり。反ハメネイ師の決起も起こらず、中東全体に戦火は飛び火。サナエノミクスの狂乱インフレに石油暴騰、株価急落の大混乱。
◇ ◇ ◇
「恐るべき場当たり」という言葉がぴたり当てはまる。各国で“国際法違反のだまし討ち軍事作戦”と揶揄されている、米国とイスラエルによるイラン攻撃のことだ。
そもそも、この攻撃は始まりの理由から怪しい。
米政府高官は当初、米国とイランが核開発について協議中だったにもかかわらず、その最中に一転してイラン攻撃に踏み切った理由について、「イランが中東地域の米軍施設や同盟国に対し先制攻撃する可能性を把握したため」と説明。トランプ大統領も「米軍がミサイルで攻撃されるのを座して受け入れることはできない、と考えていた」などと明かしていた。
ところが1日付のロイター通信は米国防総省当局者の話として、連邦議会関係者に対する非公開のブリーフィングでは、イランの先制攻撃を示す情報は一切なかったと報道。当局者は1日に上下院の国家安全保障関連委員会スタッフに90分以上にわたって説明したものの、「イランが米軍に先制攻撃するとの情報はなかった」と述べたというから唖然呆然ではないか。
これが事実であれば、大義もヘッタクレもない。米国とイスラエルは勝手なイチャモンをつけて主権国家であるイランを軍事攻撃しただけ。これを「ならず者国家」と言わずに何と呼ぶのか。
武器を持たない民衆に体制転覆はできない
トランプ政権が目指す軍事作戦の最終目的が何かも全く分からない。
トランプは2日、攻撃の中心的な目的について、「イランの核開発・長距離弾道ミサイル計画の阻止」と言い、「長距離ミサイルと核兵器で武装したイラン政権は中東だけでなく、米国民にとっても容認できない脅威となる」と指摘していた。
そして「邪悪な政権がもたらす耐え難い脅威を排除し、攻撃する最後で最良のチャンスだった」と訴え、攻撃を命じた時点でイランからの脅威が差し迫っていた--とか言っていたが、その脅威についての具体的な証拠はいまだに示していない。
米国とイスラエルは1979年のイラン革命以来、絶対的権力を握ってきた2代目最高指導者ハメネイ師を殺害。攻撃直後、トランプはビデオ声明で、「我々の作戦終了後、政府を掌握せよ」とイラン国民に呼びかけ、現体制を「邪悪で過激な独裁政権」と非難。「米国の助けを求めてきたあなた方には今、望むものを与えようとしている大統領がいる」「自らの国を取り戻す最大の好機だ」と国民に蜂起を促し、体制転覆のシナリオを描いていたようだったが、今のところ反ハメネイ師の決起も起きていない。
イランでは昨年12月から今年1月にかけて大規模なデモが発生。昨年6月にイランの核施設を空爆したトランプ政権は「今が攻撃のチャンス」と考えたのだろう。だが、実際は多くの専門家が指摘していた通り、「ハメネイ師を攻撃しても、反体制デモ拡大や革命機運の高まりを期待するのは非現実的」(イラン情勢に詳しいトルコ・マルマラ大のセルハン・アファジャン准教授)だったわけで、民衆蜂起に一方的に期待し、空爆だけで軍事作戦を終わらせるというトランプの思惑は完全に空振り。「浅はかな幻想」以外の何物でもない。
元外務省国際情報局長の孫崎享氏がこう言う。
「米国が今、イランを攻撃する緊急性や必要性は何もない。むしろ中東の拠点を失うだけ。米国の国益にとっては間違いなくマイナスでしょう。そもそも殺害されたハメネイ師は戦闘激化を避けようとしていた人物であり、その歯止めを失った今、かつては見られなかった米大使館の攻撃などもイラン側は平気で行うようになっている。より先鋭化しているわけです。そんな中で武器を持たない民衆が蜂起して体制転覆などできるはずがありません」
戦略なく国際法を無視し、他国の人間を殺害する軍事作戦のデタラメ

長期化必至(米&イスラエルのイラン空爆で、爆発後に黒煙が上がつ首都・テヘランの街) (C)ロイター/WANA (West Asia News Agency)
つまり、米国とイスラエルの今回の軍事作戦は、今後の展開をにらんだ用意周到な戦略があったのではなく、願望に近い。地に足がついた政策判断ができないトランプ政権の体質がここでも露呈したわけだ。
「(地上部隊が関与しない)空からの(攻撃だけで)体制転換が可能とは思えない」
同盟国である英国のスターマー首相も米国の幻想路線をバッサリ切り捨てたため、トランプも焦り始めたのだろう。当初は戦闘期間について「2、3日で決着」などと豪語していたにもかかわらず、その後「4、5週間と見込んでいる」と軌道修正。
さらに「どれだけ時間がかかろうと、(目標達成に)必要なことは必ず成し遂げる」などと二転三転しているから何をかいわんや。
まさに行き当たりばったり。トランプやイスラエルのネタニヤフ首相に戦略が何もないという証左ではないか。それぞれエプスタイン事件、汚職という自らの問題を抱え、疑惑の目を他に向けるために戦争を仕掛けただけ。
自身の地位を維持するためなら国際法を無視し、他国の人間を殺害しても構わない--。そう受け取られても仕方がないほど、今回の軍事作戦はデタラメの極みなのだ。
戦争が長引くほど、資源に乏しい日本は苦境に
民衆蜂起が起きる気配は一向に見られず、戦火は中東全体に飛び火。イランは報復攻撃を継続し、イスラエルに加え、米軍が駐留するサウジアラビア、UAE、カタール、バーレーン、クウェート、イラク、ヨルダン……などに次々とミサイルを発射。
イランで外交・国防を統括する最高安全保障委員会のラリジャニ事務局長は「我々は長期戦に備えている」とまで言い切っており、さらなる戦争長期化は避けられない。
日本経済に対する影響も強く懸念される。ホルムズ海峡が事実上封鎖され、エネルギー輸入の生命線が揺らぎ始めたからだ。日本は原油の93%を中東4カ国に依存しているため、日常的にミサイルが飛び交う事態となればタダでは済まない。
野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは、軍事衝突が長引けば原油価格が87ドルに上昇すると想定。ガソリン価格が200円を突破すれば、廃止となった暫定税率の効果も吹き飛ぶだろう。戦況が悪化して原油価格が130ドルに到達する最悪ケースの場合、日本の実質GDPは1年目に0.58%、2年目には0.96%、それぞれ押し下げられるという試算もある。
原油に連動したエネルギー価格全体が高騰すれば、いずれ電気、ガス代なども上昇。食料品を含めた幅広い品目の値上がりで家計を直撃するのは必至だ。まさにインフレと景気後退が同時に来るスタグフレーション。
すでに市場はそれを織り込み始めているため株価も急落したのだろう。3日の東京株式市場の日経平均株価の終値も前日比1778円安となり、前日からの2日間で計2500円超も下落した。
まさにサナエノミクスの狂乱インフレに石油暴騰、株価急落の大混乱という最悪のシナリオが現実味を帯びてくるわけだ。
経済評論家の斎藤満氏がこう言う。
「資源豊富な米国はともかく、戦争が長引くほど、資源に乏しい日本は苦境に追い込まれる。高市政権はトランプ政権の言いなりで、日銀に利上げさせないよう動いているから円安も進む。企業は今後のエネルギーなどのコスト増を考え、賃上げにも慎重にならざるを得ない。そうなると、賃金は上がらず、物価だけが上がり続ける恐ろしい状況になります」
まさに暴君と化したトランプに対して昨年10月、「あなたをノーベル平和賞に推薦します」と持ち上げていた高市首相。19日に予定する日米首脳会談で「イランの問題についても率直に話をする」と言っていたが、「アンタ、意地悪やなぁ」と突き放すことができるのだろうか。
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