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日銀、15年度成長率・16年度物価を下方修正へ=関係筋(ロイター)
http://www.asyura2.com/16/hasan106/msg/373.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 3 月 07 日 19:53:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

 3月7日、日銀が4月に公表する「展望リポート」で、2015年度成長率と16年度物価見通しを下方修正する公算が大きいことが明らかになった。複数の関係筋が明らかにした。写真は都内の日銀本店前で2014年1月撮影(2016年 ロイター/Yuya Shino)


日銀、15年度成長率・16年度物価を下方修正へ=関係筋
http://jp.reuters.com/article/boj-e-idJPKCN0W90HM
2016年 03月 7日 15:57 JST


[東京 7日 ロイター] - 日銀が4月に公表する「展望リポート」で、2015年度成長率と16年度物価見通しを下方修正する公算が大きいことが明らかになった。複数の関係筋が明らかにした。年初来の円高・株安に加え、15年10─12月期のマイナス成長などが響く。

新興国経済減速による輸出・生産など実体経済への下押し程度や、マイナス金利政策導入の効果も再点検が必要で、14─15日の金融政策決定会合でも議論になりそうだ。

<円高・株安、一時的か点検>

年初来の急激な円高・株安について、日銀では1)一時的な市場の調整か、2)新興国経済の減速が世界経済全体を下押しする程度が高まる兆候なのか──注視している。今のところ、一時的調整との声が主流のようだ。

しかし、ドル/円JPY=EBSが昨年末の120円前後から115円を下回る水準まで5円超も円高方向へシフト。先行きの円建てエネルギー価格は、1月の想定をすでに下回っており、この影響だけで16年度のコアCPI(消費者物価指数、生鮮除く)は1月の0.8%から0%台半ばに低下する計算。

<原油安のプラス効果に懐疑論>

株安の企業マインドへの影響も、懸念されている。民間エコノミストの中には円高・株安よりも、原油安による交易条件改善効果が大きいとの試算もある。しかし、日銀内では「原油安の日本経済のプラス効果は想定したほどでない」との声もあり、株安が企業の投資を減少させるメカニズムを注視する向きもある。

さらに今年の春闘におけるベースアップは、15年度実績を下回る公算が大きく、賃金から消費を通じて経済を押し上げる力と物価の双方が、1月時点の想定を下回る可能性が出てきた。

<マイナス金利の効果、試算に課題>

中国など新興国経済の減速を背景に輸出・生産の下振れリスクが高まっており、成長率の鈍化とともに需給ギャップの改善が遅れ、物価の押し上げを鈍くする可能性が大きい。

昨年10─12月の国内総生産が前期比0.4%のマイナスに落ち込んだことなどを踏まえ、15年度の成長率見通しも1月時点の1.1%から民間エコノミスト並みのゼロ%台半ばに大幅下方修正する公算が大きい。

16年度の見通しを議論するうえで大きなポイントになり得るのが、マイナス金利政策の効果をどのように定量的に織り込むかだ。

1月の政策決定時にも議論されたが、マイナス金利という日本では初の政策であり、その後に起きている事象を含めて、あらためて影響を精査すべきとの指摘が、日銀内では多い。

直接的な効果である国債の利回り曲線(イールドカーブ)全体の押し下げという面では「効果はすでに表れている」(黒田東彦総裁) との認識では一致しているが、長期金利は当初想定以上に低下しているとの見方もある。

一方のインフレ期待について、今のところ目立った効果はみられていないが、日銀では実質金利の一段の低下を通じて「今後物価や実体経済にも着実に波及する」(同)としており、16年度以降の見通しではマイナス金利の追加的な効果をどの程度見込むかも焦点になりそうだ。

(竹本能文、伊藤純夫 編集:田巻一彦)

 

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コメント
 
1. 2016年3月07日 20:13:04 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[340]

必要なら3つの次元でちゅうちょなく追加的措置=黒田日銀総裁

[東京 7日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は7日午後の参院予算委員会に出席し、「マイナス金利の実体経済への浸透をしっかり見極めていきたい」と指摘した。マイナス金利のさらなる拡大は今すぐは考えていないが「経済・物価のリスクを点検し、必要なら量・質・金利の3つの次元でちゅうちょなく追加的対応措置を取る」と述べた。

渡辺美知太郎委員(無所属クラブ)への答弁。
http://jp.reuters.com/article/kuroda-speaks-idJPKCN0W90LP


 


黒田日銀総裁:経済への影響「前回の半分強くらい」−来春消費増税 (1)
2016/03/07 14:57 JST

    (ブルームバーグ):日本銀行の黒田東彦総裁は7日、来年春に予定されている消費増税の経済面での影響について「前回の半分強くらい」との見方を示した。上げ幅が少ない上に、軽減税率が適用されることが背景としている。
黒田総裁は都内での講演後の質疑応答で消費増税の影響について聞かれ、税は政府と国会が決める話とした上で、2014年4月の消費税3%の上げに対して「今回は税率はまず2%であり、食料品すべて非課税なので1兆円の減収になることを勘案すると多分、前回のインパクトの半分強くらいだと思う」と述べた。さらに駆け込み需要と反動減もともに「前回ほどではないだろう」と語った。
17年4月の税率10%への引き上げを安倍晋三首相は再度延期する、との観測が政府関係者や専門家に広がっている。経済の足取りが現在は明確ではなく、前回14年の増税が経済に悪影響を与えたためだ。ここに黒田総裁は来春の増税は前回ほどの影響はないとの見通しを示した。首相は15年10月予定の10%への増税を1年半延期すると14年11月に発表。国民に信を問うため衆院を解散して総選挙で圧勝した。
講演では、マイナス金利導入について「株高、円安の方向に力を持っているはずだ」と述べて、効果が出ていないといった批判を否定した。金利低下効果はすでに明確、追加緩和も可能として「他の条件を一定とすれば、資産価格にはポジティブな影響を与える」と語った。
市場は落ち着く
一方で投資家の過度のリスク回避姿勢が強く株安と円高が進んだとした。このため「投資家が冷静になるに従って、市場は落ち着いていくものと考えられる」として、マイナス金利の効果疑問視は正当な評価とは言えないとしている。
同時に黒田総裁は、金利全般の低下による金融機関収益への下押し圧力について「避けられない」とマイナス金利のコストについて述べた。直接的な影響を軽減するためにマイナス金利を3層構造にしたとしている。さらに企業が投資を積極化して貸し出し需要につながるためには、「日本経済がデフレから完全に脱却するしかない」としている。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O3NJ4O6JTSEC01.html


 


マイナス金利政策、効果には疑問=BIS報告
BIS本部(バーゼル)
By BRIAN BLACKSTONE
2016 年 3 月 7 日 12:49 JST

 【チューリヒ】主要国・地域の中央銀行で構成する国際決済銀行(BIS)は6日、中央銀行の緩和策には以前ほど金融市場をけん引する力はないとの見方を示した上で、足元で支持が広がるマイナス金利の効果に疑問を呈した。

 BISは金融市場に関する四半期報告で、「この数カ月に生じた混乱は、中銀の政策上の効果的な選択肢が尽きつつあるとの見方が金融市場で強まったことに一因がある」と指摘した。

 また、中銀は金利をゼロ以下まで下げられることを証明したが、「金利のマイナス幅がさらに広がった場合、あるいはマイナス金利が長期化した場合の個人や団体の行動については不確実性が高い」と述べた。

 一方、BISのチーフエコノミスト、クラウディオ・ボリオ氏によると、新興国は海外の金融状況引き締めに伴うリスクや、新興国の借り手による債券発行が減少する中での国内金融サイクルの変化に伴うリスクに直面している。同氏は「振動数の異なる二つの波が重なり、規模も破壊度もより大きな波動に変化したかのようだ」と述べた。

 昨年末の時点では、世界経済の足元はある程度しっかりしていた。米連邦準備制度理事会(FRB)が12月に約10年ぶりの利上げに踏み切ったものの、金融市場がすぐに急落するようなことはなかった。2016年に入ると、中国の経済成長見通しをめぐる懸念や原油価格の急落により、こうした静寂は直ちに破られた。原油安により、ただでさえ低かった世界中のインフレ率は一段と低下した。

 FRBはこれまで追加利上げを見送っており、3月の連邦公開市場委員会(FOMC)でも政策金利を据え置くとみられている。一方、欧州中央銀行(ECB)は今週10日の理事会で、資産買い入れ拡大やマイナス預金金利の追加引き下げといった追加緩和に出ると予想されている。

 BISは近年、超緩和的な金融政策の長期的な効果や、世界経済の成長回復に向けて中銀に重い負担が課せられていることについて、何度も警告している。

 ボリオ氏は「異例の金融緩和状態にあるにもかかわらず、主要国・地域の成長は期待外れで、インフレは低水準にとどまったままだ」とし、「市場参加者は自覚している。また、中銀には治癒力があるという市場参加者の自信が後退している。これは恐らく初めてのことだ」と述べた。

 このような警告にもかかわらず、多くの中銀は超低水準のインフレ環境ないしデフレ環境の中、緩和策を推進し続けている。

 2016年初めの時点でユーロ圏、スイス、スウェーデン、デンマークの4行がマイナス金利を導入済みだった。1月に日銀がこれに加わり、超過準備の一部に付与する金利をマイナス0.1%へ引き下げた。

 アナリストらは、ECBが10日の理事会で預金金利(現在はマイナス0.3%)を引き下げると予想している。そうなれば、スイスなど近隣諸国の中銀に対し、追随利下げを求める圧力が掛かることになる。ボリオ氏によると、日銀のマイナス金利導入を受け、マイナス利回りで取引されている国債の規模は世界全体で6兆5000億ドルに上る。

 だが、BISは「日銀とECBが追加緩和意欲をほのめかす中、市場はマイナス金利の意図せぬ結果に対する警戒を強めている」と注意を促した。

 「直近では、マイナス金利の長期化に伴う銀行部門の収益低下という影響が、重要な留意事項として浮上してきた」とし、「さらにマイナス金利はより直接的に、保険会社や年金基金といった長期債務を抱える機関の収益性ないし健全性、あるいはその両方を弱める可能性がある」と指摘した。

関連記事

マイナス金利、保険会社への影響とは
【社説】日本とスイス、タンス預金が示唆すること
http://si.wsj.net/public/resources/images/BN-MY025_biswar_M_20160306055726.jpg

 
【インサイト】マイナス金利は金融システムを脆弱にする−日本を見よ
2016/03/04 07:03 JST

    (ブルームバーグ):マイナス金利が銀行にとって良くないということを疑う人は日本を見てみるといい。日本の銀行はわずかでもいいから利回りを得ようと、満期まで数十年もある債券を山のように買い込んでいる。ブルームバーグ・ニュースの記事によれば、日本の銀行は1月に超長期の日本国債を差し引きで1974億円相当買い増した。前月は70億円だった。
日本国債は年限10年までマイナス利回りになっているため、銀行は超長期債を買わざるを得ない。マイナス金利を含めた日本銀行の政策の結果だが、このため銀行は政府に非常に長く金を貸すか、高い信用リスクを受け入れない限り、金利収入を得られない。
結果は恐ろしいものになる可能性がある。日銀の取り組みが実を結びインフレが上向けば国債利回りは上昇する。超長期債を抱えた銀行は大きな痛みを感じることになり、日本の金融システムが、悪くすれば衝撃、少なくとも大きな揺れに見舞われることになるだろう。
これが日本の話だ。では欧州はどうだろうか。5年物ドイツ国債利回りは2月29日に過去最低のマイナス0.4%に達した。この環境の下では、銀行や機関投資家は小幅なプレミアムで高リスクの証券を受け入れることを余儀なくされる。金融機関の利回り追求を責めるわけにもいかない。例えば、欧州の高利回り債は現在、指標の国債利回りを約6ポイント上回る。マイナスまたはゼロ利回りの資産に比べると、これは素晴らしい。しかし、プレミアムには理由がある。リスクが高いからプレミアムが付くのだ。
しかしながら、究極のリスクは最も安全なはずだが信じられないほど低利回りの国債に潜んでいる。長期になればなるほど、利回りが上昇し始めた時の打撃は大きい。そういうわけで、マイナス金利がインフレに火を付けるかどうかの判定はまだだが、金融システムの強度を損ない脆弱(ぜいじゃく)にすることについては既に証拠が出ている。
原題:Negative Interest Rates Put Strain on Financial System: Gadfly(抜粋)
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O3GVYU6KLVRZ01.html


 

日本への批判高まり、円安誘導の選択肢なくなる
日本にとって円相場は難しい問題になっている PHOTO: BLOOMBERG NEWS
By
TAKASHI NAKAMICHI
2016 年 3 月 7 日 13:09 JST
 【東京】日本の金融当局がかつてない金融緩和策を講じて景気回復を図ろうと苦慮する中、日本の為替政策に対して懸念を示す声が世界各地であがっている。
 米大統領選挙候補選びで先頭を走る共和党のドナルド・トランプ氏と民主党のヒラリー・クリントン氏はいずれも、1月下旬のマイナス金利導入など日本の動きは為替操作にあたると非難している。一方、事情に詳しい関係者によると、先ごろの20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の際、日本の他にユーロ圏、米国および中国のいわゆるG4が財務相・中銀総裁レベルの非公式会合を持った。その場で、日本政府高官による口先介入や実際に介入する可能性に対し懸念が示された。具体的には欧州当局者らが、日本が外国為替市場に直接介入すると、世界中で通貨切り下げ競争が起きる恐れがあると警告を発したと言う。また、ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)の議長を務めるオランダのダイセルブルーム財務相はG20会期中に、日本が通貨戦争を引き起こす危険性が協議されたことを明らかにした。
 経済主要諸国が通貨安を利用して経済成長を促そうとして、一連の通貨切り下げが世界の市場を混乱させる恐れがある中で、日本に対する国際的な圧力が高まっている。中国も経済が行き詰まっているため、今年は人民元安を容認しているとして非難されている。
 ダイセルブルーム財務相の発言に対する日本政府の混乱した対応は、通貨操作批判に神経を使っている様子を浮き彫りにした。麻生太郎副総理・財務相は4日の参院予算委員会で、ダイセルブルーム財務相の上海での発言は誤って引用されたものだと欧州委員会高官から伝えられたと報告した。だが欧州委員会報道官は先週はじめにウォール・ストリート・ジャーナルに対し、オランダ財務相の発言は正確に報じられたものだと述べた。日本の財務省は4日、G4会合での協議内容についてはコメントを差し控えた。
 関係者によると、G4の財務相・中央銀行総裁会議は少なくともここ数年、G20や国際通貨基金(IMF)年次総会などの際に定期的に行われている。

円相場の推移:日銀の金融緩和が急激な円安につながってきた

 円相場は日本にとって難しい問題だ。円安は安倍晋三首相のアベノミクスと呼ばれる経済政策の重要な柱で、日本の輸出企業にとって為替相場が有利になることで近年の企業収益を記録的水準に押し上げた。だが、世界の各市場が年初から混乱し、安全資産とみなされる円が買われ、円はドルに対し1年ぶりの高値をつけた。日銀の緩和政策が効果を失いつつアルトの見方が強まったことも、円高につながった。
 アベノミクスには名目上は構造改革も含まれるが、主に金融政策に頼ってきた。国際的な反対を受け、日銀はマイナス金利をさらに引き下げるなどの間接的な手段であろうが、円安を誘導する政策はこれ以上進め難くなる可能性がある。
 FPG証券の代表取締役兼通貨アナリストの深谷幸司氏は、欧米が為替相場への直接介入に反対すれば、日本の通貨当局は「静観せざるを得ないのではないか」と述べ、金利をさらにマイナス水準に引き下げるのは難しくなる可能性があると指摘した。「クリントン氏にしろトランプ氏にしろ、まだ大統領ではないが、日本が為替介入をすると(反日的言動が)エスカレートしてしまう可能性がある」と語った。
 日本の当局は、国際的な批判をかわそうとしてきた。日銀の黒田東彦総裁は、クリントン候補やトランプ候補の発言が中銀政策の選択肢を縛ることはないとの認識を示している。
 欧米諸国は一般に、自分たちも行った量的緩和などの金融政策を通じての間接的な通貨安には反対していない。だが、外国為替市場への直接介入には反対している。米政府高官らは、為替相場の動きをけん制するいわゆる口先介入でさえ不快感を示してきた。日本の財務省は、度重なる介入が米国からの厳しい非難を浴び、2011年の冬以降は市場に介入していない。
 それでも安倍首相は2月15日の衆院予算委員会で、「急激な相場の変動は望ましくない」と述べ、「財務相には引き続きしっかりと見てもらい、必要に応じて対応してもらいたい」と発言した。
 米政府は、安倍政権が日銀の金融政策に頼り円安で成長を促そうとすることにも懸念を示している。米財務省は主要貿易相手国の為替政策に関する最新の議会報告書で、安倍政権が公約した構造改革と財政出動を行えば、「金融政策に頼り過ぎ、外需主導の成長を支えるための円安に依存することを避ける」ことになると指摘した。
 アベノミクスが3年目を迎える中、経済が息切れしているため、日本政府はふたたび財政政策を緩めようとしているようだ。安倍首相の経済顧問らはここ数週間、政府は新たな景気対策を用意し来年の消費増税は見送るべきだと述べている。
 だからと行って、円相場を安く維持する取り組みが不要だということではない。第一生命経済研究所主席エコノミストの熊野英生氏は、これ以上円が強くなれば、日銀は追加緩和を行うだろうとみている。
関連記事
? アベノミクス、行き詰まりへの道
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? 【寄稿】円売り介入のリスクとは
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http://si.wsj.net/public/resources/images/OJ-AG970_YEN_16U_20160304062408.jpg 

 

 

コラム:G20の日本批判、ドイツの身代わりか=嶋津洋樹氏
嶋津洋樹
嶋津洋樹SMBC日興証券 シニア債券エコノミスト
[東京 7日] - 中国・上海で20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議を終えて帰国した日本の関係者らは、自分たちが現地で得ていた手応えと、国内での評価との差に驚いたに違いない。

もちろん、声明に金融、財政、構造改革というすべてを盛り込んだことについて、具体性が乏しいとか、実際の協調は困難との批判は覚悟をしていただろう。しかし、あたかも日本の通貨政策や金融政策が懸念材料となり、批判の対象となったかのような論調が強まるとは夢にも思っていなかったのではないだろうか。

実際、直前の報道では、米国が中国や欧州、日本などを対象に積極的な財政政策を求めると同時に、国際的な資本規制を容認する姿勢に転じたことが伝えられていた。日本にとっては、前者は追加の景気対策を正当化し、後者は金融市場の安定につながることで、年初からの円高・株安の流れを止めることになる。

そもそも、円は2月1日以降、上海G20の開催前日の同月25日までに実効為替ベースで7%の上昇と、北欧やオセアニアなどを含めた主要通貨のなかで最も買いを集めていた。日銀が「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の導入を決定した1月29日以降でも6.6%の上昇である。

しかも、国内ではマイナス金利の効果に懐疑的な見方が多く、実際に円高がかえって進んだことを「副作用」と批判する声すらあった。それが、日本が競争的な通貨切り下げを行っているとの懸念や批判があったとの話になったのだから、日本の当局側もキツネにつままれたような気持ちになったのではないだろうか。

<ユーログループ議長発言の謎>

きっかけは、ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のダイセルブルーム議長が日本を名指しして、競争的な通貨切り下げを行うことへの懸念があったと述べたと報じられたこと。それと前後して、為替相場の下落につながるような政策決定を行う際には、事前に通知することで合意したことも明らかにしたと伝えられたことで、国内では日銀の追加緩和が難しくなるとの指摘も相次いだ。

その後、日本政府関係者がダイセルブルーム議長に確認したとして、円について議論がなかったこと、発言がミスクオートされたとの説明があったことも報じられているが、イングランド銀行(英中央銀行、BOE)のカーニー総裁が2月26日に上海で講演した際、マイナス金利について「近隣窮乏」環境を生む恐れがあるとの見解を示したと伝えられていたこともあり、上海G20では日本が議論の中心になったとの印象は今のところ、必ずしも払拭(ふっしょく)されていない。

筆者はこうした上海G20に絡む一連の報道について、違和感を覚えずにはいられない。まず、日本が競争的な通貨切り下げを行うとの懸念は、上述した通り、現実と大きく異なっている。そして、もし仮にダイセルブルーム議長がその現実を知らずに日本を名指ししたとすると、それはダイセルブルーム議長がマイナス金利の通貨に与える影響を信じていることを意味するだろう。このことは、国内で「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の副作用としての円高を指摘する見方や、そもそも効果がないとする見方と完全に矛盾する。

ちなみに、2月25日時点の円は、日銀が「量的・質的金融緩和」の導入を決定した2013年4月4日と比べると7.8%の下落となるが、13年12月31日と比べると2.8%の上昇である。それに対して、ユーロはそれぞれ5.5%の下落、9.7%の下落となっている。ダイセルブルーム議長が日本を競争的な通貨切り下げを行う国として名指しできる立場にはない。

また、「為替相場の下落につながるような政策決定」に金融政策が含まれるかは必ずしも自明ではない。それよりも、為替介入を対象にしていると見るのが自然だろう。中国が15年8月に実施した人民元の対ドル中心レートの切り下げ発表や、価格決定の方法変更なども念頭にある可能性が高い。そして、金融政策が含まれるのであれば、主要国の中央銀行で事前通知を迫られるのは、日銀ではなく、欧州中央銀行(ECB)である。

<構造改革の進展度合いはドイツより日本が上>

さらに、カーニーBOE総裁はマイナス金利について、金融機関の経営を圧迫することを通じて、国内需要を十分に刺激することができない場合は輸出の増加に依存せざるを得ないため、近隣窮乏化を招くと指摘しているのであって、マイナス金利そのものを否定しているわけではない。それどころか、金融緩和は、それがマイナス金利であろうがなかろうが、一般的に国内需要を刺激することで、世界景気の回復に資すると説明している。

カーニー総裁はこのことをマネーフローの観点から、過剰貯蓄を海外に押し付けるため、世界的な中立金利水準の低下につながると警告している。その典型的なパターンは、金融緩和が国内需要の十分な刺激につながらないことで、輸入よりも輸出が増加し、貿易収支の改善を通じて、経常収支の黒字が拡大する国だろう。反対に、国内需要が盛り上がり、経常収支が悪化する国では、国内での資金を海外から調達せざるを得ないため、世界的な貯蓄過剰の解消に役立つことになる。

ショイブレ独財務相は、カーニー総裁の講演の前日である2月25日に、ECBの緩和的な金融政策がドイツの経常黒字の拡大につながっていると発言している。この発言は恐らく、追加緩和を模索するECBに対するけん制だろう。

しかし、カーニー総裁に言わせれば、金融緩和にもかかわらず国内需要を十分に盛り上げず、輸出の増加をけん引役に国内景気の回復を謳歌するドイツこそ、近隣窮乏化で世界経済の足を引っ張る犯人である。

結局、上海G20で議論の俎上(そじょう)に上がった国は日本ではなく、ドイツだった可能性が高い。ドイツと同様に経常黒字の拡大が続くオランダなどの北部欧州もその対象だったと考えられる。そして、ダイセルブルーム議長の出身国はオランダである。今となっては、ダイセルブルーム議長が日本を名指ししたかどうかまではわからないが、自国への批判をかわそうとして、経常収支の黒字幅が拡大する日本の名前を出した可能性は否定できない。

なお、経済協力開発機構(OECD)が上海G20に向けて公表した報告書によると、2011―14年における日本の構造改革の進展度合いは、評価の対象となった38カ国で上から25番目だった。一方、欧州はギリシャを筆頭に、ポルトガル、アイルランド、エストニア、スペインと、欧州債務危機の震源地となった国を中心に上から5番目までを独占している。しかし、オランダは28番目、ドイツは29番目と、日本よりも評価が低い。

ドイツのバイトマン連銀総裁やショイブレ財務相は上海G20を前にダイセルブルーム議長らとともに、金融政策や財政政策の限界と、構造改革の取り組みの重要性を繰り返し強調していた。OECDの報告書に従えば、日本で構造改革への取り組みが必要なことは疑いようもない。しかし、自国のことを棚に上げて、批判の矛先を日本へ向けたと思われても仕方がない今回のやり取りは、国際政治的には上手な振る舞いと言えても、個人的には違和感の残るものである。

*嶋津洋樹氏は、1998年に三和銀行へ入行後、シンクタンク、証券会社へ出向。その後、みずほ証券、BNPパリバアセットマネジメントを経て2010年より現職。エコノミスト、ストラテジスト、ポートフォリオマネージャーとして、日米欧の経済、金融市場の分析に携わる。

*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。(こちら)
http://jp.reuters.com/article/column-forexforum-hiroki-shimazu-idJPKCN0W90KP

 

 
コラム:中国の非現実的な成長目標、「改革の痛み」先送り
 

Rachel Morarjee

[北京 7日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 中国が今回発表した5カ年計画は、中央の政策立案者が依然として国内経済の舵取りを担っていることを明確にした。

指導部は2020年まで、年間の経済成長率を少なくとも6.5%とすることを定めた。過去の成長率を下回るものの、相変わらず高水準だ。非現実的な目標はリバランス(再均衡)の遅れや債務拡大を通じて経済をゆがめるだろう。

中国の国内総生産(GDP)統計には長らく疑惑の目が向けられている。内部告発サイトのウィキリークスによると、5日に始まった全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の冒頭で経済目標を示した李克強首相ですら、2007年に米国の外交官に対し、鉄道貨物量、電力消費量といった指標をより重視していると漏らしたほどだ。

とはいえ、経済目標の重要性に変わりはない。地方の指導者は地元の経済基盤が何であれ、その目標を達成できるかどうかに昇進がかかっているからだ。

ロシアに接している北東部の黒竜江省をみてみよう。同省の公式発表では2015年の経済成長率は約5.6%となっているが、国内最大の産油量を誇る大慶では域内総生産が約4分の1も減少するなど、省内の複数の都市は省全体の成長率を大幅に下回る数字を発表している。

それにもかかわらず、同省の指導部は今年、少なくとも6%の成長率を目指している。都市部の失業率も4.5%以下が目標だという。

李首相は、16年に中国全体の成長率が目標の6.5─7%を下回った場合、20年までの10年間でGDPを倍増する計画を達成するために、17年以降はさらにGDPを拡大する必要が出てくると述べた。こうした目標は石炭・鉄鋼業界で数百万人の労働者を解雇したり、大気汚染を解消したりしようとしていることと矛盾しているように思える。

長期目標はまた、外部ショックのリスクも無視している。世界の経済成長率は鈍化し、欧州連合(EU)は難民危機を抱えているほか、米国では貿易保護主義者の大統領が選出される可能性がある。しかし、中国は対外貿易に関する具体的な数値目標を示さないことで、こうしたリスクに目を配っている姿勢を示しただけだ。

成長鈍化か債務拡大。どちらを受け入れるかという選択肢に直面し、中国の官僚らは後者を選んだ。このことが意味するのは、意義ある改革の痛みをさらに5年間先送りするということだ。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
http://jp.reuters.com/article/breakingviews-china-growth-goal-idJPKCN0W90K5

 
中国の外貨準備高、2月は減少ペース鈍化−人民元相場が安定
2016/03/07 18:01 JST

    (ブルームバーグ):中国の外貨準備高は2月も減ったものの、減少ペースが鈍化した。人民元相場の安定が寄与した。
中国人民銀行(中央銀行)が7日発表した資料によれば、外貨準備高は2月中に286億ドル(約3兆2500億円)減少し同月末で3兆2000億ドルとなった。ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査の中央値では、3兆1900億ドルへの減少が見込まれていた。
DBSグループ・ホールディングスの香港在勤エコノミスト、ネイサン・チョウ氏は統計発表前、「先月の金融市場は1月と比べより安定していた。人民元に対するセンチメントは改善した」と述べ、「経済のファンダメンタルズ(基礎的諸条件)が改善すれば、今年後半の資本流出は減速する可能性がある」と指摘した。
中国の人民元相場防衛で外貨準備高は昨年1年間に5130億ドル減った。ブルームバーグ・インテリジェンスは同年に過去最大の1兆ドル相当の資金が中国から流出したと推計している。
原題:China’s Foreign Reserves Slow Decline as Currency Stabilizes(抜粋)
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O3NUY86K50XS01.html

 

 
中国2月末の外貨準備高は3.20兆ドル、2011年12月以来の低水準

[北京 7日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)が7日発表した2月末時点の外貨準備高は前月比285億7000万ドル減の3兆2000億ドルで、2011年12月以来の低水準だった。

減少幅はロイターがまとめたエコノミスト予想の300億ドルをやや下回った。1月は995億ドル減だった。

12月は1079億ドル減少し、過去最大の減少を記録した。

外貨準備は、2015年通年では5130億ドル減少し、年間の減少としては過去最大となった。

ダイワ・キャピタル・マーケッツの日本を除くアジア地域担当の首席エコノミスト、ケビン・ライ氏は「2月に政府は多くの措置を講じており、これが減少鈍化につながった可能性がある」との見方を示した。

外貨準備の減少は4カ月連続。人民銀行は、人民元の下落圧力緩和や資本流出の拡大阻止に向けドルを売っている。

金準備は710億1000万ドル(5750万オンス)で、1月の635億7000万ドル(5718万オンス)から増加した。

国際通貨基金(IMF)リサーブポジションは107億3000万ドルで前月の37億6000万ドルから増加。

IMF特別引き出し権(SDR)は102億8000万ドル。1月末は102億7000万ドルだった。
http://jp.reuters.com/article/china-reserve-feb-idJPKCN0W90QH

中国人民銀、マイナス金利導入する公算小=副総裁
By PEI LI
2016 年 3 月 7 日 15:52 JST

 【北京】 中国人民銀行(中央銀行)の易綱副総裁は7日、経済成長は減速しているが、同国がマイナス金利を導入する公算は小さいとの見方を示した。

 全国人民代表大会(全人代)の合間に易副総裁は、「経済情勢は悪化していない」と述べ、中国には資本流出に対応する外貨準備がまだ潤沢にあるとの見解を繰り返した。

 中国の外貨準備は減少しており、1月末に3兆2310億ドルとなった。7日この後発表される2月末の数字は外貨準備が減り続けていることを示すだろうが、減少ペースは衰える可能性が高い。

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http://si.wsj.net/public/resources/images/BN-MQ966_0218PR_M_20160218061141.jpg

 

小笠原誠治日本人がIMFの副専務理事になれる理由
2016/03/07 (月) 13:14


 今世の中、おかしなことでいっぱいです。

 何故かと言えば、1000兆円もの借金を作っている日本政府は、新たに国債を発行すると金利を支払うどころか逆に金利がもらえるようになっているからです。

 どう考えても、おかしいでしょう?

 これが、毎年物価が5%とか10%とか低下しているというのであれば、分からないでもありません。

 例えば、毎年物価が5%低下するならば、現金の価値は1年間で5%も上がる計算になるので、お金を銀行に預け、例えば1%のマイナス金利が掛けられても、実質的には全然損をしないからです。

 しかし、今の日本は、幾らインフレ率が下がっているとはいえ、それほど酷い状態ではないのです。

 世界各国の国債の格付けもおかしいとは思いませんか?

 というのは、米国の国債はトリプルAやダブルAの格付けとなっているのに、日本の国債はシングルA程度でしかないからです。

 日本政府の対GDP債務比率が、他の先進国と比べ群を抜いて高いことがその理由であるとは思うのですが...

 私は、どうしても納得がいかないのです。

 否、日本の国債の金利が世界的に見て一番低い水準あるのに...なんてことを言いたいのではないのです。

 百歩譲って、日本の国債にシングルAしか付かないのなら、それはそれでいいでしょう。しかし、問題なのは、その日本政府から多額の借金をしている米国の国債が、何故それより高い格付けになるのか、ということです。

 日本や中国は、それぞれ100兆円を超す額の米国債を保有しています。ということは、それぞれが米国に100兆円以上お金を貸しているのと同じなのです。

 何故お金を貸している日本や中国の方が、お金を借りている米国よりも格付けが低いでしょうか?

 おかしいとは思いませんか?

 ところで、今、米国では、トランプ氏やクリントン氏が、盛んに中国や日本は為替操作をして自国通貨を安く保ち、それによって輸出攻勢をかけ、米国から仕事を奪っていると主張しています。

 要するに、円や人民元の価値はもっと高くて当然であり、ドルの価値はもっと低くて当然であると言っているのです。

 しかし、米国という国は、いつもそう言っているのかと言えば...違いますよね。「強いドルは国益」だなんて言うことも多いのです。

 一体、米国の本音はどこにあるのでしょうか?

 一言で言うのは難しいのですが、大雑把に言えば、自動車産業などの製造業部門は安いドルを望んでおり、その一方で、ウォール街は高いドルを望んでいると言っていいでしょう。

 ということは、米国には弱いドルを望む声と強いドルを望む声がある訳ですが、では、どちらの声がより強いかと言えば...

 どっちだと思いますか?

 答えは、強いドルを望む声の方が強いと言っていいでしょう。

 何故かと言えば、強いドルの方が、圧倒的に米国にとって有利な状況をもたらすと考えるからです。

 私が、そんなことを言っても、納得がいかない思いの人もいるでしょう。

 では、何故通貨安競争などが起きるのか、と。 そして、何故、中国や日本は自国通貨の価値を低くしようとしているのか、と。

 確かに、製造業の育成ということを考えれば、自国通貨が安いと言うことは、輸出競争力を増すことになるので、普通は自国通貨を引き下げることを考える国が多いのです。

 ということは、自国通貨の価値が高いと、輸出の面では不利に働く訳ですが...しかし、基軸通貨国である米国の場合は、もし、弱いドルを受け入れてしまうと、ドルが基軸通貨の地位から立ち退かざるを得なくなり、そうなると、基軸通貨国としての特権を手放す必要が出てくるのです。

 基軸通貨国の特権とは、どれだけ借金を積みかさねようが、自国通貨のドルで借金の清算が可能であることが1つ。

 ドルは、米国の中央銀行がどれだけでも発行できる訳ですから、どれだけ米国が借金を作ろうと、理論的には借金の返済に窮することはない訳です。

 なんと素晴らしいことか!

 その上、ドルが基軸通貨であることによって米国の金融業は、他の国の金融業よりも有利な立場に立つことができます。

 さらに言えば、世界中で流通するドルの量が多くなればなるほど、その分、米国は通貨発行益を得ることができるので、その意味でも米国は得をするのです。

 つまり、そうした特権に比べれば、製造業が多少犠牲になるのは止むを得ないというのが本音と言っていいでしょう。

 ただ、そうは言っても、強いドルを維持することはそれほど容易いことではありません。というのも、米国は、もう何十年間も経常収支の赤字が続き、今や世界一の純債務国に陥ってしまっているからです。

 そんな国の通貨が、いつまでも高い価値を持続できる訳はないのです。

 もちろん、米国が経常収支の赤字を再び黒字に転換できれば問題ないのですが...それは思い切ったドル安にでもしない限り無理な相談なのです。

 だとしたら、あとは手段が限られてきます。

 どんな手段かと言えば、どれほど米国の経常赤字が続こうとも、依然として米国に対する投資を続けさせることです。

 形態はどんなものでも構いません。米国に直接投資をするのも結構だし、米国の株や国債を購入するのも結構なのです。

 そして、その米国の要請に応えるかの如く、行動している国があるのです。

 もうお分かりですよね。

 一番忠実に行動しているのが、日本。そして、その次が中国。

 中国は、最近、ドル建て資産を売却しているなんて言われていますが、日本政府が、米国債を売却するなんてことは普通あり得ないのです。

 でも、こうしていつまでも米国債を大量に保有し続けることが日本にとって本当にいいことなのでしょうか?

 まあ、そうすることによって円高になるのを回避できている面はあるにしても、将来ある時点でドル安が進行するなどすれば、結局、日本政府が巨額の為替差損を被ってしまうからです。

 従って、本来であれば、外貨準備の内容をどのように構成するかは慎重に検討してしかるべきなのですが...

 世界第一の純債権国家の日本がそのような素振りをすれば、それこそドルの価値は急落してしまうでしょう。

 そうすると、米国の基軸通貨国としての地位も危うくなってしまうのです。

 米国の国債をどれだけ保有するかを決定するのは、国会でも自民党でもありません。外為特会を管理している財務省が決めることなのです。そして、その財務省の国際関係の最高責任者とも言えるのが財務官なのです。

 米国が、何故日本の財務官経験者をIMFのナンバー2のポストである副専務理事に充てるのか、その理由が想像できると思います。

http://www.gci-klug.jp/ogasawara/2016/03/07/025392.php


 


米労働参加率、低下傾向は変わらず
ベビーブーム世代の一斉定年退職が労働参加率を押し下げる見通し(写真は定年退職した元警官のパラディーノさん夫婦、ニューヨーク州ユーティカ)
By BEN LEUBSDORF
2016 年 3 月 7 日 15:45 JST

 米国の労働参加率は、ここ数年低下を続けた後、最近になってじりじりと上昇している。しかし、その傾向が続くと期待してはならない。

 リセッション(景気後退)前には66%だった労働参加率は、長期低下傾向をたどり、昨秋には62.4%と38年ぶりの低水準に落ち込んだ。このため、景気回復は不完全で、実際の失業率は公式統計以上に悪いのではないかとみられた。

 だが今では、1990年代末以来となる力強い雇用の伸びが続き、就職をあきらめていた人の中から働く意欲を示す人が増えた。労働参加率は昨年9月以降、着実に上昇し、2月には62.9%に回復した。

 ただ、ベビーブーム世代が一斉に定年退職を迎えるなど、景気循環以外は労働参加率の押し下げ要因が目立つ。労働参加率は、短期的には上昇を続ける可能性はあるものの、官民エコノミストの多くは程なく再び低下に向かうとみている。

 ミシガン大学のベッツィー・スティーブンソン准教授(経済学)は「景気循環が関係ないというわけではないが、高齢化が進んでおり、それが大きな要因となっている」と指摘する。

労働参加率【青色:実績、黄土色:マクロエコノミック・アドバイザーズの予想、オレンジ色:議会予算局の予想、水色:労働省の予想】 ENLARGE
労働参加率【青色:実績、黄土色:マクロエコノミック・アドバイザーズの予想、オレンジ色:議会予算局の予想、水色:労働省の予想】
 米経済が20世紀後半に確かな成長を遂げたのは、女性が労働市場に大量参入し、国内労働力を押し上げたことが大きかった。労働参加率は1954年末の58.1%から2000年初めには67.3%に高まった。しかし、その後は下げに転じ、07〜09年のリセッション中やその後には急低下に見舞われた。

 エコノミストらはリセッション後の労働参加率低下について、景気鈍化という要因と、人口動態の変化や雇用市場の構造変化といった他の要因のどちらが大きく影響したかをめぐり議論を戦わせている。それが米連邦準備制度理事会(FRB)関係者にとって重要な問題であることは今も昔も変わらない。次回の連邦公開市場委員会(FOMC)は3月15日・16日に開かれる。失業率が失業者の実態を過小評価しているとすれば、FRBは低金利を維持し、就労を断念した人の労働市場への復帰を促すべきだろう。しかし、労働市場のスラック(余剰人員)がほぼ解消されているのなら、低金利を続ければインフレ高進を招きかねないとFRBは懸念するだろう。

 労働参加率の議論には政治的な意味合いもある。左派、右派の両方とも、失業率は景気回復の明るい面しか表していないと論じる。というのも、労働省の失業者の定義では、職探しをあきらめた人や早期退職をした人、障害者手当の支給を申請した人、進学した人などは、失業者に含まれないからだ。リベラル派のシンクタンク、米経済政策研究所(EPI)は、こうした労働者を含めれば、2月の失業率は公式発表の4.9%ではなく、6.3%に跳ね上がると主張する。米大統領選挙の共和党候補指名争いの先頭に立つドナルド・トランプ氏も労働参加率の低さに言及し、実際の失業率は2桁に達すると指摘している。

 労働参加率には、ベビーブーム世代の一斉退職、就労を継続する高齢者の増加、若年層の在学期間長期化などさまざまな要因が影響している。労働参加率の当面の見通しははっきりしない。議会予算局(CBO)は労働参加率が一時的に安定した後、再び低下すると予想する。一方、調査会社マクロエコノミック・アドバイザーズは、労働市場の回復に伴い、今後数年間は参加率が高まり、その後は高齢化などが影響して低下に転じるとの見通しを示す。

 いずれにせよ労働参加率は、雇用市場が堅調なだけではリセッション前の水準には戻りそうもない。イエレンFRB議長は昨年12月、「労働参加率がいずれ大幅に高まると予想すべきではないと思う」との認識を明らかにした。

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2月の米雇用統計、エコノミストはこうみる
好調な米雇用統計、4月以降利上げを正当化か
米2月の非農業部門就業者数は24.2万人増、予想上回る
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2月の米雇用統計、利上げへの影響は

By JUSTIN LAHART
2016 年 3 月 7 日 14:02 JST

 米雇用市場は、今年に入ってからの世界金融市場の混乱でも動じることはなかった。だが、それで米連邦準備制度理事会(FRB)の慎重さが後退することはなさそうだ。

 米労働省が4日発表した2月の非農業部門就業者数(季節調整済み)は24万2000人増となり、12月と1月の就業者数は3万人の上方修正となった。一方、平均時給(前月比)は約1年ぶりに低下した。失業率は前月から横ばいの4.9%だったが、これは求職者が増え、労働人口が拡大したからである。

 弱材料は賃金だ。2月の平均時給は前月比0.1%低下した。1月に0.5%上昇した反動もあるかもしれないが、前年同月比でも2.2%しか上昇していないため、全体としては雇用主が求人でそれほど苦労しているように思えない。このことは、労働年齢人口のうち労働人口に含まれていない人々がまだ多くおり、労働市場には4.9%という失業率が暗示する以上のスラック(余剰資源)が存在することを示唆している。

 FRBにとって、賃金成長率が低いことは堅調な雇用市場がインフレ圧力を生み出すことをまだ心配しなくてもいいということを示している。したがって、今月15-16日の連邦公開市場委員会(FOMC)会合では金利を据え置くというメッセージを発しているFRBがそのことに違和感を覚える可能性は低い。

 2月の雇用統計は、米国が景気後退に陥るかもしれないという最近の懸念を沈静化させた。これを踏まえると、特に1月はそうだが金融市場、中でも株式市場は過剰反応していたようだ。

 それでもFRBは、海外の問題が米国経済に悪影響を及ぼすことを心配しているのだろう。海外の景気低迷、過去1年間のドル高、原油やその他の商品の価格急落などの複合効果がどのように表れるかはまだわからない。

 さらに言えば、FRBは今年初めに世界の金融市場に定着した負のフィードバックループを再発させるというリスクを冒したくないだろう。早過ぎるタカ派への転換はドル高をさらに進め、商品価格を低下させ、新興国市場の企業の債務返済能力をめぐる新たな懸念を引き起こす可能性がある。つまり、FRBは利上げ見通しをまたしても先送りせざるを得ないと感じることだろう。

 FRBが年内に利上げしたいのであれば(実際にしたいと考えているだろう)、最善の戦略は、当面は利上げを見送って最近の混乱による影響を見極め、しばらく景気の成り行きを見守ることかもしれない。年後半に入れば、利上げの検討に戻ることができるだろう。

 投資家たちはこれを、しばらくはFRBに邪魔されずに済む、というメッセージとして受け取るだろう。ただ、それで浮かれ出すとしても、門限があることを忘れてはいけない。

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米貿易統計、資源相場反発の行き過ぎ示す
ロサンゼルス港で積み荷を降ろすコンテナ船(2014年)
By KEN BROWN
2016 年 3 月 7 日 15:36 JST

 米国の各市場は年初から大きく下げたが、リセッション(景気後退)のリスクを心配し過ぎだったことはいまや明らかだ。4日に発表された2月の米雇用統計は、根強く残る懸念の解消につながった。

 ここにきて正反対の疑問が浮上している。それは各市場、特に最近堅調な資源相場や新興国市場が、昨年の損害をなかったことにするような世界経済の回復を正しく予言しているのだろうか、という疑問だ。

 4日に発表された1月の米貿易収支は、これらの市場が間違っており、世界経済はせいぜい弱いとしか言えないことを示している。輸出入が減る中、米国の貿易赤字は2.2%増加した。自動車以外のほぼすべての品目で出荷が減少した。

 貿易収支は、二つの理由で雇用統計よりも問題だ。まず、貿易収支はドル高が米経済に及ぼした影響を示している。この影響は失業率などよりも把握することが難しい。そして、米国以外の大半の国々の低調な状況を浮き彫りにしている。

 雇用統計と貿易収支の違いは明白だ。貿易収支は、新興諸国の株や債券、そして鉄鉱石や石油などの資源の大幅な反発相場にも疑問を投げかけている。

 1月に輸出は2.1%減った。モノの輸出水準は金融危機からまだ日が浅い2011年2月以降では最低だった。カナダや中南米、中国向けの輸出は数年ぶりの低水準をつけた。

 減少した一因は確かに資源相場の下げにあることは確かだ。だが、米貿易収支は世界貿易全体の弱さとも一致している。数年間、貿易は世界経済よりも高い伸びを示してきたが、ここにきて成長の足かせになっている。

 米国市場は今年初め、悲観的な見通しを織り込み、資源相場や新興国の株式は弱い貿易統計を無視できなくなったようだ。新興国の株価は1月下旬以降に12%上昇し、原油相場は大幅の下げだったが3分の1値を戻した。

 弱い貿易統計は、新興諸国が景気減速から脱して輸出を伸ばすことはできず、国内の成長を促す必要があることを示している。商品輸出に依存するブラジルやインドネシアなど、そして、経済成長の大幅な鈍化を食い止めるための経済と金融システムの改革に失敗した中国にとって、これは大きな問題だ。

 貿易統計はまた、米経済がいまのところ唯一の輝く星だと言うことを示している。米国の輸入は、資源価格の下落を受け12月に増加したが、1月はわずか1.3%の減少にとどまった。

 世界貿易が弱いと米経済を圧迫し、世界経済にとって唯一の成長の原動力を奪う恐れがある。IHSグローバル・インサイトによると、米連邦準備制度理事会(FRB)が用いる経済モデルでは、14年7月以降の19%のドル高で15年〜17年の米実質国内総生産(GDP)成長率は3ポイント近く下がる可能性がある。

 2月の米雇用統計を受け、4日に各市場はやや上伸し、ダウ工業株30種平均は終値が年初以来の1万7000ドル超えとなった。だが、リセッションの兆しが見え始める前につけた昨年の高値をまだ7.3%下回っている。

 今年初めには、ダウ平均が下値を広げすぎたのかもしれない。だが現在は、資源相場や新興国の反発が行き過ぎに思われる。

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米景気後退リスク、警戒解除まだ早い
米国の景気後退リスクは大幅に低下したが、安心するのはまだ早い
By GREG IP
2016 年 3 月 7 日 10:34 JST

 ほんの少し前まで米国では景気後退への不安が広がっていた。株、ジャンク債、原油の価格が崩れ、デフレに陥る可能性が高まった。米連邦準備制度理事会(FRB)に再利上げの見送りを求める声も上がり始めていた。

 その後、不安は急激に和らいだ。主要株価指数は先月11日の安値から順調に立ち直っている。ジャンク債の利回りスプレッドは縮小、原油は下げ止まり、ドル高進行もとまった。その結果、インフレ期待が高まった。投資家にとって何よりだったのは市場の変動が落ち着いたことだ。オプション価格に基づいて株式市場の不安度を測るシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー指数(VIX指数、恐怖指数)は昨年12月の水準にまで低下した。調査会社コーナーストーン・マクロの計算では、米国がリセッション入りする可能性は先月11日の段階では64%だったが、その後、47%にまで低下した。

 しかし、FRBも含めて、ここで安心するべきではない。リセッション入りのリスクは後退していない。それどころか、じわじわと高まっている可能性がある。

 市場と実体経済は別ものであることは周知の事実であり、この二つが正反対のシグナルを送ることは珍しいことではない。金融市場は先月、雇用、小売売上高、国内総生産(GDP)といった経済統計よりはるかに深刻なシグナルを発していた。JPモルガンが経済統計に基づいて計算したところ、米国経済が今後12カ月の間にリセッション入りする確率は先月12日の時点では32%だった(通常は20%前後で推移している)。

 今月に入って市場で懸念が後退しても、経済指標に基づくセッション入りの確率は今月3日の時点でも下がっていない。米製造業購買担当者景気指数など一部の指標はまだリセッションを示唆する領域にとどまっている。

 4日発表された2月の米雇用統計では、非農業部門就業者数が前月比24万2000人増となり、米国経済が今のところリセッション入りしていないことが確認された。ただ、引き続き注意はすべきだ。まず、雇用統計の詳細を見れば、就業者数の増加から伺えるほど楽観的な状況ではないことが分かる。週平均労働時間が34.4時間に減少したため、2月の総労働時間が減少、昨年12月と同水準となった。

 さらに重要なのは、雇用者数の伸びは一致指標であり、先行指標ではないということだ。つまり、雇用者数の伸びはリセッションの前でなく、リセッション入りしてはじめて縮小する。

 金融市場からのシグナルを読み解くとき、われわれはマーケットの動くスピードに気を取られがちだ。実際、市場の動きが激しければ、リセッションへの警戒感が高まって実際にリセッションが起きる可能性がある。しかし、経済への影響の点で言えば、相場の着地点のほうが重要だ。数週間前と比較すると、ドルと社債の利回りはまだ高く、株価は低い。FRBのラエル・ブレイナード理事は、この1年半の間にドル高、株安、社債の利回り上昇が進んだため、昨年12月に行われた0.25%の利上げに加え、フェデラルファンド(FF)レートを0.75?1%引き上げたのと同じくらいの金融引き締め効果があったと指摘している。

 金融市場のひっ迫の影響は常に遅れてやって来る。従って、2月の相場が経済成長にどの程度の影響をもたらしたか明らかになるにはもう2?3カ月かかるだろう。昨年8月に市場が混乱したときと同様、実体経済への影響は一切なかったということもあるかもしれない。エネルギー業界での相次ぐ破綻や、株式・債券市場でのエネルギー関連の売りももうすぐ一巡するだろう。現在稼動している石油掘削リグの数は以前の半分以下に減少しているが、ゼロ以下にはなりようがない。

 というわけで、リセッションはまだ、米国経済の基本シナリオではない。それでも警戒を解くのは時期尚早だ。

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米金融情勢、もはや追加利上げの「明らかな障害ではない」−チャート
2016/03/04 10:04 JST 
    (ブルームバーグ):マーケットフィールド・アセット・マネジメントのマイケル・シャウル最高経営責任者(CEO)は3日付のリポートで、チャート上の2つの指数が回復していると言及した上で、米金融情勢はもはや追加利上げの「明らかな障害ではなくなっている」と指摘した。2つの指標はブルームバーグ米金融情勢指数とシティグループの米経済サプライズ指数。15、16日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)は昨年12月以来2回目の利上げを実施するかどうかを協議する。
原題:Federal Reserve Gains More Room for Second Rate Increase: Chart
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O3HMMP6JIJVD01.html


ECBのマイナス金利拡大を警戒する投資家
ECBが10日の理事会で債券買い入れ拡大や預金金利引き下げに出ると予想するエコノミストは多い(写真はフランクフルトのECB本部)

By CHRISTOPHER WHITTALL AND MIN ZENG
2016 年 3 月 7 日 15:05 JST

 投資家にとって今週は、ある疑問が他の疑問を圧倒している。それは、金利をどこまで下げることができるかだ。

 欧州中央銀行(ECB)は10日、現在マイナス0.3%となっている預金ファシリティー金利をさらに引き下げると予想されている。市場は広い範囲でこうした動きを瞬時に織り込み、警戒しながら成り行きを見守っている。

 アナリストや投資家は、ECBの預金金利引き下げで国債利回りが低下し、多くの国ですでに過去最低となっている借り入れコストが一段と下がるとみている。年初の世界的な景気先行き不安を背景にした売り相場から持ち直している株式や国際商品(コモディティー)の多くは、反発に拍車が掛かるかもしれない。4日の米国株式市場では、ダウ工業株30種平均が2カ月ぶりに1万7000ドルの節目を突破した。

 もっとも、今後の取引は不安定になり、ECBの追加緩和が期待外れに終われば市場に動揺が広がる恐れがあると警戒する投資家は多い。

 さらに、アナリストや資産運用担当者は、マイナス金利には経済成長とインフレ率を押し上げる効果があるとはまだ言い切れないとの見方を示している。日本銀行が1月末にマイナス金利導入を決めた後に世界中の銀行株が売りを浴びたことを挙げ、意図せぬ結果が生じることを懸念する声は多い。スイス国立銀行などの中銀もいずれECBに追随し、予測できない連鎖反応を拡大させることもあり得ると指摘する声もある。

 こうした懸念が物語っているように、景気低迷がほぼ世界中に広がっている時期に中銀が緩和策を講じても、その効果には限界がありそうだ。

 スタンダード・ライフ・インベストメンツのグローバル国債ファンド部門責任者、ジャック・ケリー氏は「今回の主な違いは、ECBが物価を押し上げてくれるという考えを市場が1年前ほどは受け入れなくなったことだ」と述べた。

 多くのエコノミストは、ECBが毎月の債券買い入れ額を100億ユーロ増額するか、買い入れ期限を現行の2017年3月から延長すると予想している。ECBは現在、国債を中心に月額600億ユーロの債券を買い入れている。

 投資家らによると、これに加え、市場はECBが預金金利を現行水準から0.1%引き下げ、マイナス0.4%にすると予想している。

 今年は国債利回りが大きく低下(価格は上昇)している。世界各国の経済指標が総じて弱く、投資家が安全資産に資金を移しているためだ。10年債の年初来の低下幅は、日本国債が0.31%、米国債が0.39%、ドイツ国債が0.4%となっている。

 4日の米国債市場では10年債利回りが1.883%で取引を終えたが、このところ米経済の底堅さを示す指標が発表されていることもあり、2月初めの1.6%を下回る水準からは上昇している。

 こうした低利回りの米国債について、米国の投資家はあまり妙味を感じないかもしれないが、海外の買い手の多くの目には「掘り出し物」と映る。主要国の4日時点の10年債利回りは、ドイツが0.234%で、フランスは0.58%、英国は1.48%だった。日本はマイナス0.04%だった。

 米国債利回りは、中国など一部の大量保有国による売却の動きや米経済の着実な成長という二つの押し上げ要因に直面しているが、欧州の米国債需要によって低水準にとどまるかもしれない。

 RBCウェルス・マネジメント米債券グループのストラテジスト、クレイグ・ビショップ氏は「低利回りは当面続くだろう」とし、「米国同様、アジアや欧州の景気の足取りもしっかり安定しない限り、利回りが急上昇することはなさそうだ。そうした状況には程遠い」と述べた。

 安全資産への逃避は、経済の先行きや、中銀が景気刺激のためにどの程度の追加利下げに踏み切るかをめぐり、不透明感がくすぶっている兆候だ。

 ECBのインフレ押し上げ努力もむなしく、欧州連合(EU)の統計機関ユーロスタットが先月末に発表した2月のユーロ圏総合消費者物価指数(HICP)速報値は前年同月比0.2%低下し、昨年9月以来のマイナスを記録した。

 ドラギ総裁は、インフレを押し上げるために必要であれば追加策を講じる用意があると何度も表明している。

 ピクテ・ウェルス・マネジメントによると、ドイツ国債に対する需要は非常に強く、ECBの債券買い入れ対象となっているドイツ国債のうち、2月末時点で利回りがマイナスとなった債券は3分の2を超える。

 これはドイツに限った話ではない。メリルリンチ・グローバル債券市場インデックスを構成する債券のうち、利回りがマイナスとなったのは2月末時点で23%となり、年初の13%強から上昇した。2014年8月時点では1%を下回っていた。

 アリアンツ・インベストメント・マネジメントのバイスプレジデント、ジョン・ブレデマス氏は今後も不安定な状態が続くと予想している。投資家やアナリストによると、債券市場は、ヘッジファンドなどの資産運用会社が中銀の緩和策に賭ける場として人気が高まっている。市場で積み上がった持ち高が一気に逆回転すれば、利回りは短期的に急変しかねないという。

 ドイツ国債市場では、10年債利回りが15年4月にゼロ近辺まで低下し、過去最低を更新すると、その後は売りが優勢となった。売り圧力は米国債にまで波及し、多くの買い手が短期間のうちに値下がり損を被った。

 ブレデマス氏は、ECBが投資家の期待に応えられなかった場合は「債券市場が影響を受けやすい」とし、「それはこれまでも目にしてきた」と述べた。

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欧州大手3行にうれしくない共通点、打開策はそれぞれ−改革後の姿も
2016/03/07 17:30 JST

    (ブルームバーグ):ドイツ銀行とバークレイズ、クレディ・スイス・グループの欧州の大手銀行3行の共通点は、過去数十年にわたりトレーディングと投資銀行業務を全世界に拡大し巨額の利益を上げてきたことだ。
しかし最近は昨年8月に比べ株価が約40%下落するというありがたくないことが共通点になっている。市場環境悪化の中で新しい経営トップが登板したことも共通点で、それぞれがスリム化・組織簡素化の改革案を打ち出した。ただ、戦略の対象範囲や再編後の姿などは異なる。
ジョン・クライアン共同最高経営責任者(CEO)が率いるドイツ銀行の投資銀行部門は3行中最大で、改革後も最重要事業であり続ける。バークレイズのジェス・ステーリーCEOは1世紀の歴史のあるアフリカ部門の持ち分売却を決めた。残る主要事業は3部門となり、そのうちクレジットカード部門の収益力が最も高い。クレディ・スイスのティージャン・ティアムCEOはアジアを中心としたウェルスマネジメント事業を戦略の軸とする。
アトランティック・エクイティーズのロンドン在勤アナリスト、クリス・ウィーラー氏は「歴史と決別するのは勇敢だ」とコメント。クレディ・スイスとバークレイズは「投資銀行事業を大幅に縮小し」ウェルスマネジメントと消費者向け事業という利益率の高い事業に頼ることができるが、「ドイツ銀にはその選択肢はないため、収益力向上が非常に重要になる」と分析した。
原題:How Europe’s Three Biggest Investment-Bank Overhauls Stack Up(抜粋)

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O3NS3V6K50Y301.html


 


 

世界経済分析会合、16日に初会合へ 海外識者ら招へい [東京 7日 ロイター] - 政府は、安倍晋三首相の意向で設置が決まった「国際金融経済分析会合」の初会合を16日に開催する方針だ。ノーベル経済学賞を受賞したジョセフ・スティグリッツ米コロンビア大学教授らを招き、5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)に向け、世界経済の動向を分析する。

複数の政府関係者が7日、明らかにした。現時点で会合は16、17日と連日開催する方向で調整しており、初回会合にジョセフ・スティグリッツ氏、2回会合には米ハーバード大学のデール・ジョルゲンソン教授を招く方向だ。

政府側は安倍首相、麻生太郎副総理兼財務相、菅義偉官房長官、石原伸晃経済再生相ら関係閣僚に加え、内閣官房参与の本田悦朗、浜田宏一の両氏、黒田東彦日銀総裁らが出席する。

安倍首相は、5月の伊勢志摩サミットを世界経済の成長に向けた協調の場と位置付け、あらゆる政策手段を動員して「メッセージを発出したい」考え。

会合は経済情勢を議論する場で、具体的な政策は決めない方向だが、政府、与党内では議論の結果が来年4月の消費増税判断に影響するのでは、との見方も出ている。

(竹本能文)
http://jp.reuters.com/article/world-economy-japan-meeting-idJPKCN0W90WL


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