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[近代史3] 革命は軍や警察が国家を裏切り市民側に就かないと成功しない 中川隆
7. 中川隆[-13544] koaQ7Jey 2022年3月09日 07:24:34 : 6RXKtDV6I6 : NldSY1NTcjE1QlE=[1]
2022年03月09日
プーチン失脚の条件は軍と警察の造反

フランス革命の原因は市民蜂起ではなく、バスティーユの警備兵が市民側に寝返ったから
革命が成功するにはこうした軍の寝返りが必要

画像引用:http://www.worldfolksong.com/national-anthem/topics/french-revolution.html フランス革命とフランス国歌

プーチン失脚の条件

ロシア軍やロシア国内では色々な事が起きていますが、その中で特に注目したのは前線兵士が飢えているという情報でした。

ロシア軍は兵士が個人用スマホを持っているらしく、ある兵士がユーチューブに動画を投稿した。

その小部隊は食べ物も物資も寝場所もなく、夜は地面に寝転がるだけで、もう3日間何も食べていないと語っていた。

またロシア軍の車列が60キロ以上に伸びて停滞していて、車両のタイヤが外れた写真などがSNSに投稿されている。

ロシア軍は一般用無線やスマホで連絡を取るらしく、上官が砲兵に村への攻撃を命じたが、砲兵が「それはおかしい」と拒否する音声がスクープされていた。

これらを総合するとロシア軍がかなり困窮していて、末端の兵士は食べ物や寝る場所もなく放置され、輸送に問題が生じている。


橋を爆破されたり側面からの攻撃が輸送渋滞を作り出していて、20万人のロシア軍は困難な状況に陥りつつある。

国際社会ではプーチンへの批判が高まっていて、プーチン失脚を願う声も強まっている。

この手の独裁者が失脚するパターンはいつも同じで、市民のデモに軍が加担した時でした。


1789年7月14日にパリのバスティーユ牢獄を市民が襲い、ここからフランス革命が始まりました。

バスティーユ牢獄には武器が保管してあったので軍や警察が護衛していたが、彼らが見て見ぬふりをしたので革命が起こった。

もし軍と警察が市民デモを普通に取り締まっていたら、今もフランス王家は存在していたでしょう。


あらゆる革命は軍の寝返りで起きる

1917年2月23日、ペトログラードで国際婦人デーのデモがあり、ニコライ二世は鎮圧を命じた。

だが兵士らは次々に市民側に寝がえり鎮圧に失敗、ここから全土に革命が飛び火してロシア革命が起きた。

1917年3月15日、自身が任命した軍司令官のほとんどが造反し、ニコライ二世は退位して家族と共に捕らえられた。


2つの政府の共通点は当時として「民主的」だった事で、ルイ16世もニコライ二世も民主主義に賛同し市民運動を奨励した。

市民議会の権利を積極的に拡大したりしたので、市民らはより大きな権力を要求し王政打倒を目標にするようになった。

両国とも戦争や軍備拡大で国内が疲弊し、国民や兵士は飢えていたが有効な対策を打ち出せなかった。


だがそんな国は古来から五万とあり、多くの国では困窮する国民をさらに弾圧して不満を鎮圧している。

最後のとどめになったのは軍の造反、クーデターで、両革命とも軍幹部や司令官の多くが市民側についた。

1990年ごろのベルリンの壁崩壊やソ連崩壊も、詳しく見ると軍や警察が寝返らなければ崩壊しなかった。


東ベルリンでは壁を越えようとした群衆を警官が見逃した事で国境が崩壊し、軍も鎮圧しようとしなかった。

ソ連崩壊では市民と戦車部隊がにらみ合いになり、結局軍は市民側についてソ連を崩壊させた。

こんな風に革命を起こしたのは軍と警察の寝返りで、市民は決定的な役割を果たしていない。


もしベルリンの壁の警備兵が市民を止めていたら今も東ドイツが存在し、バスティーユの警備兵が市民を止めていたら今もフランスは王政だったでしょう。

という訳でプーチンが失脚するか、再び「ロシア革命」が起きるのかは、飢えたロシア軍とモスクワ警察にかかっている。

https://www.thutmosev.com/archives/87911005.html  
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/574.html#c7

[近代史5] あらゆる革命は軍の寝返りで起きる 中川隆
1. 中川隆[-13543] koaQ7Jey 2022年3月09日 07:29:43 : 6RXKtDV6I6 : NldSY1NTcjE1QlE=[2]
革命は軍や警察が国家を裏切り市民側に就かないと成功しない
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/574.html
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1523.html#c1
[近代史5] ロシア・ウクライナの歴史と現代史 中川隆
43. 2022年3月09日 14:11:56 : 6RXKtDV6I6 : NldSY1NTcjE1QlE=[3]

2022.03.09XML
日本がロシアと敵対関係に入った背景
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202203090000/

 ​日本政府は3月8日、ロシアやベラルーシに対して敵対的な「措置」を実施すると発表した​。アメリカの属国である日本としては当然のこのなのだろうが、そうした事情はともかく、ロシアにとって日本は敵性国家のひとつになった。近日中に日本も「制裁」の対象になると見られている。

 ロシア制圧はアメリカやイギリスの支配層にとって19世紀以来、世界制覇の中心だが、短期的に考えても現在の戦いは2014年2月に始まっている。ネオ・ナチを使ったクーデターでウクライナのビクトル・ヤヌコビッチ政権を倒し、ロシア語を話すウクライナ国民を殺害し、国外へ追い出してきた。それに対し、クリミアで市民がロシアへ保護を求め、ドンバス(ドネツクやルガンスク)の市民が戦ってきたのである。

 2月19日に​「大虐殺が準備されている」という緊急アピール​を出したオレグ・ツァロフはクーデター当時、ヤヌコビッチ大統領派の議員だったが、​2013年11月20日に議会でクーデター計画の存在を訴えていた​。

 実際、その直後からアメリカ政府の支援を受けた反ヤヌコビッチ派がユーロマイダン(ユーロ広場、元の独立広場)で反政府集会を開き、年明け後にはネオ・ナチが前面に出てくる。そして暴力的なクーデターにつながるわけだ。

 ツァロフによると、ボロディミル・ゼレンスキー大統領はドンバスで軍事作戦を開始、かつてクロアチアで行われたように、この地域を制圧してからキエフ体制に従わない住民を「浄化」する計画で、これと並行してSBU(ウクライナ保安庁)はネオ・ナチと共同で「親ロシア派」の粛清を実行することにもなっていたという。

 先住民を殺し、追放し、自分たちにとって都合の良い人々を移住させるという手法をアングロ・サクソンの支配者は使ってきた。アメリカやイスラエルの「建国」はそのようにして達成されている。ズブグネフ・ブレジンスキーがアフガニスタンへサラフィー主義者(ワッハーブ主義者やタクフィール主義者と渾然一体)やムスリム同胞団を中心とする戦闘員を送り込んだ時も、戦闘員に対し、そうしたことを言っていた。

 クーデター後、正規軍や治安部隊から兵士や隊員が反クーデター軍へ流れ、残された軍隊は弱体化する。そうしたこともあり、3月に「右派セクター」などネオ・ナチを中心とする親衛隊が編成された。5月になると右派セクターを中心に「アゾフ大隊」が正式に発足する。現在、親衛隊の中核はこのアゾフ大隊(またはアゾフ連隊)だ。

 そうした中、4月12日にジョン・ブレナンCIA長官がキエフを極秘訪問、22日にはジョー・バイデン米副大統領がキエフを訪問する。アレクサンドル・トゥルチノフ大統領代行が東部や南部の制圧作戦を承認するのはその間の14日だ。

 こうした動きの前、3月16日にクリミアの市民はロシアとの一体化の是非を問う住民投票を実施している。ヤヌコビッチの支持基盤だった東部や南部ではクーデターを受け入れない人が多かったが、クリミアもそのひとつだった。投票率は80%を超え、そのうち95%以上が加盟に賛成したと発表されている。

 アメリカやその従属国では、アメリカの支配層にとって都合の悪い選挙結果は不正だとされる。クリミアでもそうした宣伝がなされたが、この住民投票では国外からの監視団が入り、日本やアメリカに比べれば遥かに公正なものだったと考えられている。

 対応が遅れた地域では地獄が待っていた。例えば、5月2日にはオデッサで右派セクターが反クーデター派の住民を虐殺している。広場にいた市民に暴徒が襲いかかり、労働組合会館の中へ誘導され、そこで虐殺されたのだ。その際、建物は放火された。

 50名弱が殺されたと伝えられているが、これは地上階で発見された死体の数で、地下ではさらに多くの人が殺されたと言われている。120名から130名とも言われているが、その大半は運び去られたという。

 その1週間後、マリウポリ市に戦車などを入れて市内を破壊、非武装の住民を殺害している。5月9日はソ連がナチスに勝ったことを記念する戦勝記念日で、住民は外で祝っていた。そこへキエフのクーデター軍が突入したのだ。その様子を携帯電話で撮影した映像が世界に発信されたが、それを見ると、住民が丸腰で戦車に向かい、殺されていく様子が映されている。5月11日に予定されていた住民投票を止めさせることも目的だっただろうが、予定通りに投票は行われ、独立の意思が示されている。

 この制圧作戦はロシア語を話すウクライナ国民を虐殺する民族浄化作戦でもあったが、これを作成したのはアメリカ国防総省系のシンクタンク​、RANDコーポレーション​だと推測されている。

 ヤヌコビッチ支持者が多かったロシア語系の住民に対する弾圧が続く中、2014年6月にペトロ・ポロシェンコが大統領に就任した。ポロシェンコがアメリカ政府へ情報を提供していたことは​ウィキリークスの公表した2006年4月28日付けの公電​で明らかになっている。

 この新大統領は6月2日にウクライナ東部にあるルガンスクの住宅街を空爆、住民を殺している。当初、ポロシェンコ政権は航空機による爆撃を否定、住民側の自衛軍によると主張していたが、インターネット上にアップロードされた映像を見れば空爆が行われた可能性は高いと言わざるをえず、欧州安保協力機構(OSCE)も空爆があったとしている。この攻撃があった6月2日、アメリカのデレク・チョレット国防次官補がキエフ入りし、作戦の調整作業を行ったとも言われている。

 その後、ウクライナではネオ・ナチが跋扈、政治経済は破綻した。そうした状況の中、2019年に実施された大統領選挙ではロシアとの関係修復を訴えていたボロディミル・ゼレンスキーがポロシェンコに勝つ。そこに国民の意思が現れているが、その意志をアメリカなど西側の支配層は許さない。

 2020年のアメリカ大統領選挙で勝利したジョー・バイデンがロシアに対する挑発を繰り返し、軍事的な圧力を加えてきた。軍事作戦を実施する動きも見せていた。そこまで追い詰められていたとも言える。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202203090000/
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/472.html#c43

[近代史5] アメリカ人による極悪非道の世界侵略の歴史 中川隆
41. 中川隆[-13542] koaQ7Jey 2022年3月09日 14:13:14 : 6RXKtDV6I6 : NldSY1NTcjE1QlE=[4]

2022.03.09XML
日本がロシアと敵対関係に入った背景
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202203090000/

 ​日本政府は3月8日、ロシアやベラルーシに対して敵対的な「措置」を実施すると発表した​。アメリカの属国である日本としては当然のこのなのだろうが、そうした事情はともかく、ロシアにとって日本は敵性国家のひとつになった。近日中に日本も「制裁」の対象になると見られている。

 ロシア制圧はアメリカやイギリスの支配層にとって19世紀以来、世界制覇の中心だが、短期的に考えても現在の戦いは2014年2月に始まっている。ネオ・ナチを使ったクーデターでウクライナのビクトル・ヤヌコビッチ政権を倒し、ロシア語を話すウクライナ国民を殺害し、国外へ追い出してきた。それに対し、クリミアで市民がロシアへ保護を求め、ドンバス(ドネツクやルガンスク)の市民が戦ってきたのである。

 2月19日に​「大虐殺が準備されている」という緊急アピール​を出したオレグ・ツァロフはクーデター当時、ヤヌコビッチ大統領派の議員だったが、​2013年11月20日に議会でクーデター計画の存在を訴えていた​。

 実際、その直後からアメリカ政府の支援を受けた反ヤヌコビッチ派がユーロマイダン(ユーロ広場、元の独立広場)で反政府集会を開き、年明け後にはネオ・ナチが前面に出てくる。そして暴力的なクーデターにつながるわけだ。

 ツァロフによると、ボロディミル・ゼレンスキー大統領はドンバスで軍事作戦を開始、かつてクロアチアで行われたように、この地域を制圧してからキエフ体制に従わない住民を「浄化」する計画で、これと並行してSBU(ウクライナ保安庁)はネオ・ナチと共同で「親ロシア派」の粛清を実行することにもなっていたという。

 先住民を殺し、追放し、自分たちにとって都合の良い人々を移住させるという手法をアングロ・サクソンの支配者は使ってきた。アメリカやイスラエルの「建国」はそのようにして達成されている。ズブグネフ・ブレジンスキーがアフガニスタンへサラフィー主義者(ワッハーブ主義者やタクフィール主義者と渾然一体)やムスリム同胞団を中心とする戦闘員を送り込んだ時も、戦闘員に対し、そうしたことを言っていた。

 クーデター後、正規軍や治安部隊から兵士や隊員が反クーデター軍へ流れ、残された軍隊は弱体化する。そうしたこともあり、3月に「右派セクター」などネオ・ナチを中心とする親衛隊が編成された。5月になると右派セクターを中心に「アゾフ大隊」が正式に発足する。現在、親衛隊の中核はこのアゾフ大隊(またはアゾフ連隊)だ。

 そうした中、4月12日にジョン・ブレナンCIA長官がキエフを極秘訪問、22日にはジョー・バイデン米副大統領がキエフを訪問する。アレクサンドル・トゥルチノフ大統領代行が東部や南部の制圧作戦を承認するのはその間の14日だ。

 こうした動きの前、3月16日にクリミアの市民はロシアとの一体化の是非を問う住民投票を実施している。ヤヌコビッチの支持基盤だった東部や南部ではクーデターを受け入れない人が多かったが、クリミアもそのひとつだった。投票率は80%を超え、そのうち95%以上が加盟に賛成したと発表されている。

 アメリカやその従属国では、アメリカの支配層にとって都合の悪い選挙結果は不正だとされる。クリミアでもそうした宣伝がなされたが、この住民投票では国外からの監視団が入り、日本やアメリカに比べれば遥かに公正なものだったと考えられている。

 対応が遅れた地域では地獄が待っていた。例えば、5月2日にはオデッサで右派セクターが反クーデター派の住民を虐殺している。広場にいた市民に暴徒が襲いかかり、労働組合会館の中へ誘導され、そこで虐殺されたのだ。その際、建物は放火された。

 50名弱が殺されたと伝えられているが、これは地上階で発見された死体の数で、地下ではさらに多くの人が殺されたと言われている。120名から130名とも言われているが、その大半は運び去られたという。

 その1週間後、マリウポリ市に戦車などを入れて市内を破壊、非武装の住民を殺害している。5月9日はソ連がナチスに勝ったことを記念する戦勝記念日で、住民は外で祝っていた。そこへキエフのクーデター軍が突入したのだ。その様子を携帯電話で撮影した映像が世界に発信されたが、それを見ると、住民が丸腰で戦車に向かい、殺されていく様子が映されている。5月11日に予定されていた住民投票を止めさせることも目的だっただろうが、予定通りに投票は行われ、独立の意思が示されている。

 この制圧作戦はロシア語を話すウクライナ国民を虐殺する民族浄化作戦でもあったが、これを作成したのはアメリカ国防総省系のシンクタンク​、RANDコーポレーション​だと推測されている。

 ヤヌコビッチ支持者が多かったロシア語系の住民に対する弾圧が続く中、2014年6月にペトロ・ポロシェンコが大統領に就任した。ポロシェンコがアメリカ政府へ情報を提供していたことは​ウィキリークスの公表した2006年4月28日付けの公電​で明らかになっている。

 この新大統領は6月2日にウクライナ東部にあるルガンスクの住宅街を空爆、住民を殺している。当初、ポロシェンコ政権は航空機による爆撃を否定、住民側の自衛軍によると主張していたが、インターネット上にアップロードされた映像を見れば空爆が行われた可能性は高いと言わざるをえず、欧州安保協力機構(OSCE)も空爆があったとしている。この攻撃があった6月2日、アメリカのデレク・チョレット国防次官補がキエフ入りし、作戦の調整作業を行ったとも言われている。

 その後、ウクライナではネオ・ナチが跋扈、政治経済は破綻した。そうした状況の中、2019年に実施された大統領選挙ではロシアとの関係修復を訴えていたボロディミル・ゼレンスキーがポロシェンコに勝つ。そこに国民の意思が現れているが、その意志をアメリカなど西側の支配層は許さない。

 2020年のアメリカ大統領選挙で勝利したジョー・バイデンがロシアに対する挑発を繰り返し、軍事的な圧力を加えてきた。軍事作戦を実施する動きも見せていた。そこまで追い詰められていたとも言える。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202203090000/
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/539.html#c41

[近代史5] アメリカ人による極悪非道の世界侵略の歴史 中川隆
42. 2022年3月09日 14:16:01 : 6RXKtDV6I6 : NldSY1NTcjE1QlE=[5]
アゾフ連隊: ウクライナ国家親衛隊に実際に存在するネオナチの暴力集団
2022年3月8日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/21097


プーチン大統領がウクライナ政権をネオナチ呼ばわりして西側諸国の顰蹙を買っているが、西洋で人気の「ファクトチェック」なるものをここでもやってみようではないか。

ウクライナ国家親衛隊

ウクライナ政府には2つの軍組織が存在する。1つはウクライナ大統領が最高司令官を務めるウクライナ軍(Armed Forces of Ukraine)であり、もう1つは内務省に所属するウクライナ国家親衛隊(National Guard of Ukraine)である。

何故2つも軍があるのかが日本人には分かりにくいかもしれないが、ウクライナ軍は国外での任務も行う普通の意味での軍であるのに対し、ウクライナ国家親衛隊は国内での軍事行動を任務としている。

「国内での軍事行動」というのも日本人には馴染みがないだろうが、ウクライナでは2014年に当時の親ロシア派のウクライナ政権が暴力デモ集団によって追放され、ロシアはこれを違法なクーデター(事実だろう)と非難、ドネツク人民共和国およびルガンスク人民共和国として独立宣言したウクライナ東部を支援し、クリミアを併合することで対応した。

ちなみにこの2014年のクーデターで欧米諸国は当時の親ロシア派ウクライナ政権が暴力デモ集団の要求を受け入れるよう制裁で脅すなどの支援をしているほか、アメリカの外交官であるビクトリア・ヌーランド氏がウクライナ新政権の人選について話し合っている音声がYoutubeに暴露されるなどしている。

ジム・ロジャーズ氏: 米国のロシア嫌いはオバマ政権によるウクライナ政権転覆が露呈して決まりが悪くなったから
こういう状況で(新)ウクライナ政権は2014年から独立宣言した東部との戦闘状態に陥っており、ウクライナ国家親衛隊はこの状況を受けて創設されたものである。つまり、ウクライナ国家親衛隊が担う「国内での軍事行動」とはウクライナ東部との戦闘を意味する。

アゾフ連隊

さて、このウクライナ国家親衛隊にはアゾフ連隊という部隊が存在する。世界的にはアゾフ大隊の名前で知られているが、ウクライナ政府はこれを後に連隊に昇格させている。

このアゾフ連隊の出自は日本人にはなかなか理解しづらいだろう。日本で治安悪化と言えばスリなどを行う犯罪者や、せいぜいが不良やヤクザであり、彼らが軍を組織してあまつさえ自衛隊に合流するなどということは有り得ない。しかしアゾフ連隊はそういう出自を持っている。

アゾフ連隊は元々ウクライナの都市ハルキウのサッカークラブの熱狂的なサポーターの集まりだった。

サッカーファンが何故軍になるのかという時点で突っ込みどころが満載だが、ヨーロッパのしかも治安が良くない国におけるサッカーのサポーターを、日本で見られるようなサッカーファンと一緒にしてはならない。

サッカーチームの暴力的なサポーターということに関しては、日本人には恐らくフーリガンの名でよく知られているだろう。サッカーは欧米では労働者階級の憂さ晴らしという側面があり、試合にかこつけて会場の内外で暴れたり、外国人の選手に差別的な言動をぶつける人々は日本でもニュースで目にするかもしれない。

ヨーロッパで不良やならず者が信奉するのが暴力行為のほかに白人至上主義やナチズムである。ウクライナの場合、住民にウクライナ系とロシア系がいるので、ウクライナのフーリガンはロシア系住民を排斥する民族主義に繋がりやすい。

ウクライナ分離で水を得た魚

フーリガンと極右思想との繋がりはアゾフ連隊に限ったことではなくアメリカやイギリスなどでも見られるが、ウクライナの場合、2014年にウクライナが分断され、新ウクライナ政府がロシア系の東部と戦闘に陥ったことでネオナチのならず者たちは格好の活躍の場を得た。もう暴力衝動を発散させるための場にサッカー場は必要ないということである。

ロシア系の人々を相手に暴力的な衝動を発散させたいアゾフ連隊と、ロシアに支援されたウクライナ東部を攻撃したい新ウクライナ政府の利害は合致し、アゾフ連隊はウクライナ国家親衛隊に組み入れられた。

その後のアゾフ連隊の振る舞いは、彼らが元々どういう人々かを考えれば明らかだろう。OHCHR(国連人権高等弁務官事務所)の報告にいくつか例がある。

2016年2月16日から5月15日のウクライナにおける人権状況報告 (OHCHRホームページ上)
ウクライナの軍隊とアゾフ連隊は民間人を立ち退かせて民間の建物を広く使用しており、そこでは民間人の財産の略奪が行われている。

あるいは以下のものである。

2016年11月16日から2月15日のウクライナにおける人権状況報告 (OHCHRホームページ上)
アゾフ大隊やドンバス大隊(訳注:こちらもウクライナ国家親衛隊である)のメンバー8名から10名程度によって精神障害者の男性が性暴力などの虐待を受けた。

これらの報告書には他にもこのアゾフ連隊がどういう目的で戦闘行為をしているのかが分かる行動が報告されている。

こうした報告は日付通り何年も前のものだが、ウクライナ東部は当時からこういう状況だったということだ。ロシアの「ロシア系住民保護」という名目は、少なくとも政府側の人間のこうした行為に向けられている。

また、これらの報告を呼んでもウクライナ政府下のアゾフ連隊がただの暴力集団でネオナチとは関係がないのではないかと思う人々には、日本の公安調査庁がアゾフ連隊について書いているページを引用しておこう。

極右過激主義者の脅威の高まりと国際的なつながり (公安調査庁ホームページ)
2014年,ウクライナの親ロシア派武装勢力が,東部・ドンバスの占領を開始したことを受け,「ウクライナの愛国者」を自称するネオナチ組織が「アゾフ大隊」なる部隊を結成した。同部隊は,欧米出身者を中心に白人至上主義やネオナチ思想を有する外国人戦闘員を勧誘したとされ,同部隊を含めウクライナ紛争に参加した欧米出身者は約2,000人とされる。

「ネオナチ」としっかり書かれている。

結論

ロシアやウクライナ東部と戦っているウクライナ政府にどういう人間が含まれているのかを、日本人は知っているだろうか。

アゾフ連隊はウクライナ国家親衛隊の一部に過ぎないと言うことも出来るだろうが、完全なネオナチ組織を自軍に組み込んで連隊に昇格させている時点で現ウクライナ政権の思考はかなりおかしい上に、政府下の人間が実際にネオナチ思想に基づいてウクライナ東部の人間に危害を加えているのだから言い訳のし様がないだろう。

以下の記事で報じたように、2014年にアメリカの傀儡となったウクライナ政権をオバマ政権下でバイデン現大統領が良いように使っていたことも含め、この件で西側のことを調べれば調べるほどきな臭いことがいくらでも出てくる。

ロシアのウクライナ侵攻でバイデン大統領が犯した一番の間違い
ロシアの戦争行為を正当化するわけではない。しかしロシア側の主張には少なからぬ事実が含まれており、日本を含む西側の報道ではそれが一切黙殺されている。そして完全にコントロールされた偏向報道を西側の人々は「報道の自由」だと信じている。

こういう人々は躊躇なくシリアにミサイルを打ち込んだアメリカ人のように、大手メディアの偏向報道を論拠に戦争が行われれば簡単に戦争支持をするだろう。そしてそれこそが戦争の原因だということを彼らが理解することはない。

ロシアのプーチン大統領は西側諸国の大手メディアに頭をやられた人々に頭の病気を心配されているが、何も事実を知らず、事実を調べもせずに、ただメディアに踊らされて異国に敵愾心を向ける日本や西洋の人々は確かに頭の病気ではないのかもしれない。それが人間の平常運転だからである。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/21097
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/539.html#c42

[近代史5] ロシア・ウクライナの歴史と現代史 中川隆
44. 中川隆[-13541] koaQ7Jey 2022年3月09日 14:16:25 : 6RXKtDV6I6 : NldSY1NTcjE1QlE=[6]
アゾフ連隊: ウクライナ国家親衛隊に実際に存在するネオナチの暴力集団
2022年3月8日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/21097


プーチン大統領がウクライナ政権をネオナチ呼ばわりして西側諸国の顰蹙を買っているが、西洋で人気の「ファクトチェック」なるものをここでもやってみようではないか。

ウクライナ国家親衛隊

ウクライナ政府には2つの軍組織が存在する。1つはウクライナ大統領が最高司令官を務めるウクライナ軍(Armed Forces of Ukraine)であり、もう1つは内務省に所属するウクライナ国家親衛隊(National Guard of Ukraine)である。

何故2つも軍があるのかが日本人には分かりにくいかもしれないが、ウクライナ軍は国外での任務も行う普通の意味での軍であるのに対し、ウクライナ国家親衛隊は国内での軍事行動を任務としている。

「国内での軍事行動」というのも日本人には馴染みがないだろうが、ウクライナでは2014年に当時の親ロシア派のウクライナ政権が暴力デモ集団によって追放され、ロシアはこれを違法なクーデター(事実だろう)と非難、ドネツク人民共和国およびルガンスク人民共和国として独立宣言したウクライナ東部を支援し、クリミアを併合することで対応した。

ちなみにこの2014年のクーデターで欧米諸国は当時の親ロシア派ウクライナ政権が暴力デモ集団の要求を受け入れるよう制裁で脅すなどの支援をしているほか、アメリカの外交官であるビクトリア・ヌーランド氏がウクライナ新政権の人選について話し合っている音声がYoutubeに暴露されるなどしている。

ジム・ロジャーズ氏: 米国のロシア嫌いはオバマ政権によるウクライナ政権転覆が露呈して決まりが悪くなったから
こういう状況で(新)ウクライナ政権は2014年から独立宣言した東部との戦闘状態に陥っており、ウクライナ国家親衛隊はこの状況を受けて創設されたものである。つまり、ウクライナ国家親衛隊が担う「国内での軍事行動」とはウクライナ東部との戦闘を意味する。

アゾフ連隊

さて、このウクライナ国家親衛隊にはアゾフ連隊という部隊が存在する。世界的にはアゾフ大隊の名前で知られているが、ウクライナ政府はこれを後に連隊に昇格させている。

このアゾフ連隊の出自は日本人にはなかなか理解しづらいだろう。日本で治安悪化と言えばスリなどを行う犯罪者や、せいぜいが不良やヤクザであり、彼らが軍を組織してあまつさえ自衛隊に合流するなどということは有り得ない。しかしアゾフ連隊はそういう出自を持っている。

アゾフ連隊は元々ウクライナの都市ハルキウのサッカークラブの熱狂的なサポーターの集まりだった。

サッカーファンが何故軍になるのかという時点で突っ込みどころが満載だが、ヨーロッパのしかも治安が良くない国におけるサッカーのサポーターを、日本で見られるようなサッカーファンと一緒にしてはならない。

サッカーチームの暴力的なサポーターということに関しては、日本人には恐らくフーリガンの名でよく知られているだろう。サッカーは欧米では労働者階級の憂さ晴らしという側面があり、試合にかこつけて会場の内外で暴れたり、外国人の選手に差別的な言動をぶつける人々は日本でもニュースで目にするかもしれない。

ヨーロッパで不良やならず者が信奉するのが暴力行為のほかに白人至上主義やナチズムである。ウクライナの場合、住民にウクライナ系とロシア系がいるので、ウクライナのフーリガンはロシア系住民を排斥する民族主義に繋がりやすい。

ウクライナ分離で水を得た魚

フーリガンと極右思想との繋がりはアゾフ連隊に限ったことではなくアメリカやイギリスなどでも見られるが、ウクライナの場合、2014年にウクライナが分断され、新ウクライナ政府がロシア系の東部と戦闘に陥ったことでネオナチのならず者たちは格好の活躍の場を得た。もう暴力衝動を発散させるための場にサッカー場は必要ないということである。

ロシア系の人々を相手に暴力的な衝動を発散させたいアゾフ連隊と、ロシアに支援されたウクライナ東部を攻撃したい新ウクライナ政府の利害は合致し、アゾフ連隊はウクライナ国家親衛隊に組み入れられた。

その後のアゾフ連隊の振る舞いは、彼らが元々どういう人々かを考えれば明らかだろう。OHCHR(国連人権高等弁務官事務所)の報告にいくつか例がある。

2016年2月16日から5月15日のウクライナにおける人権状況報告 (OHCHRホームページ上)
ウクライナの軍隊とアゾフ連隊は民間人を立ち退かせて民間の建物を広く使用しており、そこでは民間人の財産の略奪が行われている。

あるいは以下のものである。

2016年11月16日から2月15日のウクライナにおける人権状況報告 (OHCHRホームページ上)
アゾフ大隊やドンバス大隊(訳注:こちらもウクライナ国家親衛隊である)のメンバー8名から10名程度によって精神障害者の男性が性暴力などの虐待を受けた。

これらの報告書には他にもこのアゾフ連隊がどういう目的で戦闘行為をしているのかが分かる行動が報告されている。

こうした報告は日付通り何年も前のものだが、ウクライナ東部は当時からこういう状況だったということだ。ロシアの「ロシア系住民保護」という名目は、少なくとも政府側の人間のこうした行為に向けられている。

また、これらの報告を呼んでもウクライナ政府下のアゾフ連隊がただの暴力集団でネオナチとは関係がないのではないかと思う人々には、日本の公安調査庁がアゾフ連隊について書いているページを引用しておこう。

極右過激主義者の脅威の高まりと国際的なつながり (公安調査庁ホームページ)
2014年,ウクライナの親ロシア派武装勢力が,東部・ドンバスの占領を開始したことを受け,「ウクライナの愛国者」を自称するネオナチ組織が「アゾフ大隊」なる部隊を結成した。同部隊は,欧米出身者を中心に白人至上主義やネオナチ思想を有する外国人戦闘員を勧誘したとされ,同部隊を含めウクライナ紛争に参加した欧米出身者は約2,000人とされる。

「ネオナチ」としっかり書かれている。

結論

ロシアやウクライナ東部と戦っているウクライナ政府にどういう人間が含まれているのかを、日本人は知っているだろうか。

アゾフ連隊はウクライナ国家親衛隊の一部に過ぎないと言うことも出来るだろうが、完全なネオナチ組織を自軍に組み込んで連隊に昇格させている時点で現ウクライナ政権の思考はかなりおかしい上に、政府下の人間が実際にネオナチ思想に基づいてウクライナ東部の人間に危害を加えているのだから言い訳のし様がないだろう。

以下の記事で報じたように、2014年にアメリカの傀儡となったウクライナ政権をオバマ政権下でバイデン現大統領が良いように使っていたことも含め、この件で西側のことを調べれば調べるほどきな臭いことがいくらでも出てくる。

ロシアのウクライナ侵攻でバイデン大統領が犯した一番の間違い
ロシアの戦争行為を正当化するわけではない。しかしロシア側の主張には少なからぬ事実が含まれており、日本を含む西側の報道ではそれが一切黙殺されている。そして完全にコントロールされた偏向報道を西側の人々は「報道の自由」だと信じている。

こういう人々は躊躇なくシリアにミサイルを打ち込んだアメリカ人のように、大手メディアの偏向報道を論拠に戦争が行われれば簡単に戦争支持をするだろう。そしてそれこそが戦争の原因だということを彼らが理解することはない。

ロシアのプーチン大統領は西側諸国の大手メディアに頭をやられた人々に頭の病気を心配されているが、何も事実を知らず、事実を調べもせずに、ただメディアに踊らされて異国に敵愾心を向ける日本や西洋の人々は確かに頭の病気ではないのかもしれない。それが人間の平常運転だからである。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/21097
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/472.html#c44

[近代史5] ロシアのウクライナ侵攻 _ すべては事前合意ができていた 中川隆
15. 2022年3月09日 17:14:44 : 6RXKtDV6I6 : NldSY1NTcjE1QlE=[7]

2022年03月08日
オリガルヒの対立と暗躍 / ウクライナ紛争の背後に潜む闘い
http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68890538.html


新興財閥の影がちらつく戦争

Ukraine at war 43Oleg Deripaska & Putin 2

(左 : 戦場となったウクライナ / 右 : プーチン大統領と親しいオルガルヒのオレグ・デリパスカ )

  海外報道によれば、ウクライナ紛争はようやく停戦交渉の段階に入ったようで、今のところ、ウクライナの命運がどうなるのか日本人にはよく分からない。トルコを仲介役にし、ロシアが様々な条件を出すと思うが、戦後処理の取引には両国の思惑が交差するので、ある程度の時が経たないと我々には全体像が摑めないと思う。

  今回、日本の一般国民はロシア軍とウクライナ軍の戦闘ばかりに目を向けたが、本当に注目すべきは、どのような計画や魂胆で紛争状態になったのか、あるいは誰の野望や組織の利益で戦闘状態になったのかである。こうした疑問を解く鍵になるのは、ロシアやウクライナ、そしてアメリカの政財界で暗躍する人々の動向だ。

  政府は有力議員や高級官僚が動かす。しかし、彼らの背後には資金提供する者や人事を操る者、財界や軍需産業に影響力を行使する者、世界政治を動かしてしまう勢力などいる。だいたい、あのジョー・バイデンがホワイトハウスで采配を振るい、微妙な作戦を監督したとは到底思えない。確かに、ブリンケン国務長官やオースティン国防長官が何らかの方針を固め、対ロシア戦に影響力を持っていたのだろうが、彼らが一連の騒動を仕組んでいたとは考えられない。おそらく、彼らに指令を与え、想像もしない利益を狙う闇組織がいたはずだ。「大統領」を演じるバイデンなんか、単なる操り人形に過ぎない。せいぜい、ジル夫人に介護される痴呆症患者といったところだ。

Petro Poroshenko 2016(左 / ペトロ・ポロシェンコ)
  日本の主流メディアは決して報道しないが、ウクライナやロシアには両国の政財界を動かす大富豪が存在する。なぜか日本では一般的に知られていないが、2014年から2019年までウクライナ大統領を務めていたペトロ・ポロシェンコ(Petro O. Poroshenko)も元々は裕福なビジネスマンで、お菓子や自動車などを製造する投資会社、「UkrPromInvest」を創業した人物だ。1996年、彼は「ロシェン菓子グループ(Roshen Confectionery Group)」を設立し、ここが製造するチョコレートやビスケット、キャンディーにどは日本にも輸出されている。(同社の日本支部は、津田沼パルコや横浜ポルタに出店しているそうだ。) という訳で、ポロシェンコは政界進出前に「チョコレート・キング」と呼ばれていたらしい。

  しかし、この元大統領はカタギの商売人じゃなく、腐敗に満ちた政治屋だった。2020年にはウクライナの検事当局が、元権力者のポロシェンコを20件以上の犯罪容疑で起訴したというから凄い。しかも、2021年12月には国家反逆罪に加え、テロ支援でも訴えられていたのだ。彼はドネツクやルガンスクで独立運動を画策するテロリスト・グループに資金を流したという廉で槍玉に挙がり、またもや裁判沙汰になっている。もし、有罪判決を受ければ15年以上の懲役になるから、彼は急いでポーランドへ逃げてしまった。ところが、今回、ウクライナ紛争が勃発したため、ホロドミール・ゼレンスキー大統領は事態の打開を目指したのか、この政敵と和解することにしたらしい。確かに、ポロシェンコは西側と太いパイプを築いていたから、何らかの助けになると考えたのだろう。これにより、司法当局は前大統領の逮捕を断念した。

Kostyantyn Zhevago 03( 左 / コスティアンチン・ゼヴァゴ )
  ウクライナには他にも大物がいる。例えば、ロシア生まれのコスティアンチン・ゼヴァゴ(Kostyantyn Zhevago)は、ウクライナにある鉱山会社「Ferrexpo」を所有する大富豪だ。彼はまた、「Fianace & Credt」という銀行を所有する金融業者でもあり、政界にも食指を伸ばしていた。1998年に代議士となったゼヴァゴは、再選を果たすと2006年に「ユリア・ティモシェンコ党(Yulia Tymoshenko Bloc」に入った。しかし、2019年の選挙ではどの政党にも属さぬ独立候補となったから、美味しい議席を失ってしまった。

  政治腐敗で知れ渡るウクライナでは、瀆職議員や売国議員なんか珍しくない。落選したゼヴァゴも公僕とは程遠い人物で、カタギのビジネスマンでもなかった。彼は自分の銀行である「Finance & Credit」を使ってマネーロンダリングをやらかしていたし、銀行の横領事件にも手を染めていた。日本人も呆れてしまうけど、ゼヴァゴが横領した金額は1億1千300万ドルであったという。('Ex-MP Zhevaho put on international wanted list', The Kyiv Post, July 15, 2021.) しかも、銀行制度を利用して"クスねた"お金は、25億フリヴニャ(Hr)に上るというから、日本円に換算すれば約96億2千500万円もネコババしたことになる。(1フリヴニャ = 3.85円で計算。)

  捜査当局(SBI)のローマン・トゥルバ(Roman Truba)長官によれば、ゼヴァゴ元議員は今や「お尋ね者」であるという。('Zhevaho declared wanted in Ukraine, placing on intl wanted list being prepared', Interfax Ukraine, 9 October 2019.) しかし、お金持ちは選挙に落ちても、逃亡者になっても大丈夫。米国のフォーブス誌によれば、彼は14億ドルもの資産を持っていたのだから。日本のチンピラ議員とは大違い。何しろ、ゼゴヴァは豪華なヨットやプライヴェート・ジェット機まで所有していたんだから。彼には息子と娘がいるらしいが、女房のアリーナ(Alina)夫人だって養育費の心配は無かろうし、生活費の苦労だって無いはずだ。

Kostyantyn Zhevago private jet 443Kostyantyn Zhevago super yacht 01

(左 : プライヴェート・ジェット機 / 右 : 豪華なヨット)

  話を戻す。陰謀渦巻くロシア同様、ウクライナでも政界の腐敗は深刻で、ユダヤ系の新興財閥があちこちで跋扈している。そもそも、大統領のゼリンスキーや首相のホロドミール・グロイスマン(Volodymyr B. Groysman)が、スラヴ系とかノルマン系のウクライナ人ではなく、異人種のユダヤ人なんだから、日本人じゃなくても「何だ、この国は !!」と叫びたくなる。以前、当ブログで紹介したヴィクトル・ピンチュク(Victor Pinchuk)もユダヤ人で、投資会社の「EastOne Group」やパイプ製造の大手企業「Interpipe Group」を率いる総帥だ。彼が"親西歐"なのはウクライナ人のためじゃなく、自分のビジネスを拡大させるためだろう。また、ユダヤ人オリガルヒであるイゴール・コロモイスキー(Ihor Kolomoyskyy)が西側に接近するのも、国民のためじゃなく、自分が所有する「PrivatBank」の利益を考えてのことだ。

Victor Pinchuk 991Ihor Kolomoyskyi 155Rinat Akhmetov Leonidovich 03


(左 : ヴィクトル・ピンチュク / 中央 : イゴール・コロモイスキー / 右 : リナット・アフメトフ )

  一般のウクライナ国民とは程遠く、自分のビジネスばかりを心配する大富豪は他にもいて、ウクライナで最も裕福と評されるリナット・アフメトフ(Rinat Akhmetov)は、その典型である。彼は金融や投資、鉱山、金属加工、製造業、農業、運輸、通信など、多彩な分野に跨がる「System Capital Management」を創業した経営者ときている。このオリガルヒは意外にもユダヤ人ではない。彼はドネツク生まれのヴォルガ・タタール人らしく、スンニ派のイスラム教徒であるという。

Alina Zagitova 1( 左 / アリーナ・ザギトワ )
  ただし、ユダヤ系雑誌の『Tablet』によれば、アフメトフは"ユダヤ系"の大富豪らしい。(Marc Tracy, 'The Richest Jews in the World', Tablet, March 15, 2011.) 我々は「タタール人」と聞けば、直ぐにモンゴル系やテュルク系のアジア人を想像してしまうが、ロシアの「タタール人」にはスラヴ人に近い人々が多い。例えば、日本でも人気のフィギュア・スケート選手、ロシアのアリーナ・ザギトワ(Alina I. Zagitova)は、ロシアのマスコミでも言われているように、おそらく「タタール系ロシア人」の子孫であろう。

Irina Shayk 0332(左 / イリーナ・シャイク)
  2014年に公開された映画『Hercules』に出演したイリーナ・シャイク(IrinaShayk)もタタール系ロシア人だ。彼女はクレイグ・ファーガソンのトーク・ショーに招かれた時、本名に言及し、難しい発音で「シャイクイスラノワ(Shaykhlislamova)」と披露していた。一般的に、アフメトフはヴォルガ・タタール人と思われているが、もしかすると血統的にはユダヤ人なのかも知れない。記事を書いたマルク・トレイシーは同胞だからこそ、躊躇なくアフメトフの素性を明かしたのだろう。

  日本人は国籍で血統や民族を考えてしまうが、ロシア国籍者だからといって、必ずしもスラヴ系民族とは限らない。カザフスタンやグルジアから流れてきたユダヤ人もいるし、ガリツィア地方からやって来たユダヤ人も少なくなく、ロシアやウクライナで裕福になり、アメリカやブリテンに移住する連中もいる。カナダやオーストラリアに渡ったアシュケナジム系のユダヤ人なんかは図々しいから、素性や家系を隠してヨーロッパ系の「移民」に成りすます奴も結構いるんだぞ。

Vadym Novynskyi 03( 左 / ヴァディム・ノヴィンスキー )
  ウクライナには親ロシア派の大富豪もいて、それがロシアとの交渉を呼びかけたヴァディム・ノヴィンスキー(Vadim Novinsky)である。ただし、彼の本名は「ヴァディム・ルドルフォヴィッチ・マルカシアン(Vadim Rudolfovich Malkhasyan)と言うそうだ。当初、ノヴィンスキーは"愛国者"を演じており、英国の諜報組織が「ロシアでクーデタが起きるかも知れないぞ」という情報を流した時、彼はそれに同調しなかった。彼はフィナンシャル・タイムズ紙のインタヴューに応じた際、「そんなのは全くのナンセンスだ」と否定した。

  ところが、ロシア軍がウクライナに侵攻すると、ノヴィンスキーは態度を一変させ、プーチン政権の危険性を理解し始めた。ウクライナ人の政治アナリストであるタラス・ベレゾェツ(Taras Berezovets)によれば、親露派のノヴィンスキーでも、戦争という深刻な状態に直面したから、ウクライナのオルガルヒもプーチンのターゲットになっている、と悟ったそうだ。(Giacomo Tognini, 'Richest Ukrainians with billions to lose close ranks as Putin unleashes war', Forbes, February 24, 2022.)

プーチンを支えるエリート・ビジネスマン

Igor Rotenberg 22Boris Rotenberg 1223(左 : イゴール・ロテンベルク / 右 : ボリス・ロテンベルク)
  翻ってロシアに目を向ければ、ここにもユダヤ系オルガルヒが存在する。プーチン支持派のユダヤ人も困った状態に陥ったようだ。米国や歐洲の政治家は、侵略国となったロシアを経済的に苦しめるべく、「SWIFT」からロシアの企業や個人を排除し、取引や送金のドル決済を出来ないようにした。プーチンに近い大富豪どもは、西側による経済制裁は"かなり"重傷となり得るぞ、と予想しており、大御所の投資家であるウィリアム・ブローダー(William Felix Browder)も、前々からプーチンに警告を発していたそうだ。石油やガスの輸送販売を手掛ける「S.G.M. group (Stroygazmontazh)」を創設したイゴール(Igor Rotenberg)とボリス(Boris Rotenberg)のロテンベルク兄弟も、制裁リストに載ったユダヤ人オルガルヒで、個人的にプーチンと親しいから、何らかの忠告をしたのかも知れない。

  ちなみに、ブローダーは投資アドヴァイザー会社の「Hermitage Capital Management」でCEO(最高経営責任者)を務める人物として知られている。だが、日本人には合衆国共産党(CPUSA)のリーダー格であった、アール・ブローダー(Earl Browder)の孫と紹介した方が良いだろう。父方の祖父に当たるアールは、ロシア系ユダヤ人のライザ・バークマン(Raisa Berkman)と結婚したから、孫のウィリアムにはユダヤ人の血が流れている。

  ついでに言うと、アールの同志であったジェイ・ラヴストン(Jay Lovestone)も米国共産党のリーダー格であったが、彼の本名は「ジェイコブ・リープシュタイン(Jacob Liepstein」という。この共産主義者はリトアニア系ユダヤ人の息子であった。CPUSAの前身である「アメリカ共産党(Communist Party of America)」の総書記となったウィリアム・ワインストーン(William Wolf Weinstone)も同類で、ロシアからアメリカへ流れてきたユダヤ移民の息子であったという。

Jay Lovestone 1121William Weinstone 01Mossaye Joseph Olgin


( 左 : ジェイ・ラヴストン / 中央 : ウィリアム・ワインストーン / 右 : モシェ・ヨセフ・オルギン )

  共産主義者にはユダヤ人が異常に多く、ニューヨーク市で創刊された『Morgen Freiheit』紙はイディッシュ語で書かれた日刊紙であったし、これを創刊・発行したのもユダヤ人のモシェ・メヨセフ・オルギン(Moissaye Joseph Olgin)であった。彼はロシア帝國時代のキエフで生まれ、キエフ大学で勉強した反ロシア主義の赤色学生だった。ロシア人のポグロムを憎み、ロシア革命に共感した「ユダヤ人ブント」のオルギンであったが、第一次世界大戦が勃発したため、活動拠点のロシアに戻れず、1915年にアメリカへ移住することにしたそうだ。こういう厄介者や有害分子が流れ込んでくることを思えば、やはりユダヤ人を排斥する移民法が必要なんだなぁ、と日本人でも解るだろう。

Bill Browder 5Felix Browder 33Earl Browder 1939


(左 : フェリクスの息子であるウィリアム・ブローダー / 中央 : 父親のフェリックス・ブローダー / 右 : 祖父のアール・ブローダー )

  アールの息子であるフェリックス・ブローダー(Felix Browder)も父親と同じく、ユダヤ人女性のエヴァ・ツィロウィッツ(Eva Tislowitz)と結婚する。しかし、フェリクスは幼い頃から数学の才能を発揮し、16歳でMITに入るや、2年で卒業したというから、本当に神童だった。しかし、プリンストン大学で博士号を取得し、数学者の道を歩もうとするフェリクスであったが、前途有望な青年の前には巨大な壁が現れた。運悪く彼の就職時期は、丁度マッカーシー旋風と重なっていたのだ。共産主義者の親爺を持つから仕方ないけど、ほとんどの大学は赤い家庭で育った子息を雇うことに躊躇いを示した。

Eleanor Roosevelt 021( 左 / エレノア・ローズヴェルト)
  ところが、「類は群れる」というか、「赤は紅を助ける」のか、共産主義に好意を寄せる元ファースト・レディー、あのエレノア・ローズヴェルトが現れ、就職に困っているフェリクスに助け船を出したのだ。マルキスト夫人エレノアのお陰でフェリクス・ブローダーは、ユダヤ系のブランダイス大学に就職ができ、その後、彼はイェール大学に移り、シカゴ大学でも教鞭を執ることが出来たという。これは何となく、日本の左翼学会と似ている。日本でも学生運動で就職できなかった奴に同情し、大手企業で出世した仲間が色々な業界で奔走し、適当なポストを用意することもあった。

  脱線したので話を戻す。歐米の財務担当者はプーチン大統領を兵糧攻めにしたいのか、彼の資金源を枯渇させる目的で「プーチンのリスト」なるブラックリストを作成した。ここには有力者のユダヤ人オルガルヒが列挙され、「Alfa Bank」を創設した金融業者のミハイル・フリードマン(Mikhail Fridman)や、「Alfa Group」の最高幹部を務めるピョートル・アーヴェン(Petr Aven)、「Alfa Group」の共同創設者であるゲルマン・カーン(German B. Khan)などが名を連ねているそうだ。

Mikhail Fridman 344Petr Aven 022German Khan 3


(左 : ミハイル・フリードマン / 中央 : ピョートル・アーヴェン / 右 : ゲルマン・カーン )

  ところが、この億万長者達は「ジェネシス慈善グループ(Genesis Philanthropy Group)」のスポンサーになっており、ロシアにも存在する正統派ユダヤ教徒の「シャバッド・ルバヴィッチ(Chabad-Luvavitch)」運動や「ハシディズム(Hasidism)」運動、そしてモスクワにオープンした「ユダヤ博物館・寛容センター(Jewish Museum and Tolerance Center)」へ多大な寄付をしていたのだ。

  「ジェネシス慈善グループ」は、この他にも様々なユダヤ人組織を手懐けていたそうで、歐米ではよく知られている「Jewish Agency for Israel」、「Joint Distribution Committee」、「Federation of Jewish Communities of Ukraine」、「Hillel」、「Moishe House」、「 Birthright」、「Limmud」などにも寄付金を渡していた。さらに、同グループは「ユダヤ・ノーヘル賞」とも評される「ジェネシス賞」を設立し、高名なユダヤ人を対象に年間で100万ドルの報奨金を与えているそうだ。(Asaf Shalev,' Sanctions highlight money flow from Russia Jewish billionaires to Jewsih nonprofits', The Times of Israel, 2 March 2022.) もう、ユダヤ人ってホントお金をばら撒くのが上手い。

  あまり言いたくはないけど、正直に意見を述べるとすれば、宗教団体の役員や信徒といえども、お金を前にしたら只の俗人で、気前よく御褒美をくれる旦那衆には滅法弱い。それゆえ、歐米諸国に住むユダヤ人は同胞を窮地から救うべく、地元の政治家や政権の要人に働きかける。各界に影響力を持つユダヤ人は、個人的ネットワークや団体役員を通して、米国財務省の役人とか政権の閣僚に「何とかなりませんかねぇ〜?」とお願いするらしい。悪代官に媚びる越後屋じゃないけど、彼らは太っ腹の支援者をブラックリストから除外してもらうよう頼み込む。

Roman Abramovich 011(左 / ローマン・アブラモヴィッチ )  
  プーチンを支えるユダヤ人オルガルヒとして有名なのが、ロシアからブリテンへ移り住んだローマン・アブラモヴィッチ(Roman Abramovich)である。彼は投資会社の「ミルハウス(Millhouse LLC)」を経営する大富豪なのだが、日本では英国のサッカー・チーム「チェルシー(Chelsea)」を所有するロシア人の方が馴染み深い。(報道によれば、ロシア軍のウクライナ侵攻を聞いて、彼は「チェルシー」を売却したそうだ。) しかし、彼は純粋なロシア人ではなく、イスラエル国籍やポルトガル国籍を保持する三重国籍のユダヤ商人である。 

  ユダヤ人というのは何時の時代でも、何処の地域でも嫌われ者となる。それゆえ、彼らは常に迫害とか暴動、虐殺、追放、不景気などに対する備えをしている。アブラモヴィッチも用心深く、彼は色々なところに"保険"を掛けていた。その一つがホロコースト記念博物館の「ヤド・ヴァシェム(Yad Vashem)」だ。とても慈善活動家とは思えないアブラモヴィッチであるが、このオルガルヒは数千万ドルの寄付を行っていたらしい。そこで、ヤド・ヴァシェムを統括するダニー・ダヤン(Dani Dayan)館長に加え、首席ラビのダヴィド・ラウ(David Lau)、「シェバ医療センター」の総括部長であるイツァク・クレイス(Yitshak Kreiss)教授が、在イスラエル米国大使宛ての嘆願書に署名し、アブラモヴィッチを制裁リストに加えないよう求めた。('Yad Vashem, chief rabbi urged US not to sanction Roman Abramovich', The Times of Israel, 27 February 2022.)

Dani Dayan 7765David Lau 11Yitshak Kreiss 1


(左 : ダニー・ダヤン / 中央 : ダヴィド・ラウ / 右 : イツァク・クレイス)

  自分の地位と財産を守ろうとしたのか、2018年、アブラモヴィッチは140億ドルの資産を携えてイスラエルに移住した。しかし、生活の拠点は依然としてイングランドであったから、イスラエルは「もしも」の為の「セイフハウス(安全な避難場所)」なんだろう。しかし、彼は自己保全のために餌をバラ撒いており、様々な団体に5億ドルほど与えていたのだ。まぁ、40億ドルもするサッカー・チームを持っていたくらいだから、非営利団体への寄付なんか、小遣い程度の出費なんだろう。

  ユダヤ人ではないが、ロシア人でもないウズベキスタン出身のアリシェル・ウスマノフ(Alisher Usmanov)も、制裁リストに載らなかったそうだ。彼は金属業界の大物で、140億ドルくらいの資産を持つという。そして、彼も英国のサッカー・チームである「アーセナル(Arsenal)」を所有していたが、最近7億ドルで手放したそうだ。

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( 左 : アリシェル・ウスマノフ / 右 : ウスマノフ夫人となったイリーナ・ヴィネル)

  ここで我々が注目すべきは、ムスリムのウスマノフが結婚したユダヤ人女房、イリーナ・ヴィネル(Irina Viner-Usmanov)の方だ。彼女はロシアとウズベキスタンで活躍する女傑で、プーチンに女を斡旋して政治権力に食い込もうとした。柔道家のプーチンは日本でも有名で、野心家のイリーナが親露的ユダヤ人として接触し、スポーツを介して大統領に近づこうとしたのも当然だ。それに、意外とプーチンはユダヤ人に親切で、シャバッド・ルバヴィッチの首席ラビであるベレル・ラザール(Berel Lazar / Shlomo Dov Pinchas Lazar)によれば、プーチンは最も親ユダヤ的な人物であるという。(Walter Laqueur, Reflections of a Veteran Pessimist, London : Routledge, 2017, pp.85-86.) 確かに、プーチンが小学生の時、ヤンチャなウラジミール少年を可愛がってくれたのは、ユダヤ人教師のヴェラ・グレヴィッチ(Vera Gurevich)先生であったし、柔道の練習相手もユダヤ人オルガルヒのアルカディー・ロテンベルク(Arkady Rotenberg)だった。(このアルカディーは、先ほど紹介したイゴールとボリスの父親である。)

Arkady Rotenberg & Putin 02Berel Lazar & Putin 55


( 左 : アルカディー・ロテンベルクとプーチン / 右 : ベレル・ラザールとベレル・ラザール )

  新体操のトレーナーだったイリーナは、ロシアのオリンピック・チームでヘッド・コーチを務め、彼女が育てた選手の中には、金メダリストのアリーナ・カバエヴァ(Alina Kabaeba)もいた。タブロイド紙によれば、38歳のアリーナは69歳になるプーチン大統領の愛人というか、前々からの恋人であるようだ。しかし、公式な結婚式を挙げていないから、内縁の妻としか言い様がない。ところが、驚くことに、アリーナは既にプーチンの子供を身籠もっていたというのだ。ゴシップ誌によると、アリーナは7歳になる双子の娘を2015年からスイスで育てているという。(Emily Smith, 'Vladimir Putin hiding lover Alina Kabaeva and their kids in Switzerland', Page Six, March 6, 2022.)


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(左 : アリーナ・カバエヴァ / 右 : カバエラとプーチン )

  日本のワイドショーでもプーチンの離婚や恋愛を取り上げていたが、それはあくまでもゴシップ・ネタとしてである。プーチンは既に最初の女房であるリュドミラ・シュクレプネヴァ(Lyudmila Shkrebneva)と離婚しており、一応、「独身者」となっているから、どんな女性と付き合おうが問題は無い。ただし、別れた女房との間には、マリア(36歳)とカトリーナ(35歳)という二人の娘がいるから複雑だ。さすがに、この娘達も自分と同じ世代の「継母」を持つとなれば、権力者の父親に呆れてしまうだろう。一方、24歳も離れたスロヴェニア美女(メラニア夫人)と再婚したドナルド・トランプ(75歳)なら、「男だから仕方ないよなぁ〜」と解ってくれるかも。にわかに信じられないが、エミリー・スミスの記事にれば、アリーナとプーチンとの間には二人の息子もいるそうだ。

  これは流石に「噂話」だろうが、もし存在するとなれば、プーチンの遺産相続人になるはずだ。隠し子騒動はともかく、歐米や日本のワイドショーでは、「プーチン狂人説」や「独裁者プーチン」の一大キャンペーンが花盛り。米国の大手メディアから情報をもらう日本の地上波テレビは、「プーチン発狂」というテーマを取り上げ、この独裁者は核戦争までも覚悟していたから、愛人のカバエヴァと子供達を核シェルターに避難させていたんだ、との憶測を流していた。真相は闇の中だが、とにかくプーチン包囲網を形成したい勢力は、盛んに「プーチン極悪人説」や「ハルマゲドン説」を唱えていた。こうやって一般国民は、知らず知らずのうちに、政治プロパガンダで洗脳されて行く。

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( 左 : 傀儡政権のゼレンスキー / 中央 : 痴呆症のバイデン / 右 : 独裁者のプーチン )

  隠し子の父親となったから、「もう一稼ぎ」として現役を続ける訳じゃないだろうが、プーチンには権力を支えてくれる強力なパトロンや支援者がいるようだ。敵対するゼレンスキーやバイデンの背後にも資金提供者がいるはずで、たぶん彼らには命令を発する黒幕もいるんだろう。日本人は映像に現れる戦闘シーンばかりに目を奪われるが、本当に重要なのは水面下で戦う大富豪達の方である。彼らにとって、デモクラシーとかファシズムといった観念論は関係ない。ウクライナ国民やロシア兵が何人死のうとも"お構いなし"で、武器や軍需物資の販売で大儲けできればよく、ついでにロシアの天然資源も掠奪できれば大喜び。たとえ、ウクライナ軍が敗れても、経済制裁でプチン政権を潰せるから、NATOの拡大なんてどうでもいい。一方、巻き添えになったウクライナ人は本当に憐れだ。家を失って難民になるんだから。

  大富豪や闇組織の連中が次に何を狙っているのか判らないけど、アメリカの中間選挙までは、"もう一波乱"あるかも知れないし、中間選挙が終わってから、また何かを仕掛けるつもりなのかも知れない。様々な情報に惑わされる一般人は、月日が経ってから紛争の全体像がボンヤリと解る程度。それよりも深刻なのは、ウクライナ紛争にばかりに気を取られる日本人が、北方領土の奪還に興味が無いことだ。ロシアが経済的に沈没すれば、占領された国土を取り戻す絶好のチャンスだ。しかし、岸田総理はポンコツ宰相だから、日本版リコンキスタには無関心。岸田内閣が熱心なのはワクチン接種や増税なんだから馬鹿らしくなる。

  そう言えば、南鮮人が占領する竹島の奪還はどうなったんだ? 我が国の領土を侵食する南鮮には、巡航ミサイルくらい撃ち込んでやればいいのに。ウクライナに向けてイスカンデルを発射したロシアが羨ましい。岸田総理もプーチンを見倣って強硬手段に出てみろ ! 以外と支持率が上がるかも知れないぞ。対南鮮攻撃なら、筆者もジャベリンを担いでソウル辺りを駆け巡りたい。国土恢復の竹島奪還となれば、志願する元自衛官も100名を超えるんじゃないか? ただし、外務大臣があの林芳正(リン・ホウショウ)じゃ無理だよねぇ〜。(あっ、うっかり支那風の発音をしてしまった。)

http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68890538.html
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1509.html#c15

[近代史5] プーチンの正体 _ プーチンはユダヤ人でユダヤ人の利害しか考えていなかった 中川隆
8. 中川隆[-13540] koaQ7Jey 2022年3月09日 17:15:36 : 6RXKtDV6I6 : NldSY1NTcjE1QlE=[8]

2022年03月08日
オリガルヒの対立と暗躍 / ウクライナ紛争の背後に潜む闘い
http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68890538.html


新興財閥の影がちらつく戦争

Ukraine at war 43Oleg Deripaska & Putin 2

(左 : 戦場となったウクライナ / 右 : プーチン大統領と親しいオルガルヒのオレグ・デリパスカ )

  海外報道によれば、ウクライナ紛争はようやく停戦交渉の段階に入ったようで、今のところ、ウクライナの命運がどうなるのか日本人にはよく分からない。トルコを仲介役にし、ロシアが様々な条件を出すと思うが、戦後処理の取引には両国の思惑が交差するので、ある程度の時が経たないと我々には全体像が摑めないと思う。

  今回、日本の一般国民はロシア軍とウクライナ軍の戦闘ばかりに目を向けたが、本当に注目すべきは、どのような計画や魂胆で紛争状態になったのか、あるいは誰の野望や組織の利益で戦闘状態になったのかである。こうした疑問を解く鍵になるのは、ロシアやウクライナ、そしてアメリカの政財界で暗躍する人々の動向だ。

  政府は有力議員や高級官僚が動かす。しかし、彼らの背後には資金提供する者や人事を操る者、財界や軍需産業に影響力を行使する者、世界政治を動かしてしまう勢力などいる。だいたい、あのジョー・バイデンがホワイトハウスで采配を振るい、微妙な作戦を監督したとは到底思えない。確かに、ブリンケン国務長官やオースティン国防長官が何らかの方針を固め、対ロシア戦に影響力を持っていたのだろうが、彼らが一連の騒動を仕組んでいたとは考えられない。おそらく、彼らに指令を与え、想像もしない利益を狙う闇組織がいたはずだ。「大統領」を演じるバイデンなんか、単なる操り人形に過ぎない。せいぜい、ジル夫人に介護される痴呆症患者といったところだ。

Petro Poroshenko 2016(左 / ペトロ・ポロシェンコ)
  日本の主流メディアは決して報道しないが、ウクライナやロシアには両国の政財界を動かす大富豪が存在する。なぜか日本では一般的に知られていないが、2014年から2019年までウクライナ大統領を務めていたペトロ・ポロシェンコ(Petro O. Poroshenko)も元々は裕福なビジネスマンで、お菓子や自動車などを製造する投資会社、「UkrPromInvest」を創業した人物だ。1996年、彼は「ロシェン菓子グループ(Roshen Confectionery Group)」を設立し、ここが製造するチョコレートやビスケット、キャンディーにどは日本にも輸出されている。(同社の日本支部は、津田沼パルコや横浜ポルタに出店しているそうだ。) という訳で、ポロシェンコは政界進出前に「チョコレート・キング」と呼ばれていたらしい。

  しかし、この元大統領はカタギの商売人じゃなく、腐敗に満ちた政治屋だった。2020年にはウクライナの検事当局が、元権力者のポロシェンコを20件以上の犯罪容疑で起訴したというから凄い。しかも、2021年12月には国家反逆罪に加え、テロ支援でも訴えられていたのだ。彼はドネツクやルガンスクで独立運動を画策するテロリスト・グループに資金を流したという廉で槍玉に挙がり、またもや裁判沙汰になっている。もし、有罪判決を受ければ15年以上の懲役になるから、彼は急いでポーランドへ逃げてしまった。ところが、今回、ウクライナ紛争が勃発したため、ホロドミール・ゼレンスキー大統領は事態の打開を目指したのか、この政敵と和解することにしたらしい。確かに、ポロシェンコは西側と太いパイプを築いていたから、何らかの助けになると考えたのだろう。これにより、司法当局は前大統領の逮捕を断念した。

Kostyantyn Zhevago 03( 左 / コスティアンチン・ゼヴァゴ )
  ウクライナには他にも大物がいる。例えば、ロシア生まれのコスティアンチン・ゼヴァゴ(Kostyantyn Zhevago)は、ウクライナにある鉱山会社「Ferrexpo」を所有する大富豪だ。彼はまた、「Fianace & Credt」という銀行を所有する金融業者でもあり、政界にも食指を伸ばしていた。1998年に代議士となったゼヴァゴは、再選を果たすと2006年に「ユリア・ティモシェンコ党(Yulia Tymoshenko Bloc」に入った。しかし、2019年の選挙ではどの政党にも属さぬ独立候補となったから、美味しい議席を失ってしまった。

  政治腐敗で知れ渡るウクライナでは、瀆職議員や売国議員なんか珍しくない。落選したゼヴァゴも公僕とは程遠い人物で、カタギのビジネスマンでもなかった。彼は自分の銀行である「Finance & Credit」を使ってマネーロンダリングをやらかしていたし、銀行の横領事件にも手を染めていた。日本人も呆れてしまうけど、ゼヴァゴが横領した金額は1億1千300万ドルであったという。('Ex-MP Zhevaho put on international wanted list', The Kyiv Post, July 15, 2021.) しかも、銀行制度を利用して"クスねた"お金は、25億フリヴニャ(Hr)に上るというから、日本円に換算すれば約96億2千500万円もネコババしたことになる。(1フリヴニャ = 3.85円で計算。)

  捜査当局(SBI)のローマン・トゥルバ(Roman Truba)長官によれば、ゼヴァゴ元議員は今や「お尋ね者」であるという。('Zhevaho declared wanted in Ukraine, placing on intl wanted list being prepared', Interfax Ukraine, 9 October 2019.) しかし、お金持ちは選挙に落ちても、逃亡者になっても大丈夫。米国のフォーブス誌によれば、彼は14億ドルもの資産を持っていたのだから。日本のチンピラ議員とは大違い。何しろ、ゼゴヴァは豪華なヨットやプライヴェート・ジェット機まで所有していたんだから。彼には息子と娘がいるらしいが、女房のアリーナ(Alina)夫人だって養育費の心配は無かろうし、生活費の苦労だって無いはずだ。

Kostyantyn Zhevago private jet 443Kostyantyn Zhevago super yacht 01

(左 : プライヴェート・ジェット機 / 右 : 豪華なヨット)

  話を戻す。陰謀渦巻くロシア同様、ウクライナでも政界の腐敗は深刻で、ユダヤ系の新興財閥があちこちで跋扈している。そもそも、大統領のゼリンスキーや首相のホロドミール・グロイスマン(Volodymyr B. Groysman)が、スラヴ系とかノルマン系のウクライナ人ではなく、異人種のユダヤ人なんだから、日本人じゃなくても「何だ、この国は !!」と叫びたくなる。以前、当ブログで紹介したヴィクトル・ピンチュク(Victor Pinchuk)もユダヤ人で、投資会社の「EastOne Group」やパイプ製造の大手企業「Interpipe Group」を率いる総帥だ。彼が"親西歐"なのはウクライナ人のためじゃなく、自分のビジネスを拡大させるためだろう。また、ユダヤ人オリガルヒであるイゴール・コロモイスキー(Ihor Kolomoyskyy)が西側に接近するのも、国民のためじゃなく、自分が所有する「PrivatBank」の利益を考えてのことだ。

Victor Pinchuk 991Ihor Kolomoyskyi 155Rinat Akhmetov Leonidovich 03


(左 : ヴィクトル・ピンチュク / 中央 : イゴール・コロモイスキー / 右 : リナット・アフメトフ )

  一般のウクライナ国民とは程遠く、自分のビジネスばかりを心配する大富豪は他にもいて、ウクライナで最も裕福と評されるリナット・アフメトフ(Rinat Akhmetov)は、その典型である。彼は金融や投資、鉱山、金属加工、製造業、農業、運輸、通信など、多彩な分野に跨がる「System Capital Management」を創業した経営者ときている。このオリガルヒは意外にもユダヤ人ではない。彼はドネツク生まれのヴォルガ・タタール人らしく、スンニ派のイスラム教徒であるという。

Alina Zagitova 1( 左 / アリーナ・ザギトワ )
  ただし、ユダヤ系雑誌の『Tablet』によれば、アフメトフは"ユダヤ系"の大富豪らしい。(Marc Tracy, 'The Richest Jews in the World', Tablet, March 15, 2011.) 我々は「タタール人」と聞けば、直ぐにモンゴル系やテュルク系のアジア人を想像してしまうが、ロシアの「タタール人」にはスラヴ人に近い人々が多い。例えば、日本でも人気のフィギュア・スケート選手、ロシアのアリーナ・ザギトワ(Alina I. Zagitova)は、ロシアのマスコミでも言われているように、おそらく「タタール系ロシア人」の子孫であろう。

Irina Shayk 0332(左 / イリーナ・シャイク)
  2014年に公開された映画『Hercules』に出演したイリーナ・シャイク(IrinaShayk)もタタール系ロシア人だ。彼女はクレイグ・ファーガソンのトーク・ショーに招かれた時、本名に言及し、難しい発音で「シャイクイスラノワ(Shaykhlislamova)」と披露していた。一般的に、アフメトフはヴォルガ・タタール人と思われているが、もしかすると血統的にはユダヤ人なのかも知れない。記事を書いたマルク・トレイシーは同胞だからこそ、躊躇なくアフメトフの素性を明かしたのだろう。

  日本人は国籍で血統や民族を考えてしまうが、ロシア国籍者だからといって、必ずしもスラヴ系民族とは限らない。カザフスタンやグルジアから流れてきたユダヤ人もいるし、ガリツィア地方からやって来たユダヤ人も少なくなく、ロシアやウクライナで裕福になり、アメリカやブリテンに移住する連中もいる。カナダやオーストラリアに渡ったアシュケナジム系のユダヤ人なんかは図々しいから、素性や家系を隠してヨーロッパ系の「移民」に成りすます奴も結構いるんだぞ。

Vadym Novynskyi 03( 左 / ヴァディム・ノヴィンスキー )
  ウクライナには親ロシア派の大富豪もいて、それがロシアとの交渉を呼びかけたヴァディム・ノヴィンスキー(Vadim Novinsky)である。ただし、彼の本名は「ヴァディム・ルドルフォヴィッチ・マルカシアン(Vadim Rudolfovich Malkhasyan)と言うそうだ。当初、ノヴィンスキーは"愛国者"を演じており、英国の諜報組織が「ロシアでクーデタが起きるかも知れないぞ」という情報を流した時、彼はそれに同調しなかった。彼はフィナンシャル・タイムズ紙のインタヴューに応じた際、「そんなのは全くのナンセンスだ」と否定した。

  ところが、ロシア軍がウクライナに侵攻すると、ノヴィンスキーは態度を一変させ、プーチン政権の危険性を理解し始めた。ウクライナ人の政治アナリストであるタラス・ベレゾェツ(Taras Berezovets)によれば、親露派のノヴィンスキーでも、戦争という深刻な状態に直面したから、ウクライナのオルガルヒもプーチンのターゲットになっている、と悟ったそうだ。(Giacomo Tognini, 'Richest Ukrainians with billions to lose close ranks as Putin unleashes war', Forbes, February 24, 2022.)

プーチンを支えるエリート・ビジネスマン

Igor Rotenberg 22Boris Rotenberg 1223(左 : イゴール・ロテンベルク / 右 : ボリス・ロテンベルク)
  翻ってロシアに目を向ければ、ここにもユダヤ系オルガルヒが存在する。プーチン支持派のユダヤ人も困った状態に陥ったようだ。米国や歐洲の政治家は、侵略国となったロシアを経済的に苦しめるべく、「SWIFT」からロシアの企業や個人を排除し、取引や送金のドル決済を出来ないようにした。プーチンに近い大富豪どもは、西側による経済制裁は"かなり"重傷となり得るぞ、と予想しており、大御所の投資家であるウィリアム・ブローダー(William Felix Browder)も、前々からプーチンに警告を発していたそうだ。石油やガスの輸送販売を手掛ける「S.G.M. group (Stroygazmontazh)」を創設したイゴール(Igor Rotenberg)とボリス(Boris Rotenberg)のロテンベルク兄弟も、制裁リストに載ったユダヤ人オルガルヒで、個人的にプーチンと親しいから、何らかの忠告をしたのかも知れない。

  ちなみに、ブローダーは投資アドヴァイザー会社の「Hermitage Capital Management」でCEO(最高経営責任者)を務める人物として知られている。だが、日本人には合衆国共産党(CPUSA)のリーダー格であった、アール・ブローダー(Earl Browder)の孫と紹介した方が良いだろう。父方の祖父に当たるアールは、ロシア系ユダヤ人のライザ・バークマン(Raisa Berkman)と結婚したから、孫のウィリアムにはユダヤ人の血が流れている。

  ついでに言うと、アールの同志であったジェイ・ラヴストン(Jay Lovestone)も米国共産党のリーダー格であったが、彼の本名は「ジェイコブ・リープシュタイン(Jacob Liepstein」という。この共産主義者はリトアニア系ユダヤ人の息子であった。CPUSAの前身である「アメリカ共産党(Communist Party of America)」の総書記となったウィリアム・ワインストーン(William Wolf Weinstone)も同類で、ロシアからアメリカへ流れてきたユダヤ移民の息子であったという。

Jay Lovestone 1121William Weinstone 01Mossaye Joseph Olgin


( 左 : ジェイ・ラヴストン / 中央 : ウィリアム・ワインストーン / 右 : モシェ・ヨセフ・オルギン )

  共産主義者にはユダヤ人が異常に多く、ニューヨーク市で創刊された『Morgen Freiheit』紙はイディッシュ語で書かれた日刊紙であったし、これを創刊・発行したのもユダヤ人のモシェ・メヨセフ・オルギン(Moissaye Joseph Olgin)であった。彼はロシア帝國時代のキエフで生まれ、キエフ大学で勉強した反ロシア主義の赤色学生だった。ロシア人のポグロムを憎み、ロシア革命に共感した「ユダヤ人ブント」のオルギンであったが、第一次世界大戦が勃発したため、活動拠点のロシアに戻れず、1915年にアメリカへ移住することにしたそうだ。こういう厄介者や有害分子が流れ込んでくることを思えば、やはりユダヤ人を排斥する移民法が必要なんだなぁ、と日本人でも解るだろう。

Bill Browder 5Felix Browder 33Earl Browder 1939


(左 : フェリクスの息子であるウィリアム・ブローダー / 中央 : 父親のフェリックス・ブローダー / 右 : 祖父のアール・ブローダー )

  アールの息子であるフェリックス・ブローダー(Felix Browder)も父親と同じく、ユダヤ人女性のエヴァ・ツィロウィッツ(Eva Tislowitz)と結婚する。しかし、フェリクスは幼い頃から数学の才能を発揮し、16歳でMITに入るや、2年で卒業したというから、本当に神童だった。しかし、プリンストン大学で博士号を取得し、数学者の道を歩もうとするフェリクスであったが、前途有望な青年の前には巨大な壁が現れた。運悪く彼の就職時期は、丁度マッカーシー旋風と重なっていたのだ。共産主義者の親爺を持つから仕方ないけど、ほとんどの大学は赤い家庭で育った子息を雇うことに躊躇いを示した。

Eleanor Roosevelt 021( 左 / エレノア・ローズヴェルト)
  ところが、「類は群れる」というか、「赤は紅を助ける」のか、共産主義に好意を寄せる元ファースト・レディー、あのエレノア・ローズヴェルトが現れ、就職に困っているフェリクスに助け船を出したのだ。マルキスト夫人エレノアのお陰でフェリクス・ブローダーは、ユダヤ系のブランダイス大学に就職ができ、その後、彼はイェール大学に移り、シカゴ大学でも教鞭を執ることが出来たという。これは何となく、日本の左翼学会と似ている。日本でも学生運動で就職できなかった奴に同情し、大手企業で出世した仲間が色々な業界で奔走し、適当なポストを用意することもあった。

  脱線したので話を戻す。歐米の財務担当者はプーチン大統領を兵糧攻めにしたいのか、彼の資金源を枯渇させる目的で「プーチンのリスト」なるブラックリストを作成した。ここには有力者のユダヤ人オルガルヒが列挙され、「Alfa Bank」を創設した金融業者のミハイル・フリードマン(Mikhail Fridman)や、「Alfa Group」の最高幹部を務めるピョートル・アーヴェン(Petr Aven)、「Alfa Group」の共同創設者であるゲルマン・カーン(German B. Khan)などが名を連ねているそうだ。

Mikhail Fridman 344Petr Aven 022German Khan 3


(左 : ミハイル・フリードマン / 中央 : ピョートル・アーヴェン / 右 : ゲルマン・カーン )

  ところが、この億万長者達は「ジェネシス慈善グループ(Genesis Philanthropy Group)」のスポンサーになっており、ロシアにも存在する正統派ユダヤ教徒の「シャバッド・ルバヴィッチ(Chabad-Luvavitch)」運動や「ハシディズム(Hasidism)」運動、そしてモスクワにオープンした「ユダヤ博物館・寛容センター(Jewish Museum and Tolerance Center)」へ多大な寄付をしていたのだ。

  「ジェネシス慈善グループ」は、この他にも様々なユダヤ人組織を手懐けていたそうで、歐米ではよく知られている「Jewish Agency for Israel」、「Joint Distribution Committee」、「Federation of Jewish Communities of Ukraine」、「Hillel」、「Moishe House」、「 Birthright」、「Limmud」などにも寄付金を渡していた。さらに、同グループは「ユダヤ・ノーヘル賞」とも評される「ジェネシス賞」を設立し、高名なユダヤ人を対象に年間で100万ドルの報奨金を与えているそうだ。(Asaf Shalev,' Sanctions highlight money flow from Russia Jewish billionaires to Jewsih nonprofits', The Times of Israel, 2 March 2022.) もう、ユダヤ人ってホントお金をばら撒くのが上手い。

  あまり言いたくはないけど、正直に意見を述べるとすれば、宗教団体の役員や信徒といえども、お金を前にしたら只の俗人で、気前よく御褒美をくれる旦那衆には滅法弱い。それゆえ、歐米諸国に住むユダヤ人は同胞を窮地から救うべく、地元の政治家や政権の要人に働きかける。各界に影響力を持つユダヤ人は、個人的ネットワークや団体役員を通して、米国財務省の役人とか政権の閣僚に「何とかなりませんかねぇ〜?」とお願いするらしい。悪代官に媚びる越後屋じゃないけど、彼らは太っ腹の支援者をブラックリストから除外してもらうよう頼み込む。

Roman Abramovich 011(左 / ローマン・アブラモヴィッチ )  
  プーチンを支えるユダヤ人オルガルヒとして有名なのが、ロシアからブリテンへ移り住んだローマン・アブラモヴィッチ(Roman Abramovich)である。彼は投資会社の「ミルハウス(Millhouse LLC)」を経営する大富豪なのだが、日本では英国のサッカー・チーム「チェルシー(Chelsea)」を所有するロシア人の方が馴染み深い。(報道によれば、ロシア軍のウクライナ侵攻を聞いて、彼は「チェルシー」を売却したそうだ。) しかし、彼は純粋なロシア人ではなく、イスラエル国籍やポルトガル国籍を保持する三重国籍のユダヤ商人である。 

  ユダヤ人というのは何時の時代でも、何処の地域でも嫌われ者となる。それゆえ、彼らは常に迫害とか暴動、虐殺、追放、不景気などに対する備えをしている。アブラモヴィッチも用心深く、彼は色々なところに"保険"を掛けていた。その一つがホロコースト記念博物館の「ヤド・ヴァシェム(Yad Vashem)」だ。とても慈善活動家とは思えないアブラモヴィッチであるが、このオルガルヒは数千万ドルの寄付を行っていたらしい。そこで、ヤド・ヴァシェムを統括するダニー・ダヤン(Dani Dayan)館長に加え、首席ラビのダヴィド・ラウ(David Lau)、「シェバ医療センター」の総括部長であるイツァク・クレイス(Yitshak Kreiss)教授が、在イスラエル米国大使宛ての嘆願書に署名し、アブラモヴィッチを制裁リストに加えないよう求めた。('Yad Vashem, chief rabbi urged US not to sanction Roman Abramovich', The Times of Israel, 27 February 2022.)

Dani Dayan 7765David Lau 11Yitshak Kreiss 1


(左 : ダニー・ダヤン / 中央 : ダヴィド・ラウ / 右 : イツァク・クレイス)

  自分の地位と財産を守ろうとしたのか、2018年、アブラモヴィッチは140億ドルの資産を携えてイスラエルに移住した。しかし、生活の拠点は依然としてイングランドであったから、イスラエルは「もしも」の為の「セイフハウス(安全な避難場所)」なんだろう。しかし、彼は自己保全のために餌をバラ撒いており、様々な団体に5億ドルほど与えていたのだ。まぁ、40億ドルもするサッカー・チームを持っていたくらいだから、非営利団体への寄付なんか、小遣い程度の出費なんだろう。

  ユダヤ人ではないが、ロシア人でもないウズベキスタン出身のアリシェル・ウスマノフ(Alisher Usmanov)も、制裁リストに載らなかったそうだ。彼は金属業界の大物で、140億ドルくらいの資産を持つという。そして、彼も英国のサッカー・チームである「アーセナル(Arsenal)」を所有していたが、最近7億ドルで手放したそうだ。

Alisher Usmanov 7743Irina Viner 54


( 左 : アリシェル・ウスマノフ / 右 : ウスマノフ夫人となったイリーナ・ヴィネル)

  ここで我々が注目すべきは、ムスリムのウスマノフが結婚したユダヤ人女房、イリーナ・ヴィネル(Irina Viner-Usmanov)の方だ。彼女はロシアとウズベキスタンで活躍する女傑で、プーチンに女を斡旋して政治権力に食い込もうとした。柔道家のプーチンは日本でも有名で、野心家のイリーナが親露的ユダヤ人として接触し、スポーツを介して大統領に近づこうとしたのも当然だ。それに、意外とプーチンはユダヤ人に親切で、シャバッド・ルバヴィッチの首席ラビであるベレル・ラザール(Berel Lazar / Shlomo Dov Pinchas Lazar)によれば、プーチンは最も親ユダヤ的な人物であるという。(Walter Laqueur, Reflections of a Veteran Pessimist, London : Routledge, 2017, pp.85-86.) 確かに、プーチンが小学生の時、ヤンチャなウラジミール少年を可愛がってくれたのは、ユダヤ人教師のヴェラ・グレヴィッチ(Vera Gurevich)先生であったし、柔道の練習相手もユダヤ人オルガルヒのアルカディー・ロテンベルク(Arkady Rotenberg)だった。(このアルカディーは、先ほど紹介したイゴールとボリスの父親である。)

Arkady Rotenberg & Putin 02Berel Lazar & Putin 55


( 左 : アルカディー・ロテンベルクとプーチン / 右 : ベレル・ラザールとベレル・ラザール )

  新体操のトレーナーだったイリーナは、ロシアのオリンピック・チームでヘッド・コーチを務め、彼女が育てた選手の中には、金メダリストのアリーナ・カバエヴァ(Alina Kabaeba)もいた。タブロイド紙によれば、38歳のアリーナは69歳になるプーチン大統領の愛人というか、前々からの恋人であるようだ。しかし、公式な結婚式を挙げていないから、内縁の妻としか言い様がない。ところが、驚くことに、アリーナは既にプーチンの子供を身籠もっていたというのだ。ゴシップ誌によると、アリーナは7歳になる双子の娘を2015年からスイスで育てているという。(Emily Smith, 'Vladimir Putin hiding lover Alina Kabaeva and their kids in Switzerland', Page Six, March 6, 2022.)


Alina Kabaeva 9922Alina Kabaeva & Putin 662


(左 : アリーナ・カバエヴァ / 右 : カバエラとプーチン )

  日本のワイドショーでもプーチンの離婚や恋愛を取り上げていたが、それはあくまでもゴシップ・ネタとしてである。プーチンは既に最初の女房であるリュドミラ・シュクレプネヴァ(Lyudmila Shkrebneva)と離婚しており、一応、「独身者」となっているから、どんな女性と付き合おうが問題は無い。ただし、別れた女房との間には、マリア(36歳)とカトリーナ(35歳)という二人の娘がいるから複雑だ。さすがに、この娘達も自分と同じ世代の「継母」を持つとなれば、権力者の父親に呆れてしまうだろう。一方、24歳も離れたスロヴェニア美女(メラニア夫人)と再婚したドナルド・トランプ(75歳)なら、「男だから仕方ないよなぁ〜」と解ってくれるかも。にわかに信じられないが、エミリー・スミスの記事にれば、アリーナとプーチンとの間には二人の息子もいるそうだ。

  これは流石に「噂話」だろうが、もし存在するとなれば、プーチンの遺産相続人になるはずだ。隠し子騒動はともかく、歐米や日本のワイドショーでは、「プーチン狂人説」や「独裁者プーチン」の一大キャンペーンが花盛り。米国の大手メディアから情報をもらう日本の地上波テレビは、「プーチン発狂」というテーマを取り上げ、この独裁者は核戦争までも覚悟していたから、愛人のカバエヴァと子供達を核シェルターに避難させていたんだ、との憶測を流していた。真相は闇の中だが、とにかくプーチン包囲網を形成したい勢力は、盛んに「プーチン極悪人説」や「ハルマゲドン説」を唱えていた。こうやって一般国民は、知らず知らずのうちに、政治プロパガンダで洗脳されて行く。

Zelensky 22Biden 87643Putin 8832

( 左 : 傀儡政権のゼレンスキー / 中央 : 痴呆症のバイデン / 右 : 独裁者のプーチン )

  隠し子の父親となったから、「もう一稼ぎ」として現役を続ける訳じゃないだろうが、プーチンには権力を支えてくれる強力なパトロンや支援者がいるようだ。敵対するゼレンスキーやバイデンの背後にも資金提供者がいるはずで、たぶん彼らには命令を発する黒幕もいるんだろう。日本人は映像に現れる戦闘シーンばかりに目を奪われるが、本当に重要なのは水面下で戦う大富豪達の方である。彼らにとって、デモクラシーとかファシズムといった観念論は関係ない。ウクライナ国民やロシア兵が何人死のうとも"お構いなし"で、武器や軍需物資の販売で大儲けできればよく、ついでにロシアの天然資源も掠奪できれば大喜び。たとえ、ウクライナ軍が敗れても、経済制裁でプチン政権を潰せるから、NATOの拡大なんてどうでもいい。一方、巻き添えになったウクライナ人は本当に憐れだ。家を失って難民になるんだから。

  大富豪や闇組織の連中が次に何を狙っているのか判らないけど、アメリカの中間選挙までは、"もう一波乱"あるかも知れないし、中間選挙が終わってから、また何かを仕掛けるつもりなのかも知れない。様々な情報に惑わされる一般人は、月日が経ってから紛争の全体像がボンヤリと解る程度。それよりも深刻なのは、ウクライナ紛争にばかりに気を取られる日本人が、北方領土の奪還に興味が無いことだ。ロシアが経済的に沈没すれば、占領された国土を取り戻す絶好のチャンスだ。しかし、岸田総理はポンコツ宰相だから、日本版リコンキスタには無関心。岸田内閣が熱心なのはワクチン接種や増税なんだから馬鹿らしくなる。

  そう言えば、南鮮人が占領する竹島の奪還はどうなったんだ? 我が国の領土を侵食する南鮮には、巡航ミサイルくらい撃ち込んでやればいいのに。ウクライナに向けてイスカンデルを発射したロシアが羨ましい。岸田総理もプーチンを見倣って強硬手段に出てみろ ! 以外と支持率が上がるかも知れないぞ。対南鮮攻撃なら、筆者もジャベリンを担いでソウル辺りを駆け巡りたい。国土恢復の竹島奪還となれば、志願する元自衛官も100名を超えるんじゃないか? ただし、外務大臣があの林芳正(リン・ホウショウ)じゃ無理だよねぇ〜。(あっ、うっかり支那風の発音をしてしまった。)

http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68890538.html
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[近代史4] プーチン大統領 中川隆
25. 中川隆[-13539] koaQ7Jey 2022年3月09日 17:16:06 : 6RXKtDV6I6 : NldSY1NTcjE1QlE=[9]

2022年03月08日
オリガルヒの対立と暗躍 / ウクライナ紛争の背後に潜む闘い
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新興財閥の影がちらつく戦争

Ukraine at war 43Oleg Deripaska & Putin 2

(左 : 戦場となったウクライナ / 右 : プーチン大統領と親しいオルガルヒのオレグ・デリパスカ )

  海外報道によれば、ウクライナ紛争はようやく停戦交渉の段階に入ったようで、今のところ、ウクライナの命運がどうなるのか日本人にはよく分からない。トルコを仲介役にし、ロシアが様々な条件を出すと思うが、戦後処理の取引には両国の思惑が交差するので、ある程度の時が経たないと我々には全体像が摑めないと思う。

  今回、日本の一般国民はロシア軍とウクライナ軍の戦闘ばかりに目を向けたが、本当に注目すべきは、どのような計画や魂胆で紛争状態になったのか、あるいは誰の野望や組織の利益で戦闘状態になったのかである。こうした疑問を解く鍵になるのは、ロシアやウクライナ、そしてアメリカの政財界で暗躍する人々の動向だ。

  政府は有力議員や高級官僚が動かす。しかし、彼らの背後には資金提供する者や人事を操る者、財界や軍需産業に影響力を行使する者、世界政治を動かしてしまう勢力などいる。だいたい、あのジョー・バイデンがホワイトハウスで采配を振るい、微妙な作戦を監督したとは到底思えない。確かに、ブリンケン国務長官やオースティン国防長官が何らかの方針を固め、対ロシア戦に影響力を持っていたのだろうが、彼らが一連の騒動を仕組んでいたとは考えられない。おそらく、彼らに指令を与え、想像もしない利益を狙う闇組織がいたはずだ。「大統領」を演じるバイデンなんか、単なる操り人形に過ぎない。せいぜい、ジル夫人に介護される痴呆症患者といったところだ。

Petro Poroshenko 2016(左 / ペトロ・ポロシェンコ)
  日本の主流メディアは決して報道しないが、ウクライナやロシアには両国の政財界を動かす大富豪が存在する。なぜか日本では一般的に知られていないが、2014年から2019年までウクライナ大統領を務めていたペトロ・ポロシェンコ(Petro O. Poroshenko)も元々は裕福なビジネスマンで、お菓子や自動車などを製造する投資会社、「UkrPromInvest」を創業した人物だ。1996年、彼は「ロシェン菓子グループ(Roshen Confectionery Group)」を設立し、ここが製造するチョコレートやビスケット、キャンディーにどは日本にも輸出されている。(同社の日本支部は、津田沼パルコや横浜ポルタに出店しているそうだ。) という訳で、ポロシェンコは政界進出前に「チョコレート・キング」と呼ばれていたらしい。

  しかし、この元大統領はカタギの商売人じゃなく、腐敗に満ちた政治屋だった。2020年にはウクライナの検事当局が、元権力者のポロシェンコを20件以上の犯罪容疑で起訴したというから凄い。しかも、2021年12月には国家反逆罪に加え、テロ支援でも訴えられていたのだ。彼はドネツクやルガンスクで独立運動を画策するテロリスト・グループに資金を流したという廉で槍玉に挙がり、またもや裁判沙汰になっている。もし、有罪判決を受ければ15年以上の懲役になるから、彼は急いでポーランドへ逃げてしまった。ところが、今回、ウクライナ紛争が勃発したため、ホロドミール・ゼレンスキー大統領は事態の打開を目指したのか、この政敵と和解することにしたらしい。確かに、ポロシェンコは西側と太いパイプを築いていたから、何らかの助けになると考えたのだろう。これにより、司法当局は前大統領の逮捕を断念した。

Kostyantyn Zhevago 03( 左 / コスティアンチン・ゼヴァゴ )
  ウクライナには他にも大物がいる。例えば、ロシア生まれのコスティアンチン・ゼヴァゴ(Kostyantyn Zhevago)は、ウクライナにある鉱山会社「Ferrexpo」を所有する大富豪だ。彼はまた、「Fianace & Credt」という銀行を所有する金融業者でもあり、政界にも食指を伸ばしていた。1998年に代議士となったゼヴァゴは、再選を果たすと2006年に「ユリア・ティモシェンコ党(Yulia Tymoshenko Bloc」に入った。しかし、2019年の選挙ではどの政党にも属さぬ独立候補となったから、美味しい議席を失ってしまった。

  政治腐敗で知れ渡るウクライナでは、瀆職議員や売国議員なんか珍しくない。落選したゼヴァゴも公僕とは程遠い人物で、カタギのビジネスマンでもなかった。彼は自分の銀行である「Finance & Credit」を使ってマネーロンダリングをやらかしていたし、銀行の横領事件にも手を染めていた。日本人も呆れてしまうけど、ゼヴァゴが横領した金額は1億1千300万ドルであったという。('Ex-MP Zhevaho put on international wanted list', The Kyiv Post, July 15, 2021.) しかも、銀行制度を利用して"クスねた"お金は、25億フリヴニャ(Hr)に上るというから、日本円に換算すれば約96億2千500万円もネコババしたことになる。(1フリヴニャ = 3.85円で計算。)

  捜査当局(SBI)のローマン・トゥルバ(Roman Truba)長官によれば、ゼヴァゴ元議員は今や「お尋ね者」であるという。('Zhevaho declared wanted in Ukraine, placing on intl wanted list being prepared', Interfax Ukraine, 9 October 2019.) しかし、お金持ちは選挙に落ちても、逃亡者になっても大丈夫。米国のフォーブス誌によれば、彼は14億ドルもの資産を持っていたのだから。日本のチンピラ議員とは大違い。何しろ、ゼゴヴァは豪華なヨットやプライヴェート・ジェット機まで所有していたんだから。彼には息子と娘がいるらしいが、女房のアリーナ(Alina)夫人だって養育費の心配は無かろうし、生活費の苦労だって無いはずだ。

Kostyantyn Zhevago private jet 443Kostyantyn Zhevago super yacht 01

(左 : プライヴェート・ジェット機 / 右 : 豪華なヨット)

  話を戻す。陰謀渦巻くロシア同様、ウクライナでも政界の腐敗は深刻で、ユダヤ系の新興財閥があちこちで跋扈している。そもそも、大統領のゼリンスキーや首相のホロドミール・グロイスマン(Volodymyr B. Groysman)が、スラヴ系とかノルマン系のウクライナ人ではなく、異人種のユダヤ人なんだから、日本人じゃなくても「何だ、この国は !!」と叫びたくなる。以前、当ブログで紹介したヴィクトル・ピンチュク(Victor Pinchuk)もユダヤ人で、投資会社の「EastOne Group」やパイプ製造の大手企業「Interpipe Group」を率いる総帥だ。彼が"親西歐"なのはウクライナ人のためじゃなく、自分のビジネスを拡大させるためだろう。また、ユダヤ人オリガルヒであるイゴール・コロモイスキー(Ihor Kolomoyskyy)が西側に接近するのも、国民のためじゃなく、自分が所有する「PrivatBank」の利益を考えてのことだ。

Victor Pinchuk 991Ihor Kolomoyskyi 155Rinat Akhmetov Leonidovich 03


(左 : ヴィクトル・ピンチュク / 中央 : イゴール・コロモイスキー / 右 : リナット・アフメトフ )

  一般のウクライナ国民とは程遠く、自分のビジネスばかりを心配する大富豪は他にもいて、ウクライナで最も裕福と評されるリナット・アフメトフ(Rinat Akhmetov)は、その典型である。彼は金融や投資、鉱山、金属加工、製造業、農業、運輸、通信など、多彩な分野に跨がる「System Capital Management」を創業した経営者ときている。このオリガルヒは意外にもユダヤ人ではない。彼はドネツク生まれのヴォルガ・タタール人らしく、スンニ派のイスラム教徒であるという。

Alina Zagitova 1( 左 / アリーナ・ザギトワ )
  ただし、ユダヤ系雑誌の『Tablet』によれば、アフメトフは"ユダヤ系"の大富豪らしい。(Marc Tracy, 'The Richest Jews in the World', Tablet, March 15, 2011.) 我々は「タタール人」と聞けば、直ぐにモンゴル系やテュルク系のアジア人を想像してしまうが、ロシアの「タタール人」にはスラヴ人に近い人々が多い。例えば、日本でも人気のフィギュア・スケート選手、ロシアのアリーナ・ザギトワ(Alina I. Zagitova)は、ロシアのマスコミでも言われているように、おそらく「タタール系ロシア人」の子孫であろう。

Irina Shayk 0332(左 / イリーナ・シャイク)
  2014年に公開された映画『Hercules』に出演したイリーナ・シャイク(IrinaShayk)もタタール系ロシア人だ。彼女はクレイグ・ファーガソンのトーク・ショーに招かれた時、本名に言及し、難しい発音で「シャイクイスラノワ(Shaykhlislamova)」と披露していた。一般的に、アフメトフはヴォルガ・タタール人と思われているが、もしかすると血統的にはユダヤ人なのかも知れない。記事を書いたマルク・トレイシーは同胞だからこそ、躊躇なくアフメトフの素性を明かしたのだろう。

  日本人は国籍で血統や民族を考えてしまうが、ロシア国籍者だからといって、必ずしもスラヴ系民族とは限らない。カザフスタンやグルジアから流れてきたユダヤ人もいるし、ガリツィア地方からやって来たユダヤ人も少なくなく、ロシアやウクライナで裕福になり、アメリカやブリテンに移住する連中もいる。カナダやオーストラリアに渡ったアシュケナジム系のユダヤ人なんかは図々しいから、素性や家系を隠してヨーロッパ系の「移民」に成りすます奴も結構いるんだぞ。

Vadym Novynskyi 03( 左 / ヴァディム・ノヴィンスキー )
  ウクライナには親ロシア派の大富豪もいて、それがロシアとの交渉を呼びかけたヴァディム・ノヴィンスキー(Vadim Novinsky)である。ただし、彼の本名は「ヴァディム・ルドルフォヴィッチ・マルカシアン(Vadim Rudolfovich Malkhasyan)と言うそうだ。当初、ノヴィンスキーは"愛国者"を演じており、英国の諜報組織が「ロシアでクーデタが起きるかも知れないぞ」という情報を流した時、彼はそれに同調しなかった。彼はフィナンシャル・タイムズ紙のインタヴューに応じた際、「そんなのは全くのナンセンスだ」と否定した。

  ところが、ロシア軍がウクライナに侵攻すると、ノヴィンスキーは態度を一変させ、プーチン政権の危険性を理解し始めた。ウクライナ人の政治アナリストであるタラス・ベレゾェツ(Taras Berezovets)によれば、親露派のノヴィンスキーでも、戦争という深刻な状態に直面したから、ウクライナのオルガルヒもプーチンのターゲットになっている、と悟ったそうだ。(Giacomo Tognini, 'Richest Ukrainians with billions to lose close ranks as Putin unleashes war', Forbes, February 24, 2022.)

プーチンを支えるエリート・ビジネスマン

Igor Rotenberg 22Boris Rotenberg 1223(左 : イゴール・ロテンベルク / 右 : ボリス・ロテンベルク)
  翻ってロシアに目を向ければ、ここにもユダヤ系オルガルヒが存在する。プーチン支持派のユダヤ人も困った状態に陥ったようだ。米国や歐洲の政治家は、侵略国となったロシアを経済的に苦しめるべく、「SWIFT」からロシアの企業や個人を排除し、取引や送金のドル決済を出来ないようにした。プーチンに近い大富豪どもは、西側による経済制裁は"かなり"重傷となり得るぞ、と予想しており、大御所の投資家であるウィリアム・ブローダー(William Felix Browder)も、前々からプーチンに警告を発していたそうだ。石油やガスの輸送販売を手掛ける「S.G.M. group (Stroygazmontazh)」を創設したイゴール(Igor Rotenberg)とボリス(Boris Rotenberg)のロテンベルク兄弟も、制裁リストに載ったユダヤ人オルガルヒで、個人的にプーチンと親しいから、何らかの忠告をしたのかも知れない。

  ちなみに、ブローダーは投資アドヴァイザー会社の「Hermitage Capital Management」でCEO(最高経営責任者)を務める人物として知られている。だが、日本人には合衆国共産党(CPUSA)のリーダー格であった、アール・ブローダー(Earl Browder)の孫と紹介した方が良いだろう。父方の祖父に当たるアールは、ロシア系ユダヤ人のライザ・バークマン(Raisa Berkman)と結婚したから、孫のウィリアムにはユダヤ人の血が流れている。

  ついでに言うと、アールの同志であったジェイ・ラヴストン(Jay Lovestone)も米国共産党のリーダー格であったが、彼の本名は「ジェイコブ・リープシュタイン(Jacob Liepstein」という。この共産主義者はリトアニア系ユダヤ人の息子であった。CPUSAの前身である「アメリカ共産党(Communist Party of America)」の総書記となったウィリアム・ワインストーン(William Wolf Weinstone)も同類で、ロシアからアメリカへ流れてきたユダヤ移民の息子であったという。

Jay Lovestone 1121William Weinstone 01Mossaye Joseph Olgin


( 左 : ジェイ・ラヴストン / 中央 : ウィリアム・ワインストーン / 右 : モシェ・ヨセフ・オルギン )

  共産主義者にはユダヤ人が異常に多く、ニューヨーク市で創刊された『Morgen Freiheit』紙はイディッシュ語で書かれた日刊紙であったし、これを創刊・発行したのもユダヤ人のモシェ・メヨセフ・オルギン(Moissaye Joseph Olgin)であった。彼はロシア帝國時代のキエフで生まれ、キエフ大学で勉強した反ロシア主義の赤色学生だった。ロシア人のポグロムを憎み、ロシア革命に共感した「ユダヤ人ブント」のオルギンであったが、第一次世界大戦が勃発したため、活動拠点のロシアに戻れず、1915年にアメリカへ移住することにしたそうだ。こういう厄介者や有害分子が流れ込んでくることを思えば、やはりユダヤ人を排斥する移民法が必要なんだなぁ、と日本人でも解るだろう。

Bill Browder 5Felix Browder 33Earl Browder 1939


(左 : フェリクスの息子であるウィリアム・ブローダー / 中央 : 父親のフェリックス・ブローダー / 右 : 祖父のアール・ブローダー )

  アールの息子であるフェリックス・ブローダー(Felix Browder)も父親と同じく、ユダヤ人女性のエヴァ・ツィロウィッツ(Eva Tislowitz)と結婚する。しかし、フェリクスは幼い頃から数学の才能を発揮し、16歳でMITに入るや、2年で卒業したというから、本当に神童だった。しかし、プリンストン大学で博士号を取得し、数学者の道を歩もうとするフェリクスであったが、前途有望な青年の前には巨大な壁が現れた。運悪く彼の就職時期は、丁度マッカーシー旋風と重なっていたのだ。共産主義者の親爺を持つから仕方ないけど、ほとんどの大学は赤い家庭で育った子息を雇うことに躊躇いを示した。

Eleanor Roosevelt 021( 左 / エレノア・ローズヴェルト)
  ところが、「類は群れる」というか、「赤は紅を助ける」のか、共産主義に好意を寄せる元ファースト・レディー、あのエレノア・ローズヴェルトが現れ、就職に困っているフェリクスに助け船を出したのだ。マルキスト夫人エレノアのお陰でフェリクス・ブローダーは、ユダヤ系のブランダイス大学に就職ができ、その後、彼はイェール大学に移り、シカゴ大学でも教鞭を執ることが出来たという。これは何となく、日本の左翼学会と似ている。日本でも学生運動で就職できなかった奴に同情し、大手企業で出世した仲間が色々な業界で奔走し、適当なポストを用意することもあった。

  脱線したので話を戻す。歐米の財務担当者はプーチン大統領を兵糧攻めにしたいのか、彼の資金源を枯渇させる目的で「プーチンのリスト」なるブラックリストを作成した。ここには有力者のユダヤ人オルガルヒが列挙され、「Alfa Bank」を創設した金融業者のミハイル・フリードマン(Mikhail Fridman)や、「Alfa Group」の最高幹部を務めるピョートル・アーヴェン(Petr Aven)、「Alfa Group」の共同創設者であるゲルマン・カーン(German B. Khan)などが名を連ねているそうだ。

Mikhail Fridman 344Petr Aven 022German Khan 3


(左 : ミハイル・フリードマン / 中央 : ピョートル・アーヴェン / 右 : ゲルマン・カーン )

  ところが、この億万長者達は「ジェネシス慈善グループ(Genesis Philanthropy Group)」のスポンサーになっており、ロシアにも存在する正統派ユダヤ教徒の「シャバッド・ルバヴィッチ(Chabad-Luvavitch)」運動や「ハシディズム(Hasidism)」運動、そしてモスクワにオープンした「ユダヤ博物館・寛容センター(Jewish Museum and Tolerance Center)」へ多大な寄付をしていたのだ。

  「ジェネシス慈善グループ」は、この他にも様々なユダヤ人組織を手懐けていたそうで、歐米ではよく知られている「Jewish Agency for Israel」、「Joint Distribution Committee」、「Federation of Jewish Communities of Ukraine」、「Hillel」、「Moishe House」、「 Birthright」、「Limmud」などにも寄付金を渡していた。さらに、同グループは「ユダヤ・ノーヘル賞」とも評される「ジェネシス賞」を設立し、高名なユダヤ人を対象に年間で100万ドルの報奨金を与えているそうだ。(Asaf Shalev,' Sanctions highlight money flow from Russia Jewish billionaires to Jewsih nonprofits', The Times of Israel, 2 March 2022.) もう、ユダヤ人ってホントお金をばら撒くのが上手い。

  あまり言いたくはないけど、正直に意見を述べるとすれば、宗教団体の役員や信徒といえども、お金を前にしたら只の俗人で、気前よく御褒美をくれる旦那衆には滅法弱い。それゆえ、歐米諸国に住むユダヤ人は同胞を窮地から救うべく、地元の政治家や政権の要人に働きかける。各界に影響力を持つユダヤ人は、個人的ネットワークや団体役員を通して、米国財務省の役人とか政権の閣僚に「何とかなりませんかねぇ〜?」とお願いするらしい。悪代官に媚びる越後屋じゃないけど、彼らは太っ腹の支援者をブラックリストから除外してもらうよう頼み込む。

Roman Abramovich 011(左 / ローマン・アブラモヴィッチ )  
  プーチンを支えるユダヤ人オルガルヒとして有名なのが、ロシアからブリテンへ移り住んだローマン・アブラモヴィッチ(Roman Abramovich)である。彼は投資会社の「ミルハウス(Millhouse LLC)」を経営する大富豪なのだが、日本では英国のサッカー・チーム「チェルシー(Chelsea)」を所有するロシア人の方が馴染み深い。(報道によれば、ロシア軍のウクライナ侵攻を聞いて、彼は「チェルシー」を売却したそうだ。) しかし、彼は純粋なロシア人ではなく、イスラエル国籍やポルトガル国籍を保持する三重国籍のユダヤ商人である。 

  ユダヤ人というのは何時の時代でも、何処の地域でも嫌われ者となる。それゆえ、彼らは常に迫害とか暴動、虐殺、追放、不景気などに対する備えをしている。アブラモヴィッチも用心深く、彼は色々なところに"保険"を掛けていた。その一つがホロコースト記念博物館の「ヤド・ヴァシェム(Yad Vashem)」だ。とても慈善活動家とは思えないアブラモヴィッチであるが、このオルガルヒは数千万ドルの寄付を行っていたらしい。そこで、ヤド・ヴァシェムを統括するダニー・ダヤン(Dani Dayan)館長に加え、首席ラビのダヴィド・ラウ(David Lau)、「シェバ医療センター」の総括部長であるイツァク・クレイス(Yitshak Kreiss)教授が、在イスラエル米国大使宛ての嘆願書に署名し、アブラモヴィッチを制裁リストに加えないよう求めた。('Yad Vashem, chief rabbi urged US not to sanction Roman Abramovich', The Times of Israel, 27 February 2022.)

Dani Dayan 7765David Lau 11Yitshak Kreiss 1


(左 : ダニー・ダヤン / 中央 : ダヴィド・ラウ / 右 : イツァク・クレイス)

  自分の地位と財産を守ろうとしたのか、2018年、アブラモヴィッチは140億ドルの資産を携えてイスラエルに移住した。しかし、生活の拠点は依然としてイングランドであったから、イスラエルは「もしも」の為の「セイフハウス(安全な避難場所)」なんだろう。しかし、彼は自己保全のために餌をバラ撒いており、様々な団体に5億ドルほど与えていたのだ。まぁ、40億ドルもするサッカー・チームを持っていたくらいだから、非営利団体への寄付なんか、小遣い程度の出費なんだろう。

  ユダヤ人ではないが、ロシア人でもないウズベキスタン出身のアリシェル・ウスマノフ(Alisher Usmanov)も、制裁リストに載らなかったそうだ。彼は金属業界の大物で、140億ドルくらいの資産を持つという。そして、彼も英国のサッカー・チームである「アーセナル(Arsenal)」を所有していたが、最近7億ドルで手放したそうだ。

Alisher Usmanov 7743Irina Viner 54


( 左 : アリシェル・ウスマノフ / 右 : ウスマノフ夫人となったイリーナ・ヴィネル)

  ここで我々が注目すべきは、ムスリムのウスマノフが結婚したユダヤ人女房、イリーナ・ヴィネル(Irina Viner-Usmanov)の方だ。彼女はロシアとウズベキスタンで活躍する女傑で、プーチンに女を斡旋して政治権力に食い込もうとした。柔道家のプーチンは日本でも有名で、野心家のイリーナが親露的ユダヤ人として接触し、スポーツを介して大統領に近づこうとしたのも当然だ。それに、意外とプーチンはユダヤ人に親切で、シャバッド・ルバヴィッチの首席ラビであるベレル・ラザール(Berel Lazar / Shlomo Dov Pinchas Lazar)によれば、プーチンは最も親ユダヤ的な人物であるという。(Walter Laqueur, Reflections of a Veteran Pessimist, London : Routledge, 2017, pp.85-86.) 確かに、プーチンが小学生の時、ヤンチャなウラジミール少年を可愛がってくれたのは、ユダヤ人教師のヴェラ・グレヴィッチ(Vera Gurevich)先生であったし、柔道の練習相手もユダヤ人オルガルヒのアルカディー・ロテンベルク(Arkady Rotenberg)だった。(このアルカディーは、先ほど紹介したイゴールとボリスの父親である。)

Arkady Rotenberg & Putin 02Berel Lazar & Putin 55


( 左 : アルカディー・ロテンベルクとプーチン / 右 : ベレル・ラザールとベレル・ラザール )

  新体操のトレーナーだったイリーナは、ロシアのオリンピック・チームでヘッド・コーチを務め、彼女が育てた選手の中には、金メダリストのアリーナ・カバエヴァ(Alina Kabaeba)もいた。タブロイド紙によれば、38歳のアリーナは69歳になるプーチン大統領の愛人というか、前々からの恋人であるようだ。しかし、公式な結婚式を挙げていないから、内縁の妻としか言い様がない。ところが、驚くことに、アリーナは既にプーチンの子供を身籠もっていたというのだ。ゴシップ誌によると、アリーナは7歳になる双子の娘を2015年からスイスで育てているという。(Emily Smith, 'Vladimir Putin hiding lover Alina Kabaeva and their kids in Switzerland', Page Six, March 6, 2022.)


Alina Kabaeva 9922Alina Kabaeva & Putin 662


(左 : アリーナ・カバエヴァ / 右 : カバエラとプーチン )

  日本のワイドショーでもプーチンの離婚や恋愛を取り上げていたが、それはあくまでもゴシップ・ネタとしてである。プーチンは既に最初の女房であるリュドミラ・シュクレプネヴァ(Lyudmila Shkrebneva)と離婚しており、一応、「独身者」となっているから、どんな女性と付き合おうが問題は無い。ただし、別れた女房との間には、マリア(36歳)とカトリーナ(35歳)という二人の娘がいるから複雑だ。さすがに、この娘達も自分と同じ世代の「継母」を持つとなれば、権力者の父親に呆れてしまうだろう。一方、24歳も離れたスロヴェニア美女(メラニア夫人)と再婚したドナルド・トランプ(75歳)なら、「男だから仕方ないよなぁ〜」と解ってくれるかも。にわかに信じられないが、エミリー・スミスの記事にれば、アリーナとプーチンとの間には二人の息子もいるそうだ。

  これは流石に「噂話」だろうが、もし存在するとなれば、プーチンの遺産相続人になるはずだ。隠し子騒動はともかく、歐米や日本のワイドショーでは、「プーチン狂人説」や「独裁者プーチン」の一大キャンペーンが花盛り。米国の大手メディアから情報をもらう日本の地上波テレビは、「プーチン発狂」というテーマを取り上げ、この独裁者は核戦争までも覚悟していたから、愛人のカバエヴァと子供達を核シェルターに避難させていたんだ、との憶測を流していた。真相は闇の中だが、とにかくプーチン包囲網を形成したい勢力は、盛んに「プーチン極悪人説」や「ハルマゲドン説」を唱えていた。こうやって一般国民は、知らず知らずのうちに、政治プロパガンダで洗脳されて行く。

Zelensky 22Biden 87643Putin 8832

( 左 : 傀儡政権のゼレンスキー / 中央 : 痴呆症のバイデン / 右 : 独裁者のプーチン )

  隠し子の父親となったから、「もう一稼ぎ」として現役を続ける訳じゃないだろうが、プーチンには権力を支えてくれる強力なパトロンや支援者がいるようだ。敵対するゼレンスキーやバイデンの背後にも資金提供者がいるはずで、たぶん彼らには命令を発する黒幕もいるんだろう。日本人は映像に現れる戦闘シーンばかりに目を奪われるが、本当に重要なのは水面下で戦う大富豪達の方である。彼らにとって、デモクラシーとかファシズムといった観念論は関係ない。ウクライナ国民やロシア兵が何人死のうとも"お構いなし"で、武器や軍需物資の販売で大儲けできればよく、ついでにロシアの天然資源も掠奪できれば大喜び。たとえ、ウクライナ軍が敗れても、経済制裁でプチン政権を潰せるから、NATOの拡大なんてどうでもいい。一方、巻き添えになったウクライナ人は本当に憐れだ。家を失って難民になるんだから。

  大富豪や闇組織の連中が次に何を狙っているのか判らないけど、アメリカの中間選挙までは、"もう一波乱"あるかも知れないし、中間選挙が終わってから、また何かを仕掛けるつもりなのかも知れない。様々な情報に惑わされる一般人は、月日が経ってから紛争の全体像がボンヤリと解る程度。それよりも深刻なのは、ウクライナ紛争にばかりに気を取られる日本人が、北方領土の奪還に興味が無いことだ。ロシアが経済的に沈没すれば、占領された国土を取り戻す絶好のチャンスだ。しかし、岸田総理はポンコツ宰相だから、日本版リコンキスタには無関心。岸田内閣が熱心なのはワクチン接種や増税なんだから馬鹿らしくなる。

  そう言えば、南鮮人が占領する竹島の奪還はどうなったんだ? 我が国の領土を侵食する南鮮には、巡航ミサイルくらい撃ち込んでやればいいのに。ウクライナに向けてイスカンデルを発射したロシアが羨ましい。岸田総理もプーチンを見倣って強硬手段に出てみろ ! 以外と支持率が上がるかも知れないぞ。対南鮮攻撃なら、筆者もジャベリンを担いでソウル辺りを駆け巡りたい。国土恢復の竹島奪還となれば、志願する元自衛官も100名を超えるんじゃないか? ただし、外務大臣があの林芳正(リン・ホウショウ)じゃ無理だよねぇ〜。(あっ、うっかり支那風の発音をしてしまった。)

http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68890538.html
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/809.html#c25

[近代史02] プーチン大統領は神の申し子_____小沢一郎先生はこういう人になって欲しかった 中川隆
191. 中川隆[-13538] koaQ7Jey 2022年3月09日 17:16:47 : 6RXKtDV6I6 : NldSY1NTcjE1QlE=[10]

2022年03月08日
オリガルヒの対立と暗躍 / ウクライナ紛争の背後に潜む闘い
http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68890538.html


新興財閥の影がちらつく戦争

Ukraine at war 43Oleg Deripaska & Putin 2

(左 : 戦場となったウクライナ / 右 : プーチン大統領と親しいオルガルヒのオレグ・デリパスカ )

  海外報道によれば、ウクライナ紛争はようやく停戦交渉の段階に入ったようで、今のところ、ウクライナの命運がどうなるのか日本人にはよく分からない。トルコを仲介役にし、ロシアが様々な条件を出すと思うが、戦後処理の取引には両国の思惑が交差するので、ある程度の時が経たないと我々には全体像が摑めないと思う。

  今回、日本の一般国民はロシア軍とウクライナ軍の戦闘ばかりに目を向けたが、本当に注目すべきは、どのような計画や魂胆で紛争状態になったのか、あるいは誰の野望や組織の利益で戦闘状態になったのかである。こうした疑問を解く鍵になるのは、ロシアやウクライナ、そしてアメリカの政財界で暗躍する人々の動向だ。

  政府は有力議員や高級官僚が動かす。しかし、彼らの背後には資金提供する者や人事を操る者、財界や軍需産業に影響力を行使する者、世界政治を動かしてしまう勢力などいる。だいたい、あのジョー・バイデンがホワイトハウスで采配を振るい、微妙な作戦を監督したとは到底思えない。確かに、ブリンケン国務長官やオースティン国防長官が何らかの方針を固め、対ロシア戦に影響力を持っていたのだろうが、彼らが一連の騒動を仕組んでいたとは考えられない。おそらく、彼らに指令を与え、想像もしない利益を狙う闇組織がいたはずだ。「大統領」を演じるバイデンなんか、単なる操り人形に過ぎない。せいぜい、ジル夫人に介護される痴呆症患者といったところだ。

Petro Poroshenko 2016(左 / ペトロ・ポロシェンコ)
  日本の主流メディアは決して報道しないが、ウクライナやロシアには両国の政財界を動かす大富豪が存在する。なぜか日本では一般的に知られていないが、2014年から2019年までウクライナ大統領を務めていたペトロ・ポロシェンコ(Petro O. Poroshenko)も元々は裕福なビジネスマンで、お菓子や自動車などを製造する投資会社、「UkrPromInvest」を創業した人物だ。1996年、彼は「ロシェン菓子グループ(Roshen Confectionery Group)」を設立し、ここが製造するチョコレートやビスケット、キャンディーにどは日本にも輸出されている。(同社の日本支部は、津田沼パルコや横浜ポルタに出店しているそうだ。) という訳で、ポロシェンコは政界進出前に「チョコレート・キング」と呼ばれていたらしい。

  しかし、この元大統領はカタギの商売人じゃなく、腐敗に満ちた政治屋だった。2020年にはウクライナの検事当局が、元権力者のポロシェンコを20件以上の犯罪容疑で起訴したというから凄い。しかも、2021年12月には国家反逆罪に加え、テロ支援でも訴えられていたのだ。彼はドネツクやルガンスクで独立運動を画策するテロリスト・グループに資金を流したという廉で槍玉に挙がり、またもや裁判沙汰になっている。もし、有罪判決を受ければ15年以上の懲役になるから、彼は急いでポーランドへ逃げてしまった。ところが、今回、ウクライナ紛争が勃発したため、ホロドミール・ゼレンスキー大統領は事態の打開を目指したのか、この政敵と和解することにしたらしい。確かに、ポロシェンコは西側と太いパイプを築いていたから、何らかの助けになると考えたのだろう。これにより、司法当局は前大統領の逮捕を断念した。

Kostyantyn Zhevago 03( 左 / コスティアンチン・ゼヴァゴ )
  ウクライナには他にも大物がいる。例えば、ロシア生まれのコスティアンチン・ゼヴァゴ(Kostyantyn Zhevago)は、ウクライナにある鉱山会社「Ferrexpo」を所有する大富豪だ。彼はまた、「Fianace & Credt」という銀行を所有する金融業者でもあり、政界にも食指を伸ばしていた。1998年に代議士となったゼヴァゴは、再選を果たすと2006年に「ユリア・ティモシェンコ党(Yulia Tymoshenko Bloc」に入った。しかし、2019年の選挙ではどの政党にも属さぬ独立候補となったから、美味しい議席を失ってしまった。

  政治腐敗で知れ渡るウクライナでは、瀆職議員や売国議員なんか珍しくない。落選したゼヴァゴも公僕とは程遠い人物で、カタギのビジネスマンでもなかった。彼は自分の銀行である「Finance & Credit」を使ってマネーロンダリングをやらかしていたし、銀行の横領事件にも手を染めていた。日本人も呆れてしまうけど、ゼヴァゴが横領した金額は1億1千300万ドルであったという。('Ex-MP Zhevaho put on international wanted list', The Kyiv Post, July 15, 2021.) しかも、銀行制度を利用して"クスねた"お金は、25億フリヴニャ(Hr)に上るというから、日本円に換算すれば約96億2千500万円もネコババしたことになる。(1フリヴニャ = 3.85円で計算。)

  捜査当局(SBI)のローマン・トゥルバ(Roman Truba)長官によれば、ゼヴァゴ元議員は今や「お尋ね者」であるという。('Zhevaho declared wanted in Ukraine, placing on intl wanted list being prepared', Interfax Ukraine, 9 October 2019.) しかし、お金持ちは選挙に落ちても、逃亡者になっても大丈夫。米国のフォーブス誌によれば、彼は14億ドルもの資産を持っていたのだから。日本のチンピラ議員とは大違い。何しろ、ゼゴヴァは豪華なヨットやプライヴェート・ジェット機まで所有していたんだから。彼には息子と娘がいるらしいが、女房のアリーナ(Alina)夫人だって養育費の心配は無かろうし、生活費の苦労だって無いはずだ。

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(左 : プライヴェート・ジェット機 / 右 : 豪華なヨット)

  話を戻す。陰謀渦巻くロシア同様、ウクライナでも政界の腐敗は深刻で、ユダヤ系の新興財閥があちこちで跋扈している。そもそも、大統領のゼリンスキーや首相のホロドミール・グロイスマン(Volodymyr B. Groysman)が、スラヴ系とかノルマン系のウクライナ人ではなく、異人種のユダヤ人なんだから、日本人じゃなくても「何だ、この国は !!」と叫びたくなる。以前、当ブログで紹介したヴィクトル・ピンチュク(Victor Pinchuk)もユダヤ人で、投資会社の「EastOne Group」やパイプ製造の大手企業「Interpipe Group」を率いる総帥だ。彼が"親西歐"なのはウクライナ人のためじゃなく、自分のビジネスを拡大させるためだろう。また、ユダヤ人オリガルヒであるイゴール・コロモイスキー(Ihor Kolomoyskyy)が西側に接近するのも、国民のためじゃなく、自分が所有する「PrivatBank」の利益を考えてのことだ。

Victor Pinchuk 991Ihor Kolomoyskyi 155Rinat Akhmetov Leonidovich 03


(左 : ヴィクトル・ピンチュク / 中央 : イゴール・コロモイスキー / 右 : リナット・アフメトフ )

  一般のウクライナ国民とは程遠く、自分のビジネスばかりを心配する大富豪は他にもいて、ウクライナで最も裕福と評されるリナット・アフメトフ(Rinat Akhmetov)は、その典型である。彼は金融や投資、鉱山、金属加工、製造業、農業、運輸、通信など、多彩な分野に跨がる「System Capital Management」を創業した経営者ときている。このオリガルヒは意外にもユダヤ人ではない。彼はドネツク生まれのヴォルガ・タタール人らしく、スンニ派のイスラム教徒であるという。

Alina Zagitova 1( 左 / アリーナ・ザギトワ )
  ただし、ユダヤ系雑誌の『Tablet』によれば、アフメトフは"ユダヤ系"の大富豪らしい。(Marc Tracy, 'The Richest Jews in the World', Tablet, March 15, 2011.) 我々は「タタール人」と聞けば、直ぐにモンゴル系やテュルク系のアジア人を想像してしまうが、ロシアの「タタール人」にはスラヴ人に近い人々が多い。例えば、日本でも人気のフィギュア・スケート選手、ロシアのアリーナ・ザギトワ(Alina I. Zagitova)は、ロシアのマスコミでも言われているように、おそらく「タタール系ロシア人」の子孫であろう。

Irina Shayk 0332(左 / イリーナ・シャイク)
  2014年に公開された映画『Hercules』に出演したイリーナ・シャイク(IrinaShayk)もタタール系ロシア人だ。彼女はクレイグ・ファーガソンのトーク・ショーに招かれた時、本名に言及し、難しい発音で「シャイクイスラノワ(Shaykhlislamova)」と披露していた。一般的に、アフメトフはヴォルガ・タタール人と思われているが、もしかすると血統的にはユダヤ人なのかも知れない。記事を書いたマルク・トレイシーは同胞だからこそ、躊躇なくアフメトフの素性を明かしたのだろう。

  日本人は国籍で血統や民族を考えてしまうが、ロシア国籍者だからといって、必ずしもスラヴ系民族とは限らない。カザフスタンやグルジアから流れてきたユダヤ人もいるし、ガリツィア地方からやって来たユダヤ人も少なくなく、ロシアやウクライナで裕福になり、アメリカやブリテンに移住する連中もいる。カナダやオーストラリアに渡ったアシュケナジム系のユダヤ人なんかは図々しいから、素性や家系を隠してヨーロッパ系の「移民」に成りすます奴も結構いるんだぞ。

Vadym Novynskyi 03( 左 / ヴァディム・ノヴィンスキー )
  ウクライナには親ロシア派の大富豪もいて、それがロシアとの交渉を呼びかけたヴァディム・ノヴィンスキー(Vadim Novinsky)である。ただし、彼の本名は「ヴァディム・ルドルフォヴィッチ・マルカシアン(Vadim Rudolfovich Malkhasyan)と言うそうだ。当初、ノヴィンスキーは"愛国者"を演じており、英国の諜報組織が「ロシアでクーデタが起きるかも知れないぞ」という情報を流した時、彼はそれに同調しなかった。彼はフィナンシャル・タイムズ紙のインタヴューに応じた際、「そんなのは全くのナンセンスだ」と否定した。

  ところが、ロシア軍がウクライナに侵攻すると、ノヴィンスキーは態度を一変させ、プーチン政権の危険性を理解し始めた。ウクライナ人の政治アナリストであるタラス・ベレゾェツ(Taras Berezovets)によれば、親露派のノヴィンスキーでも、戦争という深刻な状態に直面したから、ウクライナのオルガルヒもプーチンのターゲットになっている、と悟ったそうだ。(Giacomo Tognini, 'Richest Ukrainians with billions to lose close ranks as Putin unleashes war', Forbes, February 24, 2022.)

プーチンを支えるエリート・ビジネスマン

Igor Rotenberg 22Boris Rotenberg 1223(左 : イゴール・ロテンベルク / 右 : ボリス・ロテンベルク)
  翻ってロシアに目を向ければ、ここにもユダヤ系オルガルヒが存在する。プーチン支持派のユダヤ人も困った状態に陥ったようだ。米国や歐洲の政治家は、侵略国となったロシアを経済的に苦しめるべく、「SWIFT」からロシアの企業や個人を排除し、取引や送金のドル決済を出来ないようにした。プーチンに近い大富豪どもは、西側による経済制裁は"かなり"重傷となり得るぞ、と予想しており、大御所の投資家であるウィリアム・ブローダー(William Felix Browder)も、前々からプーチンに警告を発していたそうだ。石油やガスの輸送販売を手掛ける「S.G.M. group (Stroygazmontazh)」を創設したイゴール(Igor Rotenberg)とボリス(Boris Rotenberg)のロテンベルク兄弟も、制裁リストに載ったユダヤ人オルガルヒで、個人的にプーチンと親しいから、何らかの忠告をしたのかも知れない。

  ちなみに、ブローダーは投資アドヴァイザー会社の「Hermitage Capital Management」でCEO(最高経営責任者)を務める人物として知られている。だが、日本人には合衆国共産党(CPUSA)のリーダー格であった、アール・ブローダー(Earl Browder)の孫と紹介した方が良いだろう。父方の祖父に当たるアールは、ロシア系ユダヤ人のライザ・バークマン(Raisa Berkman)と結婚したから、孫のウィリアムにはユダヤ人の血が流れている。

  ついでに言うと、アールの同志であったジェイ・ラヴストン(Jay Lovestone)も米国共産党のリーダー格であったが、彼の本名は「ジェイコブ・リープシュタイン(Jacob Liepstein」という。この共産主義者はリトアニア系ユダヤ人の息子であった。CPUSAの前身である「アメリカ共産党(Communist Party of America)」の総書記となったウィリアム・ワインストーン(William Wolf Weinstone)も同類で、ロシアからアメリカへ流れてきたユダヤ移民の息子であったという。

Jay Lovestone 1121William Weinstone 01Mossaye Joseph Olgin


( 左 : ジェイ・ラヴストン / 中央 : ウィリアム・ワインストーン / 右 : モシェ・ヨセフ・オルギン )

  共産主義者にはユダヤ人が異常に多く、ニューヨーク市で創刊された『Morgen Freiheit』紙はイディッシュ語で書かれた日刊紙であったし、これを創刊・発行したのもユダヤ人のモシェ・メヨセフ・オルギン(Moissaye Joseph Olgin)であった。彼はロシア帝國時代のキエフで生まれ、キエフ大学で勉強した反ロシア主義の赤色学生だった。ロシア人のポグロムを憎み、ロシア革命に共感した「ユダヤ人ブント」のオルギンであったが、第一次世界大戦が勃発したため、活動拠点のロシアに戻れず、1915年にアメリカへ移住することにしたそうだ。こういう厄介者や有害分子が流れ込んでくることを思えば、やはりユダヤ人を排斥する移民法が必要なんだなぁ、と日本人でも解るだろう。

Bill Browder 5Felix Browder 33Earl Browder 1939


(左 : フェリクスの息子であるウィリアム・ブローダー / 中央 : 父親のフェリックス・ブローダー / 右 : 祖父のアール・ブローダー )

  アールの息子であるフェリックス・ブローダー(Felix Browder)も父親と同じく、ユダヤ人女性のエヴァ・ツィロウィッツ(Eva Tislowitz)と結婚する。しかし、フェリクスは幼い頃から数学の才能を発揮し、16歳でMITに入るや、2年で卒業したというから、本当に神童だった。しかし、プリンストン大学で博士号を取得し、数学者の道を歩もうとするフェリクスであったが、前途有望な青年の前には巨大な壁が現れた。運悪く彼の就職時期は、丁度マッカーシー旋風と重なっていたのだ。共産主義者の親爺を持つから仕方ないけど、ほとんどの大学は赤い家庭で育った子息を雇うことに躊躇いを示した。

Eleanor Roosevelt 021( 左 / エレノア・ローズヴェルト)
  ところが、「類は群れる」というか、「赤は紅を助ける」のか、共産主義に好意を寄せる元ファースト・レディー、あのエレノア・ローズヴェルトが現れ、就職に困っているフェリクスに助け船を出したのだ。マルキスト夫人エレノアのお陰でフェリクス・ブローダーは、ユダヤ系のブランダイス大学に就職ができ、その後、彼はイェール大学に移り、シカゴ大学でも教鞭を執ることが出来たという。これは何となく、日本の左翼学会と似ている。日本でも学生運動で就職できなかった奴に同情し、大手企業で出世した仲間が色々な業界で奔走し、適当なポストを用意することもあった。

  脱線したので話を戻す。歐米の財務担当者はプーチン大統領を兵糧攻めにしたいのか、彼の資金源を枯渇させる目的で「プーチンのリスト」なるブラックリストを作成した。ここには有力者のユダヤ人オルガルヒが列挙され、「Alfa Bank」を創設した金融業者のミハイル・フリードマン(Mikhail Fridman)や、「Alfa Group」の最高幹部を務めるピョートル・アーヴェン(Petr Aven)、「Alfa Group」の共同創設者であるゲルマン・カーン(German B. Khan)などが名を連ねているそうだ。

Mikhail Fridman 344Petr Aven 022German Khan 3


(左 : ミハイル・フリードマン / 中央 : ピョートル・アーヴェン / 右 : ゲルマン・カーン )

  ところが、この億万長者達は「ジェネシス慈善グループ(Genesis Philanthropy Group)」のスポンサーになっており、ロシアにも存在する正統派ユダヤ教徒の「シャバッド・ルバヴィッチ(Chabad-Luvavitch)」運動や「ハシディズム(Hasidism)」運動、そしてモスクワにオープンした「ユダヤ博物館・寛容センター(Jewish Museum and Tolerance Center)」へ多大な寄付をしていたのだ。

  「ジェネシス慈善グループ」は、この他にも様々なユダヤ人組織を手懐けていたそうで、歐米ではよく知られている「Jewish Agency for Israel」、「Joint Distribution Committee」、「Federation of Jewish Communities of Ukraine」、「Hillel」、「Moishe House」、「 Birthright」、「Limmud」などにも寄付金を渡していた。さらに、同グループは「ユダヤ・ノーヘル賞」とも評される「ジェネシス賞」を設立し、高名なユダヤ人を対象に年間で100万ドルの報奨金を与えているそうだ。(Asaf Shalev,' Sanctions highlight money flow from Russia Jewish billionaires to Jewsih nonprofits', The Times of Israel, 2 March 2022.) もう、ユダヤ人ってホントお金をばら撒くのが上手い。

  あまり言いたくはないけど、正直に意見を述べるとすれば、宗教団体の役員や信徒といえども、お金を前にしたら只の俗人で、気前よく御褒美をくれる旦那衆には滅法弱い。それゆえ、歐米諸国に住むユダヤ人は同胞を窮地から救うべく、地元の政治家や政権の要人に働きかける。各界に影響力を持つユダヤ人は、個人的ネットワークや団体役員を通して、米国財務省の役人とか政権の閣僚に「何とかなりませんかねぇ〜?」とお願いするらしい。悪代官に媚びる越後屋じゃないけど、彼らは太っ腹の支援者をブラックリストから除外してもらうよう頼み込む。

Roman Abramovich 011(左 / ローマン・アブラモヴィッチ )  
  プーチンを支えるユダヤ人オルガルヒとして有名なのが、ロシアからブリテンへ移り住んだローマン・アブラモヴィッチ(Roman Abramovich)である。彼は投資会社の「ミルハウス(Millhouse LLC)」を経営する大富豪なのだが、日本では英国のサッカー・チーム「チェルシー(Chelsea)」を所有するロシア人の方が馴染み深い。(報道によれば、ロシア軍のウクライナ侵攻を聞いて、彼は「チェルシー」を売却したそうだ。) しかし、彼は純粋なロシア人ではなく、イスラエル国籍やポルトガル国籍を保持する三重国籍のユダヤ商人である。 

  ユダヤ人というのは何時の時代でも、何処の地域でも嫌われ者となる。それゆえ、彼らは常に迫害とか暴動、虐殺、追放、不景気などに対する備えをしている。アブラモヴィッチも用心深く、彼は色々なところに"保険"を掛けていた。その一つがホロコースト記念博物館の「ヤド・ヴァシェム(Yad Vashem)」だ。とても慈善活動家とは思えないアブラモヴィッチであるが、このオルガルヒは数千万ドルの寄付を行っていたらしい。そこで、ヤド・ヴァシェムを統括するダニー・ダヤン(Dani Dayan)館長に加え、首席ラビのダヴィド・ラウ(David Lau)、「シェバ医療センター」の総括部長であるイツァク・クレイス(Yitshak Kreiss)教授が、在イスラエル米国大使宛ての嘆願書に署名し、アブラモヴィッチを制裁リストに加えないよう求めた。('Yad Vashem, chief rabbi urged US not to sanction Roman Abramovich', The Times of Israel, 27 February 2022.)

Dani Dayan 7765David Lau 11Yitshak Kreiss 1


(左 : ダニー・ダヤン / 中央 : ダヴィド・ラウ / 右 : イツァク・クレイス)

  自分の地位と財産を守ろうとしたのか、2018年、アブラモヴィッチは140億ドルの資産を携えてイスラエルに移住した。しかし、生活の拠点は依然としてイングランドであったから、イスラエルは「もしも」の為の「セイフハウス(安全な避難場所)」なんだろう。しかし、彼は自己保全のために餌をバラ撒いており、様々な団体に5億ドルほど与えていたのだ。まぁ、40億ドルもするサッカー・チームを持っていたくらいだから、非営利団体への寄付なんか、小遣い程度の出費なんだろう。

  ユダヤ人ではないが、ロシア人でもないウズベキスタン出身のアリシェル・ウスマノフ(Alisher Usmanov)も、制裁リストに載らなかったそうだ。彼は金属業界の大物で、140億ドルくらいの資産を持つという。そして、彼も英国のサッカー・チームである「アーセナル(Arsenal)」を所有していたが、最近7億ドルで手放したそうだ。

Alisher Usmanov 7743Irina Viner 54


( 左 : アリシェル・ウスマノフ / 右 : ウスマノフ夫人となったイリーナ・ヴィネル)

  ここで我々が注目すべきは、ムスリムのウスマノフが結婚したユダヤ人女房、イリーナ・ヴィネル(Irina Viner-Usmanov)の方だ。彼女はロシアとウズベキスタンで活躍する女傑で、プーチンに女を斡旋して政治権力に食い込もうとした。柔道家のプーチンは日本でも有名で、野心家のイリーナが親露的ユダヤ人として接触し、スポーツを介して大統領に近づこうとしたのも当然だ。それに、意外とプーチンはユダヤ人に親切で、シャバッド・ルバヴィッチの首席ラビであるベレル・ラザール(Berel Lazar / Shlomo Dov Pinchas Lazar)によれば、プーチンは最も親ユダヤ的な人物であるという。(Walter Laqueur, Reflections of a Veteran Pessimist, London : Routledge, 2017, pp.85-86.) 確かに、プーチンが小学生の時、ヤンチャなウラジミール少年を可愛がってくれたのは、ユダヤ人教師のヴェラ・グレヴィッチ(Vera Gurevich)先生であったし、柔道の練習相手もユダヤ人オルガルヒのアルカディー・ロテンベルク(Arkady Rotenberg)だった。(このアルカディーは、先ほど紹介したイゴールとボリスの父親である。)

Arkady Rotenberg & Putin 02Berel Lazar & Putin 55


( 左 : アルカディー・ロテンベルクとプーチン / 右 : ベレル・ラザールとベレル・ラザール )

  新体操のトレーナーだったイリーナは、ロシアのオリンピック・チームでヘッド・コーチを務め、彼女が育てた選手の中には、金メダリストのアリーナ・カバエヴァ(Alina Kabaeba)もいた。タブロイド紙によれば、38歳のアリーナは69歳になるプーチン大統領の愛人というか、前々からの恋人であるようだ。しかし、公式な結婚式を挙げていないから、内縁の妻としか言い様がない。ところが、驚くことに、アリーナは既にプーチンの子供を身籠もっていたというのだ。ゴシップ誌によると、アリーナは7歳になる双子の娘を2015年からスイスで育てているという。(Emily Smith, 'Vladimir Putin hiding lover Alina Kabaeva and their kids in Switzerland', Page Six, March 6, 2022.)


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(左 : アリーナ・カバエヴァ / 右 : カバエラとプーチン )

  日本のワイドショーでもプーチンの離婚や恋愛を取り上げていたが、それはあくまでもゴシップ・ネタとしてである。プーチンは既に最初の女房であるリュドミラ・シュクレプネヴァ(Lyudmila Shkrebneva)と離婚しており、一応、「独身者」となっているから、どんな女性と付き合おうが問題は無い。ただし、別れた女房との間には、マリア(36歳)とカトリーナ(35歳)という二人の娘がいるから複雑だ。さすがに、この娘達も自分と同じ世代の「継母」を持つとなれば、権力者の父親に呆れてしまうだろう。一方、24歳も離れたスロヴェニア美女(メラニア夫人)と再婚したドナルド・トランプ(75歳)なら、「男だから仕方ないよなぁ〜」と解ってくれるかも。にわかに信じられないが、エミリー・スミスの記事にれば、アリーナとプーチンとの間には二人の息子もいるそうだ。

  これは流石に「噂話」だろうが、もし存在するとなれば、プーチンの遺産相続人になるはずだ。隠し子騒動はともかく、歐米や日本のワイドショーでは、「プーチン狂人説」や「独裁者プーチン」の一大キャンペーンが花盛り。米国の大手メディアから情報をもらう日本の地上波テレビは、「プーチン発狂」というテーマを取り上げ、この独裁者は核戦争までも覚悟していたから、愛人のカバエヴァと子供達を核シェルターに避難させていたんだ、との憶測を流していた。真相は闇の中だが、とにかくプーチン包囲網を形成したい勢力は、盛んに「プーチン極悪人説」や「ハルマゲドン説」を唱えていた。こうやって一般国民は、知らず知らずのうちに、政治プロパガンダで洗脳されて行く。

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( 左 : 傀儡政権のゼレンスキー / 中央 : 痴呆症のバイデン / 右 : 独裁者のプーチン )

  隠し子の父親となったから、「もう一稼ぎ」として現役を続ける訳じゃないだろうが、プーチンには権力を支えてくれる強力なパトロンや支援者がいるようだ。敵対するゼレンスキーやバイデンの背後にも資金提供者がいるはずで、たぶん彼らには命令を発する黒幕もいるんだろう。日本人は映像に現れる戦闘シーンばかりに目を奪われるが、本当に重要なのは水面下で戦う大富豪達の方である。彼らにとって、デモクラシーとかファシズムといった観念論は関係ない。ウクライナ国民やロシア兵が何人死のうとも"お構いなし"で、武器や軍需物資の販売で大儲けできればよく、ついでにロシアの天然資源も掠奪できれば大喜び。たとえ、ウクライナ軍が敗れても、経済制裁でプチン政権を潰せるから、NATOの拡大なんてどうでもいい。一方、巻き添えになったウクライナ人は本当に憐れだ。家を失って難民になるんだから。

  大富豪や闇組織の連中が次に何を狙っているのか判らないけど、アメリカの中間選挙までは、"もう一波乱"あるかも知れないし、中間選挙が終わってから、また何かを仕掛けるつもりなのかも知れない。様々な情報に惑わされる一般人は、月日が経ってから紛争の全体像がボンヤリと解る程度。それよりも深刻なのは、ウクライナ紛争にばかりに気を取られる日本人が、北方領土の奪還に興味が無いことだ。ロシアが経済的に沈没すれば、占領された国土を取り戻す絶好のチャンスだ。しかし、岸田総理はポンコツ宰相だから、日本版リコンキスタには無関心。岸田内閣が熱心なのはワクチン接種や増税なんだから馬鹿らしくなる。

  そう言えば、南鮮人が占領する竹島の奪還はどうなったんだ? 我が国の領土を侵食する南鮮には、巡航ミサイルくらい撃ち込んでやればいいのに。ウクライナに向けてイスカンデルを発射したロシアが羨ましい。岸田総理もプーチンを見倣って強硬手段に出てみろ ! 以外と支持率が上がるかも知れないぞ。対南鮮攻撃なら、筆者もジャベリンを担いでソウル辺りを駆け巡りたい。国土恢復の竹島奪還となれば、志願する元自衛官も100名を超えるんじゃないか? ただし、外務大臣があの林芳正(リン・ホウショウ)じゃ無理だよねぇ〜。(あっ、うっかり支那風の発音をしてしまった。)

http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68890538.html
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/297.html#c191

[近代史5] ロシア軍「衝撃の弱さ」 中川隆
5. 2022年3月09日 21:59:15 : 6RXKtDV6I6 : NldSY1NTcjE1QlE=[11]
「プーチン氏の命令に従っただけ」…ロシア操縦士たちが次々と「降伏」
3/8
https://news.yahoo.co.jp/articles/12b8d7e23bb9ce6c2541e8206de595271bb62abc

ウクライナ軍の捕虜となったロシアの操縦士たちが「助けてほしい」と懇願する動画が、SNSを通じて拡散している(画像提供:wowkorea)

ロシアがウクライナに侵攻してから11日目となる6日(現地時間)、ウクライナ軍の捕虜となったロシアの操縦士たちが「助けてほしい」と懇願する動画がSNSを通じて拡散している。

英メディア“デイリー・ミラー”によると、ウクライナ軍は最近、ロシア戦闘機9機を撃墜し生存した操縦士たちを捕らえた。ウクライナ北部のチェルニーヒウで撮影されたSNSの動画には、戦闘機の墜落により負傷したロシア操縦士たちがひどくおびえ「プーチンの命令に従っただけだ」とし「どうか助けてほしい」と懇願する姿が映されていた。

怒りに満ちたウクライナ兵たちは「なぜ民間人に対して爆弾を投下するのか。国民たちが次々と亡くなっている」と叫んだ。

爆破地図を所持していた別のロシア操縦士は「飛行命令を受けただけだ」と主張した。

その後ウクライナ兵たちは、ロシア捕虜兵たちの負傷を考慮して病院に移送し、治療を受けさせたものとみられる。

デイリー・ミラーは「ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は『48時間あれば、国(ウクライナ)を征服できる』と言っていたが、軍の士気はすでに地に落ちている」と伝えた。

燃料供給が滞ったことから戦車は途中で止まり、至る所で攻撃が中断される事態が発生し、一部のロシア軍は衝突を避けるため降伏したり、車両の燃料タンクに穴を開けたりもしている。

ウクライナ国防省は「これまで飛行機44機とヘリコプター48機を撃墜し、戦車285台・装甲車985台・燃料タンク60台を爆破した」と主張した。

一方、国連人権事務所は「開戦日である先月24日午前4時から今月7日の午前0時までに、民間人の死者は406人・負傷者は801人と集計された」と7日に伝えた。このうち子どもの死者は27人に達した。人権事務所は「交戦の熾烈な地域での死傷者の報告が遅れていることから、実際の数字はもっと多いだろう」と懸念した。

WHO(世界保健機関)は「開戦後、ウクライナ内の医療施設への攻撃が16回あった」と明らかにした。

https://news.yahoo.co.jp/articles/12b8d7e23bb9ce6c2541e8206de595271bb62abc
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1518.html#c5

   

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