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「夏にオイルマネーの売り懸念も、年末に向け一時1万9000円回復へ」(会社四季報オンライン)
http://www.asyura2.com/16/hasan107/msg/441.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 4 月 12 日 17:16:45: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

パルナッソス・インベストメント・ストラテジーズの宮島秀直チーフストラテジスト(撮影:尾形文繁)


「夏にオイルマネーの売り懸念も、年末に向け一時1万9000円回復へ」
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160412-00113330-shikiho-biz
会社四季報オンライン 4月12日(火)16時51分配信


 4月に入ってから株価下落が止まらない日本市場。今後の行く末を左右するのは巨額の資金を運用する外国人投資家だ。海外ファンドの動きに詳しい、パルナッソス・インベストメント・ストラテージーズの宮島秀直チーフストラテジストに動向を聞いた。

 ――世界の機関投資家の動きはどうか

 今後の日本株にとって、引き続き、オイルマネーの売りが下落圧力になるだろう。原油価格下落を抑えるため、産油国は増産凍結に動いている。だが、核問題をめぐる経済制裁が解かれたばかりのイランが増産凍結に強硬に反対しており、価格低迷は長引きそうだ。仮に原油価格が1バレル35ドル前後の水準で推移した場合、今年の原油輸出額はサウジアラビアだけで約7兆円減少することになる。

 その減少分を補填するため、産油国は保有している株を売却することになる。中東の政府系ファンドの日本株式組み入れ比率を勘案すると、まだ、2兆円を超える日本株が売りに出される懸念がある。参議院前に景気対策が実施されることを見込んでいるため、足元の動きは激しくないが、選挙後の7月下旬から一気に売り込んでくるだろう。

 ――オイルマネー以外の動きはどうか。

 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は非常に元気。政府からの要請のもと、どんどん株式を買うだろう。7月からオイルマネーの売りで株価が下がったとしても、秋口からはGPIFの買いが入り、年末に向けて日経平均1万9000円台まで回復すると見ている。

 だが、それで終わりではない。世界中の投資家が「リスク要因の本命は中国経済」と考えている。今の中国は、鉱工業生産、地方から大都市への人口流入、不動産開発投資のそれぞれの伸び率がそろってゼロに近い水準になっている。一方、銀行を介さない金融取引はさまざまな形に姿を変えて急増を続けている。1月に行われた中国人民銀行(中央銀行)の資金供給も、最終的には破綻寸前企業に貸し付けられた可能性が高い。

 高まる中国リスクへの忌避感から、日本株でもダイキン工業 <6367> やオムロン <6645> などの中国依存度が高い銘柄の株価下落が顕著だ。特に、村田製作所 <6981> を初めとした電子部品銘柄は、中国依存とスマホの減速がダブルパンチとなっており、投資家の目は非常に厳しい。株価は一時的に1万9000円まで戻したとしても、年明けにかけて中国リスクが顕在化すれば“三日天下”に終わる可能性が高い。2017年からは再び厳しい状況になるとみている。

 ――ドル円相場を見ると円高ドル安傾向が続く。為替はこれからどう動くか

 短期的に見ると、急激なドル高円安への転換は難しいだろう。各国における金融政策の行き詰まりもあるが、米国ではドル高に進むことによる輸出の減少、および失業者増への懸念があるからだ。大統領選が正念場を迎えつつあるが、民主党も共和党も、いずれもドル安誘導をますます強くしていくことが予想される。

 しかし、為替の動向は、中期的には米国の利上げの状況に左右される。今年2月まで後退の一途にあった米連邦準備制度(FRB)の利上げ姿勢だが、3月に入ってから期待インフレ率が急上昇しており、再び利上げ機運が高まりつつある。もし年内に2回の利上げが実施されれば、ドル円レートは再び115円まで円安に戻ることもありそうだ。

 ――こうした環境下での銘柄選びのポイントは。

 今、海外投資家間で人気があるのは、内需の割安株。特に、中国依存度が低く、オイルマネーの投資対象となっていない銘柄は、今後も伸びるだろう。たとえば、産油国には豚肉を禁忌とするイスラム教圏の国が多い。なので、日本ハム <2282> などの食肉会社にはオイルマネーが入りづらいという安心感から、ディフェンシブであると同時に売りリスクも小さいとして、買いが入っている。

 また、マイナス金利を背景に、REIT(不動産投資信託)への注目も高まっている。先にマイナス金利を導入した欧州では不動産投資が活発化しており、日本でも同様のことが起こる可能性がある。日本の地価に割安感を感じている投資家は多い。

 (聞き手『会社四季報プロ500』編集部 渡辺拓未)


※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。

渡辺 拓未

 

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コメント
 
1. 2016年4月12日 20:00:57 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[405]
FX Forum | 2016年 04月 12日 12:17 JST 関連トピックス: トップニュース

コラム:大相場来るか、ITブーム前夜と酷似=木野内栄治


大和証券 チーフテクニカルアナリスト兼シニアストラテジスト
[東京 12日] - 最近の不透明感の源は、中国を中心に2007年頃までに構築された投資、債務、設備の3つの過剰だと筆者は考えている。

例えば、中国の鉄鋼の余剰生産設備は日本の生産設備の4倍程あると言われる。余剰生産能力を輸出に振り向けたい状況が、中国当局による元安誘導の動機と受け止められている。あるいは、シェール開発が進んだのも2008年頃までの原油価格高騰が背景で、同時に中東・ロシアでも能力増強が進んだことから今更減産には応じにくい状況だ。

また、一時の欧州銀の「CoCo債(偶発転換社債)」に対する不安も、リーマンショック前に作られたアセットに対する不良債権処理やデレバレッジが不十分だったことが遠因だろう。

実は日本も例外ではなく、シャープ(6753.T)が1兆円の国内設備投資を決断したのも2007年だったし、前期に赤字に転落した総合商社各社が資源ビジネスを結果的に過剰に拡大してしまったのもこの時期だ。

このように、年初から次々と襲ってきた悪材料の多くは、ブラジル・ロシア・インド・中国の新興4カ国(BRICs)ブームのころに起源がある同根の問題だと言える。あの頃は世界経済が大きく拡大すると誰もが思ったのだ。

<大天井から9年目に底を入れるパターン>

こうした過剰設備などが問題であるならば、かつての日本における過剰債務や過剰設備の解消プロセスが参考になる。

日本の過剰もバブルの天井である1989年ごろまでに多くが形成された。現在は中国株の大天井である2007年から9年目なので、日本で言えばバブルの大天井である1989年から9年目の1998年頃と同じ時期にあたる。

状況としても資金が日本から欧米に逃げて円安が進んだことが、現在の中国からの資金逃避・元安圧力と類似している。市況としても、原油価格の十数年来の底割れなど類似点が指摘できる。

1998年はロシアがルーブルを切り下げて混乱が極まり、国際協調的な金融緩和などが講じられて日本の通貨安が終わった。今回も人民元の切り下げが行われれば、米国も金融緩和に追い込まれる可能性があるし、そうなる前に国際協調的な景気刺激策が模索されている。1998年との類似性が指摘できよう。

なお、このバブル的な株価の大天井から9年目頃に株価がいったん底入れるパターンは、日本のバブル崩壊後の1998年以外にも観測できる。

例えば、1929年の米国株の大天井に対して9年後の1938年のNYダウは、前年から半値となる暴落で底入れた。1966年の米国株の大天井の後には、ニクソンショックのドル切り下げを経て、8年後の1974年に底入れた。2000年のナスダック指数の大天井に対して、ドル安を経て、2009年にリーマンショックの底を入れている。

1974年や2009年、そして1998年の底入れではいずれも経済政策の国際協調によって危機を脱した。今回も5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)において、財政刺激策で国際協調がまとまれば世界的に株式市場は上昇に転じると考えられる。現在は1998年のITブーム前夜と類似していると言える。

<余剰資金は電池やEVなどの新技術へ>

ただし、今後世界的な株高が示現したとしても、国際的に余剰資金が向かう先は過剰な設備を抱えた既存の産業ではなく、新しい産業となりやすい。1998年以降がITブーム相場だった一因は、日本のお家芸だったアナログ家電分野は過剰設備があふれ返っていたからだとも言える。

例えば、ソニー(6758.T)は1996年にブラウン管で表面がフラットなテレビを実現した(WEGAブランド)。今考えれば液晶などに注力すべきだったが、それほどアナログ家電の設備や技術はあふれていたのだ。

そして、ITブームでデジタル時代到来を受け入れたソニーはブラウン管のWEGAブランドを諦め、2005年には現在のBRAVIAブランドを構築する。このように設備の過剰解消や陳腐化には新技術への移行や長い年月、そして何よりも企業が諦めることが欠かせない。

今回、資金が向かう新技術の候補として、ロボットや人工知能(AI)、フィンテック、自動運転車、電気自動車(EV)が期待される。まだどこにも過剰な設備がないからだ。

例えば、米テスラ・モーターズ(TSLA.O)の株価が何倍にもなるような相場が示現したとすると誰もがガソリン消費量の減退を意識し、シェール業者は諦めるのだろう。あるいは、中国で自動車の生産能力が年間2500万台も余っているが、これがEV工場などに転換していくのだろう。

なお、テスラ・モーターズの株価は主力のモデルSの出荷ペースが安定した2012年終盤から2年間で10倍近く上昇した。現在米国で人気のSUVタイプであるモデルXのデリバリーが始まったところだが、徐々に出荷ペースが上がってきている模様だ。ここ2年の保ち合いを上放れれば、2年間程度の大きな相場が再現する可能性がある。

そして、2年以内にはモデル3のデリバリーが始まる予定だ。受注は絶好調なので、2年の大相場が2回つながる可能性さえ感じさせる。

<2000年問題に相当する環境規制強化>

さて、1998年との類似性に話を戻すと、2000年にはコンピューターの2000年問題が企業のIT投資を通じIT相場をより大きくした面がある。今回、2000年問題に相当するのは環境規制の強化と低金利だと思う。

米カリフォルニア州には販売車両数の一定割合を環境車(Zero Emission Vehicle:ZEV)とする規制がある。この規制が2018年モデルから厳しくなり、これまでZEVとされてきたハイブリッド車(HV)やクリーンディーゼルなどが認められなくなる。この先もこうした環境規制は世界的に順次厳しくなっていく。

そこで自動車各社はプラグインHV車(充電し30―60km程度をEVとして走行できるHV車。PHV)を中心にEVや燃料電池車の販売を増やさないとならない。実際、2018年モデルは来年夏から生産を始めるので、足元でEVやPHVなどの新モデルの発表が相次いでいる。これらは自動運転機能とも相性が良い。

そして、電池工場の建設が加速している。過剰な生産設備がないからだ。象徴的なのは独ダイムラー(DAIGn.DE)で、昨年1億ユーロを投じて4倍に拡張した工場を、今年さらに5億ユーロを投じて3倍に拡張する。

また、電池の原材料であるリチウム化合物の大半のシェアを握るチリのSQM(SQM.N)、米アルベマール(ALB.N)、FMC(FMC.N)の3社は、日本向け炭酸リチウム価格を2月に15―20%程度値上げしたとみられる。さらに、中国での炭酸リチウム価格は半年で3倍と急騰している。実需を必ずしも反映していないだろうが、過剰のない分野には余剰資金が流れ込む実例だろう。

筆者は、現在がITブーム前夜の1998年と似ており、今回は電池やEVなどに大相場の気配があると感じている。

*木野内栄治氏は、大和証券投資戦略部のチーフテクニカルアナリスト兼シニアストラテジスト。1988年に大和証券に入社。大和総研などを経て現職。各種アナリストランキングにおいて、2004年から11年連続となる直近まで、市場分析部門などで第1位を獲得。平成24年度高橋亀吉記念賞優秀賞受賞。現在、景気循環学会の理事も務める。

*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。

*本稿は、筆者の個人的見解に基づいています。
http://jp.reuters.com/article/column-forexforum-eiji-kinouchi-idJPKCN0X80YT



日本株は反発、為替安定とリスクオフ巻き戻し−輸出や金融、鉄鋼上げ

長谷川敏郎
2016年4月12日 08:02 JST 更新日時 2016年4月12日 15:40 JST

12日の東京株式相場は反発。ドル・円相場の落ち着きを受け、輸送用機器や機械、電機など輸出株が見直され、欧州の銀行株高などが好感され、東証1部33業種の上昇率トップは銀行だった。野村ホールディングスなど証券株も上げ、鉄鋼市況の上昇が追い風となった鉄鋼株も高い。
  TOPIXの終値は前日比19.56ポイント(1.5%)高の1299.35、日経平均株価は177円66銭(1.1%)高の1万5928円79銭。
  DIAMアセットマネジメントの武内邦信エグゼクティブポートフォリオマネジャーは、「一気に円高が進んだ後、麻生財務相発言で為替が小康状態となっており、下げを先導してきた自動車や銀行株中心に買い戻しが入っている。いったん下げ過ぎの反動」とみていた。
  11日のニューヨーク為替市場ではドルが下落し、一時約9カ月ぶり安値を付けた。連邦公開市場委員会(FOMC)による追加利上げは早期に実現しない、との見方が広がったため。一方、きょうのドル・円相場は1ドル=108円30銭近辺と、11日の日本株終値時点107円92銭に対し円安気味で推移。麻生太郎財務相は12日、一方的な偏った投機的な動きあれば必要な措置を取ることや、20カ国・地域(G20)では為替の過度の変動や無秩序な動きは金融の安定に悪影響を与えるとの認識で合意した、と閣議後会見で語った。
  11日の欧州株は続伸し、先週売りを浴びたバンコ・ポポラーレ、UBIバンカなどイタリアの銀行株が上げを主導。同国の財務省と中央銀行の当局者が大手銀行の幹部らと不良債権処理に取り組む基金設立について協議する、と事情に詳しい関係者が明らかにした。
  SMBCフレンド証券投資情報部の松野利彦チーフストラテジストは、「ドル安・新興国通貨高・原油高という世界的にリスクオフの巻き戻しの動きが出ている。年初から安かったイタリアが銀行株主導で上昇したのは象徴的な動き」と指摘。14、15日にワシントンで開かれるG20財務相・中央銀行総裁会議も悪材料にはなりそうもなく、「日本株もいったんショートポジションを閉じておくタイミング」と話す。
  このほか日本銀行は11日、当座預金のうちゼロ金利が適用されるマクロ加算残高に用いる基準比率の見直しについて発表。りそな銀行アセットマネジメント部の黒瀬浩一チーフ・マーケット・ストラテジストは、きょうの銀行株の上げについて「マイナス金利はどれだけの残高に掛かってくるか、見直しが入るだろうということ。今後もマイナス金利よりもゼロになる部分が多くなるのではないかという期待が入っている」との認識を示した。
  きょうの日本株は小安く始まった後、早々に上昇転換し、日経平均の上げ幅は一時200円を超えた。需給面での期待感も相場全体の下支え要因。日本アジア証券グローバル・マーケティング部の清水三津雄次長は、「日銀がきのうも含め連日のようにETFを買っていることから、下値は大きくないとの安心感が出ている」と言う。日銀は7日、TOPIXの午前終値が0.2%安の状況で従来型の上場投資信託(ETF)を333億円購入、11日も同額を買い入れた。
  もっとも、DIAMアセットの武内氏は「出来高を伴って方向が変わったというより、打診買い・買い戻しの域を出ない」とも話していた。東証1部の売買高は21億3832万株、売買代金は2兆848億円と前日からは増えたが、代金は過去半年の平均(2兆4465億円)より少ない。
  東証1部33業種は銀行、証券・商品先物取引、鉄鋼、海運、輸送用機器、非鉄金属、機械、電機、パルプ・紙、その他金融など27業種が上昇。鉄鋼は、中国で11日の市況が1カ月超ぶりの大幅高を記録する材料があった。水産・農林、食料品、陸運、情報・通信、小売、空運の6業種は下落。値上がり銘柄数は1331、値下がりは515。
  売買代金上位では、前日にがん免疫薬「オプジーボ」の2017年3月期売上高見通しを公表した小野薬品工業、モルガン・スタンレーMUFG証券が投資判断を「オーバーウエート」に上げた大塚ホールディングスが高い。三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンク3行、トヨタ自動車やファナック、村田製作所、野村HD、新日鉄住金、川崎重工業も買われた。半面、みずほ証券が17年2月期以降の業績予想を減額し、目標株価を小幅に引き下げたセブン&アイ・ホールディングスは下落。業績悪化のJSRも安い。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-11/O5HR2Q6K50XS01


円全面安、資源国通貨高主導で円売り圧力強まる−対ドル108円台前半

三浦和美
2016年4月12日 10:56 JST 更新日時 2016年4月12日 15:28 JST

朝方に付けた107円87銭から108円36銭までドル高・円安進む
ドル・円、調整で109円にアプローチする可能性も十分ある−RBS

12日の東京外国為替市場では円が全面安となり、対ドルで1ドル=108円台前半に水準を切り下げた。原油価格の戻り基調を背景に資源国通貨が堅調に推移したことから、クロス・円(ドル以外の通貨の対円相場)を通じて円売り圧力が強まった。
  午後3時25分現在のドル・円相場は108円30銭付近。朝方に付けた107円87銭から午後には一時108円36銭まで円安が進んだ。円は主要16通貨全てに対して前日終値から下落。対円で上昇率トップのオーストラリア・ドルは一時1豪ドル=82円74銭と、3営業日ぶりの高値を付けた。
  ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)の平野淳外国為替営業部長は、17日の産油国会合を前に「商品市況が堅調で資源国通貨が買われるなど、リスクセンチメントは悪くない」と指摘。ドル・円は前日まで7営業日続落してきたこともあり、RSI(相対力指数)などテクニカル面で売られ過ぎ感が強まってきていると言い、「調整で109円にアプローチする可能性も十分あるだろう」とみる。

  11日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が続伸。ドーハで17日に開催される産油国会合を控え、生産調整への期待が高まっている。WTI先物5月限は1バレル=40.36ドルで終了し、終値ベースで3月22日以来の高値を付けた。アジア時間12日の時間外取引でも40ドル台を維持して推移している。
  IG証券の石川順一マーケットアナリストは、「産油国会合を控え、今週いっぱいは増産凍結への期待がトレンドを左右する可能性が高い」とし、「原油先物は40ドル台にしっかり乗せてきているので、少なくともリスク回避圧力は後退している」と説明。資源国通貨の買い戻しにつながっているほか、日経平均株価もプラスに転じているため、クロス・円を中心とした円安圧力が強まっていると言う。
  一方、ゴールドマン・サックス・グループはリポートで、産油国会合について、「原油価格にとって弱気材料に作用する可能性が高まっている」とし、強気サプライズを期待すべきでないと指摘している。
  IG証の石川氏は、増産凍結については不透明感が残る上、米企業の決算発表が本格化するにつれ、「悪い内容が続けばファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)の悪さが意識されやすくなり、米株が下落する可能性がある」と話す。
  米アルコアが11日発表した1−3月期決算は大幅減益。アルミ市場と航空宇宙市場の見通しを下方修正した。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-12/O5HZMN6JIJUZ01


円の対ドル上昇局面、ひとまず終了か
Emma O'Brien
2016年4月12日 15:09 JST

  円は対ドルで過去7営業日に4.3%上昇し、日本の通貨当局者の相次ぐ口先介入を誘発した後、12日に騰勢は一服しているが、この上昇局面はひとまず終了なのだろうか。ドル・円の相対力指数(RSI)14日間をみると、売られ過ぎと見なされる30未満の水準が5営業日続いており、1月以来最長の低迷となっている。ドルは1月に当時の安値を付けた後、年初来高値に向かって3%強上昇した。
原題:Yen Domination of Dollar May Have Run Its Course, for Now: Chart (抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-12/O5I9256JTSF201


円高、実は日本経済に朗報か−特に高齢者には恩恵、生活水準改善も

Luke Kawa
2016年4月12日 11:15 JST

円は今年、G10通貨で最高のパフォーマンスを記録している。円高は日本が押し上げに取り組む輸出とインフレ率を脅かし、アベノミクスの心臓を狙う弓矢となりかねない。
  こんな円高が実は日本に恩恵をもたらし得ると語るのは、UBSインベストメント・バンクのグローバルエコノミスト、ポール・ドノバン氏だ。同氏は、高齢化が進む日本にとって円上昇にはメリットがあると指摘。高齢者層は輸入されることが多いエネルギーや食品、医薬品などに生活費の大部分を使う傾向があり、円の上昇で割高感が低減すると説明した。
  ドノバン氏はブルームバーグのテレビインタビューで、円高により「実は、高齢者は生活水準が改善し、支出を少し増やすかもしれない」と指摘。「円上昇でもっと前向きな経済議論を組み立てることができる」と付け加えた。

Source: Bloomberg
  
  円高で高齢者層を中心に購買力を向上させる効果が、輸出業者や設備投資、手取り収入への悪影響に勝るかどうかは、しばらくの間は分からないままだろう。それでも円上昇に伴う明るい兆候として留意することは興味深い。
原題:Actually, the Surging Yen Could Be a Good Thing for Japan’s Economy(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-12/O5HXE36JTSEU01



急激な円高ドル安、「炭鉱のカナリア」か

世界のリスク資産への警告

By RANDALL W. FORSYTH
2016 年 4 月 12 日 08:27 JST
?資産隠し、課税逃れを支援してきたパナマの法律事務所

 映画「カサブランカ」の主人公、リックが経営するカフェでの賭博行為が発覚したとき、フランス植民地警察のルノー所長が驚かなかったのと同様、世界中の富豪たちの一部がパナマの法律事務所の支援を受けて資産隠し、課税逃れをする手段を見つけていたということは、まったく驚くに値しない。

 唯一驚いたことがあるとすれば、その法律事務所「モサック・フォンセカ」から流出した大量のデータ「パナマ文書」に各国の指導者たちの名前があったことだろう。アイスランドのグンロイグソン前首相(すでに辞任に追い込まれた)、アルゼンチンのマクリ大統領、習近平国家主席の親族を含む中国共産党政治局常務委員7人中の3人、ロシアのプーチン大統領の親友として知られるチェリストなどが挙がっている。プーチン大統領はそうした報道を自分とロシアを弱体化させようとする米国の陰謀だと主張して一切の関与を強く否定した。

?資金調達通貨である円が上昇すると……

 ここのところ、米大統領選挙の候補者指名争いが話題を独占しているが、それが市場に影響を及ぼしているとしたら、どれほどの影響なのかを測定するのは難しい。というのも、日々の当惑するような値動きの背景には恐らくその他にも非常に多くの要因があるからだ。

 そうした状況は先週、特に株式市場が1%以上下落した4月7日にも明白に示された。この日は銀行株、とりわけ欧州の銀行株が大きな打撃を受けた。これと同時に、投資家はいつもの砦に避難した。米国債と日本円である。

 投資家が米国債に殺到したのは理解できる。地球上で最も質が高く流動性がある証券に最高水準の利回りも付いているのだから。異常なほど米国債に資金が流入した背景には、マイナス金利という投資界の地獄の中で他の多くの政府債の利回りが低下していることがある。1.72%の利回りを提供する10年物の米国債は、それが0.1%のドイツ国債、そしてマイナス0.08%の日本国債と比べると、かなりの高利回りに思えてしまう。

 通常であれば、これは投資資金が米国に流入することを意味するはずである。ところが、ドルの価値は低下しており、円の価値が驚くほど急騰している。この2カ月間、円の価値の上昇は市場に好奇心と困惑を引き起こしてきた。1月の終わりに日本銀行がマイナス金利の導入を発表すると、当初は1ドル=121円まで価値を下げたが、その後は着実に価値を回復し、2月と3月の大半の円の対ドル相場は1ドル=112〜114円のレンジで安定していた。

 ところがこの1週間ほどで円は1ドル=108円にまで急騰し、日本の株式市場を大いに慌てさせた。日銀が実施した直近の全国企業短期経済観測調査(短観)によると、日本企業の想定為替レートは1ドル=117円50銭だという。円の価値がこれよりも大幅に高いと、日本企業の製品の競争力はかなり低下する。4月8日に麻生財務大臣が「場合によっては必要な措置をとる」と述べて為替介入の可能性を示唆すると、円の上昇が一時的とはいえ止まった。

 通貨市場の専門家たちは、この数週間の反直観的な円とユーロの上昇について、ドル指数(ユーロ、日本円、英ポンド、カナダドル、スウェーデンクローナ、スイスフランの主要6通貨に対するドルの総合的な価値を指数化したもの)が2014年半ばから2016年初めのピークまでに25%も急騰したことを受けて交わされた為替レートの安定化に向けた密約の結果かもしれないと考えている。米連邦準備制度理事会(FRB)は昨年12月に利上げを行い、その他の地域の中央銀行は金融緩和策を実施しているにもかかわらず、ドル指数はそのピーク以来、約6%も下げている。

 日興アセットマネジメントのチーフ・グローバル・ストラテジスト、ジョン・ヴェイル氏はドルの低下と円の上昇には恐らく投機的な資金移動が反映されていると話す。8日に行った電話取材で同氏はそれが「通貨戦争の緊張緩和」を意味している可能性もあると付け加えた。

 シカゴの大手先物ブローカー、RJオブライエンでマネージングディレクターを務めるジョン・ブレイディ氏も同様に、2月26日に上海で開幕した20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で参加者たちが「近隣窮乏効果がある追加的な通貨切り下げ金融政策の停止」に合意したということを示唆した。

 調査会社BCAのデイリー・インサイツによると、円の上昇は「世界のリスク資産にとっての炭鉱のカナリア」でもあるかもしれないという。日本の通貨と株式市場は2000年と2007年にS&P500指数が高値を付ける前にピークに達するなど、米株式市場の先行指標となる傾向がある。

 これには二つの理由があるかもしれないとBCAは説明する。まず、円が「資金調達通貨」であること。つまり、他の高利回り資産が好調な時は、それへの投資のために円が借り入れられる。そうした資産が不調に転じてポジションが巻き戻された場合も、借り入れられた円は返済される必要があるので、その需要が高まるというわけだ。

 また、JPモルガンのエコノミスト、ニコラス・パニグリゾグロウ氏は日本株に投資する海外の投資家による円ヘッジ売りの巻き戻し――米国の上場投資信託(ETF)で使われてきた人気の戦略――が今年に入って2880億ドルとかなり増大している可能性を指摘した。「人口統計学上の逆風のせいで、日本経済は有機的な国内需要ではなく、海外で展開する事業によって支えられている。日本株の低迷は世界経済の成長の減速を予告する可能性がある」とBCAは付け加えた。
https://si.wsj.net/public/resources/images/BN-NL611_0408_4_M_20160408003052.jpg

Business | 2016年 04月 12日 11:29 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス

為替への「必要な措置」、G20合意内容に沿って行える=麻生財務相

[東京 12日 ロイター] - 麻生太郎財務相は12日の閣議後会見で、為替の動向に関し「一方的に偏った投機的な動きが見られれば、場合によっては必要な措置を取る」と語った。その上で、こうした措置は、2月の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の合意内容に沿って行えるとの見方を示した。足元の動きについては「関心と緊張感を持って見ていく必要がある」とした。

前回のG20では、「為替の過度の変動が金融の安定に悪影響を与える」ことや「通貨の競争的な切り下げを回避する」との認識で一致。麻生財務相はこれを踏まえ、日本が「一方向に偏った」為替の動きに対応する場合は、合意内容からは逸脱しないとの認識を示した。

14日から米ワシントンで開かれるG20では、為替については2月と同様の議論が浮上すると見通した上で、タックスヘイブン(租税回避地)に関する「パナマ文書」を受けて「租税回避や脱税防止についても、議論がなされると思う」と語った。
http://jp.reuters.com/article/aso-idJPKCN0X904X

 


新興市場通貨、ビッグマック指数でみるとまだ割安−チャート
Phil Kuntz、Elena Popina

  新興市場通貨は3月に過去最高の上昇率を記録したにもかかわらず、エコノミスト誌が算出するビッグマック指数でみるとなお割安だ。同指数は各国と米国のマクドナルドのビッグマックの価格を比較して通貨の割安・割高の程度を測る。チャートは途上国通貨に関するブルームバーグの指数が底打ちした1月20日以降について、各通貨の対ドルでの価値変化を示す。
原題:Emerging Currencies Still Undervalued on Big Mac Scale:Chart(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-12/O5I7WZ6JTSEN01


野村HD:欧州株式ビジネスから撤退へ、人員削減は1000人規模

日向貴彦
2016年4月12日 11:17 JST 更新日時 2016年4月12日 18:03 JST

野村ホールディングスが欧州株式ビジネスからの撤退と、人員削減を計画していることが関係者への取材で明らかになった。同社は12日夕、欧州と米州のホールセールビジネスを戦略的に見直すと発表した。
  関係者によれば、野村は欧州株のリサーチ、営業、トレーディング、引き受け業務からの撤退を計画。同時に米州事業でも、米国株ビジネス、リサーチと投資銀行部門の縮小を計画している。欧米ビジネスの見直しに伴う削減数は1000人規模に達するもようだ。子会社のインスティネットを通じた欧州株の売買執行サービスは継続する。北米では人員の約20%が削減される可能性が既に明らかになっていた。
  野村の12月末時点の人員は欧州が3433人、米州は2501人。現在の市場環境下で欧米事業をいったん縮小するが、グローバル市場で業務展開していく方針は変えず、今後は日本を含むアジア地域に注力していく。同社は海外での500億円の税前利益目標の達成時期を先送りして以降、コスト削減とビジネスの再構築に取り組んでいた。
  野村の山下兼史広報担当は、欧州や米州のコスト削減や新戦略についてコメントを避けた。
海外業務見直しを発表
  野村HD株は12日、欧州株ビジネス撤退計画の報道が伝わると上昇幅を拡大。前日比7.4%高の481.5円と2カ月ぶりの上昇率を記録して取引を終了した。
  同社は12日夕、「欧州地域および米州地域におけるビジネス戦略について」発表。「世界経済の先行きに対する不透明感が強まり、ビジネス環境は急激に変化してきた」ことから欧州で一部のビジネスを閉鎖、米州で合理化を進め収益性の高い分野に経営資源を集中させる方針を明らかにした。大幅なコスト削減につなげる。詳細については言及を避けた。

「暴風雨の中で」
  野村は長年にわたり、海外事業の拡大と縮小を繰り返してきた。2008年にはリーマン・ブラザーズの欧州・アジア事業を買収したが、コストや損失が膨らむ中で同地域の事業を縮小した。
  野村の欧州事業は2015年12月までの9カ月間で、506億円の税引き前赤字を計上している。米州は6四半期連続の赤字となっている。海外事業の通期黒字は10年3月期が最後。
  野村の永井浩二最高経営責任者(CEO)は2月のブルームバーグとのインタビューで、海外黒字化の時期について、「この暴風雨の中で今そのような議論をしても仕方がない、残念ながら」と述べ、黒字化に向け一層のコスト削減に着手する考えを示していた。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-12/O5I0I46S972M01


Business | 2016年 04月 12日 17:53 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス

野村HDが大幅な人員削減へ、欧州株調査など閉鎖=関係筋

[東京 12日 ロイター] - 野村ホールディングス (8604.T)が欧米でコスト削減を行う方針を固めた。欧州が中心で、現在3433人いる陣容のうち約500─600人が削減の対象となる見通し。米州でも、グローバル・マーケッツ部門で一部の人員削減が行なわれる見込み。グループの収益性を改善するのが狙い。複数の関係筋がロイターに述べた。

コスト削減は、年初来の売買低迷などのマーケット環境を踏まえた措置。関係筋によると、野村は欧州の株式調査(リサーチ)とエクイティ・デリバティブの業務を閉鎖する。一方、欧州株の売買の執行はインスティネットで継続する。

野村の海外事業はアジアを除き赤字になりやすい傾向にあり、昨年度に海外で500億円の税引き前利益を計上する目標も達成されなかった。12日付の日本経済新聞夕刊は、最大1000人の人員削減になると報じた。

野村HDは同日夕、欧米で戦略の見直しを行うとのコメントを発表。詳細は27日の決算発表時に開示するとし、具体的な人員削減の規模などは開示しなかった。

世界的な景気減速や国際的な規制強化を背景とする売買の低迷で、海外の投資銀行もコスト削減の方針を打ち出している。

クレディスイス(CSGN.S)は3月、トレーディングなどを行う部門(グローバルマーケッツ)で2000人を削減すると発表。英バークレイズ(BARC.L)も、数カ国で投資銀行部門の人員削減を行うとともに、日本を含むアジアでの現物株業務から撤退した。

一方、米州でM&A(企業合併・買収)のアドバイザリー業務や引き受けなどを行う投資銀行業務を強化する戦略は変更しない方針。野村HDは昨年末の経営説明会で、欧州の経営資源を削減し、米州にシフトする方針を示していた。

*内容を追加しました。

(江本恵美 トム・ウィルソン)

http://jp.reuters.com/article/nomurahd-europe-idJPKCN0X9074

ウォール街の報酬は25年で倍増、差は開くばかり−他業種の5倍に

Jenny Surane
2016年4月12日 06:48 JST
2014年のウォール街報酬は約2860万円−労働統計局
ニューヨーク市では証券業界報酬が他業種の約6倍

ウォール街で働くバンカーや証券マンはボーナスの減少傾向を嘆くが、他の業界に比べれば恵まれている。
  格差はこの25年間にますます顕著になった。米労働省労働統計局のデータによれば、投資銀行バンカーと証券マンの給料・ボーナスを合わせた報酬は1990−2014年にインフレ調整後で117%増え、14年は26万4357ドル(約2860万円)となった。一方、その他の業種は21%の増加にとどまり5万1029ドル。ウォール街の約5分の1にすぎない。

  シカゴの転職あっ旋会社、チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスのジョン・チャレンジャー最高経営責任者(CEO)は、報酬格差が今年の大統領選挙戦のテーマの一つになっており、その結果「反ウォール街の流れが全米で渦巻いている」と話した。
  この差はニューヨーク市では特に大きい。ニューヨーク州のディナポリ会計検査院長が所得税の記録からまとめたデータによると、証券業界従業員の14年報酬(給料とボーナスを含む)は40万4800ドルで、民間セクターの他の業界の平均7万2300ドルの6倍に近かった。11年の約5倍から差が拡大していた。

  金融危機後の一つの変化はボーナスの減少。会計検査院のデータによれば、ニューヨーク市の証券業界従業員のボーナスは06年のピークから35%減った。
原題:Wall Street Wages Double in 25 Years as Everyone Else’s Languish(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-11/O5GV356KLVRN01


World | 2016年 04月 12日 18:28 JST 関連トピックス: トップニュース

原油先物が上昇、ブレントは43ドル台で年初来高値

[ロンドン 12日 ロイター] - 欧州時間の取引で北海ブレント原油先物が1バレル=43ドル台に上昇し、年初来高値をつけた。17日に開催される主要産油国会合が供給過剰対策で合意するとの期待が広がっていることが背景。米ドル安や中国での需要拡大の兆候も支援要因になっている。

0842GMT(日本時間午後5時42分)時点で、北海ブレント先物LCOc1は0.5ドル高の1バレル=43.33ドル。一時は43.53ドルの年初来高値をつけた。

米原油先物CLc1は0.39ドル高の40.75ドル。
http://jp.reuters.com/article/global-oil-idJPKCN0X90TJ


News | 2016年 04月 12日 13:41 JST 関連トピックス: トップニュース

アングル:苦境に陥る米シェール業界、銀行が与信枠大幅削減

[11日 ロイター] - 原油価格下落局面が2年近く続いたことで、ついに米シェール開発業者が資金調達の面で苦境に立たされることになった。銀行がかつてないほど大幅に与信枠を削減しているからだ。

石油・天然ガス生産企業は、半年ごとに取引先銀行と交渉し、保有資源の価値に基づいて与信枠を設定する。これまでの与信枠見直し局面では、石油企業側が原油価格下落にヘッジをかけていたことや、経費節減を続けられる態勢にあったことが評価され、銀行からはある程度寛大な条件が提示されていた。

しかし今回は、多くの企業のヘッジがほぼ満期を迎え、与信枠算定の基準となる原油価格が半年前より最大で20%低いこともあり、銀行の態度は厳しくなりつつある。

与信枠見直し交渉時期が始まってわずか数週間を経過しただけだが、既にロイターが集計したデータでは合計35億ドル、全体の2割相当の与信枠が削られた。このペースなら5月までの交渉期間で、残る500億ドルの与信枠のうち100億ドルがなくなってしまうだろう。

シェール業界にとっては資金調達環境の悪化によって資産売却や人員削減、設備投資圧縮などをさらに迫られることになる。これまで何とか存続してきた企業の中で、破綻に追い込まれる割合も増える恐れがある。

銀行は銀行で、原油安を受けて規制当局からエネルギー関連債権に付随するリスクを抑えるようより強く促されている。

石油企業と銀行の次回の与信枠交渉が行われる秋になっても、原油価格が1バレル=40ドル未満のまま反発していなければ、与信枠のさらなる削減圧力になりかねない。

サウス・テキサス・マネー・マネジメントのシニア・ポートフォリオマネジャー、クリスチャン・ルドゥー氏は「現在の原油価格で幅広い収益力を持たない企業は、非常に困難な状況に置かれることが分かるだろう」と話した。

JPモルガン・チェース(JPM.N)のシニア米国クレジット・アナリスト、タレク・ハミド氏は、原油が35ドル近辺にとどまるなら、投機的格付けのエネルギー企業150社前後の社債のうち約36%は来年末までにデフォルト(債務不履行)に恐らく陥る、と予想する。

<銀行の注文>

石油・ガス企業は日々の事業の資金として、いわゆる銀行からのリボルビングローン(一定の与信枠において何度でも可能な借り入れ)に依存しており、与信枠を削減されれば他の資金調達手段を探さざるを得ない。

例えば与信枠を4億5000万ドルから1億ドルに減らされたクレイトン・ウィリアムズ・エナジー(CWEI.N)は、オルタナティブ投資会社アレス・マネジメント(ARES.N)から銀行の3倍もの金利で資金を借り入れた。

一方で与信枠をめぐる交渉では、銀行が石油企業に対して「アンチ・ホーディング」と呼ばれる契約条項を導入するよう求める動きも出ている。これは借り入れの返済に回すことが可能な現金やその他の資産の扱いについて銀行がより大きな発言権を得られるというもの。

法律専門家やアナリストの話によると、リン・エナジー(LINE.O)などの企業が銀行との交渉を前に既存の与信枠で多額の借り入れを行ったことが、こうした条項を銀行が持ち出す契機になったという。

2月にはデンバリー・リソーシズ(DNR.N)のフィル・ライクホーク最高経営責任者(CEO)が銀行団との交渉後、アンチ・ホーディングを採用するのと引き換えに財務面のストレステストの条件を銀行側が緩めてくれた、と投資家に明らかにした。

(Swetha Gopinath、David Henry記者)
http://jp.reuters.com/article/oil-energy-banking-idJPKCN0X908K


シェブロンのアジア地熱資産、中国投資や日本勢ら取得に関心−関係者

Brett Foley、Elffie Chew、Fathiya Dahrul

米シェブロンのアジア地熱資産に対する買収提案を中国の政府系ファンド(SWF)中国投資(CIC)やマレーシアのマラコフ、米オーマット・テクロノジーズが検討中だと、事情に詳しい関係者が明らかにした。取引額は最大30億ドル(約3250億)に上る可能性があるという。
  非公開情報だとして匿名で発言した同関係者によれば、丸紅のほか、フィリピンのエナジー・デベロップメント(EDC)とアボイティス・パワーも買収案を検討している。これとは別に、三菱商事とメドコ・パワー・インドネシアが提案の可能性を調査中だという。
  関係者によれば、地熱資産売却でシェブロンに助言するシティグループは来月末までに仮入札実施の方針。買い手候補の検討作業は初期の段階で、実際に応札するかは未確定という。
  三菱の広報担当者は同社の方針として匿名を条件に電話で、「提案するかどうか検討中だ」と明らかにした。メドコのファジル・アルフィトリ社長は同社はシェブロンの地熱資産に関心があるとして、共同提案するパートナーを探すと語った。シェブロンの広報担当は合併や買収、資産売却について同社はコメントしないと述べた。CICとマラコフには電子メールでコメントを求めたが、これまでのところ返答は得られず、オーマットの広報担当者は即座にコメントできないと語った。シティとEDC、丸紅の関係者もコメントを控えた。
原題:Chevron’s $3 Billion Asian Sale Said to Attract CIC, Ormat (1)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-12/O5IHTM6KLVRK01



Business | 2016年 04月 12日 10:44 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
OECD事務総長が消費税率15%への引き上げ提言=石原経済再生相

[東京 12日 ロイター] - 石原伸晃経済再生相は12日の閣議後会見で、来日中のOECD(経済協力開発機構)のグリア事務総長から来年4月の消費税10%への引き上げについて、予定通り実施すべきとの提言を受けたことを明らかにした。

石原経済再生相によると、グリア事務総長から「EU全体の間接税は2割程度で、そのようなものが必要」「15%まで1%ずつあげていくのが望ましい」と提言されたという。

(竹本能文)
http://jp.reuters.com/article/oecd-ishihara-idJPKCN0X903I


World | 2016年 04月 12日 17:44 JST 関連トピックス: トップニュース
ラニーニャ現象が2016年に発生する確率50%=豪気象局

[シドニー 12日 ロイター] - オーストラリア気象局は12日、2016年にラニーニャ現象が発生する確率は現時点で50%との見通しを示した。

ラニーニャ現象は、オーストラリアの大半の地域、特に東部と北部で湿度が上昇する可能性が高まり、熱帯性低気圧の発生が増加することと関連している。

約20年ぶりの強力なエルニーニョ現象が終息に向かい始めたのに伴い、エルニーニョ現象に続いて起きやすいとされ、南米沖の太http://jp.reuters.com/article/aussie-weather-forecast-idJPKCN0X90IN平洋の海面水温が低温になるラニーニャ現象が発生する可能性があるという。



英インフレ率:3月は1年3カ月ぶり高水準−復活祭が追い風
Emma Charlton
2016年4月12日 18:18 JST

英国の3月のインフレ率は加速し、1年3カ 月ぶり高水準に達した。前年より早い復活祭休暇を追い風に航空運賃と 衣料が値上がりした。
英政府統計局(ONS)が12日発表した3月の消費者物価指数( CPI)は前年同月比0.5%上昇。これは2014年12月以来の高い伸び。 ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は0.4%上昇だっ た。価格変動の大きい食料品やエネルギーなどを除いたコアインフレ率 は1.5%に加速し、14年10月以来の高水準となった。
イングランド銀行(英中央銀行)のインフレ目標である2%を下回 る水準にあるものの、1年近くにわたりゼロ付近だったインフレ率が上 向きつつある状況を示した。ブルームバーグがまとめた別のエコノミス ト調査では、当局者は政策金利を17年1−3月(第1四半期)まで過去 最低に据え置くと見込まれている。英中銀は14日に最新の政策判断を下 す。
3月のインフレ率を押し上げた要因は輸送コストで、航空運賃が前 月比23%上昇した。前年同月は2.7%上昇だった。今年は復活祭を挟ん だ4日間の連休が3月にあり、4月だった前年よりも早かった。
原題:U.K. Inflation Rate Hits 15-Month High on Easter Boost(抜 粋)
--取材協力:Harumi Ichikura.
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-12/O5IJR66KLVRR01

 



英EU離脱、最大の負け組は?
英国旗とEU旗が掲げられたゴールドマンのロンドン本部ビル

By MAX COLCHESTER
2016 年 4 月 12 日 17:51 JST

 ロンドン中心部の広大な建設現場。ゴールドマン・サックス・グループが5億ドル(約540億円)を投じ、新しい欧州本部を建設する場所だ。ゴールドマンが、世界的な金融センターとしてのロンドンの影響力にいかに期待しているかを物語っている。

 しかし、英国が6月の国民投票で欧州連合(EU)からの脱退を決めれば、「新社屋は予定よりもややガラガラになる可能性がある」とゴールドマンの幹部は話す。

 「英国のEU離脱」の是非をめぐる争いは厄介さを増している。EU離脱で失うものが最も大きいのは欧州でも英国の企業でもないという妙な事態が生じている。

 米国やスイス、日本の投資銀行は長年、英国をEU金融市場参入への足掛かりとしてきた。その重要な魅力の1つは、個々の国で規制当局の承認を得なくても28カ国全域でサービスを提供できる権利だ。今や英国はデリバティブ(金融派生商品)や外貨取引の欧州ハブとなっている。フィッチ・レーティングスによると、英国の銀行資産6兆9000万ポンド(約1062兆円)の約半分は英国以外の金融機関が保有している。

 各行はコストを節約し規模の経済を確保するため、世界の拠点の大部分を英国に集約した。6月23日の国民投票の結果によっては、この構造が崩壊する可能性がある。法律事務所クリフォード・チャンスのパートナーで英国のEU離脱時の対応について助言しているクリス・ベイツ氏は、国際的な大手行は「最も失うものが大きい」と指摘する。

 英国が国民投票でEU離脱を選択した場合、何が起こるかは誰にも分からない。脱退プロセスは数年かかる可能性がある。英国は自国の銀行によるEUへのアクセスについて交渉できるかもしれないし、できないかもしれない。

 しかし、数十億ドルかけて拠点を再編しなければならない可能性に直面し、各行はEU離脱に反対するロビー活動を熱心に展開している。

 その先頭に立つ銀行の1つがゴールドマンだ。同行幹部は3年前からEU離脱のデメリットを公に警告してきた。事情に詳しい関係者によると、同行はEU離脱に反対するロビー団体に70万ドル前後を寄付している。また、同行幹部は英主要紙に署名入りの警告書簡を寄せている。ゴールドマンのロンドン本部ビルには現在、EUの旗が掲げられている。昨秋には英野党・労働党や与党・保守党の会議に合わせ、欧州での英国の役割について話し合うイベントを主催した。

 1月にスイスで開かれた世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)では、ゴールドマンのゲーリー・コーン社長が入念に準備された警告を繰り返した。コーン氏は「英国にとって金融サービス産業を国内にとどめておくことは不可欠だ」とし、「それに代わる産業は思いつかない」と述べた。

 こうした米銀によるEU残留の擁護は、比較的規模の小さい証券会社やヘッジファンドの反感を買っている。彼らは英金融セクターがEUから外れれば厳しい規制を受けずに済み、もっと繁栄すると指摘する。投資会社ショー・キャピタル・グループのハワード・ショー執行会長は「英国にとって何が利益になるかに米国人が関心を持つわけがない。彼らが関心があるのは自分たちの銀行にとって何が利益になるかだ」と話す。

 ゴールドマンは欧州のトレーディング市場の恩恵にあずかってきた。同行は1970年に5人でロンドンオフィスを立ち上げた。1980年代の英金融セクターの規制緩和をきっかけに急速に事業を拡大。ロンドンに注力していたにもかかわらず、事業は欧州大陸各地に広がり、フランクフルトやパリ、ミラノにトレーディングデスクが設けられた。

 1999年、欧州単一通貨ユーロの導入で、その体制に終止符が打たれた。さまざまな通貨での取引を求めて複数の国に大きなオフィスを構える必要がなくなったのだ。ゴールドマンは数年かけて欧州事業を再編し、ロンドンに集約させた。これにより顧客対応コストは中央集中化され、欧州各地のオフィスは主に営業チームのために残された。

ゴールドマン・サックスの純収入推移(単位:10億ドル) ENLARGE
ゴールドマン・サックスの純収入推移(単位:10億ドル)
 今では中東とアフリカの顧客にもロンドンでサービスを提供している。欧州のスタッフ6000人の約90%がロンドン在勤だ。ゴールドマンの2015年の純収入338億ドルの27%を欧州・中東・アフリカが占めている。

 ゴールドマンは約10年前、欧州本部をロンドンの電話交換局跡地に建設するプロジェクトに着手した。

 これほどの構造の組織を統廃合するのは費用も時間もかかると弁護士や銀行関係者は指摘する。事情に詳しい関係者によると、ゴールドマンは現在、EUパスポートやEU全域でサービスを提供する権利の喪失でどの職務が影響を受ける可能性があるかを整理している。一方で、銀行免許とインフラが既にあり、すぐに事業拡大が可能な欧州の国々を調べている。例えばゴールドマンはドイツでの銀行免許も持っている。

 EUパスポートを失った場合、EUの相手先とのデリバティブと為替の取引業務は大きな痛手を受ける可能性が高い。ユーロ通貨や証券取引の大部分はロンドンを経由してユーロ圏外で行われている。銀行関係者によると、英国がEUを離脱した場合、EU当局はユーロ証券の売買について、EU圏内で決済するよう要求する可能性があるという。

 もう1つ見極めが必要なのが、どのくらいの管理業務スタッフがEU圏在勤のトレーダーや営業要員を支援するために英国を離れる必要が出てくるのかということだ。欧州規制当局は恐らく、コンプライアンス(法令順守)担当者に現場で監督するよう求めるだろう。現地で決定責任を持つ上級幹部を置くよう要求される可能性もある。

 ロンドンからでも可能なM&A(合併・買収)助言業務など、EU離脱の影響を受けない職務もあるだろう。また、非EU企業とのビジネスもおおむね変わらないとみられる。

 2019年には恐らくEU指令の改定が発効する。これにより、EU圏外の投資会社であっても、十分に規制された国に拠点を置いていれば、EU全域でビジネスを行うことができるようになるはずだ。弁護士は英国がそれに当てはまるとみている。そうなれば、大手行にとって重大な問題の1つは解決される。

 ダブリンやフランクフルトの当局者は、ロンドンに拠点を置く米国やスイスの銀行に両都市の売り込みを既に始めている。しかし、英国が国際的な銀行ビジネスを一晩で失うことはあり得そうになく、タイムゾーンや言語、法律、市そのものの魅力が緩衝材になりそうだ。

 ゴールドマンは欧州本部の建設を依然進めている。モダニスト様式のビルは2019年にオープン予定だ。同行は、空いた階は他社に貸し出すことも可能だと話している。

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https://si.wsj.net/public/resources/images/OJ-AI414_GSBREX_16U_20160411150622.jpg


決算シーズン前に思い出すべきバフェット氏の名言
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ウォーレン・バフェット氏の明言は1-3月期の米企業決算シーズンに特に当てはまるものだPHOTO: REUTERS
By
JUSTIN LAHART
2016 年 4 月 12 日 16:28 JST
 著名投資家ウォーレン・バフェット氏に「潮が引いて初めて誰が裸で泳いでいたかがわかる」という名言がある。決算発表シーズンが迫るなか、きちんと水着を着ているように見える企業には投資家も用心すべきだろう。
 企業にとって1-3月期(第1四半期)はまたしても厳しいものになった。トムソン・ロイターI/B/E/Sが集計したアナリスト平均予想は、S&P500指数の構成企業の利益が前年同期比7.5%減少するとしている。こうした環境では、好決算を維持できた企業の株式が十分な見返りを得ることになる。
 問題は企業がこのような見返りにそそられたり、速やかな処罰(株価急落)を恐れたりして粉飾決算を行う可能性もあるということだ。
 カリフォルニア大学バークレー校のハース・スクール・オブ・ビジネスで会計学を教えているパトリシア・デチョウ教授および3人の共同執筆者による最近のプロジェクトでは、1994年から2010年までの期間に決算報告書への虚偽記載で行政措置の対象となった非金融企業をふるいにかけた。筆者たちはその後、これらの企業の実際の利益と虚偽記載期間のアナリスト予想とを比較した。
ENLARGE
バリアントの調整済み1株利益とアナリスト平均予想の1株利益との差
 すると、虚偽記載をした企業の53%は少なくとも4四半期連続でアナリスト予想を上回っていた。虚偽記載をしていない企業のその割合は43%で、この差はかなり大きい。
 最近まで目覚ましい利益を積み上げてきた企業の例として真っ先に挙がるのは、カナダの製薬会社バリアント・ファーマシューティカルズ・インターナショナルだろう。同社の利益は昨年の7-9月期(第3四半期)までの5年間にアナリストの平均予想を18回も上回り、2回一致した。先月、バリアントが10-12月期決算でついにアナリスト予想を下回る未監査ベースの利益を発表したことでその連続記録は途絶えた。
 バリアントの過去の決算については今や疑惑の渦中にある。同社は15年に計上すべき売上高5800万ドルを14年後半に計上したこと、米証券取引委員会(SEC)の調査を受けていること、15年の監査済み年次報告書の提出を延期したことを明かした。同社株は昨年8月の最高値から約90%安をつけるなど暴落している。
 バリアントで起きていたことについてまだ結論は出ていないが、投資家はアナリスト予想を上回る利益が実際には危険信号になっていなかったか、よく考えるべきだろう。
 同時に投資家は、企業はどうして決算報告を操作するのか、というより広範な疑問についても考えるべきだ。それには株価を押し上げたいという経営陣の欲だとする説と、株価の急落を心配する経営陣の不安だとする説がある。
 どうやら欲よりも不安の方が大きいようだ。研究者によると、利益が数四半期連続でアナリスト予想を上回る一方でSECの規則に抵触した企業に関しては、決算報告書の虚偽記載期間前に予想PER(株価収益率)が上昇していたという。ところが、虚偽記載期間中のバリュエーションについては、高く維持されることはあっても一段と高くはならない傾向が示された。
 つまり、これらの企業は一般的に好決算が続いたことで高いPERという見返りを得たものの、その基調を維持できなくなった可能性が高い。高バリュエーションがもたらす恩恵を享受していた経営陣にとって、これは受け入れにくいことだろう。
 利益に関して過去に投資家にポジティブなサプライズを提供し続けた企業の株式は、その後利益がアナリスト予想を下回ったときに深刻な打撃を受ける傾向がある。つまり、これらの企業の利益がアナリスト予想を下回った際のリスクは一段と大きくなる。これは特に大きな懸念材料だ。
 長期に及んだ成長期が終わって潮が引きつつある今、米国企業全般の利益が低迷しており、そのリスクは特に高まっている。利益の減速を回避したように見える企業に見返りを与える前に、投資家はその決算が裸の王様用の新しい水着を着用していないことを確かめる必要があるだろう。
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https://si.wsj.net/public/resources/images/BN-NM412_earnin_M_20160411113123.jpg 


完全無欠とは言えない自由貿易の論拠

By GREG IP
2016 年 4 月 12 日 16:07 JST

 エコノミストは数多くの点で意見の一致をみないものだが、自由貿易は良いことで保護主義は悪いという点ではほぼ全員一致している。エコノミスト以外の有識者の見解も足並みをそろえている。各紙は社説で共和党の大統領候補指名争いで首位を走るドナルド・トランプ氏の姿勢を、貿易協定をほごにしてメキシコや中国に厳しい関税を課す恐れがあると盛んに非難している。

 だが、自由貿易を支持し保護主義に反対する論拠は完全無欠とは言えない。

 輸入増加に伴い労働者が仕事を失い、その人々を再雇用するに十分な内需を中央銀行が拡大できなければ、その国は困窮し、暮らし向きを良くするために輸入を抑え続ける可能性がある。

 ハーバード大学のローレンス・サマーズ教授は他の2人と共著で発表した新たな論文で、こうした状況は一定の条件下でしか生じないが、いまはそうした条件にないと述べた。

 元財務長官のサマーズ教授は、保護主義者でもなければ、トランプ氏の支持者でもない。トランプ氏が大統領に選ばれると、米国のリセッション(景気後退)と海外での金融危機につながる恐れがあると警告している。だが同教授は、需要が慢性的に弱いゆえに、保護主義がそれなりに魅力的なものになる可能性があると心配している。

 他にも、ニューヨーク・タイムズに定期寄稿しているプリンストン大学のポール・クルーグマン教授や北京大学のマイケル・ペティス教授などは既に、需要が少なすぎる状況下では、貿易黒字国が赤字国に失業という痛手を負わせると指摘している。

 実際、こうした議論は18世紀にさかのぼる。かつて各国政府は、貿易黒字は国力の共通尺度である金の獲得を可能にするので良いことだと考えた。アダム・スミスは著書「国富論」において、これを重商主義と呼び批判した。スミスは、輸出がもたらす利益は金の蓄えを増やすことからではなく、生産性と購買力を高める労働のさらなる専門化から得られるものだとしている。輸入を禁じると、消費者は国外からもっと安く購入できたものに、より多くの対価を支払わざるを得なくなる。

 自由貿易の古典的論拠を完全に樹立したジョン・メイナード・ケインズは1923年、「保護主義にできないことが一つあるとすれば、それは失業を解決することだ」と述べた。だがその12年後、「雇用・利子および貨幣の一般理論」において、重商主義にも一理あるとの認識を示した。各国が自国通貨の価値を金に固定する場合、金利を下げて失業を減らす唯一の方法は国外から金を引き寄せることだと述べた。「国内の失業を打ち消すには、貿易黒字を捻出し隣国を犠牲にして金を輸入する以外に、各国当局に残された正当な手段はない」と指摘した。

 世の中はもはや金本位制をとっていない。だがサマーズ氏は、今日の状況は1930年代にかの経済学者ケインズが分析対象とした慢性的な消費不足と過剰貯蓄に似通っていると指摘している。低調な投資と低インフレにより大半の先進諸国において金利はゼロ近傍にとどまっている。これは30年代にエコノミストらが不安を感じた「長期停滞」に似た状況だと言う。

 サマーズ氏と共著者であるブラウン大学のガウティ・エガートソン准教授とニール・メロートラ准教授は、近著「米経済分析に関する論文・記録」において、貿易赤字が問題を一段と悪化させると主張している。この論説では中国について言及していないが、説明を簡単にするために触れてみよう。

 中国が自国の消費を抑え貯蓄を増やせば、米国からの輸入に対する需要は減るだろう。その結果生じた貿易黒字はさらなる貯蓄を生み出し、それが米国に投資されて金利を抑え、ドル相場を押し上げるだろう。米国の輸出が減り輸入が増えるにつれ、米国内の生産と雇用は圧迫される。このような場合、中央銀行は通常、利下げで対応する。だが、中国の過剰貯蓄が一因となり、金利がすでにゼロ近くにあるならば、中銀は失業した労働者を何らかの仕事に復帰させるほど十分に需要を高めることができない。

 中国が貿易黒字をどのように達成するかは問題ではない。輸入関税や資本規制、人民元相場を抑える為替介入を通じてかもしれないし、国内の貯蓄率が高いだけでそうなる可能性もある。米国も同じように、輸入関税やドル相場を抑える介入で対応して貿易赤字の悪影響を取り消すことができる。サマーズ氏らは「新重商主義的政策は、貯蓄の輸出を進めることでその国の長期停滞を和らげるが、貿易相手国を犠牲にする」と述べている。

 また、金融緩和政策は「近隣窮乏化策」になり得るとも示唆している。金利がゼロ近傍にあると、追加緩和は自国通貨の相場を下げるだけで、単に貿易相手国の需要を奪うことになると言う。

 これらの主張には重要なただし書きがある。まず、この論説の筆者らはその主張の妥当性は長期停滞の状況にあるかどうかによるが、それは「判断次第」だと認めている。その状況にないとするわずかな証拠の一つとして、大半の主要国において失業率が着実に低下していることが挙げられる。これは中央銀行の緩和策にはゼロサムではなくプラスの効果があることを示している。

 それでもサマーズ氏は、米国がいまは長期停滞下にないとしても、「われわれは常に長期停滞の影に覆われている。なぜならば新たなリセッション(景気後退)が訪れ、通常の金融政策対応を行うことはできないだろうからだ」と言う。金利はプラスだとしても、外国の貯蓄資金の流入により、2000年代半ばのように資産バブルにつながるくらい低く抑えられ続ける可能性がある。

 次に、これは必ずしもTPP(環太平洋経済連携協定)のような貿易協定が悪いという意味ではない。諸外国の関税は米国よりも高いので、自由貿易協定は理論的には米国の輸出を輸入よりも拡大する。これをサマーズ氏は「良い重商主義」と呼んでいる。貿易協定で国は豊かになると結論付けている大半の経済モデルは、長期的な完全雇用を前提としている。だが短期的には、一部の労働者が失業し、多くの所得を失う。それでもピーターソン国際経済研究所の上席研究員、ロバート・ローレンス氏とタイラー・モラン氏の研究論文によると、TPPがもたらす失業の増加と所得の喪失による短期的な負担は、当初10年間にもたらされる恩恵のわずか6%にすぎない。ブランダイス大学のピーター・ペトリ教授(国際貿易論)は、トランプ氏の保護主義政策はその報復的効果を勘案すると、米国の貿易赤字の縮小ではなく拡大につながるだろうと指摘した。

 最後に、サマーズ氏はここから大好きな持論の一つを展開している。世の中は中央銀行に頼り過ぎている。一段と積極的な財政政策をとれば、国内外の双方で需要が拡大し、金利がゼロ近傍に貼り付く公算が小さくなる。これでトランプ氏が自由貿易の利点に納得することはないだろうが、少なくとも経済的な根拠は修正されるだろう。

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米有権者、50年前と比べ生活水準は? 支持候補で明確な差
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ピュー・リサーチ・センターは米有権者に、「50年前と比較して米国の自分と同じような層の人々の生活が向上したと思うか悪化したと思うか」と質問した(赤:悪化との回答、緑:向上との回答)
By
JOSH ZUMBRUN
2016 年 4 月 12 日 18:20 JST
 米調査機関のピュー・リサーチ・センターは最近、米国民の生活が50年前と比較して良くなったのか悪くなったのかについて、有権者を対象に世論調査を行った。全般的に見ると、有権者の46%が「当時の自分たちと同じような層にとって」生活水準が「悪化している」と回答した。予想通りかもしれないが、共和党有権者に特にその傾向が強く、中でもドナルド・トランプ氏の支持者は「まさしく悪化している」と答えている。
 これは全てが有権者の想像の産物だというわけではない。必ずしも過去50年間の比較ではないにしても、ここ数十年間の生活水準について、異なる有権者層の間で極めて異なる結果が示されている。
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家長の最終学歴別にみた家庭所得の中間値の変化(1991年以降、インフレ調整ベース)
 全般的に見て、トランプ氏の支持者がこの質問に対して一番悲観的だったが、テッド・クルーズ氏とジョン・ケーシック氏の支持者たちも状況は悪化する方向にあると感じている。対照的に、ヒラリー・クリントン氏とバーニー・サンダース氏の支持者らは、状況が改善する方向にあると回答する傾向があった。
 この調査では、厳密に経済について質問したわけではないが、調査結果にはここ数十年間のそれぞれの層に対する経済効果が示されている。
 第一に、この結果は、学歴次第で経済的状況がいかに違ってくるかを示している。家長が修士号を有する家庭は、インフレ調整後でも、25年前と比較して所得が10%近く増えている。また、リセッション(景気後退)時に失った経済力も大方回復している。
 家長の最終学歴が大学の学部卒である家庭は、直近2回のリセッションで所得が減少し、まだ回復していない。こうした家庭の所得は、25年前の同じような層の所得とほぼ同じだ。
 しかし、家長が大卒でない家庭にとって、過去15年間は非常に困難な時期だった。2000年には所得が幾分増加したものの、01年と07〜09年のリセッション時には所得が減少し、実際にまだその影響から回復し始めてさえいない。こうした家庭は25年前の同じ条件の家庭と比較して、所得が約15%減少している。
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1972年以降の労働参加率の増減(白人・黒人別、12カ月平均)
 1990年代末までに、米国の労働人口に占める女性の数は劇的に増加した。そのために、米国の就労率全体が押し上げられた。しかし同時に、男性の職離れの度合いも隠されることになった。
 上の図は男女の就労率の変化を示している。ただ、退職者と大学進学者の影響を除くために、25〜54歳についてのみ表示する。このチャートでは、25〜54歳の男性の労働市場における状況は過去数十年間、徐々にだが一貫して不利になっていることが分かる。
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特定産業の総雇用者数の変化(単位は100万人、緑:教育・医療関係、紫:専門職とビジネスサービス、ピンク:小売業、水色:娯楽・接客業、オレンジ:製造業)
 また、50年前には、製造業がまさに米経済の中心で、教育と医療関係、専門職、ビジネスサービス、娯楽・接客、小売りといった全分野を合わせたのとほぼ同じ数の職を占めていた。しかし、1970年代後半以降には製造業の仕事は大幅に減少した(米国の人口全体は引き続き増加したのだが)。
 01年6月には、専門職やビジネスサービスが製造業を上回り、同年10月には医療関係と教育が米国の製造業全体の雇用者数を上回った。02年12月には、小売業の従業員数が製造業を上回り、ついに08年には娯楽・接客業の雇用者数が製造業の雇用を上回った。
 専門職やビジネス、医療関係、教育分野の職では通常、まずまずの給料が支払われるが、こうした職業に就くには過去の製造業の仕事と比べて高い教育が必要になる傾向があり、さらにそれぞれの分野の労働者は働く業界の変更が容易ではない。その一方で、小売業と接客業の仕事は通常、製造業の仕事よりも賃金が低い。
 全ての有権者をみた場合、50年前と比較して生活が向上しているか悪化しているかは複雑な問題だ。しかし経済環境に関して、一部の有権者層では明らかに生活が悪化している。
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一流大学卒業は将来の稼ぎに関係するか?−理系は大差なし
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調査によると、一流大学を卒業している方が将来の稼ぎがいいのは特定の分野だけで、その他の分野ではほどんど変わりがない ILLUSTRATION: STUART BRADFORD
By
ERIC R. EIDE AND MICHAEL J. HILMER
2016 年 2 月 4 日 12:25 JST
 大学を選ぶ際には家族でさまざまなことを検討するが、多くの場合、大学のレベルが高いほど卒業後に高い給与が得られるはずだという論法に基づいて決断が下されている。
 そのため、親は子供を金銭的に許す限り最高の大学に入れることに労力を注いでいる。たとえ今、高い授業料を払うことになっても、その分子供が将来、多く稼げるようになるとの考えからだ。
 しかし、この公式が常に当てはまるとは限らない。また、この公式にやみくもに従うことで、子供に卒業後に必要以上の学資ローン債務を負わせることになりかねない。
 これは、米国の大学生数千人を対象にした調査結果を分析し、彼らの卒業から10年後の所得を確認した上で、われわれが導き出した結論だ。つまり、一流大学を卒業している方が将来の稼ぎがいいのは特定の分野だけで、その他の分野では変わりがないことが分かった。
大学のレベルが関係する分野
 われわれは約7300人の大学生について卒業から10年後を調査した。専攻分野をビジネス、工学、科学、社会科学、人文、教育などに分類し、大学を大きく「難関」「中間」「非難関」の3つのカテゴリーに分けた。難関校にはエリート校とその他の極めて競争率の高い大学が含まれ、非難関校には高校卒業資格を持っていれば誰でも入学できる大学が含まれる。
 STEM(科学・技術・工学・数学)系の専攻者は、大学のカテゴリーによる平均所得の差があまりなかった。例えば、科学専攻者の平均所得は難関、中間、非難関の各大学間で統計上大きな格差は見られなかった。工学専攻者の平均所得も難関と非難関校で大きな違いはなく、難関と中間校の差はごくわずかにすぎなかった。
卒業大学のレベルはキャリアの成功にどの程度影響するのか。米ブリガムヤング大学のエリック・アイデ経済学教授に話を聞いた(英語音声、英語字幕あり) Photo: Getty
 どういうことなのか。雇う側にとっては大学の名声よりも、これら分野で学んだスキルの方が優先されるようだ。これは恐らくカリキュラムが比較的標準化されていて、学生が身につけなければならない共通に認められた一連の知識があるためだろう。そのため、卒業後に高い給与を得るために、できる限りいい大学に行く必要がないのかもしれない(注:家計所得や人種、性別、結婚の有無、大学進学適性試験(SAT)の得点、修士学位、卒業時の年齢といったその他の多くの要因もわれわれは勘案している)。
 各家庭にとっては、こうした所見を理解しておくことが非常に重要だ。なぜなら、一流大学のSTEM系の学位を追い求めることで、子供に不必要に多額の債務を負わせることになりかねないからだ。金銭的支援制度が確かに役立つ場合もあるが、多くの家庭にとって教育費は依然、学校によって大きく左右される。
 とはいえ、STEM以外の専攻分野については所得事情が非常に異なり、どの大学を卒業したかが極めて重要になってくる。
 所得格差が最も大きいのがビジネス専攻者で、難関校の卒業生の所得は中間校の卒業生と比較して平均12%、非難関校の卒業生と比較して18%それぞれ多かった。社会科学専攻者も同様で、選抜校の卒業生の所得は中間校の卒業生よりも11%、非難関校の卒業生よりも14%それぞれ多かった。
 考えられる理由はたくさんある。ビジネス分野では、一流校ほど卒業生の人脈や就職先とのコネが充実している可能性がある。その他の専攻分野では、一流大学ほど学生同士の人脈や学部、大学リソースが優れているほか、少なくとも社会科学と人文については、より良い大学院に入学しやすくなる。理由はどうあれ、これら専攻分野については一流大学の学位を取得する甲斐はあるかもしれない。
数字の追求
 こうした結果から得られる明白で実用的な教訓は、数字を詳しく調べるべきだということだ。大学は各家庭にとって最大の投資の1つになる可能性があるため、子供も親も必要な情報を入手し、そのコストと大学や専攻に応じた将来所得をはじき出してみるべきだ。
 しかし、データは往々にして見た目よりも微妙な差異があるものだ。まず、これら数字は全て平均にすぎないという点だ。つまり、各個人の実際の給与はそれら数字を上回っていたり、下回っていたりする場合があるということだ。
 また、逸失利益の問題もある。専攻を決める際は修了までの期間を考慮すべきだ。専攻によっては学校に通う期間が長くなり、授業料が増える一方で、その分働く期間が短くなり、所得が減る可能性があるからだ。
金銭面以外の問題
 1つ注意すべきは、自分が選んだ大学に入れたとしても、希望の分野を専攻できるとは限らないということだ。大学によっては人気の学部の登録者数が限られている場合があり、入学後にさらに選考過程を経なければならない可能性もある。入学プロセスでは通常、必修科目の成績が大きな部分を占める。したがって、自分の成績を確認し、希望の学部に入れる確率を検討すべきだ。
 さらに、行きたい大学院があり、そこに入学する上で役に立つという理由から学部を選ぶ人も多いだろう。例えば、法科大学院への準備のために教養学部を選ぶ人は、その学部を卒業した場合に得られる可能性のある所得は気にしていない。そのような人は、検討している大学の希望の学部から大学院への入学状況について調べておくべきだ。
 最後に心にとどめておくべきは、金銭的なコストとメリットは子供が背負うことになる負担のほんの一部にすぎないということだ。精神的なコストも考慮すべき場合がある。ほとんどの人は勉強や評価にストレスを感じるものだ。競争率が高い大学ほど、学生の学力は高い。そのため、競争率の高い大学や特に難しい学部では、高校ではクラスの上位にいた人の多くが平均かそれ以下になってしまう。このような状況に適応するのは難しい場合がある。
 一方、人によっては、味気ない金銭的な報酬計算よりも、初めての1人暮らしや大学生活の満喫、新たな人との出会いといった感情的なメリットの方が重要な場合もある。
 結局、大学選びの決め手となるのは各自の適性や興味、嗜好(しこう)だ。しかし、大学が子供の将来にどう影響するかについて現実的な情報を得た上で判断すべきだ。
(執筆者のエリック・アイデ氏は米ブリガムヤング大学の経済学教授。もう一人のマイケル・ヒルマー氏は米サンディエゴ州立大学の経済学教授)
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http://jp.wsj.com/articles/SB12572346946470444848304581519493048124756 


米大統領選の「断層」 誰が勝っても債務は減らず
トランプ氏は19兆ドルに上る連邦債務を8年後には解消できると述べる一方で、巨大な減税計画を提案している ENLARGE
トランプ氏は19兆ドルに上る連邦債務を8年後には解消できると述べる一方で、巨大な減税計画を提案している PHOTO: MIKE GROLL/ASSOCIATED PRESS
By GERALD F. SEIB
2016 年 4 月 12 日 12:41 JST

 米大統領選の共和党候補指名を争うドナルド・トランプ氏は、これまでの反逆姿勢から、より通常型の選挙運動に切り換える努力を始めている。その一環として、中身の乏しい政策提案にもっと肉付けするような真面目なスピーチを検討している。国家債務に関して発信してきた大きく矛盾するシグナルを統合することも挙げられるだろう。

 簡単に言えば、ここには「断層」がある。トランプ氏は、19兆ドル(約2000兆円)に上る連邦債務を8年後には解消できると述べてきた。同時に、巨大な減税計画を提案した。保守的な税制調査団体「タックス・ファウンデーション」によれば、同氏の計画だと、この減税で達成される経済成長を織り込んだとしても、政府歳入は向こう10年間で10兆ドル減少してしまう。

 総合すると、埋め合わせるべき財政の穴はざっと30兆ドルだ。債務はこの間も増え続けるだろうから、実際にはもっと大きくなる。そして社会保障とメディケア(高齢者向け医療保険)には手をつけず、国防を増強するという約束を加味すれば、8年後に債務を解消するという任務は不可能に近い。

 非国防分野の裁量的支出(義務的経費と債務利子支払いを除いた各種プログラム)のための連邦予算総額は現在、年間約6000億ドルとなっている。財政上のこうした穴を埋めるには、この裁量的支出(道路、教育、法執行、そして科学研究向け支出)を25年間にわたってすべて一掃しなければならないだろう。あるいは、それに代わる案としては、超党派の「責任ある連邦予算委員会(CRFB)」が推定したように、社会保障以外のあらゆる政府支出を93%削減しなければならないだろう。

 この「断層」は、2016年の米大統領選が財政赤字と債務という問題に真剣に向き合うのを怠っていることの表れだ。

 議論を一段と進める前に、ちょっとした基礎知識が必要だ。連邦赤字は、連邦政府が歳入を超えて毎年支出するカネの総額だ。この差額を埋め合わせるのが借り入れだ。債務は長年蓄積されたこうした借り入れの総額だ。債務返済には、財政を均衡させるだけではなく、旧債務返済のための黒字を計上することが必要だ。だが、そうした考え方はそれ自体が経済的ショックをもたらすと指摘するエコノミストが少なくない。

 トランプ氏の対抗馬であるテッド・クルーズ上院議員は、この問題に同じような「断層」を持ち込んでいる。トランプ氏より規模が小さいというだけだ。クルーズ氏は、均衡財政を義務付ける憲法修正案を議会で通過させるよう提案している。だが、同氏の経済提案(大型減税、軍事支出の増額、オバマケア税の停止、そして国内支出のずっと小さな削減の組み合わせ)だと、実際には国家債務が向こう10年間にわたって12兆5000億ドル増えるとCRFBは推定している。ちなみに、オバマ大統領の在任中、この債務は約9兆ドル増加した。

 民主党サイドでは、バーニー・サンダース上院議員の案は支出と増税の両面で抜きんでており、債務は増加するだろう。サンダース氏はすべての所得区分で個人所得税も引き上げると提案している。そして54.2%の最高税率を導入し、キャピタルゲイン(資本利得)税を引き上げるという。

 これらはすべて、サンダース氏が提唱する社会保障支出の一部に充当され、連邦支出は推定33%増加する。だが同氏のプランだと、どの程度が最終的にコストに加算されるかで大きく異なるとはいえ、連邦債務がそれでも2兆−15兆ドル増える、とCRBFは推定している。

 債務管理の観点では、オハイオ州知事のジョン・ケーシック氏とヒラリー・クリントン前国務長官が最も責任ある姿勢をとっている。クリントン氏のプログラムでは、連邦支出は推定2%増加し、同氏はそれを賄うため増税を提案している。タックス・ファウンデーションは、クリントン氏の増税案だと連邦歳入は10年間にわたって4980億ドル増えると推定している。ただ同ファウンデーションは同時に、こうした増税は、経済活動を抑圧することによって長期的に国内総生産(GDP)を1%押し下げると予想している。

 これらのことはすべて、大統領選での詳細な論議のための基礎資料とすべきだ。しかし、実際にはそうなっていない。これは、あらゆる政治家によって提出されたプランを真面目に話し合うのを多くの有権者がやめてしまったことも一因だ。誰が彼ら有権者を非難できようか。ワシントンは機能不全の都となってしまった。それは、最も精巧に練り上げられた政策提案でさえ死にゆく場所なのだ。

 かくして、例えばトランプ氏に対して自らの考えを説明させようとする圧力は、最小限にとどまっている。圧力を受けると同氏は、社会保障システムや、その他の分野の無駄を省くことでギャップを埋めるのだと述べている。しかしこのような節減は、赤字と債務削減でざっと30兆ドル確保する必要をみれば、大きく見劣りする。一部のアドバイザーは、連邦資産の売却を提唱したが、米政府の財務諸表によれば、政府の総資産は3兆1000億ドル程度に過ぎない。トランプ氏は、貿易協定を再交渉すれば、赤字が減るだろうと述べているが、貿易からの政府歳入の規模は小さい。

 こうしてみると、歳入増加のためには朗々たる経済成長が残されるだけだ。しかしCRFBは、こうした数々の約束の帳尻を合わせるには現在の成長率の9倍の伸びが必要だと推定している。このような約束は素晴らしい夢だが、恐らくプランとは言えない代物なのだ。

(筆者のジェラルド・F・サイブはWSJワシントン支局長)

ワシントン支局長コラム

トップ候補に落とし穴、ウィスコンシン州予備選
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ケーシック氏、なぜ大統領選離脱しないのか?
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https://si.wsj.net/public/resources/images/BN-NM398_CAPJOU_M_20160411111422.jpg

米利上げが必要な理由=ビル・グロース氏
ジャナス・キャピタル・グループのビル・グロース氏

By LAUREN R. RUBLIN
2016 年 4 月 12 日 08:43 JST
• アンコンストレインド債券ファンド

 ピムコ時代には、かつて世界最大のミューチュアルファンドだったピムコ・トータル・リターン(PTTAX)を運用していたビル・グロース氏であるが、ジャナス・キャピタル・グループでは運用資産13億ドルのジャナス・グローバル・アンコンストレインド・ボンド(JUCAX)を運用している。昨年のパフォーマンスは0.72%のマイナスだったが、今年第1四半期には2.04%上昇し、モーニングスターの非伝統的債券ファンドで上位15%以内に位置している。

 同氏は、金利を低下させ、預金者を傷つけ、経済活性化に失敗している中央銀行の金融政策を快くは思っておらず、米連邦準備制度理事会(FRB)は順調な経済を維持するために今後数年間で利上げしなければならないと語る。

本誌:ジャナスでのこれまでの成果を自身でどのように評価しているか?

グロース氏:ジャナス・グローバル・アンコンストレインド・ボンドの運用を2014年10月6日に開始して以来、Iクラス受益証券(JUCIX)は1.17%上昇しており、モーニングスターの非伝統的債券ファンドのカテゴリーで上位22%以内に入っている。運用では、同じ戦略を維持しなければならず、パニックに陥ってはならない。

Q:ファンドへの資金流入も改善している。それは、あなたのパフォーマンス改善に対する信任か?

A:ファンドへの資金流入は、パフォーマンスと当該資産クラスへの関心という二つの要因の関数だ。後者に関して言えば、ミューチュアルファンド、上場投資信託(ETF)、オルタナティブ資産への関心だ。ミューチュアルファンドへの関心はどん底で、低コストのETFに取って代わられている。また、投資制限のない(アンコンストレインド)債券ファンドは資産クラスとして投資家を失望させてきた。とはいえ、資金が流入に転じたことに満足している。

Q:米国債や社債のポートフォリオ運用後のアンコンストレインド債券ファンドの運用は困難だったか?

A:やりがいのあるものだった。アンコンストレインド債券ファンドの運用は、選択肢が多いだけではなく、多くのリスクを取る必要がある。アンコンストレインド債券ファンドは、金利がいずれは底打ちし、債券が相応のリターンをもはや提供しないという考え方を基に、6〜7年前に誕生した。これらのファンドはこの概念に基づいて、デュレーションの観点では比較的ニュートラルだ。デュレーションが最小限になっている限りにおいて、クレジット、ボラティリティ、通貨、流動性などの他のリターン要素をより重視できる。

Q:ジャナス・グローバル・アンコンストレインド・ボンドで重視していることは?

A:まず、現金のリターンがゼロであるという前提から始める。ゼロから始めて年率4%や5%のリターンを目指すのであれば、レバレッジをかける必要がある。ファンドのポジションはボラティリティに関係している。ボラティリティは、リターンに対してリスクが最も低い。

 各国中央銀行による数年間の金融緩和は、大半の先進国で金利が狭いレンジで推移することを意味し、ボラティリティの売りがリターンを生み出す機会を提供する。米国10年債を買えば利回りは1.9%だが、10年債の3カ月のコールまたはプットを20ベーシスポイント(bp)で売れば、年率リターンは6%になる。

Q:ファンドの構造は?

A:ファンドの骨格に相当する部分は、12〜18カ月の満期で信用格付けがBBBの社債で、利回りは約2%だ。現金全額をこの部分に投資する。リターンを高める部分はデリバティブで構成される。

Q:証券取引委員会(SEC)がミューチュアルファンドにおけるデリバティブの利用を規制しようとしている。

A:ジャナス・グローバル・アンコンストレインド・ボンドのレバレッジは平均約150%で、SECのガイドラインの範囲内と理解しているが、今後どうなるかは分からない。

• 低金利に反対

Q:経済を繁栄に導いた古典経済モデルに対して金融政策が及ぼした害をイエレンFRB議長などが無視していると、あなたは書いているが?

A:過去40年以上にわたって、各国中央銀行は好き勝手に紙幣を増刷している。住宅ローン、企業債務および政府債務を含む米国の債務残高は、私がピムコを創設した1971年には1兆ドルだったが、今や58兆ドルに及ぶ。債務の増加は、その初期には非常に生産的だ。例えば、住宅ローンの証券化で金利が低下して、人々が家を持てるようになった。しかし債務は今や飽和状態に達している。

 58兆ドルは、債務をこれ以上増やせない水準とは言えないが、今後の債務の増加分の効果はますます低下するだろう。

 各国中央銀行は、インフレを抑制するために利上げし、景気を活性化させるために利下げするという古典的な経済モデルが依然として有効だと考えているが、過去5年間、または日本の過去15〜20年の経験は、有効でないことを示している。

Q:では、われわれの経済には何が残されているのか?

A:金融先進国では全体として、金利のゼロ近辺までの引き下げが悪影響を生み出している。その好例は、保険会社や年金基金のビジネスモデルだ。保険会社には長期債務があり、死亡保険金は保険料が生み出す利子収入に頼っている。金利がゼロ近辺まで低下した段階で、そのモデルは崩壊した。

 また、退職後や子供の学費のために貯蓄している両親を考えてほしい。彼らは、株式や債券の過去の約8%のリターンを前提としている可能性があるが、金利がゼロでは貯蓄が崩壊する。貯蓄によって投資が可能になり、投資が成長を生み出すという意味で、貯蓄は資本主義の根幹だ。

Q:景気後退が差し迫っていると示唆しているのか?

A:そうではなく、経済成長率が非常に低いと見込んでいる。経済成長率は、米国では3%ではなく2%で、ユーロ圏では2%ではなく1%強。日本はとにかくプラスの成長を望んでいる。

 各国政府および中央銀行は、最低限の経済成長に加えて見掛け上のインフレを望んでいる。インフレは、積み上がった債務問題から抜け出すための一つの手段だ。しかし、ゼロ金利では、企業や家計がリスクを取っても割に合わないと考えているため、それは機能していない。

 マイナス金利の環境では、銀行や大手保険会社は中央銀行に預けて50bpの金利を支払う以外に選択の余地はない。一方で、個人が現金を手元に置くようになれば、仕組みが崩壊する。銀行は預金がなければ貸し出せない。

Q:仮に、FRB議長に任命されたとしたら、どうする?

A:その質問は実際には、現状の打開策は何かという質問だ。答えは、利上げして貯蓄機能を元に戻すことだ。FRBはイールドカーブの正常化を口にするが、急速には元には戻せない。12月の25bpの利上げはドル高につながり、新興国経済にとって打撃となった。

Q:FRBは今年利上げするか?

A:株式市場が容認する限りにおいて、利上げするだろう。FRBは2年か4年の間に金利を正常化しなければならず、できなければ国内外の経済が機能しなくなるだろう。現在の環境では、金利正常化とは、2%のフェデラルファンド(FF)金利、3.5%の10年債利回り、4.5%の住宅ローン金利を意味する。その過程で、住宅価格上昇が止まるなどの痛みも当然伴うだろう。FRBは緩やかな利上げを強いられている。

Q:2016年末の10年債利回りの見通しは?

A:現状に近いと予想している。FRBによる年内の1回または2回の利上げを予想しており、そうなればFF金利は1%になる。インフレ率が2%またはそれ未満であれば、1%のFF金利に対して1.90%の10年債利回りは妥当だ。FRBが利上げすれば、ユーロや円も安くなり、欧州と日本の金利がマイナスになる必要はない。

Q:5年後、10年後の世界経済の見通しは?

A:世界の経済成長率にとって人口動態が構造的問題だ。先進国は高齢化しており、ベビーブーマーの高齢化によって彼らの消費が減少する。しかし資本主義は消費の永遠の拡大を前提にしている。

 もう一つは、グローバル化に反する流れだ。ドナルド・トランプ氏はメキシコ人を締め出すための壁を築こうとしており、欧州各国は移民を締め出す方策を考えている。ラリー・サマーズ元財務長官は、持続的な景気低迷について語った。3%や4%という経済成長は過去のものとなった。

• 投資対象

Q:低い債券利回りと鈍い経済成長率の環境で、投資家はどうすれば成功できるのか?

A:低金利環境では、企業は投資するよりもむしろ借り入れる。一つの手段は、買収側企業が借り入れを行っている合併における裁定機会に投資することだ。バークシャー・ハサウェイ(BRKA)が資本財企業のプレシジョン・キャストパーツを買収した際に、ジャナス・グローバル・アンコンストレインド・ボンドは買収完了前にプレシジョン・キャストパーツを購入した。買収発表から完了までの間に1株当たり3〜4ドルを稼いで、4〜5%のリターンを上げた。

 また、ベルギーのビール大手アンハイザー・ブッシュ・インベブ(BUD)は同業のSABミラー(SAB.英国)の買収を計画している。アンハイザー・ブッシュ・インベブは約500億ドルの社債を発行しており、買収は年内に完了する見込みで、現在の42ポンドの株価と買収価格である44ポンドの差額に加えて、配当も獲得できる。

Q:合併裁定は、完了前の破談の可能性を考慮すると、とても安全には見えないが?

A:無リスクであった試しはない。しかしだからこそ、ウォーレン・バフェット氏やアンハイザー・ブッシュ・インベブのように、買収に向けて多額の負債を調達した企業の側に付くのだ。

 借り入れに投資するもう一つの手段は、既に述べたような10年債のプットとコールの売りだ。3番目の手段は、クローズドエンド型ファンドの買いだ。大半のクローズドエンド型ファンドは借り入れによって、資産に対して35〜50%のレバレッジをかけている。LIBOR(ロンドン銀行間取引金利)で借り入れて、利回りが比較的高い地方政府債などに投資している可能性がある。地方政府債に投資するクローズドエンド型ファンドは純資産価値に対して6〜10%のディスカウントとなっており、そこから始めてレバレッジをかければ、無税で5〜6%のリターンが得られる。レバレッジにリスクはあるが、低金利が続けば問題になる公算は小さい。


Q:好んでいるクローズドエンド型ファンドは?

A:ヌビーン・プリファード・インカム・オポチュニティーズ(JPC)は銀行の優先株に投資しており、純資産価値に対して6%のディスカウントとなっている。現在の利回りは8.5%。ダフ・アンド・フェルプス・グローバル・ユーティリティ・インカム(DPG)は、世界の公益銘柄に投資するファンドで、純資産価値に対して14%のディスカウントで、利回りは9.2%だ。

 他人に借り入れさせるという別な例は、エージェンシー不動産投資信託(REIT)市場の大手アナリー・キャピタル・マネジメント(NLY)だ。同社と同業のアメリカン・キャピタル・エージェンシー(AGNC)は借り入れを翌日物レポに頼っている銀行のようなREITだが、レバレッジは4倍で銀行よりも低く、政府保証の住宅ローンに投資している。利回りは約11%だ。

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ピムコが開示したグロース氏の手書きの辞表
https://si.wsj.net/public/resources/images/BN-NM209_0411_b_NS_20160410212135.jpg


米国経済、少なくとも3年は拡大続く
By SONIA TALATI
2016 年 4 月 12 日 08:39 JST
•米国の景気拡大は過去最長の更新に向かう

 バンク・オブ・アメリカのプライベートバンキング部門であるUSトラストのキース・バンクス社長は米国経済を、前進を阻む逆風と、緩やかなペースであってもそれに逆らって進むことを可能とする追い風に挟まれた自動車に例えている。ここに見落とされているポイントがある。つまり、赤信号は見えないということである。バンクス氏によると、米国経済は少なくとも今後3年は年間2%で成長し、2001年に記録した10年間という景気拡大の最長記録を塗り替えることが期待できる。

USトラストのキース・バンクス社長

 バンクス氏はさらに、中国がハードランディングを回避し、欧州と日本の経済が今年は1〜2%成長になると予想している。バンクス氏の富裕顧客もその見方に賛同しているようであり、過去数カ月に景気後退に向けたポジションから、「待ちながら利益を上げる」戦略に切り替えつつある。バンクス氏は、このサイクル中間の時期は見通しが不透明で、投資家はもう大丈夫であるか、まだであるかを確認しようとして日々のデータを追いかけて、それに過剰反応するリスクがあるため、注意する必要があるとしている。

•好配当株が中心

 バンクス氏は、投資家にとって唯一の賢明な方策は、長期的な資産配分戦略を取り、市場のボラティリティに対処するために必要に応じて戦術的なリバランスを行うことだと指摘する。バンクス氏は大型株、高配当株、そして成長の見通しが有望な製薬、情報技術、金融、エネルギー企業の株式を推奨している。「ポートフォリオが配当のよい株と、配当が増加している株で構成されていれば、ボラティリティの高い期間でさえ利益を上げることができる」とバンクス氏は述べている。2016年にこれに当てはまる株としてはブラックロック(BLK)やボーイング(BA)などを挙げることができるかもしれない。バンクス氏はまた、この低成長下においては利益率が圧縮される可能性があり、利益成長率は4〜5%のレンジを予想している。同氏の今年のS&P500指数の目標は2100、予想1株当たり利益(EPS)は約124ドルである(昨年は120ドル)。

 債券に関しては、バンクス氏は長期と短期を買い、中期セクターを避けるバーベル・アプローチを推奨している。本誌のアミー・ストーンによると注目に値する高格付け社債はエクソンモービルの30年債(表面利率4.1%)および同10年債(3%)である。バークシャー・ハサウェイも先月10年債(3.1%)を発行している。バンクス氏は、市場の状況の変化に応じて慎重なリバランシングを行えば、これらの長期債券によってポートフォリオを着実なプラスのリターンに復元できるとしている。

 オルタナティブ投資に関しては、ロング/ショートのヘッジファンドにとってよい時期であると言える。ただし、ハイイールド債、大半のコモディティー、新興国は避けるべきである。中国の減速によって、コモディティーの好況期は完全に終わっており、新興国は依然としてきりもみ状態である。

 それでは米国の国内問題はどうであろうか。バンクス氏は、選挙戦の過熱に伴って、投資家は神経に触る、不確実な市場の挙動を予期する必要があると警告している。ただし、それでも経済は過去最長の景気拡大を実現するとみている投資家にとっては、その動揺でさえも最後にはプラスになる可能性がある。
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ドイツのECB批判が的外れな理由
ドイツのショイブレ財務相(ベルリン、3月23日)
By RICHARD BARLEY
2016 年 4 月 12 日 12:24 JST

 ドイツは欧州中央銀行(ECB)と見苦しい舌戦を繰り広げている。だが、批判の矛先は米連邦準備制度理事会(FRB)など他へ向けた方が良いし、自らの行動についても考えるべきだ。

 ドイツが債券買い入れやマイナス金利といったECBの政策に反対しているのは誰もが知るところだ。とはいえ、同国のショイブレ財務相の最近の発言は、各国政府はECBに金融緩和政策の撤回を促すべきだという主張など、歯に衣着せぬ物言いが目立つ。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、追加刺激策は必要ないというドイツ財務省の経済・財政政策戦略国際経済・金融局長、ルドガー・シュークネヒト氏の寄稿も11日に公表している。

 世界中で展開されている超緩和的な金融政策への懸念が、特に金融安定性へのリスクという点でもっともなのは疑う余地もない。極端に低い金利はほぼ確実に不適切な資本配分につながり、将来的に問題を引き起こす。マイナスの金利や債券利回りは未知の領域への第一歩だ。

 そうは言うものの、欧州を筆頭に世界各地で中央銀行は景気回復支援の責任の大部分を背負わされている。ECBのただ一つの責務は物価安定で、しかもインフレ率はECBの目標に達していないため、ECBは行動を迫られている。一方、ECBは持続可能な経済成長を促進する措置を講じるよう各国政府に絶えず働き掛けてきたものの、域内債務危機で政策変更を余儀なくされた国々を除き、ECBの再三の要請は無視されている。景気浮揚策が必要という点ではドイツ自身も全く例外ではない。経済協力開発機構(OECD)は先週、ドイツ政府に対し投資拡大と生産性向上の推進を求めた。

失業率(緑=ドイツ、青=ユーロ圏)

 その上、ドイツは明らかにECBの政策の恩恵を受けている。失業率は極めて低く、同国政府は事実上コストゼロで借り入れができる(ドイツ国債の30年物利回りは直近で0.76%)。そしておそらく賃上げも期待できるだろう。

 賃金の上昇見通しはインフレ懸念を生むかもしれない。特に貯蓄のある人たちはゼロ金利を不当な仕打ちと感じており、インフレが心配なはずだ。だが、これはユーロ圏のリバランス(再調整)の中で欠かせない行程の一つで、通貨同盟の一員である限り避けられないものだ。金融危機前には、「欧州の病人」と呼ばれていたドイツは経済再建を目指して改革に着手していたが、南部の欧州諸国にとって当時のユーロ圏の金融政策はほぼ間違いなく緩和的過ぎた。現在は立場が逆になった。

 一方、ECBは世界の金融政策と関係なく行動することはできない。中でも米連邦準備制度理事会(FRB)に関しては、ドイツの懸念は妥当かもしれない。ECBは米金利の上昇で追加緩和の必要性がいくらか後退することを期待していたが、FRBの政策は依然として極めて緩和的なものにとどまっているため、他の中銀は一段の緩和に動かざるを得なくなっている。FRBが不安定な景気回復やドル高など独自の難題を抱えているのは明らかで、中銀を取り巻く環境が厳しいことも分かるが、やはりドイツのアプローチは不安を覚えるほど消極的に映る。

 中銀は自ら経済成長を押し上げるべきではなく、そうすることもできないというドイツの主張は正しい。だが、どうせ同じ労力を費やすのなら、ECBを攻撃するのではなく率先してさらなる改革の模範を示した方が良い。

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中銀の緩和策、出口へ促すべき=ドイツ財務相
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中国、ゾンビ企業一掃機会を逃す
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上海の金融街(2013年10月) PHOTO: AGENCE FRANCE-PRESSE/GETTY IMAGES
By
ANJANI TRIVEDI
2016 年 4 月 12 日 11:16 JST
 デフォルト(債務不履行)の波が押し寄せると、通常は大規模な浄化が始まる。体力の弱った企業は一掃され、過剰債務を抱えた企業が白日の下にさらされる。中国で最近相次ぐデフォルトの事例は、政府がそれほど重要ではないと判断した企業の一覧表にすぎないのかもしれない。
 中国では今年、上場社債のデフォルト件数が既に15年通年の件数に並んだ。企業のデフォルト(と恐らくは再編)容認は、企業再編を通じて特に鉱工業が抱える過剰設備を減らす公約を中国政府が果たすという明るい兆しかもしれない。
 ただ、政府は不良債権を一掃するために抜本策を講じるどころか、それを金融システムの別のポケットに押し込んでいるようだ。これまでの数年間は、債券保証会社、地方政府、親会社のいずれかが救済されてきた。大手鉄鋼メーカーの渤海鋼鉄集団は、同社を所有する地方政府が債権者委員会を設置した。債務再編に向けた一歩となりそうだが、現時点ではまだ何も決まっていない。
 政府は「ゾンビ」企業を退場させると公約しているが、その扱いは平等ではないようだ。東北特殊鋼集団やシ博宏達鉱業といった中堅企業は債務不履行となったが、救済計画がまとめられる様子はない。一方、国有の中国中鋼集団は社債の償還期限を少なくとも5回延長することができた。そのため中国の再編プロセスは、経営難の企業を破綻させるべきか、あるいは事業継続には財務状況を改善するだけで足りるかを区別できないというリスクがある。
 こうした矛盾に加え、債権者である銀行のデット・エクイティ・スワップ(DES、債務の株式化)を認めることで、過剰設備を抱え経営難に陥った大手企業を救済する計画がある。造船会社から原油輸出会社に転じた中国華栄能源の取締役会は3月末、27億ドルの債務を株式に転換する計画を承認した。転換後の同社株はDESを通じた株式が約90%を占めることになり、破綻時期を先送りしただけとも考えられる。
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2016年の中国企業のデフォルト規模(単位:10億元)
 ゾンビ企業が同じ条件で破綻するのを認めなかったことは、投資家がリスクの真贋(しんがん)を見分ける基準がないということだ。まずはどこに注目したら良いかもはっきりしない。こうしたほころびが現れ始めているにもかかわらず、約8兆ドル規模の中国債券市場は活況に沸く。過去1年に利回りは大幅に低下(価格は上昇)した。国内の投資家層は良い企業と悪い企業を区別することに無関心なようだ。この数カ月はデフォルトが相次ぐ一方で、スプレッドの拡大は小幅にとどまる。
 中国企業のバランスシートは今後も試練にさらされる見通しで、引き続きデフォルトの発生が見込まれる。だが、債務の一掃にいいかげんな姿勢で取り組んでいる限り、その結末も中途半端なものに終わりそうだ。
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中国経済、明るい兆しあるが下振れ圧力残る=李克強首相
中国の李克強首相
By GRACE ZHU
2016 年 4 月 12 日 12:41 JST
 【北京】中国の李克強首相は11日、中国経済は今年初めの数カ月こそ明るい兆しが見られたが、強い逆風にさらされていることに変わりはなく、安定的な成長を支えるには供給側の構造改革が必要との見方を示した。

 李首相は地方政府の首長らとの会合で、地方政府は特に中小企業の支援を目的とした減税の実施や行政手続きの簡素化を続けるべきだと述べた。

 また、鉄鋼・石炭産業の過剰設備削減やデット・エクイティ・スワップ(DES、債務の株式化)を活用した企業債務の削減支援に取り組む必要があるとの考えを繰り返した。

 さらに、市場には潤沢な流動性があるとし、金融部門は実体経済により貢献するはずだと述べた。

 中国の2015年の経済成長率は6.9%と、25年ぶりの低水準に減速した。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が14人のエコノミストを対象に行った調査では、今年1-3月期の成長率は6.7%との見方が中心となっている。中国国家統計局は15日に1-3月期の国内総生産(GDP)を発表する見通し。

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FRBの警戒姿勢、4つの発言から読み解く 
By AMEY STONE
2016 年 4 月 12 日 14:55 JST
 ロイヤルバンク・オブ・スコットランド(RBS)のチーフ米国エコノミスト、ミシェル・ジラード氏は11日付のリポートで、米連邦準備制度理事会(FRB)幹部が3月中に行った「リスク」に関する発言を集めてみた。これら全てを踏まえると、FRBはわれわれが知らない何かをつかんでいるのではないか、と投資家がいぶかるには十分だ。

 ジラード氏が言及した4つの発言を以下に挙げる。

 ブレイナード理事は3月7日、「金融状況の引き締まりとインフレ期待の後退はインフレと国内活動の下振れリスクとなるかもしれない。リスク管理の観点から、見通しがより明確になるまで忍耐強さが求められる」と述べた。

 イエレン議長は3月16日、連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見の冒頭説明で、「短期金利がなおゼロ近辺にあるということは、金融政策は見通しが下振れた場合より上振れた場合の方が対応余地が大きいという意味であるため、(金融緩和政策の解除を)慎重に進めることが(中略)適切だ」と述べた。

 議長は3月29日にニューヨーク経済クラブで行った講演では、「委員会は政策調整を慎重に進めることが適切だと考える。フェデラルファンド(FF)金利があまりにも低く、経済に混乱が生じた場合にFOMCが伝統的な金融政策で対応する能力が非対称となっているため、こうした慎重さは特に正当化される」と語った。

 ニューヨーク連銀のダドリー総裁は3月31日、金利がゼロにかなり近い場合は「方向転換する余地があまりないため」、利上げはリスクを伴うと認めた。また、リスク管理の観点から「極めて慎重かつ段階的」に利上げを行うことが望ましいと述べた。

 ジラード氏は、FRBが何を警戒しているかは分からないが、何か具体的な要因を懸念しているようだとし、「FRB(あるいは、少なくともFOMC執行部)の反応関数に生じたと思われる重大な変化には、より大きな懸念材料が寄与したのではないかと考えずにはいられない」と指摘した。

 ジラード氏はFRBが年内に2回(恐らく6月と12月)利上げするとの見方を変えていないものの、予想時期を先送りする可能性をほのめかしている。

 同氏は、利上げよりも政策金利据え置きの方がイエレン議長の理解を得やすいとの見方を示した上で、「米経済の見通しが当行の予想通りに展開したとしても、イエレン議長が利上げ見送りを選ぶ可能性は排除できない」と結論付けている。

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米利上げが必要な理由=ビル・グロース氏
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焦点は日銀の緩和手段、量や金利に加えヘリコプターマネーの声も
日高正裕、藤岡徹
2016年4月12日 06:00 JST 更新日時 2016年4月12日 09:06 JST

「ETFなど市況対策に近い質に焦点を当てたものに」と六車氏
根強い長期国債買い入れの限界論−日銀OBの岩田氏、白井氏

急速な円高の進行を受けて、日本銀行が27、28日開く金融政策決定会合で追加緩和に踏み切るとの見方が広がり始めている。
  ドル円相場は7日の海外市場で一時、1年5カ月ぶりとなる1ドル=107円台まで円高が進行。2014年10月の追加緩和後に進んだ円安が帳消しとなった。その後いったん108円台に戻したものの、12日の東京市場では再び107円台で推移している。
  日銀がいずれかのタイミングで追加緩和に動く場合、その手段は何か。長期国債やリスク資産の買い入れ拡大、マイナス金利の引き下げに加えて、中には国民に直接お金を配るヘリコプターマネーを発動し大胆な財政出動とセットにした政策の展開を見込む向きもある。
リスク資産
  クレディ・アグリコル証券の尾形和彦チーフエコノミストは11日のリポートで、日経平均株価が先週、節目の1万6000円を割り込んだことを受け、これまで6月としてきた追加緩和予想時期を4月に前倒しした。手段については、実務上の問題などからマイナス金利を拡大するのは時期尚早とした上で、株式などリスク金融資産の買い入れを拡大するしか選択肢はないと指摘する。
  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の六車治美シニアマーケットエコノミストも8日付のリポートで、これまでリスクシナリオとしていた4月緩和をメーンシナリオに変更。手段としては量、質、金利の3次元のうち、「マイナス金利が不評で目先を変える必要がある」ことから、指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れ拡大など、市況対策に近い「質」に焦点を当てたものになるのではないかとみる。
長期国債
  長期国債の買い増しについては限界に近づいているとの見方が絶えない。黒田東彦総裁はマイナス金利導入直後の2月3日の講演で、「量・質・マイナス金利の3つの次元のすべてで緩和手段を駆使することによって、金融緩和を進めていく」と述べ、長期国債の買い入れもまだ拡大できるとの見解を示した。
  しかし、元日本銀行副総裁の岩田一政・日本経済研究センター理事長は4日のインタビューで、長期国債の買い入れは17年半ばには限界が来るとみている。日銀が昨年12月に導入した量的・質的金融緩和の補完措置を考慮しても「結論は変わらない」という。
  3月で審議委員を退任した白井さゆり慶応義塾大特別招聘教授は8日、退任後初のインタビューに応じ、日銀が金利下限を設けずどんな価格でも買う姿勢をみせていることから、「ある程度の期間はできるかもしれない」としながらも、黒田総裁の残り任期である2年間にわたって「継続することが難しくなる可能性がある」と述べ、買い入れの拡大には「非常に慎重さが必要だ」と語った。
マイナス金利
  日銀はマイナス金利の拡大もいとわない、との見方もある。SMBC日興証券の牧野潤一チーフエコノミストは6日付のリポートで、「日銀政策には限界論も聞かれる」ものの、日銀がマイナス金利の0.1%引き下げ、長期国債の10兆円買い増しなど3次元緩和を行えば、ドル円相場は5円程度円安になると試算。「マイナス金利は為替市場には有効である」と指摘する。
ヘリコプターマネー
  一方、オックスフォード・エコノミクスのエコノミスト、マイケル・テイラー氏は7日付のリポートで、年内にマイナス金利の0.5%への拡大と金融資産購入の80兆円から100兆円への拡大を予想しているが、「それでは十分ではなく、たとえばヘリコプターマネーといった、もっと過激な政策が必要かもしれない」としている。
  日銀の金融緩和の手段としてヘリコプターマネーが取りざたされる背景には、欧州での議論の高まりがある。欧州中央銀行(ECB)は3月10日にマイナス金利を0.4%に引き下げるなど追加緩和に踏み切ったが、ドラギ総裁の会見ではヘリコプターマネーについても質問が出た。
  みずほ銀行の唐鎌大輔チーフマーケットエコノミストは3月11日のリポートで、「このような質問は一笑に付されるのかと思いきや」、ドラギ総裁はそうした手段は考えていないと言いつつも、「意外に真面目な返答を行っている」と指摘。「全否定ではないという雰囲気に意外感を覚えた」という。
  唐鎌氏はその上で、「今回のECBの決定や1月末の日銀の決定を見る限り、金融政策で通貨安誘導を行い、景気を刺激する経路に限界が見え始めているようにも思われる。次の展開としてのヘリコプターマネー(財政ファイナンス)の実現が、何らかの形で実現するのではないかという点に関し、注意深くウォッチしていきたい」としている。
ミスリーディング
  ドイツ証券の松岡幹裕チーフエコノミストは3月4日のリポートで、世界では金融緩和策も尽き財政政策を発動させるべきだという議論がまた出始めていると指摘、その中でより斬新的なアイデアとして議論されているヘリコプターマネーは「とてもミスリーディング」だという。松岡氏はヘリコプターマネーを「金融政策による財政赤字のファイナンス」と定義した上で、「すでに多くの先進国で量的緩和(QE)を通じて発動されているではないか。『何を今さら!』というのが率直な意見である」としている。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-11/O5GPM46S972D01

#追加緩和確率は大分下がった


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