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巨大滑り、なぜ浅い部分で:東日本大震災5年、プレート観測 固着域、ひずみ蓄積/水が膨張、潤滑油に
http://www.asyura2.com/15/jisin21/msg/301.html
投稿者 あっしら 日時 2016 年 3 月 11 日 01:30:31: Mo7ApAlflbQ6s gqCCwYK1guc
 


巨大滑り、なぜ浅い部分で
東日本大震災5年、プレート観測 固着域、ひずみ蓄積/水が膨張、潤滑油に

 東日本大震災で東日本沿岸に未曽有の大津波をもたらした大きな要因は、巨大な岩板(プレート)が、海底直下の浅いところで大きく滑ったことだった。それまで海底の深いところで起きると考えられていたプレートの滑りが、予想外に浅いところで起きたのはどうしてか。震災5年の節目を控え、その要因を探る新たな観測が動き出した。

 東北大学と海洋研究開発機構などの共同チームは昨年9月、宮城県沖約200キロメートル付近で、日本海溝を挟む2つのプレートにそれぞれ観測装置を設置した。プレートが地震を起こさずにゆっくり動く「スロースリップ」を観測するのが目的だ。

 装置の間隔は約10キロメートル。海中に音波を出して通信し、互いの距離を精密に測定する。スロースリップによってプレートが動くと距離が変わり、滑り方を継続的に追跡できる。今年9月には、福島県沖にも設置する。

 東北大学の日野亮太教授は「スロースリップの解明は、震災の起きた仕組みの理解につながる」と指摘する。震災は、スロースリップと地震が連続して起きた。まず長期間スロースリップが起き、3月9日にマグニチュード(M)7.3の地震が発生。その後「余効滑り」と呼ばれるスロースリップが続き、11日にM9の本震に襲われた。現在も続く本震の余効滑りを観測し、その特徴を探ろうとしている。

 東日本の太平洋の海底では、海側の太平洋プレートが日本海溝のところで陸側の北米プレートの下に潜り込み、西に向かって進んでいる。海底深くに2つのプレートがくっついた固着域があり、プレートの移動によってそこにひずみがたまる。耐えきれなくなると一気に滑って地震が起きる。これが従来考えられていたメカニズムだ。

 実際、宮城県沖では約30年ごとに深いところを震源とするM7級の地震が起きている。地震で解消しきれないひずみは、スロースリップで解消されると思われていた。

 今回の震災は、こうした想定を覆した。日本海溝のほぼ直下、海底に近い浅い部分が約50メートルも滑ったことがわかっている。過去のM9級の地震では、浅い部分に大きな滑りはみられなかった。

 本震の震源は約20キロメートルの深さにあった。なぜ、それよりも浅いところが大きく滑ったのか。複数の要因が浮上している。

 一つは、この海域に周期的に巨大地震を起こす固着域があるという考えだ。400〜700年間隔で同規模の地震が起きていることが、津波による堆積物や文献などから推定されている。地震波の計測などから、プレートの破壊が始まった場所には幅数十キロメートルの固着域があったとみられる。

 この固着域にピン留めされて浅い部分が長年スロースリップを起こせず、ひずみを蓄積。震災で固着域が壊れたとき一緒に動いたため、大きな滑りになったとの見方だ。

 もう一つは、プレート間の摩擦が震災時に急減少した可能性だ。摩擦の特性は場所によって違い、プレートが動くと滑りやすくなることも逆にブレーキがかかることもある。同じ場所でも過去の地震の履歴によって特性が変わることが、最近の研究でわかってきた。

 大きく滑った部分を海底掘削船で掘削すると、プレート境界近くに粘土層があった。プレートが動くと摩擦熱が生じ、水が加熱され膨張する。この水が粘土層にとじ込められ、プレートの潤滑油として働いたとみられる。掘削孔で地中の温度を測定したところ、わずかに上昇していた。地震のときはセ氏数百度に達していたもようだ。

 東北大の松沢暢教授は「さまざまな仮説があるが対立するものではない。今はすべての可能性を排除せずに考えるべきだ」と話している。

[日経新聞3月7日朝刊P.13]

 

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コメント
 
1. あっしら[640] gqCCwYK1guc 2016年3月11日 01:34:16 : wwdIQRBU3Q : mDj7Az8uxXE[8]

「想定、頼りすぎは禁物」 地震調査委員会委員長の本蔵氏

 東日本大震災は、日本の地震対策に根本的な見直しを迫ることになった。震災から5年たち、地震の想定と対策はどう変わったか。政府の地震調査委員会の本蔵義守委員長に聞いた。

 ――東日本大震災とはどんな地震だったのか。

 「南北600キロメートルの震源を持つ巨大地震で、(大津波の原因となった)プレートの滑り量が、多いところで50メートルになった。ここまで地震エネルギーが蓄積されていたのは想定外だった。調査委が実施している海溝型地震の長期評価予測では想定しなかったタイプの地震が起きてしまった」

 ――その反省はどのように生かされたのか。

 「これまで観測されたことのない地震を『想定外』にしないようにしている。例えば南海トラフ地震については、最大の場合、東南海と南海地域などが連動して動き、全領域のプレートがずれると想定している。これ以外にもいろんなタイプの地震が起こりうることを考慮して長期評価予測をしている」

 ――予測は困難なのか。

 「災害科学の観点から、想定に頼りすぎないことが重要だ。どんな地震が起きても耐えられる社会を構築すべきだ。建物の地震対策を、長周期地震動を含め対応できるようにするなどだ」

 「地震を予測する能力は、台風などほかの災害に比べて弱いことを自覚する必要がある。いずれ予測できるだろうというわれわれ研究者の見通しは甘かった。ただ災害の被害低減に向け、予測能力を高めていくことは重要だと考えている」

[日経新聞3月7日朝刊P.13]


2. 2016年3月11日 12:35:22 : nJF6kGWndY : n7GottskVWw[1015]

>この海域に周期的に巨大地震を起こす固着域がある

海底地形も平坦ではないから、ところどころ大きな海山などがあって、

そこが強固な固着域になって地震規模を大きくするのは当然だろう


ただし一定の周期と言うより、ランダムなものと考えた方がいい

今度のトモグラフィーなどの研究が期待される


>もう一つは、プレート間の摩擦が震災時に急減少した可能性だ。摩擦の特性は場所によって違い、プレートが動くと滑りやすくなることも逆にブレーキがかかることもある。同じ場所でも過去の地震の履歴によって特性が変わる

地質の特性や、形状によってエリアの平均としての静止摩擦係数や動摩擦係数が変わることは当然、想定すべきだ

地質構造の把握にはチキュウなどを使ったボーリング測定も、有効だろう

ただし、こちらは大分コストがかかるw

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%A1%E3%81%8D%E3%82%85%E3%81%86


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