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日経平均前引け、大幅反落 367円安の1万6681円(日経新聞)
http://www.asyura2.com/15/hasan104/msg/623.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 1 月 20 日 11:57:00: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

日経平均前引け、大幅反落 367円安の1万6681円
http://www.nikkei.com/markets/kabu/summary.aspx?g=DGXLASFL20HFF_20012016000000
2016/1/20 11:49 日経新聞


 20日午前の東京株式市場で日経平均株価は大幅反落し、午前の終値は前日比367円04銭安の1万6681円33銭だった。朝方から徐々に水準を切り下げ、18日に付けた取引時間中の1年ぶり安値である1万6665円05銭に迫る水準で午前の取引を終えた。

 WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油が時間外取引で1バレル27ドル台に下げたうえ、前日に大幅上昇した中国・上海株が下げて始まったことで、リスク回避のムードが強まった。株価指数先物への売りが続いたことも、現物株への売り圧力につながった。

 ファストリやソフトバンクなど値がさ株をはじめ、日経平均構成銘柄はほぼ全面安となった。

 日経ジャスダック平均株価は反落し、午前の終値は同19円31銭安の2450円77銭だった。〔日経QUICKニュース(NQN)〕

 

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コメント
 
1. 2016年1月20日 12:45:53 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[206]
 <Vol.348:ドルと原油と中国と、そして株価(1)>

    テーマ:根底はFRBの利上げとマネーの動き
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     HP: http://www.cool-knowledge.com/
           Systems Research Ltd.  吉田繁治 

おはようございます。年初来、世界の株価が下がっています。昨年末と1月18日の中国、米国、欧州、日本の株価指数を比較してみます。

(注)本項は文中の改行なしで送ります。PCのメーラー(メールソフト)をお使い方は、文章の表示枠の横幅を読みやすいように縮小すれば、短くなります。

以下の( )内で示すのは、それぞれの市場の企業の、次期予想の純利益と比較した株価(株価÷次期予想純益)であるPERです。PERでも、2倍から2.5倍の低下があります。

    15年12月30日  16年1月18日    下落幅
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
上海総合  3572    →2903(11.7倍)   -18.7%
NYダウ  $1万7603  →$1万5988(14.0倍)  -9.2%
FTSE100  6274    →5804(14.4倍)     -7.5%
日経平均 1万9033円  →1万6887円(16.6倍) -11.3%
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(世界のPER:ほぼ世界中の株価が下げています)
http://www.capital.co.jp/world_index.pdf

【37%に高まった、日経平均の確率的な変動幅】
価格変動の幅を、過去20日間の標準偏差で示しているボラティリティ・インデックス(VIX)は昨年12月の、安定していた20%水準から、1月18日は37%という危険なレベルに上がっています。

VIXは、20日間の株価を元にして、将来1年間の、確率的な変動幅を示すものです。新聞では「投資家の恐怖を示す指数」とだけ書かれますが、これは株価の確率的な変動幅です。VIXが20%ならほぼ安定と言えますが、40%に近いと危険です。

VIXの37%は、1年後の日経平均が、
〔1万6887円±1万6887×37%=安値1万638円〜2万3135円〕いうように、1万3000円という大きなリスク幅をもつものになっていることです。

上下6500円のリスク幅に収まるのが68%の確率で、1万638円以下が16%、2万3135円以上が16%という意味になります。気流の悪化(マネーの流れの変化)で、飛行機(株価)が、ガタガタと揺れている感じです。
http://indexes.nikkei.co.jp/nkave/index/profile

【理由は「貨車」でついてくるが・・・】
中国の株価下落、人民元安、原油と資源価格の下落、サウジとイランの断交、北朝鮮の核実験(水爆ではない)などと、いろんな理由が言われます。確かに、それぞれの理由はあります。

▼基底の主因は、世界のマネーのドルへの還流

◎当方、米国の異次元緩和の停止から、テーパリング(順次縮小)、そしてFRBの利上げが、世界に出ていた量的緩和のドルの、米国への還流をもたらしていることが、もっとも大きな原因と見ています。

ドルへの還流とは、具体的には、〔ドル買い/他国の通貨売り〕です。
アマゾン川に「ポロロッカ」という現象があります。上流から下流に流れていた水が、上流に向かって逆流する。産油国と新興国に向かっていたドルが、2014年6月以降は、ポロロッカのようにドルに回帰しているのです。

【2014年6月までのマネーの流れ】
08年9月のリーマン危機以降、5年間の米国の量的緩和($4兆:480兆円)により、増発された米ドルは、産油国と新興国に向かって流れていました。

ドルが海外流出という流れが変化したのが、「2014年6月」です。米国FRBが、テーパリング(量的緩和の順次縮小)を開始して6か月後でした。

【原油と資源価格の下落】
2014年6月から、米国系ヘッジファンドによる、原油・資源・コモデぃティへの投機の減少が始まっています。これは、ドルの米国への還流です。

このため、それまで1バーレル$100を超えていた原油は、中国の輸入減少と、米国シェールオイル増産と重なって、まず2015年1月の$47に下がり、2015年は$59(6月)にリバウンドしながらも、直近では、象徴的な$30を割る$29に暴落したのです(15年1月)。

原油と同時に国際的に取引されている資源・コモデティ(CRB 28品目)も、2014年平均の288から、2015年12月は176へと、39%下落しています(1967年が100)。

原油・資源・コモディティの下落は、エネルギー、資源、穀物を輸出する中東と新興国にとっては、輸出収入の激減を示します。
400万円で輸出できていた車が200万円に下がったら、日本経済はどうなるかを考えれば、新興国の経済の苦境がわかるでしょう。

ヘッジファンドは、世界の原油・資源・コモディティ市場に先物買いで投機していました。米国FRBのテーパリングの進行とともに、これを引き揚げたのです。

原油が$100を超えていたころ、価格の$40〜$50分は、実物の受給要因(中国と新興国の輸入増加)からではなく、ヘッジファンドの先物投機のよるものといわれていました。

それが2014年7月以降、世界のマネーのドル回帰(具体的には、ドル国債を買うこと)によってはがれました。

原因は、3回の量的緩和でのドル増発が、毎月$100億(1.2兆円)のテーパリング(順次縮小)で縮小したからです。

このテーパリングは2014年1月に始まって、2014年10月に完了しました。(注)テーパー(taper)は、先細りの管をいう。

そして、2015年12月にはFRBが利上げをしたため、ドルの米国国債への回帰の流れは一層強まりました。ドルが米国に引き揚げる流れの中で、新興国と中国株が売られて下がり、まず米国株へ、次に日本株・欧州株と波及したのです。

なお、売られた株とちょうど逆に、円国債は海外からも買われたため、2015年12月の$1=121円は、直近では117.45円に上がっています。世界的には、株(リスク資産)から、国債へという動きです(リスクオフとも言う)。

金利は、4年債まではユーロと同様にマイナスに下がり(国債価格は上がって)、短期の円国債は額面より高く買われています。額面100万円の短期国債が100万5000円で買われることです。

10年債も0.206%という、これ以下は想定できない低い金利です(16年1月18日:財務省)。

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負債性通貨の信用の根源は、政府の財政の信用です。
負債性ではない通貨は、金(ゴールド)です。

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<Vol.348:ドルと原油と中国と(1)>
   2016年1月19日:無料版

【目次】

1.世界の外為市場とドル・インデックス
2.13年間のドル・インデックスの変化は、3区分できる
3.21世紀は、機関投資家の運用マネーの巨大化だった
4.中国株の下落の前段は、2015年の、民間の大きな元売り・ドル買いだった

【後記】

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■1.世界の外為市場とドル・インデックス

ドル・インデックスという通貨指数があります。

貿易額の加重平均で、ドルと世界の通貨の関係を見るものです。
「ドル/円」だけのレートでは見えないマネーの流れが分かります。

http://www.fxstreet.jp/charts/usdollar-index/
(期間の区切りを毎月にすると、2003年から2016年1月までの、13年間のドル指数を表示できます)

▼外為市場での通貨の売買は、1日に744兆円相当と巨大

世界の外為市場では、日々、世界の通貨が売買されています。この売買額がすごい。2013年で、1日に$6.2兆(744兆円相当)です。

1日は、1年の誤記ではありません。構成は、米ドルの売買が43%、ユーロが17%、円が11.5%、英ポンドが5.9%、オーストラリアドルが4.3%、スイスフランが2.6%・・・です。

ある通貨が高くなるときは、その通貨の買いが多い。安くなるときは売りが多い。

ドル・インデックスが上がるときは、市場の勢いは〔ドル買い/他の通貨売り〕になっています。このためドル相場が上がる。その分、米国にマネーが集まっています。

ドル高のときは米ドルにマネーが集まり、円高のときはマネーが円に集まっていることです。元安のときは、世界で元が売られてドルが買われていることです。

中国内では、元を売って外貨を買うことは、制限されています。
しかし、香港を含む海外市場では、ほぼ自由に元の売買ができます。

◎後述しますが、中国の外貨準備は、2015年後半には、月間$1000億(12兆円)平均で売られています。世界の民間市場では、中国からマネーが逃げる「元売り/ドル買い」が多い。

放置すれば、売られた元が暴落するため、人民銀行が手持ちの外貨準備(60%は米ドル)を売って元を買い戻し、元の暴落をくい止めているのです。

このため中国政府が管理している外貨準備は、$3.44兆(413兆円)へと、もっとも近い2015年11月では、1か月で$872億(10.5兆円)も減っています。

◎中国の民間の「元売り/ドル買い」の勢いが、世界的な株安を導いた中国株の下落の主因です。

中国の民間が人民元を売って米ドルを買っている理由は、中国経済の不調と、国内の企業収益の悪化を直接に知っているからです。

株価指数の下落は、その国の経済と企業収益の、悪化の結果ではあります。しかし株価の下落はマネー面での相互性があり、経済と企業収益を悪化させる要因にもなります。株価が下がると、企業の増資による資本調達のコストが上がるからです。

世界の外為市場での通貨の騰落から、どの国にマネーが集まっているかを知ることができます。マネーの動きが、原油と資源価格、そして株価、及び債券(国債と社債)の金利を決めているのです。

■2.13年間のドル・インデックスの変化は、3区分できる

2003年からの13年間のドル指数は、マネーの流れの面から、3区分ができます。

▼(1)2006年から2008年末

【米国が、08年9月の金融危機に向かう時期】
この時期は米国の住宅価格がピークをつけ(2006年)、下落に向かい、2007年からの「サブプライムローン危機」に至ったときでした。世界の外為市場で、「ドル売り/海外の通貨買い」が強くなっていたときです。

この売りにより、2006年に90だったドル指数は、72にまで20%下がったのです。ユ─ロ、円、人民元にとっては、自国通貨の上昇の時期でした。
http://www.fxstreet.jp/charts/usdollar-index/

【ドル下落と逆に、原油・資源・コモディティは高騰】
ヘッジファンドは、原油・資源・コモディティの先物を買い進んでいます。2003年には220だったCRB指数(28種)は、06年には360に上がり、07年に向かっては300に下げたものの、リーマン危機直前には460の最高価格をつけたのです(2008年7月)。

このCRB指数の高騰は、日米欧から、資源国と新興国にマネーが移動することを示します。

CRB指数は、米国の商品先物取引所の、原油・資源・コモディティ28種の、加重平均の価格指数です。国際的な貿易財の価格です。

http://blogs.yahoo.co.jp/yada7215/GALLERY/show_image_v2.html?id=http%3A%2F%2Fblogs.c.yimg.jp%2Fres%2Fblog-30-eb%2Fyada7215%2Ffolder%2F1771097%2F83%2F61249383%2Fimg_0%3F1280494440&i=1

▼(2)2008年から2014年は、リーマン危機後の量的緩和

【2008年9月、米国の金融危機、通貨危機、経済危機】
2008年9月は、米国発の金融危機、通貨危機、経済危機でもあるリーマン危機です。

米国FRBは、この金融危機の対策として、資金不足に陥った金融機関から国債を買い、ドル増刷して供給しています。

【$4兆の量的緩和】
FRBによって、2013年末までに3回の量的緩和が実行され、合計額では、$4兆(480兆円)の米ドルが、増発されました。
この量的緩和で、米ドルの短期金利も、0%に誘導されています。

2008年から2014年6月までのドル指数は、72〜88の範囲(22%)を激しく動いています。
http://www.fxstreet.jp/charts/usdollar-index/

【ドル売りとドル買いが拮抗していた時期】
FRBが供給したドルが、新興国に投資や投機として流出すると同時に(=ドル売り/海外の通貨買い)、海外からは米国は金融危機を脱したとしてドルを買う動きがあり、両者が拮抗していたのです。

▼(3)2014年6月〜2016年1月は、ドル引き締めの時期

【2014年1月からのテーパリング】
FRBは、2013年10月に、毎月$850億(10.2兆円)を供給していた量的緩和(QE3)を停止し、2014年1月からは、テーパリング(順次縮小)を開始しています。

毎月、量的緩和を$100億(1.2兆円)縮小し、14年10月にゼロとするものでした。つまり、2014年は、2008年からほぼ毎月10兆円のドルを増やしてきた量的緩和が、ゼロに向かって縮小したのです。

【2014年7月からの、原油価格の暴落】
原油価格は、2014年7月を起点に、1バーレル$105から下落に入り、2015年1月には、$47の底値をつけます。
原因は4つでした。

2015年5月には、$59にまで反発しましたが、その後下落し、2016年1月現在は$29です(51%下落)。28種の資源・コモディティも、原油の下落を追って下がっています(34%下落)。

▼原油価格を下げた4要素

(1)中国と新興国の経済成長が、2014年から目に見えて減速し、原油・資源・食品の需要が減ったこと。

(2)一方、米国ではシェールオイルの開発が進み、サウジアラビア(日産1151万バーレル)を超えて、米国は世界1の産油国になったこと(日産1164万バーレル)。

このため原油需要が減退する中で、原油が200万バーレルくらい供給過剰になっています。

(3)原油の販売で長期的なシェアを失うことを恐れるサウジアラビアは、発掘コストが1バーレル$60〜$30のシェールオイルの生産を赤字にしてつぶすため、OPECに呼びかけながら、「供給>需要」の中で減産をせず、原油価格を下落させる決定をしたこと。

(4)金融面では、原油先物、資源先物に投機していたヘッジファンドが、原油・資源・コモィデティ市場から資金を引き揚げ始めたこと。(ドル国債の買いに回帰しています)。

【レポ金融にとって、0.25%の利上げは大きな利上げになる】
テーパリングや0.25%の利上げは、ドルの減少要素としては小さいと思われるかもしれません。ところが、21世紀の米欧の金融では、そうではないのです。

シャドーバンクとも呼ばれる預金をもたない投資銀行は、以下の「レポ金融」で資金を調達しているからです。(注)JPモルガンチェース、ゴールドマンサックスなど

・1兆円の米国債や債券を担保に入れて、欠け目5%で金利ゼロのマネーを、他の銀行やFRBから借りる(9500億円)。
・借りた9500億円の現金で、国債や債券を買い、それをまた担保に入れて9500億円×95%=9025億円の、ゼロ金利マネーを調達する。
・その9025億円で、また債券を買い、担保に入れて、8573億円を借りる・・・・

以上のレポ金融による借り入れ繰り返すと、最大では、無限等比級数の和になり、〔1兆円÷債券欠け目の5%=20兆円〕の国債や債券を保有することになります。元の保有国債1兆円の20倍です。

買った米国債の平均利回りを1%とすれば、受け取り金利は〔20兆円×1%=2000億円〕 他方で借り入れは短期資金なので、金利がほぼゼロです。

元は1兆円の国債(資産)が、短期金利ゼロのレポ金融によって、年間2000億円もの利益を生むのです。

もちろん20倍のレバレッジはないかもしれない。しかし10倍のレバレッジは普通です。その時の金利は、1000億円です。1兆円の国債(元本資金)が10%もの利益になるのです。

FRBが敷いたゼロ金利と、投資銀行に認められているレポ金融は、金融機関には、巨大利益をもたらしたのです。

◎一方でレポ金融は、0%だった短期金利が利上げで0.25%や0.5%になって、マネーが締ってくると急激に利益が減るものになります。

2014年1月からのFRBによるテーパリング(量的緩和の順次縮小)と、2014年10月での停止は、米ドルの、海外投機資金を大きく減らしています。

このため、2014年7月頃からは、需要面と金融面の両方から、
・$105だった原油価格が$49(2015年1月)、
・そして$29(16年1月)へと、
「逆オイルショック」と言えるくらい下げてきたのです。

なお原油価格と同じように、他の資源コモディティも下落しています。

▼(4)2014年7月から2016年1月までのドル高

◎米国FRBによるテーパリングの開始(14年1月)から6か月後の7月には、米ドル指数は80ポイントから、2015年3月の100に向かい、25%の上昇のトレンドを示すように変わります。

引き締められたドルが、世界から引き揚げると同時に、世界からドルが買われたからです。一般的に言っても、増発がとまった通貨は上がります(ソロスチャート)。

リーマン危機から、72ポイントまで下げていた米ドルが、6年を経て、引き締めに転じて大きく反発したのです。この間の、世界の通貨に対するドル・インデックスの上昇は、25%という大きなものです。

(注)日本では、「ドル/円」でしか見ないので、2014年7月から2015年3月の大きなドル高は見えていません。
http://www.fxstreet.jp/charts/usdollar-index/

世界の通貨に対しドルが上がることは、「ドル買い/海外の通貨売り」が大きかったことを示し、このドル買い(新興国の通貨売り)により米国にマネーが還流したことを示します。

新興国に出ていたドルがその通貨を売って、戻ってきたのです。

米国に戻ったマネーは、株ではなく、米国債を買っています(リスクオフ)。この売りのため、新興国の通貨は軒並み20%〜40%の下落を示しています。1998年のアジア通貨危機の前段階にあるのが、新興国通貨と言っていいでしょう。

主因は、
・量的緩和後の米ドルの引き締めと、
・米ドルの引き締めによる原油・資源・コモディティ価格の下落です。

        2014年1月   2016年1月
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ロシア ルーブル  3.2円   1.5円(-53%)
ブラジルレアル   45円    29円(-36%)
トルコ リラ    49円    40円(-18%)
人民元       17円    18円( +6%)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

▼ドルペッグの人民元

この中で、経済の実勢(GDP成長の減速)からは、下げるべき人民元は下がらず、米ドルに比例し上がっています。

人民元は、米ドルにペッグしていたからです。
(サウジアラビアとUAE(アラブ首長国連邦)もドルペッグ)。

中国政府は、当初は1日に0.3%、現在は2%、「元/ドル」で変動があったとき、介入しています。2%以上の元高の時は元売りを、2%以上ドル高のときはドル売りを行って、「元/ドル」の関係を維持するのです。

(注)2013年は$1=6元でしたが、15年12月末は$1=6.6元と、10%の元安調整が、中国政府よって行われています。

ドルペッグがあったため、2014年7月からドル・インデックスが25%上がると、人民元も15%は上がっていたのです。世界の通貨に対する15%元高が、2015年に、中国政府が「元安誘導」を行う背景になっています。

そして、この元安誘導が、民間の元売りを生むことになり、年初からの中国株下落になって行きます(後述)。

■3.21世紀は、機関投資家の運用マネーの巨大化だった

21世紀の金融の大きな特徴は、機関投資家の運用マネーの巨大化です。世界のGDP(7500兆円)の、1.4倍にも膨らんでいるのです(2014年時点:ムーディーズ)

【世界の機関投資家と基金】
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
・世界の年金基金 $35兆(4200兆円)
・投資信託    $32兆(3840兆円)
・政府の外貨準備 $12兆(1440兆円)
・国家ファンド   $8兆( 960兆円)
・ヘッジファンド $2.5兆( 300兆円)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
機関投資家合計 89.5兆(1京740兆円)

年金基金、投資信託、外貨準備、産油国に多い国家ファンド(SWF)、及びヘッジファンドは、21世紀になって、ベビーブーマーの年金と貯蓄のため、巨大化してきました。

この運用マネーの巨大化が示すことは、「運用が巨大化すると、わずかな金利変化で大きく動く」ようになることです。

投資元本が大きいと、0.25%や0.5%の金利の違いが、利益の絶対値を大きく左右するからです。(注)レポ金融で投入されている資金も、わずかな金利の上昇で、大きく減ります。

ノルウェーや、中東の産油国に多いSWF(国家ファンド)は、2014年7月以来の原油価格の下落で、運用の元本を減らしています。このSWFの運用資金の減少が、世界の株価下落の原因にもなっているのです。

油田は国有が多く、原油の輸出は、政府の収入になっています。中東の産油国では、法人税はあっても、所得税や住民税がなく、政府収入は、原油の輸出代金です。

原油が$100から$30台に下がると、政府の収入も1/3に減って、国家ファンドを取り崩して使うからです。ノルウェーも産油国です。

原油価格の下落は、資源を輸入する先進国にとっては仕入が減って利益を増やし、株価を上げる要素になります。しかし2014年からのような大きく深い下落では、産油国のSWF(国家ファンド)が減少して、株を売るため、先進国の株価の下落要素になっています。

【産油国の売り】
日経平均が1万7000円を割った時(16年1月18日)には、
・産油国のSWF(国家ファンド)と、
・投資銀行からの預託資金を運用するヘッジファンドからの売りが出ています。

【海外投資家の売買が60〜70%】
わが国の株式市場の売買は、以下の構造です。
・海外投資家の売買  60〜70%
・個人投資家の売買  20%
・国内金融機関の売買 10〜20%

この構造が意味するのは、わが国の株式市場は、海外投資家(主は、上表の機関投資家)が買い超にならない限り、上がらないことです。海外投資家とは、上表の米欧の年金基金、投資信託、産油国の国家ファンド、及びヘッジファンドです。

【2013年の株価上昇(6000円)は、外人の買い越しによる】
事実、日経平均が1万円から1万6000円に上がった2013年には、外国人投資家が「15.1兆円」の買い越しをしています。

2013年は、アベノミクスに呼応して株価が上がる中で、
・国内の個人と金融機関がリーマン危機後の株価下落の損失を回復するための売り超を続けるなか、
・外国人(機関投資家)は日本政府の誘導に応じて15.1兆円の買い越しを行ったのです。

政府は、その資金を、ドル国債買いによって与えていました。

【2014年の株価上昇(3000円)は、官製相場】
次の、2014年の1万6000円(年初)から、同年末の1万9000円までの3000円の上昇は、政府の誘導による年金基金(GPIF)、公務員共済年金、ゆうちょ銀行、かんぽ、日銀(5頭のクジラ)による株価指数の買いでした。

◎世界の市場でも、機関投資家の買いが増えない限り、米国、欧州の株価が上昇することはありません。ところが、2016年は機関投資家の運用マネーは増えないのです。

■4.中国株の下落の前段は、2015年の、民間の大きな元売り・ドル買いだった

2016年の年初から、世界の株価下落に波及した中国株の下落には、伏線がありました。

【民間による大きな元売り】
◎2015月には、中国人が、自分の金融資産の人民元を、香港を含む海外市場で大量に売っていたのです。

政府が、人民元安に誘導するにちがいないという見通しがあったからです。しかし、それよりも大きな理由は、中国のGDPの低下と上場企業の利益の減少及び赤字化でしょう。

上場している国営企業の利益は、中国のGDP統計と同じように、あるいはそれ以上に、疑わしい。2014年7月からはドルと一緒に上がってきた人民元は、その実力が過剰に評価されている。

貿易の黒字が縮小すれば人民元は下がる.高いにうちに元の金融資産を、米ドルに換えておこうという大挙した動きです。

これは、中国以外のオフショアでの、人民元売りの動きになります。もちろん、公式の統計はありません。元の外為取引額は、明らかではないのです。

【政府の$5600億(67兆円)の、ドル売り/元買いからの推理】
データのあるものか、論理的に推理測するしかない。

中国の外貨準備は、2014年6月には、$4兆(480兆円相当)に膨らんでいました。企業が貿易黒字から得たドルを、まず銀行が買い、銀行のドルを、人民銀行が元で買って蓄めてきたものです。

30年間貿易黒字の、日本の外貨準備(世界で2位)が$1.2兆(144兆円)です。その3.3倍という大きなものです。

◎この巨大な外貨準備が、2015年11月には、$3.44兆(412兆円)に減っています(ロイター)。14年6月の$4兆に比べると、$5600億(67兆円)も減ったのです。
http://jp.reuters.com/article/china-cenbank-reserves-idJPKBN0TQ0SU20151207

このドル資産の減少は、人民銀行が、「ドル売り/元買い」を5600億(67兆円)行ったことを示します。

こんなに巨額のドル売り/元買いを行えば、元は、30%や40%は高騰します。世界市場でのドルも、売られて下がります。しかし2014年憩以降、ドルに対して元は上がっていません。むしろ、10%下がったのです。

以上は何を意味するか? 中国の民間が、「50〜60兆円」相当の、「元売り/ドル買い」を行ってきたということです。

つまり2015年には、中国の民間で、巨大な「元からの脱走(マネーエクソダス)」が起こっていたのです。この元が売られたのは「中国内で」ではなく、香港と海外のオフショア市場でしょう。

民間の巨大な元売りを放置すれば、人民元の暴落(50%以上)が起こっていたでしょう。このため、民間の元売りに対抗し、政府が外貨準備を$5600億(67兆円)も取り崩して、「元買い/ドル売り」を行ったのです。

とんでもない額の元の攻防が、メディアに知られることなく、行われていたことになります。

そして2016年には、中国の民間は、今度は、危険な中国株を売って下げます。それが、米国と日本、及び欧州に波及したのでしょう。

そろそろ、1回分の文字数に達しました。ここで送ります。次号に続けます。

【後記】
既発の有料版の目次です。2号分を載せます。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
<796号:世界は量的緩和をいつまで続けるのか(1)>
      2015年11月4日

【目次】

1.世界のOTCデリバティブ
2.先物、スワップ、CDSの端的な説明
3.OTCデリバティブの80%を占める金利スワップ
4.デリバティブで、金融のリスクが減ったのではない。リスクを、ウォール街の取引相手(カウンター・パーティ)に移転させただけである
5.CDS(債権の回収保険)は、不良債権を正常債権に変える
6.FRBは、巨大化しているデリバティブを知った上で、出口政策をフォワード・ガイダンスし続けているのか。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

<797号:失敗した異次元緩和が向かう決着点(1)>
      2015年11月11日
【目次】

1.日本経済における需要は、弱くなっている
2.日本経済は、何から脱却せねばならないのか
3.GDP成長率が、潜在成長力に近い日本で、なぜ、インフレ率の低さが問題になるのか?
5.流動性の罠(わな)からの脱出
6.インフレの実現のためには何をするべきか?
7.日本の潜在成長力の低さの原因は、人口問題だった
8.急激な財政拡張策は、日本の政策にはならないだろう
9.日本に必要なインフレ率は、2%よりはるかに高い(4〜6%)

【後記:財政破産】


2. 2016年1月20日 13:01:16 : nJF6kGWndY : n7GottskVWw[357]

>>01 VIXの37%は、1年後の日経平均が、〔1万6887円±1万6887×37%

ロジックとして間違っているわけではないが、

これまでの短期での大幅な下落がVIXを上昇させていることだから

1年程度の中期的な予測には使えない

歴史的に、30超のVIXが続く確率は、ほとんどないから

現時点の価格が均衡価格であるとすれば、より小さな上下動しかない

つまり将来予測にはVIXはあまり有用ではなく、逆に、経験則としては

VIXがピークをつけた後は、上昇する確率の方が遥かに高い


ただし、それも中期的な経験則であって、トレンドとして、世界経済が縮小均衡に向かう可能性も当然、否定はできない


ま、陰謀論者の妄想とは違い、現実には、栄華を誇ったグローバル企業や、超資産家も、破産することもあるし

エスタブリッシュメントの家系が没落し、超長期的には覇権国家も衰退する

つまり未来を完全に見通して、世界を支配することなど、無理ということだ


3. 2016年1月20日 13:47:10 : EAkIk2fULU : JJK78ODjYnY[95]
いつもの工作員、ウケたw

それこそ陰謀論者がいつも言ってたことw 現実になってしまったなw


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