★阿修羅♪ > 経世済民105 > 625.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
中国株の動揺は世界恐慌の前触れか(Wedge)
http://www.asyura2.com/16/hasan105/msg/625.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 2 月 17 日 14:31:40: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

中国株の動揺は世界恐慌の前触れか
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160217-00010002-wedge-bus_all
Wedge 2月17日(水)12時12分配信


 ローレンス・サマーズ元米財務長官が、恐怖にとらわれた市場が発するシグナルを深刻に受け止める必要があり、最悪の事態はこれからだ、と警告する一文を1月10日付フィナンシャルタイムズ紙に寄稿しています。要旨は次の通り。

■株式市場が発する警告

 市場は往々にして年末に動揺し、年が明けると落ち着くが、今年はそうではない。欧米市場は大荒れで、中国の株式市場と人民元は劇的に下落した。石油価格はイランとサウジの間の緊張状態にかかわらず下落した。問題は二つある。一つは将来の成行きの指標として投機的な市場をどの程度頼って然るべきなのか、二つ目は世界的な景気後退をどの程度警戒すべきなのかということである。

 市場はそれが評価しようとするファンダメンタルズ以上に動揺する。50年前、ポール・サミュエルソンは「株式市場は過去5回の不況のうち9回を言い当てた」と皮肉を言った。ロバート・ルービン(財務長官)はクリントン政権時代、ホワイトハウスに「市場は上がったり下がったりするものだ」と言い続けた。

 しかし、市場は将来を継続的に評価し膨大な数の市場の参加者の見解を集約するので、しばしば価値ある警告を発する。市場の動向を単にスペキュレーションと片付けると、しばしば重大な間違いを犯す。市場はFRBよりも前に2008年の危機の重大性を理解していた。市場は数知れない場面で予測専門家よりも遙か前に景気後退、不況を見抜いていた。市場は時には間違った警報を発するので盲目的に従うべきではないが、一般通念では迫り来る嵐を捉えられない。

 多くの市場から長く続くシグナルが発せられる時、シグナルは深刻に受け止められるべきである。米欧日では10年以内にインフレ目標に達することはないであろうという市場のシグナルもそれである。特に不気味なのは市場がグッド・ニュースに積極的に反応しなくなることである。

 中国の状況は市場心理と不器用な政策対応の反映であり、世界市場の反応は一時的な伝染であるとも考え得るが、自分(サマーズ)はそうではないと思う。中国の成長の20%は金融サービスのセクターによるもので、それは英国のGDPにおける比率とほぼ同じである。また中国の債務の水準は異常に高い。これは健全で持続可能な成長のケースとはとても言えない。

 近年、中国の成長はインフラ投資に大きく依存してきた。中国は米国が20世紀に使ったセメントとコンクリートよりも多くを2011〜2013年の間に流し込んだ。これも持続可能ではない。そして中国のコモディティーに対する需要が減退する。経験によれば、一国の経済の最良の指標は、国民がその資産を自国にとどめ置くか、それとも海外に輸出するかにある。中国人はお金を海外に移すことに熱心である。もし外貨準備による大きな買い支えがなければ、人民元は更に下落していただろう。

 伝統的に、米国と欧州の経済には国際的な動向は限られた影響しか持たなかった。金融政策によってその影響を相殺出来たからである。FRBが金利を下げることで、アジアの金融危機を通じて米国は力強く成長した。しかし、先進国では金利は基本的にゼロという状況にあって、このオプションは最早手元になく、海外の経済問題は米国経済に遥かに大きな直接的影響を及ぼすであろう。

 中国の大きさ、その潜在的な動揺の可能性、そして金融政策によるマヌーバの余地が限られていることのために、米国、欧州、新興国の経済に対する世界的なリスクは記憶にある如何なる時とも同様に大きい。政策担当者は最善を望むとともに最悪に備えるべきである。

出典:Lawrence Summers,‘Heed the fears of the financial markets’(Financial Times, January 10, 2016)

*   *   *

■世界市場の反応は一時的なものではない

 有益な一文だと思います。年初来の中国の状況は市場心理とか政策当局のドタバタした対応だけで説明出来るものでないことは筆者が具体的に指摘しています。市場がこれだけ大きく動揺しているのですから、市場はもっと深刻なシグナルを発しているのだという観察はその通りでしょう。

 ただ、どういう種類のシグナルを発しているのか細かいことは書いていません。金融政策のオプションは最早手元にない、と言いつつ、どう対応すべきかについても書いていません。2008年の危機は中国の財政出動によって救われたようだが、その後遺症も現在の問題の一つと指摘されています。

 株式市場は何かを警告しているのではないか? 不況の到来を予測しているのか? という問題については、ワシントン・ポスト紙のコラムニスト、ロバート・サミュエルソンも1月10日付同紙で提起しています。彼は、世界のGDPの56%を占める途上国の成長の鈍化(インドは除く)、新興国における企業の負債の爆発的増加(中国がその最たるもの)、中国のバブルがはじけたことによる石油、穀物、金属などコモディティー価格の暴落といった問題が将来の見通しを暗くしており、先進国経済の成長は1ないし2%に張り付いたままで、世界経済は北朝鮮の核実験などコンフィデンスを害する色々な出来事に脆弱になっている結果、ビジネスや消費者の支出減退を招けば不況に転落する、と述べています。そして、株式市場は恐らくそう言っているのではないか、と書いています。何もかも問題だと言っているに過ぎないようにも聞こえますが、世界市場の反応は一時的な伝染だけで説明出来るものでないことは、これらの諸々の問題から知ることが出来ます。

岡崎研究所
 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
1. 2016年2月17日 15:42:28 : nJF6kGWndY : n7GottskVWw[717]

>中国株の動揺は世界恐慌の前触れか
>金融政策のオプションは最早手元にない、と言いつつ、どう対応すべきかについても書いていません。2008年の危機は中国の財政出動によって救われたようだが、その後遺症も現在の問題の一つと指摘

サマーズの指摘は大体正しいだろう

何度も言うように、

単なる金融緩和策とバラマキ財政政策だけでは持続的な経済成長にはつながらない

長期的なビジョンに基づいて、戦略的な財政の拡張が必要だ


さらに1国だけで行う場合、マネーが海外に流れていって、結局、資産バブルという副作用を大きくし過ぎることにもなるから

グローバル化が進み、経済が効率化するほど、多国間での協調的な金融財政政策と、適正な金融規制、

そして資産課税と再分配による格差是正が重要になってくるのだが

ロシアや中国、中東に限らず、多くの国は、大体、腐りきっているから、今後も、同じような信用拡大と収縮のサイクルを繰り返すことになる


だから過去を見れば明らかなように、政府に要求ばかりする怠惰な国民が多く、

生産性が低い寄生的な既得権企業を守る民度が低い国ほど、金融恐慌に近い信用収縮が襲うことになる

あと市場の警告は正しい場合が多いが、基本的に上下に過大に振れるし、間違っていることも結構あるから油断はできないw


2. 2016年2月17日 21:06:24 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[280]
Business | 2016年 02月 17日 18:23 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
金融機関のドル/円相場予想一覧、円高への修正が増加

[東京 17日 ロイター] - ドル/円JPY=相場の予想に関し、円高方向に見直す金融機関が増えている。中国の景気低迷や原油安に加え、米国経済の減速懸念、欧州金融不安といったリスク要因が浮上。今後12カ月で100円を割り込むという予想も出ている。

一方、外部環境さえ落ち着けば、120円程度までの円安水準に戻るとの見方もある。

年初、多くの金融機関の予想の前提となっていたのは、米国内総生産(GDP)成長率が2%前後で底固く、米国では今年2─3回の利上げを実施するとのシナリオだった。中国景気が減速しても、米国が世界経済をけん引するとの前提が存在していた。ところが、2016年に入るとさえない米経済指標が相次ぎ、従来の想定が急速に修正されている。

バークレイズ銀行・為替ストラテジスト、門田真一郎氏は「中国景気の減速が、米国経済の重しになってきている」と指摘する。これまで同行では、10─12月期の予想を120円としていたが、これを95円に引き下げた。

予想見直しの背景には、1)グローバルな不確実性の高まりを受けたリスク・センチメントの悪化、2)日銀緩和による円安効果や緩和余地をめぐる疑念、3)米利上げ観測の後退──があると説明している。

115円台を割り込んだ時点で、ドル/円の下落トレンドが強まったとし「購買力平価に基づく中期的フェア・バリューの推計値である95円程度が、下落余地の目安となるだろう」(バークレイズ銀行)としている。

ドイツ証券のストラテジスト、田中泰輔氏は「米国経済の減速が鮮明になり、リセッションの可能性すら憶測され始めている。このことはドル/円が米景気堅調という最も重要なサポートを失いつつあることを示す」としている。向こう数カ月、105─110円に向かう可能性を注視しているという。

一方、ドル高方向にシフトするかどうかは、米追加利上げへの思惑がカギを握りそうだ。

みずほ銀行・チーフマーケット・エコノミスト、唐鎌大輔氏は、レンジ上限を120円とみており「実際に追加利上げが可能かどうかとは別に、米経済指標に強い数字が出て米連邦準備理事会(FRB)が強気姿勢を示し、市場の思惑が高まればレンジの上限に接近する可能性がある」と指摘している。

<ドル/円相場の主な見通し>

最新予想 従来予想 予想変更日

バークレイズ 100─100─95円 123─123─120円 2月12日

(3月末─6月末─12月末)

ドイツ証券 109─105─112円 123─125─128円 2月12日

(3月末─6月末─12月末)

UBS* 120―122―122円 127―127―124円 2月11日

(3カ月─6カ月─12カ月)

ゴールドマン・サックス 122─125─130円 - -

(3カ月─6カ月─12カ月)

JPモルガン・チェース 115─117─113─110円 - 15年11月

(3月末─6月末─9月末─12月末) 

クレディスイス 110、105円 120、125円 2月10日

(3カ月、12カ月)

HSBC 115円 125円 15年11月

(年末)

三菱UFJMS証券 104─117円 121─134円 2月12日

(10─12月期想定レンジ)

三菱東京UFJ銀行 107─118円 112―126円 2月12日*

(年間レンジ)

みずほ銀行 105─120円 116─123円 2月16日*

(年間レンジ)

三井住友銀行* 107─119円 113─123円 2月15日

(年間レンジ)

野村証券 110─130円 120─135円 2月9日

(年間レンジ)

大和証券 105─119円 107─121円 2月12日

(年間レンジ)

*三菱東京UFJ銀行の予想は2月12日時点の参考ベース、みずほ銀行の予想は2月16日時点の分析、三井住友銀行は市場営業統括部調査グループの予想。UBSはUBSウェルス・マネジメントの予想。

(平田紀之 編集:田巻一彦)
http://jp.reuters.com/article/forex-idJPKCN0VQ0WG

 
コール市場が急縮小、取引残高は過去最低−10年ぶりマイナス取引 (1)
2016/02/17 17:35 JST

    (ブルームバーグ):金融機関同士が短期の資金を融通し合うコール市場の残高が過去最低水準まで急減している。日本銀行によるマイナス金利政策の導入に伴う負担増などを受けて、資金の調達側と運用側が共に取引を控えているためだ。
金融機関の取引を仲介する短資会社が加盟している短資協会によると、16日時点のコール市場の取引残高は前日比11兆9909億円減の4兆5360億円と、1988年11月のデータ公表以来で最低を記録した。無担保コール取引残高は同5兆1700億円減の2兆7784億円と2012年8月24日以来の低水準に達したほか、有担保コール取引残高は同6兆8209億円減の1兆7576億円と過去最低となっている。
日銀が公表するコール市場残高(16年1月)によると、有担保コール取引は資金の出し手の末残合計14兆1489億円億円に対して、取り手の合計が4兆8372億円で、この差額のほとんどが短資会社による資金の受け入れとみられている。
セントラル短資総合企画部の佐藤健司係長は、「担保が確保できなくなり取引をあきらめざるを得ない状況だ」と指摘。17日の市場については、無担保コール市場も含めて「さらに取引が落ち込んでいる感じだ」と言い、無担保コール翌日物については「マイナス金利での取引が成立した」と述べた。無担保コール翌日物がマイナス金利で取引されたのは06年2月以来。
日銀が午後5時すぎに公表した17日の無担保コール翌日物の加重平均金利(速報値)はマイナス0.002%と、04年11月8日(マイナス0.003%)以来のマイナス水準を記録した。この日の最高取引金利は0.001%、最低取引金利はマイナス0.050%だった。
記事についての記者への問い合わせ先:東京 船曳三郎 sfunabiki@bloomberg.net
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O2ODZ66S972F01.html


 

 
News | 2016年 02月 17日 18:28 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
マイナス金利政策の評価、金融機関などにヒアリング必要=石原経済再生相

[東京 17日 ロイター] - 石原伸晃・経済再生相は17日、報道各社とのインタビューで日銀が打ち出したマイナス金利政策について「デフレ脱却に対する姿勢は評価する」一方、二次的な影響を含めた政策効果は金融機関や預金者へのヒアリングが必要とし、現時点での評価は時期尚早との見解を示した。

マイナス金利政策については「私も驚いた政策を日銀が打ち出したのは、『デフレは良くない、少子高齢化を支えるには経済成長がどうしても必要』という強いメッセージだと感じた」と述べ、「そのような日銀の姿勢は政府として評価している」と語った。その上で「私も初めてのことなので、経済にどのような影響があるのか、二次的な影響があるのか、もう少し時間が必要」とし、「市場の動向は注意深く見ていかないといけない」と強調した。

「金利が下がるのだから投資にはプラスだが、二次的な影響については、金融庁などによる金融機関や預金者などへのヒアリングの中から評価が出てくる」と指摘。現時点では判断に必要な「データを持ち合わせていない」と述べた。

年初来の世界的な株安・円高を受け、市場関係者の間では追加的な経済対策への期待も高まっているが、「2015年度補正予算を1日も早く実施し、必要な資金が全国に流れるのが一番大切。審議中の16年度予算を1日も早く成立させたい」との従来の見解を繰り返した。

2017年4月に予定されている消費税再増税については「社会保障制度の維持と財政の国際的な信認維持のため、決めたことを実施するのが必要」と強調した。その上で「安倍晋三首相が国会で答弁しているように、リーマン・ショックや東日本大震災のような大きなアクシデントがあれば、(実施時期などを)政治が判断して変えていくことも含め適時適切に対処することになる」と述べた。

(竹本能文、スタンレー・ホワイト)
http://jp.reuters.com/article/ishihara-idJPKCN0VQ0WS


 

Business | 2016年 02月 17日 17:02 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
郵政民営化委委員長「マイナス金利続く限り、預金獲得はリスク」

[東京 17日 ロイター] - 郵政民営化委員会の増田寛也委員長(元総務相)は17日の会見で、日銀のマイナス金利政策が続く限り、預金獲得はリスクであるとの認識を示した。

昨年のゆうちょ銀行(7182.T)の貯金限度額引き上げをめぐる議論の中で、限度額を引き上げれば、ゆうちょ銀の貯金量が大きく増えるとの懸念が一部で出ていたことに言及。マイナス金利政策の下での構造的なリスクに対し、明確な警告を発したかたちだ。

増田委員長は、日銀のマイナス金利政策について「金融機関の経営上は、非常に大きなインパクトがある」と指摘。先行きを展望しにくい状況が続きそうだが、金融機関は当面の影響のみならず、中長期的な視点に立って国民のニーズに沿ったビジネスを模索すべきだとした。

そのうえで「金融機関同士の小さな中で競争していくというよりは、連携できるところは大きく連携していかないといけない」と言明。ゆうちょ銀を含めた金融機関の連携の必要性を強調した。

*内容とカテゴリーを追加します。

(和田崇彦 編集:田巻一彦)
http://jp.reuters.com/article/jp-m-idJPKCN0VQ0J7

 
本田内閣官房参与:追加緩和、来月にもあり得る−増税2年延期すべき
2016/02/17 15:47 JST 

    (ブルームバーグ):安倍晋三首相の政策ブレーンである本田悦朗内閣官房参与はインタビューで、不透明感が増す日本経済や物価動向次第で日本銀行が来月にも追加緩和に踏み切る可能性を示した。消費増税も2年程度延期すべきだとしている。
本田参与は16日、「予想インフレ率、GDPギャップへの影響を見ながら必要があれば3月にも追加緩和というのもあり得る」と述べた。追加緩和は一般論として先手を打つことが好ましいとし「事態が進行して追い詰められてやるより、積極的に手を打ってマインドを変えるということが非常に大事だ」と話した。2017年4月予定の消費税増税は19年までの先延ばしが適当としている。
15年10月予定だった消費増税について本田氏は1年半の延期を主張、安倍首相は実際にその通り延期した。日本経済は14年4月の消費増税の影響が尾を引いていると本田氏は見ており、マイナス金利を導入した日銀は新たな手段を確保して政策余地が広がったと評価している。
消費税を予定通り17年度に上げれば日銀物価2%達成が19年ごろにずれ込むとして、本田氏はその場合、「アベノミクスに対する信頼感が失われる恐れがある」と予想した。このため日銀の金融緩和で17年度前半に物価2%を達成した上で、19年ごろ増税というシナリオが望ましいとしている。石油価格は無限に下がるわけではなく、直後に五輪が控えているとして消費税引き上げ時期は「19年4月なら大丈夫ではないかなと思う」と話した。
さらに政府の経済対策の必要性も示し、規模としては前回の3.3兆円を上回る5兆円程度のものがあれば良いと述べた。夏の参院選前にも新たな経済対策の作成を公約とし、景気浮揚のためにさまざまな政策をとるという姿勢を示すことが重要としている。財源については税収の上振れ分や利払い費の余剰を使うことが可能としている。
今年の為替相場の円高については「激し過ぎる。これは日本のファンダメンタルズに合っていないと思う」と指摘した。背景として中国経済の先行き懸念や原油価格の下落で、世界の投資家が徹底したリスクオフになっているとの見解を示した。
記事についての記者への問い合わせ先:東京 藤岡徹 tfujioka1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Aki Ito aito16@bloomberg.net; Brett Miller bmiller30@bloomberg.net 上野英治郎, 中川寛之
更新日時: 2016/02/17 15:47 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O2O7IP6JIJV401.html

 

ドイツ憲法裁、ECB国債購入策の審理再開

By HANS BENTZIEN AND TODD BUELL
2016 年 2 月 17 日 08:47 JST

 【カールスルーエ(ドイツ)】ドイツ憲法裁判所は16日、欧州中央銀行(ECB)が2012年9月に導入した国債購入計画「アウトライト・マネタリー・トランザクション(OMT)」の合法性について口頭弁論を開き、ドイツ連邦銀行(中央銀行)とECBが再び陳述に臨んだ。ECBはOMTをまだ実際に活用したことがないが、一部のドイツ関係者の間でOMTはECBの使命逸脱を象徴するものと考えられている。

 ECBのOMTをめぐっては、中銀の法的使命に違反していると主張するドイツのさまざまな組織や団体とECBとの間で長らく法廷闘争が展開されてきた。

 ドイツ憲法裁は2年前、OMTに批判的な判決を下しつつ、欧州連合(EU)司法裁判所の判断を求めた。EU司法裁が昨年6月に合憲判断を下したことを受け、ドイツ憲法裁はOMTがドイツの法律に違反しているかどうかの審理を再開した。

 ドイツ連銀のバイトマン総裁はドイツ憲法裁に対し、ECBが約1年前に開始した債券買い入れの量的緩和策(QE)とOMTとの間には大きな違いがあると指摘した。

 QEとOMTの両方に反対してきたバイトマン総裁は、QEを実施している限り「あまりOMTを利用することはないように思う」との認識を示し、二つの政策の違いについて、「結局のところ、私がずっとOMTを批判してきたのは(ユーロ圏で)損失リスクを共有する点に反対だからだ。QEは責任を共有しない設計になっていることが、私がQEにそれほど批判的ではない大きな理由の一つだった」と述べた。

 一方、ECBのメルシュ専務理事は「建前上は金融政策手段としてOMTを利用することは可能だ」としつつも、「だが、危機の有無や適用対象国に関連した発動条件は現在満たしていない」と語った。

関連記事

ECBの刺激策拡大、決定していない=メルシュ専務理事
ECB、追加緩和への期待拡大のリスクとは


 


FRBの量的緩和第4弾、市場は頼りにしているか

金価格は今年14%上昇しているが、中銀の信頼度を測る指標としては完璧とは言えない

By
JAMES MACKINTOSH
2016 年 2 月 17 日 12:50 JST
 中世の教会が免罪符の販売を取り締まるようになって以降、信仰心に値段を付けることは難しくなった。中央銀行の場合はそれほど難しいことではない。 世界の主要中銀に対する信頼度は毎秒算出されており、15日にはトロイオンス当たり約1209ドルを付けた。
 金価格は中銀の信頼度(あるいは、信頼の欠如度)を測る指標として完璧というには程遠い。だが、年初来で14%高という状況は、今年の市場混乱を招いた原因としてよく挙げられる「投資家の不信」の正しさを裏付けている。投資家は現在、中銀関係者が自分のやっていることを分かっていないのではないかと不信を強めている。
 その裏付けとなる証拠はかなり説得力があるようだ。投資家の不信が最もはっきりと表れているのが為替相場と銀行だ。銀行はマイナス金利を大半の顧客に転嫁できず苦境に立たされている。
 為替は(中銀の)思惑通りの動きを見せていない。マイナス金利を導入した国の通貨は通常、保有する妙味が薄れることで相場は下落する。ユーロ圏、日本、スイス、スウェーデン、デンマークの中銀がマイナス金利に熱を上げているのは理由の一つがこれだ。
 ところが、日本銀行が1月末にエコノミストらの意表を突いてマイナス金利を初めて導入した際、円相場が弱含んだのはたった1日だけで、その後はマイナス金利導入前よりも円高が進んだ。ドルに対しては現在、導入前の水準を4%上回っている。
 スウェーデンも先週、同じ問題に直面した。スウェーデン国立銀行(中央銀行、リクスバンク)は主要政策金利をマイナス0.5%へ引き下げた。引き下げ幅は予想を上回ったが、スウェーデンクローナはむしろ上昇し、翌朝までに利下げ前の水準を上回った。
 いずれのケースも、投資家がマイナス金利の景気刺激効果を考慮する以上に、マイナス金利自体を警戒していることがうかがえる。その一因はマイナス金利が金融機関に及ぼす影響にある。欧州ではこれが特に顕著だ。債券保有者が企業のデフォルト(債務不履行)増加を懸念する中でも、銀行は顧客にマイナス金利を転嫁することができず、利益率が低下している。
ENLARGE
【上】NYMEX金先物(黄色)、KBWナスダック銀行株指数(薄灰色)、ユーロStoxx銀行株指数(灰色)、TOPIX銀行株指数(紫色)の騰落率【下】TOPIX銀行株指数(3カ月足)
 中銀が景気下支え役として信頼されていれば、融資需要の高まりや不良債権の減少によりマイナス金利が銀行利益に及ぼす影響は十分に相殺されるはずだ。銀行株の動きは正反対のことを示している。
 日本では、銀行株がこの3カ月で40%余り値下がりし(15日は9%近く上昇)、3カ月間の下落率としては1983年以降で3番目の大きさとなった。バブル崩壊後の1990年代初頭とリーマンショックに見舞われた2008年に次ぐ下げを記録した。
 欧州中央銀行(ECB)が3月に預金金利のマイナス幅をさらに拡大する可能性を強く示唆している欧州でも、銀行は苦戦している。ユーロ圏の銀行株は3カ月間の下落率が33%程度に達し、共通通貨ユーロ誕生以降で5番目の大きさとなった。特に深刻な打撃を受けているのがドイツ銀行で、同行の1年物クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)はリーマンショック直後よりも危機的な状況にあることを示唆している。
 こうした状況を踏まえ、もう望みを捨てて金を買うしかないと考えたとしても、それは仕方のないことだ。しかし、紙幣はしょせん紙という金本位制支持者が好む「中銀の信頼喪失」説はさておき、これにはもっと微妙な理由がある。
 その一つは、市場を乱高下させている原因がほかにもたくさんあることだ。リセッション(景気後退)懸念の高まり、中国不安、原油採掘会社や鉱業会社の債務の積み上がりなど事欠かない。
 もう一つは、中銀の政策手段全体が信頼を失ったというより、マイナス金利の効果があまり信頼されていないことが背景にあると思われることだ。
 大々的に報じられる割にマイナス金利の効果が薄いのは、その引き下げ幅に問題がありそうだ。中銀の金利操作は通常0.25%単位で行われるが、マイナス金利の引き下げ幅はそれよりも小さい0.1%?0.15%となっている。
 中銀がマイナス金利の大幅引き下げには及び腰だということを投資家はかぎ取っている。マイナス金利は(理論的にはいくらでも引き下げられるが)実務的には下限が存在するほか、中銀から新たな政策手段が打ち出される兆しもないためだ。
 それでも、望みはまだある。15日の東京株式市場は急反発し、東証株価指数(TOPIX)は8%高と1986年以降で5番目の上昇率を記録した。同日発表された日本の国内総生産(GDP)や鉱工業生産、さらに中国の貿易統計が予想外に弱かったことには反応薄だった。かつては悪材料が出ると、日銀が追加緩和に動き、株価は大きく回復するという連想が働いた(株価が再び上昇したからといって、それが買い場となるわけではないので要注意。TOPIX 上昇率1〜4位のケースでは総じて一時的な反発だったことが判明している)。
 政界で非伝統的な金融政策への反対論が高まったとしても、中銀関係者は無視する可能性がある。例えば、日銀の黒田東彦総裁は緩和手段に限りはないと強調している。だが、米連邦準備制度理事会(FRB)が行動するには、昨年末に引き上げたばかりの政策金利を引き下げるという屈辱を味わう必要がある。そのため、FRBが支援に乗り出す可能性は以前よりも低くなっている。
 FRBのイエレン議長は先週、議会証言に臨んだが、市場に安心感をもたらすことはできなかった。FRBの介入を市場の安全網(いわゆるイエレン・プット)とみなしている投資家からすれば、これは混乱がもっと拡大しなければFRBは動かないと示唆しているようなものだ。
 それでもなお、中銀が不安に駆られた市場を救ってくれると期待している投資家は、中銀がデフレと闘うための最終兵器、すなわち「紙幣印刷機」を持っていることを忘れてはならない。言うまでもないが、懸念されるのはゼロ同然のインフレ率が急激かつ過度に上昇することだ。FRB前議長のベン・バーナンキ氏が2002年の有名な講演で語ったように、「印刷機の例は、その妥当性がいずれはっきりするはずだと安心できよう。資金を十分に供給すればデフレはいずれ必ず反転する」。
 市場は状況をよく把握する前にパニックに陥りやすい。こうした不安が続けば、中銀はいずれ強力な政策手段を打ち出し、信頼度は強引に回復させられるだろう。本当に懸念されるのは、FRBが量的緩和第4弾(QE4)に踏み切るまでに、投資家がいったいどれほどの資金を失うかということだ。
関連記事
? FRB、利上げ先送りが「賢明」=フィラデルフィア連銀総裁
? 金融市場動揺【特集】
http://si.wsj.net/public/resources/images/OJ-AG212_MACKIN_16U_20160215150623.jpg 


米で繰り広げられる100ドル紙幣廃止構想
100ドル札のような高額紙幣を廃止することで犯罪を減らせるという説もあれば、あまり効果ないという説もある

JOHN CARNEY and JOSHUA ZUMBRUN
2016 年 2 月 17 日 15:25 JST

 100ドル札は米国で最も人気のある紙幣だ。それにもかかわらず、最も絶滅の危機に瀕している紙幣とも言えそうだ。

 欧州中央銀行(ECB)はユーロ圏で流通している最高額紙幣である500ユーロ札を廃止する方向で検討している。米国では現在、ローレンス・サマーズ元財務長官が50ドルもしくは100ドル以上の紙幣の発行停止を呼びかけている。

 ベンジャミン・フランクリンの肖像画が使用されている100ドル紙幣がすぐになくなるわけではないが、サマーズ氏の計画では新たな100ドル札は発行されなくなる。

 サマーズ氏はワシントン・ポスト紙のWonkblogセクションへの寄稿で、「既存の紙幣をすべて廃止するというアイデアは行き過ぎだろう。しかし、金額の大きな紙幣の新たな発行を一時停止することにより、世界は恩恵を受けるだろう」との見方を示した。

 サマーズ氏は、ハーバード大学の上級研究員ピーター・サンズ氏率いる学者グループが最近執筆した、「Making it Harder for the Bad Guys: The Case for Eliminating High Denomination Notes.」(仮訳--悪人にとってより困難に:高額紙幣の廃止の論拠)と題する論文の主題について意見を表明したもの。この論文では、1000スイスフラン(約12万円)札や500ユーロ(約6万4000円)札、100ドル(約1万1000円)札といった高額紙幣の廃止が不正行為の削減につながる上、脱税者やテロ集団、麻薬密売人、金融犯罪者、人身売買人を苦境に追い込むと主張している。

 米財務省のウェブサイトでは、政府は「今日使用されている金額の紙幣について変更する計画」はない、と説明している。同省の広報担当者に聞いたところ、この情報は今も正しいと認めた。米連邦準備制度理事会(FRB)はコメントを避けた。

 前回、米国が高額紙幣について規制したのは1969年で、当時、FRBと米財務省は500ドル札と1000ドル札、5000ドル札、1万ドル札の発行を打ち切った。米国はこうした紙幣の発行を停止したが、こうした紙幣は引き続き法律的には通用する。2015年時点ではこうした紙幣の額面価格は約3億ドルだった。ただ、こうした紙幣は現在、収集品となっており、その価値は額面価格を上回っていることが多い。

 100ドル札を廃止することはもっとずっと難しいだろう。15年末時点では約1兆3800億ドルの現金が世界経済の中で流通していた。そのうち、100ドル札の流通総額は1兆0800億ドルに達していた。つまり、100ドル札が108億枚出回っていたことになる。

 ドル紙幣の発行量は米国経済以上のペースで増加し、半分以上は米国外で流通している。また、ドル紙幣の一部が犯罪目的に使用されていることは明らかだ。

 一方、ドルは、米国以外の国が通貨危機に直面し、国民が安全なところにカネを預けたいという時にも利用される。FRBのエコノミスト、ルース・ジャドソン氏によると旧ソ連の崩壊やアルゼンチンおよび東南アジアでの金融危機の際には米ドルに対する需要が世界的に急増した。

 現金が存在することによって容易になっている犯罪という意味では麻薬取引よりも脱税の方がはるかに多い。家のペンキ塗りの代金や飲食店のチップは、それ自体違法ではないが税務署の目をくらましやすい。

 最新でも2006年の数字しかないが、内国歳入疔(IRS)の推計によると、この年、IRSが集め損ねた税金は3850億ドル。同年の財政赤字は2500億ドルだったから、この税収があれば赤字にならなかった計算だ。

 高額紙幣を廃止することによってこうした不正行為がどれだけ減るかは分からない。ただ、所得をごまかすのが難しくなるのは確かだ。

 過激なように聞こえるが、ハーバード大学のケネス・ロゴフ教授とシティグループのエコノミスト、ウィレム・ブイター氏は、まさにこうした主張をしている。ロゴフ教授は昨年の論文で、紙幣をすべて撤廃することで犯罪を減らせる上、金融当局は金利をゼロ以下に効果的に引き下げられるようになるという議論を展開した。

 ニューヨーク連邦準備銀行のジェームズ・マックアンドリューズ氏はこれに対し、人々はミューチュアル・ファンドに資金を移したり、税金を早めに払ったりするようになるので、紙幣がなくなってもマイナス金利政策がより効果を発揮することにはならないと反論した。また紙幣を使うことが現実的でなくなれば、犯罪者はビットコインのような仮想通貨に頼るようになるだろうという見方もある。

関連記事

1セント硬貨は廃止すべきか
米国、イラク向け送金を今夏に一時停止−IS流用を懸念
狙うは一獲千金? 珍番のドル紙幣を探す人々
http://si.wsj.net/public/resources/images/MI-CO235_BILLSj_GR_20160216190345.jpg


 
Column | 2016年 02月 17日 15:54 JST 関連トピックス: トップニュース
コラム:ウォール街が用心すべき「大手銀解体論」

Gina Chon and Antony Currie

[ニューヨーク 16日 ロイターBREAKINGVIEWS] - 米大統領選に出馬している民主党候補、バーニー・サンダース上院議員は、自分の米連邦準備理事会(FRB)議長を見つけたかもしれない。民主社会主義者を自称するサンダース氏は長い間、米大手銀行の解体を望んでいた。

ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁も同じ考えだ。元ゴールドマン・サックス(GS.N)のバンカーであるカシュカリ氏は、2008年の金融危機時には財務次官補として不良資産救済プログラム(TARP)の責任者を務め、銀行救済に取り組んだ。2014年には、共和党からカリフォルニア州知事選への出馬経験もある。

政治的隔たりを越えた意見の一致に、ウォール街は用心するべきだろう。

カシュカリ氏は16日、左派寄りのシンクタンク、ブルッキングス研究所での講演で、金融危機以降に無謀な行動を抑制する措置が数多く取られてきたことを認めたうえで、大手行は公益法人になるべきとの考えを示した。また、金融機関のレバレッジへの課税に賛成する立場を表明した。

これは単なる気まぐれな発言ではない。カシュカリ氏は自身が率いるミネアポリス地区連銀に、大きくてつぶせない銀行の解体について公開「シンポジウム」を開くよう指示しているのだ。

各世論調査によると、サンダース氏もウォール街を攻撃することで、民主党ライバル候補のヒラリー・クリントン前国務長官を追い上げている。金融システムを不正に操作しているとして、ウォール街を非難している。

共和党候補のテッド・クルーズ上院議員も、縁故資本主義のお手本として銀行をやり玉に挙げ、この先バンク・オブ・アメリカ(BAC.N)に危機が起きた場合、倒産させると豪語している。

一方、カシュカリ氏は、政治家とは異なり、標的とする銀行に発言する機会を提供している。シンポジウムに彼らを招待するというのだ。同氏いわく、シンポジウムでは解体の利点のみならず、「コストやリスク、実施上の課題」を検討するという。

JPモルガン(JPM.N)のジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)のような人たちには、ある程度受けるかもしれない。政界や規制当局には、新規制の「負の側面」に取り組む能力が欠如している、もしくは取り組もうとしたがらないと、ダイモン氏はずっと批判してきた。

ダイモン氏や同業者たちには、カシュカリ氏への反論として使える材料がたくさんある。例えば、2008年以降の自己資本強化は、大手行と地銀に、公益法人のような収益を強いている。また、ボルカールールのような法律も、かつてのようにリスクを引き受ける銀行の能力を削いでいる。

だが、カシュカリ氏の見方は銀行が望むよりも主流であり、同氏はこのように大胆な態度に出る初めての中銀当局者だと言える。大統領選の民主・共和両党の候補者から同様の意見が出るなら、大きくてつぶせない銀行を解体するという取り組みを止めることは難しいかもしれない。

http://jp.reuters.com/article/column-wall-street-big-banks-idJPKCN0VQ0HQ


 
Column | 2016年 02月 17日 16:02 JST 関連トピックス: トップニュース
コラム:中国の銀行融資急増、いつもの「悪癖」再発
Peter Thal Larsen

[香港 16日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 中国の銀行は年明け早々、ある程度おなじみになっている悪習がまた頭をもたげてきた。人民銀行(中央銀行)が資金供給を拡大する中で、1月の新規人民元建て融資は2兆5000億元余りという高水準になった。

問題は、既に大きく積み上がっている国内の債務をさらに膨らませれば、いずれは避けられない不良債権処理の痛みが一段と増すばかりという点にある。

毎年1月は中国の銀行の融資態度が寛大になる傾向があるといっても、今回の融資額の大きさは鮮烈だ。前年同月よりも1兆元以上も多く、与信総額の伸びの大半を占めた。

なぜこうなったかを説明できる理由はいくつかある。1つは流動性が比較的潤沢だったことだ。人民銀行は利下げを渋っているものの、海外への資金流出に対抗する形で金融システムに大量の資金を流し込んでいる。中国企業が、外貨建て債務から国内での借り入れに方向転換しているという面もある。中国の不動産に活気が戻るとの確信が再び高まり、借り入れ意欲が盛り返したのかもしれない。

ただし中国には国内融資の拡大を許容できる余地はない。一部の見積もりでは、債務総額は国内総生産(GDP)の250%に迫りつつある。公式統計で見た成長率は昨年6.9%まで減速し、物価下落で名目GDPはさらに下振れた。つまり相対的には少ない借り入れ増でも、経済全体の負担は増していく。にもかかわらず中国銀行業監督管理委員会(CBRC)によると、昨年の商業銀行の融資額は12%伸びて72兆元に達した。

真に懸念されるのは、融資の相当な部分が前向きな理由ではないかもしれないという状況だ。銀行は、問題を抱えている借り手のデフォルト(債務不履行)を防ぐために新規融資を提供している。事態の緊迫化は表面化しつつある。CBRCによると、公式に不良債権と分類された貸出債権は昨年51%も増加し、将来不良債権化しかねない債権も37%増えた。この2つのカテゴリーを合計すると、融資総額に占める比率は5.5%となっている。

もっともこの比率の分母である融資総額が1月にさらに増えたことで、不良債権問題はしばらく表面的には深刻度が下がったように見えるだろう。とはいえ、中国が債務負担から逃れるために、銀行が手を貸すことができるはずはない。今こそ、何らかの新たな解決策を打ち出す時期だ。

●背景となるニュース

*人民銀行が16日発表した1月の新規人民元建て融資は2兆5100億元(3854億ドル)となった。マネーサプライM2伸び率は前年同月比14%。いずれも市場予想を上回った。

*1月の社会融資総量は3兆4200億元。12月は1兆8200億元だった。

*融資の急増についてアナリストは、人民銀行が春節(旧正月)を前に資金供給を拡大したためとみている。春節の休暇前に市場の需給ひっ迫を和らげる狙いで人民銀行は1兆5300億元を供給した。

*CBRCが15日発表したセクター全体の不良債権額は昨年末時点で1兆2700億元と、10年ぶりの高水準に達した。将来不良債権化する恐れがある債権額は2兆8900億元に増加した。

*社会融資総量のデータは以下のアドレスをクリックしてご覧ください。

bit.ly/1KSZa2t

*CBRCが公表したデータは以下のアドレスをクリックしてご覧ください。

bit.ly/1Qi7POq

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
http://jp.reuters.com/article/china-economy-breakingviews-idJPKCN0VQ06F


 

 
アジアのヘッジファンド、どこにも逃げ場なし−1月の大量殺りく (1)
2016/02/17 15:12 JST

    (ブルームバーグ):アジアのヘッジファンドは、2015年には市場の混乱を乗り越えてプラスの運用成績を確保したものの、今年の1月はどこにも逃げ場所がなかった。
世界的に株式や通貨、商品、高リスク債券が再び売りを浴び、クアム・アセット・マネジメントやグリーンウッズ・アセット・マネジメントなどのヘッジファンドの先月のリターンはマイナス10%超となった。調査会社ユーリカヘッジ(シンガポール)によると、アジアに重点を置くヘッジファンド全体のリターンはマイナス3.1%と、08年以来最悪のスタートとなった。
クアム・チャイナ・フォーカス・セグリゲーテッド・ポートフォリオのクリス・チョイ最高投資責任者(CIO)は電子メールで 、「1月は全世界にとって『大量殺りく』となった」と指摘。「水晶玉」でも持っていない限り、損失を回避するのは極めて困難だったと述べた。クアム・チャイナ・フォーカスの1月のリターンはマイナス16.7%。
ユーリカヘッジによれば、大中華圏に重点的に投資するヘッジファンドの運用成績はマイナス7.6%。カウンターポイント・エイシャン・マクロ・ファンドを運用するジェフリー・バーカー氏は投資家向け書簡で、1月は「多くの市場が異例のスピードと激しさを伴う下落に見舞われ、売りの切迫感は幾つかの点で09年初めの状況を思い起こさせる」と分析した。書簡によると、同ファンドの1月のリターンはマイナス3.2%。
ブルームバーグ集計のデータによると、グリーンウッズ・アセット・マネジメントのゴールデン・チャイナ・ファンドの1月のリターンはマイナス11%だった。
日本に投資するファンドの昨年の運用成績は全体としてはプラスとなったが、日本株は1月に世界の他の市場と歩調を合わせて下落し、損失を免れることはできなかった。ユーリカヘッジのデータによると、日本に重点的に投資するヘッジファンドの1月のリターンはマイナス2.1%だった。
原題:Hedge Funds in Asia Had Nowhere to Hide in January ‘Bloodbath’(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:香港 Suzy Waite swaite8@bloomberg.net;香港 Bei Hu bhu5@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Sree Vidya Bhaktavatsalam sbhaktavatsa@bloomberg.net; Nathaniel E. Baker nbaker14@bloomberg.net
更新日時: 2016/02/17 15:12 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O2O5SN6JTSGI01.html

日本株3日ぶり反落、原油や為替警戒拭えず−資源下げきつい、内需も
2016/02/17 15:38 JST 
    (ブルームバーグ):17日の東京株式相場は3営業日ぶりに反落。需給懸念の強さを背景にした原油市況の下落、為替市場での円強含みが投資家心理を冷やした。鉱業や石油など資源株が業種別下落率の上位を占め、鉄鋼や繊維、非鉄金属など素材株、保険や銀行など金融株も安い。先物主導で午後に下落基調を強め、日経平均株価の下げ幅は一時400円を超えた。
TOPIXの終値は前日比14.61ポイント(1.1%)安の1282.40、日経平均株価は218円7銭(1.4%)安の1万5836円36銭。日経平均の1万6000円割れも3日ぶり。
三菱UFJ国際投信の石金淳チーフストラテジストは、「今は日本の内需が強くないので、日本株は世界景気や円相場に振らされやすい、円の下値不安は消えていない」と指摘した。先行きに楽観的なムードも出始めてはいるが、「マーケットには悲観的なムードが残っており、悪い面ばかりみる相場」と言う。
サウジアラビアとロシアは16日、カタールでの協議後、原油生産量を1月の水準で維持することで合意した。露エネルギー省によると、カタールとベネズエラの石油担当相らも生産量維持に参加することに合意。ただ、世界的な供給超過の縮小にはつながらないと市場は受け止め、同日のニューヨーク原油先物は1.4%安の1バレル=29.04ドルと下げた。
きょうのドル・円相場は、朝方は1ドル=114円台前半で推移したものの、午後は113円60銭までドル安・円高方向に振れた。前日の日本株市場の終値時点は114円58銭。2月の米住宅市場指数が9カ月ぶりの低水準となる中、ドルの上昇力は限られている。ボストン連銀のローゼングレン総裁は16日、金融市場の混乱と世界の成長の弱さを背景に、追加利上げが必要な時期が遅れるかもしれないと述べた。また、中国人民銀行は16日午前、人民元の中心レートを前日から0.16%引き下げ、1ドル=6.5237元に設定。引き下げ規模は1月7日以来の大きさだった。
きょうの日本株は小安く始まった後、プラス圏に浮上し、日経平均は午前の取引で一時160円高まで上げ幅を広げた。しかし、直近の乱高下で市場参加者の強弱観が交錯しており、為替市場で円が強含んだ午後に先物安に連れ下げ足を速めた。大和証券の池端幸雄トレーディング一課長は、「為替をにらみながら先物主導で動いている」と指摘。リスク選好となる相場ではなく、「上にも下にも振れやすい。このレベルが妥当か、マーケットは見極め切れず、腰を入れて買う人たちも少ない」と話していた。
米バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチが毎月行うファンドマネジャー調査によると、グローバル投資家の日本株配分は2月に前月比マイナス7ポイントの24%と、2カ月連続でオーバーウエート幅が減少している。メリルリンチ日本証券では、業績や景気に対し警戒感が増している、と分析した。
きょうの取引開始前に内閣府が発表した昨年12月の機械受注は前月比4.2%増、市場予想は4.4%増だった。1−3月期の受注額見通しは前期比8.6%増と、2四半期連続のプラス予想。SMBC日興証券の牧野潤一チーフエコノミストは、受注の反発は弱く、「見通しはやや強めだが、未達に終わる可能性が高い」との見方だ。一方で、センチメントの反転には円高の歯止めが必要で、「日銀緩和へも期待がかかる」としている。
東証1部33業種は鉱業や石油・石炭製品、保険、医薬品、鉄鋼、繊維、建設、非鉄、銀行、陸運など31業種が下落。情報・通信、空運の2業種は上昇。東証1部の売買高は28億4008万株、売買代金は3兆1137億円。上昇銘柄数は729、下落は1087。
売買代金上位では、トヨタ自動車や三井住友フィナンシャルグループ、ファーストリテイリング、富士重工業、JR3社、アステラス製薬、三井物産、国際石油開発帝石、第一生命保険、東芝が安い。半面、大規模な自社株買い好感の動きが続いたソフトバンクグループは続伸。KDDIや村田製作所、さくらインターネット、日本電産、東京エレクトロン、2016年12月期の営業増益計画とマッコーリー証券の投資判断引き上げがあったクボタも高い。
記事についての記者への問い合わせ先:東京 佐野七緒 nsano3@bloomberg.net
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O2NWB06S972L01.html

 
債券は下落、オペ結果や明日に5年入札控え中期債売り−前日の反動も
2016/02/17 15:42 JST 

    (ブルームバーグ):債券相場は下落。日本銀行が今日実施した国債買い入れオペで売り圧力の強さが確認されたことや、明日に5年債入札を控えて中期ゾーンを中心に売りが優勢となった。
17日の長期国債先物市場で中心限月の3月物は、前日比横ばいの151円39銭で開始し、いったん5銭高の151円44銭を付けた。直後から水準を切り下げた。午後に入って151円15銭付近でもみ合っていたが、一時151円03銭まで下落し、結局は25銭安の151円14銭で終えた。
現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の341回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値と横ばいの0.04%で開始。午後に入ると2ベーシスポイント(bp)高い0.06%まで売られ、その後は0.045%に戻した。新発2年物の361回債利回りは1.5bp高いマイナス0.145%に上昇した後はマイナス0.15%。新発5年物の126回債利回りは3bp高いマイナス0.115%まで売られた後、マイナス0.125%で推移している。
損害保険ジャパン日本興亜の石崎竜也グループリーダーは、「株安で債券が買われても良さそうだが、金利上昇に対する警戒感が根強い」と説明した。「資金フローが低下してちょっとしたことで相場が動きやすい。マイナス金利が昨日から始まって、投資家は居所を探っている状況なので様子見姿勢が強い。すぐに突っ込んで債券を買っていく状況ではない」と話した。
日銀オペ結果
日銀が今日実施した今月6回目となる長期国債買い入れオペ3本(総額5100億円)の結果によると、残存期間1年以下の応札倍率が7.17倍と、2013年4月の異次元緩和導入後で最高となった。10年超25年以下の倍率は前回のオペから上昇し、25年超は低下した。
前日の米国市場では株式相場が続伸。米国債相場は下落し、10年債利回りは前営業日比2bp上昇の1.77%程度で引けた。この日の東京株式相場は午後に入って大幅下落し、日経平均株価は前日比1.4%安の1万5836円36銭で引けた。一時400円を超す下げ幅となった。
財務省は18日午前、5年利付国債入札を実施する。表面利率は0.1%に据え置かれる見通し。発行予定額は前回債と同額の2兆5000億円程度となる。
みずほ証券の辻宏樹マーケットアナリストは、5年債入札について、「マイナス0.1%を下回る水準でどのくらい需要があるのかまだ見極められていない」とし、「付利の引き下げ期待がある中で、中期ゾーンも相対的にボラティリティが高めの状況は続きそうだ」と分析。債券相場については、「海外金利上昇の影響や、前日にかなり金利が低下した反動で売りが出ている」と説明した。
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 三浦和美 kmiura1@bloomberg.net;東京 山中英典 h.y@bloomberg.net
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O2NVZC6KLVSJ01.html

 

2012-10-02
クーレECB理事「国債購入計画の目的の一つは金融政策の主導権を取り戻すこと」Add StarBUNTEN
経済 |

9/29エントリで紹介したロイターレポートに“端役”として出演していたベノワ・クーレECB理事が、そのレポートの主題である南欧の国債購入計画(OMT)に絡めて、昨日のエントリで取り上げた中央銀行から見た財政政策というテーマについて話している(Mainly Macro経由)。


クーレは講演の終盤でOMTに関する3つの懸念を取り上げ、それらの払拭に努めているのだが、その第一が財政ファイナンスに関する懸念である。

The first concern can be summed up in two questions: are OMTs a form of monetary financing of governments and will inflation be unleashed? The answer to both questions is: No. In fact, quite the opposite. OMTs will be conducive to the monetary authority restoring its power to control credit conditions in the euro area and, through that channel, inflation in the medium term. It thus creates the conditions for a transition from a regime of undisciplined fiscal policies ? from a “non-Ricardian” or “active” fiscal policy, using the terminology of the economic literature referred to above ? to a regime where fiscal policy respects its inter-temporal obligations ? it becomes “Ricardian”, or “passive”. This means that monetary policy has regained its pre-eminence in determining credit conditions and inflation. This renewed assignment of tasks pushes back fiscal dominance and affirms monetary dominance.
(拙訳)
最初の懸念は2つの質問に集約されます:OMTは政府財政のファイナンスなのか、および、インフレが解き放たれるのか? その2つの質問への解答は:ノーです。実際のところは、その正反対です。OMTは金融当局がユーロ圏のクレジットの状況をコントロールする力を取り戻す助けとなり、それによって、中期的にはインフレをコントロールする力を取り戻す助けとなります。従って、OMTは、規律を欠いた財政政策――前述の経済学の用語を用いるならば「非リカード的」ないし「能動的」財政政策――のレジームから、財政政策が通時的な義務を尊重するレジーム――財政政策が「リカード的」ないし「受動的」になるレジーム――に遷移する条件を整えるのです。それが意味するのは、金融政策がクレジットの状況やインフレを決定するに当たっての主導的な地位を取り戻す、ということです。この新たな仕事を引き受けることにより、財政優位は後退し、金融優位が確立されます。

その「前述の経済学の用語」の説明部分は次の通り。

・・・central bank independence and a clear focus on price stability are necessary but not sufficient to ensure that the central bank can provide a regime of low and stable inflation under all circumstances ? in the economic jargon, ensuring “monetary dominance”. Maintaining price stability also requires appropriate fiscal policy. To borrow from Leeper’s terminology, this means that an “active” monetary policy ? namely a monetary policy that actively engages in the setting of its policy interest rate instrument independently and in the exclusive pursuit of its objective of price stability ? must be accompanied by “passive” fiscal policy. A passive fiscal policy means that the fiscal authority must be ready and willing to adjust its policy stance (revenues and primary spending) in such a way as to stabilise its debt at any level of the interest rate that the central bank may choose. Or, to put it another way, borrowing from Woodford’s terminology, fiscal policy needs to be “Ricardian”.
(拙訳)
・・・中央銀行の独立性と物価安定の明確な重視は、どんな状況においても中央銀行が低水準で安定的なインフレのレジームをもたらすことができることを保証する――経済学の専門用語で言えば、「金融優位」を保証する――ための必要条件ではあるが、十分条件ではありません。物価安定を維持するためには、適切な財政政策も必要条件となります。リーパーの*1言葉を借りれば、そのことは、「能動的」金融政策――即ち、独立して政策金利を操作し、物価安定という目的をひたすら追求することに能動的に従事する金融政策――には、「受動的」財政政策が伴っていなくてはならないことを意味します。受動的財政政策とは、財政当局が、中央銀行が選択する如何なる金利水準においても債務を安定化させるように政策スタンス(歳入と利払いを除く歳出)を調節する意思と能力を有していなくてはならない、ということを意味します。ウッドフォード*2の言葉を借りて別の言い方をすれば、財政政策は「リカード的」であるべき、ということです。
http://d.hatena.ne.jp/himaginary/20121002/active_and_passive_at_ecb

OMTはQEに非ずAdd Star
経済 |

昨日のエントリでは、クーレECB理事のパリ政治学院での講演を取り上げたが、そこで彼は、ECBの南欧国債購入計画(Outright Monetary Transactions=OMT)に関する3つの懸念を払拭することに努めていた。その第一は、昨日取り上げた財政ファイナンスの懸念だったが、今日は残り二つの懸念について簡単にまとめておく。


懸念2:OMTはECBのバランスシートに多大なリスクを持ち込むことになるのではないか?

ならない。ユーロ離脱の危険を反映したプレミアムが債券価格から取り除かれれば、投資家は市場に戻り、証券価格はファンダメンタルズに沿ったものとなる。家計や企業はクレジット環境の改善の恩恵を受ける。それによってリスクの全般的な見直しが進展すれば、中央銀行の保有分を含め、全ユーロ圏のポートフォリオの価値が高まる。OMTが対象国に課す厳しい条件は、その進展を助ける。

懸念3:OMTはQEの一種ではないか?

違う。OMTはユーロ圏のクレジット環境の均質性を取り戻そうとしているのであって、クレジット環境を全体的に緩和しようとしているわけではない。現時点では、ユーロ圏にはQEを正当化するようなデフレ懸念は存在しない。
また、トランスミッション経路も違う。QEでは、デュアレーションの長い証券をデュアレーションの極めて短いベースマネーに置き換えることにより、期間プレミアムを減じ、長期債価格の押し上げを狙う。OMTは別にデュアレーションへの超過需要を創り出そうとしているわけではなく、ユーロ離脱のリスクプレミアムを債券価格から無くすことを狙っている。実際、OMTでは、ユーロ離脱のリスクが如実に表れる短期債をむしろ主な対象としている。
なお、仮にQEをユーロ圏で実施しようとすれば、カスタマイズが必要になるだろう。というのは、一般企業の3分の2は外部金融を銀行に頼っており、取引が活発に行われているクレジット市場にアクセスを持たないからだ。


ちなみにmainly macroのサイモン・レン−ルイスは、現在の周縁国における債務調整のスピードは受動的な財政政策をもたらすには速過ぎるし*1、ユーロ圏の財政ルールも必要以上に急速な債務調整をもたらすので、OMTによる厳しい条件は屋上屋を架すもの、と批判している。

また、ECBもご他聞に漏れずゼロ金利下限の問題を抱えている、と指摘した上で、クーレはECBがQEを追求しない理由を説明していない、とも批判し*2、次のような皮肉を投げ掛けている:

It has taken the ECB about two years too long to recognise the need for OMT ? let’s hope that it does not take another two before it realises that for monetary policy to stay active in the sense described above, it also needs QE.
(拙訳)
ECBがOMTの必要性を認識するのに2年余計に掛かった。上述の金融政策の能動性を確保するためにQEも必要だということを認識するのにもう2年掛かることのないことを期待しよう。
http://d.hatena.ne.jp/himaginary/20121003/is_OMT_QE


 

OMT

英語Outright Monetary Transactions
同意語アウトライト・マネタリー・トランザクション
関連語ECB , 不胎化 , EFSF , ESM , SMP
カテゴリ政策 , O
2012年9月に導入された欧州中央銀行(ECB)が南欧諸国の国債を直接買い入れるプログラムのことで、償還期間が短い債券(残存1年以上3年未満の国債)を中心に予め量的上限を設けず買い入れ、OMTを通じて供給された流動性は完全に不胎化され、民間部門債権者やその他の債券者と同等(pari passu)の扱いを受け、優先債権者待遇が適用されない。

OMT導入により、短期国債に買い入れの焦点を当てたことで、イールドカーブはブルスティープ化(短期金利の低下に伴い長短金利差が拡大すること)し、金融機関や政府の破綻リスクやカウンターパーティーリスクの低減を通じて金融市場の緊張を和らげる効果が期待できる。

またOMTの適用国には欧州金融安定ファシリティー(EFSF)・欧州安定メカニズム(ESM)のマクロ経済調整プログラムあるいは予防的プログラムの順守が求められ、ECB理事会は完全な裁量と金融政策の責務に沿った行動により、金融政策の観点から正当化される範囲で、またプログラムの条件が完全に順守されている限りにおいてOMTを検討し、目標が達成された時点、あるいはマクロ経済調整プログラムの条件が順守されない場合にはOMTを中止ことができる等ECBの関与が弱く失敗に終わった証券市場プログラム(SMP)の反省を活かし、より強いECBの関与が打ち出されていて、OMT導入に伴いSMPは中止された。

しかし、OMTの発動には、EFSF・ESMのマクロ経済調整プログラム等に正式申請し、財政・構造改革実行に関する条件を受け入れなければならず、SMPと比べ支援を受ける条件は厳しく設定されており、各国が拠出するセーフティネットであるEFSFが国債を購入しない限り、ECBは市場で国債を買えなくして、単独での機動的な国債購入ができないという制約を自ら設けることで、欧州債務危機が解決に向かうかどうかの決断を欧州各国政府側に委ねただけであるという指摘もある。
http://www.glossary.jp/sec/finance/policy/omt.php


  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法

▲上へ      ★阿修羅♪ > 経世済民105掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
経世済民105掲示板  
次へ