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日銀マイナス金利に限界論、株高が進む異例の展開(ロイター)
http://www.asyura2.com/16/hasan106/msg/478.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 3 月 11 日 19:17:20: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

 3月11日、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が10日、追加利下げに否定的な発言をしたことで、日銀のマイナス金利政策の限界が、市場で早くも意識され出した。写真は2月18日、国会で発言する日銀の黒田東彦総裁[2016年 ロイター/Toru Hanai)


日銀マイナス金利に限界論、株高が進む異例の展開
http://jp.reuters.com/article/boj-ecb-idJPKCN0WD0I3
2016年 03月 11日 17:08 JST


[東京 11日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が10日、追加利下げに否定的な発言をしたことで、日銀のマイナス金利政策の限界が、市場で早くも意識され出した。その結果、銀行収益の圧迫など副作用の面が強く警戒されてきた銀行株は、11日に急伸。金融政策の「限界論」が強まりながら、株高が進むという異例の展開となっている。

<「先駆者」ECBが限界示唆>

日銀がマイナス金利付き量的・質的金融緩和策(QQE)を1月29日に決めてから1カ月あまり。マーケットでは早くも限界論が浮上してきた。

きっかけは10日のECB理事会後のドラギ総裁の発言だ。ECBは主要3金利の一斉引き下げや、月額の資産買い入れ枠拡大など市場予想を上回る追加緩和策を発表したが、ドラギ総裁が「一段の金利引き下げが必要になるとは思わない」と発言すると、市場の雰囲気は一変。欧州市場では金利上昇・ユーロ高・株安が進んだ。

ドラギ総裁は「新たな事実が、状況や見通しを変えることはあり得る」とも発言しており、追加の利下げを全否定したわけではない。しかし、「銀行システムに何ら影響を及ぼすことなく、望むだけマイナス幅を拡大できるのか。答えは『ノー』だ」と断言。マイナス金利の限界を示唆したと受け止められている。

現在の日銀のマイナス金利幅は0.1%。マイナス金利政策を日銀に先駆けて導入している欧州地域・各国の政策金利のマイナス幅は、ECBが0.4%、スイスやデンマークは0.75%となっており、水準的には日銀にも拡大余地がある。

しかし、日本は欧州などと比べ、貸出金利の水準が低い。昨年末時点の貸出金利(国内銀行)は0.9%程度。ユーロ圏の2.2%程度などと比べると引き下げ余地は小さい。預金金利をマイナスにできない以上、金利低下がさらに進めば、利ザヤは一段と縮小し、銀行の収益を圧迫する。

マイナス金利政策の「先駆者」であるECBが限界を示唆したことで、市場では「少なくとも、日銀は来週の会合でマイナス金利の引き下げをできる環境ではなくなった」(UBS証券・デスクストラテジストの井川雄亮氏)との見方も広がり始めた。

<外債投資トレンドは変化なしか>

日銀の追加緩和を織り込んできた円債市場では、これまでの反動から金利が急上昇。10年長期金利JP10YTN=JBTCは一時プラス0.015%とマイナス水準を脱し、2月18日以来の水準に上昇した。

しかし、マイナス金利の限界論が高まったとしても、日銀が国債の「爆買い」をしている状況は継続中だ。需給的に円債市場は締め付けられており、市場では「金利上昇は限定的」(外資系証券ストラテジスト)との見方は多い。

日本は実質金利、名目金利がともにマイナスとなっている主要国で唯一の国だ。この状況は日本にお金を置いておけば、目減りするということを意味する。それゆえ、日本の投資マネーが海外に向かうという構図が、崩れることはないとみられている。

「金利が多少上昇しても、絶対的な金利水準としては依然として低い。国内投資家は海外への投資を止める可能性は低い」とHSBC証券東京支店 ・グローバル・マーケッツ債券営業本部マクロ経済戦略部長の城田修司氏は話す。

<マイナス金利拡大に株安リスク>

一方、日本株市場にとって、マイナス金利の「限界論」が浮上してきたことは、むしろプラス材料とみられているようだ。

11日の東京株式市場では、銀行株.IBNKS.Tが値上がりトップとなり、日経平均.N225を一時1万7000円台に押し上げた。日銀によるマイナス金利政策の決定後、日本株が急落したのは、世界的なリスクオフに巻き込まれたことが大きいが、収益圧迫懸念から銀行株が売られたことも、株安に拍車をかけた一因だ。

個人投資家の保有が多い銀行株の上昇は市場のムードも明るくする。

JPモルガン・アセット・マネジメント、グローバル・マーケット・ストラテジスト の重見吉徳氏は「日本株市場は、金融機関の収益き損への警戒感に支配されているようだ。日銀のマイナス金利拡大が遠のいたとすればプラスに働く」とみる。

さらに金利・量・質の「3次元緩和」のうち、量に比重がかかってくれば、ETF(指数連動型上場投資信託)の購入枠拡大への期待も高まる。「効果がわからないマイナス金利の拡大より、ETF拡大の方が需給に直接的に影響を与えるだけに、株価にはインパクトがある」(国内銀行エコノミスト)という。

とはいえ、金融緩和に「限界論」が強まれば、一般的には株安材料だ。それにもかかわらず、11日の日本株が上昇したのは、マイナス金利に対する市場の「嫌悪感」を表しているともいえる。

今後、日銀がマイナス金利幅を拡大させる追加緩和策を実施する場合は、株安リスクを警戒する必要がありそうだ。

(伊賀大記 編集:田巻一彦)
 

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コメント
 
1. 2016年3月11日 19:21:28 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[354]

Column | 2016年 03月 11日 18:53 JST 関連トピックス: トップニュース

コラム:ドラギ総裁の千慮の一失、求められる緩和波及経路の説明

田巻 一彦

[東京 11日 ロイター] - 欧州中銀(ECB)のドラギ総裁は10日、自ら発した言葉によって、周到に練られてきた追加緩和の果実を失った。この現象は中銀と市場の対話の難しさを示したといえるが、「超金融緩和」の効果に対し、市場が疑心暗鬼になっている実態を浮き彫りにした。

大切なのは、緩和効果の波及経路をわかりやすく説明することだ。そこが不明確なままでは、ちょっとした情報のギャップで市場にショックが走るだろう。

<多彩な政策パッケージ>

ECBが10日に打ち出した追加緩和策は、市場の予想を上回る「多彩な」政策パッケージとして構成されていた。月間の資産購入額を600億ユーロから800億ユーロに増額。下限金利の中銀預金金利をマイナス0.30%からマイナス0.40%に引き下げるのは予想通りだったが、リファイナンス金利を0.05%から0.00%、上限金利の限界貸出金利も0.30%から0.25%へ予想外に引き下げた。

さらにユーロ圏内の金融機関以外の企業が発行する投資適格級ユーロ建て債券を買い入れ対象に追加。新たに6月から期間4年の条件付き長期資金供給オペ(TLTRO2)を4回実施することも決めた。

ある国内金融機関の関係者は、昨年12月の追加緩和策が「期待を下回って失望され、ユーロ高になって景気刺激効果を持たなかったことを教訓にした可能性が高い」と述べる。

<ユーロ上昇のショック>

ところが、その苦心の政策パッケージの効果が、あろうことか当のドラギ総裁の発言で雲散霧消してしまう。「われわれの措置が、成長やインフレにもたらす支援を勘案すると、一段の金利引き下げが必要になるとは思わない」──。

このメッセージが伝わると、追加緩和発表直後に6週間ぶり安値の1.0823ドルまで下落していたユーロ/ドルEUR=EBSは、一時、3週間ぶり高値の1.1217ドルまで急反発した。ユーロ高は欧州株安へと波及。緩和効果は、両手から水がこぼれ落ちるように姿を消してしまった。

中銀と市場との対話は、中銀から見れば、何とも骨の折れる作業だろう。今回、もしもドラギ総裁が追加緩和に含みを持たせれば、6月緩和への期待感が盛り上がり、6月の会合時に追加緩和を見送れば、大きなショックが発生した可能性がある。

また、ドラギ総裁なマイナス金利に関し「望むだけマイナス幅を拡大できるのか、答えはノーだ」とも会見で述べた。

その発言から透けて見えるのは「マイナス金利の拡大は、これが最後」というドラギ総裁の本音であり、そのスタンスとは整合性の取れた発言といえる。

<市場の緩和依存症>

しかし、マーケットは欧州に限らず「緩和依存症」に陥っており、 金融政策の限界をかぎつけると、リスクオフ心理が高まりやすくなる構造にいつの間にか変質してしまった。

だが、2008年9月のリーマン・ショックから8年目となり、多くの市場関係者が金融緩和の効果について「本当に効くのだろうか」という疑念を持ち出した。

2月26、27日の上海G20(20カ国・地域)財務相・中銀総裁会議で「政策総動員」が指摘され、財政出動が可能な国に行動を求めた背景も、「金融政策一辺倒」の限界を政策当局自身が自覚していた表れだと考える。

こうした心理に覆われている市場では、ちょっとした「刺激」で価格変動が大きくなり、場合によっては株価が世界的に急落するような展開にも発展しかねない。

<重要なわかりやすさ>

ここで求められるのは、中銀が自らの緩和政策の波及経路について、わかりやすく説明することだと考える。ECBの政策発表後、市場の一部からは「この政策は効かない」との指摘が相次いだ。

物価の低落基調に歯止めをかけ、経済を上向かせるために、どの政策がどういう経路で効いてくるのか、ということを専門知識を持っている市場参加者の中で、どの程度が納得しているのか疑問だ。

この金融政策のトランスミッション・メカニズムをわかりやすく説明できれば、市場のインフレ期待を上昇させることにもつながる。

振り返って同じことが、日銀にも言えるのではないだろうか。イールドカーブ全体が下がって、具体的にどのような効果が実体経済に波及するのか。

お茶の間のテレビで「マイナス金利」という文字を見て、自分の預金金利がマイナスになるのか、と思ってしまったお年寄りの人たちにもわかる説明が必要だ。

また、貸出金利の引き下げで、どの分野の資金調達が拡大しそうなのか、それがどの経路でその先の経済活動を刺激するのか、従来の慣例に捉われず、積極的に説明していくことが、マイナス金利への理解を深めるうえで「遠回りなようで近道」であると考える。

そのことが、一部の金融関係者の間でささやかれている「マイナス金利でデフレ的なムードがかえって広がる」という見方に反論することにつながると指摘したい。
http://jp.reuters.com/article/ecb-draghi-idJPKCN0WD0XZ


FX Forum | 2016年 03月 11日 18:16 JST 関連トピックス: トップニュース

コラム:ECB砲は不発、揺らぐドラギマジック=田中理

第一生命経済研究所 主席エコノミスト

[東京 11日] - 市場の反応が金融政策の評価を決めるのであれば、10日の欧州中央銀行(ECB)による市場予想を遥かに上回る「バズーカ緩和」は不発に終わったことになる。

まず今回の緩和内容をざっと振り返ると、マイナス預金金利の階層構造導入こそ見送られたが、預金金利のマイナス0.3%から同0.4%への引き下げに加えて、ほぼノーマークだった主要政策金利の0.05%からゼロ%への引き下げが決まった。

また、それ以外にも次のことが決まった。

●200億ユーロの量的緩和の規模増額(月額600億ユーロから800億ユーロへ)

●社債を買い入れ対象に追加

●国際機関債の1銘柄/1発行体当たりの買い入れ上限引き上げ(発行額の33%から50%へ)

●貸出増加を条件とした銀行への長期資金供給(TLTRO)の第2弾開始

つまり「満額回答」だ。しかし、こうした包括パッケージに沸いた金融市場の初期反応は、その後の記者会見での利下げ打ち止めを示唆するドラギECB総裁の発言をきっかけに失望に転じた。終わってみれば、為替はユーロ高方向に切り返し、債券市場と株式市場も総じて下落して引けた。

<バズーカ砲の制度設計は緻密>

もっとも、仔細にみると今回の包括緩和パッケージは、実は非常に綿密に制度設計されたものと評価できる。

というのも、これまで緩和効果が十分に行き渡らなかった周辺国国債のスプレッド縮小や、このところタイトニングが目立つクレジット市場のスプレッド縮小に働きかけ、TLTRO第1弾の反省を踏まえた銀行貸出を促すインセンティブ設計を導入、マイナス金利拡大による銀行収益圧迫懸念への配慮、さらには買い入れ対象不足への不安や通貨安競争への批判の封じ込めなど様々な効果が期待できるからだ。市場の評価が定まれば、緩和効果も徐々に浸透していく可能性がある。

日銀に先んじてマイナス金利を導入した欧州諸国の経験では、個別行によって事情は異なるが、銀行部門全体ではマイナス金利導入による副作用は限定的なものにとどまっている。だが、日銀のマイナス金利導入後、欧州でも銀行収益圧迫への警戒は強まっている。

ECBは今回の緩和決定で、階層構造の導入を見送るとともに、預金ファシリティ金利の引き下げ幅を市場予想の下限に近い10ベーシスポイント(bp)にとどめ、銀行収益圧迫への懸念に配慮した。ECBは階層構造の導入を見送った理由として、第1に階層構造導入でマイナス金利の適用範囲を狭めれば、マイナス金利幅をさらに拡大していくことが可能と受け止められる恐れがあったこと、第2にユーロ圏には規模・経営状態・市場環境の異なる銀行が数多く存在し、階層構造導入が実務的に複雑であることを挙げている。

6月で終わるTLTRO第1弾は、初回や第2回目の利用行や利用額がかなりの規模に上った後、最近では利用行・利用額ともにジリ貧で、すでに役割を終えたとの見方もあった。

そこで、TLTRO第2弾には、以下のような工夫を施した。

●適用金利を従来の0.25%(=引き下げ前の主要政策金利+20bp)からゼロ%(=引き下げ後の主要政策金利)に引き下げ

●ベンチマーク対比で貸出を増やした銀行には、その程度に応じて最大でマイナス0.4%(=利用時の預金ファシリティ金利)まで金利を減免

つまり、TLTRO第1弾が貸出増の基準に満たなかった銀行に対して強制返済の罰則(負のインセンティブ)を適用したのに対し、今回は条件を満たした銀行を優遇(マイナス金利での流動性供給=貸出奨励金)する正のインセンティブが働くため、より積極的な利用が期待できる。また、貸出を増やさない銀行もゼロ金利での調達が可能なため、とりわけ周辺国の銀行が国債に投資して超過収益を得るキャリートレードの効果が期待できる。

ちなみに、マイナス金利が余剰資金を抱え、中銀預金を主に利用するコア国銀行の収益圧迫要因であるのに対し、一般的にTLTROの利用行は流動性に不安を持つ周辺国銀行が多いと考えられる。

ECBの量的緩和策については、財政ファイナンスを回避する制度設計が制約となり、予定している買い入れ額を充足できないとの不安がつきまとってきた。なかでも、買い入れ規模が最大のドイツ国債は、財政黒字で新規発行額が少ないこともあり、向こう1年程度で買い入れ可能な国債がなくなると不安視されてきた。

今回の買い入れ増額でこうした懸念はさらに深まるものの、同時に社債を買い入れ対象に追加し、国際機関債については1銘柄/1発行体当たりの買い入れ上限を33%から50%に引き上げた。今後、必要に応じて国債の買い入れ上限を引き上げることも可能なはずで、買い入れ対象がなくなる不安を和らげることができる。

また、購入対象に社債を追加したことは、クレジット市場の安定化に寄与するとともに、さらなる対象拡大の余地があるとのメッセージを市場に発することができそうだ。

<バズーカ砲「不発」後の懸念>

市場はドラギ総裁による「利下げ打ち止め」の言葉に過敏に反応したが、同時に外部環境が変化すれば再び利下げする可能性を否定しなかったことや、政策金利の低位安定を約束するフォワードガイダンスを強化したこと、財政ファイナンスとの兼ね合いで難しいとの意見もあった買い入れ上限を緩和し、さらなる量的緩和拡大の障害を取り除いたことなどは素通りした。

「10bp以上の預金金利引き下げ+買い入れ増額+α(プラスアルファ)」が市場コンセンサスとなるなか、過度な緩和期待を放置したうえで市場の失望を招いた昨年12月の失敗と、過去数週間の金融市場の落ち着きや原油市況の底入れがECBの判断を難しくした面もある。市場の期待を再び裏切ることはできないとの思いが投票時に理事会メンバーの脳裏に浮かんだとしても不思議ではない。

また、追加緩和を再現なく要求される事態を断ち切るため、原油価格の想定と物価見通しを大幅に引き下げる今回が「勝負どころ」と考え、市場参加者の期待を上回る包括的な緩和パッケージを打ち出したように思われる。

ただ、中銀依存体質を強める市場参加者は、てんこ盛りの緩和メニューを目にし、これで当面の追加緩和がないと感じ取った可能性がある。政策発表のタイミングも市場の乱高下を招いた。日本時間で21時45分の政策発表時には、政策金利に関する決定を発表するのが通例だが、今回は金利以外の緩和パッケージの大枠も発表した。記者会見が始まる22時30分までの間に、市場で大幅なユーロ安が進んだことが、その後の失望を大きくしてしまった感がある。

ユーロ安やドイツの国債利回り低下を通じて、必ずしも緩和を必要としていないドイツ経済を潤す従来の緩和策から脱却し、より緩和を必要としている周辺国や貸出・クレジット市場に恩恵が及ぶ今回の緩和策への転換は、期待される政策効果という観点からは望ましい。

問題は市場の評価が伴わず、緩和効果が減殺されてしまうことだ。金融政策の限界に不安を感じつつ、緩和依存症から抜け出せずにいる市場は、ECBにさらなる追加緩和を督促する可能性もある。ここ数回のギクシャクな市場対話で、ドラギ総裁への絶大な信頼も損なわれかねない。

市場の評価がこのまま変わらなければ、今回で打ち止めを期待し、ゲームチェンジャーとなる包括緩和パッケージを導入したECBは難しい立場に追いやられる。

*田中理氏は第一生命経済研究所の主席エコノミスト。1997年慶應義塾大学卒。日本総合研究所、モルガン・スタンレー証券(現在はモルガン・スタンレーMUFG証券)などで日米欧のマクロ経済調査業務に従事。2009年11月より現職。欧米経済担当。

*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。(こちら)
http://jp.reuters.com/article/column-forexforum-osamu-tanaka-idJPKCN0WD0NG

FX Forum | 2016年 03月 11日 18:24 JST 関連トピックス: トップニュース

コラム:ドル100円割れのカギ握る米金融政策=上野泰也

みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
[東京 11日] - 今年のドル円相場をどうみるかに関して市場参加者は、年初の時点で2つに分かれていた。昨年12月時点で米連邦公開市場委員会(FOMC)参加者が提示した見通しに沿って年内の米追加利上げが4回になると考えた円安派と、半年1回程度のスローペース(年内に2回以内)にとどまると考えた筆者を含む円高派だ。

一時110.99円をつける場面もあった1―2月の相場動向から、円高派が勝利したことは自明だろう。

3月入りしてから発表された米景気指標の中には、3月の供給管理協会(ISM)製造業景況指数、1月の建設支出、2月の雇用統計・非農業部門雇用者数など、市場予想比で上振れとなったものがいくつかあり、米国経済が近い将来にリセッション入りするのではないかという警戒感を薄めるのに一役買った。

また、中国当局が財政政策を活用することによって今年の経済成長を6.5%以上に保つとコミットしたこと、原油生産量を凍結する方向で産油国の協議がある程度進展したことから、「中国」「原油」という市場が注視している2つの「リスクオフ」材料について、一定の安心感が漂った。

このため、ニューヨークダウ工業株30種平均は3月1日から5営業日続伸。7日の終値である1万7073.95ドルは1月5日以来の水準となった。市場全般の「リスクオン」「リスクオフ」のインディケーターである米国の主要な株価指数が、「リスクオフ」の動きが広がった1―2月の動乱期に区切りをつけ、年初の「振り出し」まで、この時点でいったん戻ったと判断される。米原油先物も、3月6日の終値は1月5日以来の水準だった。

だが、同じ1月5日時点の米国債の各年限の利回りやドル円の水準を3月7日と比べると、金利や為替の世界では市場参加者の「目線」がこの間大きく変わり、レンジがシフトしたことが確認される。

1月5日の米国債利回りは、2年債が1.01%、5年債が1.71%、10年債が2.23%、30年債が2.99%。これに対し3月7日は、2年債が0.91%、5年債が1.41%、10年債が1.90%、30年債が2.70%である。

また、1月5日のドル円相場のニューヨーク市場終値は119.05円で、3月7日は113.46円だ。

日銀が1月29日にマイナス金利を導入したことで、国境を超えた「イールドハント」の動きに拍車がかかり、米国や欧州の長期金利が押し下げられた。米10年債利回りのコアレンジは、マイナス金利導入前の2.0―2.5%から1.5―2.0%に下方シフトしたと、筆者は判断している。このことは、対円でドルの上値を重くする要因である。

そして、日銀のマイナス金利は株価対策としては逆効果だった。金融機関の収益減少見通しを通じて銀行株が急落し、株安が円高につながった。また、マイナス金利が適用される「政策金利残高」が日銀当座預金のごく一部分であることが市場参加者の知るところとなったこともあり、円高阻止という日銀の目論見はあっさり潰えた。ドル円のコアレンジは115―120円から110―115円に、5円幅で円高方向にシフトした。

<年後半に108円、米量的緩和再開なら100円割れも>

米国で昨年12月に行われた約9年半ぶりの利上げは、2000年8月に日銀が実施したものの失敗したゼロ金利解除と、類似点がかなり多い。では、米国の経済・企業収益の「足場が弱い」中で、しかも差し迫ったインフレ懸念が見当たらない中で行われた米国のこの利上げが失敗だったことが誰の目にも明らかになり、イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長が利下げへの転換を決断するケースを想定する場合、それはいつ頃になるのだろうか。

むろん、これは米国内外の経済情勢やマーケットの展開に左右されるため一概に言えない話である。イエレン議長は2月10日に行った議会証言の中で、海外経済のリスクなどから今後の利上げペースが当初想定よりもスローになる可能性が高まったという認識をにじませつつも、労働市場の改善が続いていることや、インフレ抑制要因の多くが一時的なものだとみていることを根拠として、「近く利下げを行う必要に直面するとは想定していない」と述べていた。

そうした中ではあるが、試みに米国の金融政策が「Uターン」した近年のパターンから、インターバルの大まかなイメージの把握をすると、どうなるか。1)ITバブル崩壊時、2)住宅バブル崩壊時、それぞれのケースは下記の通りだ。インターバルは7カ月から13カ月程度といったイメージが浮かび上がる。

1)2000―01年のITバブル崩壊時

・00年5月16日に利上げ。フェデラルファンド(FF)レートは0.5%引き上げられて6.5%に。

・01年1月3日に利下げ。FFレートは0.5%引き下げられて6.0%に。

――インターバルは約7カ月半。

2)2006―07年の住宅バブル崩壊時

・06年6月29日に利上げ。FFレートは0.25%引き上げられて5.25%に。

・07年8月17日に公定歩合引き下げ。0.5%引き下げられて5.75%に。

・07年9月18日に利下げ。FFレートは0.5%引き下げられて4.75%に。

――インターバルは約13カ月半。

筆者が現時点で抱いている基本シナリオは、追加利上げはおそらく6月に1回だけ、辛うじて行われるものの、そこから先は追加利上げができなくなり、FFレート誘導レンジの上限が1%に達することのないまま、金利据え置きが長引くというものである。

そして、今年の後半には、雇用統計を含む広範な米景気指標に減速感が出てくる中で、「次は利下げだ」という見方が市場で広がるだろう。ドル円はこの局面において110円を下回り、108円前後に達すると予想している。

なお、仮定の話になるが、米国が近い将来にリセッション入りする場合、FRBは実際に金融緩和へと舵を切ることだろう。利下げだけで済めば、ドル円は100円前後までの円高ドル安にとどまるとみる。

だが、仮に「量的緩和第4弾(QE4)」に直行するようなら、ドル円は100円を割り込む水準まで円高になり、「力強く持続的な景気のけん引役」が不在であるためショックに対して脆弱な日本の経済もまた、後退局面入りする可能性が高い。

*上野泰也氏は、みずほ証券のチーフマーケットエコノミスト。会計検査院を経て、1988年富士銀行に入行。為替ディーラーとして勤務した後、為替、資金、債券各セクションにてマーケットエコノミストを歴任。2000年から現職。

*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。(こちら)
http://jp.reuters.com/article/column-forexforum-yasunari-ueno-idJPKCN0WD0KT?sp=true



3大格付け会社、金融危機後も順風満帆―利益は過去最高水準に

ムーディーズなど3大格付け会社は最近の起債増加や新規事業への参入により利益が過去最高水準に迫っている

By TIMOTHY W. MARTIN
2016 年 3 月 11 日 18:13 JST

 先の金融危機で中心的な役割を果たした3大格付け会社は、一度も自社の格付けを引き下げられたことがない。

 投資家は債券を購入するかどうか決める時に、今もスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)、ムーディーズ・インベスターズ・サービス、フィッチ・レーティングスの格付けに大きく依存している。3社は世界の債券格付けの95%以上を付与しており、この割合は2008年以前とほぼ変わらない。

 最近の起債増加や新規事業への参入により、3社の利益も過去最高水準に迫っている。

 今週、3社のしぶとさがあらためて示された。ムーディーズはカリフォルニア州の年金基金との訴訟で1億3000万ドルの和解金を支払うことで合意した。これにより、格付け業界が抱えている最後の金融危機関連の大型訴訟の1つが解決し、罰金・和解金の金額は計19億ドルとなった。だが、米銀が金融危機時の失敗に支払った金額と比べると微々たるものだ。

 金融規制強化を支持する超党派組織「アメリカンズ・フォー・ファイナンシャル・リフォーム(AFR)」の政策責任者、マーカス・スタンレー氏は「格付け会社3社がやったことを考えると、彼らはあまりにも簡単に罪を免れた。幸せな日々が再び訪れており、利益の流れが滞ったことはほとんどない」と指摘した。

 金融危機を受けて、信用格付けモデルは見直されるはずだった。格付け会社が高格付けを付与した住宅ローン担保証券(MBS)は後に暴落し、巨額の損失をもたらした。

 米議会と規制当局は格付け会社のビジネスモデルの大幅な見直しを求めた。しかし7年後、問題が起きる可能性が懸念されながらも、銀行と債券発行体から金をもらって格付けを付与するという格付け業界のビジネスモデルは変わっていない。

格付け業界は金融危機関連の訴訟で罰金・和解金計19億ドルを支払ったが、3社が支配する業界の構造は変わっていない。グラフは3社の格付けシェア(上)と雇用する格付けアナリストの数 ENLARGE
格付け業界は金融危機関連の訴訟で罰金・和解金計19億ドルを支払ったが、3社が支配する業界の構造は変わっていない。グラフは3社の格付けシェア(上)と雇用する格付けアナリストの数
 フィッチの広報担当者、ダニエル・ヌーナン氏は「格付け業界は何も変わっていないなどということはあり得ない」と述べた。

 S&Pの広報担当者は、ここ数年で格付けの手順を強化し、分析方法を変えたほか、リスクを特定・監視するためのグローバル委員会を立ち上げたと語った。ムーディーズはコメントを避けた。

 これまでに新興企業が何度か3大企業に立ち向かおうと試みたが、いずれも失敗に終わった。ラピッド・レーティングス・インターナショナルのジェームズ・ゲラート最高経営責任者(CEO)は「システム上の変化は起きていない」と話した。

 金融危機後に浮上した懸念に対し、格付け会社は、ビジネス上の利害が債券格付けを左右しないようにするリスク管理部門やコンプライアンス(法令順守)の強化によって対処していると説明した。各社は、業界取り締まりのために設立された米証券取引委員会(SEC)の部署の監督も受けている。

 大手3社は、財務データの収集にビジネスを広げたことで、格付け業務収入への依存度が低下している。MBSが収入全体に占める割合も低下しており、金融危機前は、収入の約半分をMBSやその他の債券に関する格付け業務で上げていたが、今は10%前後にすぎない。

 しかし業界筋の中には、規模が大きい3社がいなくなったら、金融市場は深刻な打撃を受けるとの見方もある。

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http://si.wsj.net/public/resources/images/MI-CO619_RATING_16U_20160310183006.jpg

Business | 2016年 03月 11日 17:19 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス

 MRF残高2月は10.07兆円、預金などに流出の可能性=投信協

[東京 11日 ロイター] - 投資信託協会が発表した2月末時点のマネー・リザーブ・ファンド(MRF)の運用資産残高は前月比3285億円減の10兆0720億円となった。投信協によると、流出した資金は、銀行預金や他の金融商品に流れた可能性がある。国内株式の投信は4807億円の資金純増となり、株価低迷の局面で資金が入っていることも裏付けられた。

投信協などは日銀に対し、MRFのような日々決算型の投信から信託銀行に流れ、最終的に日銀の当座預金残高に入る資金をマイナス金利の適用外にするよう要請している。

すでに利回りが低下している中で、証券投資の玄関口の役割を果たすMRFが、さらなる運用環境の悪化で元本割れの可能性が高まり、安心して利用できなくなるためだ。

この日会見した投信協の幹部は、日銀への要請について、決済機能を持つ「MRFの性格について十分配慮し、対応をお願いしたい」と述べた。

日銀とは「いろんなレベルで意見交換させてもらっている」という。ただ、現時点では「特別(日銀から)感触を受けていることはない。引き続き対話を続けていく」とした。

同様にマイナス金利の導入を受けて運用難に陥ったマネー・マネジメント・ファンド(MMF)で、一部の運用会社は、MMFの繰り上げ償還や顧客への資産返却を決めた。2月のMMFの資産残高は、前月から2291億円減り、1兆3915億円になった。

一方、投資信託全体の残高は88兆8597億円となり、2014年10月以来初めて90兆円の大台を割り込んだ。日銀のマイナス金利決定後に進んだ円高により、今年2月の株式相場は大幅安になり、投資家の心理が冷え込んだのを裏付けた。

(江本恵美 編集:内田慎一)

http://jp.reuters.com/article/mrf-down-idJPKCN0WD0NU


年金改革法案を閣議決定…今国会での成立困難か
2016年03月11日 17時22分
 政府は11日、年金支給額を抑制する「マクロ経済スライド」について、物価や賃金が下がるデフレ時に適用できなかった抑制分を、景気回復で賃金や物価が上昇してからまとめて差し引けるようにする年金改革関連法案を閣議決定した。


 現在のマクロ経済スライドは、物価や賃金が下がるデフレや低成長時に適用を制限するルールがある。厚生労働省の社会保障審議会年金部会は昨年1月の報告書で、ルールを改正しデフレ時でも実施するよう求めていたが、同関連法案では、高齢者の反発を考慮して、デフレ時の見送り分を景気回復時に抑制する改正を2018年度から導入することにした。ただ、参院選を控え、野党も反発することから、今国会成立は難しいとみられている。

2016年03月11日 17時22分
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20160311-OYT1T50093.html?from=ycont_top_txt


Business | 2016年 03月 11日 18:03 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
独経済、今後も底堅く成長する見通し=経済省
[ベルリン 11日 ロイター] - ドイツ経済省は11日、国内経済は2016年に好調なスタートをきったとし、輸出産業に影響を及ぼす新興国市場の景気減速にも関わらず、今後も底堅い成長が見込める、との認識を示した。

経財省は「世界経済の成長見通しはここ1カ月で一段と悪化した。これを受け、ドイツの輸出は年初から若干圧迫されている」とし、中国や他の新興市場国の景気減速や金融市場の混乱により、経済のセンチメントは悪化した、との認識を示した。

過去最高の雇用、力強い内需、原油とユーロの下落は国内経済を引き続き刺激すると指摘した。
http://jp.reuters.com/article/germany-economy-idJPKCN0WD0S5



ドイツ銀:15年ボーナス総額、前年比17%減−法的コストを行員も負担
2016/03/11 17:39 JST

    (ブルームバーグ):ドイツ銀行は2015年分のボーナスとして支払うための原資の総額を、為替変動の影響を除いたベースで前年に比べ17%減らした。ジョン・クライアン共同最高経営責任者(CEO)は、膨らむ法的費用を行員にも負担してもらうことにした。
11日の発表によると、15年のボーナス総額は24億ユーロ(約3040億円)。投資銀行・トレーディング部門では、同ベースで20%減少した。
昨年就任したクライアン共同CEOは資本強化と収益力向上を目指しているが、過去の不祥事に絡む費用が財務力を弱めている。こうした費用がドイツ銀の資本を115億ユーロ余り目減りさせた。同CEOは今年1月、昨年分の報酬は「国際的な銀行の中で低めになるだろう」と述べていた。
原題:Deutsche Bank Cuts Bonus Pool 17% as Cryan Spreads Legal Costs(抜粋)
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O3V7O46K50YK01.html

アングル:ドイツ地方選、メルケル首相の移民政策に打撃リスクも

[ベルリン 10日 ロイター] - ドイツのメルケル首相は、13日に投票される国内3州の選挙で大きな試練に直面している。結果次第では自らの基盤を弱め、政治生命を賭ける移民政策が足元から揺らぐことになりかねない。

慎重な政治姿勢で知られるメルケル首相は昨夏、シリア内戦を逃れてきた難民にドイツの国境を開放するというリスクの高い政策に乗り出した。首相は米タイム誌の「パーソン・オブ・ザ・イヤー」に選ばれたが、ドイツ国民の間には社会に移民をどう受け入れるのかという懸念が高まった。

首相は欧州で最も影響力ある指導者という立場を利用し、移民流入に歯止めをかける欧州連合(EU)とトルコの合意を成立させようとしているが、週末の投票で、国内3州(西部2州、旧東ドイツ1州)の有権者がメルケル首相に打撃を与える可能性もある。

多くの欧州首脳は今週初め、メルケル首相が移民流入を阻止するトルコの提案を土壇場で受け入れ、各国首脳に支援を求めたことに驚いた。最終合意は次回首脳会議が開かれる3月17─18日の予定だ。

ベルリン自由大学のオスカー・ニーダーマイヤー氏は「ここでメルケル氏が提案を押し通すことができなければ、難民政策に対するスタンスを修正せざるを得なくなる」と指摘した。

そうした政策転換によって、例えばドイツ国境の取り締まりを強化することは、2017年の総選挙で4期目を目指すとみられる首相にとってダメージとなる。

3州のすべてで首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)の背後に迫りつつある右派政党「ドイツのための選択肢(AfD)」は、移民への強硬姿勢によって大きく票を伸ばす可能性がある。

2013年に設立されたAfDは、反ユーロ政党から反移民政党へと姿を変え、3州のいずれでもCDUから支持を奪う形で勢力を伸ばしている。

西部のバーデン・ビュルテンベルク州とラインラント・プファルツ州、東部のザクセン・アンハルト州の人口は計1700万人で、ドイツの人口8100万人の5分の1を占める。

世論調査によると、失業率が10%を超えるザクセン・アンハルト州では、AfDが19%の支持を集め、メルケル政権の連立相手である社会民主党(SPD)を上回った。CDUは第1党を守る見通しだ。

他の2州ではCDUは安泰ではない。バーデン・ビュルテンベルク州は50年以上もCDUの牙城だったが、福島第一原発事故を受けて2011年に脱原発を掲げる緑の党がSPDと連立政権を樹立。緑の党のクレッチマン州首相は今回の選挙でCDUのライバルを打ち負かすとみられる。

ワインの産地ラインラント・プファルツ州は、勝敗の決まっていない激戦州「スイング・ステート」となりそうだ。

メルケル首相の後継候補を自任するジュリア・クロークナー氏(43)は支持率で、SPDの現職ドレイヤー州首相をリードしているが、ここ数週間で差は縮小し、いまや肉薄している。

コルトマン氏は、同州で「CDUかSPDか、いずれが勝利しようとも、全体の勝者というイメージを示すことになるだろう」と指摘した。

今週の世論調査では、メルケル首相に対する支持率が今年最高の水準に上昇。支持率は50%となり、SPDのガブリエル党首の13%に大きく水をあけた。

コルトマン氏は「(地方選の)結果によってはメルケル氏の国内基盤、特に与党内での立場が弱まるだろう」と指摘。「ただ、誰もが知るように、CDUの中に彼女に代わる人材はいない」と述べた。

(Paul Carrel記者 Michael Nienaber記者 翻訳:長谷川晶子 編集:加藤京子)
http://jp.reuters.com/article/merkel-germany-idJPKCN0WD0LJ

主要国がシリアの連邦国家化を協議=外交関係者

[国連 10日 ロイター] - 複数の外交関係者によると、国連が仲介するシリア和平協議の関係主要国間で、同国を連邦国家として分割する案が話し合われている。単一国家の形を取りながら、地域当局に広範囲な自治権を付与するという。

ある国連安全保障理事会の外交官は匿名で、ロシアを含む一部西側主要国がシリアの連邦化について協議しており、国連シリア問題担当のデミストゥラ特使に草案を伝えたと述べた。適用されるモデルなどは明らかにしなかった。

和平協議で仲介役を務めるデミストゥラ特使は、スイスで再開されるアサド政権と反政府勢力との協議に備えているが、双方とも参加を確認していない。

シリアでは、ちょうど5年前にアサド大統領に対する抗議デモが発生、後に内戦に発展した。2週間前に米ロの仲介で発効した一時停戦合意で戦闘は大きく減少したが、現実的な和平合意や正式な停戦からは依然程遠い状況にある。
http://jp.reuters.com/article/mideast-crisis-syria-federalism-idJPKCN0WD0C6



「果報は寝て待て」作戦が裏目、チャンス逃したトレーダー
2016/03/11 16:49 JST

    (ブルームバーグ):ベノ・ガリカー氏は10日、欧州中央銀行(ECB)の最新の緩和策がスクリーンに流れると同時に腕を広げて伸びをした。同氏は株をロング(買い持ち)にしていて、株価は上がっていた。
「もう何もしなくていいぞ」と、他の16人のトレーダーとともにルツェルン州立銀行のトレーディングフロアにいた同氏は誰にともなくつぶやいた。「果報は寝て待てだ」。
ところがこれが失敗だった。ユーロ・ストックス50株価指数はECB決定を好感し記録的な上昇を演じたが、ドラギ総裁が追加利下げは考えていないと発言すると下がり始めた。ガリカー氏はテレビの画面にくぎ付けになり音量を上げ、株価のチャートを見つめ続けた。
「まあいい、少なくとも上がってはいる」と同氏は自分を慰める。
しかし取引が終了してみると、ユーロ・ストックス50は一時の上げを全て失い、前日比1.5%安と2週間ぶりの大幅安だった。一時は約7%高となっていた銀行株は1%未満の上げで終了した。
ガリカー氏にとってせめてもの救いは銀行株が下がらなかったことだ。同氏はECBの決定発表直後に幾らかの銀行株を購入していた。発表前には心配で買えなかったのだ。
「銀行株がアウトパフォームしてくれれば大丈夫だ。完璧な1日というわけにいかなかったが、まあいい」とガリカー氏はやせ我慢した。
原題:‘Just Wait’ Becomes Lament for Traders Who See Draghi Rally Fade(抜粋)
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O3V6DL6K50XY01.html



中国株:上海総合指数が3日続落、週間でも下落−香港株は上昇
2016/03/11 14:00 JST

    (ブルームバーグ):11日の中国株式市場で上海総合指数は3営業日続落。このままいけば週間ベースでも下落となる。政府介入とみられる動きがあったものの、投資家心理の回復には至らなかった。
上海総合指数は午前の取引終了時点で前日比0.3%安の2797.84。このまま終われば終値ベースで1日以来の安値となる。週間下落率は2.7%に拡大した。金融株と生活必需品銘柄が下げの中心。週末に発表される2月の工業生産と固定資産投資は伸び鈍化が続くと見込まれている。
CSI300指数は前日比0.2%安。香港市場では、ハンセン中国企業株(H株)指数が1.2%高。ハンセン指数は5営業日ぶりに反発し、0.8%高。  
原題:China Stocks Head for Weekly Loss as Investor Interest Dwindles(抜粋)
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O3UQMP6JTSEN01.html


人民元が対ドルで6.4877元に上昇、年初来高値

[上海 11日 ロイター] - 11日の上海外為市場で人民元が上昇。朝方、対ドルで年初来高値となる1ドル=6.4877元を付けた。欧州中央銀行(ECB)が前日にマイナス金利の拡大と資産買い入れの増額を発表したことを受け、ドルがオーバーナイトで下落した。

人民元としては昨年12月29日以来の高値となる。年初来高値はこれまで、2月15日に付けた6.4880元だった。

人民銀は11日の取引開始前、人民元の対ドル基準値(中間値)CNY=SAECを6.4905元と、今年最も高い水準に設定していた。
http://jp.reuters.com/article/china-yuan-idJPKCN0WD0BY




コラム:中国シャドーバンキング熱、「ゾンビ企業」の温床に

Rachel Morarjee

[北京 10日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 中国の影の銀行(シャドーバンキング)セクターは、金融システムの中心にリスクを蓄積しつつ、市場から退出すべき「ゾンビ企業」を生き永らえさせている。

いわゆる「理財商品」への投資総額は昨年、57%増加して3兆6000億ドルにも達した。この伸びの大きさだけで十分心配に値するが、それだけでなく調達された資金の大半が、問題のある借り手を支えていることが最新のデータからうかがえる。

中国において理財商品は短期の投資先だ。通常は銀行を通じて販売され、現金のほかに国債や社債、デリバティブ(金融派生商品)が裏付け資産となる。銀行にお金を預けるよりも良いリターンが得られるとして、長らく個人投資家の間で人気になってきた。

中国政府証券預託信託清算会社が最近公表したリポートは、理財商品セクターがいかに巨大化したかを物語っている。このセクターの運用資産は過去2年で倍増し、中国の銀行預金量の約17%に達した。

こうした活況は幾つかのリスクをはらんでいる。最初の問題は、理財商品の償還期限が裏付け資産よりも短い傾向にあることだ。昨年の理財商品の平均償還期間は3カ月半で、投資総額のおよそ半分弱に相当する1兆5800億ドルが早々に期限を迎える可能性がある。

次に、多くの個人投資家は理財商品の販売元の銀行と契約する際に免責条項にサインさせられたとしても、銀行が元本を保証していると信じている点が挙げられる。実際これまでのところは、大半の投資は全額償還されており、こうした見方が正しいことが証明されている。

だからこそ、理財商品は信頼が突然失われる事態に対する脆弱性が非常に大きい。それが起きれば、最近の理財商品セクターを主に拡大させてきた中堅銀行の流動性がひっ迫する恐れがある。フィッチの試算では、中堅銀行が販売した理財商品の昨年の残高は預金量の40%を占めている。国有銀行はこの比率が15%だ。

中国の影の銀行に関しては、急成長している民間企業に資金を提供する不可欠の存在だという擁護論が聞かれるが、データでは違った実態が示されている。理財商品で調達された資金を最も借り入れているのは不動産関連企業なのだ。重工業や道路・鉄道などの長期プロジェクトにも多くが流入している。

中国政府が経済成長の目標達成に向けて貸し出しを促進している中で、理財商品は増加が続く可能性が大きい。しかし付随するさまざまなリスクを踏まえると、いつまでも「影」の存在にとどまりそうにはないだろう。

●背景となるニュース

*中国政府証券預託信託清算会社が2月25日に公表したリポートによると、理財商品の販売額は57%増加して昨年末までに23兆5000億元(3兆6000億ドル)に達した。2年連続の2桁増で、伸び率は2014年の47%を上回った。

*毎週3500本前後の理財商品が新たに登場する。投資される資金の60%超は個人投資家からで、銀行預金よりも高い利回りが魅力になっている。ただ理財商品の約75%は元本を保証していない。

*リポートによると、理財商品で調達された資金のおよそ38%は不動産関連産業に、10%前後は石炭や鉄鋼、石油精製などの重工業に向けられている。

*昨年の理財商品の残高のうち中堅銀行による販売の比率は42.2%で、大手国有銀行分(36.9%)を初めて上回った。

*フィッチの試算では、理財商品に投じられた資産の総額は昨年末時点で中国の銀行預金量の16.8%で、昨年6月の13.6%から上昇した。また中堅銀行が販売した理財商品の昨年末の残高は預金量の40%、国有銀行はこの比率が15%。フィッチは理財商品セクターの伸びが中小銀行にとって「重大なリスク」だと指摘した。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

http://jp.reuters.com/article/china-banks-breakingviews-idJPKCN0WD097



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