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(回答先: Re: 暗黒界の支配者の存在について 投稿者 リンクフリー 日時 2003 年 10 月 15 日 23:44:33)
リンクフリーさん、こんばんわ。
ご紹介いただいた“彼ら”は、議論をしてみたい相手だと思っています。
思想や哲学における素養は高いと見受けますし、現実世界を冷静に眺め、教条的ではない柔軟な思考が素直にできています。
ただ、経済論理の把握がやや浅いように思われます。
「国家は、国内の産業資本と結んでいた手を切り、国際的な金融資本と手を結んで国家としての存続を図ろうとしています。ために、近代産業資本と国家の結合の中で培ってきた国民のためのさまざまな施策が、効率化、自由化の名のものとに切り捨てられようとしています。極端な言い方ですが、より巧妙な奴隷化が、始まろうとしています」という理解はさすがですが、そのような動きが、世界経済支配層のどのような経済論理の理解に基づいて進められているかを説き起こさなければ、“言葉による抵抗”も理念的・思想的なものに限定されてしまうと思っています。
(「近代経済システム」の象徴的存在である産業資本も、元々、金融資本の資本増殖=貨幣的富蓄積を加速増大するための“手段”ないし“道具”でしかなく、思うように用を果たさなくなれば産業資本はうち捨てられてしまうものという理解が必要です。「国民のためのさまざまな施策」も、産業資本の増殖を主要な道具とする限り求められ実行されるものです)
こういう方々が、「近代経済システム」を明確に理解し、思想(志)と論理が強固に結合したかたちで“大いなる抵抗”に打って出て欲しいと願っています。
“彼ら”は、「知性」絶対的な状況に異を唱えていますが、それには強く共感します。
(“彼ら”と同じように、利権で動く自民党よりも、理念で動く民主党のほうが危険だと思っています。利権で動くのならお金が回ることを第一義的に考えますが、理念で動く人々は、宗教戦争(「大東亜戦争」もそのきらいがある)などで見られたように、困窮や犠牲を省みることなく突っ走る可能性があります。自民党は、経済論理の変動のなかで現状に対応した利権拡大手法(=私の微温的政策)をつかみきれていないため混迷を極めています。ちなみに、自民党を支持しているわけではありません)
私は、知性主義を“悪魔崇拝主義”と呼んでいた時期もあります。
(これについては、末尾の参照書き込みリストをご参照ください)
知性(知識と思考力)そのものは極めて有効なものだと思っていますが、知性そのものに至上の価値があるとか知性的言辞にひれふす状況は、貨幣を絶対視する価値観と同じ倒錯だと考えています。
知性優越主義は、活動力の交換手段であり有用な物やサービスを手に入れるための手段でしかない貨幣に無上の価値を覚え、貨幣をより多い獲得するために血道を上げている「近代」の倒錯的精神の反映です。(それを支えているのが学校制度です)
手段は目的に優るものではなく、人々の活動目的は、有用な物やサービスを手に入れることでもなく、快楽を得ることにあります。(できるだけ楽に生存を維持し、心地よさや満足を高める活動余白を得るために、他者との協働関係に身を置いています)
知性はトイレットペーパーと同じように手段でしかないものです。
>彼等がいうところの「知性」とはつまりはコスト&ベネフィットを追求してゆく知識
>ということになると思いますが、この知性を追求してゆく主体といいますか、支配者
>に近い存在はいったいこの世界に存在するのでしょうか。あえていえば、金持ちクラ
>ブやエスタブリシュメントの面々、あっしらさんのいうところの『守銭奴と倒錯者』
>達ということになるのでしょうが、こういった人々が世界を動かしているという主張
>についてはなにか陰謀論的な胡散臭さが残ってしまい、素直に受け入れられない気持
>ちもあります。かといってそういう話は全て作り話であり、陰謀論である、と片付け
>てしまうのも何か彼等の思う壺という気がしないわけでもない。
誰かは知りませんが、存在すると思っています。
最上位の世界支配層は、『守銭奴と倒錯者』ではなく、悪魔崇拝者的価値観をもった人たちだと思っています。(たんなる成金や守銭奴では世界をコントロールすることはできません)
彼らは、己たちの知性をもって神の全知全能に対抗し、この世界を支配=制御したいと考えているはずです。
彼らは知性崇拝者(神に対抗できる手段は知性だけという理解)ですから、知性に劣った人は自分たちの“道具”になることは当然であり、それがその人たちのためでもあると思っています。
経済制度は天与のものではなく、ある意図を持って特定の人によって造られたものです。
そして、いったんその制度を造り上げ、それに空虚ながらもっともらしい価値性を付与することに成功すれば、こまごましたことは国家権力や“知的執事”(テクノクラートやシンクタンク研究者)に任せ、大局的な枠組みだけ指図すればよくなります。
この構造はピラミッド型なので、ほとんどの“知的執事”は、世界支配層の理念や目的は知らず、“正しい”理論に従って物事を判断していると思っています。
※ 確認をしていないので恐縮ですが、このあたりの説明は次の書き込みに書いていると思います。
『“陰謀”立案者&イスラムと「自由民主主義」の関係』
( http://www.asyura.com/2002/dispute3/msg/274.html )
>ただの流行だけで、国家が、国内の産業資本と結んでいた手を切り、国際的な金融資
>本と手を結んで国家としての存続を図ろうとしたり、近代産業資本と国家の結合の中
>で培ってきた国民のためのさまざまな施策を、効率化、自由化の名のものとに切り捨
>たりするのだろうか?という疑問です。最近のあっしらさんのお考えということで、
>この辺の"存在"について、どのように考えられていますか。
「この辺の"存在"」は、世界支配層のことだと思いますが、グローバリズムないし新自由主義の跋扈については、産業資本主義の終焉間近を世界支配層が認識していることに由来していると考えています。
もっとも成功した産業資本主義国家の現状が、産業資本主義の終焉間近の象徴です。
産業資本主義が終焉間近であることが広く共通認識になっていないのは、珍妙な経済学がはびこり、利潤の源泉が何かさえ理解しないまま政策や経済活動が行われているからです。
(利潤の源泉は、国際取引を通じての貨幣余剰すなわち経常収支黒字(とりわけ貿易収支黒字)です)
そして、生産性の上昇は、現実の制約条件のなかで取り引きされる財の量をますます少数の勤労者で生産できるようにします。
世界経済の成長鈍化のなかで生産性上昇と現実の制約条件(個人主義的利得の容認)が結びつくことで「デフレ不況」に陥ります。
経済がグローバルになればなるほどこの問題は世界レベルで顕在化してきます。
生産性の上昇は基本的に生産設備の拡充によって実現されるものです。
それが「デフレ不況」をもたらす世界経済構造になっていれば、産業資本は、膨大な借り入れをして購入した資産の償却さえままならないようになります。
そして、自己の存続を維持するために、勤労者の首切りにいそしみます。
これは、生産性の上昇で財の物理量が増加しているのに、その需要者を減少させることを意味しますから、デフレ・スパイラルを深化させます。
これが、産業資本主義が終焉するおおまかな論理です。
(うまく使えば、楽して現代風の生活条件を手に入れられるということです)
米欧と拠点とする世界経済支配層は、既に産業資本主義の行き詰まりを察知しており、世界から日常的に広く浅く金融利得を得る仕組みに切り換えようとしています。
(後進国に対しては、国民の生存維持基盤となっている公営企業まで民営化するよう迫っています。産業のなかでも、必需的な財やサービスを提供するものは確実に利益を得ることができるからです)
※ 参照書き込み
『「寄生性」&「知的謀略」が国際金融家や国際商人の“危険因子” − トヨタなど日本の国際商人(輸出優良企業)も“危険因子”を持ちつつある −』
( http://www.asyura.com/2003/dispute8/msg/737.html )
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★ 参照書き込みリスト
『“異様な”「悪魔崇拝」という言葉を使うわけ』
( http://www.asyura.com/0304/dispute9/msg/156.html )
『Re:こう妄想しています』
( http://www.asyura.com/sora/dispute1/msg/118.html )
『“悪魔崇拝”とは「自己の知性を過信すること」だと思う』
( http://www.asyura.com/sora/bd16/msg/334.html )
『Re:悪魔さん、レスをもらってうれしく思います』
( http://www.asyura.com/sora/bd16/msg/344.html )
『世界経済支配層が貨幣的富にこだわるのはそれが世界を支配する力だと“信仰”しているから』
( http://www.asyura.com/0304/dispute9/msg/178.html )
『経済支配層や知的エリートも彼らの価値観や論理の奴隷』
( http://www.asyura.com/0304/dispute9/msg/205.html )
「オカルト」と「金権力」執着について
( http://www.asyura.com/2003/dispute8/msg/206.html )
『経済支配層にとっての「世界そして自由・平等・民主」』
( http://www.asyura.com/2003/hasan19/msg/670.html )
『「近代経済システム」や「近代価値観」が悪魔崇拝者(知的強欲追求者)のものであることが浮かび上がる』
( http://www.asyura.com/2003/war24/msg/1034.html )
『自分の「世界」に信を置いて物事の理非を判断することです』
( http://www.asyura.com/0304/dispute9/msg/542.html )
『【補足】自分の「世界」にも縛られないことです』
( http://www.asyura.com/0304/dispute9/msg/543.html )
『「価値観や論理への隷属」から抜け出す簡単な方法 − 「ド腐れ人間」という言葉の廃棄宣言 −』
( http://www.asyura.com/0304/dispute9/msg/222.html )
『「感じにくい隷属」から抜け出す第一歩は「隷属の認識」 [ぷち熟女さんへのレスも兼ねて]』
( http://www.asyura.com/2003/dispute8/msg/1013.html )
『現実世界が在ることの客観(外在)性とその在り様の主体性』
( http://www.asyura.com/2003/dispute8/msg/408.html )
『法則は外的には存在しません。在るのは連関的運動です。』
( http://www.asyura.com/2003/dispute8/msg/410.html )
『民主制・自由主義・個人主義の脆弱さを知っている彼らは専制統御と絶対忠誠を基礎としている』
( http://www.asyura.com/2003/dispute8/msg/231.html )
『いわゆる「陰謀論」について』
( http://www.asyura.com/2003/dispute8/msg/172.html )