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事件
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投稿者 戦争屋は嫌いだ 日時 2003 年 12 月 21 日 22:38:02:d/vusjnSYDx0.
 


ここにエリート社員がいる。能力のレベルは半端ではなく、知識もダントツである。仕事ぶりも正確を極め、誰からも信頼されており、同期のトップを切って営業部長となった彼が、社長の座への最短距離にいることは、衆目の一致するところである。本人も周囲の視線を十分意識してモーレツに働いている。会社のため、キャリアのためには月に70時間を越えるサービス残業も土日の休日出勤も当然の犠牲だ、と自分に言い聞かせている。さらに経営者候補たるもの人望も不可欠であるから、部下や同僚の面倒もよく見てきた。酒の付き合いを断ったことは一度とてなく、自分からも頻繁に「どう、帰りに軽くやってかない?」と誘った。すでに相当な高給を食む身分ではあったが、さすがに連日の飲み代は、彼の小遣いの範囲を軽く越えてしまっていた。そこで彼がやったこと、といったらサラリーマンだったら誰でも身に覚えのある、「接待交際費の流用」であった。

ところがここに彼の栄達をこころよく思っていなかった同僚がいた。同期入社で新入社員当初こそ大の仲良しではあったが、こちらは上司に恵まれなかったこともあって、庶務課長代理として不遇の身を託つており、ここ5・6年は口も聞かない間柄となっていた。「あいつだけええカッコしやがって」という嫉みにさいなまれる日々であった。そんなある日目についたのが営業部長印の押された接待費伝票である。何と土曜日の日付となっている。おかしいではないか? 調べて見ると営業部長が土曜日に休日出勤した際に、部下をねぎらって帰りに赤提灯で軽くやったものであることが発覚した。「顧客を接待したのではないのに接待費を使ったんだな。」

さあ鬼の首でも取ったような勢いで早速庶務部長に報告したものの、部長の反応は「まあ大した出費じゃないし、社員の士気を高めようとしてやったことでもあるから、これくらいは見逃してもいいんじゃないか」であった。「いやこういう小さい不正を見逃すことこそ、会社統治の基盤を崩壊させる第一歩になるのです。部長がそう仰るなら経理担当役員に直訴します。」と噛みついため、庶務部長も嫌な奴だとは思いながらもしぶしぶこの問題を取り上げることに同意した。社内懲罰委員会としてもこの「経費不正請求」事件が正式に俎上にのぼってしまった以上は、何らかの裁定を下さざるを得ず、営業部長には「戒告処分:減給1ヶ月150分の1」が宣告されるにいたった。

怒ったのは営業部長である。自分はこれまで何もかも犠牲にして会社に尽くしてきた。サービス残業分の未請求超過勤務手当だけだって累積だったら100万単位になっている。売上げだって収益だって誰よりも会社に貢献してきた、という強烈な自負がある。彼の貢献度がダントツで、超エリート候補であることは社員食堂のオバチャンだって知っていて、彼には特別ご飯を大盛りにするくらいなのだ。

こんな屈辱は到底我慢できるものではない。翌日から彼は会社にこなくなった。1週間ほどたって、心配になった人事部次長が営業部長宅を訪ねてみた。この次長もやはり同期入社でこちらは一月に一度くらいは酒の付き合いが続いていたのである。案の定昼間から酒びたりになっている。「このオレがいなかったら、あんな会社ぶっつぶれるぞ〜っ!今までさんざ世話になっといて、ふざけるんじゃねえってんだ。」と荒れ狂っている。思った通りである。「君の気持ちはよーく分かるよ。あんな下司な奴に足下をすくわれるなんてな、本当に同情するよ。でもな、やっぱり出社拒否はまずいんじゃないか。一応は出てきてくれないと君のキャリアにつまらんケチがついちまうぜ。」と慰めると、「なにいってんだ。ケチならもうとっくについてるじゃねえか。お前らみんなアホだ。あの会社をあそこまで大きくしたのはこのオレだそ。お前らみたいなクズにできたはずがねえだろ。それなのにこんなふざけた仕打ちをしやがって。何考えてるんだ。馬鹿ヤローッ」ととりつくしまもない。次長は「今回の理不尽な処分を考えれば怒るのも無理はないよ。今の君の暴言は聞かなかったことにするよ」と言って帰っていった。

その後この次長が営業部の若手を何人か近所の飲み屋に誘って意見を聞いてみたところ、「やっぱり会社に来ないのはマズいんじゃないっんすか。部長が凄い貢献をしたことはみんなよくわかってますけど。部長がいなければいないなりにどうにかやっていくしかないっすよ。でもホントは早く気を取り直して戻ってきてくれるといいんすけどね。やっぱりもう売上げに影響が出始めてますからね。」という声もあれば、「やっぱり社業に過剰適応しちゃうと自分が見えなくなる危険があるかもしれないっすよね。自分と会社の間に適当な距離を置いておくことの必要性っていうか、考えさせられられる事件でした。」という者もいた。

(最近の事件とは全く無関係のフィクションです。    週間戦争屋編集部)

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