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65歳雇用義務化についてのまとめ
http://www.asyura2.com/13/hasan79/msg/495.html
投稿者 eco 日時 2013 年 4 月 09 日 02:27:43: .WIEmPirTezGQ
 

65歳雇用義務化についてのまとめ --- 城 繁幸

最終更新:4月8日(月)11時6分

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130408-00010005-agora-pol  

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
01. 2013年4月10日 16:06:52 : ZuvBR3nj2c

    とりあえず公務員は定年延長で万々歳だな。


02. 2013年4月13日 02:25:46 : xEBOc6ttRg
JBpress>日本再生>世界の中の日本 [世界の中の日本]
非正規社員を差別する会社に未来はない
マキァヴェッリ先生ならこう考える(46)
2013年04月12日(Fri) 有坪 民雄
 現代の日本の、そこそこ以上の規模の会社で、派遣社員、契約社員など、いわゆる非正規雇用された社員がいない職場は稀でしょう。非正規社員の戦力化に悩んでおられる管理職の方も多いようです。

 ところがリーマン・ショック以降、特に顕著な気がしますが、正社員による非正規社員への差別があちこちで行われているようです。

 賃金の安さはもともとの契約で定められていますから、正社員同様とはいかないのは致し方ありません。しかし、机やロッカーを与えない、正社員が派遣社員に対して侮蔑的な発言をしたりするのは、派遣社員のモチベーションを下げこそすれ、上げることはないのではないでしょうか?

自分を侮蔑する人間のために戦おうとは思わない

 
(『ディスコルシ 「ローマ史」論』、ニッコロ・マキァヴェッリ著、永井三明訳、ちくま学芸文庫)

 マキァヴェッリは、人間が取り得る何よりも賢い態度は、相手を脅かしたり侮辱したりしないことだと言っています。そんなことをしても決して敵の力を弱めたりできないし、味方を強くすることもできないからです。

 まず敵を侮辱すると、一般に敵はますます強くなります。本連載の第37回「沖縄の『独立』を日本は止められるか」でウェイイ人とローマ人が戦った時のことを書きました。内紛に苦しんでいたローマを見て、「今ならローマの力は弱まっている」と踏んだウェイイはローマに戦いを挑みますが破れました。

 破れた理由は、強国ウェイイが攻めてきた危機感が内紛を忘れさせた面もあるのですが、もう1つ理由があります。戦場で対峙していた時、ウェイイ軍はローマ軍に罵詈雑言を浴びせたのです。それもローマ軍のすぐそばまでやって来てやったものですから、兵士たちは怒り狂いました。それまでは内紛のため将軍も兵士もそれほど士気は高くなかったのですが、怒った兵士が「早く戦わせろ!」と将軍に突き上げを食らわせるくらい戦闘意欲満々になってしまったのです。

 相手は今弱いはずだとなめてかかっている兵士と、侮辱を受けて報復しなければと、戦いたくてしょうがなくなっている兵士とどちらが強いのかは自明の理です。

 侮蔑してはならないのは味方にも同様です。第2次ポエニ戦争でハンニバルがカンナエの戦いに勝利した時、ローマは滅亡の危機に陥りました。ローマはたび重なる大敗戦で多くの兵士が殺されたため、成人男子そのものが不足して、正規軍をまともに作ることすらできなくなっていたのです。

 市民がいないなら、奴隷がいる。ローマはそれまで兵士として採用してこなかった奴隷に武器を持たせ、志願兵からなる奴隷軍を組織したのです。指揮官に任命されたティベリウス・グラックスが第一に出した命令は、「いかなる者といえども、互いに相手を奴隷出身だと咎め立てすれば、死刑に処す」です。

 奴隷は、自分たちより地位が低い。戦えば奴隷から自由民になれると約束されている。だからといって馬鹿にしている市民や貴族がいればどうなるか。そんな連中の国を防衛する気に奴隷がなるはずがない。

 ただでさえ、ハンニバルはローマの内紛を誘うために様々な工作を行っているのです。奴隷にもいずれハンニバルの手は伸びてきます。市民も貴族も、奴隷の立場まで下りてものを考えてほしい。そうでなければ戦えないというのがティベリウスの考えでした。

 ティベリウスの命令と期待に奴隷たちはよく応え、後にハンニバルは奴隷軍にさんざ苦しめられることになります。

逆転した正規社員と非正規社員の待遇

 20年以上前、日本の会社は人手不足のため正社員よりも非正規社員の方が待遇がいい時代がありました。学生時代、私がアルバイトに行くと「君たちの方がオレより時給がいいんだよな」とぼやく正社員の方がよくおられました。就職して派遣社員に仕事を頼む立場になると、言っては何ですがこの程度のスキルになぜこんなに金を払わなければならないのかと驚くこともしょっちゅうでした。

 派遣社員に払う料金が、そのまま派遣されてきた人に支払われるわけではありませんが、仮に半分としても、私の残業時間も含めた正社員の時給換算の倍くらい高くて、しかも残業はゼロ。正社員でいる自分が馬鹿らしくなった記憶があります。

 そうした考えは多くの人も持っていたようで、雇われない生き方としてフリーターが、今の「ノマドワーカー」同様に注目されていました。事実、当時はフリーターの方が新入社員なんかより明らかにラクで金になったのです。

 時代は変わり、現在は逆の意味で正社員と非正規社員の待遇格差が大きくなっています。

 個人的感情で言わせていただけば、私と同年代で当時フリーターを選択した方が、今、劣悪な待遇に不満を持っていても、「それはあなたが選んだ道でしょう」としか思いません。しかし、リストラなどで正社員の立場から追われた方、あるいは今の20代、30代の“正社員になりたかったけどなれなかった”人たちは別です。彼らにチャンスを与えて、悪いことは何もありません。業績を上げたら報いて非難されることもありません。

 もちろん、非正規社員の全てが正社員になりたいと思っているわけではありませんし、非正規社員が全て正社員並の働きをしているとも言いません。正社員にしてあげたくとも難しいのも分かります。

 ただ、これだけは確実に言えます。

 非正規社員をあからさまに差別するような正社員のいる会社に、非正規社員の戦力化はまずできないだろうということ。そして、非正規社員の戦力化が進まない会社の正社員には、今後ますますリストラ圧力がかかるだろうということです。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/37536


03. 2013年5月01日 01:55:02 : xEBOc6ttRg
米消費者信頼感指数:4月は5カ月ぶり高水準、予想を上回る 

  4月30日(ブルームバーグ):4月の米消費者信頼感指数は予想を上回り、5か月ぶりの高い水準となった。
米民間調査機関のコンファレンス・ボードが発表した4月の消費者信頼感指数 は68.1と、前月の61.9(速報値59.7)から上昇した。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は61だった。
ソシエテ・ジェネラルのシニア米国エコノミスト、ブライアン・ジョーンズ氏(ニューヨーク在勤)は「米消費者は少し豊かになっていると感じ、若干の余裕が生まれるだろう」と述べ、「春季には成長が足踏みするだろうが、下半期には再び加速するだろう。労働市場は本当に改善していると考えている」と続けた。
現況指数 は60.4と、前月の59.2から上昇。今後6カ月間の期待 指数は73.3と、前月63.7から大きく上昇した。
今後6カ月に所得が増えるとの回答の比率は16.8%と2011年4月以来の高水準。前月は14.6%だった。
今後6カ月間にビジネス環境が改善すると回答した比率は16.9%(前月は15%)に上昇した。
今後6カ月に雇用が増加するとの回答は14.2%。雇用が現在十分にあると回答した比率は9.8%(同9.5%)に上昇した。
原題:Consumer Confidence in U.S. Rose More Than Forecast inApril (2)(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ワシントン Jeanna Smialek jsmialek1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Chris Wellisz cwellisz@bloomberg.net
更新日時: 2013/05/01 00:26 JST

第1四半期の米雇用コスト指数は+0.3%、賃金インフレの抑制示す 12:57am
[ワシントン 30日 ロイター] 米労働省が発表した第1・四半期の雇用コスト指数は前期比0.3%上昇し、2011年第3・四半期以降で最も低い伸びとなった。賃金インフレの抑制を示しており、米連邦準備理事会(FRB)に金融緩和の継続余地を与えるものとみられる。 記事の全文

4月CB米消費者信頼感指数は68.1に改善、予想上回る 12:42am
[30日 ロイター] 米大手民間調査機関のコンファレンス・ボード(CB)が30日発表した4月の消費者信頼感指数は68.1と、3月の61.9(上方改定)から上昇した。経済や収入に関する見通しの改善が寄与した。 記事の全文

4月シカゴ地区購買部協会景気指数、09年9月以来の低水準 12:38am
[ニューヨーク 30日 ロイター] シカゴ地区購買部協会がまとめた4月の景気指数は49.0と前月の52.4から低下し、2009年9月以来の低水準となった。雇用指数が大きく下げたことが響いた。 記事の全文

スプリント買収、条件見直し必要ない=ソフトバンク社長 12:08am
[東京 30日 ロイター] ソフトバンクの孫正義社長は30日、米衛星放送サービス会社ディッシュ・ネットワークも名乗りを上げた米携帯電話会社スプリント・ネクステルの買収計画について会見し、条件の見直しは「必要ない」と述べた。 記事の全文

ドルが対ユーロ・円で下落、米景気回復への懸念強まる 12:01am
[ニューヨーク 30日 ロイター] 30日午前中盤のニューヨーク外国為替市場で、ドルがユーロと円に対して下落している。 記事の全文

2月のケース・シラー米20都市圏住宅価格、約7年ぶり大幅上昇 2013年 04月 30日 23:58 JST


コラム:実体経済の鈍い足取り、展開次第で消費増税に影響 2013年 04月 30日 15:40 JST
[東京 30日 ロイター] 経済産業省が30日に発表した3月鉱工業生産や3月小売販売額のデータなどをみると、株高が示す強い期待感と緩やかな回復を示す実体経済とのギャップが次第に目立ってきている。 記事の全文

コラム:「パッシング・チャイナ」という選択=熊谷亮丸氏 2013年 04月 30日 18:16 JST
かねてより筆者は、中国に対して日本は「バッシング」ではなくて「パッシング」、すなわち「非難」するのではなく、もう「通過」「素通り」してもいいのではないかという主張をしている。 記事の全文

コラム:政治的要因で緊張はらむECBの利下げ 2013年 04月 30日 13:33 JST
[ロンドン 29日 ロイター BREAKINGVIEWS] ドラギ欧州中銀(ECB)総裁に今週、再び熱い視線が注がれている。どちらかというと当然の措置であるはずの金利決定が、内容いかんに関わらず論議を引き起こしそうだ。 記事の全文


キプロス経済:一段と悪化する見通し
2013年05月01日(Wed) The Economist
(英エコノミスト誌 2013年4月27日号)

経済見通しは救済時より一段と厳しくなっている。


キプロスの首都ニコシアは表向きは正常化しつつある〔AFPBB News〕

 キプロスの首都ニコシアでは、提案された救済策が保険対象の預金者にも損失を及ぼす恐れがあった3月に抗議行動が繰り広げられ、垂れ幕が掲げられたが、その後は妙に静まり返っている(そして妙に雨が多い)。

 ニコシア市内や周辺のレストランの中には、賑わっている店もあるが、それ以外は人けがない。

 だが、見かけ上の正常さの裏側では、放棄された最初の救済案と、最終的な救済策の厳しい条件の衝撃が大きな打撃を与えつつある。

 銀行口座へのアクセスは今も制限されており、資本規制が続いているため、キプロス人はお金を使わずため込んでいる。企業間信用は枯渇し、これが企業活動の息の根を止めている。

救済策の前提を脅かす著しい景気悪化

 3月の新車販売台数は前年比で59%減少した。避寒客は危機に見舞われた国を敬遠しがちだ。第1四半期は観光客の数が前年同期比10%減少した。しかも、これはまだ始まったばかりだ。既に景気後退局面にあるキプロス経済――昨年は国内総生産(GDP)が2.4%減少した――は、まさに急降下に入ろうとしており、救済策の基になっている前提が崩れつつある。

 資本規制が長引けば長引くほど、ダメージは大きくなる。危機以前は、企業向けサービスと金融サービスのGDPに対する寄与度が同程度だった(前者が7.4%、後者が9.2%)。何が起ころうとも、銀行は劇的に規模を縮小しなければならない。

 だが、キプロスはまだ、能力のある労働力が法律業務や会計監査業務を提供することで、地中海東岸のビジネス拠点としての魅力を保てるかもしれない。ただし、資本規制が定着すれば、こうした望みは打ち砕かれるだろう、とヨーロッパ大学キプロスの経済学者アレクサンダー・アポストリデス氏は言う。

 中央銀行は既に、一部の国内銀行規制を緩和している。現金の引き出し上限は1日当たり300ユーロ(390ドル)のままだが、自動振替や自動引き落としの利用は再開された。資金の電信振替はまだ停止されている。

 それよりはるかに重要なのは、今なお厳しい対外規制だ。例えば、キプロス人は国から出る時、2000ユーロを超える現金を持ち出せない。


葬り去られることになったライキ銀行〔AFPBB News〕

 こうした規制を解除できるのは、危機の中心にある銀行が再編された時だけだ。銀行再編は、信頼感を回復し、資金が自由に動けるようになった時に資金逃避を回避するために非常に重要だ。

 再編の狙いは、キプロス第2位の大手銀行、ライキ銀行を葬り去り、最大手のキプロス銀行(BoC)を復活させることだ。だが、そのプロセスは複雑で、遅れが生じやすい。

 3月25日に最終的な救済策が公表された時、ライキは「グッドバンク」と「バッドバンク」に分割されることになっていた。バッドバンクの損失は、株主、社債権者、保険対象外の預金者によって吸収されることになった(最も多額の資金を提供するのは保険対象外の預金者で、その額は44億ユーロ相当と推定されている)。

救済策の厳しい条件で銀行再編計画に狂い

 この分割は現実になっている。ライキの保険対象の預金を含む、グッドバンクの資産と負債はBoCに移管された。

 だが、バッドバンクが不良債権(借り手の返済が遅れている債権)を持ち続けるのではなく、損失予想額を差し引いたライキの国内債権がすべてBoCに移されている。そのためBoCは、これらの債権がさらに不良化した場合、損失に見舞われる恐れがある。

 一方、BoCは100億ユーロ相当の保険対象外の預金の大部分を自己資本に転換することによって自己資本を増強することになっている。修正後の救済策が公表された時点では、強制的な転換はこれらの預金の37.5%に影響を与えるだけではないかと期待された。ところが今、BoCの資本増強のために保険対象外の預金の60%が必要になりそうだ。

 これは、キプロスに課せられた厳しい措置が非常に大きなダメージを与えていることが原因だ。

 失敗に終わった救済案の前は、最悪のシナリオで、2大銀行が資本増強に78億ユーロを必要とすると予想されていた。流出した欧州委員会の資料によると、現在は、混乱を収拾するために106億ユーロが必要になる可能性があるという。

 BoCの大口預金の中には、地方自治体や公立学校の預金など保護されるものもあるが、それ以外の預金はそれほど幸運ではない。中央銀行は先日、保険会社、慈善団体、私立学校は27.5%の損失を被るだろうと述べた。

 BoCの資本増強の最終的な規模がどれくらいになるにせよ、再編後のBoCは多額の債務を背負った経済に大きく依存しているため、その信頼性は依然として疑わしい。キプロスでは、家計と企業の民間債務がGDPの300%近くに上り、欧州連合(EU)の中で3番目に高い水準となっている。

 現在14%の失業率が上昇し、不動産の価値が下落するにつれ、不良債権は急増する見込みだ。

4年でGDPが3割減少?


 欧州委員会は救済前に、キプロスのGDPが2013年に3.5%、2014年に1.3%減少すると予想していた(図参照)。欧州委員会は4月初めまでに、この見通しを8.7%と3.9%の減少に修正していた。

 だが、キプロスのコンサルティング会社サピエンタ・エコノミクスのフィオナ・マレン氏によると、修正後の見通しでも楽観的すぎるかもしれないという。

 マレン氏は、今年はGDPが15%縮小すると考えており、2014年にさらに15%、2015年に5%減少すると予想している。

 マレン氏の予想は、2011年から4年間の累計でGDPが33%減少することを意味しており、ギリシャの6年間の予想減少率24%をも上回ることになる。このように悲観的な予測が現実になれば、キプロスを本当に破滅に追い込むのは、資本逃避よりもむしろ、聖書に書かれたような規模の労働者の大脱出かもしれない。

© 2013 The Economist Newspaper Limited. All rights reserved.
英エコノミスト誌の記事は、JBプレスがライセンス契約 に基づき翻訳したものです。
英語の原文記事はwww.economist.comで読むことができます。

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変動通貨が与えるものと与えないもの
財政状態が似た英国とスペインがこれほど違う理由
2013年05月01日(Wed) Financial Times
(2013年4月26日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)


欧州の地図の上で、ユーロ硬貨に囲まれて立つ英ポンド硬貨〔AFPBB News〕

 今回の危機は、自由に変動する通貨を持つことの利点について重要な教訓をもたらしている。英国の経験が教えてくれる1つの利点は、金融政策と財政政策の自主性だ。

 だが、大幅な通貨下落が経常収支の調整にもたらした貢献は、多くの人が予想していたよりはるかに小さかった。これらの教訓は、重要な政策上の示唆を与えている。

 ベルギー人の経済学者でロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)教授のポール・デ・グラウウェ氏が指摘しているように、独自の通貨を持つことの利点は、長期国債に支払われる危機以後の金利にはっきり見て取れる。

 観察結果は単純明快だ。国内総生産(GDP)に対する純公的債務の比率に関する国際通貨基金(IMF)の予測は、英国もスペインも基本的に同じだ。2017年には、この債務比率が英国で93%、スペインで95%になるという。

国債利回りに大きな差

 だが、英国の10年物国債の利回りは安定的に2%を下回っており――英国の歴史上最も低い部類に入る――ドイツと大差ない。一方、スペインの10年物国債の利回りは5%をわずかに下回る水準で、昨年7月の7.5%よりはかなり低いが、デフレに追い込まれつつある国としては高い。

 これほどよく似た財政状態の国がこれほど異なる国債利回りに直面しているのはなぜだろうか。

 1つの考えられる説明は、長期にわたって債務管理に成功してきた英国の歴史だ。欧州中央銀行(ECB)が「アウトライト・マネタリー・トランザクション(OMT)」を通じて介入することを約束しているにもかかわらず、スペイン国債がいまだにユーロ圏分裂という破局的なリスクにさらされていると考えられている可能性があるという事実も重要だ。

 全面的なデフォルト(債務不履行)を防ぐイングランド銀行の能力と願望は、独立した超国家的な中央銀行のそれよりも信頼性が高い。イングランド銀行は、最後の買い手として、市場の流動性も約束している。公的債務の市場が良い結果あるいは悪い結果の自己成就的予言の影響下にあるとすれば、このことが好ましい金利での安定を保証してくれるはずだ。

 英国がポンドで形成しているような通貨圏であることは、さらなる利点を提供している。1つは、国内通貨建ての資産を保有しなければならない人たちにとって、通貨圏がそれ自身の逃避先になることだ。だが、ユーロ圏での逃避先はドイツだ。パニックが生じた時、資金は弱い加盟国からドイツに流れる傾向があり、それが財政危機と金融危機の原因になる。

 次に、人々が手持ちの英ポンド建ての負債を減らしたいと思った場合、為替レートが調整のためのメカニズムを提供する。だが、スペインでは、その調整が利回りを通じて行われる。

 はっきりしているのは、通貨同盟の一員になることが公的債務を管理する政府の能力を損なうということだ。このことは、銀行、ひいては信用の供給に対する重要な波及効果を持っている。英国も問題を抱えているが、これらの問題はそれほど厳しくないし、政策の効果が出やすい。

期待外れのポンド安効果

 しかし、2007年後半から貿易加重ベースで約20%下げたポンド安の効果は、期待外れに終わっている。これは、イングランド銀行金融政策委員会のマーティン・ウィール委員が今年2月に議論した点であり、イングランド銀行の最新のインフレ報告でも議論されている点だ。

 IMFの最新の予測は単純明快なストーリーを浮き彫りにしている。2007年には経常赤字のGDP比が、スペインで10%、ポルトガルで10.1%、ギリシャで14.6%だったのに対して、英国では2.3%だった。

 だが、2012年には、英国の赤字がGDP比3.5%まで拡大すると予想されているのに対して、スペインでは1.1%、ポルトガルでは1.5%、ギリシャでは2.9%と予想されている。

 さらに、2009年第2四半期から2012年第3四半期にかけての英国の輸出量の伸びは、問題を抱えたユーロ圏諸国の輸出量の伸びより小さかった。これらユーロ圏諸国の輸出の方が英国の輸出よりも好調だった理由の1つは、こうした国々の景気後退の方がはるかに深刻だったことだ。だが、フランス、ドイツ、米国も、英国より良い結果を出している。

 他のG7諸国の財の輸入に占める英国の割合は、長らく下り坂にあったが、危機以降は安定している。だが、これは十分とは言えない。英国の成績が期待外れに終わっている理由の1つは、生産性の伸びの鈍化がポンド安の効果を部分的に相殺してしまったことだ。

 一方、G7諸国のサービスの輸入に占める英国の割合は、危機以前には急上昇していたが、危機以後は安定し、その後低下した。成績が振るわない主な要因は、金融サービスの輸出が減少していることだ。つまり、金融危機は、英国の輸出を通じてこの国に打撃を与えており、英国は世界が多くを望まなくなったサービスを生み出す部門に依存するようになったのだ。

 筆者は世界を非難することはできない。だが、供給の減少もこれらのサービスの輸出に影響を与えているかもしれない、とイングランド銀行は付け加えている。

経常収支の調整が進まないと・・・

 経常収支で大きな調整を達成できないのは、非常に困った問題だ。これが深刻な問題なのは、何にも増して、経常収支の調整が、財政赤字を解消したいという望みと英国の民間部門で倹約が続く見通しとを結び付ける唯一の方法であるためだ。

 経常収支が調整されなければ、財政再建が実現しないか、あるいは実現したとしても、長期にわたる生産活動の落ち込みという犠牲の上に成り立つ財政再建になるか、どちらかだ。

 柔軟な為替レートは英国に自主性を与えた。それはいいことだ。だが、変動為替相場は英国に調整を与えていない。これは悪いことであり、実際、大きな失望だ。

By Martin Wolf

http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/37693


 


2013年4月30日 広瀬 隆雄
5月2日の発表内容次第では欧州株は売り一色も!EUの政策金利が約10か月ぶりに引き下げられる!?
経済のけん引役であり緊縮財政派の首領ドイツも白旗か?
【今回のまとめ】
1.木曜日の政策金利発表では0.25%の利下げが予想されている
2.欧州経済は一段と弱まってきている
3.インフレ率から見ると利下げ余地がある
4.もし利下げがなければ欧州株式は売られる
欧州中央銀行の政策金利会合に市場が注目
 5月2日(木)の夜8時45分(日本時間)に予定されている欧州中央銀行(ECB)の政策金利発表に市場の注目が集まっています。
 市場参加者は現行の0.75%が0.50%に引き下げられると見ています。
 ECBが前回利下げしたのは2012年7月ですので、今回、利下げが実施されれば、実に10カ月ぶりの政策金利の変更となります。
利下げ期待の背景には欧州経済の弱体化が
 今回、ECBの利下げがコンセンサスとなっている背景には、欧州の経済指標が一段と弱くなっていることがあります。下はユーロ圏の失業率のグラフです。

 欧州経済の牽引車の役割を果たしてきたドイツ経済も、ここへきて減速しています。下のグラフはドイツの製造業購買担当者指数です(4月は速報値)。

長期に渡りECBが利下げを拒んできたワケ
 欧州各国は財政赤字の圧縮のために緊縮財政を取ってきました。またリーマンショック以降、欧州の銀行はレバレッジを下げる努力をしてきました。
 このため下のグラフに見られるように民間銀行は資本の出し手としての存在感を大きく後退させ、その代わりにECBや欧州連合(EU)が流動性の提供者となりました。
EFSF=欧州金融安定ファシリティ、ESM=欧州安定メカニズム。いずれも欧州の経済を安定させるための基金
 欧州の消費者物価指数を見るとECBが目標としている2%よりずっと低くなっています。

 このことはECBには利下げする余地があることを意味します。
次のページ>> もし利下げの発表がなかったら・・・
金利操作で市場をリードする政策へ回帰
 それにもかかわらずECBが利下げを後回しにしたのは、スペインやイタリアの国債が信用不安から売られてしまい、政策金利を通じた市中金利の誘導が、実質上、できなくなってしまったからです。
 その後、ドラギECB総裁が12年8月に「ユーロを守るためには、なんでもやる」と発言し、続いて秋にOMT(アウトライト・マネタリー・トランザクション=ECBが直接、南欧の国債を買う事)を発表したため、現在、イタリアやスペインの10年債利回りは4%前後まで下がってきました。

 つまり債券価格は上昇し、ギリシャ危機前のノーマルな状況に戻ったのです。
 市場環境がノーマルな状況に戻ったということは、ECBによる利下げが、打てば響くように欧州の国債金利に反映する可能性が去年の危機の頃より高まったと予想されます。
 その意味でもし今週、ECBが利下げを発表したなら、それは伝統的な手法、つまり政策金利の操作で市場をリードする金利政策への回帰と言えます。
ドイツのインフレ・リスクも後退している
 ECBがこれまで利下げできなかったもうひとつの理由は、ドイツの労働組合の賃上げ交渉などで、国内的にインフレになりやすい材料があるため、ブンデスバンク(ドイツ連邦銀行、日本の日銀に相当)が頑なにインフレ阻止の姿勢を保持していたことによります。
 しかし、ドイツの消費者物価指数は1.2%と極めて低く、スパイラル的なインフレが起こる兆候はありません。逆に言えば、それだけドイツの経済も弱ってきているということです。
 そんなこんなで、このところの欧州株式市場は利下げ期待を織り込んでいます。したがって、もし今回、利下げの発表がなければ欧州株は売られると思われます。

http://diamond.jp/articles/-/35415


 
【第330回】 2013年5月1日 
予想外の“金融緩和爆弾”が生んだ円安の転換点は?
為替の神のみぞ知る「未知の相場」の読み解き方
――植野大作・三菱UFJモルガン・スタンレー証券
  チーフ為替ストラテジストに聞く
アベノミクスの中核となる金融政策の行方が注目されるなか、4月4日、日本銀行の黒田東彦新総裁が発表した「量的・質的金融緩和」は、まさに「異次元」の形容にふさわしい強烈無比な内容になり、国内外の市場関係者に大きなサプライズを与えた。1ドル=92円90銭付近にあったドル円相場はその後急騰、心理的節目である1ドル=100円の大台を断続的に試すところまで円安が進んだ。

 一方で、値動きが激しいのも「アベノミクス相場」の特徴だ。円安のスピードが早すぎることによる反動も出やすくなっている。4月中旬以降、米国でテロが発生、少々残念な経済指標の発表が相次いだこともあり、一時急激な円高・ドル安に振れる場面もあった。経験したことのない未知の相場にチャレンジする投資家たちは、足もとの為替トレンドをどう見据え、何を心得るべきか。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作・チーフ為替ストラテジストに、詳しく聞いた。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン 小尾拓也、インタビュー日/4月23日)

すさまじい金融緩和爆弾の威力
予想外だった2つのポイント

――アベノミクスの柱となる「異次元金融緩和」のインパクトで、円安傾向が顕著になっている。円高に慣れ切っている投資家からは、「足もとの展開が読みづらい」との声も聞こえる。為替市場は、今どんな局面にあるのか。


うえの・だいさく
1966年生まれ。大阪府出身。三菱UFJモルガン・スタンレー証券 リサーチ部 チーフ為替ストラテジスト。1988年野村総合研究所入社。ニューヨーク、ワシントン駐在などを経て、2000年国際金融研究室長。04年野村證券金融経済研究所に転籍、経済調査部・国際金融調査課長、投資調査部長を歴任。09年外為どっとコム総合研究所入社。調査部長兼主席研究官として為替調査に従事、代表取締役社長を兼務。12年三菱UFJモルガン・スタンレー証券入社、現在に至る。公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員。
 4月4日に日銀の黒田総裁が投下した「金融緩和爆弾」の威力があまりにもすさまじく、「相場環境の急変について行き切れていない」というのが多くの市場参加者の本音だろう。白川氏から黒田氏へのバトンタッチで、金融政策のレジーム・チェンジは早々に起きるだろうと皆予想していたが、今回はあまりにも「予想外」の展開だった。

 予想外のポイントは2つ。第一に、とてもわかりやすかったことだ。今回導入された「量的・質的金融緩和」は、2年間で2%の物価目標を達成するため、市場に供給するマネタリーベースを2年間で2倍に増やすという、明確な数値目標を伴っていた。

 マネタリーベース倍増計画の実行にあたっては、日銀が買い入れる国債の残高や保有満期を2年で2倍以上に増額、延長するなどの具体策も示された。たぶんわざとそうしたと思われるが、2年、2%、2倍といった具合に、数字の2を並べたところが滅茶苦茶わかりやすかった。

 第二に、金融緩和爆弾が投下されたタイミングが、4月4日の日銀金融政策決定会合と随分早かった。黒田総裁の就任は3月19日で、金融政策の大転換には、さすがに事務方の準備期間も必要なため、4日の会合では単なる予告編だけで、実際の爆弾投下は26日の会合になるだろうと思っていた人も多かった。

 もしも26日の投下だったら、多分みんな心の準備をしていたので、心理的インパクトはこれほど大きくなく、短期間に顕著な円安が進むことはなかっただろう。このように、金融政策が市場心理を揺さぶるマグニチュードは、政策の質量だけでなく速度との掛け算で増幅される側面も大きい。

 いずれにしろ、黒田日銀総裁は、「これから本気で物価目標2%の早期達成に取り組む」という強烈な第一印象を市場に植え付けることに成功した。現在のドル円相場は、日銀による「異次元」金融緩和の実稼動を見据えて、どれくらい円安が進むのかを見守っている状況だ。

不安定な為替相場では
様々な思惑が日時不定で交錯

――直近の為替相場では、円安トレンドが続きながらも、一時的に円高に振れる場面も見られる。こうした不安定さは、「金融緩和爆弾」による投資家の狼狽の表れといえるだろうか。

 現在の市場には、海外ヘッジファンド、日本のFX投資家、国内外の年金基金や金融機関、輸出入企業、あるいは海外旅行者など、立場の違う様々な参加者がおり、なるべく自分に都合がよい値段で売買して、負けるときの損を少なく、勝つときの儲けを大きくしようとする雑多な思惑が、日時不定で激しくぶつかり合っている。そうした過程で、何かの材料が出ると相場が不安定に動く場面もあり、バランスを戻すのに時間を要したのだと思う。

――とりわけ相場に大きな影響を与えるのが、資金力が豊富な投機筋や機関投資家だ。彼らの投資行動はどんなものか。

 ヘッジファンドなどの投機筋は、基本的にはトレンド・フォロワーだ。最新流行のトレンドが円高。ドル安だと思えば円を買うし、円安・ドル高だと思えばドルを買うというように、目まぐるしく衣替えする。

 また、売買の軍資金を膨らませている借金の返済期限が来ると、それを延長しない限りは、そのポジションを反対売買で一気に解消することもある。こうした性格から見ても、直近の相場の激しい動きに一定の影響を与えていることは確かだ。

 ただ、相場に与える瞬間的な影響は大きくても、中長期で相場のトレンドをつくる力はない。また、そもそも投機筋はドル円相場ばかりにこだわらず、儲かると思えばユーロ、豪ドル、ポンド、スイスフランなど、為替売買の主戦場をどんどん変えていく。為替市場にとっては、あくまで日和見的な存在だ。

 それに対して、本当に影響力が大きいのは、生命保険会社、投資信託の運用会社、信託銀行の信託勘定など、中長期で運用する機関投資家たちだ。彼らは、長いタームでバランスよく運用資産のベストミックスを考えている。中長期的には、相場は彼らの動向に大きく左右されるだろう。

 また、貿易取引に関わる資金の動きも影響が大きい。短期的な値動きへの影響はヘッジファンドの方が大きかったりもするが、輸出入取引の為替売買は決して買い戻しや売り戻しが起きないので、為替市場に漢方薬のように地味だが着実な一影響を及ぼす。最近は日本が貿易赤字国になっているので、やはり円安になりやすくなっている。

1ドル=100円を突破しないと
マーケットは気が済まない

――今後、為替相場はさらに円安方向へと進むのか、それとも再び円高へ転換するのか。また、為替の変動要因としてどんなものが考えられるか。

 おそらくここまで来ると、心理的節目の1ドル=100円を一度は突破しない限り、マーケットは気が済まないだろう。

 日銀によるマネタリーベース倍増計画とは、わかりやすく言うと「円資金ジャブジャブ供給計画」だ。日本側の政策だけ見ると、円安圧力が発生するのは明白だろう。ただ、ドル円相場は円の値段であると同時にドルの値段でもあるので、日本の政策だけを見て動いているわけではない。

 ドル円相場を決めるもう1つの大きな要因は、米国の景気動向だ。米国はQE3(量的緩和第3弾)で毎月850億ドルもの国債や住宅ローン担保債権を購入してドル資金をばら撒いているが、景気は以前ほど悪くないので、年末〜年明けにも資産購入の減額や停止を検討しているといわれる。失業率が改善し、米国の出口戦略が決まると、今よりドル高・円安が進むことは考えられる。

 逆に、今後の米国景気の回復力が、思ったほど芳しくなかったりすると、米国の金融緩和の出口までの距離感が遠のくため、ドル安・円高圧力が発生し、それを水際で防ごうとする日銀との間で、日米金融緩和合戦が激化することも考えられる。

――為替の動きは、日米の金利差にも影響されそうだ。

 為替は、将来金利差が開くか縮むかを予想しながら動く。現在の米国の金利は日本より高いとはいえ、まだそれほど魅力的ではない。ただ、膨大な円資金を供給する日本の金利が上がりづらいのに対して、出口戦略を模索する米国の金利は、今後上がって行く可能性が考えられる。そうなると、ドル高・円安圧力が発生する。

 同じことは、普通なら日本にも当てはまるが、「向こう2年間は円資金ジャブジャブ計画を進める」と黒田日銀総裁が言っている以上、日本の金利が上昇して円高・ドル安圧力が発生するというシナリオは、しばらくなさそうだ。

 もちろん、日銀による国債購入が政府の放漫財政の尻拭いだと思う人が増えると、日本国債の人気が落ちて、政府は高い金利を払わないと新しく借金できなくなる可能性もあるが、そういう悪い金利上昇が起きるときには、円金利が上がっても円高にはならず、むしろ円売りになる可能性がある。

今や日本の金融緩和が国際会議で
批判される時代ではなくなった

――為替の変動要因は他にも色々考えられる。たとえば、G20会合などでは、「日本が円安誘導をしている」という批判もある。今後、各国とのパワーバランスによって、円安の流れが変わる可能性はあるだろうか。

 それについては、たぶん可能性は小さいと思う。日本のメディアは、「円安になると国際会議の場ですぐに日本がやり玉に挙げられる」という被害妄想的な記事を配信しがちだが、今やそういう時代ではない。

 確かに、最近のG20会合などを見ると、韓国、ドイツ、フランス、イタリア、カナダなどから日本の金融緩和策を批判・警戒する声も出ているが、ロシア、メキシコ、オーストラリア、ポーランド、インドネシアなどはそうではない。「日本の金融緩和は国内のデフレ対策のためにやっているだけ」と理解を示してくれる国も、結構ある。

 また、米国は急激に円安が進みすぎるのを警戒しているものの、自らが大規模な金融緩和を続けて新興国に批判されたりもしているので、日本に文句を言いたくても言えない。日本の金融緩和を円安政策だと言ってしまうと、自分がやってきた政策もドル安政策だと認めることになるため、これまでのドル安で迷惑してきた新興国などからの批判を強めて、やぶ蛇になりかねない。

 いまだに人民元の対ドル相場を管理フロート制で人為的にコントロールしている中国も、自分たちが批判されたくないので、黙っている。

 国際金融会議への参加国が増え、様々な利害を抱える国が一堂に会するようになっている。日本を批判できない立場の国もあれば、自国通貨の対円相場に興味がない国もある。そもそも、デフレに悩む貿易赤字の国が金融緩和をやることに対して、強硬姿勢に出る国はないのではなかろうか。

 その意味では、国際会議の場で合意される声明文は、同床異夢の妥協の産物になりやすい。解釈によっては円安批判に見えても、現実的には政策の実行力は何もないといえる。

地政学的リスクで円高になる可能性
ポイントは貿易黒字と軍事面での安全

――北朝鮮のミサイル攻撃などをはじめ、地政学的リスクも高まっている。過去には、有事の際に逃避先として、円やスイスフランに資金が流れ込んだ。たとえば東日本大震災後には、深刻なダメージを被った日本の円が買われるという、理解できない状況もあった。今後も有事をきっかけに、再び円高トレンドに向く可能性もありそうだ。

 日本は低インフレの低金利国だ。市場心理が正常なときは高成長の高金利国へお金が流れ、円は売られやすい。逆に市場心理が異常なときには、外に出た資金が里帰りするかもしれないという見立てにより、高金利国から低金利国へと資金が逆流する場合がある。大震災のときも同様の状態だった。

 ただ、今後も同じだとは限らない。そもそも市場のリスク許容度が高まったときに買われる通貨の条件は、貿易収支が黒字の国の通貨だ。有事の際に投資家のお金の流れが止まっても、貿易で黒字を稼いでいる国は「安全だ」と判断され、通貨が買われる。

 しかし、今の日本は貿易赤字だ。原発が動き始めると黒字に戻るかもしれないが、モノづくりの拠点の海外シフトなどによって、貿易赤字が定着するようなら、今後も有事だからといって円が買われるとは限らない。

 また、スイスは永世中立国、日本は平和主義憲法の国であり、侵略戦争や先制攻撃をしないという共通点がある。ひどい戦争に巻き込まれる恐れが小さい国の通貨は、軍事的緊張が強まる不安な時期に買われ易い。しかし、安倍首相が参院選後に憲法改正、国防軍の設置などを本格的に唱え始めれば、日本円が軍事面で安全通貨であるという認識は変わるかもしれない。

円安も円高も一方通行で進むと
日本の国益にはつながらない

――ここまで聞いた限りでは、しばらく円安の流れは変わらない可能性が高そうだ。ただ、輸出企業が多い日本で円安は好感されることが多いとはいえ、行き過ぎれば日本の国力そのものを低下させかねない。中長期的に見て、円安のメリットとデメリットをどう考えるか。

 変動相場制を採用している以上、私は円安も円高も一方通行で進むのは国益だとは思わない。為替レートは、その時々の経済環境や金融政策を反映して、両方向に柔軟に動くのが最も国益に適うはずだ。

 たとえば、お金の交換価値という意味では金利も為替も一緒だ。金利は「現在のお金」と「将来のお金」の交換レート、為替は「日本のお金」と「外国のお金」の交換レートだ。もしも誰かが、「金利は下落し続けるのが国益だ」「いや、上昇し続けるのが国益だ」などと言い出したら、変な人だと思われるのでないだろうか。

 現在のような低金利下では、預金生活者や金利収入生活者にとってはマイナスになるし、住宅ローンや自動車ローンを組む人にとってはプラスになる。どちらか一方だけの有利・不利を強調しすぎるのは間違っている。金利はそのときの経済状況によって、不況のときには低下し、好況のときに上がるのが自然だし、上がったり下がったりするのが国益に適う。

 為替相場のメリット・デメリットについても、基本的な考え方は同じだ。日本は変動相場制を採用しているので、その時々の国内外の経済状況や政策を反映して、為替レートはマーケット・メカニズムによって形成されていく。

 日本がデフレ脱却を目指している今は円安のデメリットよりメリットの方が大きそうだが、それでも円安がスピード違反を犯したり、水準として行き過ぎれば、どこかで国益を損なう。国の政策に求められるのは、為替変動のメリット、デメリットを忖度して、両者が上手く均衡する点を目指すことだろう。

 あくまで個人的な意見だが、現時点での日本にとって居心地のよい為替水準は、1ドル=105〜110円くらいではないだろうか。ただ、向こう10年、20年の間に経済のファンダメンタルズが変われば、均衡水準はどちらに動くかわからない。多分、「為替の神様」にしか見えていないのではないか。

アベノミクスが思惑通りに機能すれば
現在の為替相場は安定に向かうだろう

――アベノミクスは、日本にとって理想的な為替相場を実現できるだろうか。

 日本が諸外国並みに2%の物価安定と実質2%の成長率を達成することに成功すれば、為替市場ももっと安定してくるだろう。理不尽な話だが、日本は諸外国と比べて物価上昇率が低かったので、購買力平価理論によれば、構造的な円高圧力の呪縛から解き放たれることが何十年もなかった。

 モノの値上がり率は、逆に見ればお金の価値の下落率。つまり、デフレの日本円はお金の価値の下落率が諸外国より低く、デフレが続けば続くほど為替相場の均衡点は円高に振れ続けてきた。

 物価安定の確保と同時に経済成長を目指すアベノミクスが思惑通りに機能すれば、為替相場は極端な円高や円安に振れることが少なくなって、安定する。長期的に期待される平均成長率や物価上昇率が諸外国並みになれば、為替変動の幅も相対的には小さくなるはずだ。

 短期的にはアベノミクスは円安政策だと思われているが、成功した暁には、長期的な為替相場安定化政策だといえるだろう。個人的にはぜひ成功してほしいと思っているし、たぶん成功すると思っている。外国人にできることが、日本人にだけできないとは思っていない。

――ところで、足もとでは、株式、REIT(上場不動産投信)、実物不動産など、アベノミクスによって注目される投資先がたくさんある。転換期を迎えた為替市場でも、利益を得ようと投資に参入する個人が増えていると聞く。為替に投資するメリットや醍醐味はどんなものか。

 第一に、市場のオープン性だ。最近はFX(外国為替証拠金取引)が人気だが、月曜日の朝から土曜日の未明まで、24時間好きなときにリアルタイムで取引することが可能だ。

 第二に、判断材料がわかり易く、他の投資商品と比べて情報格差が小さいこと。個別株式や不動産の評価には専門的な知識が必要になるが、為替の場合は、国内外の経済指標、金融・財政政策の発表、各種要人発言など、一般人でもインターネットでほぼリアルタイムで入手できる情報が主な売買材料となる。

 たとえば、米国の中央銀行のトップであるバーナンキFRB議長の記者会見などは、最近はインターネットで世界中に同時中継される。夜更かしする体力と英語を聞く力があれば、日本の主婦やサラリーマンでも、その瞬間はジョージ・ソロスとほぼ同じ土俵で勝負できるわけだ。逆に、日本発の情報については、むしろ日本語がわかる日本人の方が有利な局面もある。

 もちろん、投資はあくまでも自己責任だ。短期での為替売買は資産形成というよりもアミューズメントの意味合いが強いので、「推理するのが楽しい」「勝ったり負けたりするところが楽しい」と思うタイプの人には向いているだろう。

 逆に、一度でも大負けしたら「もう二度とやりたくない」と思うタイプの人は、短期の為替売買には参入せず、外貨建ての債券、株式、あるいは投資信託などをバランスよく保有して、時間を味方につけるタイプのリスク分散をグローバルに行うのが良い。外国為替との付き合い方は、その人のタイプによって相性の良いものと悪いものがあるはずなので、自分で決めるしかない。

投資家は「負け」で熱くなるな!
為替投資の必勝法は神のみぞ知る

―― 一方で為替投資は、値動きが激しく損を出し易いというリスクが指摘される。損失をなるべく最小限に留めるためには、どんな心得が必要か。

 一般的に言えば、負けたときに熱くならず、ストップ・ロスのレベルを予め決めるなどして、それをきちんと守ることだろうか。潔く負けを認めないと、損を引きずり、さらに拡大させてしまう。

 あとは、固定観念をなるべく持たない、といったところだろうか。必ず勝ったり負けたりを繰り返すのが為替の世界なので、勝っても負けても過度に喜んだり落ち込んだりしないことが大切だと思う。

 ただ、私も15年以上為替専門の仕事を生業にしているが、為替相場必勝の法則など、見つかったためしがない。どんな局面でも「負けを小さく、勝ちを大きく」できるなどという便利な方法があれば、逆に教えてほしいくらいだ(笑)。それは、おそらく人間にはわからない。まさに為替の神様のみぞ知る、だろう。
http://diamond.jp/articles/print/35294

【第55回】 2013年4月30日 藤井 英敏
日本株の「5月急落!」の可能性は?「想定される悪材料」はこれだ!
 東京株式市場の活況が続きます。日経平均は26日には一時1万3983.87円まで上昇し、1万4000円に迫る場面がありました。
日経平均の日足チャート(6カ月)。緑が5日、赤が25日、青が75日の移動平均線(出所:株マップ)
 ところで、4月第3週(4月15日〜19日)の株式投資部門別売買動向では、外国人が4週ぶりに売り越しに転じました。売越額は1539億円です。この間の日経平均は168.66円(1.25%)下落しました。
 この週はG20財務相・中央銀行総裁会議を控え、為替相場を巡る日本への批判懸念や、中国景気の先行き不安、そして、金価格の急落などを背景に、外国人も日本株の利益確定売りを急いだようです。
 このように、外国人が売り越すと、一気に萎える。それが、今の東京株式市場なのです。
 一方、個人は信用と現金取引の合計で3245億円の買い越しです。買い越しに転じるのは4週ぶりで、買越額は2011年3月第2週以来の大きさでした。逆張り個人が「辛抱たまらなくなって」買い越しに転じるとロクなことがないですねぇ。(笑)また、個人がこれだけ買い越しても、相場にトレンドが全く発生しません。
 相場で成り上がりたいあなたが、最も重視するべきは、相場のトレンドの方向性です。そのトレンドを発生させるのは、多くの場合、外国人です。個人を含め、国内勢はトレンド形成に役に立つことは滅多にありません。つまり、あなたは、外国人の売買動向に細心の注意を払うべきなのです。
1万3608.19円を下回らない限り高値圏で推移する可能性が高い
 ところで当面の日経平均は、スピード調整リスクを内包しつつ、高値圏で推移するとみています。1ドル=100円台の円安に振れるようなら、1万4000円台を回復する公算です。上値メドは1万4645.46円です。この1万4645.46円は、4月5日の週のレンジ(下値1万1805.78円と上値1万3225.62円)の値幅1419.84円を、1万3225.62円にリプレイスした水準です。
 なお、4月のSQ値1万3608.19円を下回らない限り、「強気相場見通し」は継続しますが、割り込んだら「スピード調整入り確定」と考えるべきでしょう。
 日経平均の26週移動平均線(26日現在、1万1084.10円)は24週連続で上昇しました。同線は12年11月16日の週に18週ぶりに上昇しました。また、13週移動平均線(同、1万2277.77円)は23週連続で上昇しています。
 当面は13週移動平均線を強力なサポートに、上値を追うというのがメインシナリオです。一方、13週移動平均線まで下落する前に意識しておくべきサポートは、まずは26日の週の13505.53円あたりで、これを割り込んだら、25日移動平均線(同、1万3043.60円)や、19日の週の安値1万3004.46円を考えておけばよいでしょう。
 ただし、13週移動平均線付近までの深刻、かつ、深い値幅調整の出現には、想定以上の悪材料の出現が必要とみています。
 具体的には、この時期毎年恒例になっている欧州債務・金融危機再燃や、急激な米国景気悪化懸念の高まり、北朝鮮のミサイル問題深刻化、尖閣諸島を巡る日中関係緊迫化、などなどです。
 しかしながら、これらの諸要因の想定を超える悪化と、買い方にとって許容しがたい市場変動(米株急落、円急騰)が同時発生することが必要です。つまり、誰の目からも明らかな悪材料の出現に加え、買い方が恐怖感を伴う相場急落が必要です。そうでない限り、買い方が狼狽し、13週移動平均線付近まで売り急ぐことはないでしょう。
「スピード調整」発生確率は高まっている
 ただし、5月相場に関しては、上昇相場の中での「踊り場」になるかもしれません。決算発表を見極めたいというムードもあるでしょうし、6月解約に向けたヘッジファンドの45日ルールに基づく換金売りもあるでしょう。
 また、円相場も100円を超えて、どんどん円安になるともムードも短期的には後退しています。このため、「スピード調整」発生確率が4月に比べて非常に高いとはみてはいます。
次のページ>> 相当な悪材料出現で25日移動平均線まで調整
 その一方で、日を追うごとに膨らみ続ける評価損に苦しむ売り方も多数いることでしょう。ここまでの相場の上昇過程で、保有株を(結果として安値で)売り急ぎ、手元に換金した現金を後生大事に持ちながら、最近の相場上昇を苦々しく眺め、押し目の到来を待ちわびている、昔の買い方もメチャクチャたくさんいることでしょう。
 このような売り方や、買い方が、個人中心に非常に多数存在すると推察されるため、相当ショッキングなことが起こらない限り、下値は相当堅いと考えられます。
 当面の日経平均の推移に関しては、25日移動平均ベースのボリンジャーバンド+1σ(26日現在、1万3598.86円)と+2σ(同、1万4162.24円)との「バンド・ウォーク」がメインシナリオです。
日経平均株価(日足)チャート:アイチャート。一番上の緑のラインが+2σ、その下の青のラインが+1σ(チャート提供:インベストラスト)
 そして、相当な悪材料(急激な円高、米国株の急落等)が出たら、25日移動平均線(同、1万3043.60円)までの調整を覚悟しておけばよいでしょう。
 5月相場は高値波乱の予感がします。成り上がりたいあなたは、是非、上手く立ち回ってください。そのためには、「高いところでは利食い優先、安いところでは狼狽売りをしない!」というスタンスを推奨します。
http://diamond.jp/articles/-/35421?page=3


04. 2013年5月01日 18:07:22 : nJF6kGWndY
日本株は輸出中心に下落、円安一服を警戒−証券、業績嫌気の日航も (15:43)

東京株式相場は下落。欧米の金融政策決定会合を前に為替市場で円安基調が一服しており、収益楽観ムードの後退で機械や自動車など輸出関連株が売られた。証券や保険など金融株の一角も軟調で、今期減益を見込んだ日本航空が主導した空運株は、業種別下落率で1位だった。


ロンドン外為:ドル、対円で2週間ぶり安値付近−FOMC控え (16:56)

  5月1日(ブルームバーグ):1日午前のロンドン外国為替市場では、ドルが円に対して2週間ぶり安値まで0.4%の水準にある。この日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合後、債券購入計画の継続が発表されるとの見方が背景にある。
ドルは対ユーロでもほぼ2週間ぶりの安値付近にある。米国で発表される4月の米民間部門の雇用者数は6カ月ぶりの低い伸びにとどまると、エコノミストらは見込んでいる。
ロンドン時間午前8時40分現在、ドルは対円で1ドル=97円44銭と、前日からほぼ変わらず。前日には97円01銭まで下げ、4月16日以来の安値となった。対ユーロでもほぼ変わらずの1ユーロ=1.3168ドル。前日は1.3186ドルまで下げた。これは先月17日以来の低水準。
ユーロは円に対しほぼ変わらずの1ユーロ=128円32銭で取引されている。
原題:Dollar 0.4% From Two-Week Low Against Yen Before FedDecision (抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:シドニー Candice Zachariahs czachariahs2@bloomberg.net;ロンドン Lucy Meakin lmeakin1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Paul Dobson pdobson2@bloomberg.net
更新日時: 2013/05/01 16:56 JST


円は対ドルで5日続伸、米金融当局の債券購入縮小観測遠のく

  5月1日(ブルームバーグ):東京外国為替市場では円がドルに対して5営業日続伸。米金融当局による債券購入の縮小は当面ないとの見方を背景に、日米金利差を意識した円買いが優勢だった。
前日の米国債市場で年初来の最低水準を付けた10年債利回り が引き続き下げ基調となる中、この日のドル・円相場は朝方から円がじり高で推移した。中国の4月製造業購買担当者指数(PMI)の発表があった午前10時前後には、一時1ドル=97円05銭まで円が買われる場面があった。
10年米国債利回りは前日の相場で一時1.64%と、昨年12月12日以来の水準に低下。4月のシカゴ地区の製造業景況指数が予想外に悪化したのを受けて、金融当局の緩和策縮小観測が後退した。JPモルガン・チェース銀行債券為替調査部の棚瀬順哉チーフFXストラテジストは、「当社は米量的緩和政策について、年末から縮小モードに入り、来年にかけて資産買い入れのペースを落とすと予想する。ただ、経済指標の改善鈍化もあり、リスクは後ずれ方向だ」と述べていた。
10年物の米国債と日本国債との利回り格差 は1.06%程度と、3月中旬の1.40%前後に比べ縮小し、円と比較したドルへの投資妙味が低下している。棚瀬氏は、「米長期金利とドル・円相場の相関性は先月4日の日銀による金融緩和以降、弱まっていた」と指摘。昨晩以降のドル・円相場については「米長期金利に追随する展開となり、円の買い戻しが進んだ。この相関性がこのまま強まっていくかは予断を許さないが、注目点だ」と述べていた。
米金融政策
米連邦準備制度理事会(FRB)はこの日、前日から開催した米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合結果を発表する。ウェルズ・ファーゴの主任為替ストラテジスト、ニック・ベネンブローク氏(ニューヨーク在勤)は、FOMCが「ほぼ現行ペースでの債券購入継続や、景気が緩やかにしか回復していないとの見解を引き続き示すと見込んでいる」とし、「そうしたシグナルは、経済成長に敏感な通貨に対するドル相場の重しになりそうだ」と話していた。
前日発表のあったMNIシカゴ・リポートの4月製造業景況指数 (季節調整済み)は49と、ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値52.5を下回った。同指数は50が製造業活動の拡大と縮小の境目を示す。
カナディアン・インペリアル・バンク・オブ・コマース(CIBC)の外国為替戦略の責任者、ジェレミー・ストレッチ氏は電話取材で、「米国内でディスインフレの傾向が強まりつつあることや、議論が量的緩和の縮小よりもむしろ拡大にシフトする可能性が相まって、米国には圧力がかかり続けている」と分析。「米10年債利回りが年初来低水準を付ける状況にあり、ドルは守勢に立たされている」と指摘していた。
中国PMI
中国の4月PMIが予想に反して減速したことが明らかになった午前10時以降、円は豪ドルなど米ドル以外に対しても上昇が目立った。ブルームバーグ・データによると、円は午後3時27分現在、主要16通貨のうち10通貨に対して前日比で高くなっている。
中国国家統計局と中国物流購買連合会によると、4月のPMIは50.6と、ブルームバーグ・ニュースがまとめたアナリスト31人の予想中央値(50.7)を下回った。3月は50.9だった。同指数は50を上回ると製造業活動の拡大を示す。  
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 崎浜秀磨 ksakihama@bloomberg.net;東京 野沢茂樹 snozawa1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Rocky Swift rswift5@bloomberg.net;大久保義人 yokubo1@bloomberg.net
更新日時: 2013/05/01 15:50 JST

大和証G:1−3月純利益488億円、7年ぶり水準−アベノミクス効果 (16:54)
FRB、債券購入を年内に月500億ドルに縮小へ−エコノミスト調査 (13:14)
中国:4月の製造業活動、伸び鈍化−成長減速が続く可能性示唆 (11:19)


ドル97円前半で上値重い、弱い経済指標でリスク選好盛り上がらず
西村日銀前副総裁は東大教授、白川前総裁・山口前副総裁は再就職せず
日経平均は3日続落、円高傾向で利食い売りに押される


コラム:ドル高・円安のカギ握る米シェール革命=斉藤洋二氏
2013年 05月 1日 16:05 JST

斉藤洋二 ネクスト経済研究所代表(2013年5月1日)

量的緩和(QE)頼みの景気回復や歳出強制削減といった問題を抱えながらも、米国の株価と通貨は堅調さを維持している。その背景にあるのは、米国に再生をもたらす「シェール革命」であり、ドル高・円安の長期トレンド定着のカギもここにある。

まず初めに、最近の米金融市場の流れをみてみよう。

<グレートローテーションの本格到来か>

ニューヨーク株式市場では今年3月、ダウ工業株30種平均が1996年以来となる10日続伸を記録。8日連続で過去史上最高値を更新し、現在も1万4000ドル後半の高値圏で推移している。17年前の株価上昇では、当時のグリーンスパン米連邦準備理事会(FRB)議長は「根拠なき熱狂」と警鐘を鳴らしたが、IT革命など技術革新が進み、市場はその後3年にわたり続伸した。

一方、今回の株価上昇については、マエストロと呼ばれ神格化されていたグリーンスパン氏には及ばないかもしれないが、バーナンキFRB現議長の存在を抜きにして語れない。常々FRBの限界を強調しつつも、3度にわたるQE政策を行ってきた。したがって、これまでの上昇は緩和マネーに支えられた「金融相場」とみられてきた。

しかし、ここにきて、低金利の国債から株式へのグレートローテーション(大転換)が到来しつつあるとの見方が広がっている。その背景には、住宅投資の底打ちや、自動車など耐久財消費の拡大など好転の兆しがある。また、リーマンショックからすでに4年以上が経過し、多くの企業ではバランスシートの調整が進み、潤沢な内部留保をもとに新たな事業投資、さらには株主への利益還元など、企業活動の活性化を反映した「業績相場」へと転じつつあるというのだ。

さらに、為替市場に目を転じれば、世界の主要通貨に対する実力を総合的に測る米ドルの実質実効為替レート(1973年=100、FRB公表)は2011年夏ごろより上昇を続け、4月26日には76.1555と、2年8カ月ぶりの高値水準に達している。

<今は本当に売り時か>

米国金融市場には、「Spring Slump」(春の中だるみ)と「Sell in May」(5月に売り逃げろ)という言葉がある。前者は、季節調整の振れのせいか、10年以降、冬場に改善した経済指標が春から夏にかけて失速する現象を表わしており、また後者は過去の株式相場の経験則からいわれるものである。現在の株式、通貨の高値感からすると、今まさに売り時ともみえるが果たしてどうだろうか。

ここで忘れてはならないのが、米国は足元で2つの問題を抱えているということだ。まず1つは、本格的な景気回復ができるかどうか。3月に発表された米連邦公開市場委員会(FOMC)の経済見通しでは、13年経済成長率は2.3―2.8%、14年は2.9―3.4%と慎重であり、失業率も14年においても6.7−7.0%とその改善は依然として緩やかなペースである。大幅な景気回復は見込めず、実体経済はいまだにQE頼みの域を超えていない。バーナンキ議長が任期満了となる14年1月までの期間に、腰折れすることなくQE政策からの出口戦略が行われる環境が整うか否か注目される。

また、2つ目は、歳出強制削減問題などでみられるような議会での「ねじれ現象」の行く末だ。米国では白人の比率が減少傾向をたどる一方で、ヒスパニック系人口の膨張などによりマイノリティが米国民の過半数を占める日がやがて到来する。したがって、共和党内では、今後同党から大統領は誕生しないのではとの危機感が高まり、政策運営で独自色を出そうとするあまりに、妥協点が見いだせなくなっているともいわれる。歳出強制削減による成長率下押しの影響は0.6ポイントもしくはそれ以上とみられており、今後この問題は懸念材料として米国社会に横たわることになる。

<シェール革命がもたらす米国再生>

米国が抱えるこうした問題はさることながら、3月雇用統計の予想外の下振れなどが報じられても、米国の株価と通貨が堅調さをみせているのはなぜか。実はこのような力強さの背景には、技術革新により2000年代から商業生産が本格化し、今や米国を世界最大の天然ガス生産国にさせている「シェール革命」がある。

これまでエネルギーは、木炭から石炭へ、さらに石油へと主役を交代させるたびに、社会そして経済構造に大きな変化をもたらしてきた。今、世界では大きなエネルギー革命が起きているが、この米国発の「シェール革命」はすでにノースダコタ州やテキサス州の油田地帯に活況をもたらし、米国の株高・通貨高の長期トレンドを形成していると考えてよい。

「シェール革命」については、70年代にオランダが天然ガス産出による通貨高などで経済低迷に陥ったいわゆる「オランダ病」を懸念する慎重な見方もあるが、財政収支と経常収支の「双子の赤字」に苦しんできた米国にとっては、次の3点において具体的な効果が期待できる。

第一に、エネルギー自給率の上昇は対外収支の改善をもたらす。米国の貿易赤字額(2011年)は5580億ドルで、そのうち原油輸入額は4623億ドルに上るが、シェールガスの国内生産で今後赤字額の改善が加速するとみられる。12年の経常赤字も4750億ドルと最悪期の06年より4割減となるなど、その効果が表れている。

第二に、14年会計年度の国防予算要求額は5266億ドルと財政を圧迫しているが、中東へのエネルギー依存度減少で地政学リスクが縮小すれば、国防費が減少し財政収支の改善につながることが期待される。

第三に、自国生産によりエネルギー価格が低下し、製造業の競争力が向上する。すでに生産拠点を米国内に移転する動きはみられており、製造業の本国回帰(リショアリング)が進むだろう。ゼネラル・エレクトリック(GE)(GE.N: 株価, 企業情報, レポート)、フォード・モーター(F.N: 株価, 企業情報, レポート)、キャタピラー(CAT.N: 株価, 企業情報, レポート)など大手製造業が米国内で新工場を建設し、新規雇用の創出を図っているのがその証左といえよう。

<エネルギー格差は日米製造業の明暗に直結か>

そもそも米国は食糧自給が可能な数少ない国の一つだが、シェール革命によりエネルギー自給も可能になろうとしている。

また、21世紀半ばに向け、欧州、日本そして中国など主要諸国の労働人口は減少していくが、米国は生産年齢人口の増加が予想される稀少な先進国である。さらには、北米自由貿易協定(NAFTA)を通じ、隣国カナダそしてメキシコのみならず、今後成長が期待される中南米諸国の資源や成長力を取り込もうとしている。

このような、人口動態そして地政学上の比較優位性をも含めれば、当面の景気回復に不透明感が漂うものの、大農業国、大工業国であり、さらには大資源国となった米国が再生する可能性は一段と高まる。

一方、日本についても当然シェール革命による天然ガス、原油価格下落の恩恵は期待される。しかし、カタールやマレーシアなどとの、原油価格に連動した高コストの天然ガス輸入の長期契約を終了させ、エネルギー調達構造を転換するには、エネルギー長期安定供給の観点からさまざまな検討が必要であり、限定的なものとなろう。さらに、高い輸送コストと円安の影響も加味すれば、天然ガスのコストが米国に比べ5倍に達する現状に劇的な転換は望みがたい。また、2030年代には原子力発電の稼働率低下も予想され、需要増大の可能性も重くのしかかる。

シェール革命が始まって以降、米国では対外収支に改善傾向がみられる一方、東日本大震災以降の日本はエネルギー問題が深刻化し、対外収支の悪化が顕著となりつつある。このような日米のエネルギー価格とその安定供給力の違いは、将来的な製造業における優勝劣敗の構図をより鮮明にするだろう。つまりそれは、ドル高・円安の長期トレンドが定着するのは必然だということだ。

*斉藤洋二氏は、ネクスト経済研究所代表。1974年、一橋大学経済学部卒業後、東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行。為替業務に従事。88年、日本生命保険に入社し、為替・債券・株式など国内・国際投資を担当、フランス現地法人社長に。対外的には、公益財団法人国際金融情報センターで経済調査・ODA業務に従事し、財務省関税・外国為替等審議会委員を歴任。2011年10月より現職。


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http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE94001H20130501?sp=true



静かな相場に漂う緊張感、米指標悪化続けばシナリオ修正も
2013年 05月 1日 14:39 JST
[東京 1日 ロイター] 各国で休場が多くマーケットは総じて静かな展開となっているが、緊張感も漂っている。年後半にかけての景気回復予想は根強いものの、さえない米経済指標が続くなかで、今週発表の米ISM製造業指数や米雇用統計などが悪化すれば、これまでのシナリオを修正せざるを得ないためだ。

物価が低位にとどまっており、米金融緩和期待が市場心理を下支えしそうだが、ドル安・円高が進めば、日本株も調整色を強める可能性がある。

<ソフトパッチか景気減速か>

さえない米経済指標が続いている。4月シカゴ地区購買部協会景気指数は49.0と分岐点の50を下回った。50を下回るのは2009年10月以来。在庫の復元が一巡してきているほか、給与税減税廃止などの影響で耐久財消費が伸び悩んできた。4月のコンファレンス・ボード(CB)消費者信頼感指数は68.1と大きく上昇したが、前月までの反動の面もあり、CBの経済指標ディレクター、リン・フランコ氏は「見通しは持ち直しているようだが、信頼感が改善傾向にあるのか判断するのは時期尚早」と指摘する。消費者マインドが改善してきたかはまだ不透明だ。

世界で休場が多く、5月相場初日の東京市場も全般的に静かな展開だが、参加者の間では、弱い米経済指標に対し警戒感も広がっている。春先の米経済指標が弱めに出るのは、季節調整の影響や給与税減税廃止などによる消費圧迫が予想されていたことから想定内だ。しかし、このまま経済指標が悪化し続ければ、ソフトパッチ(一時的停滞)ではなく、本格的な景気減速が懸念されることになる。

「米ISM製造業指数や米雇用統計などが悪化すれば、投資家だけでなくFRBもこれまでのシナリオを修正せざるを得ないだろう。ソフトパッチではなく景気減速が懸念されるようになり、米金融緩和期待が強まるなか、円ショート・世界の株買いといったポジションも多少なりとも修正されることになりそうだ」 と三菱東京UFJ銀行シニアマーケットエコノミストの鈴木敏之氏はみる。

市場の注目は今晩の4月米ISM製造業景気指数と3日の4月米雇用統計の「最重量級指標」だ。ISM製造業指数の市場予想は50.9と50ギリギリ。48程度までは生産活動は拡大するとみられており、大台割れで即、警戒感が強まるわけではないが、年後半の景気回復シナリオに黄信号が点滅する。

ロイター調査によると、4月の米雇用統計の非農業部門雇用者数に関するエコノミスト予想は、前月比14万5000人増。9カ月ぶりの低い伸びだった3月の8万8000人増は上回るが、雇用減速を示す他のデータも多いことから「単月が多少良かった程度ではドル買いは進みにくい」(邦銀)という。

<円高進めば日本株の上値重く>

景気減速感が強くなれば、その半面でFRBによる金融緩和継続期待が強まる。30─1日のFOMC(米連邦公開市場委員会)では政策据え置きがコンセンサス予想だが、市場が注目するのはFRBの景気判断だ。少しでも景気判断の文言が弱くなれば、一時強まっていた「出口」観測は大きく後退、逆に追加緩和観測が出やすくなる。

景気減速と金融緩和のどちらをマーケットが重視するかの予想は難しい。米株が史上最高値圏にあるなど流動性相場の過熱感が強まっているだけに、景気減速懸念が強まれば、株式などリスク資産市場はいったん調整に入るとの見方もある。「欧州問題が再燃しない限りは今年の世界経済は堅調という見方は変えていない。ただ、世界的に株高が続いてきたこともあり、いったん調整に入ってもおかしくない」(マネックス証券チーフ・エコノミストの村上尚己氏)という。

一方、多少の景気減速であれば、金融緩和期待が市場を支えるとの見方もある。「現在のマーケットは金融相場。FRBの『出口』観測がちょっと強まっただけで株安となるのがいい証拠だ。景気減速の程度にもよるが、米緩和観測が再び強まれば、行き場のない流動性がリスク資産相場を押し上げる」(国内投信)という。

日本株は米金融緩和観測が強まれば現在の買い主体である海外勢のセンチメントを維持してくれそうだが、ドル安・円高が進めば輸出株には圧迫要因となる。国内企業の決算発表が本格化しているが、キヤノン(7751.T)やホンダ(7267.T)など、好決算でありながら業績見通しが市場予想を下回ったとして売られる銘柄が多い。これまでの株価上昇で円安効果をかなり織り込んできたとみられ、市場の反応はシビアになってきた。

「1ドル90円台を維持できれば現在の業績見通しは達成できるとみられ、日本株に割高感はない。だが、一段の円安なしには日経平均が1万4000円をどんどん超えていくのも難しいだろう」と三井住友アセットマネジメントのシニアストラテジスト、濱崎優氏は話している。

(ロイターニュース 伊賀大記;編集 宮崎大)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE94002R20130501


4月中国PMIは50.6に予想外の低下、新規輸出受注が軟調
2013年 05月 1日 14:07 JST
[北京 1日 ロイター] 中国国家統計局が発表した4月の製造業購買担当者指数(PMI)は50.6となり、11カ月ぶり高水準だった前月の50.9から低下した。ロイター調査では、51.0への上昇が予想されていた。

PMIは50を上回ると景況の改善、下回ると景況の悪化を示すが、この分岐点は7カ月連続で上回っている。

ただ、新規輸出受注と投入価格の両サブ指数が50を下回った。

新規受注のサブ指数が3月の52.3から4月に51.7へ低下。新規輸出受注のサブ指数は50.9から48.6に低下した。

国務院(政府)のシンクタンク、発展研究センターの張立群研究員は、電子メールでの声明で「4月PMIの低下は、中国経済の回復の足取りが依然として強固ではないことを示している」と指摘。「新規受注の低下は在庫補充から在庫調整への変化を示しており、投入価格指数の低下は企業の弱気な見方を反映している」と述べた上で、「これら全てが、将来的に中国の経済成長率がやや減速する可能性を示している。われわれは内需を安定させ、景気回復を一段と持続可能なものにするよう努めなければならない」と付け加えた。

中国の新指導部は、インフラ投資を強化する方針を示しており、アナリストは、インフラ投資が第2・四半期の景気を下支えする要因になると指摘している。

TDセキュリティーズのエコノミスト、アルビン・ポント氏は「中国経済は成長しているが、成長ペースは1カ月前の予想を下回っているのではないか」と指摘。

「ただ、心配する必要はない。おそらく新指導部の予想の範囲内だろう。構造的に今後2─3年は9─10%の成長は不可能だ。7%前後になるだろう」と述べた。

第2・四半期の中国国内総生産(GDP)伸び率は前年比8.0%に加速すると予想されている。第1・四半期は7.7%に減速していた。

野村の中国担当エコノミスト、張智威氏は、PMI統計発表前の時点で、第2・四半期のGDP伸び率を7.5%と予想している。

ロイター調査によると、中国人民銀行(中央銀行)は、景気とインフレのバランスをとるため、年内は政策金利を据え置く見通し。

あす2日には、HSBCによる4月の中国製造業PMI改定値が公表される予定。HSBCのPMIは、当局のPMIに比べて調査対象に民間の中小企業を多く含んでいる。

先週発表された4月のHSBC製造業PMI速報値は50.5となり、3月の確報値51.6から低下。新規輸出受注が軟調となった。

1日の中国金融市場は祝日のため休場。取引は2日に再開される。

この日はメーデーのため、他の多くのアジア・欧州市場も休場となっており、PMI統計に対する市場の反応は鈍い。

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE94000M20130501?sp=true

2013年 4月 30日 15:59 JST
米政府、6年ぶりに債務返済へ

 【ワシントン】米連邦政府は29日、4-6月期に債務の一部を返済する計画を明らかにした。返済はこの6年で初めて。

 債務の減少は一時的とみられるが、税収の増加と歳出削減で政府の財政が改善している兆しだ。借り入れの中断で、オバマ政権は債務上限到達までの時間を引き延ばせる見込み。

 財務省は、4-6月期に差し引き350億ドル(約3兆4300億円)分の債務を支払う見通しを示した。今年に入って示した推計では、1030億ドルの追加発行を見込んでいた。

 TD証券の世界リサーチ部門を率いるエリック・グリーン氏は文書で、「2007年以来となる今四半期の返済は、財政が最悪の状況からひどい状況に変わり、徐々に良くなる経過を象徴している」との見方を示した。

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早めに債務上限引き上げを=米財務長官
米ファニーメイ、公的資金の返済を模索−過去最大の利益見込みで
 4-6月期は例年、4月の納税を受けて歳入が比較的好調だ。ただ、前年同期には、債務残高が1720億ドル増えていた。

 今四半期の歳入増加の背景には、富裕層に対する税率の引き上げや給与税増税のほか、賃金上昇と所得税還付の遅れの影響がある。

 だが、すぐにいつもの歳入不足に戻る可能性は高い。財務省は、7-9月期に差し引き2230億ドルを借り入れると発表した。議会予算局(CBO)によると、2013年度(12年10月-13年9月)の財政赤字は8450億ドルと、前4年の1兆ドル超から減る見込み。米国の債務は26日時点で16兆7180億ドル。

 議会が1月に債務上限の一時的な延期を承認したことから、政府が支出を続け、その間に政府と議会が新たな歳出と税制計画を交渉することが可能になった。議会が承認した措置により、債務上限は5月18日まで延期されたが、同日には再び上限が出現する。

 この日までに合意が形成されなければ、財務省はいわゆる特例措置を講じ、債務を上限以下に抑えるために勘定間のやりくりをして支払いを続けることになる。

 ルー財務長官は今月、そうした措置がいつまで続くか予想することを控えた。財務省当局者は5月1日に四半期の債務管理方針を発表する際、債務上限についての新たな詳細を提示すると見込まれている。

 調査会社ライトソンICAPのチーフエコノミスト、ルー・クランダル氏は現在の歳入・歳出パターンに基づき、財務省が少なくとも9月初めまでは債務を上限以下に抑えられると予想している。10月初めまでもつ可能性もあるという。

 米政府系住宅金融機関の連邦抵当金庫のファニーメイも、注入された公的資金の一部として最大615億ドルを財務省に返済する可能性がある。そのため、政府はさらに時間を稼げそうだ。クランダル氏は、ファニーメイからの特別配当で財務省が10月まで猶予を得るとみている。

 同省は今年、特例措置により一息つけるのは2カ月半から3カ月にすぎないと警鐘を鳴らしていた。


REAL TIME ECONOMICS2013年 5月 01日 12:37 JST
米「製造業ルネサンス」はまだ神話の段階=モルガン・スタンレー

By TIMOTHY AEPPEL

米国に製造拠点が戻ってくるという「製造業ルネサンス」に異を唱(とな)える仲間にモルガン・スタンレーも加わった。全125ページのリポートの中で、同社は製造業の米国回帰についての「証拠はほとんどない」と結論づけた。米国内の一部の製造業者の中には確かに、国内エネルギー生産量の増大と中国のコスト高によって恩恵を受けるところも出てくるが、それほどすぐに恩恵を受けるわけではないとモンガン・スタンレーは指摘する。「化学製品セクター以外では、天然ガスが安いというだけでは、生産拠点を移転させる決定に十分ではない」と主張する。

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Associated Press
 理由はこうだ。規模の大きな事業計画では、米国内のほとんどのメーカーにとって労働コストとエネルギーコストは全体の費用の比較的わずかな割合を占めるにすぎない。もっと重要なのは、原材料や部品の購入費用だ。輸送費も大きいため、供給ラインの短縮化を試みるメーカーが増えていることをモルガン・スタンレーは把握している。だが、これは生産拠点を中国からメキシコに移転させることを容易に意味し得る。もしくは、最終的にその商品を購入する顧客が中国に十分に存在していれば、その反対もあり得る。

 リサーチの一環として、モルガン・スタンレーは7業種266社のメーカーを対象に、過去5年間と今後5年間を比べた場合、どのように生産拠点が変わると見ているか調査した。リポートは「規模の大きい製造業者は向こう5年間で、世界的な設備投資のうち、まとまった一部を米国へ振り分ける見込みであることが調査で分かった」と記す。ただ、現段階の米国内の製造拠点への投資は「まだ落ち込んだ水準」にあると指摘する。

 しかし、朗報もある。モルガン・スタンレーは米国へ製造業が先を争って戻ってきている状況だとは見ていないが、「中国(や新興国)への生産拠点の流出」は止まった、と結論づけている。 



05. 2013年5月02日 10:33:12 : nJF6kGWndY


出産後の再就職を助ける政策に女性が反対する理由は何?

韓国の「ママ加算点」に賛否が錯綜

2013年5月2日(木)  趙 章恩

 安倍晋三首相が日本の経済3団体幹部に、女性を登用するよう要請したというニュースが韓国でも話題になった。企業も首相の要請に応えようとしているらしく、うらやましくなる。

 韓国の勤労基準法によると、女性は出産前後90日間の出産休暇を申請できる。しかし、現実には、出産を機に会社を辞めるしかない女性が多い。だいぶ良くなったとはいうが、まだまだ、出産休暇や育児休暇を正々堂々と要求できる雰囲気ではないからだ。子育てが一段落し職場復帰を望んでも、新卒ですら就職難の今、オンマ(ママ)が再就職するのは難しい。そこで登場したのが「オンマ加算点」制度である。

 「オンマ加算点」とは、出産・育児のために会社を辞めた女性が再就職する際に、筆記試験や面接といった入社試験の結果に、合計点の2%を上乗せし、優遇する制度である。これは国会環境労働委員会が審議している「男女雇用平等と仕事・家庭両立支援法」の中核をなすもの。審議を通過すれば、6月あたりから立法に向けての準備が始まる。

韓国の賃金男女格差は先進国で最大

 韓国は女性の経済活動参加率、女性管理職の割合がOECD加盟国の平均を大きく下回っている。一方、男女の賃金格差は同平均より大きい。2012年12月にOECDが発表した「Closing the Gender Gap: Act Now」の「雇用における両性平等」の項目を見ると、韓国における女性の経済活動参加率は55%(男性77%)で、OECDの平均62%を下回っている。経済活動参加率の男女差が20%ポイント以上開いている国はOECD加盟国の中で韓国だけだった。

 男女の賃金格差(フルタイム雇用者)は39%で、OECD加盟国の中で最大だった(OECD平均は15%、日本は29%)。男性の賃金が月10万円だとすると、女性は同じ時間働いても6.1万円しかもらえないということを意味している。OECDは、「高齢化が進む中、韓国の未来は女性の経済活動参加率を上げ、女性の潜在力を生かすことにかかっている。男性はより家事・育児に参加するべき。企業はその文化を家庭親和的なものに変える必要がある」とアドバイスした。

 2012年度の教育基本統計によると、韓国の大学進学率は72.5%。これはOECD加盟国の中で1位であり、大学進学率においては男女差があまりない。試験の点数だけで合否が決まる国家公務員・教師の場合、女性の方が断然、合格者が多い。しかし管理職として昇進するのは男性だ。

 韓国は保育園不足で子供を預けられるところがない。両親の手助けがないと育児が成り立たないのが現状である。頼れる家族がいない場合、女性が職場を辞めて子育てをせざるを得ない。男性が子育てをする場合もあるが稀である。

 育児のために勤務時間をフレキシブルにしたり、社内に託児所を設けたりする企業は、化粧品メーカーやアパレル、研究所など、女性社員が多い一部の企業に限られている。2012年に「家庭親和的企業」として大統領賞を受賞した石油化学会社のSKイノベーションは、女性役員が多いことで有名である。男女差なく平等に昇進できるようにしたことで、100倍だった入社競争率が1000倍に跳ね上がったという。女性志願者が殺到したからである。

朴槿恵大統領は働く女性への支援を公約

 韓国は2013年、朴槿恵氏が初の女性大統領が就任した。これを契機に、政界でも産業界でも女性が活躍できる場が増えるだろうと言われている。朴大統領は、「女性人材10万人養成」「公共機関女性管理職目標制度」を公約した。政府機関・公共機関の女性役員の割合を2015年に15%、2017年には30%にするというものだ。288ある政府機関・公共機関の女性管理職の割合は2011年時点で8.8%だった。上場企業の女性管理職の割合は5.3%である。女性役員となると、この割合はさらに下がる。上場企業では1.5%しかなかった。省庁の副大臣、その傘下の振興院/研究所の院長・副院長となると、統計を取るのが難しいほど全滅状態である。

 朴大統領は公約として、「出産と育児により『経歴断絶』状態の女性が再就職できるように支援する」「仕事と家庭を両立できるように支援する」「雇用環境を改善して両性平等を実現する」という項目も掲げた。具体策として、育児のための在宅勤務を可能にする、勤務時間短縮制度を活性化する、育児が一段落した20〜40代女性が正社員として再就職できるよう研修プログラムを充実させる、求職活動を支援する、両性平等を実現した企業に支援金を支払う、などを検討中だ。「オンマ加算点」は、これらを代表するキーワードに浮上している。

出産した女性だけを保護するのは不平等

 かつて韓国には軍服務加算点制という制度があった。徴兵で軍に行き2年以上服務して除隊した男性が就職する際、入社テストの総得点に2%を加算する制度だった。だが、男女差別であるとして1999年廃止になった。男女差別をなくすために、オンマ加算点があるなら、軍服務加算点制を復活させるべきだという主張もある。「出産も徴兵も社会に貢献するのは同じ。両方に点を加算すればいい」という意見である。

 複数のマスコミ報道によると、国民の61.3%がオンマ加算点制度に賛成しているという。しかし、オンマ加算点制度について女性団体連合は反対を声明した。「女性が出産・育児と仕事を両立できるよう、会社を辞めなくてもいいようにするのが先」という理由だ。女性労働者会が運営する「平等の電話」に寄せられる相談の多くは、「妊娠したことを理由に会社をクビになりそうだ。どう対処すればいいのか」という内容だという。職場でのセクハラ、賃金未払いよりも、出産・育児と仕事の両立に関する相談の方が多いのだ。

 また、女性団体連合は、こうも主唱した。「すべての女性が出産するわけではない。出産後の再就職に限定した場合、独身女性や学校を卒業してすぐ結婚・出産した女性は対象にならない。このため新たな差別を生み出す可能性がある」。

 女性団体連合には以下のような反対意見が寄せられたという。

「オンマ加算点制度は、育児は女性だけの義務であると断定するようで気に入らない。男性も育児休暇をとって夫婦一緒に子育てできるようにする制度を導入するのが先ではないだろうか」
「出産・育児休暇を申請しようとすると『プロとしての意識が足りない』『これだから女性は雇えない』と男性が陰口を叩く。これこそが男女差別ではないだろうか。女性が会社を辞めなくてもいいように、働く環境を変えるのが先である」
「オンマ加算点が制度化されれば、女性は出産が近くなれば会社を辞めるのが当然と思われる。それでは困る」
「親の介護など、出産・育児以外の理由で会社を辞めるしかなかった。この場合、再就職したい女性は助けてもらえないのか」
ほかにもたくさん! 加算点制度

 これらの批判とは別に、加算点制度が多すぎる、として反対する意見もある。

 韓国には、以下の人たち向けに、入社試験の総得点に5%を上乗せする加算点制度がある。

国家功労者(公務中に怪我・死亡した公務員・警察・軍人・国家社会発展功労者など。国家報勲処が定める)
独立運動家(日本による植民地支配に抵抗した人)
枯葉剤被害者(ベトナム戦争で、米軍が使用した猛毒物質により健康被害を受けた人)
特殊任務遂行者(北朝鮮に送る目的で訓練されたスパイ)
民主化運動功労者
上記功労者の家族
生活保護者
 さらにオンマ加算点制度と軍服務加算点制度が加われば、加算点だらけになる。就職難が続く中で、2〜5%の加算点はとても大きい。

 オンマ加算点制度に賛成する人たちは、「オンマ加算点」が流行語のように広がることで両性平等が国民的関心事になる、出産後もパートではなく正社員として働けるようになれば韓国の低い出生率を押し上げる効果がある、という期待を持っている。

 女性役員の拡大、出産・育児と仕事を両立できよう国が制度的にバックアップしようという動きが日韓で同時に起きている。同じ悩みを抱える両国が、効果が上がった制度や事例を共有して一緒に研究すれば、もっと良い対策が生まれるのではないだろうか。そういう日韓交流に期待したい。


日本と韓国の交差点

 韓国人ジャーナリスト、研究者の趙章恩氏が、日本と韓国の文化・習慣の違い、日本人と韓国人の考え方・モノの見方の違い、を紹介する。同氏は東京大学に留学中。博士課程で「ITがビジネスや社会にどのような影響を及ぼすか」を研究している。
 趙氏は中学・高校時代を日本で過ごした後、韓国で大学を卒業。再び日本に留学して研究を続けている。2つの国の共通性と差異を熟知する。このコラムでは、2つの国に住む人々がより良い関係を築いていくためのヒントを提供する。
 中国に留学する韓国人学生の数が、日本に留学する学生の数を超えた。韓国の厳しい教育競争が背景にあることを、あなたはご存知だろうか?
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20130430/247401/?ST=print

長期視点の投資家が考える「適正株価」とは

企業価値を向上させる環境/CSRコミュニケーション[1]統合報告

2013年5月2日(木)  外薗 祐理子

 自社が環境やCSRに真剣に取り組んでいることを、単なる「社会貢献」ではなく、本業の価値を増大させることにつなげたい――。そう考える企業人のためのコミュニケーション講座の第1回。「統合報告」という新しい企業リポーティングのあり方に向けて世界の企業、政府、市場、投資家が動いている。この流れに乗って、自社の企業価値を高めよう。

 「統合報告」と呼ばれる新しい企業情報開示のあり方に、世界中のIR(投資家向け広報)担当者やCSR(企業の社会的責任)担当者が注目している。

 日本企業では現在50社程度が統合報告書を開示しており、2011年度の20社から大幅に増えた。2013年には100社以上の日本企業が発行するだろうと予想されている。

 世界で見れば2012年3月までの1年間で、少なくとも350社が統合報告書を発行した。そのうち欧州では199社に及んだ。

 統合報告とは、文字通り、企業の財務情報と非財務情報を統合的に報告するものだ。それをどのような基準にするかは、3年ほどかけて国際的に議論されている。

チャールズ英皇太子が設立

 統合報告の枠組みを議論する組織が「国際統合報告評議会(IIRC)」である。GRI(グローバル報告イニシアチブ)とA4S(持続可能な会計プロジェクト)によって2010年8月に設立された。GRIはCSR報告書作成のためのガイドラインを作成する国際組織である。A4Sはチャールズ英皇太子が2004年、環境問題や社会問題を企業の意思決定や情報開示に組み込むことを目的に設立したシンクタンクだ。

 IIRCはこれまでも何度か統合報告の枠組みに関する案を発表してきたが、4月16日、公開草案を公表した。2013年末までに統合報告の初の基準を出す予定だ。

 IIRCは統合報告が企業の情報開示において主流となることを目指している。

 統合報告をめぐっては「抽象的で分かりづらい」という企業の実務担当者の声も多く聞かれる。「本質に入り込みすぎて、神学論争の様相を呈しているのではないか」と思う箇所もたくさんある。

 だが、それは世界が「企業とは何か」について改めて見直し、議論していることの証拠でもある。この動きはリーマンショックを経て加速している。

 統合報告にまつわる誤解を解きほぐしながら、世界が今、思い描いている最新の「企業像」を見ていこう。

1.統合報告をめぐる誤解その1
「アニュアルリポートとCSRリポートを合体したもの」

 一般に、統合報告書は、財務情報について記したアニュアルリポートと、非財務情報について記した環境報告書やCSRリポートを合体したものと理解されていることが多い。しかし「それではただの“合本”であり、“統合”報告書とは言えない」と新日本監査法人・統合報告推進室の小澤ひろこシニアマネージャーは指摘する。

 武田薬品工業は2006年から統合報告書を作成しているが、それとは別に、同社のCSR活動に関してより詳細なデータを加えたCSRデータブックを作成している。統合報告書の作成は、企業の情報開示コストを削減することが目的ではない(ただし結果的に開示コストが削減できる可能性はある)。

 ここで記事中に「統合報告書」と「統合報告」という言葉が登場することに読者はお気づきだろう。

 IIRCによれば、統合報告書(an integrated report)と統合報告(integrated reporting)とは別のものだ。彼らは「統合報告」のほうを<IR>と記している。

 公認会計士で、IIRC技術作業部会メンバーでもある森洋一氏によれば、統合報告とは「組織による、長期的な価値創造についてのコミュニケーション」である。年次の統合報告書はその最たるツールという位置づけだ。

 IIRCは統合報告書の体裁について定型的な規定や個別指標についての測定・開示基準は設けていない。企業はIIRCが示す基準や原則を自ら解釈して統合報告書を作成し、対外的なコミュニケーションを実施する。IIRCが推進するのはあくまでも「統合報告」であり、報告書の書式やコミュニケーションのやり方は各社の自由だ。

 企業は、金融資本や製造資本、知的資本、人的資本など様々な資本を投入し、事業活動を通じて、価値を創造している。統合報告の狙いとは、その価値創造プロセスの全体像を端的に示すことだ。

 統合報告には、以下の3つの基礎となる概念がある。

 まずは「資本」。IIRCは資本を6つに分類している。それらを企業がどのように利用するか、価値創造プロセスの中で、投入した資本がどのように相互に影響を及ぼしあっているかが統合報告には書かれていなければならない。

価値創造プロセスのループ上の連なり

 次に「ビジネスモデル」。これは資本を投入して、価値を創造するための媒介手段である。

 3つ目が「時間の経過」。価値創造プロセスを短期的・中長期的に示すこと。資本を事業モデルに投入して、付加価値をつくる。付加価値を上乗せした資本を再び新たな事業活動に投入する。企業活動は、こうした価値創造プロセスのループ上の連なりである。

 日本公認会計士協会常務理事で、IIRCワーキンググループメンバーの市村清氏は「統合報告書とは企業の戦略リポートだ」と言う。そして、「自社の社長になったつもりで考えてほしい」とアドバイスする。

 IIRCによれば、統合報告のベースには「統合思考」が必要だ。統合思考とは、財務情報と非財務情報や、自社の事業の持続可能性と社会の持続可能性などを、統合的に理解することだ。あずさ監査法人の沢田昌之・統合報告推進室長は「統合報告の作成によって統合思考が身につくメリットもある」と言う。

 統合報告書を作成するためには、社内の様々な情報を1つのベクトルにまとめなくてはならない。全社の価値創造ストーリーの中に各部署のストーリーを位置づけるためには、単に「データを提出してください」では済まず、各部署の担当者と話し合う必要がある。前出の森氏も「統合報告を自社に構造変化を起こす手段とすることもできる」と主張する。

2.統合報告をめぐる誤解その2
「様々なステークホルダーのために作成する」

 「統合報告とは、企業を取り巻く様々な利害関係者(ステークホルダー)に向けたものである」という誤解も多い。正確に言えば、全くの見当外れというわけではない。

 IIRCの公開草案には「統合報告書は主に金融資本の提供者向けに、彼らが金融資本の配分を査定するのを助けるために、用意されるべきである(1.6)」と明記されている。中でも、長期視点の投資家に最も役に立つという。

 ただし「従業員や顧客、調達先、ビジネスパートナー、地域社会、国会議員、規制機関、政策立案者など、その企業の持続的な価値創造能力に関心を持つすべてのステークホルダーにとっても便益がある(1.7)」と、公開草案は続ける。

 なぜなら、長期視点の投資家とほかのステークホルダーはどちらも企業の短期・中長期的な価値創造に注目している点で共通だからだ。

 従って、統合報告書はまずは長期視点の投資家に向けたもの、というのが正解だ。

 リコーは2012年11月、統合報告書を発行した。その背景には「投資家の意識変化がある」とリコー広報室の梅澤信彦シニアスペシャリストは言う。投資家が投資判断をする際に、財務情報だけではなく、非財務情報である環境(E)、社会(S)、ガバナンス(G)の、いわゆる「ESG要因」が重要になってきているという。

 統合報告書を作成する企業が増加している背景には、英国のハーミーズや米国のカリフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)といった欧米の年金運用基金が、企業に対してESG情報の開示を要求していることがある。ハーミーズは英国最大の機関投資家だ。長期の株式運用をベースに、企業経営者との対話を重視し、長年に渡って「責任ある投資行動」を提唱している。カルパースは、2013年1月末の総資産が時価総額で2549億ドル(23兆3800億円)という米国最大の公的年金であり、「物言う株主」の代表格だ。

 2006年、コフィ・アナン国連事務局長(当時)が「国連責任投資原則(PRI)」を提唱した。機関投資家の投資分析や意思決定のプロセスにはESG要因を組み込むといったことが盛り込まれたガイドラインだ。日本でも保険会社や年金などの運用会社が署名している。

 各国の政府や証券取引所も相次いでESGに関する規制を整備している。

 南アフリカ共和国のヨハネスブルク証券取引所は、上場企業に対して2010年3月1日以降に開始する期から統合報告書の発行を求めている。

ESG情報に目を配る

 欧州各国も非財務情報の開示規則を具現化している。英国では2013年春からロンドン証券取引所上場企業に対して、年次財務報告書の中で温室効果ガス(GHG)排出量の報告を義務付けた。

 米国では、2010年に米証券取引委員会(SEC)が気候変動に関する情報開示のガイダンスを公表した。2012年8月、SECは金融規制改革法(ドッド・フランク法)の紛争鉱物条項に基づく実施規則を採択した。2013年1月から、米国の上場企業は自らが使っている製品の紛争鉱物を調査し、開示する義務を負っている。

 どのようにすれば市場が過度のショートターミズム(短期志向)に陥らないかについては1990年代から議論されてきたが、リーマンショックを経て、近年動きが加速している。

 その解の1つが「ESG情報」である。国や市場が企業にESG情報の開示を求めるのは、環境対策や社会政策のためだけではない。ESG情報に目を配ることが、企業に対する中長期的な視点を促し、経済や市場の安定的で持続的な形成につながるからだ。

3.統合報告にまつわる誤解その3
統合報告やESGは株価とは関係ない

 日本ではアニュアルリポートを統合報告書に代える動きが加速している。有価証券取引書は書式が法律で細かく規定されており、企業の個性が出しづらい。日本企業は主に海外の投資家向けに、有報とは別に自主的にアニュアルリポートを制作してきた。統合報告書は主に海外を意識したものになりそうだ。

 有報を管轄する金融庁は統合報告をすぐに制度化する考えは示していないが、経済産業省は2012年7月、「企業報告ラボ」を立ち上げた。企業と投資家が、企業価値の向上に向けた対話や開示のあり方を議論する。日本市場に関心を持つ海外投資家などともネットワークを構築し、日本からの情報発信を目指す。ここでは統合報告も議題の1つだ。

 最近は株価が上昇しているが、2012年11月末の東京証券取引所第1部に上場する企業の株価純資産倍率(PBR)は0.8(ちなみに、2013年3月末は1.0)。純資産額よりも株式の時価総額の方が低い状況だった。経産省には統合報告を進めることで海外投資家の資金を呼び込み、日本企業に“適正株価”がつくようにとの考えがある。

 専門家たちはこう口を揃える。「統合報告にしっかりと取り組むことが他社との差別化要因になる」(公認会計士の森氏)。「投資家に企業を適正に理解してもらうツールとして用いることができる」(あずさ監査法人の沢田氏)。

ESGレーティングと株価の相関

 統合報告やESGは株価には結びつかないと考える人も多いかもしれない。ここに興味深いデータがある。

 日本生命保険グループで年金や投資信託の運用などを手がけるニッセイアセットマネジメントは2008年から「ESGレーティング」という取り組みを始めた。株を保有する国内企業400社のESG要因について、CSRに関する企業年鑑から各企業のESG要因を偏差値にした定量データや、企業から聞いた生の情報を基に、担当アナリストが年に1度評点をつける。「レーティング1」が最も高く、「レーティング4」が最も低い。

 「保有する国内株式のうち常に8割はESGレーティング1と2の銘柄になっている」と井口譲二・株式運用部担当部長は話す。ESG要因を本業に結び付けて取り組む企業は、持続可能な成長力を持ち、成長性が高いといえそうだ。

 環境問題や社会問題の解決やコーポレートガバナンス(企業統治)に積極的に取り組んでいる日本企業は多い。それらを上手に打ち出し、投資家とコミュニケーションを図ることが適正株価を導き、企業価値の増大につながる。

日経エコロジーでは5月15日に「企業価値を増大させるための環境コミュニケーション」と題したセミナーを開催します。統合報告書編では、本文で登場したリコーやニッセイアセットマネジメントのご担当者にもご講演いただきます。詳細は下記URLをご参照ください。皆様のご参加をお待ちしております。

エコロジーフロント

企業の環境対応や持続的な成長のための方策、エネルギーの利用や活用についての専門誌「日経エコロジー」の編集部が最新情報を発信する。

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新興国市場で最初に参入すべきセグメントは?
2013年05月02日
スコット D. アンソニー  イノサイト マネージング・ディレクター 

新興国市場への参入に際し、考えるべきことは山ほどあるだろう。どのセグメントを狙うべきか。地元企業をどう相手にするか。模倣にどう対抗するか。3人の識者による知見を紹介する。


?先日、プロクター・アンド・ギャンブルCTO(最高技術責任者)のブルース・ブラウン、ヴィヴァルディ・パートナーズの取締役兼CEO エーリッヒ・ヨアヒムスターラーと一緒にパネル討論を行い、活発に討議する機会があった。このセッションはハーバード・ビジネス・レビュー主催、シンガポール経済開発庁後援によるイノベーションについての集中セミナーの一環であり、テーマは「新興国市場で最初に参入すべきセグメントを考える――ターゲット顧客は中間層か、低所得層か」である。

?多くの企業は中間層への参入から始めるべきだ、という意見を私が述べて議論の口火を切った。世界銀行の予測によれば、新興国市場での中間層の消費者は現在(2010年)の4億2000万人から、2030年までに12億人に急増する。アジアだけを見ても、同期間に中間層の消費支出は5兆ドルから30兆ドルへと急上昇する。

?一方で私は、この巨大な中間層にリーチすることは簡単ではないことも指摘した。まず、魅力的な製品やサービスを提供することだけでなく、複雑なビジネスモデルに精通することが求められる。販売方法、流通、アフターサービスなどさまざまな面で、新たな方法を試してみなければ成功は難しいかもしれない。組織のあり方も再考する必要がある。巨大なグローバル企業は新興国市場の拠点を、単なる販売代理店としてではなく、地元の開発拠点として機能するようにしていかなければならない。こうした転換は、言うは易く行うは難きである。組織階層、人材管理、ジョブ・ローテーション制度、報酬制度などを含む多くの要素を見直すことが求められる。

?ヨアヒムスターラーは、次のような見解を示してくれた。人口や消費の急増は魅力的である一方で、中間層は一枚岩ではない。企業は中間層を、より細分化された市場ごとに理解する必要があり、それらの市場で成功することは想像以上に難しいと認識するべきであるという。そしてタタの低価格車〈ナノ〉がインドで真の「大衆車」として根付くのは難しいかもしれない、ということを解説してくれた(これについては私の過去記事も参照されたい)。彼の意見では、自動車へのあこがれを抱くインドの人々にとって、「最低価格」が最大の特徴である車は真っ先に購入したいものではないという。

?ブラウンは、次のような話をしてくれた。P&Gは、世界中で50億人の消費者をターゲットにして市場を拡大すると発表している。同社の規模を支えこの戦略を実現するためには、あらゆる市場、あらゆる層を考慮しなければならない。同社は商品を通じて「顧客の歓び」を提供する戦略をつらぬくことで、ブランドを築き上げる。ブラウンによれば新興国の消費者は、成熟市場の消費者よりも要求が高くなることがあるという。そこでP&Gは、「単独進出」するべきか、あるいは必要なケイパビリティーを得るために現地で提携や買収をするべきか、慎重に検討しているという。また、インドをはじめ新興国市場で同社の成長の原動力となっている、低価格の剃刀〈ジレット?ガード〉の成功事例を紹介してくれた。

?会場から寄せられたいくつかの興味深い質問に対して、以下に私の考えを改めて載せておこう。

質問:顧客の消費習慣が短期間で変化することを考えると、競合に対する競争優位を獲得するためには、綿密な市場調査を時に妥協すべきなのか。

「市場調査についての妥協」が何を指すかによる。実際の市場で発売してみて、短いサイクルで改善を繰り返すことが、最良の市場調査である場合もある。綿密に計画した市場調査を段階を追って実施し、それに基づいて新製品発売を慎重に最適化する――こうした手法は多くの市場で、過去のものとなった。市場の変化の速さは驚くべきものだ。しかし、何もわからないまま闇雲に発売せよ、ということではない。定性的な調査をより重視する、あるいは市場での類似事例を投入戦略の参考にする、といった方法もあるだろう。


質問:製品やサービスの品質基準は、文化によって変わるものなのか。あるいは、誰もが目安とするべき絶対的な基準があるのか。

?品質とは相対的な概念である、というのが私の前提だ。たしかに、ある商品区分においては、認識に明らかな違いがあるだろう。たとえば、欧米の多くの市場では女性の美の基準として、日焼けした肌が美しいとされる。そこで消費者は日焼け用品や関連商品を購入する。一方、複数のアジアの市場では、女性の透き通るような白い肌が美しいとされる。そこでドラッグストアの店頭には美白用品が溢れている。市場と顧客については現場で現実を知ることが何より大切だ。これはパネル討論で終始取り上げられたテーマであり、市場による品質基準の違いを理解するためには欠かせないことである。

質問:新興国市場に参入する際、自社の製品が模倣されてしまうような現地の慣行や風潮に対して、どのように防衛策を講じるべきか。

?こうした質問が出たときには、私はこう答えている。人々を釘づけにするような新しい製品やサービスを次々と提供し続けることにより、模倣者たちの一歩先を行くのだ。この方程式のもうひとつの側面は、統合されたビジネスモデルを模倣へのヘッジ手段として利用することである。イケアがその好例である。イケアの家具を模倣することはそれほど難しくはない。だが、イケアが提供している顧客体験をプロセスの最初から最後まですべて模倣することは、恐ろしく困難である。これはまた、ビジネスモデルのイノベーションがいかに重要かを示すものでもある。

質問:消費者のニーズや文化的嗜好をより深く理解している地元の競合企業には、どう対抗すればよいか。たとえば漢方薬などがこれにあたる。

?ローカル市場の微妙なニュアンスを理解する能力は、たしかに重要な資産である。このスキルを獲得するために、現地で積極的に提携先や買収候補を探す企業もある。たとえば2008年に、ジョンソン・エンド・ジョンソンのコンシューマー部門は、中国で個人向けスキンケア商品などの強力なブランドを多く所有する北京大宝化粧品有限公司を買収した。食品会社や飲料メーカーの場合も、それぞれ地元の市場で愛好されている商品を自社ブランドで代替するよりも、現地のブランドを買収するほうがずっと理にかなっていると判断する場合が多い。買収や提携は、新興国市場に割って入ろうとする企業にとって、とても重要な手段である。

質問:中間層あるいは富裕層を対象に投資するのとは違って、低所得層(BOP:ボトム・オブ・ザ・ピラミッド)向けに投資する企業は、利益を犠牲にしなければならないのか。

?いわゆるボトム・オブ・ザ・ピラミッドの魅力が長らく言われている。しかし市場の現実を鑑みると、少なくとも一部の企業にとっては、利益を上げるのは非常に難しい。これは、過去に成功例がないとか、今後成功の見込みがないということではない。「もし中国人(あるいはインド人、インドネシア人、ブラジル人、ナイジェリア人)の消費者から、1人1ドルずつ獲得できる方法を見つけさえすれば……」と言っているだけではどうにもならないということだ。その1ドルを獲得するのは途方もなく困難なのだ。もちろん、低所得市場で事業を営む社会的な意義もたくさん存在する。したがって、この市場を無視するというのも得策ではない。現実をしっかり注視して進出しなければならない。

質問:たとえばブラジルのような新興国市場で、汎用品を法人向けに販売する場合、新規参入企業は最低価格を提示する戦略をとるべきか、それとも付加価値のある製品を提供する戦略をとるべきだろうか。

?これについては、両方とも行うべき価値提案だと思う。もしも優れた生産方式、グローバルな規模の経済、独自のサプライチェーン管理能力などを基に、コスト競争力が維持できるのであれば、可能な限り低価格戦略を追求するべきである。同時に、ターゲットとする顧客企業を本当に理解し、相手のビジネスモデルに自社製品がどれだけ適合するのかを理解する必要がある。在庫管理、リスク分散、需要創造など、地元企業が直面しているさまざまな課題について支援を提供するチャンスがきっとあるだろう。かつて伝説の野球選手ヨギ・ベラが言ったように、「分かれ道に来たら、とにかく進め」ということだ。

?以上のような魅力的なセッションに参加できたことについて、パネル討論に加わってくれたパネリスト、主催者のハーバード・ビジネス・レビュー、後援者のシンガポール経済開発庁に感謝したい。近いうちに、また議論できることを楽しみにしている。


HBR.ORG原文:The Right Entry Point for Emerging Markets March 12, 2012
http://www.dhbr.net/articles/-/1655?page=2

雇用を創出するための国際標準化

日本の若者が世界で活躍するために

2013年5月2日(木)  市川 芳明

 先日国際電気標準会議(IEC)の温室効果ガス関連規格の根回しでTC111(電気・電子機器、システム の環境規格)委員会の議長として欧州の数カ国を回ってきた。

 ドイツの国内委員会との対談で印象的だったのは、ドイツを代表するある超大手企業の国際エキスパートだった人が、「経費節減の一環としての会社の方針で今年から、当社からは誰も環境分野の国際標準化に参加することはできなくなった。海外よりも社内で環境対策に専念するように言われた」とのサプライズを宣言されたことだ。

 さらに同じくドイツの別の企業は、「一部の環境規格活動には参加できるが、Business Relevance(商売との関連性)が高い環境規格にのみ参加を許される」とのことであった。具体的には法規制に対応する規格のみという意味である。世界中の経済の回復が思わしくない現状においては、ますますBusiness Relevanceはキーワードになってくるだろうと、議長としても今後の方向性を決定する上で肝に銘じなければならないと感じた。

世界のスマートシティを調査したISOの報告書

 これまで、IECや国際標準化機構(ISO)において自らが関わってきた環境配慮製品、温室効果ガス貢献量、あるいはスマートシティーの標準化に関して国際標準化の裏舞台での駆け引きの一端をご紹介してきた。

 昨年から開始したスマートコミュニティーインフラの標準化委員会(ISO TC 268/SC1、Smart Community Infrastructures)は順調に進んでいる。最初の技術報告書ISO TR 37150の原稿がほぼ出来上がり、夏休み前には各国投票にかけるつもりである。この技術報告書は各国のスマートシティーに関する現存するプロジェクトやコンセプトを150種類くらい調査し、その結果をまとめるとともに、ISOとしての考察を加え、今後の方向性を示すレポートである。したがって、いわゆる規格らしいものは次に出る文書からとなる。

 筆者がまず厳格な規格ではなく、技術報告書から始めたのは、各国の代表とのチームワークを築くことが狙いだった。厳格な規格は「Harmonization」という言葉に代表されるように、世界で1つの合意に達しなければならない。しかし、ISO TC 268/SC1のように始まったばかりの規格委員会においては、各国が異なった主張を繰り返すばかりで譲歩することが難しいのが常だ。

 まずは1つの合意に向かって互いに譲りあう雰囲気を作ること、つまり異なる国から派遣された人々が互いに仲間として打ち解けるように導くことが議長の最初の仕事である。筆者の経験では、そのために、技術報告書(Technical Report)という、様々な考えなり方法論を併記できる文書を皆で力を合わせて作ることから始めるのが大変効果的である。

 世界各国の違いと類似点を皆で確認し合うことによって、相互の理解が深まる。また人間としての信頼感が醸成できる。合意に達する前に、まず相互理解から始めるのはリスクコミュニケーションにおいても定石である。今回の1年間の作業を通して、チームとしてのまとまりが出てきたことを実感した。


和気あいあいとした雰囲気で進むISO TC268/SC1/WG1会合(2013年2月)
 この規格化活動で私が気にしているもう1つの重要なポイントは、いまスマートシティーに世界中が注目していることである。

 筆者は今年2月に北海道の下川町で開催された環境未来都市国際フォーラムに招待を受け国際標準化のお話をした。その直前にはジュネーブの国際電気通信連合の標準化部門(ITU-T)でスマートシティー関連の標準化検討会を立ち上げることが決まり、私が講演を依頼された。そして、IECにおいても、上層委員会(SMB)でスマートシティーの議題が取り上げられた。さらに、全欧州レベルの規格団体CEN/CENELECではスマートシティー規格のコーディネーショングループが昨年から立ち上がっており、その担当者と3月に話してきたばかりである。

 各国の政府や国際標準化団体は競って「スマートシティー」を取り上げつつある。ほとんどの場合、狙いは都市そのものではなくて、やはり「インフラ」だ。先に述べたBusiness Relevanceである。幸いにしてISO TC268/SC1が初めてこの分野の規格委員会をスタートしたこともあり、常に声をかけていただいている。しかし、これはあくまで競争である。我々がぼやっとしていると他の団体に次々と規格を作られかねない。

 そこで、「少なくとも2年に1度、できれば毎年、何らかの文書を発行する」ことを議長方針とした。IS(International Standard)という最も格調の高い文書は発行まで3年から4年はかかる。それはそれとして当然狙うとしても、中間成果としてTR (Technical Report)やTS(Technical Specification)という短納期の文書を発行し、つねに我々が世界をリードする状態を作っておきたいのである。

日本が仕掛ける国際標準

 さて、話は変わるが、スマートシティーとは別に、現在少なくとも5つの新しい国際標準化分野で、筆者は日本チームの仕掛け人あるいはアドバイザーをしている。その具体的な中身を現段階で明かすわけにはいかないが、後日談はいずれご紹介したいと思う。成功するか失敗するかにかかわらず、得られる経験は読者の皆様にもきっとよい参考になると思うのである。

 筆者がこのような活動をすることが可能なのは、所属する会社のビジネスポートフォリオが極めて広く、これらの活動分野でビジネスを拡大する方針を明確に持っており、国際標準化がそのために役立つからにほかならない。現に、よく他社の方から、「うちの会社だったら貴方のような方に給料を出すことは不可能だろう」といわれることがしばしばである。

 一方で、実は自社の利益のためだけに努力しているわけでもないということも本音である。自社のビジネス支援が本務でありながらも、CSR(社会的責任)活動の一環として環境保全活動を担う部門にいることがその一因だが、社会全体、とりわけ日本の社会の将来に貢献したいと思っている。前回のグローバル人材の議論にも通じるものである。

 ご存じのように今、日本では若者の就職がきわめて困難になってきている。1つの要因は前回述べたように、企業が日本人よりも外国人を雇う傾向が顕在化しているからである。よほど優秀な人は別として、過去の良き時代に較べれば、今は日本の若者が日本の企業に雇われることは難しい。

 しかも日本の経済規模は既に中国に抜かれ、世界第3位に落ちてしまった。人口も減少傾向であり、国内市場のコンスタントな拡大は期待できない状況である。つまり仕事そのものが少なくなってきている。

 このような状況でこれからの若者はどうやって生きていったらよいのかを、我々中高年は常に考えざるを得ない。私の答えは、日本にこだわらないことである。日本の企業が外国人を雇うならば、外国の企業は日本人を雇ってくれて不思議はない。もちろん国内の外資系企業という手もある。しかし、日本企業の海外進出が活発化していることにも着目したい。

 「国内大手企業が事業を海外展開しているが、結局ローカル人材を登用して日本人の働く場はないのではないか?」という反論もよく耳にする。これはその通りである。そうではなくて、日本の若者が活躍できる新しい事業を外国に増やすのである。これは「世界ガラパゴス化」と言ってもよいだろう。日本だけが特殊な社会で、ほかでは成立しないビジネスがたくさんあると言われる。しかし本当にそうだろうか?

 一度日本に来て住み慣れてしまうと、母国に戻りたくないという外国人がたくさんいる。私自身も毎年20回を超える海外での滞在を通して、日本独自の社会制度や文化に根差した、きめ細かく高度なサービスの素晴らしさを実感している。これは新しいチャンスととらえるべきではないのか?

世界中が快適な社会に標準化されつつある

 そして私のできることは何かというと、「国際標準」とそれに伴う「行政へのロビー活動」なのである。国際標準は前回述べたように、個別の製品仕様や技術の規格ではなくて、優れた製品や技術を活かすための社会制度や社会的課題そのものを扱うようになってきている。つまり世界中が快適な社会に標準化されようとしている。

 典型的な一例は、ISO TC 260(人材管理)である。これはアメリカが提案して主導している国際標準化活動だが、アメリカ社会における優れた人材を海外で雇用促進する狙いが見て取れる(筆者の個人的見解にすぎないが)。

 世界に比較して、ユニークな日本社会の良さはたくさんあり、それを支える仕事がある。この仕事を直接海外に持っていくのは、今は難しい。外国の社会が日本と違いすぎ、市場が受け入れてくれないからである。しかし、国際標準によって世界に日本の優れた社会制度や価値観を普及することができれば、それを担う産業を海外に興し、指導的な役割で日本人が活躍できるだろう。

 現在でも、たとえ国際標準が無くても、日本独自の優れたサービスを海外に展開する成功事例は少しずつ出てきている。国際標準の力をつかえば、更なる加速が期待できる。

 もちろんこれは日本に限ったことではない。どの国も優れた独自のサービスを国際標準にすれば世界に恩恵を与えることができる。しかし、とりわけ日本における「いわゆる標準化」の取り組みにはこのような視点が欠けていると思える。

 個別の製品仕様や技術の規格に比較すると、社会制度やサービス規格の提案に対する理解が得られにくいのが実情だ。この欠けている重要な分野を、私は微力ながら粘り強く国内関係者を説得し、推進していきたいと考えている。


市川芳明 世界環境標準化戦争

世界的に優れるといわれる日本の環境・エネルギー技術。地球環境問題の緩和と経済成長の両面でカギを握る。だが、最終製品の性能や品質だけが世界市場での優位を決するわけではない。その重要な要素として世界標準をとれるかどうかの比重が増している。それは科学とビジネスと行政に通じた交渉を経てはじめて成し遂げられる。環境技術も例外ではない。国際規格づくりや海外の規制対応の前線で活躍する筆者に、世界標準を巡る駆け引きとバトルの実態をリポートしてもらう。
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仕事と若者:失業世代
2013年05月02日(Thu) The Economist
(英エコノミスト誌 2013年4月27日号)

仕事を持たない世界の若者の数は米国の人口に匹敵するほど多い。


スペインでは25歳未満の若年失業率が57%に達している(写真はマドリードの公共職業安定所前に並ぶ人々)〔AFPBB News〕

 「若者は怠けるべきではない。彼らにとって非常にまずいことだ」。マーガレット・サッチャーは1984年にこう述べた。彼女は正しかった。社会における若者の扱いで、彼らを中途半端な状態で放っておくこと以上に悪いことはそうない。

 社会に出ると同時に失業手当を受け始める人は、人格形成期にスキルを会得し、自信をつける機会を逸してしまうことから、賃金が低く、その後の人生で失業期間が多い可能性が高い。

 しかし今、かつてないほど多くの若者が働いていない。経済協力開発機構(OECD)の統計によれば、先進国では、2600万人に上る15〜24歳の若者が職にも就かず、教育も訓練も受けていない。

 失業中の若者の数は2007年以降、30%増加した。国際労働機関(ILO)は、世界全体で7500万人の若者が仕事を探していると報告している。

 世界銀行による調査は、新興国の2億6200万人の若者が経済活動に従事していないと指摘している。統計の取り方次第では、若年失業者の数は米国の人口(3億1100万人)にほぼ匹敵するのだ。

 そうした状況には、2つの要因が大きく作用している。まず、西側諸国の長期的な景気低迷が労働需要を縮小させており、年配の労働者を解雇するよりも若者の採用を見合わせる方が容易なことが挙げられる。2つ目は、新興国の中でも人口の伸びが急なのは、インドやエジプトなど、労働市場が機能不全に陥っている国だということだ。

 その結果が、南欧から北アフリカを経て、中東、南アジアへと続く「失業の孤」、豊かな世界の景気後退が貧しい世界の若者の反乱と交錯する場所である。中東では既に、若年失業者の怒りが街頭で噴き出している。スペイン、イタリア、ポルトガルでは、先進国で一般的に減少している凶悪犯罪が増加している。これらは若年失業率が驚くほど高い国々だ。

経済成長は雇用を生むか?

 この問題を解決する最も明白な方法は、再び成長に火を付けることだ。だが、債務に悩まされている世界では、それは口で言うほど簡単ではないし、いずれにせよ、部分的な解決策でしかない。

 問題が最も深刻な国々(スペインやエジプトなど)は、経済が成長していた時でさえ高い若年失業率に苦しんでいた。企業は景気後退期を通して、適切なスキルを持った若者が見つからないとこぼし続けた。

 こうした状況は、別の2つの解決策の重要性を浮き彫りにする。労働市場改革と教育の改善である。この2つはお馴染みの処方箋だが、どちらも新しい活力とさらなる工夫を凝らして取り組む必要がある。

 若年失業は多くの場合、労働市場が硬直化している国で最も高くなる。カルテル化した産業、雇用にかかる高い課税、解雇に対する厳しい規制、高い最低賃金――。これらは皆、若者を街頭に追いやる要因だ。

 南アフリカ共和国はサハラ砂漠以南で特に失業率が高いが、同国の労働組合が強力で、雇用と解雇の規則が厳しいことがその一因だ。若年失業の孤に入っている国の多くでは、最低賃金が高く、労働に重税が課せられている。インドには労働と賃金に関わる法律が200近くもある。

 このため、若年失業の問題に取り組むうえでは労働市場の規制緩和が重要になる。だが、それだけでは不十分だ。英国は労働市場が柔軟だが、若年失業率が高い。

 もっと実績を上げている国々では、政府が苦労している人たちの職探しに積極的な役割を果たしている。先進国で2番目に若年失業率が低いドイツでは、企業が長期失業者を採用した場合、最初の2年間は賃金の一部を政府が負担する。北欧諸国は、若者が就職したり職業訓練を受けられるようにするための「個人別計画」を提供している。

 だが、こうした政策は、新興国は言うまでもなく、何百万人もの失業者を抱える南欧で再現するにはコストがかかり過ぎる。より手頃な方法は、経済の中で労働力を必要としている分野を改革することだ。例えば、小企業が免許を取得したり、建設会社がプロジェクトの認可を受けたり、店舗が夜間に営業したりするのを容易にするといい。

過剰な大卒者

 OECD加盟国全体では、最初の機会に学校を辞めた人は大卒者に比べて、失業している確率が2倍高い。だが、各国政府は大卒者の数を増やすという確立された政策をただ続ければいいと結論付けるのは賢明ではない。

 英国と米国では、高い学費をかけてリベラルアーツの学位を取得した多くの人が、まともな仕事にありつけない。北アフリカでは、大卒者は大卒者以外の2倍の確率で失業している。

 重要なのは、人々が教育を受ける年数だけでなく、その中身だ。このことは、科学と技術の学習を拡充するとともに、例えば、職業教育と技術教育の質を高めたり、企業と学校の関係を強化したりして、教育の世界と仕事の世界の隔たりを埋めることを意味する。

 長い伝統のあるドイツの職業教育と徒弟制度はまさにこれをやっている。その他の国も追随している。韓国は「マイスター」学校を開校したし、シンガポールは技術大学を後押ししている。英国は徒弟制度の枠を広げ、技術教育の改善に努めている。

 隔たりを埋めるには、企業が姿勢を改めることも必要だ。IBMからロールス・ロイス、マクドナルド、プレミアインに至るまで多様な企業が研修プログラムを刷新しているが、従業員を引き抜かれる不安から企業は若者への投資に消極的になっている。

 この問題を回避する方法はある。例えば、何社かの企業が大学と協力して訓練講座を企画してもいいだろう。また、技術も訓練にかかるコストを引き下げている。コンピューターゲーム用に設計されたプログラムによって若者は仮想体験ができるようになったし、オンラインコースを使えば、徒弟が実地訓練と学問的な指導を一体化させることも可能だ。

革命を起こすチャンス

 若年失業の問題はここ数年、悪化の一途をたどってきた。だが、ここに来てようやく、希望を抱く理由が出てきた。各国政府は教育と労働市場のミスマッチの問題に取り組もうとしている。企業は若者への投資に責任を持ち始めた。技術は教育と訓練の民主化に寄与している。

 世界はこの問題の規模にふさわしい教育・訓練革命を起こす大きなチャンスを手にしている。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/37708



次の「衝撃と畏怖」を求められるドラギECB総裁
2013年05月02日(Thu) Financial Times
(2013年5月1日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)


欧州中央銀行(ECB)は2日の政策理事会でどんな策を打ち出すのか?〔AFPBB News〕

 欧州中央銀行(ECB)が2日の政策理事会で金利を引き下げないとは考えにくい。4月初めに開かれた前回の理事会では、利下げを決める寸前まで議論が進んでいた。

 また、それ以降もユーロ圏の失業率は急上昇しており、インフレ率は1.2%という3年ぶりの低水準に落ち込み、ECBの目標値である2%を大きく下回っている。

 だが、ECBは金利を下げれば大きな成果が上がるなどという幻想は抱いていない。ドイツにとっては金融政策が既に緩和されすぎていることを、ECBは承知している(カネ回りが良くなったドイツの銀行家たちが無謀な行動に走らないよう祈るばかりだ)。

 だが、大半の南欧諸国にしてみれば、政策金利の引き下げが実体経済に及ぶ経路、すなわち「伝達メカニズム」が壊れてしまっているのが実情だ。

主要政策金利の引き下げでは不十分

 例えば、イタリアの小企業が現在支払っている借り入れ金利の水準は、ドイツの小企業が5年前まで、つまり2008年後半のリーマン・ショックを受けて世界中の中央銀行が利下げを行う前に支払っていた金利水準と同じだ。これはユーロ圏南部の周縁国の銀行が脆弱であることを端的に示す事実にほかならない。

 こうしたことから、仮にECBが主要政策金利を0.25%引き下げて0.5%にしても、苦労している南欧の企業や消費者に対して、ECBはちゃんと配慮しているのだというシグナルを送るだけに終わる。

 思いもよらない大胆な政策手段――例えば小規模な企業をECBが直接支援する計画など――を打ち出さない限り、ECBの利下げはマリオ・ドラギ総裁らしからぬ控えめな対応に見えるだろう。

 2011年11月の総裁就任以来、ドラギ氏は中央銀行の「衝撃と畏怖」をためらうことなく利用してきた。就任直後には、銀行に対する3年物資金の無制限供給を行い、昨年夏には、ユーロ圏を守るために「必要なことは何でもやる」と大見得を切った。


就任以来、大胆な施策を講じてきたマリオ・ドラギ総裁〔AFPBB News〕

 壊滅的な事態は回避されたものの、当のECBは苛立ちを覚えている。

 経済を再び成長させ、失業を減らし、かつ欧州通貨同盟の長期的な安定性を確保するためには、ユーロ圏の機関や制度、銀行、経済に大がかりな手直しが必要だ。

 ところが、ECBを含む世界各国の中央銀行が講じた施策などのために、最近の金融市場はユーロ圏の政治家に対してかなり寛大になっている。

 例えばイタリアでは、明確な勝者が決まらなかった今年2月の議会選挙以降、様々な問題が噴出したにもかかわらず、国債の利回りがここにきて急低下している(価格は上昇)。先週になって新内閣の全容がようやく明らかになったことを受け、イタリア国債10年物の利回りは2010年後半以来の4%割れとなった。2年物の利回りも1.1%という記録的な低水準になっている。

楽観姿勢に転じた投資家

 投資家の動きの変化には目を見張るものがある。ユーロ圏の危機が最も厳しい状況にあった時、ドイツの国債利回りと、スペインやイタリアの国債利回りは、一方が低下すれば他方が上昇するという負の相関関係(逆相関)を見せていた。ストレスが加わると、資金は一斉にドイツ国債に避難した。

 ところが、HSBCの計算によれば、スペイン国債の2年物、5年物、10年物の利回りは現在、同じ年限のドイツ国債の利回りと正の相関関係にある。

 また最近では、イタリアとドイツの国債利回りの相関関係(直近の60日間における相関関係)が負から正に転じている。

 投資家は売る理由を探す代わりに、買う理由を探している。重要な理由の1つは、ECBが「リデノミネーション」のリスク、つまり、ユーロ圏の解体で投資金がユーロより弱い国内通貨に転換される危険を取り除いたことだ。

 投資家は財政改革についても以前より楽観的に考えるようになっている。政府が緊縮策の緩和に動いたにもかかわらず、国債利回りは低下してきた。緊縮緩和の結果として力強い経済成長が生じ、長期的な債務持続可能性が改善するのであれば、その動きは理にかなう。だが、それには各国政府をひとまず信じる必要がある。

日銀の国債購入プログラムの影響も

 こうした状況の上にのしかかるのが、日銀が最近開始した国債購入プログラムの効果だ。日本人投資家が外国資産に資金を移すとの期待から、ユーロ圏諸国の国債利回りは一段と低下した。特に大きな恩恵を受けたのがフランスだ。フランスは市場の流動性が高く、ドイツ国債より利回りが高いからだ。

 ドラギ総裁は恐らく、ユーロ圏の修復が進んでいる兆候として政府の借り入れコストの低下を挙げるだろうが、過去3年間の経験から言えるのは、ユーロ圏の改革を推進するためには市場の圧力が必要だということだ。

 その圧力が今、弱まっている。ユーロ圏の強力な財政・銀行同盟に向けた計画が作られたのは、昨年、スペインとイタリアの国債利回りが7%前後だった時のことだ。以来、進展は大幅に遅くなってしまった。

 市場が急に目覚める可能性もある。考えられるきっかけは、日本人投資家が国内にしっかりとどまっているという認識や、例えばスペインに対する信用格付け機関の行動により投資家が再考を強いられる事態だろう。だが、ユーロ圏が長期にわたり債券市場が落ち着いた状態に陥ってしまっている可能性もある。

 だとすれば、ユーロ圏経済を蹴飛ばして成長軌道に戻すために新たな「衝撃と畏怖」対策を考え出せという圧力が誰にかかるかは一目瞭然だ。

 ドラギ総裁よ、尻込みしてはならない。

By Ralph Atkins
http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/37706

【第66回】 2013年5月2日 高橋洋一 [嘉悦大学教授]
最新「展望レポート」を読む
日銀は本当に変わったか?
?本コラムでは、日銀の金融政策について、白川日銀から黒田日銀への「白から黒へのオセロゲーム」が行われたことを書いた(第64回、第65回)。

?そこでキモはデフレ予想からインフレ予想への転換と書いている。これを4月26日に公表された「経済・物価情勢の展望」(展望レポート)で確認してみよう。この展望レポートは黒田日銀がはじめて出したもので、旧白川日銀が昨年10月30日に公表したものと比較してみると、その違いが明らかにわかる。

前回レポートとの際立った違い

?まず、分量が少なくなった。旧体制の2012年10月のものと比べると、基本的見解で19ページから8ページ、背景説明を含む全文で126ページから77ページになっている。といっても、内容が薄くなったわけではない。どちらかといえば、旧体制ではどうでもいい資料が多くあったモノを省いて、重要なモノを加えている。

?例えば、海外のマネタリーベース対GDP比が、白川日銀では掲載されていたが、これは省かれている。この数字は、GDP比の水準で見れば日本が高いというので、日本が金融緩和している証左と日銀関係者が主張してきたものだが、水準の高低は現金社会かどうかを意味するだけで、その変化を見なければいけない。その意味で展望レポートの資料は、ミスリーディングであった。

【基本的見解】という文章でも、新体制と旧体制では変化がある。旧体制では、「国際金融資本市場と海外経済の動向」、「わが国の金融環境」との項目で、ダラダラと現状の記述が続いていたが、新体制ではばっさりと削っている。そして、「わが国の経済・物価の中心的な見通し」と核心部分からスタートしている。このため、前置きなしで日銀の意図がはっきり表れている。

?特に際立った違いは、中長期的な予想物価上昇率である。新体制では「足もと上昇を示唆する指標がみられる。先行きも、「量的・質的金融緩和」のもとで上昇傾向をたどり、「物価安定の目標」である2%程度に向けて次第に収斂していくと考えられる」とされている。

?これに対して、旧体制では「市場参加者やエコノミストの見方は振れを均してみれば概ね1%程度で安定的に推移しているほか、家計の見方にも大きな変化はみられず、見通し期間においても安定的に推移すると想定できる」である。新体制が予想に働きかけるのに対し、旧体制ではそうしたことをしていない。

市場の判断を採用

?インフレ予想を見るときに、@マーケット情報から計測するアプローチ、A家計や企業などに対してサーベイを実施するアプローチの2種類あるが、白川日銀は@は使わずに、Aを使ってきた。

?@は、物価連動国債を使ったBEI(ブレーク・イーブン・インフレ率、市場が推測する予想インフレ率を表す)だが、それはあらゆる裁定機会を活用して収益をあげようとする、多様な市場参加者の見方を集約した指標である。いわば身銭を切った取引の結果だ。一方、Aは単なる意見であるので、日銀の意向を見越して答える傾向もある。どちらがより信頼に足り得るか明らかであろうが、白川日銀が使ったのはAだった。これは他国の中央銀行との大きな違いだ。

?それでも、日銀ポチの市場関係者は、物価連動国債の市場の薄さを強調して、それからのBEIは当てにならないという。それなら、それでも儲ければいいのになぜ実行しないのか不思議だ。さらに、アベノミクス以降、BEIが急上昇しているのは、これまで旧白川日銀が主張してきた市場流動性の下落によるBEIの下落という話と矛盾する。

?こうした点を踏まえて、黒田日銀では、全体の分量を減らす中で、あらたに「予想物価上昇率」という項目をたてて、物価連動国債のBEIなどで拡充している。白川日銀では、「物価の見方」という項目でアンケート調査などを載せていた。

?白川日銀は、BEIを毛嫌いしていた。というのは、白川総裁の就任時に、デフレ脱却は無理だと反応して、BEIがマイナスになるなど、白川日銀の金融政策に対してよく反応していたからだ。市場取引のため、日銀の意向とは無関係に反応するので、ある意味で「正直な指標」であるが、それが気にくわなかったのだろう。それで、エコノミストなどの日銀の意向を斟酌してくれるアンケート調査に依存したと思う。まったくせこい話だ。

?黒田日銀が予想に働きかける政策転換をしたので、「経済や物価の見通し」がまったく違う。2014年度について政策委員の見通しの対前年度伸び率の中央値で見ると、白川日銀では実質GDP0.6%、消費者物価指数(除く消費税増税の影響)0.8%であったのに対して、黒田日銀ではそれぞれ1.4%、1.4%と上方に改定している。

?こうした数字を見ると、白川日銀は何もやらないことをモットーとしていたと言わざるを得ない。黒田日銀は、普通のことをやるだけなのに、これだけ違っているのだ。

民間エコノミストにも余波

?黒田日銀は異次元の金融緩和というが、世界から見れば標準的なものだ。それをいまだに異次元というのは単なる理解不足でしかない。それに、劇薬という人もいるが、バーナンキは3回も「劇薬」を飲んで米国経済を復活させたのを知らないのだろうか。

?そして、最後の「金融政策運営」で、新体制は「日本銀行は、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「量的・質的金融緩和」を継続する。……日本経済を、15年近く続いたデフレからの脱却に導くものと考えている」とデフレ脱却の決意を語っている。ちなみに、この「15年間」とは、三代続いた日銀出身者による日銀総裁時代である。

?こうした「白から黒に変わった」日銀によって、変化を余儀なくされているのが、いわゆる日銀出身のエコノミストである。彼らの仕事は、いち早く日銀の情報を入手し、それを雇ってもらっている金融機関に提供することだ。ところが、今回の日銀オセロで、旧白川日銀に依存していた彼らの情報価値は著しく低下してしまった。

?中には、日銀オセロと同じように変身した者もいるが、逃げ場を失い相変わらず「日銀理論」を振り回す者も少なくない。レジームチェンジは民間エコノミスト業界にも広がっている。異次元の金融緩和とか言う人はいずれ淘汰されるだろう。

http://diamond.jp/articles/print/35303


米ISM製造業景況指数:4月は50.7に低下、市場予想は上回る

  5月1日(ブルームバーグ):米供給管理協会(ISM)が発表した4月の製造業総合景況指数は50.7と、前月の51.3から低下した。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は50.5だった。同指数で50は活動の拡大と縮小の境目を示す。
原題:ISM Index of U.S. Manufacturing Decreased to 50.7 in April(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ワシントン Shobhana Chandra schandra1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Chris Wellisz cwellisz@bloomberg.net
更新日時: 2013/05/01 23:05 JST

米ADP民間雇用者数:4月は11万9000人増−予想下回る

  5月1日(ブルームバーグ):給与明細書作成代行会社のADPリサーチ・インスティテュートが発表した給与名簿に基づく集計調査によると、4月の米民間部門の雇用者数は前月比で11万9000人増加した。ブルームバーグがまとめたエコノミストの予想中央値は15万人の増加だった。
原題:ADP Says Companies in U.S. Hired 119,000 More Workers inApril(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Alexander Kowalski akowalski13@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Chris Wellisz cwellisz@bloomberg.net
更新日時: 2013/05/01 21:19 JST

FRB資産買い入れの縮小局面、MBSよりもまずは国債を見直しか
2013年 05月 1日 18:08 JST

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[ニューヨーク/サンフランシスコ 1日 ロイター] 米連邦準備理事会(FRB)当局者らは、資産買い入れにより住宅市場が押し上げられていることに満足しており、債券買い入れプログラムを縮小する際には、モーゲージ担保証券(MBS)ではなく、まずは国債の買い入れを見直す可能性がありそうだ。

FRBが債券買い入れプログラムを縮小させる可能性や時期について憶測が飛び交う一方、FRBがどの資産に注力するかをめぐる議論が政策当局者間で活発化している。

4月30日─5月1日の連邦公開市場委員会(FOMC)では、現行政策を据え置くとみられている。エコノミストの間では、FRBが月額850億ドルの国債・MBS買い入れ措置(国債450億ドル、MBS400億ドル)を維持するとの見方が大勢だ。

だが、もしも複数のハト派メンバーが行動をとったならば、FRBが買い入れプログラムの縮小を開始する際、まずは国債買い入れを縮小させる可能性がある。同様に、FRBがバランスシートを縮小させるために資産の売却を決めれば、MBSの保有期間が長くなるかもしれない。

複数のタカ派メンバーは、住宅市場の改善がMBS買い入れの縮小につながるとする一方、ハト派メンバーらは大不況期以降、政策の主導権を握っている。

ボストン地区連銀のローゼングレン総裁は、低い住宅ローン金利や住宅価格の反転が量的緩和政策の成功を反映していると考えているうちの1人だ。

三菱東京UFJ銀行のニューヨーク駐在チーフ金融エコノミスト、クリストファー・ラプキー氏は「私は常に、ローゼングレン総裁の見方はFRB議長の見方を映したものとして捉えている。そして議長はまだタカ派に多くの譲歩はしていない」と指摘。「MBSはおそらく住宅市場の強化につながっており、縮小されるのは最後になるだろう」と述べた。

<住宅ローン金利は過去最低近辺に>

リッチモンド地区連銀のラッカー総裁といった複数のタカ派当局者も議論の的だ。

彼らは、FRBは特定の経済分野を支援することを目指すべきではないなどと考えており、現在の政策に反対している。信用拡大は市場の役割だという見方だ。エージェンシー保証MBS市場でFRBの存在感が極めて高くなることにも懸念を示している。

国債よりもMBSを買い入れることは、住宅ローン金利を通じて米国民に直接の影響を与えることは間違いない。

フレディマックによると、期間30年の平均住宅ローン金利は先週、過去最低水準近くの3.4%をつけた。FRBが昨年9月に量的緩和第3弾(QE3)の導入を決めた当時は3.55%だった。

効果は出ている。3月の米住宅着工件数は2008年半ば以降で初めて100万戸の大台を突破した。

住宅市場の崩壊は建設業界の雇用を奪うほか、家計の純資産を損なうことで消費に影響を与えるため、住宅市場の活性化は理にかなっている。

<MBS市場にはリスクも>

FRBは、毎月発行される国債の約4分の1を買い入れている。

一方で、昨年9月の買い入れ再開以来、FRBは新規に発行されたMBSの約半分を買い入れている。景気が改善し、借り入れコストが上昇してリファイナンスの動きが後退すれば、この割合は上昇し、市場を危険にさらすことにつながる可能性もある。

ニューヨーク連銀で市場の動きを監視しているポッター氏は、こうしたリスクを減らすため、FRBは最も豊富にある証券の買い入れに注力し、たとえリファイナンスの動きが後退しても市場の機能不全を起こさないようにすべきだと指摘する。

ポッター氏は3月、フォーキャスターズ・クラブ・オブ・ニューヨークで、今のところ、FRBの買い入れプログラムで流動性を損なったり、市場を抑制したりしている「証拠はほとんどないようにみえる」と述べた。

ただ、ニューヨーク連銀がウォール街の銀行を対象に最近行った調査によると、大半は、FRBが2014年3月までに、一定の国債買い入れを継続する一方、MBSの買い入れをやめると予想している。

どちらの証券買い入れがより有効なのかをめぐる疑問は、FRBがバランスシートの縮小を決める可能性がある数年内に浮上するだろう。

国債と異なり、MBSは毎月の期限前償還があり、FRBがバランスシートを縮小させると決めれば都合が良くなるだろう。このため、当局者は今のところはMBSを一段と買い入れ、数年は売り急がないと考えている可能性がある。

3月のFOMC議事録では、複数の当局者はMBSの保有が好ましい、または非常にゆっくりと売却することが好ましいと考えていることが分かった。FRBが住宅市場に肩入れする期間は、多くの人が考えているよりも長期化する可能性を意味している。

( Jonathan Spicer記者、Ann Saphir記者 執筆協力 Albert Duros;翻訳 川上健一;編集 吉瀬邦彦)

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独連邦債が上昇、予想下回る米GDP統計で逃避買い 2013年4月27日
インフレ低下続けば米FRBの資産購入加速を支持=地区連銀総裁 2013年4月18日
米FRB、雇用の責務をこれ以上重視すべきでない=地区連銀総裁 2013年4月17日
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE94003Y20130501?sp=true


06. 2013年5月05日 12:03:09 : RfoJKVEpbs
http://mainichi.jp/select/news/20130417k0000m040053000c.html
人口:減少幅最大に…28万4000人、昨年10月時点
毎日新聞 2013年04月16日 20時05分(最終更新 04月17日 00時50分)


推計人口の増減数と増減率
拡大写真
 総務省が16日発表した2012年10月1日時点の人口推計によると、外国人を含む総人口は前年に比べ28万4000人(0.22%)減の1億2751万5000人となった。マイナスは2年連続で、比較可能な1950年以降で減少数、率ともに最大を更新した。65歳以上の人口は初めて3000万人を突破し、人口減と高齢化の進行が鮮明になった。

 ◇65歳以上3000万人突破

 少子化で人口減は続くと見込まれる一方、47?49年ごろのベビーブームで生まれた「団塊の世代」が続々と65歳に達するため、社会保障費の増加などへの対策が急がれる。

 人口減の主な要因は、2011年10月から1年間で、死亡者が出生者を20万5000人上回ったほか、東日本大震災や景気低迷の影響で労働者など外国人の出国者が入国者より5万6000人多かったため。

 65歳以上の人口は104万1000人増の3079万3000人で、総人口に占める割合は24.1%と最高を更新した。14歳以下の割合は13.0%で最低だった。

 1945年8月以降の「戦後生まれ」は1億33万6000人で、初めて1億人を超えた。総人口の78.7%を占める。

 都道府県別では、40道府県で人口が減った。減少率の最大は東京電力福島第1原発事故の影響が続く福島の1.41%で、秋田が1.13%。人口が増えた7都県のうち、増加率トップは沖縄の0.56%。

http://mainichi.jp/select/news/20130505k0000m040029000c.html
子供の人口:32年連続で減少…1649万人に
毎日新聞 2013年05月04日 19時14分(最終更新 05月04日 20時03分)

 総務省は4日、「こどもの日」に合わせて15歳未満の子供の推計人口(4月1日現在)を発表した。子供の人口は前年より15万人少ない1649万人で、1982年から32年連続の減少。総人口に占める子供の割合は12.9%(前年比0.1ポイント減)で、75年から39年連続低下した。人口、割合とも同じ手法で統計を取り始めた50年以降で最低を更新した。

 男女別では男子が844万人、女子が804万人で、いずれも前年より8万人減少した。年代別では中学生(12?14歳)が355万人、小学生(6?11歳)が661万人、未就学の乳幼児(0?5歳)が633万人。

 都道府県別(昨年10月1日現在)に子供の数をみると、前年より増加したのは東京都と沖縄県だけで、それぞれ約3000人増の約149万4000人、約1000人増の約24万8000人。最も減少数が大きかったのは福島県と大阪府で、いずれも約1万1000人減少し、約25万2000人、約115万2000人だった。福島については東京電力福島第1原子力発電所事故が影響しているとみられる。総人口に占める割合で高いのは沖縄県(17.6%)▽滋賀県(14.8%)▽佐賀県(14.4%)。低いのは秋田県(11.1%)▽東京都(11.3%)▽北海道(11.7%)??の順だった。【水脇友輔】 
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<少子化なのに>殺人未遂:女児4階から投げ落とす 女を容疑で逮捕 埼玉


http://mainichi.jp/select/news/20130428k0000m010029000c.html
労働力:就業5人に1人が60歳以上…最多1192万人に
毎日新聞 2013年04月27日 19時30分(最終更新 04月27日 19時46分)

 60歳以上で働いている人(就業者)は2012年平均で前年比17万人増の1192万人となり、6年連続で過去最多を更新した。総務省の労働力調査で27日までに分かった。全就業者に占める割合は19.0%で、ほぼ5人に1人が60歳以上となった。

 年金の受給開始年齢の引き上げなどで、60歳の定年後も働く人が増え、一方で若い世代の働き手が減っており、60歳以上の占める割合はさらに高まる見通し。日本経済の活性化や再生にはシニア層の活用が重要な課題だ。

 02年と比べると、60歳以上の就業者数は約310万人増加、特に団塊の世代が60歳を迎えた07年ごろから急増した。(共同)

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<労働者アンケート>3年後「景気改善、でも賃金上がらず」
<65歳以上3000万人突破>人口減少幅最大に…28万4000人、昨年10月時点
<TDL>「夢と魔法」の30年 15日に節目の日 社員・キャスト感慨深げ /千葉
<東日本大震災>三陸鉄道で入社式 採用者「復興を加速」
<高齢者雇用>60歳以上賃金見直し6割 3割が新卒ら採用抑制??雇用法改正で企業意識調査 /埼玉
<リアル30’s>始めてる?  「仕事力」で決まる賃金
<特集・リアル30’s>


http://mainichi.jp/select/news/20130427k0000m040025000c.html
労働者アンケート:3年後「景気改善、でも賃金上がらず」
毎日新聞 2013年04月26日 19時41分

 3年後に景気は良くなっているが、賃金は上がっていない??。連合総研が実施した「勤労者の仕事と暮らしに関するアンケート」でこんな結果が出た。「景気上昇ムードは感じても、自分の働いている会社では実感できていないことや2000年代の好況期にも賃金が上がらなかったことが反映されているのではないか」と連合総研は分析している。

 調査は、首都圏と関西圏に住む20?64歳の民間企業の労働者を対象に行い、2000人が回答した。それによると、3年後の景気について、35.8%が「良くなる」と答えたほか、「変わらない」(34%)「悪くなる」(22.5%)と、景気が改善するとの見方が多かった。しかし、賃金については「良くなる」(19.4%)「変わらない」(48.5%)「悪くなる」(26%)となり、上がらないと考える人が74.5%に上り、生活の行方に厳しい見方をしている人が多数を占めた。【東海林智】


http://mainichi.jp/select/news/20130501k0000m040079000c.html
予納金:国が立て替え初適用 債権者破産、円滑に
毎日新聞 2013年04月30日 20時40分(最終更新 05月01日 01時22分)

 年金などを担保に高齢者らに違法な高金利で貸し付ける「偽装質屋」事件で、福岡地裁に業者2社の債権者破産を申し立てていた福岡県の被害弁護団は30日記者会見し、申し立てに必要な予納金を国が立て替える「国庫仮支弁(かりしべん)制度」が国内で初めて適用されたと明らかにした。九州地方を中心に約1万人が約80億円の貸し付けを受けたとされ、「破産手続きが進むことで被害者のスムーズな救済につながる」と評価している。

 弁護団によれば、破産手続きが始まるとみられるのは、いずれも福岡市博多区の「恵比寿」「ダイギンエステート」。福岡地裁は4月26日付で破産法23条に基づく国の立て替えを認め、2社の保全管理命令を出した。今年2月に被害者の21人が申し立てていた。

 偽装質屋は都道府県公安委員会の許可を受けた質屋なのに、実態は無登録で貸金業を営む。ほとんど価値のない物品を質入れさせて金を渡し、貸金業法の上限(年20%)を超える高利息を要求する。

 2010年の改正法完全施行で上限金利が引き下げられたことなどを背景に被害が拡大。返済金が年金口座から自動引き落としされるように契約するケースもあり、2社も客の年金口座から元本と利息分を回収したとして福岡県警が昨年10月、貸金業法違反容疑で家宅捜索に入っていた。

 債権者破産の予納金を巡っては、元本保証をうたい会員制美容サロン事業への出資を名目に理美容店経営者らから約6億円を集めた山梨県大月市の「ハートサービス」社が昨年末に全国の5店舗を突然閉鎖。出資者らが甲府地裁に破産を申し立てたが、予納金の350万円を集められず3月に手続きを断念していた。

 弁護団によると、国庫仮支弁制度の申請例は過去に数件あるものの、いずれも却下されたという。今回は被害者の大半が年金や生活保護を受けている高齢者で予納金支払いが難しい上、予納金を業者から回収できる見込みがあると裁判所が判断したとみられる。【山本太一、藤沢美由紀】
 
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コラム:「5月に株を売り逃げろ」は本当か=嶋津洋樹氏
2013年 05月 2日 18:23 JST
嶋津洋樹 SMBC日興証券 債券ストラテジスト(2013年5月2日)

今年も夏の到来を前に、世界的な景気回復への期待が揺らいでいる。今年「も」と言ったのは、日米でリーマンショックに伴う景気後退が終わった翌年(2010年)以降で4度目となるからだ。

ウォール街では、「5月に(株を)売り逃げろ(Sell in May and go away)」とさえ言われている。その理由としては、過去の経験則や季節性の要因、あるいは最近では欧州債務問題の長引く影響などが語られているが、いずれも議論が割れており、多くの支持を集められるほど理論的にはっきりとしたものはない。

たとえば、季節性の要因。確かに、経済指標や時系列データは通常、季節の変化やそこから生じる社会的な慣習によって1年のうちに定期的な変動を繰り返すが、そもそもどこまでが季節変動でどこからがそれ以外かの区別は明確ではない。

なかでも、このところ春先になると世界経済への影響が注目される中華圏の「旧正月」後の反動も、旧正月の時期そのものが毎年変わるため、正確な分析は極めて困難だ。さらに、近年のように異常気象が続くと、何が季節変動かさえも怪しくなる。08年9月にリーマンショックが発生し、09年の春先にかけて景気の落ち込みが激しくなった影響で、10年以降もそれを相殺しようとする季節調整の効果が働いているとも考えられるが、時間の経過とともにそうした効果は小さくなるはずだ。少なくとも過去の経験則や季節性の要因だけを理由に、「5月は売り」と決めつけるのは危ういだろう。

<「Sell in May」の格言が裏目に出る可能性 >

では、欧州債務問題の長引く影響はどうか。確かに、一見すると、今年も四半期ごとの危機拡大と終息を繰り返しているようにみえ、状況は必ずしも明るくない。実際、直近では2月下旬にイタリアで政治的混乱が発生、3月下旬にはキプロス支援を巡るユーロ各国の足並みの乱れが続き、金融市場に打撃を与えた。その影響が4月、5月に公表される経済指標で顕在化しても不思議ではない。

また、今年はコモディティ相場の調整が進み、景気の先行きに暗い影を落としている。主要国の名目国債とインフレ連動債の利回りの差で示される期待インフレ率は足元で急速に低下。欧米ではデフレ回避のため、追加緩和が必要との観測すら浮上している。中国での鳥インフルエンザ拡大や、北朝鮮問題、イランなどを巡る地政学的リスクも加わり、世界経済を取り巻く環境は依然として不透明感が強いと言えよう。

ただし、筆者は、以下のような理由から、実は今年については「5月に(株を)売り逃げろ」という格言が裏目に出る可能性があるとみている。

まず、コモディティのなかで最も大きな調整を経験した金などの貴金属には、景気の先行指標という側面に加え、米ドルや米国債を上回る「質への逃避」の受け皿としての性質もあることに注意が必要だ。一時は原油などにそうした機能を求める動きすらあった。そう考えると、足元のコモディティ相場の調整は、世界的な景気悪化の前兆ではなく、世界経済がリーマンショックで負った傷から本格的に回復する前触れとも捉えることができよう。

その前提に立つと、コモディティは価値の保存という面で優れていても、保有することのメリットは乏しい。というのも、保管コストのかかる場合があるうえ、相場の下落がいったん始まると、価値の保存というメリットすら危険にさらされるからだ。そのことは、コモディティの魅力を一段と低下させるだろう。

実際、リーマンショックの震源地となった米国では、住宅価格が上昇に転じ、家計部門のバランスシート調整も一服。企業は借り入れを増やしている。また、金融機関はサブプライム住宅ローンの取り扱いを再開。住宅価格の上昇分を現金化する「ホーム・エクイティ・ローン」という言葉もメディア上で再び目にするようになった。

今年はサブプライム住宅ローン問題が顕在化して6年目、リーマンショックからは5年目にあたる。戦後の金融危機が平均で3―4年をかけて危機前の実質国内総生産(GDP)水準を回復し、6―7年後から景気の回復ペースを加速させたということを踏まえると、今年は米国景気が再び世界の牽引役として復活しても不思議ではない。

そもそも、コモディティ相場の調整を世界的な景気悪化の前兆と捉えた場合、経済政策の不確実性を示す指数(Economic Policy Uncertainty Index)や、株式市場の恐怖指数(VIXやVSTOXX)が欧米ともに水準を切り下げていることは正当化しづらい。欧州周辺国債の対独国債スプレッドは縮小傾向をたどっており、それらの国々のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)価格も下落。イタリアやスペインの長期金利も、ギリシャ問題が表面化する前の水準へ近づいている。金融市場のストレスの度合いを示す指数は、ほぼリーマンショック前の水準へ回帰した。これらが示唆するのは、いずれも世界的な景気の回復だろう。

むろん、コモディティ相場の調整が他の金融市場に先んじて、世界景気の下振れを示唆している可能性はある。3月分の経済指標が下振れたのは、上述した特殊要因ではなく、コモディティ相場と同様、景気の実際の弱さを反映したとも考えられる。しかし、コモディティ相場の調整は企業の粗利の改善や家計の実質的な可処分所得の押し上げという別な効果も期待できる。

特に米国はこれからドライビング・シーズンが本格化。この時期のガソリン価格下落は、個人消費増に大きく貢献すると期待できる。米国経済がリーマンショックからの回復という点で、新たな局面を迎えているとすれば、その期待には裏付けもあると言えよう。

*嶋津洋樹氏は、1998年に三和銀行へ入行後、シンクタンク、証券会社へ出向。その後、みずほ証券、BNPパリバアセットマネジメントを経て2010年より現職。エコノミスト、ストラテジスト、ポートフォリオマネージャーとして、日米欧の経済、金融市場の分析に携わる。

コラム:バルニエ欧州委員の米資本規制への反発、銀行に甘過ぎる印象 2013年4月24日
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アングル:設備投資に慎重な日本企業、収益改善も実需の手応え乏しく
2013年 05月 2日 19:52 JST

インタビュー:アベノミクスで先端分野の設備投資も=富士フイルム会長
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[東京 2日 ロイター] 昨年終盤からの円安が日本企業の収益を押し上げているが、各業界とも国内の設備投資に対する慎重姿勢は変えていない。輸出採算は改善しているものの海外需要が軟調で数量は伸びず、国内需要にも本格的な回復はみられない。

アベノミクスのプラス効果を実需面で「実感できる段階に至っていない」(JFEホールディングス(5411.T: 株価, ニュース, レポート)の岡田伸一副社長)。為替感応度が高く収益好調な自動車業界からは、人口減で需要拡大が見込めない国内で「生産能力を増やすのは難しい」(三菱自動車工業(7211.T: 株価, ニュース, レポート)の益子修社長)と、日本市場の構造的な問題を指摘する声も聞かれる。

<アベノミクス、実態経済につながるか>

野村証券の松浦寿雄ストラテジストによると、14年3月期は全19業種中13業種で円安が業績を押し上げる。中でも自動車、鉄鋼、機械、電機・精密など、為替感応度が高い業種で増益幅が膨らむ。金融を除く主要企業295社合計の今期経常利益(3月末時点の試算)は、1ドル=87円、1ユーロ=114円で31.7%増、1ドル=95円、1ユーロ=124円なら46.3%増になる見通しという。「足元の為替が続けば経常利益は前回ピークの07年度水準に迫る」と、松浦氏は予想する。

しかし企業の経営陣は実需の見通しや投資にいまだ慎重で、たとえば素材業界からはあまり明るい話が聞こえてこない。JFEの岡田副社長は決算会見で「アベノミクスや円高修正は日本の産業にとってプラスだが、素材産業として実感が得られるフェーズには至っていない」と指摘。日本鉄鋼連盟の友野宏会長(新日鉄住金(5401.T: 株価, ニュース, レポート)社長)も定例会見で「円安効果はまだ受注に顕在化していない」と話した。また、JFEスチールの林田英治社長はロイターとのインタビューで「自動車各社が今期の国内生産を前期比減から前期比並みに上方修正したのはプラス」としたものの、豪州やインドネシアの鉱山開発停滞で産業・建設機械の需要が鈍く、造船向け鋼材需要の落ち込みも顕著と説明。前期業績が不振だったこともあり「投資は抑制せざるを得ない」と語った。

海運各社も、円安に伴う輸送需要の拡大について保守的な見方を示した。商船三井(9104.T: 株価, ニュース, レポート)の青砥修吾常務は、自動車輸送は「円安でも影響は限定的。今後も現地生産が続く」と語り、川崎汽船(9107.T: 株価, ニュース, レポート)の吉田圭介専務も自動車船の輸送台数について「円安で増加を期待しているが、まだ数字に表れておらず、今期は前期比横ばいを見込む」と話した。

株式市場はアベノミクス効果による収益拡大期待で上昇したが、企業は「これが実態経済につながってくるかどうかが上期の重要なポイント」(三菱電機(6503.T: 株価, ニュース, レポート)の松山彰宏常務執行役)との見方で一致する。日本経団連の米倉弘昌会長(住友化学(4005.T: 株価, ニュース, レポート)会長)は、日銀の大胆な金融緩和により企業の設備投資が誘発されるとみるが「金利がこれほど下がっても投資があまり動いていないのは、(企業は)実需が増えるとまだみていないということだろう」と語る。

<自動車生産の国内回帰は見込めず>

企業が国内の設備投資に消極的な背景には、日本市場の縮小とこれまでの円高で、すでに生産の多くを国内から移転させた構造的な変化もある。為替感応度が高い自動車業界は、昨年までの1ドル=80円を割り込む超円高時代に生産の海外移管を加速。国内生産に占める輸出の割合は08年に過去最高の58.1%だったが、12年には48.3%まで低下した。自動車メーカーの首脳陣は1ドル=100円前後が続いても、日本生産に回帰するのは考えにくいとの見方を示す。

三菱自工の益子社長は、円安で「日本で生産する車の損益が大きく改善し、競争力を回復しつつある」としながらも、人口減で需要拡大が見込めない国内での能力増強は難しく「現状のレベルを維持していくのが精一杯」と語る。14年にメキシコ、15年にタイの工場が稼働するホンダ(7267.T: 株価, ニュース, レポート)も「需要があるところで生産するのが基本的な考え方」(岩村哲夫副社長)だ。

電機・精密などでも海外シフトの流れは変わらない。村田製作所(6981.OS: 株価, ニュース, レポート)は今期の海外生産比率が前期比4ポイント増の約27%になると予想する。「円安であっても同業メーカーの生産場所がコストの安い海外であれば、競争するために当社も海外生産比率を上げていく必要がある」と、同社の村田恒夫社長は言う。日本電産(6594.OS: 株価, ニュース, レポート)の永守重信社長も「われわれはすでにグローバル企業。円高だから海外に出て、円安になったら戻ってくるということはない」と断言する。

為替が円安基調に転換したのは昨年秋。そこからすでに2割程度の円安が進み、株価の上昇で高額商品は売れ行きが伸びている。「消費者心理が上向いている間に企業心理が好転し、自動車などを中心にキャッシュが回り始めればアベノミクスの勝利だ」と、野村証券の松浦氏は話すが、円安の恩恵で「(受注など)数量効果や設備投資が出てくるには1年程かかる」と指摘する。

(ロイターニュース 企業チーム;編集 久保信博)

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