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2025年11月12日04時55分 〜
記事 [政治・選挙・NHK298] 「戦争国家」へ布石着々…極右首相の異様なハイテンションの危うさ、怖さ(日刊ゲンダイ)

※2025年11月10日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大


※紙面抜粋


※2025年11月10日 日刊ゲンダイ2面

「戦争国家」へ布石着々…極右首相の異様なハイテンションの危うさ、怖さ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/380097
2025/11/10 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し


夜中までレクしてもこの笑顔…(C)日刊ゲンダイ

 眠らないことが話題の新首相だが、そのテンションはマトモなのか。従来の政府見解を次々に覆し、「世界で咲き誇れ」などと言い、軍事同盟強化にシャカリキの異様。タカ派の政調会長とコンビを組み、軍拡大増税に突き進む危うさを野党は果たして止められるのか。

  ◇  ◇  ◇

 高市首相が深夜3時に答弁レクを受けていたことが話題だ。ま、これは「頑張ってます!」アピール半分だとして、これ以外にも異様なハイテンションがやたらと目につく。トランプ大統領との日米首脳会談では原子力空母の上でぴょんぴょん跳びはねていたし、APECではチリのボリッチ大統領の両肩に手を回した動画がこれまた、賛否両論を巻き起こした。

 首相就任以来、アドレナリン全開なのではないか。だから、多少眠らなくてもやっていける。周囲がハラハラするような言動も平気でする。そこに思ってもみなかったような高支持率だ。興奮の極みにいるのだろうが、忘れてはならないのが、はしゃぐ当人は日本の最高権力者で、なおかつ、極右のバリバリ政治家であることだ。

 就任間もないのに、その独裁気質はそこかしこに垣間見える。唐突に自維連立を決めたかと思うと、議員定数の削減やスパイ防止法の制定、日本版CIAの設立などを合意文書に書き込み、防衛費の対GDP2%の前倒しも勝手にトランプと約束した。少数与党のくせに独裁者気取り。そんな首相が権力を手にし、「これからは、やりたい放題ヨ」とばかりに興奮し、眠らずに目を爛々とさせている。ちょっと寒けがする光景なのである。

中国が戦艦を出せば日本も参戦するのか

 寒けといえば、先週7日の国会答弁でも鳥肌が立った。

 立憲民主党の岡田元外相から台湾有事の際に、どういうケースだと集団的自衛権を行使する「存立危機事態」になるのかを問われ、「やはり、戦艦を使って武力の行使も伴うものであれば『存立危機事態』になりうるケースであると、私は考えます」とこれまた勝手に踏み込んだのである。

 どういう緊張状態になろうと、日本は戦争を避けるべく、最後まで平和の道を模索すべきで、だからこそ、歴代政権は「個別具体的な状況に即し情報を総合して判断することとなるため、一概に述べることは困難だ」と言い続けてきた。それなのに、首相自らが「中国が戦艦を出してきたら参戦します」と言わんばかり。恐るべき「軽さ」ではないか。もちろん、高市自身、日中全面戦争なんか出来っこないことはわかっているだろうが、軽々に「勇ましさ」を売りにする。保守派を取り込む道具にする。こうして米国にも媚を売る。だから、わざと踏み込み、喜々としている。

 そこが危なっかしくて、見ちゃいられないのである。

衣の下に鎧が見える高市首相


危険なタカ派コンビ(C)日刊ゲンダイ

 防衛ジャーナリストの半田滋氏は高市の危ない発言について、こう言った。

「ちょっと前に習近平国家主席と会って、“戦略的互恵関係を包括的に推進し、建設的かつ安定的な関係を構築する”と約束したばかりじゃないですか。それなのに、高市首相は直後にAPEC台湾代表の林信義氏と会談して、中国を刺激した。それも自らXに投稿して怒りを買った。中国外務省は“台湾独立勢力に重大な誤った信号を送るもの”と猛反発してました。そこにもってきて、今回の発言ですからね。平和のための対中外交をマジメにやる気がないことがハッキリした。着物の下に鎧がチラチラ見えています」

 評論家の佐高信氏は「一連の高市発言を見ていると三島由紀夫を思い出す」と別の角度から危惧を語った。

「三島は戦争には行っていない。入営検査の時に発熱したからです。それがコンプレックスになって、その後の言動に影響したとみる向きもある。一方、今でこそ、女性兵はいるが、ふつう女性は前線には行かない。だから、かえって勇ましく振る舞おうとする女性政治家もいるのかもしれない。そうした無責任な勇ましさだとしたら、とても怖いと思いますね。それでなくても高市さんの勇ましさには打算を感じる。私はこの間、Xで高市さんのことをトランプのペットで“トランペット”だと書いたんです。原爆を落とされ、核実験の再開を明言している米国大統領の横ではしゃぐ姿は国辱ものです。つまり、媚びるための勇ましさで歴史を背負っていない。ここにも危うさを覚えました」

 これが高市のハイテンションに対するマトモな感覚ではないか。それなのに、周囲は「日米黄金時代」「最高のスタート」などとオベンチャラを言い、メディアはそれをタレ流し。かくて、支持率は上昇し、高市はますます、ハイになる。

 そんな高市を支えるコバホークこと、小林鷹之政調会長は「防衛費は対GDP比2%では到底足りない」などと言いだした。ウルトラタカ派コンビで「戦争する国」づくりにシャカリキだから、国民は目を白黒だ。この調子だとあっという間に「国の形」が変わってしまうのではないか。まさしくゾクッとするのである。

もう「2%でも足りない」と言い出した理由

 小林鷹之は昨9日のNHK「日曜討論」で、2%では足りない根拠について、「安全保障環境の変化に加えて戦い方が変わった。ドローン、無人機、サイバー攻撃もある。日本は物量作戦で対峙するのは難しい。防衛技術のブレークスルーが必要でその研究開発費もいる」などと言っていたが、こんなもんは後付けだ。米国防総省からは6月の時点で「5%まで増やせ」とせっつかれているのだ。最初に数字ありき、つじつま合わせなのである。

「防衛費2%の財源だって決まっていないのに、さらに倍増なんて、一体どこからもってくるつもりなのか。そして、何を調達するつもりなのか。防衛省の有識者会議では原子力潜水艦の話が出ましたが、1隻1兆〜1.2兆円とされています。最低3隻必要だとして3兆円。韓国も手を挙げたから日本でも、ということでしょうが、必要ありません。南シナ海で展開する米軍の補完だし、リチウムイオン電池を使う現行の潜水艦で十分です」(半田滋氏)

 だとすると、何のための防衛費倍増なのか。国民の理解が得られるのか。疑念だらけだが、ここで思い出すのが高市の所信表明演説だ。安倍を意識して、「世界の真ん中で咲き誇る日本外交を取り戻します」などと言っていたアレである。これの意味するところは軍事同盟の強化ではないのか。

■「世界で咲き誇る日本外交」とは何か

 日本は日米同盟を基軸に、韓、豪、フィリピンなどのASEAN諸国、EU各国とも安全保障、防衛面での協力を強化している。軍事で「咲き誇る」つもりで、そのために防衛装備品移転の規制を全廃しようとしているのではないか。そんな疑念も浮かんでくる。

 戦前の日本も欧米の列強に追い付き追い越せで暴走した。その反省から石橋湛山の小日本主義が生まれ、その流れをくんできたのが「軍拡よりも経済」の田中派、宏池会であり、この流れの延長に石破前首相もいた。

「戦争をしちゃいけないというのが湛山で、負けたのが悪いというのが岸信介です。石破から高市への政権交代は湛山から岸への揺り戻しともいえる。世界に咲き誇るのは文化だけでいいことを国民は再認識し、軍拡に邁進する高市政権を監視すべきです」(佐高信氏=前出)

 与野党ともに「戦争する国」になることを前提に、防衛費増は当たり前みたいな風潮になりつつあるが、とんでもない話だ。そのツケを背負わされるのは庶民であり、犠牲になるのは国民だということを忘れてはいけない。

http://www.asyura2.com/25/senkyo298/msg/435.html

記事 [政治・選挙・NHK298] 高市内閣は早期解散を封印? 高支持率でも“自民離れ”が止まらない!葛飾区議選で7人落選の大打撃(日刊ゲンダイ)

高市内閣は早期解散を封印? 高支持率でも“自民離れ”が止まらない!葛飾区議選で7人落選の大打撃
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/380137
2025/11/11 日刊ゲンダイ


高市首相人気も自民票にはならず(自民党役員会=昨10日)/(C)日刊ゲンダイ

 先々週の宮城県知事選、先週の岐阜・美濃市長選に続き、またしても高市自民党に打撃だ。

 9日投開票だった東京・葛飾区議選で自民党候補が大量落選した。区議選は定数40に対し65人が立候補。自民党は17人擁立したものの、当選は10人にとどまり、7人が落選した。現有12議席から2議席減だった。

「投票率(40.35%)が前回より4ポイント下がった。その分、自民候補の票が減ったことが痛い。次点と次々点の2人は自民でした」(自民党都連関係者)

 低投票率は組織のある自民に有利、というかつての常識はもはや通用しない。日刊ゲンダイの既報(10日付)通り、選挙戦は差別や排外主義が跋扈する大荒れで、外国人政策を争点にする候補が次々登場。結果、トップ当選は候補擁立を1人に絞り込んだ参政党で、2位、3位は無所属だった。迷惑系ユーチューバー・へずまりゅう奈良市議の秘書は落選。石丸伸二氏が創設した政治団体「再生の道」が初議席を獲得した。

 自民と連立を組んだ日本維新の会は2人擁立して、1勝1敗だった。一方、連立離脱した公明党は8人擁立し、全員当選した。

内閣支持率イコール自民票にはならない

「下町の葛飾区は中小企業や自営業者も多く、元来、保守の強い地域。同区選出の平沢勝栄衆院議員(自民)が公明票の支援がなくても勝てるのはそれだけ自民の基盤がしっかりしているからです。しかし今回、自民離れの傾向が改めて証明された。高市内閣の高支持率がイコール自民票にはならないことがハッキリしました。政治に対する価値観が中高年とは違う若い有権者が目覚めると、選挙結果もガラリと変わるということでもある。永田町では高市人気に乗じた解散総選挙論が出ていますが、自民支持は伸びていないうえ、これだけ自民離れが顕著なのに、選挙なんてできるわけがありません」(政治評論家・野上忠興氏)

 解散は当面封印か。

  ◇  ◇  ◇

 岐阜・美濃市の首長選挙でも自民が推した候補は惨敗。8割超の高支持率の“化けの皮”は早くも剥がれつつある。●【もっと読む】『支持率8割超でも選挙に勝てない「高市バブル」の落とし穴…保守王国の首長選で大差ボロ負けの異常事態』で詳報している。

http://www.asyura2.com/25/senkyo298/msg/436.html

記事 [政治・選挙・NHK298] 高市首相「議員定数削減は困難」の茶番…自維連立の薄汚い思惑が早くも露呈(日刊ゲンダイ)


高市首相「議員定数削減は困難」の茶番…自維連立の薄汚い思惑が早くも露呈
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/380152
2025/11/12 日刊ゲンダイ


「絶対条件」だったが「定数削減」は口先だけ(C)日刊ゲンダイ

 早くも“下方修正”か。

 10日開かれた衆院予算委員会に高市首相と全閣僚が出席。野党からは、日本維新の会が連立の「絶対条件」とした「衆院定数の削減」について質問が飛んだ。

 連立合意書には「(開会中の)臨時国会において議員立法案を提出し、成立を目指す」と記されているが、「成立させる」のか「提出だけでOK」なのか問われた高市首相はゴニョゴニョ。前日に自民党の鈴木幹事長がBS番組で今国会での成立は困難との認識を示したことを受け、立憲民主党の馬淵代表代行が「幹事長の発言通り、高市総裁も困難と考えているのか」と問うと、否定できなかったのだろう、高市首相は「大変困難だと思う」と答弁した。

 鈴木幹事長の「困難」発言に対して、維新代表の吉村大阪府知事が「僕は高市総裁を信じています」と言っていたのに、高市首相は維新の連立入りの「絶対条件」を、もう諦めてしまったのか。

「いやいや、自民も維新も初めからヤル気なんてありませんよ」と言うのは両党の内情に精通した政界関係者だ。

お互いに「無理」とわかっている


出来ないのは百も承知(C)日刊ゲンダイ

「維新は比例代表で50議席削減と主張していますが、中小政党に不利ですから公明党や共産党などから合意を得られず『小選挙区も削減すべき』との声が上がるのは確実です。小選挙区を削減するには、選挙区の人口に応じて議席数を配分するアダムズ方式を採用することになる。すると、削られるのは保守王国が多い西日本の選挙区となる可能性が高い。自民党内からも反発必至でしょう。そもそも、1〜2カ月で決められる話ではない。そんなことは自民も維新も分かっている。早めに『無理』と示唆することで予防線を張っているのでしょう」

 できないと分かっているのに「定数削減」を掲げたのには思惑がある。

「維新は定数削減を連立の入り口にして、悲願の『大阪都構想』を前提にした副首都構想の実現を狙っている」(維新関係者)

 自民は少数与党下で国会運営をスムーズにするため「維新の手を借りた」(自民関係者)わけだ。

 しかし、高らかと「定数削減」をブチ上げておきながら、実現できなかった時に自維は猛批判を浴びるのではないか。

「まあ、『今国会では時間不足なので今後も検討』といった理由でお茶を濁すのではないですかね。または、『野党が非協力的だった』と責任転嫁することも考えられます」(官邸事情通)

 薄汚い連中である。

  ◇  ◇  ◇

 維新が連立入りの「絶対条件」として国会議員の定数削減を持ち出したのは焼け太り狙い? 関連記事【もっと読む】『維新の「議員定数1割削減」に潜む欺瞞…連立入りの絶対条件は“焼け太り”狙った露骨な党利党略』で詳報している。

http://www.asyura2.com/25/senkyo298/msg/437.html

記事 [政治・選挙・NHK298] 竹中平蔵元総務相の叙勲で怒るくらいなら 二極化・格差社会の真相(日刊ゲンダイ)

竹中平蔵元総務相の叙勲で怒るくらいなら 二極化・格差社会の真相
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/380155
2025/11/11 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し


大綬章の親授式に向かう竹中平蔵元総務相=11日午前、宮殿・南車寄(C)共同通信社

 秋の叙勲で竹中平蔵・元総務相に旭日大綬章が授けられたことへの批判が目立つ。特に小泉純一郎政権で新自由主義のイデオローグとして君臨。グローバル資本に事実上のオールマイティーを認め、日本社会の階層間格差が半永久的に拡大され続けていく元凶となった人物なのだから当然だ。

 格差の問題を追ってきた筆者は、彼への栄典を糾弾すべき立場なのだろう。だが、どうにもそんな気になれずにいる。

 勲章というのはこういうものだから。25年前の取材で、稲葉興作・日本商工会議所会頭(当時)に聞かされた話だ。

「体制に従うのが人の上に立つ人間の義務じゃないのかね。勲一等を受けた者が勲二等の者より人格が上だなどとは誰も思ってやしません。会社や役所の中の階級と同じだ」

 折しも亀井静香・自民党政調会長(当時)が発した疑義を機に、叙勲制度の改革を求める声が高まっていた時期である。はたして03年にそれは果たされ、一等、二等うんぬんの表記は消滅するも、実質的には格別の変化もないまま、今日に至った。竹中氏の勲章もまた、旧「勲一等旭日大綬章」に相当するとの由。

 振り返れば勲章に関する取材をずいぶん重ねた。週刊文春、プレジデント、中央公論……(いずれも単行本未収録)。ここでは政治学者・櫻田淳氏(現、東洋学園大学教授)の「叙勲とは国家による価値の体系だ」という言葉を紹介したい。

 その通りだと思う。もっとも彼はこの後で、「だが現状ではその内容がはっきりしない。もっと明確にすべきだ」と主張。筆者は「そんなものはどうでもいい」と考えた。

「価値体系」とはこの際、「国民に示す真偽、美醜、正邪の価値の基準」のことだという。だったらどうぞ仲間内だけで、お好きなように。なまじ民主的なポーズで対象を民間人に広げたり、一般からの推薦も可、などとしてみせたがるから、話がややこしくなる。

 勲一等旭日大綬章なら1964年の末、元米空軍参謀総長カーチス・ルメイにも与えられた。先の大戦で東京大空襲をはじめとする日本焦土化作戦を主導し、広島、長崎への原爆投下の指揮も執った通称“鬼畜ルメイ”。「戦後の航空自衛隊の育成に功労があった」というのが授章理由とされたが、筆者が取材した元防衛大学教授が、「そのような事実は存在しない」と教えてくれた(拙著「戦争経済大国」河出書房新社、2018年)。

 竹中氏への叙勲ごときで怒り狂っている場合ではないのだ。何を今さら。


斎藤貴男 ジャーナリスト

1958年生まれ。早大卒。イギリス・バーミンガム大学で修士号(国際学MA)取得。日本工業新聞、プレジデント、週刊文春の記者などを経てフリーに。「戦争経済大国」(河出書房新社)、「日本が壊れていく」(ちくま新書)、「『明治礼賛』の正体」(岩波ブックレット)など著書多数。

http://www.asyura2.com/25/senkyo298/msg/438.html

   

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