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日銀資金需要調査 マイナス金利の効果で格差 個人は大幅改善、企業は悪化(SankeiBiz)
http://www.asyura2.com/16/hasan107/msg/726.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 4 月 22 日 14:05:00: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

日銀資金需要調査 マイナス金利の効果で格差 個人は大幅改善、企業は悪化
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160421-00000017-fsi-bus_all
SankeiBiz 4月22日(金)8時15分配信


 日銀が21日発表した4月の主要銀行貸出動向アンケートによると、個人向けの資金需要判断指数(DI)はプラス9と前回1月調査のマイナス1から大幅に改善した。日銀のマイナス金利政策による住宅ローン金利の低下が個人の資金需要を刺激した。一方、企業向けは3ポイント悪化しており、マイナス金利の効果は個人と企業で差が出た形だ。

 資金需要判断DIは貸出需要が「増加した」と回答した金融機関の割合から「減少した」と回答した割合を引いた値。個人向けのうち、住宅ローンはマイナス4からプラス4に改善した。「貸出金利の低下」「住宅投資の拡大」との理由が目立った。

 企業向けDIはプラス8からプラス5に悪化。大企業向けはプラス8からプラス5、中小企業向けはプラス5からプラス4にそれぞれ悪化した。「設備投資の減少」や「手元資金の取り崩し」を指摘する声が多かった。

 トムソン・ロイター・マーケッツが同日発表した4月のロイター企業調査でも、企業によるマイナス金利政策への「アレルギー反応」が目立った。

 それによると、マイナス金利幅の拡大には78%の企業が反対。2016年度設備投資計画に対する資金調達コスト低下の寄与度を尋ねたところ、「無関係」との回答が65%を占めた。「設備投資拡大など景気浮揚に結びつかず、逆に運用収益減の悪影響がある」(食品)などの反対意見があった。

 

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1. 2016年4月22日 14:25:26 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[440]

日経平均上げ一時200円に迫る、日銀政策思惑で荒さ−金融株が高い
佐野七緒
2016年4月22日 08:04 JST 更新日時 2016年4月22日 14:03 JST

22日午後の東京株式相場はプラス転換した後、日経平均株価の上げ幅は一時200円に迫った。来週開かれる日本銀行の金融政策決定会合をめぐる思惑が交錯しており、先物主導で値動きは荒い。根強い追加金融緩和期待を背景に銀行や保険、証券など金融株、不動産株が上昇基調を強めた。ドル・円相場も一時、およそ2週間ぶりとなる1ドル=110円台まで円安に振れた。
  午後1時57分時点のTOPIXは前日比6.20ポイント(0.4%)高の1399.88、日経平均株価は96円89銭(0.5%)高の1万7460円51銭。日経平均は朝方に一時171円安まで売られた後は下げ渋り、午後1時30分以降に上昇基調を強めると、199円高まであった。
  ブルームバーグがエコノミスト41人を対象に15−21日実施した調査では、27ー28日の会合で日銀が追加緩和を行うとの予想は23人(56%)だった。直前の予想では、量的・質的緩和が導入された2013年4月3日会合(100%=対象13人)以降で比率は最も高い。緩和手段としては金利・量・質の3次元のうち、質の拡大を見込む向きが多く、指数連動型上場投資信託(ETF)の買い入れを10兆円追加するとの見方も出ている。
  また、金融機関が資金を預ける当座預金の一部に適用しているマイナス金利について、日銀は金融機関に対する貸し出しについてもマイナス金利の適用を検討する案が浮上している、とブルームバーグ・ニュースが22日午後に報じた。
  ソシエテジェネラル証券の杉原龍馬株式営業部長は、「日銀の追加金融緩和への期待が盛り上がってきており、売り込みにくく、金融関連が戻っている」と指摘。連騰後の水準訂正を朝方にこなした後は、「これまで買えていなかった投資家が入ってきている。短期的にはセンチメントは強い」と話していた。
  米国での在庫増加が嫌気され、21日のニューヨーク原油先物は2.3%の1バレル=43.18ドルと5カ月ぶり高値から反落したが、アジア時間22日の時間外取引では反発。ドル・円は午前の取引で、前日の日本株終了時点の109円67銭に対し円高水準で推移していたが、午後は6日以来となる110円台の円安水準に乗せた。
  東証1部33業種は銀行、保険、証券・商品先物取引、不動産、海運、鉱業、鉄鋼、その他金融、輸送用機器が上昇。小売やその他製品、食料品、電気・ガス、水産・農林、化学、医薬品、繊維は下落。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-21/O609NL6JTSER01



ドル・円一時110円回復、金融機関貸し出しにマイナス金利を日銀検討
小宮弘子
2016年4月22日 10:50 JST 更新日時 2016年4月22日 14:07 JST

109円台前半から一時110円19銭と6日以来の水準まで円安進む
110円台を維持できるかどうかが日銀会合に向け鍵に−しんきんAM

22日の東京外国為替市場では、ドル・円相場が午後に入り一時1ドル=110円台を回復している。日本銀行が金融機関に対する貸し出しに対しても、マイナス金利を適用することを検討する案が浮上しているとのブルームバーグの報道を受けて円売りの動きが強まっている。
  ドル・円相場は一時1ドル=110円19銭と6日以来の水準までドル高・円安が進行。午後2時5分現在は109円97銭前後となっている。報道の直前は109円台前半で推移していた。円は主要16通貨に対してほぼ全面安となっている。
  日銀は成長基盤強化と貸し出し増加に向けた取り組みを支援するため、貸出支援基金を設けて金融機関に対して現在0%で資金供給を行っている。複数の関係者によると、今後、日銀当座預金の一部に適用している0.1%のマイナス金利(政策金利)を拡大する際は、市場金利のさらなる引き下げを狙って、貸出支援基金による貸出金利をマイナスにすることを検討する可能性がある。
  しんきんアセットマネジメント運用部の加藤純主任ファンドマネージャーは、「ドル・円は日銀の観測報道を受けて上昇。来週に向けた期待が高められてドル・円は押し上げられた形」と説明。「この報道を受けて、110円50銭程度まで上昇する可能性はあるが、そのまま110円台を維持できるかどうかが来週の日銀会合に向けた相場を考える上で鍵になりそうだ」と言う。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-22/O60HI06JTSE801

日銀:金融機関への貸し出しにもマイナス金利検討−関係者
日高正裕
2016年4月22日 13:30 JST

当座預金のマイナス金利を拡大する場合にセットで
金融機関への補助金との批判リスクもあり慎重に検討へ

日本銀行は金融機関が資金を預ける当座預金の一部にマイナス金利を適用しているが、金融機関に対する貸し出しに対しても、マイナス金利を適用することを検討する案が浮上している。
  日銀は成長基盤強化と貸し出し増加に向けた取り組みを支援するため、貸出支援基金を設けて金融機関に対して現在0%で資金供給を行っている。複数の関係者によると、今後、日銀当座預金の一部に適用している0.1%のマイナス金利(政策金利)を拡大する際は、市場金利のさらなる引き下げを狙って、貸出支援基金による貸出金利をマイナスにすることを検討する可能性がある。
  複数の関係者によると、これにより市場金利の一層の低下を促し、経済全体を押し上げる効果が見込まれる。一方で、マイナス金利での貸し出しは金融機関への補助金ではないかという批判を招くリスクがあるほか、金利全般の低下により収益悪化懸念が強まっている金融機関にとっては、企業から一段と低利での貸し出しを求められる可能性もあるため、日銀は導入の是非を慎重に検討する方針という。
6割が追加緩和予想もマイナス金利拡大は困難か
  日銀は27、28日に金融政策決定会合を開く。エコノミスト41人を対象に15−21日実施した調査で、追加緩和予想が23人(56%)と、量的・質的緩和が導入された2013年4月3日会合以降では最も高くなった。手段については、マイナス金利に対する国民の不安感や、日銀の当座預金へのマイナス金利適用でコストを負担する金融機関の反発もあり、マイナス金利の拡大は困難との見方が強い。
  BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは「今会合での追加緩和の有無とは別に、熊本地震を受けて、被災地の金融機関を対象に何らかの支援策が実施される可能性は高い」と指摘。具体的には「復興資金をマイナス金利で供給する、あるいは、実質的に同じことだが、復興資金をゼロ金利で貸し出し、それに見合う分の当座預金に対して0.1%の付利を与えるといった可能性が考えられる」という。
  河野氏は「将来的には、被災地に限らず、貸し出し増加支援策として、こうした政策がとられる可能性もある」とみている。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-22/O60OA16S972C01



Business | 2016年 04月 22日 12:19 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
日銀会合、エコノミスト10人中7人が資金供給量・金利据え置き予想

[東京 22日 ロイター] - ロイターが民間エコノミスト予測を集計したところ、27─28日に開かれる4月の金融政策決定会合について、10人中3人が資金供給量(マネタリーベース)の拡大やマイナス金利の強化を予想していることが分かった。7人は資金供給量と金利の据え置きを予想している。

伊藤忠経済研究所と三井住友アセットマネジメントは資金供給量(マネタリーベース)の年間増額目標を従来の80兆円から90兆円に引き上げると予想。UBSはマネタリーベースを100兆円に引き上げるとともに、金融機関が日銀に資金を預ける当座預金の一部に付与されるマイナス金利を現在の0.1%から0.3%に引き下げるとみている。

*見出しおよび本文の表現をより明確にしました。また、集計したエコノミストの人数を10人に増やしました。

(竹本能文)
http://jp.reuters.com/article/boj-forecast-idJPKCN0XJ08X


6割近くが追加緩和予想、ETF10兆円追加との見方も−日銀サーベイ
日高正裕、ジェームズ・メーガ
2016年4月22日 10:00 JST

黒田日銀、円上昇に直面
尾形氏「見送ればアベノミクス支援から手を引いた」と受け止め
マイナス金利が不評、金融政策の目先を変える必要と六車氏

日本銀行が来週開く金融政策決定会合で追加緩和に踏み切るとの見方が、エコノミスト調査で6割近くに達した。手段としては、金利・量・質の3次元のうち質の拡大を見込む向きが多く、指数連動型上場投資信託(ETF)の買い入れを10兆円追加するとの見方もある。
  エコノミスト41人を対象に15−21日実施した調査で、日銀が27、28日会合で追加緩和を行うとの予想は23人(56%)に達した。直前予想としては、量的・質的緩和が導入された2013年4月3日会合(100%=対象13人)以降、最も高くなった。これに次ぐ高水準だったのは昨年10月30日会合(44%)で、この時は追加緩和は見送られた。7月までの緩和予想は93%と前回調査(88%)を上回り圧倒的多数を占めた。
  クレディ・アグリコル証券の尾形和彦チーフエコノミストは、日経平均株価が5日、2014年10月の追加緩和時とほぼ同水準の1万6000円を割り込んだことを重視。これは「過去の追加緩和の効果が『無に帰した』ことを意味する」とした上で、そのような事態でも動かなければ、「日銀は事実上、『アベノミクス支援』から手を引いたとみなさざるを得ない」と指摘。6月緩和予想を4月に前倒しした。
  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の六車治美シニアマーケットエコノミストも、株安・円高圧力が続いていることに加え、日銀短観の企業の物価見通しに示されるように期待インフレ率が一段と鈍化していること、さらに、「マイナス金利が不評で金融政策の目先を変える必要がある」ことから、従来の緩和なしから4月緩和予想に転じた。

手段はETF
  みずほ銀行の唐鎌大輔チーフマーケットエコノミストは、円高に熊本の震災が重なり、「実体経済への悪影響を阻止すべくちゅうちょなく追加緩和という名目は一段と立ちやすくなったように見える」と指摘。当局としても、現状のように円買い方向の投機ポジションが限界まで膨張している状況の方が効果を演出しやすいという側面があるため、「『やるなら今』という判断はかなり合理的なものだろう」という。
  手段としてはETF購入を挙げる向きが多い。ゴールドマン・サックス証券の馬場直彦チーフエコノミストは「既に市場では現在の年間3.3兆円から5、6兆円への増額は織込まれつつあるため、現状の2倍強の7兆円程度が目安となるのではないか」とみる。HSBCホールディングスのデバリエ・いづみ日本担当エコノミスト(香港在勤)はETFを10兆円買い増すと予想する。
  追加緩和期待が高まっているだけに、日銀が様子見を続ければ円高・株安が進むとの見方が強い。伊藤忠経済研究所の武田淳主任研究員は「追加緩和を見送った場合、再び円高が進行、株価も下落し、企業景況感や消費者マインドが悪化、デフレに後戻りする可能性が高まる」とみる。六車氏も「現状維持の場合は、『いよいよ政策オプションが尽きた』との失望感から株安・円高が進む」と予想する。
緩和しても円高止められない
  日銀が仮に追加緩和に踏み切っても円高の流れは止められない、という見方もある。明治安田生命保険の小玉祐一チーフエコノミストは「今の為替相場の雰囲気では、円高の流れも変えられない可能性が高い」と指摘。為替相場の方向性に与える影響度という点で、「日銀は結局、米連邦準備制度理事会(FRB)の足元にも及ばない」という。
  BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストも、追加緩和がなければ「円高・株安が進みやすくなる」一方で、追加緩和があっても「想定の範囲内であれば、金融政策の限界が意識され、結局、円高・株安となる可能性がある」とみる。

  野村総合研究所の井上哲也金融ITイノベーション研究部長は「追加緩和を行ったとしても、現在の市場や実体経済の問題の多くが海外発であるだけに、目に見える効果は挙げにくい」と指摘する。それでも、「日銀としては、追加緩和を見送った場合の市場や実体経済へのダメージや、円高抑制のための政策に対する悲観論の台頭を考えると、追加緩和を行うことに意味がある」という。
論理的にはないがサプライズ狙いも
  一方、バークレイズ証券の森田京平チーフエコノミストは「マイナス金利の市場や実体経済への影響はまだ判然としない。無担保コール翌日物金利がようやくマイナス0.1%に近付いた段階であり、4月会合で金利のマイナス幅を広げることの意義は十分説明できない」という。一方で、「金利以外での追加緩和となると、それも説明は難しい」ため、4月会合での追加緩和は想定しにくいという。
  みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは「今回は現状維持としつつ、必要があれば臨時会合を開いてでも迅速に追加緩和に踏み切る『臨戦態勢』をアピールするのが論理的に考えた場合、最も可能性の高いシナリオだろう」という。もっとも、「サプライズ狙いの黒田総裁がそうした合理的な選択をするとは限らないが」と留保条件を付けている。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-22/O5YVTG6JIJUR01


日銀トレードめぐり短期国債が大暴れ、「ひどい値動き」と関係者
船曳三郎
2016年4月22日 05:56 JST 更新日時 2016年4月22日 11:03 JST

3カ月物603回債利回りがマイナス1%に急低下
短国買い入れオペ、603回債は対象に含まれず

短期金融市場で、一部の国庫短期証券の利回りがマイナス1%台まで急低下するなど異常な現象が起きた。下手をすると大損しかねない運用に、市場関係者の間では、日本銀行の買い入れオペをねらった暴走との声が上がっている。
  市場関係者の驚きを集めたのは21日の3カ月物603回債の取引。財務省が同日実施した入札では、最高落札利回りと平均落札利回りがともに過去最低を更新したものの、ブルームバーグのジェネリック日本国庫短期証券3カ月物とほぼ変わらないマイナス0.2%前後だった。
  証券会社や銀行などによる債券売買の場である流通市場では、603回債の取引は入札結果発表から2時間程度がたってから開始。業者間取引を仲介する日本相互証券によると、午後2時半ごろにマイナス0.40−0.50%と入札水準から20ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)以上乖離(かいり)して始まったものの、利回りの低下は収まらず、一時はマイナス1.037%を付けた。「ホップ、ステップ、ジャンプでマイナス1%と、あまりにひどい値動きだ」と、セントラル短資総合企画部の佐藤健司係長は指摘した。

  7日の市場でも似たような動きがあった。発行額4.4兆円の3カ月物600回債は入札後にマイナス0.50%まで急低下して過去最低を記録。日銀は8日の短期国債オペの買い入れ額を短資会社の予想を下回る1兆円台に抑え、1社あたりの応札上限額も買い入れ予定額の2分の1から4分の1まで制限した。
  バークレーズ証券の押久保直也債券ストラテジストは、「オペで日銀に高く売りつける動きに歯止めが効かなくなっている。日銀は翌日の買い入れオペで応札上限を買い入れ予定額の4分の1まで制限する措置を取ったが、それでも日銀トレードがワークする。日銀はさらに何かしらの対応を迫られている」と言う。
  セントラル短資の佐藤氏によると、今月は3カ月物の他に6カ月物や1年物と、日銀トレード待ちの銘柄が大渋滞している状況。「5月の連休が控えていることも影響し、このまま日銀が予定通りの資金を供給できないと量的・質的金融緩和の限界という話も生じかねない。日銀は買い入れ額を増やさざるを得ないと読まれている面もあるかもしれない」と言う。
  短資会社では、日銀による今月の短期国債買い入れは3回で合計6兆円が予想されていた。一方、先週までの買い入れ額は2回で合計2.7兆円にとどまっている。
603回債は対象に含まれず
  日銀は22日午前10時10分の金融調節で、国庫短期証券の買い入れオペを通知した。買い入れ額は前回15日より5000億円多い1兆5000億円。市場が注目した買い入れ対象銘柄には603回債が含まれなかった。これまでは前日に入札が実施された新発3カ月物が対象に含まれることが慣例となっていた。
  東短リサーチの寺田寿明研究員は、「603回債は利回りが下がり過ぎているという判断だろう。買い入れ額が1兆5000億円と予想したほど膨らまなかったため、1社あたりの応札上限額は買い入れ予定額の4分の1のままだった。買い入れ額よりも応札制限の方を優先したということではないか」と指摘した。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-21/O5Z7YK6KLVRD01


長期金利が1週間ぶり高水準、米債安や超長期乱高下でスピード調整
池田祐美、山中英典
2016年4月22日 07:49 JST 更新日時 2016年4月22日 10:28 JST

先物は30銭安の151円64銭まで下落、新発20年債利回り一時0.29%
日銀が長期国債買い入れオペ実施を通知、総額1.19兆円

債券相場は下落。長期金利は1週間ぶり高水準を付けている。米国債相場が経済統計の改善などを背景に続落した流れを引き継ぎ、売りが先行した。前日実施の20年債入札終了後に超長期ゾーンを中心に乱高下したことを受けたスピード調整との指摘も出ている。
  22日の長期国債先物市場で中心限月6月物は、前日比14銭安の151円80銭で取引を開始し、一時は151円64銭まで下落した。
  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の342回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より2.5ベーシスポイント(bp)高いマイナス0.10%で開始。一時はマイナス0.095%と15日以来の高水準を付け、マイナス0.10%に戻している。新発20年物の156回債利回りは3bp高い285%で始まり、一時0.29%と19日以来の水準に上昇。その後は0.28%で推移している。
  SMBC日興証券の竹山聡一金利ストラテジストは、「高値警戒感があったことや昨日夕方から下落していた地合いを引き継ぎ、売りが優勢となっている。海外債券相場の流れも重しになっている」と話した。
  前日の国内債市場では、20年債入札の結果発表後にいったん買いが入ったが、その後は売りが優勢となった。入札結果は順調だったものの、実需が乏しいとの見方が広がり、これまでの急激なフラット(平たん)化の反動が出た。新発20年債利回りは0.25%付近から一時0.28%まで売られた。長期金利は過去最低に並ぶマイナス0.135%を付けていたのが、マイナス0.105%と約1週間ぶり水準まで上昇する場面があった。
  東海東京証券の佐野一彦チーフ債券ストラテジストは、「昨日の20年債入札の結果はまずまずだった。しかし、超長期ゾーンの乱高下は少なくともスピード調整の必要性を示している」と指摘した。

  21日の米債相場は4日続落。米10年債利回りは前日比2bp上昇の1.86%で引けた。米労働省が発表した週間新規失業保険申請件数は前週比で予想外に減少し、継続受給者が約15年ぶりの低水準となったことが売り材料となった。欧州中央銀行(ECB)が開いた理事会の結果などを受けてドイツ債相場などが下げ、米国債にも売りが及んだ。
  日銀はこの日午前10時10分の金融調節で、今月9回目となる長期国債買い入れオペの実施を通知した。残存期間1年超3年以下が3500億円、3年超5年以下が4400億円、10年超25年以下が2200億円、25年超が1800億円と、いずれも前回と同額で、総額は1兆1900億円程度となる。
  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジストは、日銀オペ結果について、「よほど強い需給の引き締まりが示されない限り、反動的な売りが優勢な展開になる」と予想している。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-21/O5Z3BS6JTSE801

山本構想があぶり出す黒田緩和のゆがみ、20兆円増発なら「干天の慈雨」
野沢茂樹、呉太淳
2016年4月22日 00:00 JST 更新日時 2016年4月22日 13:33 JST

自民・山本氏が景気・熊本地震対策で20兆円の国債発行を提唱
マイナス金利下で超長期債利回りの最低更新が相次ぐ

景気低迷や熊本地震の発生を受けて大規模な国債増発案が浮上している。日本銀行によるマイナス金利政策の下で投資家の利回り確保競争が過熱する国債市場では安堵の声も出ている。
  自民党の山本幸三衆院議員は21日、自らが会長を務める「アベノミクスを成功させる会」の会合で、熊本地震からの復旧・復興や経済対策の財源は20兆円の国債発行で賄うべきだとの考えを表明。需給悪化要因にもかかわず、財政懸念の影響を受けやすい超長期債の30年物利回りは過去最低を更新した。異次元緩和による巨額の国債購入は4年目に入り、発行残高に占める日銀の保有割合は約3分の1に達している。
  UBS証券の井川雄亮デスクアナリストは、増発規模の最終的な着地点を現時点で予想するのは難しいが、政府が抱える余剰資金も考慮すると「大型補正予算を打つとしても、非常にタイトな国債市場の需給はそれほど緩まない可能性が高い」と読む。財政健全化の重要性は揺るがないが、目先の国債増発は「干天の慈雨だ。市場関係者の心情としては、少しは助かると考えてしまうのではないか」と言う。
  日銀は2%の物価目標の達成に向けて、今年は120兆円規模の国債を買い入れる。1月末にはマイナス金利政策の導入も決定した。残存13年程度までの国債利回りがマイナス圏に沈み、プラス圏にある超長期債も過去最低更新が相次ぎ、最長の40年債は今週0.3%を割り込んだ。政府の市中発行額は今年度147兆円と昨年度当初予算より5.6兆円少ない。公的債務残高は経済規模の2倍超と主要国で最も多いが、国債市場の需給は過去に例がないほど逼迫(ひっぱく)している。

  長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは今週、マイナス0.135%と過去最低に並んだ。2年債はマイナス0.27%と最低記録を塗り替え、5年債はマイナス0.245%と2月に付けた最低に接近。新発20年利回りが0.245%、40年債利回りが0.27%と、ともに最低を更新した。
  山本氏は会合で、復興に必要な財源はまだ不明だが2011年3月に発生した東日本大震災の半分とみて10兆円、国内総生産(GDP)ギャップを埋める経済対策に10兆円の計20兆円あれば十分ではないかと発言。6月1日に会期末を迎える今通常国会での法整備を求め、来月20日ごろに予定している安倍晋三首相への提言に盛り込みたい考えも示した。
  20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が金融緩和効果の限界を指摘し、各国の実情に応じた財政出動を唱える中、市場では政府が10兆円規模の経済対策を講じるとの観測が熊本地震の前から広がっていた。山本氏は13日に国費10兆円を投入する財政拡大策を主張。来年4月の消費増税も再延期が当然だと述べていた。14年11月には安倍首相に増税延期を提言。直後に実現した経緯がある。
  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、市場では日銀が28日に追加緩和するとの観測もさることながら、「現在の巨額買い入れだけでも国債の需給を逼迫させ、超長期債の利回りがどんどん低下している」と指摘。増発がどの程度実現されるか不透明だが「10兆円程度なら市場で十分に吸収される。仮に20兆円全てとなれば一定の影響は出るだろう」と読む。
  山本氏の構想が明らかになった直後に財務省が実施した20年債入札では落札利回りが平均・最高とも過去最低を更新した。投資家からの需要を示す応札倍率は昨年11月以来の水準に上昇し、小さければ好調とされるテール(平均・最低落札価格の差)は前回から縮小した。
対策10兆円なら市中増なし
  UBS証の井川氏は、今年度補正予算を編成するのが今夏以降なら、政府は「4兆−5兆円程度の余剰資金を財源に充てられ、約40兆円も積み上がった前倒債の一部を有効活用しようと考えるだろう」と分析。国債増発が「10兆円程度なら余剰資金と前倒債の取り崩しで賄えるので、市中発行額は増えない可能性が高い。仮に20兆円規模になれば、前倒債の急減は避け、市中発行増も組み合わせてくる」と読む。
  前倒債は翌年度に発行する国債の一部を今年度に先取りすることで、供給額の振れをならして安定的な発行を支える仕組みだ。入札での需給逼迫を背景に、14年度に発行した昨年度分は28兆8341億円と直近10年間で最高。当初計画では上限が32兆円だったが、補正予算で44兆円に引き上げられ、今年度予算案では48兆円となった。税収の上振れ分も補正予算などで使われるまでは前倒債に算入される。
  政府関係者はブルームバーグに対し、山本氏の提言について、まだ熊本地震が収束しておらず、被害総額も明確ではない中で、財源を議論するのは時期尚早だと述べた。
  パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、山本氏は「政策を決める立場ではない。今の段階で織り込むには具体性が欠ける。時期尚早だ」と指摘。景気テコ入れを重視する姿勢の表れだろうが、使途が明確でないと市場への説得力がないと言う。東日本大震災を振り返っても「一定の時間を経ないと、何にいくら必要だという計算はできない」とみる。
ツケが増えるだけの恐れ
  日銀の黒田東彦総裁は「量的・質的金融緩和」を13年4月に導入。翌年10月末の追加緩和で国債保有増を年80兆円に拡大し、昨年12月には金融機関からオペで買い入れる平均残存期間を7−12年程度に長期化した。2月中旬からは金融機関の当座預金の一部に0.1%のマイナス金利を適用。金利の押し下げには成功しているが、肝心のインフレ率はゼロ%程度と低迷している。
  岡三証の鈴木氏は、投資家がわずかな金利収入を得るために躍起になるのは「日銀が十分に時間稼ぎをしてきたにもかかわらず、日本経済の長期的な成長期待が高まらない」からだとみる。財政出動で「何十兆円かのカンフル剤を打つだけだと、株価の持続的な上昇も難しいし、公的債務というツケが増えるだけに終わる恐れがある」と指摘。成長力を高める「構造改革に真剣に取り組むことが不可避だ」と語った。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-21/20-inaezzpr



BNP:金価格は1400ドルに上昇へ−中銀政策「行き過ぎ」のリスク
Lilian Karunungan、Ranjeetha Pakiam
2016年4月22日 12:19 JST
金融市場の変動と経済成長への懸念で金価格は今年に入って20%上昇
マイナス金利の状況では、金はヘッジ手段として理にかなっている

金価格が向こう1年間に1オンス=1400ドルに上昇する可能性があるとの見方を、BNPパリバが示した。各国・地域の中央銀行の経済成長維持政策の有効性について、投資家の懸念が高まっていることを理由として挙げた。
  BNPの富裕層向け資産運用部門は21日、シンガポールの会議で配布した資料で「世界の中央銀行の政策の有効性低下と行き過ぎの可能性に対する投資家の懸念が総じて強まっている」と指摘。「向こう数四半期は、こうした懸念が引き続き投資環境の重要な要素になると予想している」と述べた。
  金融市場のボラティリティ(変動性)が高まり、世界の経済成長に対する投資家の懸念が強まる中、金価格は今年に入って約20%上昇。欧州と日本の中銀はマイナス金利を導入し景気てこ入れ策を強化。米金融当局は昨年末に利上げしたが、その後は実施していない。BNPは向こう1年間の金価格レンジを1150−1400ドルと予想している。
  BNPパリバ・ウェルス・マネジメントのシンガポール在勤アジア担当最高投資責任者(CIO)、プラシャント・バヤニ氏は「金をポートフォリオのヘッジ手段として推奨している。特に現在のマイナス金利の状況では、ヘッジ手段として理にかなっている」との見方を示した。
原題:BNP Sees Risk of Central Bank ‘Overreach’ With $1,400 Gold (4)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-22/O60K086JTSEE01


米投資家は国内株を敬遠、出遅れる海外株には関心−チャート
Lu Wang
2016年4月22日 13:26 JST


  米国の投資家の株式離れについて騒がれているにもかかわらず、多くの投資マネーが海外に向かっている。米国の投資家は2015年に国内株投資信託から1100億ドル(約12兆円)を引き揚げた一方で、外国株式投信に1900億ドルを投じた。その差は利用可能な1984年以降のデータによると最大で、今年もこの傾向が逆転する兆しは見当たらない。MSCIワールド指数(米国を除く)が2009年以降、S&P500種株価指数に後れを取っている状況から行き着く結論は資産の分散だ。
原題:U.S. Investors Shunning Stocks? Only the Ones at Home: Chart (抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-22/O60KVB6JTSE801



Business | 2016年 04月 22日 01:49 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
米新規失業保険申請24.7万件に減少、1973年以来の低水準

[ワシントン 21日 ロイター] - 米労働省が21日発表した16日までの週の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週比6000件減の24万7000件と、1973年11月以来の低い水準に改善した。経済が減速する中でも雇用市場は勢いを失っていないことを示唆した。市場予想は26万3000件だった。

前週の申請件数に修正はなかった。

申請件数は30万件を切ると雇用市場が引き締まっているとされる。数字は59週連続でこの水準を下回っており、1973年以来の長期間となる。

第1・四半期の米経済には急減速の兆しがみえるが、雇用市場は底堅さを増している。ただ、経済成長の弱さや物価上昇の緩慢さを踏まえると、米連邦準備理事会(FRB)は、ゆっくりとしたペースで利上げを進める方針を変えることはないとみられる。

FRBは昨年12月に9年半ぶりに金利を引き上げた。連邦公開市場委員会(FOMC)のメンバーの最近の見通しによると、今年の利上げは2回だけと想定されている。

労働省のアナリストによると統計に影響を及ぼすような特殊要因はなかった。首都ワシントン(コロンビア特別区)の数字だけが推計値だった。

週ごとの変動を均し雇用情勢をより正確に反映するとされる4週移動平均は4500件減の26万500件だった。

今回の失業保険申請件数は、来月上旬に発表される4月の雇用統計と調査期間が重なっている。3月と4月の調査期間の4週移動平均を比べると1000件の増加にとどまっており、雇用が引き続き底堅く伸びていることを示唆している。

3月の雇用統計は、景気動向を敏感に映す非農業部門の就業者数が前月比21万5000人増えた。

2週間以上手当てを受けている失業保険受給者総数は、9日までの週で3万9000件減の213万7000件と、2000年11月以来の低い水準になった。4週移動平均は1万0750件減の216万8500件と、これも2000年11月以来の低水準だった。
http://jp.reuters.com/article/us-jobless-claim-idJPKCN0XI2AU



ECBの社債購入、焦点はその大きさ

By RICHARD BARLEY
2016 年 4 月 22 日 12:14 JST

 欧州中央銀行(ECB)の購入対象となる社債は極めて広範囲に及ぶ。だが、ECBに購入する意欲がどの程度あるかはまだよく分からない。

 ドラギECB総裁は21日、3月に発表した社債購入計画について投資家がこれまで抱いていた疑問の一部に答えた。同計画は他の債券購入と合わせ、月次800億ユーロ(約9兆9000億円)を市場に資金供給する。2015年の量的緩和開始時、市場への供給規模は月次600億ユーロだった。

 ECBが大きな逃げ道を用意しているのは確かだ。ECBの社債購入は域内6カ国の中銀を通じて行われる。対象となるのは残存期間が6カ月から30年までで、ユーロ圏に本社を置く企業(ノンバンクと保険会社を含む)のユーロ建て社債とされる。新発市場と流通市場の双方で購入し、1銘柄につき発行残高の70%まで購入できる。購入対象となるには投資適格格付けが必要となる。

 しかし、1つ大きな疑問がまだある。月次での社債購入規模だ。投資家がその規模を知るのは事後のこととなる。ECBは6月の購入開始後、社債保有額を週に1回発表する。シティグループは、強気局面なら30億?50億ユーロの購入で市場全体を底上げすることになるだろうが、地合いが軟調に転じた場合、その程度の額では売りを吸収できそうもないとみている。ソシエテ・ジェネラルは、投資家からすでに大きな需要があることを踏まえ、同50億?100億ユーロの購入なら大きなインパクトがあると予想する。

バンクオブアメリカ・メリルリンチのユーロ圏非金融コーポレート・インデックス ENLARGE
バンクオブアメリカ・メリルリンチのユーロ圏非金融コーポレート・インデックス
 言うまでもなく、この政策はすでに市場を動かしている。3月の計画発表後、社債発行が大幅に増加しているのだ。社債利回りは下がり、社債と国債の利回り差は縮小した。投資家の新発債購入意欲が上がるにつれ、新発債の既発債に対するプレミアム(価格の上乗せ分)も消失した。

 しかし、大規模な社債購入は長期的に極めて大きな影響を及ぼす可能性がある。ユーロ圏の社債は域外と比べスプレッドが小さい。つまり、投資家の間では域外の社債に対する需要の方が大きい可能性がある。このため、ECBの政策によって米国企業がバランスシート上でレバレッジを拡大させることもあり得る。現在のような激しい利回り追求が一段落した時点で、本来の持続可能な需要がどの程度あるかは分からないが、ECBが残存期間の長い社債を購入したいと考えているなら、長期債の発行が促される可能性はある。

 ECBが社債購入に本気だということが明らかになった場合、すでに歪みの生じた債券市場での取引が一層難しくなると覚悟すべきだ。

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ECBの社債購入、米企業株主に恩恵も

By JAMES MACKINTOSH
2016 年 4 月 22 日 13:06 JST

 欧州中央銀行(ECB)は米企業の株主に数十億ユーロもの資金を回そうとしているのかもしれない。

 ECBが21日発表した社債買い入れの条件は予想外に寛大なものだった。この買い入れは資金供給を拡大してユーロ圏の景気回復を促す取り組みの一環。

 買い入れ条件が緩いため、ECBの資金は容易に米国へ流れ着くかもしれない。大手米企業はかねて欧州でも起債しており、昨年はこうした「リバース・ヤンキー債」の発行額が欧州のマイナス金利導入以降で最高を記録した。ディールロジックによると、2015年のリバース・ヤンキー債発行額は660億ユーロ(約8兆1500億円)。フィッチ・レーティングスによれば、これは全てのユーロ建て債の5分の1に相当する。今年これまでの発行額は過去2番目の水準に達している。

 ユーロ圏に拠点を置く企業(銀行を除く)がユーロ建てで発行した社債は、ECBの買い入れ対象となる。米企業はユーロ圏に起債子会社を設立さえすればよい。さらに良いことに、ECBは各社債を最大70%まで購入できる上、発行時にも買い入れられる。

 ECBが米社債を買い入れた場合、その資金は最終的に株主の手に渡るものと思われる。大手米企業は急速に借り入れを増やし、調達資金を投資の拡大ではなく、主に自社株の買い戻しに充てている。

 ECBが域外の企業にお金を回すことは、物議を醸す可能性がある。と言うのも、債券が全額償還されない場合、ECBが財政的打撃を被ることになるためだ。

 理想の世界なら、ドラギECB総裁はこれについて懸念しなくていい。ECBは欧州企業に借り入れて投資し、足元の実体経済と今後の成長を促して欲しいと考えている。だが、それが実現する見込みは極めて低い。欧州には余剰生産能力があふれている上、大規模投資が起債調達を見据えて保留にされている兆候は見られない。

 また、欧州企業が一斉に自社株を買い戻すこともありそうにない。まず、ユーロ圏企業は米企業と違い、借り入れの拡大にほぼ意欲を見せていない。これは景気見通しが一因だ。低成長が何年も続いて不確実性が広がっているため、欧州企業幹部は事業を拡大することより、既存事業を守ることに重点を置いている。実際、各社は株式発行を通じてバランスシートを強化している。米企業の実態とは正反対だ。

 また、報酬体系の違いから、欧州企業は借り入れによる自社株の買い戻しを促されない。ゴールドマン・サックスの計算によると、最高経営責任者(CEO)の報酬が株価と連動している大手企業の割合は欧州が40%であるのに対し、米国では60%余りに上る。

 ECBは、社債市場の地合いが今年急激に改善したのと同じように、欧州企業幹部の認識が変わるよう願っている。欧州のある債券ヘッジファンド運用担当者は21日、「(2月には)何も売れなかったが、今は何も買えない」と述べた。

 域外の発行体企業がECBの資金を大量に手に入れ、それを米国の株主に回したとしても、ユーロ安につながることでECBの目標達成には役立つかもしれない。起債企業はユーロをドルと交換し、ドル相場を押し上げ、ひいてはユーロ圏にインフレを輸入することとなる。

 ただ、解消すべき大きな不確実性がいくつか残っているため、米企業の株主はまだ過度に期待しない方がいい。まず、ECBは月額800億ユーロの債券購入枠のうち、どの程度を社債買い入れプログラムに回すのかはっきりさせていない。次に、ユーロ建て債を発行する多くの米企業は、組織構造を変更しなければ恩恵を得られない。

 非ユーロ圏加盟国の企業とその発行済み債券の一部は、ユーロ圏の子会社を通じて起債しているため、すでに資格を満たしているようだ。例えば、建設機械で世界最大手のキャタピラーと、ゼネラル・エレクトリック(GE)の金融部門GEキャピタルはいずれも、アイルランドに欧州の起債子会社がある。それ以外は子会社を新たに設立し、起債前に信用格付けを取得しなければならないだろう。アップルのユーロ建て債など、発行済みのリバース・ヤンキー債の多くは米法人が直接発行しているため、ECBの買い入れ対象にはならない。

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ECB総裁会見、5つのポイント

By PAUL HANNON
2016 年 4 月 22 日 09:50 JST

 欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が21日開いた記者会見は比較的落ち着いた雰囲気で、追加利下げがECBの選択肢にあることを強調する一方、「ヘリコプターマネー」についてはきっぱりと否定した。また、ドイツのショイブレ財務相や年金当局をやんわりと揶揄(やゆ)し、同国の批判をはねつけた。さらに、欧州連合(EU)離脱の是非を問う英国民投票の影響にも短く言及した。以下に会見の5つのポイントを挙げる。

1. 利下げ

 ドラギ総裁は前回の会見で墓穴を掘った。3月の理事会で打ち出された一連の追加刺激策を受け、ユーロは下落し、株式や債券価格は上昇していたが、総裁がその後の会見で追加利下げは賢明ではないかもしれないと示唆すると、相場は反転した。今回は利下げが選択肢に残っていることを明確にする一方、マイナスの預金金利には下限があると繰り返した。

2. ヘリコプターマネー

 3月の会見でも取りざたされたもう一つの問題はいわゆる「ヘリコプターマネー」で、総裁は「興味深い概念」という当時の見解を明らかにした。総裁は厳密には一度もその可能性を排除しなかったが、これで「実行不可能」と言ったつもりのようだ。「われわれが議論したことは一度もない」とし、実施するとすれば「困難を伴う」だろうと付け加えた。

3. ドイツの批判

 ECBが3月に決定した一連の刺激策は、ショイブレ財務相をはじめとする多数のドイツ国民の批判を招いたが、ドラギ総裁は悩んでも傷ついてもいないようだ。ECBは自らの仕事をこなしているだけだとし、米連邦準備制度理事会(FRB)や日本銀行とほぼ同じようにそうしていると主張した。また、ショイブレ財務相がすでに当初の批判を撤回していることに言及し、「発言は本意でなかったか、または、本意についての発言をしていなかった」と指摘した。より根本的に言えば、ドイツの批判は非生産的だ。ドラギ総裁は「中央銀行の信頼が疑わしいと受け取られている時には、結果として目標の達成が遅れ、ひいては政策のさらなる拡充が必要になる」と語った。

4. ブレグジット(英国のEU離脱)

 ドラギ総裁は、ユーロ圏の緩やかな景気回復が「地政学的」情勢を含む「下振れリスク」に直面していると述べ、EU離脱の是非を問う6月23日の英国民投票に関するリスクを示唆した。「(ブレグジットの)可能性をめぐる議論は明らかに、英ポンドの下落など市場に著しい影響をすでにある程度与えている」と語った。また「国民投票までは確実に、市場の変動が続くと予想している。それは回復を危険にさらすほどだろうか。実現するリスクは限定的、というのがわれわれのスタッフの評価だ」とも述べた。

5. 年金

 総裁は低金利が年金生活者に問題をもたらしていることは認めたが、こうした事情に関してECBに責任はないと即座に主張した。「低金利は、低成長や低インフレによる症状だ」とし、「金利を再び引き上げたいなら、高成長、高インフレに戻る必要がある」と語った。年金基金の運用当局に対しては、実際のところ実質金利は20年前より高いとの考えを示した。「実質金利について貯蓄者に説明するのが難しいことは理解している」としたが、「それは運用当局の仕事だと申し上げたい」と話した。

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ドイツのECB批判が的外れな理由
http://jp.wsj.com/articles/SB10834865168797973818204582019981391934846

上海株、世界最悪の騰落率−置いてきぼりの市場の不吉なサイン
Enda Curran、Justina Lee
2016年4月22日 09:56 JST

上海総合指数は今週これまでのところ約4%安
人民元も対通貨バスケットで2014年11月以来の安値

世界的な株高傾向の中で、中国のトレーダーはお祝いムードと無縁だ。
  上海総合指数は今週これまでのところ4.1%下落。約2カ月ぶりの大幅安で、ブルームバーグが継続調査する世界93の株価指数中、最悪の騰落率となっている。株式だけではない。人民元は通貨バスケットに対し、2014年11月以来の安値で取引されている。社債利回りは過去12営業日のうち10営業日で上昇した。

  ?生鴻鼎資産管理の戴明ファンドマネジャー(上海在勤)は、デフォルト(債務不履行)増加への懸念が高まっている上に、景気安定化の兆候が示される中で追加刺激策観測が市場で後退していると指摘。上海総合指数は20日に一時4.5%急落し、月間騰落率がマイナス23%に達し、胃が痛むような思いをさせられた1月の相場混乱の記憶を呼び起こした。
  交銀国際の中国担当ストラテジスト、洪?氏(香港在勤)は「市場関係者は依然として非常に懐疑的で、それには正当な理由がある」と述べた。
  中国の経済指標改善や株式・通貨市場のボラティリティ(変動性)低下で、同国経済の健全性に対する国際社会の懸念は薄れつつある。だが中国共産党が景気下支えのため、どの程度の期間、経済への流動性供給を維持できるのかという疑問が生じている。資金の多くは不動産市場に流れ込み、バブル懸念に拍車を掛けている。
  UBSグループのウェルスマネジメント部門でアジア・アセットアロケーション責任者を務めるアードリアーン・チュルヒャー氏(香港在勤)は、「中国のマクロ指標改善の持続性をめぐる懸念が根強くある。現状を見ると、刺激策による景気回復の様相が濃い」と指摘した。
原題:As Global Stocks Rally, China’s Markets Send More Ominous Signal(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-22/O60DTX6TTDSK01

中国株:上海総合指数、下落−週間では1月以来の大幅な下げ
Fox Hu
2016年4月22日 13:40 JST

22日の中国株式市場で上海総合指数が下落。週間ベースでは約3カ月ぶりの大きな下げとなりそうだ。経済指標の改善で追加刺激策が抑制され、企業のデフォルト(債務不履行)が増えるとの懸念が広がった。
  上海総合指数は午前の取引終了時点で、前日比0.6%安の2935.35。このままいけば3月29日以来の安値で取引を終える。政府が原材料取引の沈静化に動いたことを受け、商品株が安い。今週はテクノロジー株や工業銘柄を中心に値下がりし、週間下落率は世界の主要株価指数で最大の4.6%となっている。
  香港市場では中国本土株で構成されるハンセン中国企業株(H株)指数が前日比1.5%安。 建設資材メーカーの中国建材(3323 HK)の下げが目立つ。ハンセン指数は1%下落し、今週の上昇率が0.5%に縮小している。
原題:Chinese Stocks Head for Biggest Weekly Drop Since January’s Rout(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-22/O60PDC6JTSEH01


Business | 2016年 04月 22日 12:26 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
第1四半期末の中国都市部失業率は4.04%、前年比やや低下=新華社
[北京 22日 ロイター] - 第1・四半期末の中国都市部の失業率は4.04%と昨年末と同水準で、前年同期比では小幅低下した。新華社が22日、人事社会保障省のデータとして報じた。

第1・四半期中に都市部で318万人の新規雇用が創出されたとしている。

李克強首相は3月の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で、1000万人の新規雇用を創出し、都市部の失業率を今年4.5%未満に維持する考えを示した。

新華社によると、第1・四半期の社会年金基金の収入は前年同期比14.7%増の1兆2100億元、支出は12.8%増の9677億元だった。
http://jp.reuters.com/article/china-unemployment-idJPKCN0XJ077


2. 2016年4月22日 19:55:23 : yBQkrRTumA : UvxNb8gKnf4[1082]

 早く −2%にしましょうね 

 マイナス金利は 「やってみて」「試してみて」  歩きながら考えましょう

 マイナス金利は 何時でも 「元に戻せるもの」だから あまり 真剣に考えないこと

 ===

 そんなに マイナス金利が「いや」なら 「プラス金利 2%」にしますか??

 ===

 経済評論家は そんなに 金利について 確固たる意見を おもちなんですかね〜〜

 0% 金利が いいんですか??


 え〜〜い しっかりしろ 評論家!!   はっきり 言えよ 何パーセントが適正なのだ〜〜
 


3. 2016年4月22日 20:28:35 : yBQkrRTumA : UvxNb8gKnf4[1083]

 評論家は 円が高くなれば 円高だと言って 騒ぐ

 円がやすくなれば 円安だと言って 騒ぐ

 ===

 それなら 何円が 正しいんだ 10円か? 50円か 100円か 200円か?

 その 正しい 円の価値で 5年も10年も 一定の理想値で 止めておくのは どうするんだ

 ===

 ばか評論家  答えろよ〜〜〜
 


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