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アングル:マイナス金利の副作用顕在化、代替政策めぐり議論(ロイター)
http://www.asyura2.com/16/hasan105/msg/484.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 2 月 12 日 12:57:00: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

 2月11日、マイナス金利を導入する中央銀行が増加し、金融セクターに取り返しのつかない打撃を与えるのではないかとの懸念が高まってきた。写真は都内の日銀本店前で昨年4月撮影(2016年 ロイター/Yuya Shino)


アングル:マイナス金利の副作用顕在化、代替政策めぐり議論
http://jp.reuters.com/article/global-cenbank-negative-rates-idJPKCN0VL04T
2016年 02月 12日 10:24 JST


[ロンドン 11日 ロイター] - マイナス金利を導入する中央銀行が増加し、金融セクターに取り返しのつかない打撃を与えるのではないかとの懸念が高まってきた。

最近の銀行債や株価の下落を受け、融資促進を目的に銀行に事実上の手数料を課すマイナス金利が根本的な解決策というより新たな問題になっているのではないか、というのが多くの投資家の認識だ。

ラボバンクの金利戦略責任者、リチャード・マクガイア氏は「日銀のマイナス金利決定後に銀行セクターが緊迫化したのは決して偶然の一致ではない」と指摘した。

このため市場関係者の間では、もっと思い切った代わりの政策手段がないかを探る動きが広がっている。銀行債や銀行株の買い入れなどのほか、現金への課税まで提唱する向きもある。

日銀が先月初めてマイナス金利を導入し、スウェーデン中銀は11日の会合で政策金利のマイナス幅を拡大した。欧州中央銀行(ECB)も3月の次回理事会で現行マイナス0.3%の中銀預金金利のマイナス幅をさらに10─20ベーシスポイント(bp)広げる見通しだ。

世界的な景気後退(グローバルリセッション)を話題にする一部のエコノミストからは、昨年12月に利上げした米連邦準備理事会(FRB)でさえ、マイナス金利を採用する事態を検討している。

今週の株安は、ずっと前から知られていたマイナス金利の副作用にあらためて注目を集める結果になった。欧州の銀行株は数年来の安値に沈み、銀行の劣後債のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)プレミアムは年初来で80%強上昇している。

マイナス金利下では、銀行は中銀に預けているお金について手数料を徴収される。しかしそのコストを預金者に転嫁しようとすれば、預金が引き出され、銀行のバランスシートに大穴があくので、コスト転嫁は難しい。

<代替策>

中銀は、銀行の痛みを和らげるためにマイナス金利の適用範囲を限定することができる。日銀は実際に当座預金金利に階層構造を設けており、ECBも同様の措置を検討しているとされる。

もっともECBは景気テコ入れという効果が薄れるようなそうした中銀預金金利の修正は実行しそうにない。ただし欧州の銀行セクターがマイナス金利の副作用にさらされている以上、代替策の模索は続いている。

ECBの政策担当者は過去に、銀行債や社債、あるいはよりリスクの高い資産担保証券(ABS)を買い入れプログラムの対象に含める案を検討した。プラート専務理事は、理論的には現物株や金の買い入れもできると発言した。

これらの措置は、ECBがユーロ圏のすべての加盟国で政策を実施する点を考えれば現実的には困難だが、まったく不可能でもない。1年か2年前までは、国債買い入れやマイナス金利などは政策の「邪道」とみなされていたのだ。

前例という面では、1990年代後半のアジア金融危機において、香港の中銀が上場株の20%前後を買い取ったケースがある。また日銀は最近、上場投資信託(ETF)の買い入れを増額した。

<マイナス金利拡大予想>

マイナス金利が拡大し、銀行が支払う手数料が増えていけば、どこかの時点で銀行は現金保有に切り替え、厳重に警備された金庫にそれらの現金を退蔵すると考えられる。

現金は金利を生まず警備コストもかかる。それでも多額の手数料を払うより安いからだ。そこで学界の一部では昨年、現金への課税も論じられたが、それは銀行セクターの緊張を増幅させるだけに終わるだろう。

そして市場でマイナス金利の副作用が懸念されているにもかかわらず、中銀当局にとっては少なくとも当面、マイナス金利が政策手段の1つであり続けるように見える。

JPモルガンは今週、ECBは年央までに中銀預金金利をマイナス0.7%まで引き下げ、理論的には長期的にマイナス4.5%まで下げられるとの見方を示した。

FRBはマイナス1.3%、イングランド銀行(英中央銀行、BOE)はマイナス2.5%、日銀はマイナス3.45%までの引き下げが可能だという。

(John Geddie、Marc Jones記者)

 

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コメント
 
1. 2016年2月12日 13:36:15 : nJF6kGWndY : n7GottskVWw[681]

>マイナス金利を導入する中央銀行が増加し、金融セクターに取り返しのつかない打撃を与えるのではないかとの懸念

懸念ではないよ

リスクをとらない単なる金持ちや、金融業が高利で搾取できる時代は終わるということだ

年金や生保も含め、ビジネスモデルを変えなければ淘汰される

その代わり、産業の生産性が高く、勤勉で自立的な民度の高い国では、高度な社会保障も実現できるようになる



2. 2016年2月12日 19:22:41 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[257]
 

Business | 2016年 02月 12日 11:36 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
各国中銀がマイナス金利を導入する可能性=JPモルガン

[ロンドン 12日 ロイター] - JPモルガンのエコノミストは、世界的にマイナス金利が導入される可能性があるとの見解を示した。

債券買い入れの拡大やフォワードガイダンスによる効果が限定的とし、米連邦準備理事会(FRB)やイングランド銀行(英中銀)でさえ、マイナス金利政策の採用を迫られる可能性があると指摘。金利の下限は多くが想定するよりもかなり低いと結論づけている。

JPモルガンのマルコム・バー、ブルース・カスマン、デービッド・マッキー各氏のリポートによると、FRBは基本的にマイナス1.3%まで、英国はマイナス2.5%、ユーロ圏はマイナス4.5%、日本はマイナス3.45%まで引き下げることができるという。

マイナス金利の状況では、中銀預金金利の最低水準が実質的に市場にとっての既定の参考水準になるとし、「われわれの分析では、これらのスキームの利用で、銀行の収益性を過度に圧迫することなくかなり低い政策金利を設定することが可能なことを示している」と述べた。

バー氏は「マイナス金利政策の国内市場への影響が不透明で微妙な問題のため、各国中銀は慎重に進める可能性が高い」とした上で、米国のリセッション(景気後退)リスクが現実となれば、FRBでさえ検討するだろう、との見解を示した。

http://jp.reuters.com/article/global-cenbanks-idJPKCN0VL07L



Business | 2016年 02月 12日 16:47 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
市場のリスク回避「過度」、マイナス金利は所期効果発揮=日銀総裁

[東京 12日 ロイター] - 黒田東彦日銀総裁は12日の衆院財務金融委員会で、足元の市場で株安・円高が急速に進行していることについて「過度なリスク回避」との認識を示し、市場変動による経済や物価への影響を「しっかり注視する」と語った。

1月29日に決定したマイナス金利付き量的・質的金融緩和(QQE)は所期の効果を発揮しているとし、2%の物価安定目標の実現に必要なら、量・質・金利の3つの次元で追加緩和を行う方針をあらためて示した。

総裁は、急速に不安定化している最近の金融市場について、これまでの原油価格の下落や新興国経済の不透明感に加え、米利上げ動向や欧州の銀行問題などが焦点になっていると語った。

最近の急激な市場変動は、投資家の「過度なリスク回避」との見方を示し、それによる日本の経済・物価への影響を「しっかり注視」していくと指摘。為替相場は経済のファンダメンタルズを反映し、安定して推移することが望ましいとの認識を示した。

マイナス金利の効果については、直接的な狙いであるイールドカーブ全体の低下が実現しており、「所期の効果が表れている」と評価。実質金利の低下によって消費や投資が刺激されると説明した。

また、マイナス金利導入に伴って当座預金残高を3階層に区分したことで、日銀による資金供給で当座預金残高が増加しても、マイナス金利が適用される部分は限界的と指摘。金融機関収益に配慮した仕組みにしたと理解を求めた。

もっとも、イールドカーブ低下による利ざや縮小で、マイナス金利に限らず金融緩和は「金融機関の収益にマイナスのインパクトがある」と指摘。今後の金融機関の収益動向を十分注視するとし、早期のデフレ脱却と物価2%の実現で利ざやが拡大することで、金融機関収益の改善につながると語った。

ただ、物価2%実現は「まだ道半ば」とし、引き続き大規模な金融緩和を継続する方針を表明。物価目標の早期達成に必要と判断した場合は、量・質・金利の3つの次元でちゅうちょなく追加緩和を含めて政策対応していく方針を示した。

QQE導入以降の2度の追加緩和について「戦力の逐次投入とは思っていない」と断言。戦力の逐次投入は「その時点で必要なだけの金融緩和なり引き締め」をせずに、同じ環境で政策対応を繰り返すこととの認識を示した。

(伊藤純夫)
http://jp.reuters.com/article/kuroda-qqe-idJPKCN0VL0JH

FX Forum | 2016年 02月 12日 18:14 JST 関連トピックス: トップニュース
コラム:黒田日銀が導く「1億総ディーラー化」=斉藤洋二氏

ネクスト経済研究所代表
[東京 12日] - 2016年が始まってから、ふた月にもならないが、円相場の乱高下が続いている。相場が動くことが飯の種である為替ディーラーには当たり年のようなものだが、経済成長とともに市場安定を目指す政策当局そして一般の個人・企業には迷惑な局面が続くことになりそうだ。

このような乱高下の背景には、1)世界の金融・経済情勢の不透明感、2)為替需給の変化、3)黒田東彦日銀総裁が率いる「クロダノミクス」への信認の揺らぎなどがあり、過去3年余り続いたほぼ一直線のドル高・円安が曲がり角に来たと言えよう。

第1点の金融・経済情勢については、これまで世界経済をけん引してきた米国経済への不安が台頭してきたことや中国経済の不確実性増大など懸念が深まっていることがある。

また第2点として、原油安とポートフォリオリバランス効果の一巡が挙げられる。実際、財務省が発表した15年の国際収支速報を見ても経常収支黒字が16.6兆円と前年から14兆円も増加したように、為替需給の緩みは大きい。さらに、ドル買い介入に代わる手段として政府が活用してきた年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の外国株・債券そして日本株などリスク性資産への投資比率の引き上げも進み、すでに円売り・株買いが峠を越えて需給に余剰感が生まれたことは大きな環境変化だったと言えよう。

そして第3点として、これまで相場をけん引してきたクロダノミクスの限界が露呈してきたことが挙げられる。そもそもアベノミクスは、目玉である成長戦略の成果が乏しい一方で司令塔役だった甘利明経済再生担当相(当時)の辞任に象徴されるように、今や色あせてしまった。その中で金融政策面からサポートし唯一機能してきたクロダノミクスも、1月29日のマイナス金利導入でサプライズが3度目となると、その効果の減衰は否めない。

クロダノミクスの限界を指摘する声が高まり、株安・円高基調への転換を予測する向きが増える今、アベノミクスを孤軍奮闘して担う黒田日銀は、果たして賃金上昇や設備投資増加につながる好循環を生み出し、株高・円安の流れを再演出すことができるのだろうか。

<マイナス金利は「モラルハザード」を生むか>

2013年3月に就任してほぼ3年、黒田日銀総裁はデフレ脱却を目指して量的・質的金融緩和策を打ち出し、株高・円安を演出してきた。その過程で、日銀は金融機関が保有する長期国債を市場が干上がるほどに買い上げてきたが、17年央に訪れるとされる量的限界が迫りつつある。

一方、その効果と言えば、マネーは当初狙ったように個人・企業に回らず、金融機関が保有する日銀当座預金に積み上がるばかりで、当初2年でインフレ2%達成との目標も今やその実現時期が17年度前半ごろに先送りされ、4年はかかる見込みとなっている。したがって、18年4月までの総裁任期中に出口戦略に手を付けることはできそうにない。

このような状況においてマイナス金利が導入され、伝統的手法として金利操作を再び行うこととなったが、肝心の効果、特に金融機関が融資にその資金を回し経済活性化に資するかについては疑問が拭えない。実際、預貸率が70%程度にとどまる金融機関経営への負の影響は否めず、金融仲介機能が不全に陥る可能性など実体経済面への副作用の懸念が膨らむ。

また、国債を発行すれば国も利息を稼ぎ、借りれば個人も利息をもらえる住宅ローン商品すら登場したデンマークのような、マイナス金利で先行する国々に追随する日が近づく。つまり、メソポタミアの時代から続いてきた借金をすれば利息を払うといった金融常識が覆ったことにより、官も民も財政規律を忘れ、モラルハザードを起こす恐れが高まっている。

しかし、黒田総裁は、マイナス金利導入決定後の2月3日の講演で「追加緩和の手段に限りはない」「必要な場合、さらに金利の引き下げを行う」などと語り、マイナス金利を拡大する可能性を示唆している。とすれば、マイナス金利の異常事態は一過性とならず、今後、2%の物価目標実現のために「できることは何でもやる」という黒田総裁の強い意思が時間をかけて市場に浸透していくのではないだろうか。

<サプライズ効果の減衰は必然>

もともと中央銀行と市場との関係については、「サプライズ」により市場を付き従わせる方法と、市場との対話を続けることによりしかるべきポイントへと収斂(しゅうれん)させていく「コミュニケーション」の二方法があった。

かつて首相による国会解散と中央銀行総裁による公定歩合の変更は嘘が許容されるとされ、その発動するタイミングについてはアナウンスメント効果が狙われてきた。したがって、その発動に市場が驚き、時には過剰反応する傾向があったが、このような問題点も踏まえ最近では米連邦準備理事会(FRB)も欧州中央銀行(ECB)も市場との対話をより重視し、コンセンサス作りを図っている。

一方、黒田総裁はこれまで緩和策発動に際して「2」や「3」といった特徴的な数字を駆使することにより市場にインパクトを与え、特に過去2回は10円幅の事実上の円安効果を与えてきた。しかし、劇薬の効果が使用回数とともに減少するように、黒田マジックは今回、3日ともたなかった。しかも、海外発のリスクオフの流れもあって、一時1ドル=110円と14年10月以来の円高ドル安水準に引き戻されてしまった。

やはり中央銀行に期待をあおる奇策は似合わず、今後は中長期的に様々な波及経路を通じて実体経済への実質的効果が発揮されるのか注目されるところだ。クロダノミクスの真価が問われる正念場が到来したということだろう。

<陰極まれば陽に転ずる、「逆張りも上策」の可能性>

クロダノミクスの効果が今のところ限定的で、マイナス金利のデメリットを指摘する声が強いことは上述の通りである。とはいえ、果たしてバズーカ第3弾に中長期的な効果は期待できず、国際金融市場の潮流に飲み込まれて今後円高に歯止めをかけることはできないと断定してしまってよいのだろうか。

実際、黒田日銀はマイナス金利について下限はないとしており、また追加緩和が今後2度3度そして水準的には2%程度も下げることが可能とされている状況を考えれば、黒田マジックを軽視して円買いへと突き進むのは危険だろう。

現在の円高地合いが為替需給の変化は別として、地政学リスク懸念などに基づく円需要の高まりが主要因であるとすれば、それは短期的なマネーの動きに過ぎないのではないだろうか。円急騰場面では市場に恐怖心が広がり、購買力平価説でよく引き合いに出される100円水準が頭の隅をよぎることは否定できない。

とはいえ、3年ほどかけて一時45円も進んだ円安そして同じく一時1万2000円も上昇した株価が瞬時にそのすべてを失うこともないだろう。当面は110円から120円を中心とした往来相場ではないだろうか。

現在、原油は1バレル30ドル前後と底値水準に張り付き、野も山も皆弱気となっている。しかし、相場格言に言うように、陰極まれば陽に転ずるものだ。ここは相場の自律反転を見込んで逆張りに出るのは上策ではないだろうか。

いずれにせよ、マイナス金利まで踏み込んだ黒田日銀のあの手この手で、マネーが預金から金融市場へと押し出されるようなことになれば、より多くの国民が市場リスクにさらされ、「1億総ディーラー化」が進むのかもしれない。

*斉藤洋二氏は、ネクスト経済研究所代表。1974年、一橋大学経済学部卒業後、東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行。為替業務に従事。88年、日本生命保険に入社し、為替・債券・株式など国内・国際投資を担当、フランス現地法人社長に。対外的には、公益財団法人国際金融情報センターで経済調査・ODA業務に従事し、財務省関税・外国為替等審議会委員を歴任。2011年10月より現職。近著に「日本経済の非合理な予測 学者の予想はなぜ外れるのか」(ATパブリケーション刊)。

*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。(こちら)
http://jp.reuters.com/article/column-forexforum-yoji-saito-idJPKCN0VL0BM


Column | 2016年 02月 12日 17:59 JST 関連トピックス: トップニュース
コラム:荒れる市場、逆境に立つアベノミクス

Peter Thal Larsen

[香港 12日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 荒れる市場が、アベノミクスに最も厳しいストレステストを仕掛けている。安倍晋三首相の3年にわたるデフレ根絶キャンペーンは、最も顕著な成果が円安と株高だった。

しかし、世界的な市場下落、加えて日銀のサプライズではあったが、効果がみられないマイナス金利導入で、逆の状況になった。

最近まで、市場心理は、アベノミクスの最も効果的な武器だった。円相場下落で、日銀は輸出拡大に寄与し、さらには賃上げの動きにもつながった。こうした中、政策責任者らは、株高が、リスクをとることに慎重な日本の投資家をより大胆にすることを期待した。

しかしいまや、こうした武器が直面する状況は様変わりした。世界的な質への逃避の動きで、円が上昇、株は下落。資金フローの変化を狙った日銀のマイナス金利導入も裏目に出た。マイナス金利が発表されて2週間で、円の対ドル相場は7%上昇、東京株式市場の日経平均は15%以上下げた。

もし投資家が、借り入れコストがマイナスということを恐れているならば、過剰反応というものだ。日銀が新たに打ち出した政策は、銀行が中銀に大規模な準備金を置いておくための負担から守る設計になっている。野村の試算では、マイナス金利が大半の銀行の利益に及ぼす打撃は1─3%程度。にもかかわらず、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306.T)株は20%を超す下落率となっている。

投資家は、自分たちが日銀のデフレと戦うための武器の限界を見てしまった、と考えている、というのが、より適切な説明と言える。日銀は、金利をさらに下げたり、債券買い入れ規模を現行の年80兆円(7140億ドル)からさらに拡大することも可能だ。しかし、市場へのインパクトという点で効果は薄らいだようにみえる。

最近は、安倍政権が財政支出拡大や労働市場改革で進展を図れないことを象徴する失点もみられる。夏の参院選を前に、安倍首相は後退している場合ではない。市場混乱は、安倍首相の経済政策全体を揺るがすリスクをはらんでいる。

●背景となるニュース

・円相場、日本が祝日の11日に海外市場で1ドル=110円台に突入。

・麻生太郎財務相、12日の衆院財務金融委員会で、為替市場の動向を注視し、適切に対応していくとの見解示す。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
http://jp.reuters.com/article/column-abenomics-market-idJPKCN0VL0NV


Business | 2016年 02月 12日 17:49 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
焦点:ドル/円は安値圏で「神経戦」、介入含めた政策対応で思惑交錯

[東京 12日 ロイター] - ドル/円JPY=EBSの下値不安が増している。世界的なリスクオフが広がるなか、センチメントの悪化に歯止めがかからず、110円割れを視野に入れる市場関係者も増えてきた。当局による為替介入など政策対応への警戒感も高まってきているが、底の見えない恐怖感がドル買い/円売りを控えさせており、安値圏での神経戦となっている。

<当局の動きに敏感な市場>

東京市場の休日明けとなった12日、112円台前半で推移していたドル/円が、正午過ぎに113.02円まで急上昇した。

世界の金融市場でリスク回避ムードが強まる中、日銀の黒田東彦総裁と財務省の浅川雅嗣財務官が相次いで首相官邸に入ったと伝わり、何らかの政策対応が打ち出されるとの思惑が広がったためだ。

だが、間もなく、ドル/円は再び112.50円へと失速。首相官邸から出てきた黒田総裁は「国際金融情勢と世界経済動向について首相と協議した」と述べるにとどまったことで、ひとまず政策対応への思惑が後退した。

日本が祝日だった11日の市場でも、111円前半を推移していたドル/円が113円前半に急反発する場面があった。為替介入のうわさが広がったためだ。

これらの動きで共通するのは、日本の政策当局の対応に対する市場の強い警戒感だ。「相場の地合いは悪いままだが、政策期待が高まれば、反転する可能性がある。短期筋は、ドル急落と政策発動、両面の恐怖に板挟みとなっている」(国内金融機関)という。

<投機筋も戦々恐々>

外為市場では年初から、世界経済への懸念や原油安、欧米金融機関への財務不安などのリスク要因が相次いでテーマに浮上し、比較的安全とみなされている円に資金シフトが起きている。

10─11日にはイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言があったが、米金利は年内に緩やかに上昇していくとの従来からの考えをあらためて表明。総じてハト派的な内容と市場で受け止められた。

ただ、市場では安心感は広まらず、世界経済のけん引役がいなくなるという不安感が強まってしまった。

IMM通貨先物における投機筋のポジションは、アベノミクス相場が始まった2012年後半以降、一貫して円売り越しだったが、年初からの荒れ相場で円買い越しに転換。日銀のマイナス金利導入で円買い越しは約1万枚減ったが、その後の1週間で、再び円高が急速に進んでおり、直近では「円買い越しは再び膨らんでいそうだ」(国内金融機関)との見方が多い。

ただ、短期筋の間でも「前のめりでドル売り/円買いのポジションを組んでいる人は必ずしも多くない」(米系金融機関)との指摘もある。昨夏の人民元引き下げ後の混乱や、市場の失望を招いた12月欧州中央銀行(ECB)理事会後のユーロ急騰、年初からの荒れ相場と、相場の急変動が続いたことで、投機筋の多くは体力を消耗しているという。

<3月までに110円割れの予想>

ドル/円は、約2週間で10円の円高が進んだ。為替の動きが激しくなっているのは、市場参加者が少なくなっていることも大きな要因だろう。休暇明けの東京市場では、久々の111─112円台で始まったものの、輸入企業の積極的なドル買いは出なかったもよう。

複数のFX会社からは「値動きの激しさの前に、個人投資家の間では手控えムードが出ている」との指摘が聞かれた。

先行きの見通しとしては、円高の予想が強まってきている。三菱東京UFJ銀行・チーフアナリスト、内田稔氏は、日米金利差からみれば2014年以降の適正水準は、110円割れだったと指摘する。

だが、米利上げや日銀緩和への期待で10円以上、押し上げられていたと分析。政策期待が後退する中で、年度末のリパトリエーション(資金の本国還流)や投機的な円買いが加われば、3月末までに107─108円程度までの下落もあり得るとみている。

みずほ銀行・チーフマーケット・エコノミスト、唐鎌大輔氏も、歴史的にドル/円の上値めどは企業物価ベースで見た購買力平価と重なると指摘。これが今は100円であるほか、経済協力開発機構(OECD)や世界銀行算出の購買力平価は105円だとして、3月末までに「100─105円への下落があってもおかしくない」と話している。

この一方で、短期的には、日本当局による為替介入への思惑が浮上している。先進国の通貨安誘導を目的とした為替介入は「禁じ手」だが、急激な為替変動を押さえるための「スムージング介入」まで排除されているわけではない。「2週間足らずで10円幅という急激な円高進行は、為替介入を正当化する」(邦銀)との声も出ている。

各国の協調介入でなければ、効果は限定的との見方もあるが「実際に為替介入があれば、ドル/円は少なくとも2─3円は吹き上がる」(国内金融機関)との見方もある。

ドルショートを組んでいる投機筋の間では、政策発動に備え、ドル買い戻し/円売り戻しのポイントを現行相場に近づける動きが観測され「反発の際には、上げ足が速まりそうだ」(国内金融機関)との指摘もある。

りそな銀行のシニアクライアントマネージャー、尾股正寿氏は、目先の相場について「適当な水準が誰にもわからず、上下に振れやすくなっている」と話していた。

(平田紀之 編集:田巻一彦)
http://jp.reuters.com/article/forex-intervention-idJPKCN0VL0NP


Business | 2016年 02月 12日 16:53 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
アングル:しぼむ世界の外為市場、取引高も人員も縮小進む

[ロンドン 11日 ロイター] - 世界で最も大きい市場である外国為替市場のステータスは、過去数十年にわたるグローバル化の広がりや規制緩和、金融サービスの発展によって築き上げられた。近いうちにその座を明け渡す可能性は低い。しかし、栄光の日々は過ぎ去った。

銀行規制の強化や、新興国ブームの衰え、そして長引く世界の成長や通商の伸び率鈍化が打撃となり、大手銀行の為替トレード部門における全体の市場の出来高や雇用の水準は縮小の一途をたどっている。

外為取引を行う欧州の上位10銀行が雇用するトレーダーの数は、過去3年間に30%減少した。英イングランド銀行(中央銀行、BOE)とニューヨーク連邦準備銀行が先月発表した統計も、取引高が3年ぶりの低水準に落ち込んだことを示している。

業界ウォッチャーによれば、1日平均6兆ドル近い取引高を記録する日は二度と訪れないという。

業界分析会社コアリションによると、欧州で営業する上位10行だけで為替トレーディングデスクの従業員は332人で、2012年の475人から30%減少した。このうち最前線のポストの圧倒的多数はロンドンに置かれている。

欧州の中央銀行で働くバンカーは、1日の平均取引高が6兆ドル前後だった「2014年末が、世界の為替取引のピークだった」と話す。

多数者間資金決済サービスを提供するCLS銀行のデータによると、1月の1日当たりの平均取引高は4.8兆ドルとなり、前年同期比9%減少。ピークの6兆ドル弱を大きく下回った。

世界最大の為替取引センターであるロンドンやニューヨークの一部の大手銀行のトレーディングデスクはこの1年、売買頻度の高い円やスイスフラン、豪ドルなどの通貨の取引高の減少に苦しんでいる。

昨年1月にスイスフランの急騰で多くの人が巨額の損失を計上したことを契機に、大手銀行は小規模なヘッジファンド型の事業の数を厳しく取り締まるようになり、レバレッジ比率が高く投機的な取引の伸びは抑えられた。

この傾向は最近の英米の中央銀行の調査で顕著だ。2015年4─10月の1日当たりの取引高はロンドンで前年同期比21%減、ニューヨークでは26%減となった。

機関投資家向けの独立系ブローカーでヘッジファンドも運営するITGのディレクター、ジム・コクラン氏は「5兆ドル超の取引高が恐らく近い将来にピークになる」と話した。

<指標不正操作も影>

外為市場は世界の貿易や経済活動を概観するのに使われる。世界で最も大きな金融市場であり、過去数十年間にわたって着実に成長してきた。

国際決済銀行(BIS)の1995年の調査によると、20年前の1日の平均取引高は1兆2000億ドルで、初めて1兆ドルの節目を超えた。

しかし、為替指標の不正操作スキャンダルが2013年に発覚し、複数の銀行が数十億ドル規模の罰金を科されたほか、数十人から数百人の規模で世界のトレーダーが職務停止や解雇に追い込まれ、業界全体に長きにわたって暗い影を落とした。

グローバル金融危機をきっかけに実施されたさらに多くの規制変更によっても、為替の取引リスクを積極的に取ろうとする能力が抑えられた。

リスク管理、調査、システム技術への支出が増大する中で、銀行は資本コストや事業コストの増大にも対処しなければならず、もはや自己勘定で為替のトレーディングを行うことはできなくなった。

アナリストの一部は、外国為替市場の相場変動率が比較的に低めだったことが、この数カ月間の取引高減少に一定の役割を果たしたとみている。相場の方向性が定まらない中で為替のスポット取引高は減少し、為替オプションなどデリバティブ商品の需要も落ち込んだ。

チャプデレーン(ニューヨーク)の為替部門のマネジングディレクター、ダグラス・ボースウィック氏は「ゼロ金利と非常にハト派的なグローバル環境ではボラティリティは低下する。ボラティリティが抑えられている時に、取引高は急減する」と話す。

トレーダーたちは不安定な金融市場や中国の景気減速によって資産価格、インフレ率、成長、中銀の政策が今年どの方向に向かうのかについて大幅な再考を迫られることから、一定程度のボラティリティ上昇を期待している。

しかし、市場の混乱が為替の取引高増加につながるかどうかは疑わしい。
http://jp.reuters.com/article/boe-bis-idJPKCN0VL0K3



News | 2016年 02月 12日 16:10 JST 関連トピックス: トップニュース
来週は「QQEトレード」巻き戻しで円高リスクも

[東京 12日 ロイター] - 来週の外為市場では、欧州金融セクターや原油安への不安が残り、国際金融市場の動揺が続くなか、量的・質的金融緩和(QQE)で膨らんだ投機筋の円売りポジションが一段と巻き戻される余地がありそうだ。春節明けの中国市場の動向も警戒されている。

予想レンジはドル/円が110.00―114.00円、ユーロ/ドルが1.1000―1.1450ドル。

<「QQEトレード」の巻き戻し>

ドルは11日、高値から約2.6円下落して110円台に突入し、1年4カ月ぶり安値をつけた。

下値目途が立たないドル/円について「そもそもアベノミクス下で進行した円安は『QQEで円安を目指す』というわかりやすいシグナルを政府が投機筋に送ったことが原因」(証券会社)とみられている。

しかし、昨年半ば(当時ドル=125円後半)に黒田日銀総裁が「実質実効レートでみて、かなり円安になっているのは事実」との円安けん制発言して以降は円売りが収益につながりにくくなり、QQEトレードの巻き戻しが始まった。

投機筋の間ではなお「日銀が円高を阻止するとの期待があったが、先月、金融政策を量から金利へレジーム変更をしたことで、円ショートの巻き戻しが一段と広がった」(外資系金融機関)。さらに、米経済に対する不安や中国の景気減速などが加わり、足もとでは円買いに弾みがついている。

この先の日米金融政策について「円LIBOR(ロンドン銀行間取引金利)の現行水準から判断すれば、日銀が3―5月のいずれかの時点で、マネタリーベースを100兆円まで拡大すると市場はみている」とSMBC日興証券シニア金利アナリスト・野地慎氏は指摘する。

一方、ドルLIBORの水準からみて、市場参加者は、米利上げが今年1回あるかないか程度に予想していると同氏は言うが、それでも投機筋の間では腰を据えて円売りを再開する気配はない。

現在のドル/円相場の特徴は、高ボラティリティと低取引量だ。

ドル/円ボラティリティ1カ月物は15%後半と、2013年6月以来2年8カ月以来の高水準に達しているが、ロンドン市場のトレーダーは、11日にドルが「急伸した際の取引量は1ティック(1銭)当たり100万本を下回っていた」と述べ、価格変動に取引量が追いついていないとの認識を示す。

「相場的には(ドル安/円高)の行き過ぎ感があるが、113円から111円まで、出合いの少ない取引で、売りが売りを呼ぶシステムに先導され、急落したので、相場が全くこなれていない」とFXプライムbyGMO、常務取締役の上田眞理人氏は述べ、目先、ドルは111―113円で推移する公算が大きいが、相場の安定を示唆するものではないとみている。

(森佳子)
http://jp.reuters.com/article/qqe-idJPKCN0VL0F1?sp=true

Business | 2016年 02月 12日 16:35 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
ゆうちょ銀、12月末の国債保有比率は40.8% 減少続く=郵政決算

[東京 12日 ロイター] - 日本郵政(6178.T)は12日、ゆうちょ銀(7182.T)の2015年12月末の国債保有比率が40.8%に減少したと発表した。9月末の45.2%からさらに減少している。

国債はゆうちょ銀の主力運用資産だが、長引く低金利で収益性が悪化しており、運用先の多様化を進めている。国債の減少分は、外国証券や日銀預け金などに振り替わっている。外国証券の構成比は9月末の19.9%から21.4%に、日銀預け金などは同23.9%から26.8%に増えた。

会見した日本郵政の市倉昇常務は、日銀によるマイナス金利の影響について「(16年3月)通期に与える影響は限定的」としながらも、「今後それなりの影響が出る。ポートフォーリオを含めて、運用のあり方を検討していく」と語った。

日本郵政が同日発表した2015年4―12月期決算は、連結純利益が前年同期比5.3%減の3831億円になった。日本郵便は豪州の物流大手の買収などにより増益となったものの、ゆうちょ銀とかんぽ生命保険の減益が響いた。

通期の連結純利益見通しは3700億円で、進ちょく率は103.5%となった。

http://jp.reuters.com/article/jp-idJPKCN0VL0J1



Business | 2016年 02月 12日 15:41 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
アングル:止まらない世界株安、「主犯」は何か

[ニューヨーク 11日 ロイター] - 世界株安が止まらない。経済成長への懸念や中銀の政策効果への疑念から投資家は株式を売り、債券や金などの安全資産に殺到している。

S&P総合500種指数は11日の引け時点で、年初来10.5%下落。米株だけでなく世界の主要株価指数も軒並み打撃を受けている。

以下、株安の原因や今後の展望などをまとめた。

<株売りの最大の原因は>

株安の動きは昨年末から始まったが、欧州の一部や日本のマイナス金利を受けて銀行株が下落したことをきっかけに、株安が本格化した。

シティグループでG10(主要10カ国)の為替戦略を担当するスティーブ・イングランダー氏は「市場の新たなテーマの1つは、(量的緩和が)銀行に打撃を与え、リスクオフを助長したことだ」と指摘する。

S&P500金融株指数は今年に入って18%下落している。

米連邦準備理事会(FRB)は今のところ、準備預金にマイナス金利を付与していないが、イエレンFRB議長は11日の議会証言で、必要であればFRBもマイナス金利導入を検討すると明言している。

<問題の根っこはエネルギー価格>

フラッキング技術を背景とした米原油生産の拡大やサウジアラビアの過大生産が、世界的な石油の供給過剰につながり、エネルギーとその他のコモディティー(商品)価格は昨年初めに急激な下落が始まった。

原油価格は今や1バレル=27ドルと、およそ13年ぶりの安値水準に落ち込んでおり、アナリストはさらなる下落を予想している。

原油安を受けて、産油国の景気も急速に悪化。社債利回りが急上昇し、エネルギーセクターでデフォルト(債務不履行)を誘発している。

ウェドブッシュ・エクイティ・マネジメントのスティーブン・マソッカ最高投資責任者(CIO)は「コモディティーで生計を立てている投資家は清算を急いでいる。キャッシュが必要だからだ」と話す。

<FRBはどう動くのか>

マーケットは今や、FRBが年内に利上げするとは予想していない。フェデラルファンド(FF)金利先物は、トレーダーが少なくとも来年2月まで利上げはないと予想していることを示しており、FF金利先物は11日、年内利下げを小幅ながら織り込む場面すらあった。

米国債の2年物と10年物の利回り差は0.95%ポイントにまで縮小し、2007年12月以降で最もタイトな水準となっている。イールドカーブのフラット化は、経済成長への信頼感の後退を示している。

ただ、FRB議長は10日の議会証言で、米経済は十分力強いと主張し、政策金利を緩やかに引き上げる計画を堅持する可能性を示唆した。

シエラ・インベストメント・マネジメントのテリー・スパスCIOは「問題の一角は、FRBがどっちつかずの態度を示していることだ。ハト派の市場参加者は、FRBの姿勢が十分にハト派的ではないと考え、タカ派はFRBのタカ派度が不十分と考えている。つまり、市場のどちらの見方も満足させていないということだ」との認識を示した。

<底入れはいつ>

リッジワース・インベストメンツの資産配分担当ディレクター、アラン・ゲイル氏は、底入れを示す投げ売り状態にはまだなっていない、と指摘。「今はまだ、信用問題や原油価格など特定の問題が材料になっているようだ。キャピチュレーション(白旗降参、投げ売り・パニック売りの意味)のサインが出ないか、注視している」と述べた。

クレディ・スイスも、ヘッジファンドは2月に売りを出しているが、その売りの度合いは「底入れを示唆するキャピチュレーションというほどではない」としており、底入れはまだとの見方が優勢のようだ。

ビーム・キャピタル・マネジメントのマネジングディレクター、モハンナド・アーマ氏は、売り圧力が後退したとしても、2016年が株式市場にとって悪い年であることに変わりはないと話す。「雇用指標は好調だが、米経済はピークに近づいているという印象だ」と語った。
http://jp.reuters.com/article/usa-markets-idJPKCN0VL0EF



Business | 2016年 02月 12日 14:33 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
ロイター調査:追加緩和4月予想が3割、2%達成の可能性は高まらず
[東京 12日 ロイター] - ロイターがエコノミストやアナリストを対象に行ったアンケート調査によると、日銀が追加緩和を決定する場合、4月の可能性が高いとする回答者が3割超となった。手段としてはマイナス金利のさらなる引き下げが有力視されるものの、多くの回答者が2%の物価安定目標達成に向けて効果は薄いとみている。

アンケートの回答期間は2月5─12日。日銀がマイナス金利政策の導入を決めた1月末の決定会合の後に実施した。

世界的なリスクオフの強まりで株安・円高が進んだ場合や、物価安定目標の達成が危なくなった場合などに日銀が追加緩和を行う可能性があるという。

4月の決定会合が有力とした回答者が18人中6人と最も多く、6、7、10月がそれぞれ3人で続いた。SMBCフレンド証券のチーフマーケットエコノミスト、岩下真理氏は「黒田総裁が2%の物価安定目標に向けて『できることは何でもやる』としている以上、量・質・金利の3つの次元で、いつでも対応できると見るべき」と指摘する。3月予想は2人だった。

ただ、日銀のマイナス金利政策の導入により、2%の物価安定目標を達成する可能性が高まったとみる回答者は18人中3人にとどまった。円安・株高以外、経済へのプラス効果も薄いとみる向きが多かった。

日銀が将来的にどの程度までマイナス金利を引き下げるかについては、16人中7人がマイナス0.2─0.5%と回答。マイナス0.6─1.0%が6人、マイナス1.1─1.5%が2人となった。
http://jp.reuters.com/article/reuters-poll-boj-idJPKCN0VL0C0


Business | 2016年 02月 12日 14:20 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
為替含め市場注視、首相から金融政策に意見なかった=黒田日銀総裁

[東京 12日 ロイター] - 安倍晋三首相と黒田東彦日銀総裁は12日、首相官邸で会談し、最近の金融市場の変動や世界経済情勢などについて意見交換を行った。黒田総裁は会談後、記者団に対して為替を含めて市場動向をしっかり注視していきたいと語ったが、安倍首相から金融政策について特に意見はなかったと述べた。

安倍首相と黒田総裁の会談は昨年9月以来、約5カ月ぶり。

株安・円高が急速に進行する中で行われた会談に市場の注目が集まったが、総裁は会談後、定期的な意見交換の一環とし、金融政策運営について首相から特に意見はなかったと語った。

為替市場については「総理とどのような話をしたか、申し上げることは適切ではない」とし、何らかのやり取りがあった可能性を示唆したが、「為替を含めて国際金融市場の動きをしっかり注視していきたい」と述べるにとどめた。

会談では、日銀が1月29日に決めたマイナス金利について、総裁が考え方や効果を首相に説明。「マイナス金利と量的・質的金融緩和(QQE)とが相まってイールドカーブ全体を下げることが目的。現にイールドカーブ全体が下がっており、これは当然、消費や投資にプラスの影響をもたらす」と述べ、マイナス金利付きQQEは所期の効果を発揮しているとの認識を示した。

その上で総裁は、日本経済と物価についての「メーンシナリオは変わっていない」としながら、金融市場の変動によってデフレマインド転換の遅延など「物価のリスクが高まった」ことが1月に追加金融緩和を決めた背景と説明。現在は、マイナス金利付きQQEの「効果を見守っているところだ」語った。

(伊藤純夫 竹本能文)
http://jp.reuters.com/article/kuroda-abe-meeting-idJPKCN0VL0BO


Business | 2016年 02月 12日 14:11 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
緊急市場調査:3月末までにドル110円割れも=三菱東京UFJ銀 内田氏

[東京 12日 ロイター] - 1年3カ月ぶりの水準にドル安/円高が進んだ背景について、三菱東京UFJ銀行のチーフアナリスト、内田稔氏は、米国の景気減速懸念が大きく作用したと指摘する。

世界経済のけん引役不在に対する不安心理に投機的な円買いが加わり、経常黒字や実質金利上昇と相まって、3月末までに110円割れの展開も想定されるという。

12日午前、ロイターのインタビューに答えた。

──市場に広がるリスクオフの背景には何があるか。

「世界的に低成長な中で米国が金融政策の正常化に踏み切ったことがリスクオフの根源にある。雇用関連以外の経済指標が振るわず、米景気に懐疑的な見方が出てきていたところにイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長が追加利上げに慎重な姿勢を示した。本来は安心感が広がってもいい話だが、世界経済のけん引役がいなくなるという不安心理が急速に浮上してきた」

──3月末までのドル/円の見通しは。

「日米間の実質金利差から逆算すると、2014年以降、110円割れの水準が適正という状況が続いていた。米利上げに向けたドル高期待と日銀の緩和政策による円安期待がその水準から10円以上押し上げていたが、その2つの期待が剥落した今、理論値の水準まで落ちても不思議ではない。3月末に向けては、日本の投資家や企業によるリパトリエーション(資金の本国還流)で円高圧力が強まりやすい。そこに投機筋のリスクテーク的な円買いが加わると、107─108円程度までの下落もあり得る」

──市場の安定化に向けて政策期待も高まりそうだが、考えられる方策は。

「ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁の追加緩和示唆と日銀のマイナス金利政策導入だけでは効かなかったことを考えると、欧米の緩和スタンスに米国も加わってくるというのは一つある。新興国の資本流出を規制で止めたり、為替の協調介入したりという話も出てくる可能性がある。ただ、ドル安円高材料の方が多いだけに、ドル安/円高進行のスピードを抑えることはできても、流れをひっくり返すのはなかなか難しそうだ」

*見出しを修正しました。

(杉山健太郎 :編集 橋本俊樹)
http://jp.reuters.com/article/mufg-bank-idJPKCN0VL09X


Column | 2016年 02月 12日 13:31 JST 関連トピックス: トップニュース
コラム:世界的株安、カギ握るドラギ総裁

田巻 一彦

[東京 12日 ロイター] - イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言後、世界の金融・資本市場ではリスクオフ心理が高まり、株などのリスク資産から米独日などの国債にマネーの大量シフトが発生している。最大の原因は、欧州発の金融不安であり、欧州中銀(ECB)のドラギ総裁が、金融不安には「何でも対応する」と意思表示するべきだ。世界的なマネー動乱を鎮圧する第1ステップは、欧州の安定回復であると指摘したい。

<イエレン証言後に高まった米経済への不透明感>

12日の東京市場では、日経平均.N225が一時、1万5000円を割り込み、アベノミクスが始まった2012年12月以降の平均コストとみられてきた1万5500円近辺を割り込んだ。

ドル/円JPY=EBSも11日の欧州市場で一時、110.99円まで下落。12日にも112円台で推移し、主要製造業の想定レートである115円を割り込んだままだ。

イエレン議長は10日に行った米下院での証言で「リセッション(景気後退)のリスクは常に存在し、世界的な金融情勢が景気減速につながる可能性があると認識している」と指摘。さらに株安に伴う金融情勢の引き締まりや、中国をめぐる不透明感、信用リスクの世界的な再評価で米経済の歯車が狂う恐れがあるとの認識を表明した。

同時に、「この先に米経済を待ち受けているものについて早まった結論に飛びつくことがないよう注意したい」とし、「連邦公開市場委員会(FOMC)が近く利下げを行う必要に直面するとは想定していない」と発言。市場の思惑とは別に、年内の利上げシナリオをギブアップしていないというメッセージを発した。

しかし、弱気に傾いていた市場は「世界経済唯一のエンジン・米経済の減速を織り込んで、米株が下落し、リスクオフを加速させた」(国内金融機関の関係者)。その結果、12日の東京市場では、株安と円高が同時進行し、日本経済の先行きにも暗い影を投げかけている。

市場では、今月下旬に中国・上海で開催される20カ国財務相・中央銀行総裁会議(G20)での協調行動に期待する声が、急速に高まってきた。

<頼りになるのはG7>

だが、G20の過去を振り返ってすぐにわかることは、共同声明が出ても、その内容を市場が材料視し、かつてのプラザ合意のように市場を大きく動かした「実績」が、ほとんどないという現実だ。

今回も市場鎮静化に向けた声明が出ると予想されるが、実効性がどの程度、担保された内容になるのか、いまのところかなり不透明感が強い。

それよりも、やはり「頼りになる」のは、G7の協調だ。G7から何らかのメッセージと対応策が出れば、ここからの「底抜け相場」は、何とか回避できるのではないか。

具体的なカギは、ECBが握っていると感じている。直近の「リスク回避相場」の引き金を引いたのは、実はイエレン議長ではなく、欧州発の金融不安だからだ。

11日のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場で、独銀行最大手ドイツ銀行(DBKGn.DE)の債務保証コストが急上昇。欧州の銀行株が数年ぶり安値を付ける中で、ドイツ銀以外の欧州銀の債務保証コストも上昇している。

マークイットによると、CDS市場が織り込むドイツ銀の劣後債のデフォルト(債務不履行)確率は24.5%、シニア債のデフォルト確率は17%に上昇した。

11日の欧州株式市場では、決算が市場予想を下回った銀行大手のソシエテ・ジェネラル(ソジェン)(SOGN.PA)は大きく売り込まれ、STOXX 欧州600銀行株指.SX7P は6.26%下落。今週内の下落率は11%近くにのぼり、年初からは約28.6%安となった。

ECBのマイナス金利を含めた超緩和策で低金利の環境が続く一方、低成長の基調に変化が見えず、銀行部門の収益が不安視されているためだ。銀行株が多いイタリアの主要株価FTSE・MIB指数.FTMIBはこの日、5.63%低下した。

ある国内銀の関係者は「欧州発の金融不安の臭いを市場は嗅ぎ付け出した」と述べる。

<ドラギ総裁の英断あれば、円高防止にも効果>

ECBのドラギ総裁は「金融不安を発生させないため、出来ることは何でもする」と強いメッセージを出すべきだ。

もし、欧州発の金融不安が緩和されれば、欧州株式市場から米国債市場への資金シフトが鎮静化し、円高の抑止にも役立つ構図がある。

11日のNY市場では、10年米国債利回りUS10YT=RRは2012年9月以来となる1.6642%に低下していた。その結果、日米金利差の縮小がマーケットから意識され、ドル売り/円買いを正当化する見方が広がりやすくなっている。

ドラギ総裁の決断で、欧州発の金融不安の芽を摘む可能性が高まれば、リスクオフ心理もひとまず沈静化するに違いない。

そうすれば日銀が1月29日に決めた「マイナス金利付き量的・質的金融緩和(QQE)」の効果も、東京市場で浸透しやすくなると考える。

3月を見通せば、ECBが追加緩和に動き、FRBは利上げを見送る。そこに日銀の追加緩和期待が加われば、一方向のリスクオフ心理の強まりをコントロールする道が開ける。その前提は、欧州発の金融不安のリスク低下だ。

ドラギ総裁と欧州連合(EU)首脳部の英断を期待したい。
http://jp.reuters.com/article/stock-draghi-idJPKCN0VL0AC

World | 2016年 02月 12日 12:31 JST 関連トピックス: トップニュース
豪経済、緩やかな成長持続へ 市場の動揺に留意=中銀総裁

[シドニー 12日 ロイター] - 豪準備銀行のスティーブンス総裁は12日、下院経済常設委員会で証言し、鉱業投資の鈍化はそれ以外の分野の成長で相殺されるため、豪経済は引き続き緩やかなペースで拡大するとの認識を示した。市場の最近の動揺がこうした見方に影響するかという点は、今後の課題だと述べた。

必要な場合は追加利下げの余地があるとも、あらためて表明した。

総裁は「鉱業の投資支出減少は、少なくともあとは1年は続く。ただ、他のセクターは成長を押し上げており、差し引きで見ると、豪経済は緩やかなペースでの拡大が続くと考えられる」と指摘。「問題は、最近の金融の動揺が国内外の需要にマイナスの影響を及ぼすのかという点だが、これについては今はまだ答えることはできない」と述べた。

その上で今後1年ほどはインフレが問題になる可能性は低いとし、「必要があれば、一段の緩和を行う柔軟性がある」との認識を示した。

総裁は、過去最低の金利と豪ドル安が成長維持に役立ったとした上で、豪ドルが一段と下落する可能性も示唆。「豪ドルは前回証言のときとほぼ同水準だが、コモディティー価格は下落している」と指摘した。

中国については、多くの人が懸念を抱いているとし「中国政策当局者の意図の不透明さや、中国経済が必要な転換を実現できるのかが懸念されており、こうした懸念が資本フローに反映されている」と述べた。

中銀は先週、今年初の金融政策決定会合で政策金利を過去最低の2.0%に据え置いた。金利は昨年5月の利下げ以来据え置かれている。

今後の金利水準については、予想通りガイダンスを示すことは控えた。

不動産市場については、銀行規制当局による住宅投資への融資基準強化は効果的だったと評価した。
http://jp.reuters.com/article/rba-idJPKCN0VL04B

Business | 2016年 02月 12日 12:23 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
緊急市場調査:日米欧中の政策協調必要=みずほ証 三浦氏

[東京 12日 ロイター] - 日経平均.N225が1万5000円を割り込んだ背景について、みずほ証券シニアテクニカルアナリストの三浦豊氏は、昨年12月の米利上げが根本にあるとの見方を示す。米金融引き締めによる世界経済への悪影響が懸念され、リスクオフにつながっているという。テクニカル的には1万4000円がいったんの下値めどだが、荒れた値動きは続き、市場が落ち着くためには日米欧中の政策協調が必要と述べた。

12日午前、ロイターのインタビューに答えた。 ──リスクオフの背景は。 「根本的には米国が利上げに踏み切ったことがリスクオフの要因だろう。日欧は緩和方向にあるが、世界の中心である米国が金融引き締めに動き、グローバルな景気減速に対する懸念が強まった。イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言では3月利上げを見送る見通しが強まったが、将来的な利上げs懸念は捨てきれず、警戒感は払しょくされていない」 ──今年3月末までの下値めどは。 「2014年2─5月に下値をサポートしていた日経平均1万4000円水準が目先のめどとなりそうだ。また日経平均は昨年12月から2割下落した水準でいったん反発しており、今回も2月1日の高値1万7905円から2割安の1万4324円が意識されやすい。もっとも急速にリバウンドした後に再び下値模索を強めたりするなど当面は荒い値動きが続くとみている」

──株安が止まるために必要な政策は。 「日米欧中による政策協調だ。日銀がマイナス金利を導入したことは評価できるが、単独の政策ではもはやリスクオフの波は止まらない。日欧が緩和路線を継続し、米国が利上げを諦め、中国が景気対策を打つなど各国が同時期に行うことが必要だ。まずは今月末の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議でその姿勢を示し、3月の中国全人代や日米欧の金融政策決定会合で具体的な政策が出ることが望まれる」

(杉山容俊)
http://jp.reuters.com/article/mizuho-s-idJPKCN0VL095


Business | 2016年 02月 12日 12:05 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
緊急市場調査:緩和の限界露呈、特効薬は中国の財政出動=明治安田AM 小泉氏

[東京 12日 ロイター] - 明治安田アセットマネジメント・取締役執行役員(運用担当)の小泉治氏は、リスクオフでグローバルな金融緩和の限界を露呈したと指摘し、財政政策の必要性を強調した。特に中国政府による財政政策出動は資源価格の上昇にもつながるとし、リスクオフを食い止める特効薬にもあり得るとの見方を示した。

また、日銀によるマイナス金利政策導入決定を受けて10年最長期国債利回り(長期金利)が一時マイナス水準を付けたが、マイナス水準では投資家の実需に乏しいとみており、短期的に荒い展開を予想している。

12日午前、ロイターのインタビューに答えた。

──リスクオフの正体は何か。

「短期的にみると、米景気減速懸念と欧州を中心とした大手金融機関のクレジット不安が広がったことが大きく影響している。その底流には、新興国リスクが先進国経済に悪影響を及ぼし始めたことに加えて、米連邦準備理事会(FRB)の利上げをきっかけに、金融機関の貸出態度が厳しくなるなど金融環境が予想以上に引き締まったことがあるのだろう」

──今後の円債見通しは。3月末までの長期金利のレンジは。

「長期金利はマイナス0.2%からプラス0.1%のレンジを想定。マイナスの利回りでは投資家の実需に期待できないため、0%を挟んで乱高下を繰り返すのではないか。日銀の追加緩和は3月とみているが、一段と円高・株安は進むようだと、3月よりも前倒しで実施する可能性も否定できない」

──政策への期待は。

「世界経済は、これまで成長を促す方法として金融政策に傾斜しすぎていた面を否定できない。今回のリスクオフは、金融緩和の限界を露呈したととらえることができるが、それを食い止める方法として、金融政策だけでは難しく、グローバルな財政政策が必要だろう。特に、中国政府が財政出動を打ち出せば、資源価格の上昇にもつながるだけに、特効薬となり得るのではないか」

(星裕康)
http://jp.reuters.com/article/meiji-idJPKCN0VL08F



Business | 2016年 02月 12日 12:10 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
過度のリスク回避、マイナス金利が影響とは考えない=日銀総裁

[東京 12日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は12日午前の衆院財務金融委員会に出席し、急激な円高、株安、金利低下が進む国際金融市場について「日銀のマイナス金利が影響しているとは考えない」と明言し、「投資家のリスク回避姿勢が過度に広まっている」と指摘した。

民主党の鈴木克昌委員への答弁。

黒田総裁は、マイナス金利政策は国債の利回り曲線(イールドカーブ)を押し下げる効果を発揮しており、「今後は効果が実体経済に着実に波及する」とし、「当然2%の物価目標の早期実現に資する」と強調した。

その上で「直接国民生活にマイナスになるとは考えられない」との見解を示し、「マイナス金利の趣旨や影響、効果について十分説明していきたい」と述べた。

昨年秋に日銀が公表した金融システムリポートは急激な円高・株安を想定したシミュレーションを掲載している点について、「国内金融システムが十分な資本を持つことを示すもの」と説明した。

*写真を差し替えます。

(竹本能文 編集:吉瀬邦彦)
http://jp.reuters.com/article/kuroda-idJPKCN0VL083

Business | 2016年 02月 12日 11:28 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
緊急市場調査:中国減速が根幹、ドル中期的に100円も=みずほ銀 唐鎌氏

[東京 12日 ロイター] - ドル/円JPY=が1年3カ月ぶりに一時110円台に下落した背景について、みずほ銀行のチーフマーケット・エコノミスト、唐鎌大輔氏は、中国の景気減速懸念が根幹にあると指摘する。これが原油安や米景気減速懸念に波及しているとの見方だ。ドル/円は購買力平価などの観点から、中期的に100円を目指す可能性があると見込んでいる。

12日午前、ロイターのインタビューで答えた。

――市場に広がるリスク回避機運の背景には何があるのか。

「根幹は中国の景気減速懸念だとみている。米国の追加利上げ期待が後退しているのも、元をただせば中国の景気が減速し、これに付随して商品価格が急落していることなどに起因している。さらに足元では、欧州の金融システム不安が悪材料として加わっている。欧州中央銀行(ECB)が導入したマイナス金利の悪影響と原油安による低インフレが背景にあるが、これも根っ子にあるのは中国の景気減速である」

「中国の景気減速懸念の解消のめどは、早々には立たない。日本のバブル崩壊後の経験では、設備、雇用、債務は3大過剰と言われた。中国でも過剰設備や雇用問題の調整局面が訪れている。四半期単位でなく、年単位で捉える必要がある」

――3月末までのドル/円の下値めどはどのあたりか。

「100─105円への下落があってもおかしくないだろう。たしかに、2週間足らずで10円の下落はペースとしては急すぎるといえる。ただ、歴史的にドル/円の上値目途は企業物価ベースで見た購買力平価だった。これが今、100円である。また、経済協力開発機構(OECD)や世銀算出の購買力平価は105円だ」

「アベノミクスが盛り上がっている局面では『今後物価が上がり、購買力平価も、そのうち円安になるから問題ない。もはや経験則は通用しない』との見方が流布されてきたが、1月末、日銀は3度目の物価目標達成時期を先送りした。もうインフレが期待できないとなれば、『経験則が通用する世界』を想定すべきであり、購買力平価への回帰を想定したい」

――相場安定に効果が期待できる政策はあるか。

「震源地は日本ではないため、日本が政策発動しても根本解決につながらず、効果は限られる。リスク回避の根幹が中国なので、中国が政策を打つのが一番早い。ただ、中国の景気減速の発端は、リーマン・ショック後に打ち出された4兆元の景気対策から生じた過剰投資にある。さらに投資を促進したとしても実際の経済効果は期待しにくいが、目先の市場心理は改善するかもしれない。米国が追加利上げを諦め、再び緩和策に転じる場合、株価にはプラスだとしてもドル/円は下押しされる」

(平田紀之)
http://jp.reuters.com/article/mizuho-i-idJPKCN0VL07B


Business | 2016年 02月 12日 11:13 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
緊急市場調査:株安の背景に中央銀への不信感=SMBCフレンド証 松野氏

[東京 12日 ロイター] - 世界的な株安が止まらない背景について、SMBCフレンド証券チーフストラテジストの松野利彦氏は、日米欧の中央銀行に対する市場の不信感があると指摘する。投資家心理が悪化するなか、春節明けの中国市場の動向も警戒されるとしたうえで、3月末までの日経平均.N225の下値のめどについては1万4000円近辺との見方を示した。

12日午前、ロイターのインタビューに答えた。

──リスクオフの正体は何か。

「(株安が)ここまで来ると中央銀行に対する不信が出てきているのだろう。追加緩和を示唆した欧州中央銀行(ECB)に始まり、日銀のマイナス金利、米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言を経ても、株安が抑えられない。市場心理がほぼパニック的な状況となるなか、一国の中央銀行が何をしても、聞く耳が持たれないといった感じもある。春節明けの中国市場で、上海株と人民元がどこまで安くなるのかも読めない」

──3月末までの日経平均の下値めどは。

「2014年に1万4000円を割れる局面があった。足元の日経225オプションでも3月限の1万4000円プットの建玉が増えている。この辺りを意識していくこととなるだろう」

──市場心理の回復のカギは。

「一国の中央銀行でどうにもならないのであれば、国際的な政策協調が望まれるところだ。26─27日の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で、その姿勢が見えてくれば、悪化した市場心理も治まっていくのではないか。為替介入は、実施したとしても効くのは最初のうちだけ。中国市場が休場明けとなる前にやっても、無駄玉になる可能性がある」

「国内では夏に選挙があり、その前に何らかの景気浮揚策が出てくる可能性がある。財政面での対応になるのか、消費増税の先送りになるのか、いろいろあるとは思うが、これも一つのポイントとなるだろう」

(長田善行)
http://jp.reuters.com/article/smbc-idJPKCN0VL06T



Business | 2016年 02月 12日 11:07 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
緊急市場調査:グローバルな政策協調が必要=みずほ証 丹治氏

[東京 12日 ロイター] - グローバルにリスク回避の動きが強まっていることについて、みずほ証券・シニア債券ストラテジストの丹治倫敦氏は、欧州の金融機関を中心としたクレジットリスク拡大と米利上げ期待が後退したことが影響していると述べた。これだけ株式市場が下がると、日銀の追加緩和への思惑も浮上すると指摘。ただ、今の相場展開を止めるとすれば、先進国の中央銀行が一斉に緩和するなどグローバルな政策協調が必要とみている。

12日午前、ロイターのインタビューに答えた。

──リスクオフの正体は何か。

「欧州の金融機関を中心としたクレジットリスク拡大の影響が大きく、漠然とした不安があるのではないか。また、米国の利上げ期待が後退し、米金利がかなり低下してきており、日米金利差が縮小することで、ドル安/円高の進行、株安となっている」

──今後の円債見通しは。3月末までの長期金利のレンジは。

「日銀がマイナス金利導入を決めたことで、利下げ期待が市場の大きなドライバーになる。これだけ株式市場が下がると、緊急の日銀会合を開き、追加緩和をするのではないかとの思惑も出てくる。早いうちに追加利下げを行い、1年以内にもう1回となれば、2年債利回りがマイナス0.3%─マイナス0.4%となってもおかしくはない。ただ、金融機関収益に対する影響が大きいので、カードを切り難い面はある。

3月末までの10年債利回り(長期金利)のレンジはマイナス0.10%─プラス0.10%と見ており、上下に振れながら0%付近に収れんするのではないか」

──政策への期待は。

「日本だけの政策では仕方がない。海外発のリスクオフのため、ハードルは高いが、明確に政策で今の相場展開を止めるとすれば、先進国の中央銀行が一斉に緩和するなどグローバルな政策協調が必要だろう」

(伊藤武文)
http://jp.reuters.com/article/mizuho-idJPKCN0VL06N



ドル・円は一時111円台、米利上げ見通し後退やリスク回避で−介入警戒
2016/02/12 16:13 JST

    (ブルームバーグ):12日の東京外国為替市場では、ドル・円相場が一時1ドル=112円台を割り込むなど上値の重い展開。米利上げ見通しの後退やリスク回避ムードの高まりを背景に、ドル安・円高圧力が根強く残っている。

午後4時10分現在のドル・円相場は112円03銭前後。日本株の大幅続落を背景に午前9時すぎには一時111円91銭まで円高が進んだ。一方、介入警戒感が強まる中、午後には日本銀行の黒田東彦総裁らと安倍晋三首相が意見交換したとの報道などを受け、113円02銭まで円安に振れる場面が見られたが、滞空時間は短かった。

11日の海外市場では欧州株の急落を背景に一時110円99銭と、日本銀行が追加緩和に踏み切った2014年10月末以来の水準となるまで円高が進行。その後、一時113円台まで円が急落するなど値動きの激しい展開となった。

FXプライムbyGMOの柳沢浩チーフアナリストは、「ドル・円がここまで急激に下がってしまったので、本当に売らなければならない人の方が増えてしまったのは確かだ」と言い、「政府・日銀が口先介入や何なりをするとして、もう一段跳ねたらそこは売ってやろうと待ち構えている向きはいる」と指摘。「そう考えるとどうしても戻りは限定的で、リスクはまだ下向き」と語った。

麻生太郎財務相は12日午前の閣議後会見で、「急激な相場の変動は望ましくない。必要に応じて適切に対応していく」と急激な円高をけん制した。為替介入の可能性については「コメントしない」と明言を避けた。菅義偉官房長官は為替相場の動向について、必要に応じて適切に対応すると述べた。

日銀の黒田総裁は同日午前の衆院財務金融委員会で、為替相場は経済実体反映して安定推移するのが望ましいと述べた上で、最近の市場動向は経済実態からみるとやや行き過ぎとの見解を示した。その後の官邸での安倍首相と会談については記者団に対し、定期的な意見交換の一環と述べた上で、マイナス金利政策の考え方や効果を説明したと語った。

官邸では、財務省の浅川雅嗣財務官と世耕弘成官房副長官も別に会談し、最近の金融市場の背景について話し合った。浅川氏が記者団に語った。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作チーフ為替ストラテジストは、「昨日のように実需がなく投機的な動きもあるため、当局の口先介入のトーンは少しずつ上がっている」と指摘。ただ、ドル高を懸念している米国との調整も必要で、「実弾介入にはハードルが高い」と語った。

米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は、11日の米上院銀行委員会での質疑応答で、ドルの強さは金融政策の設定で「考慮する要素の一つであるのは確かだ」と述べた。同議長は10日の下院金融委員会での証言で、最近の金融市場の混乱を受けて、米金融当局が従来想定していた追加利上げの時期を先送りする可能性を示唆した。

12日の東京株式相場は大幅続落。日経平均株価は14年10月21日以来の1万5000円割れとなった。前日には欧州株式相場が下落し、指標のストックス欧州600指数は13年9月以来の安値に沈んだ。中央銀行が世界的な景気減速を食い止める力を失っているとの懸念から米株式相場も下落。米10年債利回りは一時3年半ぶりの水準に低下した。

上田ハーローマーケット企画部の山室宏之氏は、この日は米国で小売売上高などの発表があるが、足元では経済指標の強弱よりもリスクオフの動きに敏感な状況が続いていると説明。「週明けには春節明けの中国株式市場が再開されることから、本格的なリスクマインドの改善への道は遠く、必然的に戻りは限定的なものとなりそう」と指摘した。

ユーロ・円相場は前日の海外市場で一時1ユーロ=125円78銭と13年6月以来の水準まで円高が進行。この日の東京市場では127円台後半まで円安に振れる場面も見られたが、その後126円台後半まで値を戻している。ユーロ・ドル相場は前日の海外時間に昨年10月21日以来の水準となる1ユーロ=1.1376ドルまでユーロ高・ドル安が進んだが、この日の東京市場では1.3000ドル付近まで弱含みとなった。

記事についての記者への問い合わせ先:東京 小宮弘子 hkomiya1@bloomberg.net
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O2ENTX6K50YZ01.html

債券は大幅安、政策対応観測や流動性供給結果で−長期金利0.08%に
2016/02/12 15:44 JST


    (ブルームバーグ):債券相場は大幅安となり、長期金利は約1週間ぶり水準まで上昇した。日銀の黒田東彦総裁らと安倍晋三首相の会談で、円高・株安などへの政策対応が図られるとの観測が強まったほか、今日実施の流動性供給入札の結果を受けて、売りが優勢となった。

12日の現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の341回債利回りは、日本相互証券が公表した前営業日午後3時時点の参照値より0.5ベーシスポイント(bp)低い0.00%で開始。徐々に水準を切り上げ、午後に入ると一時0.08%と4日以来の高水準を付けた。

新発20年物の155回債利回りは1bp高い0.74%で開始し、午後には0.80%と2日以来の高水準まで達した。新発30年物の49回債利回りは7.5bp高い1.145%と、1月29日以来の水準まで上昇した。

岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「10年債は安全資産需要や追加緩和期待で買われ過ぎていた感じがある。日銀の大規模な買い入れや3月の大量償還も控えており、これで金利が上昇していくということではないが、若干の調整が入ってもおかしくない。世界経済の減速懸念が中国から始まり、足元では欧州の金融不安も出てきているが、金融緩和の効力はなくなってきている」と指摘。「流動性が低下する中で何かあるとボラティリティが高まりやすい」と述べた。

長期国債先物市場で中心限月3月物は、前営業日終値比16銭高の152円05銭で始まり、いったん152円10銭まで上昇した。その後は下げに転じ、午後に入ると一段と水準を切り下げ、151円06銭と5日以来の安値を付け、結局は78銭安の151円11銭で引けた。

BNPパリバ証券の藤木智久チーフ債券ストラテジストは、債券相場の下落について、「流動性供給入札が弱かったことや、政策をめぐり当局の動きに対する不透明感が影響している」と説明。「マイナス金利が適応される16日決済のGCレポレートが思ったよりも下がらず、意外と金利が下がらない可能性を意識したもよう。16日からのマイナス金利導入を先回りして、買いが膨らんでいたため、その巻き戻しも出ているもよう」と話した。

黒田総裁は、この日昼に官邸を訪れ安倍首相と会談した後、記者団に対し、為替を含めて市場の動きをしっかり注視していくと述べた。官邸では財務省の浅川雅嗣財務官と世耕弘成官房副長官も別に会談し、最近の金融市場の背景について話し合った。市場参加者からは、為替介入や日銀の緊急金融政策決定会合の開催に対する観測が出ている。

JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長は、「債券が売られたのは、黒田総裁と安倍首相が会談との報道を受けて、為替介入が入って株価が反転する可能性が出て、マイナス金利強化の可能性が低下するという見方があると思う。これまで日銀がマイナス金利政策の幅を拡大していくとの見方から債券は買われていたが、銀行株が下落して、市場ではマイナス金利政策が有効なのかと疑念が出てきた。日銀の緊急会合開催は、あり得ると思う」と話した。

流動性供給入札

財務省が午後発表した流動性供給入札(発行額5000億円)の結果によると、募入最大利回り較差が0.015%、募入平均利回り較差は0.007%となった。今回の対象銘柄は残存期間5年超から15.5年以下の国債。投資家需要の強弱を示す応札倍率は2.87倍と、前回同年限の3.12倍から低下した。

この日の東京株式相場は大幅続落。日経平均株価は前営業日比760円78銭安の1万4952円61銭と、1万5000円を割り込んで終えた。前日の海外市場でドル・円相場は一時110円99銭まで円高・ドル安が進んだ。11日の米国債相場は小幅続伸。米10年債利回りは1bp低下の1.66%程度で引けた。同日の欧州債市場ではドイツ国債が上昇。利回りは8年物までマイナスとなり、過去最低を更新した。

三井住友銀行の宇野大介チーフストラテジストは、「欧州の金融株が売られて、ドイツ国債・英国債の金利が低下している。マイナス金利を先んじて導入していた欧州国債でプラス圏に金利が残っているので、利回り曲線をつぶす余地がある」と分析した。

記事に関する記者への問い合わせ先:東京 池田祐美 yikeda4@bloomberg.net;東京 山中英典 h.y@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:崎浜秀磨 ksakihama@bloomberg.net 山中英典
更新日時: 2016/02/12 15:44 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O2BM4N6K50Y101.html

スウェーデンのマイナス金利、見た目ほどは影響なし

スウェーデン国立銀行は11日、主要政策金利のレポ金利をマイナス0.35%からマイナス0.5%へさらに引き下げた

By JON SINDREU
2016 年 2 月 12 日 16:11 JST

 スウェーデン国立銀行(リクスバンク、中央銀行)は10日、すでにマイナス圏にある借り入れコストをさらに引き下げることを決断したため、中銀預金金利はマイナス1.25%という驚くべき低水準となった。

 昨年12月に引き下げられた欧州中央銀行(ECB)の中銀預金金利はマイナス0.3%にとどまっており、スウェーデン中銀はマイナス金利政策での突出した推進派のように見える。

 しかし、その見た目と裏腹に、中銀預金金利の重要性はリスクバンクよりECBの方がはるかに大きい。銀行間貸出金利に与える影響が全く違うからだ。実際には、ECBが3月の定例理事会で中銀預金金利をさらに引き下げれば、スウェーデンの水準に近づくだろう。

 背景にあるのは、根強い低インフレに対する各国中銀の対応だ。量的緩和と呼ぶ大規模な金融資産購入を実施することで、各中銀は市中銀行のバランスシートに莫大な資金を供給してきた。

 準備金と呼ばれるこうした資金は中銀のコンピューターシステムの中だけに存在するので、直接貸し出されることはない。中銀に預けておくか、現金という形で引き出すかのいずれかしかできない。

中央銀行の各政策金利と銀行間金利・貸出金利の比較、ユーロ圏の場合

http://si.wsj.net/public/resources/images/BN-MO451_MBECB0_P_20160211125403.jpg

 これが、欧米の多くの中銀による金利変更の方法に劇的な変化をもたらしてきた。システムに超過準備がほとんどなければ、中銀は金利を簡単に調整できる。ところが、莫大な超過準備がある現在、中銀は金利調整を預金ファシリティーに依存している。中銀は、市中銀行が中銀に預けておくだけで得られる金利より低い金利で互いに貸し合うようなことはしない、ということを承知しているのだ。

 こうした資金は中銀のシステム内だけで存在するため、銀行間貸出金利は、それがマイナスになろうとも中銀預金金利に追従することになる。

 とはいえ、それがマイナス圏のどこまで低下し得るかには限度がある。銀行の収益を圧迫するほか、相対的に損害が少ない現金の退蔵という選択を銀行が行うリスクもあるからだ。

中央銀行の各政策金利と銀行間金利・貸出金利の比較、スウェーデンの場合 ENLARGE
中央銀行の各政策金利と銀行間金利・貸出金利の比較、スウェーデンの場合 PHOTO: THE WALL STREET JOURNAL
 実際には、ECBの預金金利がリクスバンクの水準まで下がる可能性がある、という考えは誤解を招く恐れがある。というのも、リクスバンクが短期金融市場で毎日行っているオペレーションによって、市中銀行は預金金利への打撃をほぼ回避できるからだ。

 リクスバンクは、「微調整取引」と呼ぶオペレーションを通じ、銀行間貸出金利が毎週の流動性供給入札で設定されるベース金利から0.10%以上離れないようにしている。つまり、マイナス金利の下では、スウェーデンの市中銀行はこうした毎日の微調整取引に資金を投じることができるということになる。確かにコストはかかるが、預金ファシリティーほどは大きくない。

 実際には、リクスバンクはマイナス0.5%の金利(実質的には1週間物預金ファシリティー)で資金を受け入れていることになる。

 これは、現在のECBの預金金利がリクスバンクの1週間物金利の方に近いということを意味する。つまり、金利がさらにマイナス方向に進む余地はあまりなさそうだ。

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マイナス金利で深まる景気減速懸念
ドラギECB総裁は先月、3月に追加緩和する構えを示した

By TOMMY STUBBINGTON AND MARGOT PATRICK
2016 年 2 月 12 日 15:01 JST

 マイナス金利が銀行の収益を圧迫し、広範な景気減速懸念をかきたて、中央銀行は手出しがほとんどできなくなっている。

 中央銀行が市中銀行から預かる預金に金利をつけずに金利をとるというこの状況が、投資家を慌てさせ、警戒すべき難問を投げかけている。不良債権を抱えた銀行は、これほどの低金利には耐えられないかもしれない。だが足元のおぼつかない経済は金利上昇を容認できない可能性がある。

 欧州や各地の傷を負った銀行にとって、最悪のタイミングでマイナス金利を迎えたことになる。金融危機以降に施行された規制で銀行経営は一段とシンプルで回復力が高いものになった。だが、収益の流れが閉ざされ、株式や債券、商品(コモディティー)の取引は収益力が薄れている。過去の悪しき行為に対し巨額の罰金を科された多くの銀行は、資本増強を差し控えている。

 いま、マイナス金利が銀行の最も伝統的な収入源を脅かしている。銀行が融資で得る金利と預金に支払う金利の差、つまり利ざやだ。マイナス金利の導入で経済全般の他の金利も低下し、借り入れが安くなっている。

 投資家らは、欧州と日本の中央銀行がマイナス金利を導入したことが、世界中の銀行株に打撃を与えている懸念の重要な要素だと言う。欧州の銀行が最もリスクの高い債務に対する金利やクーポン(利札)の支払いをやめる可能性や、新たに増資する必要があるなどの懸念の中心には、銀行部門全体の収益力低下傾向が弱まる兆しを見せていないことがある。

最悪の循環:金融緩和→銀行収益悪化→低成長→追加緩和→収益悪化加速→リスク回避→株安→資金需要減少 ENLARGE
最悪の循環:金融緩和→銀行収益悪化→低成長→追加緩和→収益悪化加速→リスク回避→株安→資金需要減少
 11日は銀行株にとって悲惨な年の新たな恐ろしい一日だった。フランスのソシエテ・ジェネラルは業績見通しを下方修正し、株価が13%下落した。クレディ・スイス・グループは弱い決算を手掛かりに8.4%安となり、年初来の下げは43%に達した。イタリアの5つの銀行は11日に株価が5%以上も下がった。米国市場ではシティグループが午後の取引で6%以上も売られた。

 投資会社パシフィック・インベストメント・マネジメント(ピムコ)の金融調査部門グローバルヘッド、フィリップ・ボドロー氏は、「銀行にとっての重要課題は、金利と金融政策に何が起きているかだ。投資家は、中央銀行が金利をさらに一段とマイナスに押し下げることを心配している。そうなると銀行の利ざやが損なわれ収益に影響するからだ」と指摘した。

 JPモルガン・チェースのエコノミストらは今週、銀行はマイナス金利に対応して現金を抱え込み融資を減らす可能性があると警告を発した。だが、スイスやデンマーク、ユーロ圏諸国などマイナス金利の国々では、まだそのような事例はない。

 欧州中央銀行(ECB)は12月、金利をさらにマイナス水準に引き下げた。日本銀行は1月にマイナス金利を導入した。スウェーデンの中央銀行が11日、主要金利をマイナス0.5%に引き下げるなど、経済規模がより小さい一部の国々でも金利はさらにマイナスになっている。

 一方、米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は11日の議会証言で、米経済により強くてこ入れする必要が生じた場合に短期金利をマイナスに押し下げる実効性を研究していることを明らかにした。

 ある意味で、金利をマイナスにするのは賭けだ。その理屈は次のようなものだ。マイナス金利で銀行は打撃を受けるが、経済を動かすことになる。経済が強くなれば、銀行の業績回復に役立つ。銀行が崩れ始める前に、景気が回復に向かう必要がある。

 だが、この賭けはうまくいっていないようだ。

 結果はかなり心配なものになっている。弱い銀行が経済のさらなる足かせになるかもしれない。そして、経済が弱く、賃金と物価下落の悪循環であるデフレが迫る中、マイナス金利を導入した中銀は渋々方針転換して利上げすることになるだろう。

 さらに、中銀には低迷する経済を活性化する他の手立てがほとんどなくなり、成長回復に苦慮している。ECBは債券買い入れ措置を延長したが、ドラギ総裁は先月、3月に追加緩和策を講じる構えを示した。日銀は、20年にわたる低インフレと進まぬ経済成長に終止符を打つべく、3年間の積極的な金融緩和に続いてマイナス金利導入を決めた。

 金利をマイナス水準に押し下げることは、一種の通貨安競争も意味している。誰もこの争いから手を引こうとはしていないようだ。世界の経済大国はどうにかしてインフレを促そうとしている。その手法の一つが利下げだ。利下げすると通常、その通貨の投資妙味は薄れる。通貨安で輸入物価が上昇し、輸出業者の利益は高まる。

 スイスとスウェーデン、デンマークはいずれも、自国通貨を押し上げる外国資金の流入を防ぐためにマイナス金利を利用している。エコノミストらは、日銀が1月にマイナス金利を導入した目的は円安誘導にあると指摘した。だが効果はなかった。円相場は11日も続伸し、マイナス金利導入発表時よりも高くなっている。

 これらの国々では、マイナス金利で銀行の問題が悪化した。銀行は従来、預金金利よりも高い金利で融資することで、いわゆる利ざやを稼いでいる。低金利ですでに利ざやは少なくなっている。一方、銀行が債券市場などから資金を調達するコストは今年急上昇している。

 マイナス金利でこの圧力が強まった。銀行は中央銀行に資金を預けると実質的に金利を支払うことになるが、それを顧客に転嫁するのは難しいだろう。預金者は、銀行預金に手数料を払うよりも現金を抱えておくようになるだろう。

 ドイツ連邦銀行(中央銀行)の統計によると、ドイツの銀行は収入の約75%を預貸の利ざやで稼いでいる。連銀によると、金利低下でドイツの銀行の金利収入は2007年の4190億ユーロから14年には2040億ユーロに落ち込んだ。ドイツの金融当局はマイナス金利が同国の銀行にとって深刻な問題になる可能性を警告した。

 デンマークの銀行業界団体によると、マイナス金利は同国の銀行にとって昨年は10億クローネ以上の負担になった。

 その影響は精彩を欠く銀行の業績に表れている。イタリアのUBIバンカは11日、金利純収入が予想を下回ったと発表し株価が12%下がった。銀行アナリストらは、利ざやに関して投資家の期待はさらに裏切られる可能性があると述べている。HSBCホールディングスとスタンダード・チャータード銀行は米金利が上昇した恩恵を受けそうだが、FRBが追加利上げする可能性は少なくなったようだ。

 今のところ、マイナス金利が銀行に有利に働いている要素は、バランスシート上のほんの一部にしか確認できない。銀行が中銀に資金を預けても、一連の規則でマイナス金利の適用から外れる部分がかなりある。JPモルガン・アセット・マネジメントのグローバル市場ストラテジスト、アレックス・ドライデン氏によると、ECBのマイナス金利の対象となる預金はいまのところ、ユーロ圏の銀行資産のわずか2.2%だ。日本については、たった0.9%だ。同氏は、「指標金利をマイナスにすることは最終的な限界ではない。マイナス金利が消費者と実体経済に影響するようになって初めて、大混乱に陥るだろう」と語った。

 金利がさらにマイナスになると、銀行は一つの選択を強いられるだろう。利ざやのさらなる縮小に甘んじるか、顧客にマイナス金利を転嫁して銀行から遠ざけるリスクを冒すかだ。いずれにしても銀行部門にとってはさらなる打撃を意味する。

 ピムコのボドロー氏は、ユーロ圏ではそうならないとみている。ECBは銀行部門の危機が実体経済に波及することを警戒しているからだ。「ECBがもっとマイナス金利に踏み込めば、金融の安定性への懸念が高まるので、それはかなりな驚きだ」と述べた。

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円高が止まらない理由とは
円高はアベノミクスによる株高の基盤がいかにもろいかをあらわにした

By ALEX FRANGOS
2016 年 2 月 12 日 14:24 JST

 アベノミクスは強烈なパンチ力を持っているはずだった。だが、実は大した威力はないことが判明した。

 週初からの猛烈な円高進行と日本株の急落は、安倍晋三首相の日本経済再生プログラムを好感したこれまでの株高の基盤がいかにもろいかをあらわにした。

 円は11日の海外市場で一時110円台を付け、直近では、日本銀行がマイナス金利導入を発表した直後の水準よりも約7%円高・ドル安水準で推移している。その直接の原因は、海外投資家が日本株を買う一方で円を売るという人気の投資戦略を解消したことだ。

 海外投資家は日本株を売却するときに同時に円の売り持ち高を解消する。こうした動きが円相場を押し上げ、投資家はこれをさらに株を売却する合図と受け止めた。多くの日本企業は円安に依存して収益を維持しているからだ。これが、相場の総崩れにつながる典型的なフィードバックループだ。

日本株取引に占める外国人投資家の割合 ENLARGE
日本株取引に占める外国人投資家の割合
 最近の日本市場では海外投資家の重要度が高い。東京証券取引所の取引の60%は海外の投資家によるものだ。10年前のシェアは38%だった。

 しかし、投資家の動揺を招いたそもそもの原因は何だったのか。日銀のマイナス金利政策は遠慮がちに急いで導入された。マイナス金利の導入は、日銀の大規模な量的緩和が限界に達したことを認めることにもなった。日銀のタイミングが悪かっただけなのかもしれない。米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げや中国景気減速、原油安をめぐる懸念が世界的な株安を引き起こしているさなかでの追加緩和だったからだ。

 いずれにせよ、結果的に日本国民の蓄えが犠牲にされていることが問題だ。アベノミクスの一つの目玉は、国内主要年金基金に対し、国内債券での運用を減らす一方で日本株や海外の株式・債券への投資を増やすことを求める運用改革だった。だが改革は、2015年に株価がピークを打ち反落しつつある時期と重なった。

 約135兆円の資産を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は昨年9月末時点で保有資産の43%を株式で運用していた。3年前の株式の比率は24%だった。従って、GPIFは今回の大幅な株安で大きな打撃を受けたはずだ。しかも、日本国債の歴史的な相場上昇に乗じることができなかった。海外資産の割合が増えたため、円高による痛手も大きい。

 従来退屈な運用に終始していた日本の投資マネーを経済の中でよりリスクの高い部門に振り向けることが、成長を加速する上で正しい行いであることはほぼ間違いない。だが、短期的な損失が生じることで、緩和政策全体への支持が失われる可能性もある。

 相場のこれまでの上昇分が瞬く間に吹き飛んでしまいかねないことを考えると、投資家はアベノミクスが本当はどれだけ盤石なのか疑問を感じざるを得ないはずだ。

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世界の市場で何が起きているのか−5つの背景
ウォール・ストリート・ジャーナルのSaumya Vaishampayan記者が最近の市場混乱の原因について解説する(英語音声のみ) Photo: Getty
By SAUMYA VAISHAMPAYAN
2016 年 2 月 12 日 14:53 JST 更新

 株式、債券、為替、コモディティー(国際商品)の年初来のボラティリティー(相場変動率)上昇を受け、投資家は何が起きているのか慌てて見極めようとしている。

 もっともらしい答えが見つかったかと思うとすぐに市場は反対方向に動き、また説明がつかなくなるといった毎日だ。少し前までは、原油価格の急落が株価指数下落の最大要因のように思えていた。だが今では、S&P500種指数の年初来下落率が業種別指数の「エネルギー」の下げよりも大きく、さらには「金融」がそれ以上に大きな下げ幅を記録している。

 広く受け入れられるような包括的な理由を見つけるのは難しいことが分かったため、およそ十分とは言えない矛盾した説明が乱立しているありさまだ。それでもアナリストやトレーダーは、前途に待ち受ける相場の山や谷に備えロードマップ(行程表)を作成したい一心で答えを求め続けている。

 コモンウェルス・フィナンシャル・ネットワークのブラッド・マクミリアン最高投資責任者(CIO)は「投資家の信頼感を大きく揺るがす悪材料が世界中で同時に発生した」とし、「足元のボラティリティーは極めて異例で恐ろしいと受け止められており、そうした側面が問題を悪化させている」と指摘する。

 では市場の動きを説明する一番の方法は何か。以下に五つの理論を挙げる。

1.動きの速い投資マネー

 投資家は昨年、預貸利ざや(貸出金利と預金金利の差)が拡大することで銀行の利益が増えると予想していた。ほぼ1年を通じて米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げの構えを見せていたからだ。だが年が明けると、投資家は「より低い金利がいっそう長く続く」との見方に転じた。あと数年は金利が大きく上昇することはないという粛然たる投資家予想を背景に、銀行株は年初から急落している。日本銀行が1月29日に発表したマイナス金利の導入は、すでに足元がふらついていた世界の金融部門に衝撃を与えた。

10年物国債利回り(左)とS&P500種「金融」指数 ENLARGE
10年物国債利回り(左)とS&P500種「金融」指数
 こうした流れは世界経済に垂れ込める暗雲と、「マクロ(経済)の」主要問題を材料に大きな相場変動に振り回されてきたここ1年の取引を浮き彫りにしている。

 TCWグループのシニアポートフォリオマネジャー、ダイアン・ジャフィー氏は「動きの速い投資マネーは利上げを見込んで2015年末に銀行(株)へ流入したが、その後逃げ出した」と言う。

2.人民元への懸念

 現在の市場混乱の発端は中国だとの指摘もある。中国が人民元相場の切り下げを余儀なくされるとみる投資家は多い。そうなれば、少ない輸出収入をめぐり国同士の競争が激化し、世界の景気懸念がいっそう深まる可能性が高い。中国当局は人民元を減価させる考えはないとしているが、一部のヘッジファンドは数十億ドル規模の元売りを仕掛け、切り下げに追い込もうとしている。

中国人民元の対ドル相場(左)と株式指数の推移 ENLARGE
中国人民元の対ドル相場(左)と株式指数の推移
 8月の人民元切り下げが世界株安の引き金となったこともあり、アナリストらはこうした攻防を注意深く見守っている。政府統計の信頼性が長らく疑問視されてきた中国の景気の弱さがいずれ露呈するとの懸念も強い。QSインベスターズのポートフォリオマネジャー、ウェイン・リン氏によると、多くの投資家は(中国の)最近の動向が「ハードランディング(硬着陸)」を意味すると案じている。

3.政府系ファンド(SWF)の売り

 原油価格が高かったときに産油国は数十億ドルもの資金を投資ファンドに注ぎ込んだ。だがこれらのファンドは現在、当時買った株式の売却を進めており、これが米国株の売りを加速させているとの見方もある。

産油国の株式保有比率 ENLARGE
産油国の株式保有比率
 ドイツ銀行のデータによると、産油国投資家の保有比率が特に高い米国株は、証券取引所を運営するナスダック、貴金属・宝飾品大手ティファニー、保険大手アメリカンファミリー生命保険(アフラック)、資産運用大手ブラックロックなどだ。

 もちろん、実際に株を誰が売って誰が売っていないかが分かるデータはほとんどない。また、これらのファンドがどれほど大規模だからといって本当に米市場に多大な影響を及ぼし得るのか、疑問視するのも一理ある。

 JPモルガンは、世界のSWFが今年売却を余儀なくされる株式の総額を750兆ドルと予想しているが、米国市場の時価総額は直近で20兆9500ドルだ。

 JPモルガン・アセット・マネジメントのマルチアセット・ソリューションズ部門グローバルストラテジスト、ベン・マンデル氏は「原油安の長期化が予想されるが、原油収入を原資とするSWFの投資動向が米国株や株式一般にとって致命的な脅威になるとは思わない」と指摘する。

4.米景気減速への不安

 多くの投資家は、ここ数年にわたり先進国中最も堅調だった米国の経済成長がドル高などのさまざまな世界要因の影響で頓挫する、との不安を抱いている。米サプライ管理協会(ISM)が発表した1月の製造業景況指数が業況の拡大・縮小の境目となる50を4カ月連続で下回ったほか、1月の米雇用統計では非農業部門就業者数の伸びが鈍化したことが明らかとなり、連邦準備制度理事会(FRB)関係者らは懸念を示している。

MSCI新興国指数(左)とIMFの経済成長率予想 ENLARGE
MSCI新興国指数(左)とIMFの経済成長率予想
 UBSウェルス・マネジメント・アメリカスの株式シニアストラテジスト、デビッド・レフコウィッツ氏は「誰もが実際に気にしている最大のリスクは、新興国が大幅に減速し、その影響が米国に波及することだ」と言う。

5.需要低迷

 2014年6月以来の原油価格の低迷は、原油安をよそに世界の産油国が増産に走ったことによる供給過剰が主な原因だが、最近では需要の鈍化も指摘され始めた。

NYMEX原油先物価格(左)と世界原油需要の前年比増加率 ENLARGE
NYMEX原油先物価格(左)と世界原油需要の前年比増加率
 キングスビュー・アセット・マネジメントのポートフォリオマネジャー、ポール・ノルテ氏は「コモディティー価格全体が低迷した場合、一般的に言えば、それは世界的に需要が弱いということだ」と話す。

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FRB、低インフレ懸念に拍車か−輸入物価に注目


By STEVEN RUSSOLILLO
2016 年 2 月 12 日 15:14 JST

 こんなはずではなかった。原油価格は今ごろ底入れしているはずで、ドルはこれほど上昇するとは予想されていなかった。低インフレは一時的なものとみられていた。

 米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は、原油価格の急落に「かなり驚いている」。そして、それはエネルギー部門だけの話では済まなくなっている。

 通貨安に見舞われた多くの新興国が世界経済の成長を圧迫している。低インフレは、さらに大きな試練となってからでなければ改善に向かいそうもない。こうしたことの全てが、12日に発表される1月の米輸入物価指数の手掛かりとなるだろう。

 ウォール・ストリート・ジャーナルが実施したエコノミスト調査では、1月の輸入物価指数は前月比1.5%の低下が中心予想となっている。予想通りなら前月比で低下するのは7カ月連続で、低下率は昨年12月を上回る。

 2014年半ば以降、ドルがユーロなど他通貨に対して異例の上昇を見せたため、輸入品価格は圧迫され、米消費者にとって海外製品は相対的に割安になった。このため、FRBは2%のインフレ目標達成が難しくなっている。3年余りも届いていないインフレ目標の達成は、日に日に難しくなっているようだ。

 輸入物価の下落はインフレにさらなる下押し圧力を加える可能性が高い。低インフレは長期化すればするほど、自己実現的な予言になるリスクが高まる。

米消費者の3年先の予想インフレ率(ニューヨーク連銀調査) ENLARGE
米消費者の3年先の予想インフレ率(ニューヨーク連銀調査) PHOTO: THE WALL STREET JOURNAL
 ニューヨーク連銀が毎月実施している消費者のインフレ期待調査を見てみると、家計の1年?3年先の予想インフレ率は調査開始以来最低の水準に達している。

 市場ベースのインフレ期待もしばらく低下しているが、JPモルガンのエコノミスト、マイケル・フェローリ氏によると、FRB当局は調査ベースのインフレ期待低下の方に関心を寄せる公算が大きい。

 確かに、ドルの上昇相場はここ数週間でいくらか勢いを失っている。だが、これが近く輸入物価に表れる可能性は低い。海外でのドル建ての購入は大抵の場合、数カ月程度前もって契約が結ばれる。

 これら全てを考慮すると、FRBが来月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを決める可能性はほぼなくなる。輸入物価が下落し続ければ、今年これ以降の利上げについても疑問視されるだろう。FRBにとっては振り出しに戻る形となる。

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欧州国債市場、南北分ける断層線が再び顕在化
ECBが量的緩和を実施しても、欧州国債市場の南北を分ける断層線は埋められていない

By RICHARD BARLEY
2016 年 2 月 12 日 15:40 JST

 欧州ソブリン債務危機は今でも市場に響き渡っている。

 今週は世界の金融市場の混乱がユーロ圏の国債にも及んだ。欧州中央銀行(ECB)の量的緩和策(まだ拡大される可能性もある)という明らかな保証と下支えがあるにもかかわらず、おなじみのパターンが浮かび上がっている。

 ドイツの国債相場が上昇しているにもかかわらず、イタリア、スペイン、ポルトガルの国債が急落しているのだ。11日は株価が再び大幅安となる中、新たな圧力に見舞われた。

 イタリアとスペインの場合、社債や株式などリスク資産を保有する投資家が、マクロ経済の不安定性に対するヘッジとして国債売りに動いたことが背景と思われる。イタリア国債は、特に流動性の高い先物市場では手っ取り早くポートフォリオを守る手段としての目的にかなう。そしてスペインとイタリアの国債相場は連動する傾向がある。

10年物ドイツ国債との利回り差。スペイン(青)、ポルトガル(緑)、イタリア(水色) ENLARGE
10年物ドイツ国債との利回り差。スペイン(青)、ポルトガル(緑)、イタリア(水色)
 値動きが大きいとはいえ、スペインとイタリアの10年物国債はドイツ国債との利回り差(スプレッド)が最近のレンジを著しく外れているわけではない。市場の緊張が緩和し、特に欧州の銀行をめぐる混乱が落ち着けば、ECBの量的緩和が手掛かりとして再び幅を利かせる中、スプレッドは縮小するはずだ。10日の欧州市場で銀行株が急騰した際には、そうしたムードが垣間見えた。

 ただ、ポルトガルでは話が違うようだ。10年物のポルトガル国債とドイツ国債のスプレッドは年初の2%未満から拡大し、今週3.5%を突破した。2014年序盤以降で最大に達している。

 ポルトガル新政権が予算案をめぐり欧州委員会と対立していることや、大手銀ノボ・バンコへの資本注入において一部の債権者にのみベイルイン(損失負担)を求めるという決定についての懸念はより根本的なものであり、ECBの量的緩和をもってしても打ち消すことはできない。

 ポルトガル国債はECBの買い入れ対象の資格をぎりぎり満たしている。格付け会社のうちDBRSのみが同国債に投資適格級を付与しているため、量的緩和の下での買い入れが可能となっている。

 ポルトガルは国際金融支援からの脱却に成功したが、経済成長の停滞や高水準の債務をめぐって引き続き問題に直面している。国際通貨基金(IMF)は、ポルトガルの経済成長率が今年は1.4%、来年は1.3%になると予想している。債務水準はやや低下するはずだが、2017年も国内総生産(GDP)比126%にとどまる可能性があるという。

 世界的な緊張が欧州国債市場へ今なおこのように影響し得るという事実は、ユーロ圏の危機にはまだ適切に対処されていない遺産があるということを思い出させる。危機が本格的に再来する可能性は低そうだ。だが、中央銀行が効率的に取り仕切っている市場においてでさえ政治や政策が重要であるということを、ポルトガル国債が再び証明している。

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米企業にとって金利水準はまだ高い
11日の上院銀行委員会で証言するイエレンFRB議長 ENLARGE

By JUSTIN LAHART
2016 年 2 月 12 日 13:10 JST

 金利水準は低い。だが、米企業の多くにとっては十分低くはないのかもしれない。

 11日も金融市場の苦痛は続いた。銀行の与信状況に対する懸念や原油相場の新たな下げがきっかけで、世界各地の株式相場が急落した。先週の失業保険申請件数が減少し、米雇用市場が引き続き強さを増していることを示したが、米株式市場も世界的な総崩れから逃れられなかった。

 米株にこれほど大きな下げ圧力がかかった一因は、海外の問題が米経済にどの程度影響するかについての懸念だ。連邦準備制度理事会(FRB)が3月もまた利上げしない公算が大きいことが明らかになり、ドル相場はここ数週間で軟化した。だが、すでに他の通貨に対してドル高になっており、これが諸外国の経済の軟化と相まって、米国の貿易にとって当面足かせとなるとみられる。このため、米国の国内総生産を圧迫するだろう。

 ドル高と海外経済の弱さはまた、輸入価格の低下を通じて物価上昇率を抑え続けるだろう。これは2%のインフレ目標達成を目指すFRBにとって問題だ。だが、低すぎるインフレ率と弱いGDPの組み合わせは、企業にとっても大きな問題だ。

米社債利回り(青)とGDP(緑)の推移 ENLARGE
米社債利回り(青)とGDP(緑)の推移
 インフレ調整をしていない名目GDPがこのところどうなっているかみてみよう。2015年10-12月期の名目GDPは前年同期比わずか2.9%増で、13年以降最低の成長率だった。この名目GDPの低い伸びが名目所得の低い伸びにつながっている。

 一方、企業の資金調達コストは上昇している。バンクオブアメリカ・メリルリンチの米企業マスター指数でみる米社債の実効利回りは3.6%で、7-9月期以降は名目GDP成長率を上回っている。

 つまり、債券を発行する資金調達コストを確実にカバーする必要のある米企業にとって、資金繰りの環境は厳しいということになる。実際、以前に社債利回りが名目GDP成長率を上回ったのは、FRBが量的緩和縮小を示唆して債券市場が混乱した13年の「テーパリングかんしゃく」の際のことだ。FRBはその後、景気を懸念して縮小開始を先送りした。

 多くの米企業が海外に巨額の投融資を行っていることも、米株市場がこれほど大きく下げる理由になっている。この要因も資金繰り状況をさらに悪化させている。

 JPモルガン・チェースの推計では、金額ベースでみると、米国を除く世界の名目GDPは7-9月期に前年同期を11.4%下回った。これは世界金融危機真っ盛りの09年1-3月期以降では最大の落ち込みだ。

 FRBはインフレ率が徐々に上向き始め、経済が少し強まることと相まって企業にやや余裕ができると考えている。だが、企業はいま余裕がまったくない。これが悪い状況をさらに悪化させる可能性がある。

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野村HD株がアベノミクス前の水準まで下落、反転の契機となるか (2)
2016/02/12 17:31 JST

    (ブルームバーグ):野村ホールディングスの株価が12日、450円を割り込んだ。これは2012年12月、デフレからの脱却を柱とするアベノミクスを打ち出した安倍晋三自民党総裁が首相に就任する前の水準だ。
グローバル市場で金融株の投げ売りが激しさを増す中、野村HDと大和証券グループ本社の株は8日続落した。12日の取引では野村は最大10%、大和は8.2%下落、それぞれ前日比45.3円(9.2%)安の446.6円、52.5円(8.2%)安の591.1円で取引を終えた。
国内証券各社は、アベノミクスの下での株式市場の活況を受け、株式委託手数料をはじめ、企業の合併・買収(M&A)や新規株式公開(IPO)など投資銀行手数料も伸ばしてきた。SBI証券の藤本誠之シニアマーケットアナリストは、アベノミクス前に比べファンダメンタルズが悪くなっているわけではなく、同セクターは反転する可能性があるとみている。
藤本氏は、野村など証券株は「投げ売りにより、下に行き過ぎている」と指摘。最大手の野村株がアベノミクス前の水準まで下落したことで、「ファンダメンタルズはあの時より悪くなっているのかどうか、ロンドンやニューヨークなどの外国投資家がじっくり考えるきっかけになる」とし、買い戻しが始まる可能性があると見通した。
自社株買い
野村HD株は同社が2月2日、昨年10−12月期の純利益が前年同期で半減、市場予想も下回ったと発表してから33%下落している。株価が過去3年間の安値を記録するなど大きく下落したことで、野村が株主還元策として自社株買いを実施する可能性が高まってきたことが9日明らかになったが、同社株はその後も下落を続けている。
野村の永井浩二最高経営責任者(CEO)は9日、ブルームバーグとのインタビューで、配当や自社株買いなどについて総合的に「きちっと考えている」と述べ、自己株取得について「どうせやるのなら、安いときにやった方がいいだろう。それは間違いない」と語った。ただ、時期や規模など詳細については、何も決まっていないとして言及を控えた。
SBIの藤本アナリストは、野村はこうした考えの下、「日本企業にも自社株買いをアドバイスしているに違いない」と指摘、今後企業から自己株取得の発表が相次ぐ可能性もあるとみている。また野村が自ら実施することになれば、マーケット全体が反転する契機となり得ると述べた。
英文記事: Nomura Drops to Pre-Abenomics Level as Japan’s Brokers Slump (1)
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O2F66F6JTSEA01.html

日経平均1万5000円割れ、週間下げ幅リーマン以来−円急騰と世界弱気
2016/02/12 15:41 JST

    (ブルームバーグ):12日の東京株式相場は大幅に3日続落し、日経平均株価は1年4カ月ぶりに1万5000円を割り込んだ。1800円を超えた週間下げ幅は、リーマン・ショック直後の2008年10月以来の大きさ。米国の利上げ先送り示唆を受けた為替市場で一時1ドル=110円台まで円が急騰、世界の株式が弱気相場入りし、不安心理が増幅した。東証1部33業種は輸出や素材関連、金融など全て安い。
TOPIXの終値は前営業日比68.68ポイント(5.4%)安の1196.28、日経平均株価は760円78銭(4.8%)安の1万4952円61銭。TOPIXの1200ポイント割れは14年10月17日以来、1万5000円割れは同21日以来。

しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹運用部長は、「ことし後半に思い描いていた相場環境が一気に前倒しできている。利上げがあって米国景気が伸び悩み、利上げが一服して円高、という投資家が大体描いていたシナリオだ」と指摘。為替市場の動きが急過ぎ、「円高というよりはドル安」と話した。
米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は10日、最近の金融市場の混乱を受け、当局が従来想定していた追加利上げの時期を先送りするかもしれないが、利上げの可能性を放棄する考えのないことを示した。11日にはマイナス金利について、米経済が腰折れした場合に取り得る政策手段の一つとして再検討している、と発言。米経済が下降期に入るとの見方については、「今の時点で判断するのは時期尚早だ」とした。

東洋証券の大塚竜太ストラテジストは、議長発言について「言っていることは正しくその通りだが、市場が元気を出すのには足りなかった」と分析。市場参加者の間で不安心理が先行する中、「今のところは投機的な動きだが、これが続くようであれば、実体経済にも影響を与えてくる可能性があり、少し怖い」と言う。

政府・日銀に慌ただしさ、週間下げ幅は1866円に

11日のニューヨーク為替市場では円が対ドルで急騰。一時1ドル=110円99銭と日本銀行が緩和策を拡大した14年10月31日以来のドル安・円高水準を付けた。一部で財務省・日銀の介入観測も浮上し、きょうの東京市場では112円台で推移。麻生太郎財務相は12日午前の閣議後会見で、円相場の急上昇について必要に応じて適切に対応する、と発言。日銀の黒田東彦総裁はきょう昼に首相官邸を訪れ、安倍晋三首相と会談した。

MSCIオールカントリー世界指数は11日に1.3%下落し、昨年5月の過去最高値からの下げが20%を上回り、弱気相場入り。同日の欧米株も下落、ニューヨーク原油は4.5%安の1バレル=26.21ドルと約12年ぶり安値を付けた。世界市場で続く波乱の連鎖から投資家のリスク回避姿勢は強まる一方で、今週の日経平均下げ幅は1866円98銭、下落率は11.1%に達し、下げ幅ではリーマン危機発生直後の08年10月2週、下落率は同4週以来の大きさに膨らんだ。欧州では金融不安再燃の警戒も強く、ドイツ銀行が発行したTier1債に関し、米格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は格付けを「BBマイナス」から「Bプラス」に下げた。

東証1部33業種の下落率上位は海運、その他金融、証券・商品先物取引、ガラス・土石製品、輸送用機器、化学、繊維、情報・通信、鉱業、不動産。東証1部の売買高は47億416万株、売買代金は4兆1834億円。上昇銘柄数は53、下落は1877。きょうの取引開始時は株価指数オプション2月限の特別清算値(SQ)算出だった影響もあり、売買代金は1月29日以来の4兆円に乗せた。ブルームバーグ・データの試算では、日経225型SQは1万5156円81銭と前日終値を556円58銭下回った。
売買代金上位ではトヨタ自動車や三井住友フィナンシャルグループ、ソフトバンクグループ、ファナック、KDDI、富士重工業、野村ホールディングス、オリックス、JR東日本、セブン&アイ・ホールディングス、パナソニック、マツダ、ダイキン工業、三井不動産、伊藤忠商事の下げがきつい。京セラは逆行高。

記事についての記者への問い合わせ先:東京 竹生悠子 ytakeo2@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Sarah McDonald smcdonald23@bloomberg.net 院去信太郎
更新日時: 2016/02/12 15:41 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O2EN646TTDS501.html


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